JP2002518459A - 修復プロセスを刺激する物質およびその適用方法 - Google Patents

修復プロセスを刺激する物質およびその適用方法

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Abstract

(57)【要約】 L-Lys-L-Gluジペプチドは、修復プロセスを刺激することができる薬剤を調製するために使用することが想定される。本発明によれば、再生を刺激することができる薬学的ペプチド製剤は、薬学的に許容可能な担体、および有効成分としてL-リシル-L-グルタミン酸もしくはその塩の組み合わせである有効量のジペプチドから成る。薬学的ペプチド製剤は、非経口、鼻腔内、経口および局所適用することが想定される。本発明によれば、再生を刺激する方法は、体重1kgあたり0.01〜100μkgの投与量で、治療効果を得るために必要な期間、1日に少なくとも1回、前記薬剤を予防および/または治療注入することから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の分野] 本発明は、薬学、即ちペプチドおよびその組成物を含有する医薬に関し、化膿
炎症性疾患および術後合併症、栄養性障害、皮膚および粘膜の疾患および損傷、
修復プロセスの障害を伴う放射線、熱性および化学的因子の後続効果の症例にお
いて、組織再生の刺激薬として医薬を予防的および/または治療的に利用するこ
とが、本発明によって見出された。
【0002】 本発明は、必要としている被検者に修復プロセスを刺激する物質として、ジペ
プチド、L-リシル-L-グルタミン酸(L-Lys-L-Glu)を適用することに関する
【0003】 [発明の背景] 適用の上で本発明の医薬に最も類似した医薬としては、代謝プロセスを刺激す
る一群の製剤がある:ピリミジンの誘導体(メチルウラシル、ペントキシル)お
よび生体製剤(アクトベジン、ソルコセリル)(1)。
【0004】 メチルウラシルの欠点は、皮膚のアレルギー性反応(じんま疹、発疹)、とき
どき頭痛およびめまい感が起こることである。ペントキシルの経口適用は、この
薬剤の刺激性作用のために消化不良を引き起こす。アクトベジン(Actovegin)
およびソルコセリル(Solcoseryl)の傷害は、この薬剤中に活性物質の量が少な
いこと、長期間の治療であること、創傷プロセスの段階に対して適用が制限され
ること、および化膿性創傷の治療に効果が低いことである。これらの薬剤は、白
血球産生に対して大きな刺激効果を発揮する。
【0005】 ペプチド合成の構成要素として使用されるジペプチドL-Lys-L-Gluは公知で
ある(2)。
【0006】 ジペプチドL-Lys-L-Gluが、免疫調節活性を表すことは周知である(3)。し
かし、このジペプチドの活性は、免疫生物学的作用の分野でのみ特徴付けられて
おり、この特徴は、修復プロセスを刺激するジペプチドの特性を明らかにしてい
ないし、相互に関連もないし、また、その臨床上の適用に関して適応症を特定し
ていない。修復プロセスに対するジペプチドL-Lys-L-Gluの作用の実施例によ
り、既知の特性と本発明との間に関係がないことが客観的に実証される。
【0007】 [発明の開示] 本発明は、修復プロセスを刺激することが可能なペプチド由来の物質を得ると
いう課題を解決することを目的とする。
【0008】 本発明に関して、修復プロセスを刺激する特性を示す物質として、以下のアミ
ノ酸配列:L-Lys-L-Gluを有するジペプチドを使用することが提案されている
【0009】 ジペプチドは、溶液中での従来のペプチド合成法により得られる(4)。
【0010】 L-Lys-L-Gluジペプチドの修復プロセスを刺激する未知の特性が、本発明の
実験研究において発見された。
【0011】 本発明に関して、再生を刺激することが可能な薬学的ペプチド製剤が提案され
ており、このペプチド製剤は、薬学的に許容可能な担体、および活性成分として
L-リシル-L-グルタミン酸(L-Lys-L-Glu)で表される有効量のジペプチド化
合物またはその塩のような化学修飾体を含む。
【0012】 本発明に関して、修復プロセスを刺激する薬学的ペプチド製剤は、アミノ基に
よる塩(酢酸塩、塩酸塩、シュウ酸塩)、またはカルボキシル基による塩(金属
塩−ナトリウム、カルシウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、および他の有機
および無機陽イオン、例えばアンモニウム、トリエチルアンモニウムの塩)を含
んでいてもよい。
【0013】 本出願で使用される「薬学的ペプチド製剤」の概念には、組織再生の刺激を必
要とする疾患の治療に治療効果を表し、前記ジペプチドの種々の薬学的誘導体を
含有する、任意の薬剤形態の使用を含む。
【0014】 本出願で使用される「有効量」の概念には、この薬剤形態において利用可能な
知識だけでなく、活性および毒性の量的指標に応じて効果的であるはずの活性成
分の量の使用を含む。本発明を満たす薬学的組成物を得るために、提案されたジ
ペプチドもしくはその薬学的に適用可能な誘導体を、活性成分として、薬理学で
公認されている混合法に従って薬学的担体と混合する。
【0015】 担体は、製剤の薬剤形態に依存し、投与(例えば、非経口、経口、鼻腔内、も
しくは局所投与)にとって望ましい種々の形態(例えば、塗り薬もしくは軟膏の
ような形態)をとり得る。
【0016】 全ての既知の薬学的成分を、経口もしくは局所投与に好ましい用量で組成物を
調製するために使用してもよい。
【0017】 非経口(鼻腔内)投与において、担体は通常滅菌水を含むが、安定性もしくは
滅菌状態の維持に役立つ他の成分を使用することもできる。
【0018】 本発明に従って、体重1kgあたり0.01〜100μkgの用量で投与した場合、
前記ジペプチドは活性を有しているが、疾患の重症度および特性に対して、より
少ない(多い)用量を使用することもできる。
【0019】 本発明の薬学的ペプチド製剤は、非経口、鼻腔内、経口、および局所投与につ
いて提案されている。
【0020】 本発明は、再生プロセスの刺激が必要なヒトおよび動物に対して再生プロセス
を刺激する方法、およびこの方法を行うための薬学的組成物の両方を包含する。
【0021】 本発明に従って、活性成分としてL-リシル-L-グルタミン酸(L-Lys-L-Glu
)のジペプチド、またはその塩もしくは他の誘導体の形態の化学修飾体を含有す
る薬剤の投与により再生プロセスを刺激する方法は、細胞の代謝活性化および種
々の組織の細胞の増殖および分化のプロセスに対する調節効果にその影響が現れ
る。本方法は、必要としている被検者に、体重1kgあたり0.01〜100μkgの
用量で、一日に少なくとも一回、治療効果に達するのに必要な期間(疾患の特性
および重症度に対して10〜40日)、薬剤を予防もしくは治療投与することを含む
【0022】 本発明は、組織再生の刺激を必要とする疾患(化膿炎症性プロセスおよび術後
合併症、栄養性障害、皮膚および粘液性疾患および損傷、放射線、化学的および
熱性因子の後続効果)の、修復プロセスのシフトを伴う予防および治療を含む。
【0023】 [産業上の利用] 本発明は、式 L-リシル-L-グルタミン酸(L-Lys-L-Glu)で表されるジペ
プチドの合成例(例1)、前記ジペプチドの毒性および生物学的活性の試験例(
例2、3、4および5)、並びに前記ジペプチドの薬理学的特性を実証し、治療
効果に達する可能性を確証する臨床上の適用結果の例(例6、7、8)により詳
細に説明する。
【0024】 例1 L-Lys-L-Gluジペプチドの合成 1.Nα、Nε−ジベンジルオキシカルボニルリシル−γ−ベンジルグルタミ
ン酸[I] 0.154g(0.65 mmol)のγ−ベンジルグルタミン酸を、3mLのジメチルホルム
アミドに懸濁し、0.091 mL(0.65 mmol)のトリエチルアミンを混合しながら添
加し、次いで0.300g(0.59 mmol)のNα、Nε−ジベンジルオキシカルボニル
リシルのオキシスクシニミドエーテルを添加した。反応後の混合物を、室温で12
時間内で混合した。その後、40℃の真空下で溶媒を煮詰め、10 mLの1n H2
4を残渣に添加した。その生成物を、酢酸エチル(30×2)で2回抽出した。
有機層を1n H2SO4および水に中性反応まで浸し、Na2SO4上で乾燥させ
た。40℃の真空下で溶媒蒸留を行い、残渣を1〜2mLの酢酸エチルに溶解した。
その生成物をヘキサンにより沈ませ、酢酸エチル/ヘキサンのシステムで再結晶
化した。その生成物を濾過し、真空下、P25上で乾燥させた。収率は、0.0330
g(88%)であった。保持係数Rf=0.81(ベンゾール:アセトン=1:1、sil
ufol)であった。
【0025】 2.L-リシル-L-グルタミン酸 保護されたジペプチド[I](0.330g)を10 mgのメタノールに溶解し、3mL
の水を添加し、パラジウム炭上で水和させた。薄層クロマトグラフィーによりコ
ントロールを行った。水和の終了時に、触媒を濾過して取り除き、残渣を最小量
の水に溶解し、メタノールにより沈ませた。その生成物を濾過し、エタノールに
浸し、真空下、P25上で乾燥させた。収率は0.110g(85%)であった。融解
温度は194〜196℃であった。[α]γ20=+20.0゜(c=3.0;H2O)。Rf=0
.54(アセトニル:水 1:3、“Merk”)。電気泳動:EGly=1.96;Ehis=0
.98(1400ボルト、45分、2%酢酸、“Watmann 3MM”)。
【0026】 カルボキシル基に対応する塩を得るために、遊離ジペプチドに、対応する金属
の水酸化物の水溶液(NaOH、KOH、ZnOH2、LiOH、CaOH2、M
gOH2、NH4OH)を計算した量添加した。トリエチルアンモニウム塩を得る
ために、塩基としてトリエチルアミンを用いて同じ方法で処理を行った。
【0027】 例2 L-Lys-L-Gluジペプチドの毒性研究 ジペプチドL-Lys-L-Gluの一般的な毒性研究を、「薬理学的物質の安全性の
前臨床評価の基準(GLP)」に従って行った。
【0028】 研究の目的は、薬剤の耐毒性投与量を検出すること、生物の種々の器官および
システムにおける病理学的変化の段階および特性を評価すること、および投与量
に関連した毒性効果と薬剤適用期間との関係を測定することにある。
【0029】 ジペプチドL-Lys-L-Gluの急性毒性の評価は、Kerberに従って行った。この
研究は、体重20〜23gの66匹の異系交配した白色のオスマウスについて、標準的
な治療プログラム(regimen)下で維持し、研究用の飼育施設中で標準的な食事
を供給して行った。この動物をそれぞれ11匹ずつのマウスに6つの均等なグル
ープに無作為に分けた。この薬剤を、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5
mg/kgの投与量で0.25 mL、即ち、臨床試験で推奨される治療用量の数千倍を筋内
に1回投与した。コントロール動物には、同量の塩化ナトリウム溶液を投与した
【0030】 72時間後および14日後、何れのグループの動物もすべて生存していた。全身の
状態、行動、運動活性、毛もしくは皮膚外皮、または生理学的分泌に変化は現れ
なかった。
【0031】 このように、臨床試験で推奨される治療用量の数千倍の投与量でのL-Lys-L-
Gluジペプチドは毒性効果を起こさず、これは、この薬剤の治療上の広範な応用
性を示している。
【0032】 L-Lys-L-Gluジペプチドの亜急性毒性の研究を、体重150〜250gの60匹の異
系交配した白色のマウスについて行った。実験グループの動物には、この薬剤を
0.5 mL塩化ナトリウム溶液中1mg/kg、0.3 mg/kg、3mg/kgの投与量で筋内に90
日間毎日1回投与した。コントロールグループの動物には、同量の塩化ナトリウ
ム溶液を投与した。
【0033】 研究の全期間にわたって、動物は毎日コントロール下にあった。動物の行動、
並びに食事および水の消費、毛および粘液性表面の状況をモニターした。週1回
動物の体重を測定した。形態学的構造および末梢性血液の性質を、薬剤投与の前
および30日目、60日目、90日目に調べた。血液の生化学的および凝固性(coagul
ologic)指標を実験終了時に調べた。
【0034】 本発明の方法により得られるL-Lys-L-Gluジペプチドの慢性毒性を、ジペプ
チドを体重150〜250 mgのラットに縦断的に投与する間研究した。実験グループ
の動物には、この薬剤を0.5 mL塩化ナトリウム溶液中1mg/kg、0.3 mg/kg、3mg
/kgの投与量で6ヶ月間筋内に毎日1回投与した。動物の行動、並びに食事およ
び水の消費、毛および粘液性表面の状況を分析した。実験の最初の3ヶ月間は毎
日、その後は一ヶ月に1回、動物の体重を測定した。投与を開始してから3ヶ月
後、および実験の終了時に、血液学的および生化学的調査を行った。心血管系、
肝臓、膵臓、腎臓、および副腎の機能を評価した。薬剤投与の終了時に、脳およ
び骨髄の種々の部分、心臓、大動脈、肺、肝臓、内分泌系および免疫系の器官の
状況を研究する目的で、幾つかの動物に病理形態学的評価を行った。
【0035】 動物の全身状況、末梢性血液の形態学的および生化学的指標、内因性(intrin
sic)器官の形態学的状況、心血管系および呼吸器系、肝臓および腎臓の機能を
評価したが、その動物の病理学的変化は何も現れなかった。
【0036】 L-Lys-L-Gluジペプチドの亜急性および慢性毒性の研究により、100〜1000倍
の治療用量の投与量でこの薬剤を長期間適用した間、副作用がないことが証明さ
れた。
【0037】 例3 柔組織の化膿性創傷・挫傷の治癒に対するL-Lys-Gluジペプチドの影響 L-Lys-L-Gluジペプチドの薬効を、体重2〜3kgの雌雄の“Shinshilla”ウ
サギの大腿柔組織の化膿性創傷・挫傷モデルについて評価した。このため、ウサ
ギの大腿柔組織領域の毛を剃り、その後5センチの長さ、2センチの深さで切開
した。柔組織(筋肉、皮下脂肪)を、Kocherの鉗子(forcepts)で挫滅し、病原
性混合物を感染させた:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)菌株186。そ
の後、その創傷を縫合した。72時間したら、縫合糸を取り除き、その創傷を3%
過酸化水素溶液で処理した。
【0038】 実験グループの動物には、ジペプチドL-Lys-L-Gluを、注入当り1μkgの1
回投与量で5日間毎日筋内に注入した。コントロールのウサギには、同じ手法に
より塩化ナトリウム溶液を注入した。治療プロセスでは、外用の防腐薬で創傷を
処理した。
【0039】 炎症性プロセス後退(regression)の動的変化におけるL-Lys-L-Gluジペプ
チドの薬効評価は、化膿壊死性塊から痂皮拒絶および創傷の一掃時期、創傷にお
ける粒状組織の出現時期、および輪郭の上皮形成の開始時期に基いて行われる。
創傷プロセスの経過について客観的基準を同定する目的で、粒状組織の個々の細
胞の構成要素および構造の半定量的特性を表す指標を、6、14、21、28および40
日目に分析した。また、組織の酵素活性を評価した(5,6,7)。
【0040】 調査の結果、炎症の第一段階にある全グループの動物は、新たな線維芽細胞お
よび組織球の拡散した粒状組織の薄い縁取りで取り囲まれた組織に、6日目に蔓
延した壊死が現れた。増殖の段階では、壊死の小さな病巣が、管およびリンパ球
を多量に有する粒状組織の厚い層で取り囲まれた。組織球の量が増大し、マクロ
ファージは壊死性領域でクラスターを形成した。線維芽細胞は伸び広がり、薄い
核を有していた。実験グループの動物では、細胞の構成要素の活性化プロセスが
特に顕著であった(表1)。瘢痕形成の段階では、これらの動物に、成熟線維芽
細胞を有する粒状組織の層で取り囲まれた壊死の病巣が現れた。線維芽細胞の間
には、膠原線維の層が認められた。壊死領域に近い間隙性物質は、膠原前線維、
線維芽細胞、吸収プロセスを示唆する組織球、および新たな粒状組織を有する壊
死性組織の代替組織が含まれていた。
【0041】 L-Lys-L-Gluジペプチドの適用に対する組織応答の目立った特徴は、増殖段
階において組織球の酸性ホスファターゼの活性が高いことにある。白血球浸潤の
僅かな病巣において、および脈管内皮において、アルカリ性ホスファターゼの高
い活性が認められた。瘢痕形成の段階において、高い含量の酸性ホスファターゼ
が組織球で安定化し、高い含量のアルカリ性ホスファターゼが白血球および管内
で安定化した(表2)。
【0042】 観察された変化により、組織の細胞代謝の増加、壊死組織から創傷表面が迅速
に一掃され、その後、創傷上皮が形成されることが証明された(表3)。
【0043】 例4 一部肝切除後の肝臓の補償再生に対するL-Lys-L-Gluジペプチドの影
響 体重150〜200 mgの26匹の異系交配した白色のオスラットについて研究を行っ
た。その動物を以下の3つのグループに分けた: 第1グループ 健康な動物; 第2グループ コントロール(肝臓の2/3を切除された一部肝切除を受けたラ
ット); 第3グループ 前記手術を受け、その後(手術から2時間後および24時間後)
L-Lys-L-Gluジペプチドを2回皮下注入されたラット(ラット当り0.1μkg)。
【0044】 同時に、第1グループと第2グループの動物を同体積の塩化ナトリウムを注入
した。抽出した肝臓をホルマリンで固定した。
【0045】 手術を受けたラットは、手術から32時間後および96時間後にエーテルにより屠
殺した。コントロールグループのラットも同時に屠殺した。これらの肝臓をホル
マリンで固定した。ヘマトキシリン−エオシンで標本を染色した後、肝細胞の有
糸分裂指数を規定し、細胞周期S期における倍数体細胞の量(分裂細胞の量)を
規定した。
【0046】 一部肝切除から32時間後の肝細胞を再生する有糸分裂活性の研究により、有糸
分裂の数および細胞周期S期の細胞が、健康な動物の肝臓より2倍増大すること
が示された。これらの違いは、塩化ナトリウムを注入した場合には確かではない
が、L-Lys-L-Gluジペプチドを注入した後では、有糸分裂の数、DNA合成細
胞、および分裂細胞の全量が増大することは確かなことである。
【0047】 肝切除から96時間後の肝臓標本の研究により、塩化ナトリウムを注入されたラ
ットおよびL-Lys-L-Gluジペプチドを注入されたラットの両方が、肝細胞の有
糸分裂活性の大幅な増大を示すことが証明された。第3グループと第2グループ
のデータを比較すると、L-Lys-L-Gluジペプチドを注入されたラットは、塩化
ナトリウムを注入されたラットの2倍の有糸分裂数を有していることが明らかで
ある。第3グループのラットの有糸分裂周期S期にある細胞の数は、第2グルー
プのS期にある肝細胞の数と違いがなかったが、全体的に、肝切除から96時間後
にはL-Lys-L-Gluジペプチドを注入されたラットの再生中の肝臓における分裂
細胞の数は、塩化ナトリウムを注入されたラットより75%多かった(表4)。
【0048】 従って、一部肝切除から96時間後には、L-Lys-L-Gluジペプチドを注入され
たラットは、肝細胞の有糸分裂活性の増大することが示され、これは肝臓におけ
る修復プロセスの促進に対する証拠となることが証明された。
【0049】 例5 放射線傷害後の腸管粘膜の再生に対するL-Lys-L-Gluジペプチドの影
響 体重90〜100グラムの24匹の2ヶ月の白色のウィスター系オスラットについて
実験を行った。以下の3グループの動物を調べた: 第1グループ 健康な動物; 第2グループ コントロール(照射動物); 第3グループ L-Lys-L-Gluジペプチドを注入された照射動物。
【0050】 「腸管死症候群」を誘発する1回の6Gyの全身γ線照射を、コバルト装置GUB
20000により200 rad/minの線量で行った。
【0051】 この照射から24時間後に、腹腔内に5日間にわたってL-Lys-L-Gluジペプチ
ドを注入した−0.5 mL塩化ナトリウム中0.5μkg。第1グループと第2グループ
の動物は、同じ手法により塩化ナトリウムを注入した。
【0052】 L-Lys-L-Gluジペプチドの作用の研究は、照射動物の十二指腸の近位切片に
ついて行った。
【0053】 照射から8日後(修復再生期間の開始)に、ネンブタール(nembutal)麻酔下
(50 mg/kg)で動物を屠殺した。十二指腸の一部を電子顕微鏡観察のためにKarn
ovskyにより24時間の間固定した。
【0054】 超微細構造の研究を、JEM-100S顕微鏡(JEOL, Japan)の下で、LKB-7A超ミク
ロトーム(LKB, Sweden)で調製した顕微鏡用の超薄切片について行い、ウラニ
ルアセテートおよびクエン酸鉛によりコントラストをつけた。
【0055】 1%トルイジンブルー(Fluka)の0.5M HCl溶液(pH0.5)を用いて、
マスト細胞を選択的に染色した(8,9)。
【0056】 細胞の増殖活性を研究するため、増殖性細胞の核抗原−PCNA−に対するマ
ウスのモノクローナル抗体(clone PC 10, Calbiochem, the USA)を1:50で希
釈して使用し、マウスの免疫グロブリンを明らかにするためにアビジン−ビオチ
ン−ペルオキシダーゼのセット(Vectastain, the USA)を使用した。
【0057】 セロトニン陽性細胞を、セロトニンに対するウサギのポリクローナル抗体(Re
ady-to-Use)およびストレプタビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼのセット(
BioGenex, the USA)を利用して明らかにした。MTL陽性細胞を明らかにする
ため、金属−チオネイン(1:2000)に対するウサギの抗体を使用した。
【0058】 組織学的切片における抗原の免疫組織化学的同定は、免疫性ペルオキシダーゼ
法に対する主要な要件に従って行った(10,11)。
【0059】 定量研究は、顕微鏡画像のコンピュータ解析のシステム−IMSTAR(Imstar, Fr
ance)−を利用して、Morphostar2およびColquant2のライセンス適用されたソ
フトウェアを採用して、形態測定の立体的解析の一般原理に従って行った(12,1
3)。各動物に対して、対応する構造の計算は、調査している器官の3つの切片
により10の視野において行った。十二指腸細胞の有糸分裂指数(Imit)およ
び増殖能力指標(Ipcna)を、腸細胞の少なくとも1000個の核の全量を使用して
、陰窩(crypt)の10〜15の標準的切片で規定した。セロトニン陽性細胞および
マスト細胞が見出されるテスト領域は、少なくとも3mm2に及んだ。MTL陽性
細胞は、100の十二指腸の陰窩で数えた。
【0060】 電離放射線のバックグランドに対して、8日目に、腸細胞の超微細構造の一部
の(多くの場合ほとんど全ての)修復が観察されるが、過形成(膨張)ミトコン
ドリア、小胞体の水腫、およびそのときまで実質的に変化していないようにみえ
る細胞質、内分泌細胞の病巣の空胞化が更に起こる。
【0061】 6Gyの瞬時の全身へのγ線照射から8日後に生存していた十二指腸の量的変化
は、以下の特徴を示す:腸の陰窩におけるIpcnaは、46.5%まで増大し、有糸分
裂指数は4.2%まで増大した(表5)。これらのデータは、生存していた動物の
粘性上皮の修復が非常に早く起こり、この間、腸上皮の肝細胞が過剰再生の段階
にあることを証明している(図1a)。
【0062】 ヘマトキシリンおよびエオシンで染色したプレパラートの組織学的研究は、上
皮構築の標準化プロセスの開始の証拠となる。コンピューター解析の結果は、腸
クロム親和細胞(図2a)およびMTL陽性細胞(図3a)の数的密度が、健康
な動物のレベルに達していないことを示している。
【0063】 照射された動物の固有粘性プレートにあるマスト細胞の量は、10分の1まで減
少し(図4a)、これは、電離放射線に対するマスト細胞の最大放射線感受性の
証拠となり、致死量以下の量に晒されたときでさえ、修復が非常に遅いことを証
明している。
【0064】 L-Lys-L-Gluジペプチドの注入により、小胞体の構造および十二指腸の内分
泌腺細胞の板(plate complex)構造が活性化され、これが合成プロセスおよび
ホルモン分泌に対する刺激効果の証拠となる。
【0065】 形態解析の結果により、L-Lys-L-Gluジペプチドの注入後、照射された動物
の腸の陰窩において、修復プロセスの大幅な促進がみられた(図1b)。PCN
A指標は、49.8%に達したが、有糸分裂指数は4.7%であった(表5)。腸クロ
ム親和細胞の量的密度は、健康な動物のものと実質的に同程度であった。陰窩の
基板においてMTL陽性細胞の免疫染色の数および密度は増大する傾向にある(
図3b)。
【0066】 L-Lys-L-Gluジペプチドの投与により、腸の幹細胞の増殖能が増大し、6Gy
の瞬時の全身へのγ線照射の後、腸管粘膜の形態−機能的再生が高まる。
【0067】 このように、実験研究により、L-Lys-L-Gluジペプチドは毒性がなく、代謝
プロセスを活性化し、組織の細胞増殖活性を活性化し、再生を促進することが証
明された。
【0068】 前臨床医学の研究で明らかにされたL-Lys-L-Gluジペプチドの特徴により、
化膿炎症性疾患、術後合併症、栄養性障害、皮膚および粘膜の疾患および損傷、
修復プロセスの障害を伴う放射線、熱性および化学的の後続効果に対して、組織
再生の刺激薬としてL-Lys-L-Gluジペプチドを予防的および/または治療的用途
で処方することができる。
【0069】 以下に記載する、本発明のジペプチドの臨床研究の実施例により、その薬理学
的特性が証明され、その特許性が確証される。
【0070】 例6 唾液腺の炎症および唾石症(sialolithic disease)の治療としてL-Ly
s-L-Gluジペプチドを使用する効果 45人の患者を観察した。このうち、27人が唾液腺に炎症をもち、4人が耳下腺
炎に罹患していた。18人が顎下腺の唾石症に罹患していた。患者の平均年齢は、
35〜40才であった。唾石症に罹患している患者は全て、結石を抽出した。30人の
患者(15人が唾液腺に炎症をもち、他の15人が唾石症に罹患している)に、1μ
kgのL-Lys-L-Gluジペプチドを5日間毎日筋内に注入した。
【0071】 コントロールグループの患者に、標準的治療を行った:抗生物質、脱感受性治
療、ヨード(iodine-dimexid)包帯、理学療法(超音波療法、腺領域に対する5
〜10%沃化カリウム電気療法)、局所的治療(防腐薬および抗生物質溶液を用い
た腺の洗浄)を行った。
【0072】 唾石症に罹患していて、L-Lys-L-Gluジペプチドによる治療を受けた患者は
、腺病巣からの膿の排出が止まり、手術後、後続効果もなく第一過程で口腔の創
傷は治癒された。口腔の柔組織および粘膜の腫脹および浸潤は、手術後3〜4日
目に解消された。腺の大きさはかなり減少し、痛みは止まった。
【0073】 唾液腺に炎症をもち、L-Lys-L-Gluジペプチドによる治療を受けた患者は、
手術後4〜5日目に、腺の痛みは止まり、腺病巣からの有無の排出も止まり、唾
液分泌が増大し、柔組織の膨張および浸潤は解消され;触診すると、腺のサイズ
はかなり縮小し、痛みもなかった。患者の全身状態は改善された。この実験室試
験は規格化された。
【0074】 従って、L-Lys-L-Gluジペプチドの使用により、炎症の数は減少し、創傷の
再生は促進され、治療期間は短縮された。
【0075】 例7 種々の位置の化膿炎症性疾患の治療としてL-Lys-L-Gluジペプチドを
使用する効果 L-Lys-L-Gluジペプチドを、下肢および上肢に不活発な肉芽創傷を有する9
人の患者;および上顎顔面領域に急性化膿性炎症を有する19人の患者の複合治療
において使用した。1μkgのL-Lys-L-Gluジペプチド製剤を10日間毎日筋内
に注入した。その治療効果を、創傷酵素の活性変化および治癒時間による動的変
化で評価した。
【0076】 L-Lys-L-Gluジペプチドが、創傷プロセスの第一および第二期における蛋白
分解酵素活性が低い患者、サイトグラム(cytogram)の壊死タイプの患者、治癒
の遅い患者に最も効果があることが判った。L-Lys-L-Gluジペプチドにより、
創傷プロセス第一期における創傷の発酵活性が増大し、創傷での適応修復が引き
起こされ、これが、組織球における酸性ホスファターゼの合成、白血球における
アルカリ性ホスファターゼの合成、マクロファージにおけるCチトクロームの合
成を可能にし、修復プロセスを増強させた。このジペプチドの投与により、壊死
性組織からの創傷の除去が促進され、炎症病巣ではマクロファージ、線維芽細胞
、および白血球の活性化により創傷が治癒された。
【0077】 L-Lys-L-Gluジペプチドの治療により、局所炎症性プロセスの速やかな一掃
、患者の全身状態の改善、治療期間の短縮という結果に至った。
【0078】 例8 術後合併症を有する癌患者に対してL-Lys-L-Gluジペプチドを使用す
る効果 L-Lys-L-Gluジペプチドを、第2〜第3期の肺癌および第2〜第3期の胃癌
の外科的治療後の不活発な肉芽創傷を有する9人の患者の複合治療において使用
した。
【0079】 手術前の間、根本的な計画の放射線治療を、直線電子加速器(そのパワー 4.
3Mev)およびガンマ治療装置「Rokus-M」(ブレーキモード)で、複雑な構造の
広い範囲を使用して患者に行った。特別なケースにおいて、複合治療の要素の一
つは化学療法であった。
【0080】 手術後3日目から、1μkgのL-Lys-L-Gluジペプチドを10日間毎日筋内に
注入した。
【0081】 前記製剤の使用により、創傷領域における水腫および疼痛が減少し、壊死性組
織からの創傷除去が促進され、術後の瘢痕形成が促進されることが見出された。
注入の間、以下の要素が観察された:温度の正常化、食欲の改善および体重の迅
速な増加。
【0082】 このように、癌患者の複合治療の一部としてL-Lys-L-Gluジペプチドを使用
すると、組織の修復プロセスが刺激され、患者の全身状態の改善が促進され、治
療期間が短縮される。
【0083】 L-リシル-L-グルタミン酸(L-Lys-L-Glu)の臨床上の適用により、実験研
究から得られたデータを用いて、前記製剤が修復プロセスの障害に対する有効な
治療薬であることが実証された。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】
【0088】
【表5】
【0089】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】 十二指腸の再生中の陰窩領域における増殖細胞のPCNA陽性核
を示す顕微鏡写真。
【図2】 十二指腸の粘膜におけるセロトニン免疫陽性細胞を示す顕微鏡写
真。
【図3】 十二指腸の粘膜におけるメタロチオネイン免疫陽性細胞(MTL陽
性細胞の組織局所解剖学的局在)を示す顕微鏡写真。
【図4】 十二指腸の粘膜におけるマスト細胞を示す顕微鏡写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 107 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 モロゾフ、ビャチェスラフ・グリゴリエビ ッチ ロシア国、188710 レニングラードスカ ヤ・オービーエル、ブセボロズスク、ユー エル・バジレオゼルスカヤ 8/6−184 (72)発明者 マリーニン、ウラジミール・ビクトロビッ チ ロシア国、197227 サンクト・ペテルブル グ、セレブリスティ・ブルバー 16−16− 92 (72)発明者 セリー、セルゲイ・ウラジミロビッチ ロシア国、188650 レニングラードスカ ヤ・オービーエル、ブセボロジスキー・ア ール・オン、ピーオーエス・セルトロボ、 ユーエル・モロズセバ 14−20 Fターム(参考) 4C084 AA02 BA01 BA08 BA14 BA23 MA52 MA55 MA59 NA14 ZA692 ZA892 ZB112 ZC412

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 修復プロセスを刺激するペプチド製剤をつくるためのL-Lys
    -L-Gluジペプチドの使用。
  2. 【請求項2】 薬学的に許容可能な担体および有効量のL-Lys-L-Gluジペ
    プチドもしくはその塩から成る、修復プロセスの刺激を必要とする疾患の予防お
    よび/または治療のための薬学的ペプチド製剤。
  3. 【請求項3】 アミノ基の塩、例えば酢酸塩、塩酸塩、シュウ酸塩を含有す
    るジペプチドとして存在する請求項2に記載の製剤。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基の塩、例えばナトリウム、カリウム、カルシ
    ウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、または有機および無機陽イオン(例えば
    アンモニウム、トリエチルアンモニウム)を含有するジペプチドとして存在する
    請求項2に記載の製剤。
  5. 【請求項5】 非経口投与のための薬剤として存在する請求項2に記載の製
    剤。
  6. 【請求項6】 鼻腔内投与のための薬剤として存在する請求項2に記載の製
    剤。
  7. 【請求項7】 経口投与のための薬剤として存在する請求項2に記載の製剤
  8. 【請求項8】 局所適用のための薬剤として存在する請求項2に記載の製剤
  9. 【請求項9】 修復プロセスの障害を伴う疾患の予防および/または治療方
    法であって、有効量のL-Lys-L-Gluジペプチドもしくはその塩を含有する薬学
    的ペプチド製剤を、体重1kgあたり0.01〜100μkgの投与量で、治療効果を
    得るために必要な期間、1日に少なくとも1回患者に注入する方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の治療方法であって、前記疾患が、下記グ
    ループ:化膿炎症性疾患および術後合併症;栄養性障害;皮膚および粘液性疾患
    および損傷;放射線、化学的および熱性因子の後続効果に属する治療方法。
  11. 【請求項11】 前記製剤が、非経口、鼻腔内、経口、もしくは局所に投与
    される請求項9に記載の治療方法。
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