JP2002514708A - クランク室掃気式2行程機関 - Google Patents
クランク室掃気式2行程機関Info
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Abstract
Description
が、チェーンソーや園芸用送風機などのような手持ち型製品での使用を目的とし
たこの種の小型機関に関わる。
ートを有し、排気ポートが移送ポートの前に開き、移送ポートの後に閉じるよう
に構成されている。移送ポートは実質上シリンダとクランク室を接続する1以上
の移送通路であり、ピストンとシリンダが機関サイクル中の移送通路の下流端の
開閉を制御するように構成されている。この種の機関は、移送ポートを介してシ
リンダと連通し、吸入ダクトを介して大気と連通する1つの気密封止クランク室
を有する。ピストンがそのシリンダ圧縮行程を行うと、空気あるいは空気・燃料
混合気が大気から吸入ダクトを介してクランク室内に取り込まれる。後続の仕事
行程において、この空気あるいは空気・燃料混合気はピストンによって圧縮され
る。ピストンが移動し続けると、移送ポートの下流端がピストンで塞がれなくな
るので、空気あるいは空気・燃料混合気はシリンダ内に圧入される。
ダの間に正の圧力差が存在するときにのみ起こる。シリンダの空気あるいは空気
・燃料混合気が新たに給気されることによって、残留ガスがシリンダ室から排気
ポートを経て排気される。このシリンダ掃気工程中、シリンダ内に侵入した空気
あるいは空気・燃料混合気の一部が排気ポートを介してシリンダから流出してし
まう。このような給気損は、普通、掃気損と呼ばれている。この給気損は、移送
ポート閉鎖と排気ポート閉鎖の間の機関サイクル期間中にも生じ得る。この期間
は、トラッピング期間として知られ、それに付随する損失は、普通、トラッピン
グ損と呼ばれている。
には、吸入ダクトの通気流量に関連した量の燃料を当該ダクト内に給気するよう
に構成された気化器を備えている。これは、クランク室および後続のシリンダに
入る空気・燃料混合気は全て本質的にほぼ空気と燃料の均質混合気であるという
ことを意味する。これはまた、排気ポートから流出する掃気の一部にも燃料が含
まれていることを意味する。この結果、こうした機関は、未燃焼炭化水素排出量
が相対的に高くなる。
い排出抑制立法および耐久性の要件に直面している。近い将来アメリカ合衆国で
は一層厳しい立法が予測されるし、その立法はこのような小型機関に特に厳しく
、未燃焼炭化水素(HC)および一酸化炭素(CO)だけでなく微粒子排出に関
する制限も含まれることになるだろう。現在利用可能な小型2行程機関には、酸
化触媒のような排気抑制装置を用いないで、アメリカ合衆国に導入されるであろ
う要件を満たしうるものは何もない。また、この種の小型機関を使用した場合、
公称上同一の2つの機関から排出されるHC排出物において最大25%の偏差が
存在しうることにも注意すべきである。機関製造業者は、しかし、触媒および/
または他の潜在的に高価な排出抑制装置を使用するのを嫌い、最小あるいはゼロ
コストと見なせる問題解決法を要求している。他の排出低減技術の実施後もなお
触媒を必要とするならば、触媒の大きさとコストを減らし、排気ガス温度の上昇
を最小にし、触媒の耐久性を高めるために、触媒に掛かる負荷を最小にしなけれ
ばならない。
能は、こうした機関が排出抑制立法下で認可を得ることができるかどうかにとっ
て、特に、手持ち型装置とともに使用する目的の機関にとっては、重要なことで
ある。触媒・排気ガス温度が最大に達して、触媒の熱劣化が最大になるのも、高
負荷時である。したがって、機関の排出物を低減させる試みは、高負荷時の排出
物に焦点を合わせるべきであり、低負荷時の排出物は実質上重要性が低い。
り大きな重要性を与えると、実際問題として、高負荷時のHC排出物を許容レベ
ルに現実に減少しうる技術には2つのタイプしかない。すなわち、触媒後処理と
層状給気である。触媒後処理は、排気ガスを酸化触媒に晒すもので、上で言及し
たものである。触媒にはCO排出も低減させるように求めてもよいが、機関がよ
り希薄な混合気で運転するように調整されている場合には、触媒なしに予測され
る合衆国立法の要件を満たすことが可能であると思われる。また、触媒を用いて
HC排出物に関する予測立法要件を満たすことも可能であろうが、もし機関シリ
ンダから出る排気ガスのHC含有量を減らすことによって触媒に掛かる負荷を減
らせないならば、触媒の実用寿命が問題となりそうである。触媒に掛かるHC負
荷を減少させることが触媒の大きさとコストを減らし、触媒反応によって排気ガ
スに付与される熱を最小化し、触媒の実用寿命を増加し、排気調整に対する触媒
の影響を減少することに繋がることは分かるであろう。層状給気の構成では、公
知のように、掃気およびトラッピング工程中は実質上純粋な空気と最小量の燃料
だけがシリンダから直接排気ポートに侵入するのを許可するようにして、シリン
ダへの空気・燃料の給気が非均質となるように機関の給気システムを構成する。
した後で正確な量の燃料をシリンダ内に噴射することを確実にするように構成さ
れた電子制御システムによって制御される燃料噴射器を機関に備えることによっ
て達成してもよい。この問題解決策は、効果的ではあるが、速度および負荷応答
性電子制御システムと燃料噴射器を備える必要があるために高価になるので、小
型で低価格な機関には容認しがたいものである。
ている。この明細書は、所謂移送ポート層状給気を用いたクランク室掃気式機関
を開示する。この先行文献に開示された機関は2つ以上の移送通路によって構成
された移送ポートを有し、移送通路の1つにだけ燃料が供給される。他の移送通
路は、クランクシャフト軸からより離れた位置でシリンダの内部と連通する。使
用に際して、燃料は、吸入通路からクランク室内への空気の質量流量の関数であ
る割合でほぼ持続的にその1つの移送通路内に供給される。ピストンがその排気
行程を行なうと、排気ポートがまず最初にピストンによって塞がれなくなり、そ
の後、他の移送通路が塞がれなくなる。その後すぐに、燃料を供給される移送通
路が塞がれなくなり、空気・燃料給気がシリンダ内に流れる。しかしながら、掃
気は、主として、他の移送通路を経て流入した純粋空気を用いて行われるので、
掃気工程中にシリンダを通して排気ポートに直接流入する未燃焼燃料の量は減少
する。
燃焼HC排出物は、従来の機関に比較して約50%減少することが試験によって
示されている。しかし、機関負荷が減じるに連れて、未燃焼HC排出物の減少も
低下して、約40%スロットル開放において全く正味の改善がなくなってしまう
。さらにスロットルが閉じると、未燃焼HC排出物は、実に、均質給気2行程機
関に比較して増加する。この理由は、低機関負荷において、空気・燃料給気の一
部がピストンの上部を横切って直接排気ポートに短絡流入するためであると思わ
れる。
来の気化器とはかなり異なる燃料給気装置に関わる。従って、公知の気化器技術
からの逸脱は、燃料給気装置が製造するのに著しく高価なものとなることを意味
し、ともかく、全機関動作範囲に亘って正確な量の燃料を送出する燃料給気装置
を構成することは非常に困難であるということが実際には判明している。 それゆえ、上述した排出物の問題に対する解決策は、高機関負荷時には層状給
気を利用するが低機関負荷時には均質給気を利用することに依るだろうと考えら
れる。また、商業的成功のためには、機関がより従来的な気化器を用いることが
必要であるとも考えられる。
造するのが簡単で安価であり、従来の気化器技術を利用し、特に、限定するもの
ではないが、手持ち型製品と共に使用するためのクランク室掃気式2行程機関を
提供することである。
ダ壁に互いに対向するよう形成された排気ポート及び後部移送ポートと、クラン
ク室に燃焼空気を供給するように構成された吸入ダクトと、前記吸入ダクトを経
由する空気の流れを絞るよう構成されたスロットル弁と、前記吸入ダクト内へ燃
料を供給するように構成された気化器とを有し、前記後部移送ポートは後部移送
通路を介してクランク室内部と連通し、前記後部移送ポートは排気ポートが閉鎖
する前に開き、使用に際してシリンダが掃気されるよう構成されたクランク室掃
気式2行程機関において、クランク室内部が少なくとも2つの独立したクランク
室容積、すなわち、濃厚容積と希薄容積とに分割され、各クランク室容積はそれ
ぞれクランク室の各穴を介してシリンダと連通することと、シリンダ壁はさらに
、前記後部移送ポートと前記排気ポートの間の位置に形成された少なくとも1つ
の側面移送ポートを有し、前記側面移送ポートは前記排気ポートが閉鎖する前に
開くように構成されていることと、前記側面移送ポートは側面移送通路を介して
前記希薄容積と連通することと、前記後部移送ポートは前記濃厚容積に連通する
ことと、前記吸入ダクトはその全長の少なくとも一部に亘る少なくとも2つの吸
入通路、すなわち、それぞれ前記濃厚容積と前記希薄容積に連通する濃厚通路と
希薄通路に分割されていることと、前記気化器および/または前記スロットル弁
は、高負荷動作下では、前記気化器によって供給された燃料をほぼ全部前記濃厚
通路に導入し、低負荷動作下では、前記気化器によって供給された燃料を前記濃
厚通路および希薄通路の両方に導入するように構築構成されることとを特徴とす
る。
トを有し、気化器および/またはスロットル弁は、濃厚通路が高負荷条件および
低負荷条件の両方において燃料・空気混合気を含むが、希薄通路は低負荷条件で
のみ空気・燃料混合気を含み、高負荷条件では実質上純粋な空気を含むように構
成動作されている。濃厚および希薄通路は、それぞれ、互いに分離し、理想的に
は互いにほぼ封止されたクランク室の濃厚および希薄容積に連通される。濃厚容
積は、排気ポートとほぼ対向する後部移送ポートに連通し、希薄容積は、後部移
送ポートと排気ポートの間に配置される側面移送ポートに連通する。
な空気がその側面移送ポートを介して流入し、シリンダをパージする。同時に、
あるいは、その直後に、後部移送ポートが開いて濃厚な空気・燃料混合気が流入
する。しかしながら、この濃厚な空気・燃料混合気は、側面ポートから吐出され
る、より大量で高速な流量のほぼ純粋な空気によって、凡そ排気ポートに対向す
るシリンダ壁付近に保持されるので、掃気工程中、燃料は、殆どあるいは全く、
排気ポートから流出されることができない。シリンダ内の給気は、こうして層状
にされる。
入され、それゆえ、濃厚および希薄クランク室容積の両方に導入される。上述の
ように、後部および側面移送ポートからの空気流は非常に弱いため、低負荷条件
下では後部移送ポートから吐出される空気・燃料混合気は排気ポートに向かって
直接短絡して流れる傾向がある。しかし、低負荷条件下では燃料は後部移送ポー
トと側面移送ポートに分配されるため、後部移送ポートから流出する空気・燃料
混合気は低負荷条件下では高負荷条件下よりもずっと希薄であり、掃気工程中に
大気に失われる燃料の実際量は容認可能なほど小さい。
下では均質給気を行う。負荷が最大レベルから下がるに連れて、気化器は希薄吸
入通路へ供給する燃料の量を漸進的に増加するように構成してもよい。しかし、
負荷が最大値の約50%に下がるまでは、この漸進増加を開始しない方が好まし
い。約40%負荷から無負荷までは、燃料は希薄および濃厚吸入通路に対して概
して等しく供給してもよい。
クランク室内部が3つのクランク室容積、すなわち、2つの濃厚容積と1つの希
薄容積とに分割され、希薄容積は両側面移送ポートに連通し、両濃厚容積は後部
移送ポートに連通し、吸入ダクトは2つの吸入通路、すなわち、1つの希薄通路
と1つの濃厚通路に分割され、希薄通路は希薄クランク室容積に連通し、濃厚通
路は2つの濃厚クランク室容積に連通する。吸入ダクトは、好適には、1部品鋳
造物を構成する。
できる。しかし、一般に提供されるクランク室ウェブ、換言すれば、クランク軸
と一体であり、機関均衡のために設けられる相対的に大きなディスクを使用する
ことによって実施するのが都合よい。従来は、こうしたクランク室ウェブを2つ
、その環状外周面がクランク室の内面近くになるように設ける。こうして、クラ
ンク室内部の分割は、各クランク室ウェブの外面上にラビリンスシールなどを設
けることによって簡単に実施できる。このラビリンスシールは、各クランク室ウ
ェブ上に環状溝あるいはフランジを構成し、それぞれ、クランク室の内面上の相
補的な環状フランジあるいは溝と実質上密封状態で協働する。
厚吸入通路に供給し、低負荷動作中には全ての吸入通路に対してほぼ等しく燃料
を供給することが本発明の動作には必要である。このことは多くの方法で達成で
きるが、一実施例では、気化器は、吸入ダクトが2つ以上の吸入通路に分割され
る位置の直ぐ上流の位置において燃料を吸入ダクトに導入するように構成された
1つ以上の噴出口を有し、低負荷条件下では、噴出口から吐出された燃料が濃厚
および希薄通路の両方に流入することを許し、高負荷条件下では、ほぼ全燃料を
濃厚通路に流入させるようにスロットル弁が位置決めされる。
する内部隔壁を有し、内部隔壁には開口が形成され、スロットル弁は前記開口内
で移動するように枢動可能に搭載され、それによって、開口は低負荷条件下では
開き、高負荷条件下では閉じる。この場合、気化器噴射口が濃厚通路の直ぐ上流
の位置で吸入ダクト内に吐出するように、しかし内部隔壁の開口の方へ向いて位
置決めされ、それによって、開口がスロットル弁によって閉鎖されると、全ての
燃料が強制的に濃厚通路に流入し、スロットル弁が吸入ダクトを絞る位置に移動
した結果開口が開くと、燃料は少なくとも一部が開口を通して流れ、濃厚および
希薄通路の両方に流入することがわかるであろう。
ると考えられ、このような気化器自体も本発明に含まれる。こうして、本発明の
さらなる様態によれば、機関吸入ダクトが2つの独立した通路に分割されている
形式の2行程機関と共に使用するための気化器が提供される。気化器は、使用に
際して、機関の吸入ダクトの一部を形成するダクトと、ダクト内に燃料を導入す
るように構成された1つ以上の燃料噴射口と、閉位置と開位置の間を枢動移動可
能なスロットル弁とを有する。スロットル弁は、閉位置ではダクトをほぼ閉鎖し
、開位置ではダクトからの空気流の予定方向とほぼ平行に延びて、実質上ダクト
を2つの通路、すなわち、燃料噴射口に最接近する第1通路と、燃料噴射口から
離れた第2通路とに分割する。この気化器は、燃料噴射口が燃料をスロットル弁
に向けるように構成され、それによって、弁が開くと、ほぼ全燃料が第1通路に
流入し、第2通路には実質上空気のみが流入し、弁が閉鎖すると、燃料は第1お
よび第2通路の両方に流入するという特徴を持つ。隔壁によって2つの独立した
通路、すなわち、濃厚通路と希薄通路に分割された機関吸入ダクトに接続され、
閉位置にあるときにスロットル弁がほぼ隔壁の延長部分を形成するような気化器
も本発明に含まれる。
枢動するように搭載され、スロットル弁は、濃厚通路を隣接する希薄通路から分
割する壁と協働するように構成された1つ以上の形態を有し、高負荷条件下では
、スロットル弁が開くと、気化器噴射口は、希薄通路と連通しない空間に配置さ
れて全燃料が濃厚通路内に流入し、低負荷条件下では、スロットル弁が実質上閉
鎖されると、気化器噴射口は、濃厚通路と希薄通路に連通する空間に配置されて
燃料は全ての吸入通路内に流入する。
れる具体的な一実施例の次の説明から明らかとなるであろう。
みを図示して説明する。シリンダ2は、点火プラグ(図示せず)が通常の方法で
突出するシリンダヘッド4によって塞がれている。シリンダ内部にはピストン8
が往復運動可能に収容されていて、クランク室14内に配置されているクランク
軸12に接続ロッド(図示せず)によって接続されている。
数のリード弁などが存在する。それらリード弁などは、より詳細に後述するが、
1方向にだけ、すなわち、クランク室内にだけ空気流を流入させるように構成さ
れている。
ルに連結された従来形式のスロットル弁20がさらにその上流に存在し、あるい
は、その一部を形成している。
と正反対の位置にある後部移送ポート24とはシリンダ2内部に連通している。
排気ポートと後部移送ポートのほぼ中間に位置する2つの側面移送ポート26も
互いに反対側にあってシリンダと連通している。これらの各ポートは、単一の開
口であっても多数の開口であってもよい。
ば、外縁側が相対的にクランク室の内面に接近した円形断面を持つ相対的に大き
な一体型のディスクが設けられている。これらディスクは、通常クランク軸にバ
ランスを与えるために設けられる。各クランクウェブ28の外面は、嵌め合い環
状さねはぎからなる各ラビリンスシール30によってクランク室の隣接する内面
に対して実質上封止される。クランク室内部は、こうして、軸方向に3つの独立
した室あるいは容積、すなわち、両端の濃厚容積V1およびV2と、中間の希薄
容積V3とに分割される。これらの容積は互いに完全に封止されることが必須で
はなく、単に実質上そうであるというに過ぎない。
面の間の容積は、常時クランク室内部の容積の四分の一より小さく、常時大きな
穴を通してクランク室内部と連通する。しかし、本例の場合、この穴はウェブ3
2によって大きさが減じられており、ウェブ32には、容積V4がクランク室の
中央希薄容積V3とだけ連通する中央穴34がある。2つの濃厚容積V1とV2
は、それぞれの連通穴36を介して容積V4と連通する。
つの濃厚容積V1とV2にそれぞれ連通する。側面移送ポート26は、それぞれ
移送通路40を介して、希薄容積V3に直接に、あるいは、容積V4を介して間
接に連通する。前者の場合、移送通路40は比較的長くなるし、後者の場合は、
図3に示すように、比較的短くなる。後者の場合、容積V4との接続は、ピスト
ンが下死点にあるときには、ピストンの下側の位置になる。
通路、すなわち、希薄通路44と濃厚通路42に分割される。希薄通路44は、
リード弁46を介して希薄容積V3に連通する。濃厚通路42は2つの通路48
に分岐し、それら各通路48は各リード弁50を介して各濃厚容積V1とV2に
連通する。図示しない小穴を通路壁に設けて、全通路間の圧力均衡を確保しても
よい。これらの小穴を設けた結果、極く少量の燃料が希薄通路に侵入する場合も
あるが、これは、ラビリンスシール30の周りに発生する少量の漏れと同様、ほ
とんど取るに足らないものである。
粋な空気のみを希薄通路44に導入し、燃料・空気混合気を濃厚通路42に導入
する一方、低負荷あるいは無負荷条件下では、燃料・空気混合気を全ての通路に
導入するように構成され動作する。
動するに連れて、減圧が容積V4に生じ、それが穴34と36を通して容積V1
、V2およびV3に印加される。こうして、ほぼ純粋な空気がリード弁46を通
して希薄容積V3に導入され、燃料・空気混合気がリード弁50を通して2つの
濃厚容積V1とV2に導入される。V3への質量の流れはV1およびV2へのも
のより実質的に大きい。V3へ侵入する空気の容積がより大きく、しかも、穴3
4が穴36よりも大きいということは、V4が実質的に純粋な空気のみに満たさ
れるということを意味する。ピストンが爆発あるいは仕事行程になると、排気ポ
ート22がまずピストンによって塞がれなくなり、排気ガスの大部分がそこから
流出して大気に出ていく。その後、側面移送ポート26が塞がれなくなり、純粋
空気がそれらのポートを経て移送通路40を介して容積V4および希薄容積V3
から流出する。排気ポートはなお開いており、少なくとも空気の一部はそこから
流出して、それによって残留排気ガスをシリンダから掃気する。同時に、あるい
は、より好適には、その直後に、後部移送ポート24が覆われなくなり、燃料・
空気混合気がそこを介し通路37と38を介して濃厚容積V1とV2から流出す
る。後部移送ポート24は側面移送ポート26より排気ポート22から離れてお
り、また、そこを通る流れを上方に、すなわち、シリンダヘッドの方に向けるよ
うに傾斜しているので、燃料・空気混合気は排気ポートからは殆どあるいは全く
流出しない。この効果は、全空気入力の大部分が側面移送ポートから流入し、凡
そ四分の一だけが後部移送ポートから流入するという事実によって強化される。
後部移送ポートからの空気・燃料混合気の相対的に弱い流れは、それゆえ、側面
移送ポートのより活発な流れによって排気ポートとは反対側のシリンダ壁に対し
て「押しつぶされ」、その結果、排気ポートに流出するのが防止される。シリン
ダ内の給気は、こうして、層状になり、つまり、非均質になり、排気ポートに近
い側の給気部分は後部移送ポートに近い側の給気部分よりも薄くなる。その後、
通常の方法で点火が起こり、サイクルが繰り返される。
は、3つの吸入通路の全て、つまり3つの容積V1、V2およびV3の全てに供
給される。その後、燃料・空気混合気を用いて掃気が行われるが、シリンダに導
入される全空気が燃料を運ぶので、後部移送ポートだけを介して導入される時の
燃料・空気混合気よりもかなり薄い。掃気時に少量の燃料が大気に失われるが、
この掃気損は容認可能な程度に小さい。
細な構造は重要ではなく、その大部分は公知であり、主あるいは無負荷噴射口6
0と、中負荷噴射口61と、全負荷噴射口62とを有するのがわかるであろう。
バタフライ型のスロットル弁20は、無負荷噴射口60の上方に配置されている
。吸入ダクトは、無負荷噴射口の直ぐ下流で隔壁64によって2つの通路44と
42に分割される。気化器本体は、隔壁64の延長部分を形成する隔壁66を有
する。隔壁66には、バタフライ弁20を収容しそれによって閉鎖されうる開口
68が形成されている。機関が無負荷のときには、バタフライ弁は、図4に示す
ように、吸入ダクトを実質上封鎖する。無負荷噴射口から吐出した燃料は、隔壁
64の上流で吸入ダクトに侵入し、そうして、空気流によって概して均等に通路
44および42内に運ばれる。
ンク室の3つの容積は全てほぼ等しく濃厚な燃料・空気混合気を受けるので、機
関は均質給気される。ある量の燃料が掃気工程中に排気に直に流れるが、その量
は容認可能なほど小さい。というのも、まず、無負荷動作時にはともかく少量の
燃料だけが必要だからであり、2番目には、燃料・空気混合気は、機関が無負荷
のときには全負荷時よりもずっと希薄であるからである。何故なら、後者の状態
では、燃料は後部移送ポートのみを介してシリンダに導入されるのに対して、無
負荷動作時には後部および側面移送ポートを介して導入されるからである。
封鎖せずに、開口68を閉鎖し、それによって、無負荷、中負荷および全負荷噴
射口60、61および62から噴射された燃料が全て濃厚通路42に流入するこ
とを確実にする。実質上純粋な空気が希薄通路44を流れるが、少量の燃料が希
薄通路に接近しても問題ではない。クランク室容積V1とV2は、こうして、空
気・燃料混合気で給気され、容積V3はほぼ燃料を含まない空気で給気される。
それゆえ、シリンダは上述のように層状給気を受けて、掃気損が非常に低い。
と開口68の両方が部分的に開く。燃料は無負荷および中負荷噴射口から噴射さ
れ、その殆どが濃厚通路42に流入する一方、その一部は希薄通路44にも流入
する。機関給気は、こうして、部分層状と呼べるものとなる。
なわち、1つの濃厚通路と、それを挟む2つの希薄通路に分割される。気化器に
は、隔壁の上流端より僅かに上流で凡そ2つの隔壁の間の位置、すなわち、濃厚
通路の直ぐ上流の位置において燃料を供給するように構成した噴射口が設けられ
る。バタフライ弁は、気化器噴射口の僅かに上流の軸を中心に回転するように搭
載され、1つの面上に2つの平行ウェブを担持する。これらのウェブは、吸入ダ
クトの隔壁の間隔に応じた間隔だけ離間される。これらのウェブは、高負荷条件
下では、隔壁と実質上面接触し、あるいは、摺動接触して、気化器噴射口が濃厚
通路とのみ連通する空間内に燃料を供給するように、隔壁と協働するよう構成さ
れる。しかし、低負荷条件下では、バタフライ弁が実質上吸入ダクトを封鎖する
と、気化器噴射口は3つの吸入ダクトの全てに連通する空間内に燃料を供給する
ので、燃料は濃厚通路だけでなく2つの希薄通路にも流入する。
路48の下流端を閉鎖するように位置決めされる。しかし、切欠き、または、開
口が、燃料・空気混合気が適当な時期に濃厚容積V1とV2に流入できるような
適当な位置で各クランクウェブの周囲に設けられる。クランクウェブは、こうし
て、濃厚通路端と協働する弁部材として働く。希薄通路の必要な弁調節は、例え
ば、排気ポート22の下に設けた追加空気吸入ポートを介して希薄通路をシリン
ダに接続することによって達成してもよい。空気吸入ポートは、この場合、適当
な時期に空気が容積V4に、引いては希薄容積V1に流入するのを許すように、
それ自体は公知な方法でピストン自身によって制御される。
である。
な実施例の側面断面図である。
な実施例の側面断面図である。
な実施例の側面断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 シリンダ内に往復運動可能に搭載されたピストンと、シリン
ダ壁に互いに対向するよう形成された排気ポート及び後部移送ポートと、クラン
ク室に燃焼空気を供給するように構成された吸入ダクトと、前記吸入ダクトを経
由する空気の流れを絞るよう構成されたスロットル弁と、前記吸入ダクト内へ燃
料を供給するように構成された気化器とを有し、前記後部移送ポートは後部移送
通路を介して前記クランク室内部と連通し、前記後部移送ポートは排気ポートが
閉鎖する前に開き、使用に際してシリンダが掃気されるよう構成されたクランク
室掃気式2行程機関において、 前記クランク室内部が少なくとも2つの独立したクランク室容積、すなわち、
濃厚容積と希薄容積とに分割されていることと、前記各クランク室容積はそれぞ
れクランク室壁の各穴を介してシリンダと連通していることと、シリンダ壁はさ
らに、前記後部移送ポートと前記排気ポートの間の位置に形成された少なくとも
1つの側面移送ポートを有し、前記側面移送ポートは前記排気ポートが閉鎖する
前に開くように配置されていることと、前記側面移送ポートは側面移送通路を介
して前記希薄容積と連通することと、前記後部移送ポートは前記濃厚容積に連通
することと、前記吸入ダクトはその全長の少なくとも一部に亘る少なくとも2つ
の吸入通路、すなわち、それぞれ前記濃厚容積と前記希薄容積に連通する濃厚通
路と希薄通路に分割されていることと、前記気化器および/または前記スロット
ル弁は、高負荷動作下では、前記気化器によって供給された燃料を全て前記濃厚
通路に導入し、低負荷動作下では、前記気化器によって供給された燃料を前記濃
厚通路および希薄通路の両方に導入するように構成配置されていることとを特徴
とするクランク室掃気式2行程機関。 - 【請求項2】 2つの対向する側面移送ポートが前記シリンダ壁に形成され
、前記クランク室内部が3つのクランク室容積、すなわち、2つの濃厚容積と1
つの希薄容積とに分割され、前記希薄容積は両側面移送ポートに連通し、前記両
濃厚容積は前記後部移送ポートに連通し、前記吸入ダクトは3つの吸入通路、す
なわち、2つの希薄通路と1つの濃厚通路に分割され、前記2つの希薄通路は前
記希薄容積に連通し、前記濃厚通路は前記2つの濃厚容積に連通する、請求項1
に記載の機関。 - 【請求項3】 前記気化器は、前記吸入ダクトが2つ以上の吸入通路に分割
される位置の直ぐ上流側の位置において燃料を前記吸入ダクトに導入するよう配
置構成された1つ以上の噴出口を有し、前記スロットル弁は、低負荷条件下では
、前記噴出口から吐出された燃料が前記濃厚および希薄通路の両方に流入するこ
とを許し、高負荷条件下では、ほぼ全燃料を前記濃厚通路に流入させるように位
置された、請求項1または2に記載の機関。 - 【請求項4】 前記気化器は、前記濃厚通路を隣接する希薄通路から分離す
る前記壁の延長部分を形成する内部隔壁を有し、前記内部隔壁には開口が形成さ
れ、前記スロットル弁は前記開口内を移動するように回動可能に取付けられ、そ
れにより前記開口は低負荷条件下では開き、高負荷条件下では閉じる、請求項3
に記載の機関。 - 【請求項5】 前記スロットル弁は、前記気化器噴射口の上流側に位置する
軸を中心に回動するように取付けられ、前記スロットル弁は、前記濃厚通路を隣
接する希薄通路から分離する前記壁と協働するように配置された1つまたはそれ
以上の構造を有し、それにより高負荷条件下では、前記スロットル弁が開くと、
前記気化器噴射口は、前記希薄通路と連通しない空間に位置されて全燃料が前記
濃厚通路内に流入し、低負荷条件下では、前記スロットル弁が実質的に閉鎖され
ると、前記気化器噴射口は、前記濃厚通路と希薄通路に連通する空間に位置され
て燃料は全ての前記吸入通路内に流入する、請求項3に記載の機関。
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