JP2002501727A - はじけるキャンディーを製造するための新しい方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、中性の二酸化炭素ガス処理を採用して口の中で泡立つ気泡を作り出すようにした硬質キャンディーの生産に使用される新しい方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明は、中性の二酸化炭素ガスで素材を処理して、口の中で細かくはじける
効果を生み出す気泡を含有する硬質キャンディーを作る方法に関する。

【０００２】 （発明の背景） 技術的には、はじけるキャンディーの製造は、似たり寄ったりの方法で実現さ
れている。その内の幾つかを以下に説明する。

【０００３】 英国特許第１，５４０，５１５号では、相互に連結された２器の加圧タンクを
含むシステムを使用している。この方法では、加圧状態にある第１加圧タンクか
ら高温の糖濃縮物にガスを吹き付け、次にこの混合物をパイプ・バルブシステム
を介して第２タンクへと移送する。第１タンクから第２タンクへの移送中に、混
合物は加圧されたこのタンク中で冷却され、圧力を下げることによりこの固形の
混合物が砕けるようになっている。本方法の不都合な点は、加圧反応装置を2器 使用しているのでシステムの費用が増し、処理時間が長引くことである。

【０００４】 英国特許第１，５２１，１５０号及び同１，５２１，１７９号では同様の方法
を使用している。 英国特許出願第２，２００，８３０号に記載されている方法の応用例では、は
じけるキャンディーの生産のためのガスを加える新しい方法が述べられている。
この方法では、加圧タンク内のタンク底に近い場所でガスのカーテンの形態で、
高温のキャンディ濃縮物にガスを供給する。

【０００５】 英国特許出願第２，０４８，６４３号は、糖濃縮物内の気泡の分布を均質化す
るために５００リットルの二酸化炭素ガス容量を有する反応装置を使用し、反応
装置の底部からガスを供給して、垂直混練システムにより気泡を分散させるとい
うものである。

【０００６】 しかしながら、公知の方法でさえはじけるキャンディーの生産には既に費用が
かかっているのに、そこへ５００リットルもの容量を有する反応装置を使用すれ
ば、加工処理は更に高くつくことになる。この方法のもう１つの不都合な点は、
５００リットルの高温の砂糖の素材を冷却するのにあまりに時間がかかりすぎる
ことである。その上、冷却された砂糖の素材の取出しにも時間と労力を要する。

【０００７】 この他の不都合な点としては、加工途中に故障や間違いが生じた場合に多大な
損失が予想されることが挙げられる。 （発明の概要） 本発明は、高温のキャンディー塊を高圧下で中性の二酸化炭素ガスと均質に混
ぜ合わせてその素材に気泡ができるように凝固させ、製造中にキャンディーに閉
じ込められた気泡が口の中で細かくはじけるように、キャンディーを生産するこ
とに関する。

【０００８】 高価で複雑な装置を使用する代わりに、本発明の方法では、キャンディー素材
がガスと均質に混ぜ合わされ、充填終了前に冷却が行なえる反応装置を使用する
。

【０００９】 （好適な実施例の詳細な説明） 本発明について、これより添付図面を参照しながら説明する。 本方法では、砂糖、ブドウ糖、乳糖及び水を成分とする濃縮糖液が、該物体の
温度が１５５℃に達し、該糖の物体中の水分の量が１から１．５％に下がるまで
、調理装置の中で煮沸される。水分が多いと基質が柔らかくてねばねばしたもの
となり、泡中のガスがキャンディーに閉じ込められることなく放出されてしまう
。

【００１０】 この煮詰められた濃度の高い濃縮液は充填注入口（４）から、外壁が二重構造
となった圧力反応装置へ注ぎ込まれる。液が注がれるとすぐに高圧の二酸化炭素
ガスが供給されて混練作業が開始される。混練は、一方を他方の中に入れた状態
で反応装置の中心に配置されている２つの水平なシャフト（１２，１３）に対し
てある角度で断続的に配置された、平板の形態をしている複数のブレード（１）
と、厚さと幅がブレードと同じ平板形態でブレードを連結しており、反応装置の
内側から数ミリメートル離れて平行に配置され、その両端部が内部側面に平行に
折りたたまれている反応装置壁ストリッパ（２）とにより行なわれる。

【００１１】 混練は、反応装置内でキャンディー素材及び中性ガスと共に、攪拌機構を１２
０ｒｐｍで所定時間回転させることにより行なわれる。攪拌速度は素材の大きさ
と量に比例するものの、攪拌速度が速すぎるとキャンディーの化学構造が破壊さ
れ、出来上がった製品が利用できなくなる。攪拌速度が速すぎる場合、キャンデ
ィーに所望の特性を持たせることは不可能であり、摩擦を増大させ温度が上昇す
ることになる。最終的には、キャンディーが早期に結晶化することになる。攪拌
速度が低くても結晶化は起きる。攪拌は、親指を反応装置の外側の中心に置いた
ときの手の指の方向に水平に置かれた反応装置を回転させることにより行われる
。攪拌方向はある角度に配置されたブレード（１）板の方向となる（図３）。

【００１２】 ブレード（１）が回転すると、粘度の高い軟質キャンディーとそれと混ぜ合わ
される中性ガスとが乱流を作り出す。これにより反応装置内でキャンディーとガ
スの運動が増大し、ブレードの位置、角度、及び回転により形成されるねじ山上
で置換が実施されるようになる。その結果均質な混練が実現する。ブレード（１
）が移動すると、回転するブレードがキャンディー中にガスを閉じ込め、気泡を
砕くので、キャンディーに閉じ込められたガス気泡が砕かれることになる。結果
的に、種々の寸法と量の気泡を作ることができる。

【００１３】 本方法に使用される反応装置では、キャンディーが高圧下で二酸化炭素ガスと
混合されて冷却されるが、この反応装置は、二重壁構造を持つ容積が７０リット
ルのステンレススチールから造られている。

【００１４】 本反応装置は、一方が他方の中に入るようにして反応装置の中心に水平に配置
されている２重シャフト（１２、１３）上にシャフトに対してある角度で配置さ
れたブレードに取り付けられた反応装置壁ストリッパ（２）を含む攪拌システム
を有し、高圧に耐えるようにできている。本反応装置は高さが調節できる可動プ
ラットフォーム上に組み立てられている。プラットフォームが可動式なので、反
応装置は製造中に必要なら何れの場所にでも運搬することができる。

【００１５】 高温のキャンディー素材は注入口（４）から反応装置内へ注がれ、次に香味料
が添加され、注入口が閉じられる。４５気圧の二酸化炭素ガスがガス注入口（５
）から反応装置の上部の空間に注入される。この段階で、混合物は、混練ブレー
ド（１）を水平攪拌シャフト（１３）上に配した１２０ｒｐｍで回転する水平攪
拌器により攪拌される。

【００１６】 混練器の混練ブレード（１）はシャフト（１３）の片側に配置され、シャフト
の軸に対して３０度の角度を持つ。高温の糖素材は一方の端からもう一方の端へ
水平方向に移動することができ、ブレード（１）の周期毎に、高温の糖素材と混
ざり合う二酸化炭素ガスが反応装置全体に亘り等しく散布されるので、均質なガ
ス分布が実現される。混練時間とブレード（１）の混練棒材上の位置とは、高温
の素材塊中の二酸化炭素気泡の大きさを調節するために注意深く守るべき事項で
ある。ブレードには、回転毎に高温の糖素材に混入される二酸化炭素気泡を供給
して、所望の大きさに作り込めるようになっていなくてはならない。はじけるキ
ャンディーを発泡型にすることが目標である場合には、混練時間を長くすること
により二酸化炭素気泡を小型サイズとすることができる。より強力にはじける効
果を目指す場合には、混練時間を短くすると大型の気泡を高温の糖素材中に形成
することができる。混練処理には、製品の嗜好により３分から８分を要する。

【００１７】 混練処理が完了すると、中の気泡が所望の直径になるように、反応装置の内圧
が４５気圧から３０気圧まで下げられる。素材内に閉じ込められた大型の気泡は
高温のキャンディー素材の表面に向けて移動し始める。所望の大きさになった他
の気泡は、必要とされる粘ちょう度となった高温の糖素材内にそのまま残る。

【００１８】 反応装置は冷却液装置に接続されており、冷水が反応装置の二重壁中を外側か
ら内側へ中央から両側に向けて循環することにより迅速な冷却が開始される。 高濃度の高温キャンディー濃縮液は、冷却液注入バルブ（６、８、１０）から
注入され二重壁内を、そして二本のシャフト（１２、１３）内を循環しながら中
央から側部に向かって移動する１５℃の水で冷却され、二酸化炭素ガスを混合し
たキャンディー素材が１５℃に到達するまで冷却は続けられる。

【００１９】 二重壁のおかげで、高温のキャンディー素材は中央から両側に向けて冷却され
るが、高温のキャンディー素材の厚さのせいで効率的且つ迅速に冷却されるわけ
ではない。従って、シャフト（１２、１３）内に冷却液を循環させることにより
熱交換が行われる。こうして、本方法では冷却期間を短縮して製造能力を上げる
ことができる。

【００２０】 冷却期間が終了すると、反応装置中の高圧二酸化炭素ガスは、ガス放出バルブ
を開いて急激に放出される。この急激な圧力変化の結果、糖塊は小片に壊れ砕け
る。製品は正面の蓋（３）を開けることにより反応装置から取り出される。小片
の大きさはまちまちである。所望の大きさよりも小さい糖片はふるい分けられ、
大きなものは砕くために破砕装置に掛けられる。本方法によれば、二酸化炭素ガ
スは反応装置内で均質的に分布されるので、製品の大きさは互いに殆ど同じで、
損失の割合はかなり低くなる。ふるい分け段階後に利用できる糖片のパーセンテ
ージは７４％から８２％の間で変動する。このように、廃棄片の割合は１８％か
ら２３％となるが、廃棄物と見なされる糖砕片の大きさは０．０１ｍｍ以下であ
り、これらははじけ効果が低いので最終製品に加えることができない。

【００２１】 本方法によれば、攪拌時間が３分から８分を超す場合には、最終製品では容認
できない大きさとなる粉や小片が増えるという事態は防ぐことができない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に使用する反応装置の断面図である。

【図２】 内部シャフトを有する本反応装置の横断面図である。

【図３】 本反応装置の横断面図である。

【図４】 内部シャフトを有する本反応装置の上面図である。

【図５】 内部シャフトを有する本反応装置の正面図である。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１２年５月１０日（２０００．５．１０）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ， ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，Ｍ Ｋ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ， ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，Ｙ Ｕ，ＺＷ

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 はじけるキャンディーの製造法において、 キャンディー素材内の水分量が１から１．５重量％まで低減され、 前記素材が高圧下で中性の二酸化炭素ガスと均質的に混練され、 前記素材を気泡をその中に閉じ込めたまま冷却及び凝固する処理が、望ましく
   は容積が７０リットルの二重壁を有する耐圧性の水平に置かれた反応装置中で行
   なわれ、 キャンディー素材を攪拌する処理が、水平なシャフトの軸に対し３０度の角度
   に配置された平板状のブレード（１）を有する、一方を他方の中に入れ反応装置
   の中心に水平に配置された二つの回転シャフトと、厚さ及び幅が前記ブレードと
   同じで、ブレードをその角度を変えることなく連結しながらブレードの頂部に配
   置され、反応装置の内側と平行になっており、端部がその内側と平行に折りたた
   まれているストリッパ（２）とから構成される攪拌機構により行われ、 キャンディー素材を短時間で冷却する処理が、一方を他方の中に入れ反応装置
   の中心に配置された２つの水平なシャフト内で外面から中心に向けて冷却液を循
   環させる手段により行われることを特徴とする製造法。
2. 【請求項２】 前記攪拌する処理が望ましくは3分から８分間継続すること を特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 【請求項３】 前記攪拌する処理において、二酸化炭素ガスが４５気圧で供
   給され、その後３０気圧まで下げられることを特徴とする請求項１又は２の何れ
   かに記載の方法。
4. 【請求項４】 前記反応装置が可動プラットフォーム上に水平に置かれてい
   ることを特徴とする請求項１に記載の方法。
5. 【請求項５】 前記攪拌ブレードが前記攪拌シャフトの片側に、望ましくは
   その上面に設けられていることを特徴とする請求項１に記載の方法。
6. 【請求項６】 前記ブレードが軸に対して大凡３０度の角度に配置されてい
   ることを特徴とする請求項１に記載の方法。
7. 【請求項７】 前記シャフトが一方を他方の中に入れた２つの中空のシャフ
   トから構成され、冷却液が内側シャフトに入れられ外側シャフトと内側シャフト
   の間の空間を循環することを特徴とする請求項１から６の何れかに記載の方法。
8. 【請求項８】 前記攪拌する処理が、キャンディーの大きい発泡効果を求め
   る場合は７分から８分間継続され、細かいはじけ効果を求める場合は４、５分か
   ら６分間継続されることを特徴とする請求項１から７の何れかに記載の方法。
9. 【請求項９】 前記ブレードが凹型になっていることを特徴とする請求項１
   から８の何れかに記載の方法。
10. 【請求項１０】 前記シャフトが１２０ｒｐｍで回転することを特徴とする
    請求項１に記載の方法。