JP2002370699A - 格納型航空機エンジンランナップ設備 - Google Patents

格納型航空機エンジンランナップ設備

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JP2002370699A JP2001317008A JP2001317008A JP2002370699A JP 2002370699 A JP2002370699 A JP 2002370699A JP 2001317008 A JP2001317008 A JP 2001317008A JP 2001317008 A JP2001317008 A JP 2001317008A JP 2002370699 A JP2002370699 A JP 2002370699A
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Takayuki Satomi
孝之 里見
Kazushi Ogawa
一志 小川
Takashi Kawashima
敬 河嶋
Hidenori Yoshida
秀則 吉田
Yasuo Saito
泰夫 斎藤
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    • E04H6/44Buildings for parking cars, rolling-stock, aircraft, vessels or like vehicles, e.g. garages for storing aircraft
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    • B64FGROUND OR AIRCRAFT-CARRIER-DECK INSTALLATIONS SPECIALLY ADAPTED FOR USE IN CONNECTION WITH AIRCRAFT; DESIGNING, MANUFACTURING, ASSEMBLING, CLEANING, MAINTAINING OR REPAIRING AIRCRAFT, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; HANDLING, TRANSPORTING, TESTING OR INSPECTING AIRCRAFT COMPONENTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B64F1/00Ground or aircraft-carrier-deck installations
    • B64F1/26Ground or aircraft-carrier-deck installations for reducing engine or jet noise; Protecting airports from jet erosion
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S454/00Ventilation
    • Y10S454/906Noise inhibiting means

Abstract

(57)【要約】 【課題】ハンガーの前端部分の屋根側の吸気口から下向
きに導入した空気流を後方に方向変換でき、導入した空
気流を十分に整流でき、排気ダクトを省略できる格納型
航空機エンジンランナップ設備を提供する。 【解決手段】航空機2を格納可能なテスト室3を形成す
るハンガー4と空気導入用の吸気口6と空気排出用の排
気通路7とを有する航空機エンジンランナップ設備1に
おいて、吸気口6をハンガー4の前端部分の上方の屋根
側に設け、テスト室3の後端に連通しこの後端から後方
かつ上方へ延びる排気路7をハンガー4の後端側部分に
設け、吸気口6から導入された空気流をハンガー4内に
収容された航空機2の方へ案内する1又は複数の空気流
方向変換部材20を吸気口6の下側付近に設け、吸気口
6又はその付近に整流機構18、第1整流部材21、整
流空間19、第2整流部材22、第3整流部材23、第
4整流部材24を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、格納型航空機エ
ンジンランナップ設備に関し、特に外部からテスト室に
空気を導入する吸気口の構造、吸気口の付近の整流の為
の構造、空気を排出する排気路の構造を改善し、テスト
室内に安定した空気流を形成するようにしたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】 従来、航空機エンジンをオーバーホー
ルした場合、新規に就航する航空機エンジンの性能を確
認する場合などに、通常は開放された地上においてエン
ジン試験を行うが、最近は騒音対策の面から種々の対策
が取られている。屋外で試験する場合に、エンジン排気
口のすぐ下流側に消音ダクトを設ける方法が一般的であ
るが、最近では航空機全体を収容可能で消音機能のある
建屋(これを、消音ハンガーという)を用いる方法も採
用されつつある。
【0003】それら消音ハンガーにおける空気導入口
(又は、吸気口)の構造としては、殆どの設備において
航空機前方となる消音ハンガーの前端部から空気を導入
する形式となっている。消音ハンガー前端部から空気を
導入する前方空気導入口方式では、ハンガーの前端部に
整流機能と消音機能のある空気導入口扉を有する大扉を
設け、航空機の出し入れの際には大扉を開閉する必要が
ある。空気導入口に整流機能と消音機能を持たせるに
は、空気導入口の奥行き長さを十分に長くする必要があ
り、特に空気導入口がエンジン前方に位置する前方空気
導入口方式では消音機能を確保する為に空気導入口の奥
行き長さ、つまり、大扉の厚さが非常に大きくなり、大
扉の厚さが7.5mとなった実例もある。
【0004】航空機の搬出入の度に開閉する扉が厚い前
記のような奥行きの大きな大扉の場合、その移動が大掛
かりとなり、空気導入口付き大扉の移動収納スペースを
確保する為に広い設置スペースが必要となる。厚い大扉
と広い移動収納スペースによって設備費は高価となる。
しかも、空気導入口における吸気抵抗が大となるため消
音ハンガー内における排気の逆流現象も発生しやすく、
また、外界で風が吹き、空気導入口に流入する方向と直
角方向に強い横風が吹く場合には、空気導入口から導入
される空気が整流された一様な流れになりにくく、航空
機エンジンのランナップを適正な条件で行うことが困難
になる。
【0005】そこで、ハンガーの前端部から空気を導入
する形式に代えて、ハンガーの前端部分の上方の屋根側
に空気を導入する吸気口を設ける消音ハンガーも提案さ
れている。例えば、特開平2000−318696号公
報に記載の消音ハンガーにおいては、消音ハンガーの前
端側部分の上方の屋根側に空気を導入する吸気口を形成
し、テスト室内に航空機エンジンの排気口に接続される
排気ダクトを設け、排気ダクトからハンガーの後端側の
排気路に排気しながら、航空機のエンジンを試験するよ
うになっている。
【0006】しかし、前記排気ダクト方式では、航空機
の機種が変わる毎に排気ダクトを移動させる必要がある
ため、その排気ダクトの移動に多くの労力がかかる。そ
こで、特開平2000−313399号公報に記載の消
音ハンガーにおいては、ハンガーの前端部分の上方の屋
根側に吸気口を設け、ハンガー内のテスト室の後端から
後方かつ上方へ延びる排気路をハンガーの後端側に設
け、テスト室の後部の天井側に断面J字形の排気還流防
止板を設けてある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 しかし、従来の格納
型航空機エンジンランナップ設備のうち、吸気口をハン
ガーの前端部分の上方の屋根側に設けたものでは、吸気
口から導入された空気流がテスト室の床面に衝突してか
ら後方へ流れるため、吸気口からテスト室に導入される
下方向きの空気流が航空機のある後方へ向けて整然と方
向変換されず、空気流の大部分に渦流や乱れが発生し易
く、エンジンのランアップを適正条件で行うことが困難
になる。
【0008】しかも、航空機の主翼エンジンが設けられ
る主翼に比較して尾翼の高さが大きいため、ハンガーの
天井を尾翼が通過可能な高さ位置に設けることになる
が、この場合ハンガー内の上方空間に後方から前方へ向
かう排気の逆流が発生し、排気が航空機のエンジンに吸
入され易くなり、航空機エンジンのランナップを適正条
件で行なうことが難しい。
【0009】前記特開平2000−313399号の消
音ハンガーでは、ハンガーの前端部分の屋根に吸気口を
形成し、この吸気口を構成する整流機構が前後に所定間
隔おきに配置した複数の立向きの板部材で構成し、この
吸気口の付近にはその他の整流手段を何ら設けていない
ので、次のような問題が残されている。前記吸気口の上
端は屋外に露出し、屋外の空気を直接導入することにな
るが、風が強い時には吸気口の全域に一様に空気流を導
入できないだけでなく、空気流に渦や乱れが生じやすく
なる。しかも、吸気口としての整流機構にはその整流機
構を構成する複数の板部材があるため、整流機構の下流
側の空気流にも渦や乱れが残り易い。
【0010】本発明の目的は、ハンガーの前端部分の上
方の屋根側の吸気口から導入した空気流を方向変換して
航空機の方へ供給できる格納型航空機エンジンランナッ
プ設備を提供すること、吸気口から導入した空気流を十
分に整流可能な格納型航空機エンジンランナップ設備を
提供すること、テスト室に設ける排気ダクトを省略可能
な格納型航空機エンジンランナップ設備を提供するこ
と、などである。
【0011】
【課題を解決するための手段】 請求項1の格納型航空
機エンジンランナップ設備は、航空機を格納可能なテス
ト室を形成するハンガーと空気導入用の吸気口と空気排
出用の排気通路とを有する航空機エンジンランナップ設
備において、前記吸気口をハンガーの前端部分の上方の
屋根側に設け、前記テスト室の後端に連通しこの後端か
ら後方かつ上方へ延びる排気路をハンガーの後端側部分
に設け、前記吸気口から導入された空気流をハンガー内
に収容された航空機の方へ案内する1又は複数の空気流
方向変換部材を吸気口の下側付近に設けたことを特徴と
するものである。
【0012】吸気口をハンガーの前端側部分の上方の天
井側に設けるため、航空機の出し入れの為の大扉に空気
導入口を設ける必要がなく、通常の防音扉と同程度の簡
易な構造とすることができる。従って、大扉の移動、収
納の為に大きなスペースを確保する必要がなく、設置ス
ペース的に有利であり、吸気口に種々の整流手段を装備
する上でも有利である。前記吸気口がハンガーの前端側
部分の上方の天井側にあるため、吸気口からテスト室内
へ導入された空気流はそのまま鉛直向きに下降してテス
ト室の床面に衝突して乱れを生じやすく且つ後方からの
逆流を誘発し易いが、吸気口から導入された空気流をハ
ンガー内に収容された航空機の方へ案内する1又は複数
の空気流方向変換部材を吸気口の下側付近に設けるの
で、吸気口からの下降流はほぼ水平な空気流に方向変換
して航空機の方へ案内され、テスト室の床面と衝突しに
くくなる。そのため、航空機エンジンに渦や乱れの少な
い安定した空気流が供給されランナップに適した条件を
確保することができる。
【0013】前記テスト室の後端に連通しこの後端から
後方かつ上方へ延びる排気路をハンガーの後端側部分に
設けるため、排気ダトク方式のように航空機の機種が変
わることに排気ダクトを移動させる必要がないうえ、テ
スト室内の空気がハンガーの後端側の上方へ排気される
ので、ハンガーの後方の排気の排出機構の為のスペース
を縮小することができ、設置スペース的に有利である。
【0014】ここで、請求項2では、前記吸気口の外周
部からハンガーの屋根より上側へ立ち上がった通気性の
ある防風用フェンス部材を設けた。そのため、外風の風
向や風速や渦等の影響を緩和し、吸気口に向かう空気流
の流速を吸気口の全域にわたって極力均一化させること
ができる。
【0015】請求項3では、前記吸気口に平面視格子状
又はハニカム状に配置した複数の板材からなり空気流を
下方へ整流する整流機構を設けた。そのため、吸気口か
ら導入される空気流を整流機構により確実に下方へ(下
方向きの流れに)整流することができる。前記整流機構
が平面視格子状又はハニカム状に配置した複数の板材を
吸音性能を有する部材とすることにより、吸気口から屋
外に出るハンガー内のランアップ騒音を消音することが
できる。特に、吸気口を構成する整流機構が上方に開口
しているため、吸気口から屋外に出るハンガー内のラン
アップ騒音は上空へ向かって放散されるため、屋外地上
付近の騒音を軽減できる。
【0016】請求項4では、前記整流機構の下端に空気
流を整流する第1整流部材を設けた。そのため、整流機
構通過後の空気流をさらに整流できる。請求項5では、
前記空気流方向変換部材よりも前側(出入口側)におい
て、前記整流機構の下側付近に所定の高さの整流用空間
を設け、この整流用空間の下端に空気流を整流する第2
整流部材を設けた。そのため、前記整流用空間におい
て、整流機構を構成する複数の板部材の下流側に発生す
る流速不均一現象や微小な渦などを解消できる。
【0017】請求項6では、前記整流用空間に空気流の
流れ方向に延びる複数の第3整流部材を設けた。そのた
め、整流用空間を流れる空気流の整流を促進できる。請
求項7では、前記吸気口は、ハンガーの屋根構造の前端
部分に、ハンガー内に収容された航空機より前方の上方
に対応する位置に設けられた。そのため、吸気口から導
入した空気流を空気流方向変換部材でほぼ水平な空気流
に方向変換して航空機の方へ流すことができる。
【0018】請求項8では、前記吸気口は、ハンガーの
前端部分の左右方向幅の全幅に近い左右方向幅を有す
る。そのため、吸気口の面積を大きくして吸気口を流れ
る空気流の流速を低く維持して整流を促進、また、テス
ト室内の空気流に左右方向向きの流れが生じるのを抑制
する面で有利である。
【0019】請求項9では、前記空気流方向変換部材
は、1又は複数の側面視ほぼJ字形の板材からなる。そ
のため、空気流方向変換部材の後側の空気流は空気流方
向変換部材の案内作用で後方へ方向変換され、空気流方
向変換部材の前側の空気流はコアンダ効果により後方へ
方向変換される。
【0020】請求項10では、前記空気流方向変換部材
は、1つの側面視ほぼJ字形の板材からなり、この空気
流方向変換部材を吸気口の後端から吸気口前後幅の3/
14〜3/7の位置付近に設けた。空気流方向変換部材
の後側に吸気口前後幅の約3/14〜3/7の吸気口部
分があるため、空気流方向変換部材の前後両側に空気流
が流れ、空気流方向変換部材は案内作用とコアンダ効果
を確実に発揮する。尚、前記3/14〜3/7という値
は実験的に得られたもので、これについては後述する。
【0021】請求項11では、前記空気流方向変換部材
の後側において空気流方向変換部材の下端近傍部からハ
ンガーの天井部まで延びる第4整流部材を設けた。その
ため、空気流方向変換部材の後側に流れる空気流も第4
整流部材により整流できる。請求項12では、前記「J
字形」の空気流方向変換部材には、1又は複数のフラッ
プが設けられた。ほぼJ字状の空気流変換部材の湾曲部
の前側では剥離渦が発生し易いけれども、1又は複数の
フラップにより剥離渦の発生を抑制しながら方向変換す
ることができる。
【0022】請求項13では、前記複数の空気流方向変
換部材は、前記整流機構における左右方向に延びる複数
の板材の下端部分に夫々一体形成された。そのため、整
流機構により整流された空気流を効果的に方向変換する
ことができる。請求項14では、前記複数の空気流方向
変換部材は、前後方向に所定間隔おきに配置された複数
のガイド部材からなる。そのため、整流機構により整流
された空気流を効果的に方向変換することができる。
【0023】請求項15では、前記複数のガイド部材
は、前方のガイド部材ほど下方まで延びるように配設さ
れた。そのため、方向変換後の空気流が乱れにくく、空
気流が安定する。
【0024】請求項16では、前記空気流方向変換部材
の左右方向中央部に、航空機搬出入時における航空機の
垂直尾翼の通過を許す尾翼通過用開口を設け、この尾翼
通過用開口を開閉可能な開閉体を設けた。そのため、空
気流方向変換部材を垂直尾翼の通過領域まで延ばして
も、前記開閉体を開いておけば、航空機の垂直尾翼を尾
翼通過用開口を通過させることで、航空機を搬出入させ
ることができる。エンジンの試験時には、前記開閉体で
尾翼通過用開口を閉じれば、尾翼通過用開口の影響なし
に空気流の方向変換が可能になる。
【0025】請求項17では、前記尾翼通過用開口の左
右両端において前記空気流方向変換部材の側面を覆いか
つ前方へ突出する鉛直状で前後方向に延びる1対の整流
板を設けた。そのため、上記開口側空気流方向変換部材
端からの渦や乱れが発生しにくくなる。請求項18で
は、前記防風用フェンス部材の開口率が50〜75%で
ある。そのため、空気流の通過抵抗を低く維持しなが
ら、防風機能を確保できる。
【0026】請求項19では、前記防風用フェンス部材
の全周にわたる平均高さは少なくとも2.0m以上あ
る。そのため、防風機能を確保できる。請求項20で
は、前記防風用フェンス部材の上端部に、それとほぼ同
レベルに配設されて前記吸気口の上方を面状に覆う通気
性のある防風用上面フェンス部材を設けた。そのため、
防風用上面から流入する空気流についても、外部の自然
風の風向や風速や渦等の影響を緩和し、吸気口に向かう
空気流の流速を吸気口の全域にわたって極力均一化させ
ることができる。
【0027】請求項21では、前記整流機構は吸気の上
方から下方への流れ方向に所定の長さを有する。そのた
め、整流機構の整流性能を確保することができる。請求
項22では、前記整流機構の板材は吸音性部材からな
る。そのため、吸気口から屋外に出るハンガー内のラン
アップ騒音を吸音性部材により効果的に消音できる。
【0028】請求項23では、前記第1整流部材が、金
網、繊維製ネット、有孔板、スリット板、エキスパンド
メタルのうちの何れかで構成され、その開口率が40%
〜70%に設定された。そのため、第1整流部材の構造
を簡単化でき、空気流の通過抵抗を過大にすることな
く、整流性能を確保できる。請求項24では、前記第2
整流部材が、金網、繊維製ネット、有孔板、スリット
板、エキスパンドメタルのうちの何れかで構成された。
そのため、第2整流部材の構造を簡単化でき、空気流の
通過抵抗を過大にすることなく、整流性能を確保でき
る。
【0029】請求項25では、前記第3整流部材が、金
網、繊維製ネット、有孔板、スリット板、エキスパンド
メタルのうちの何れかで構成された。そのため、第3整
流部材の構造を簡単化でき、空気流の通過抵抗を過大に
することなく、整流性能を確保できる。請求項26で
は、前記第4整流部材が、金網、繊維製ネット、有孔
板、スリット板、エキスパンドメタルのうちの何れかで
構成された。そのため、第4整流部材の構造を簡単化で
き、空気流の通過抵抗を過大にすることなく、整流性能
を確保できる。
【0030】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて説明する。図1〜図4に示すように、本実施形態に
係る格納型航空機エンジンランナップ設備1は、航空機
2を格納可能なテスト室3を形成するハンガー4、その
前端の航空機導入口5、テスト室3に空気を導入する為
の吸気口6、テスト室3内から排気する排気路7などを
有する。尚、ハンガー4の正面側からハンガー4に向か
って前後左右を前後左右として説明する。
【0031】図1〜図9に示すように、ハンガー4は鉄
骨構造の建屋からなり、ハンガー4は、前面構造10、
左右の側面構造11,12、後面構造13、屋根構造1
4などを有する。前面構造10には、左右方向の全幅に
わたる航空機導入口5が形成され、この航空機導入口5
にはこれを開閉する大扉15が設けられている。
【0032】大扉15は、左側大扉15aと右側大扉1
5bとからなり、左側大扉15aと右側大扉15bは、
夫々、レールに支持案内される複数の連結されない小幅
の扉部材からなる。但し、大扉15a,15bは複数の
連結された小幅の扉部材からなる構造にしてもよい。左
側大扉15aは、モノレール形式の水平移動装置(図示
略)でハンガー4の左側面構造11の内面側へ移動させ
た格納位置と、航空機導入口5の左半分を閉じる使用位
置とに切換え可能である。同様に、右側大扉15bもモ
ノレール形式の水平移動装置(図示略)でハンガー5の
右側面構造12の内面側へ移動させた格納位置と、航空
機導入口5の右半分を閉じる使用位置に切換え可能であ
る。
【0033】吸気口6がハンガー4の前端部分の屋根側
に設けられ、吸気口6は航空機導入口5とは分離されて
おり、航空機2のエンジンを試験する際には航空機導入
口5から空気を導入する必要がないので大扉15は閉じ
た状態に保持される。そのため、大扉15の扉厚さは通
常の防音扉と同程度の厚さである。尚、大扉15は昇降
駆動装置で鉛直に昇降移動させて航空機導入口5を開閉
する構造にしてもよい。以上のような大扉15を採用す
るため、ハンガー4の前端部の左右両側に扉開放用のス
ペースをとる必要がないから、格納型航空機エンジンラ
ンナップ設備1の設置スペースの面で有利である。
【0034】図1〜図4に示すように、ハンガー4の屋
根構造14は緩傾斜状の屋根形の形状に構成されている
が、水平な屋根構造でもよい。屋根構造14の前端部分
にはハンガー4の左右方向のほぼ全幅にわたる吸気口6
が形成されている。吸気口6は、ハンガー内に収容され
た航空機の前方の上方に対応する位置に形成されてい
る。
【0035】吸気口6に吸入される空気流への外風の影
響(空気流の流れ方向や速度の不均一、渦流や乱れの存
在)を緩和ないし解消する為に、屋根構造14には、吸
気口6の外周部から屋根構造14よりも上側へ立ち上が
った通気性のある防風用フェンス部材16が設けられて
いる。この防風用フェンス部材16の全周にわたる平均
高さは少なくとも2.0m以上ある。防風用フェンス部
材16は、開口率が50〜75%となるような1重また
は2重の金網で構成されている。但し、金網以外に、繊
維製ネット、エキスパンドメタル、多数の小穴付きの有
孔板、多数の小スリット付きのスリット板、のうちの何
れかで構成してもよい。
【0036】防風用フェンス部材16と同様の目的で、
吸気口6の上方を面状に覆う通気性のある防風用上面フ
ェンス部材17が、防風用フェンス部材16の上端部
に、それとほぼ同レベルに設けられている。この防風用
上面フェンス部材17は、開口率が50〜75%となる
ような1重または2重の金網で構成されている。但し、
金網以外に、繊維製ネット、エキスパンドメタル、多数
の小穴付きの有孔板、多数の小スリット付きのスリット
板、のうちの何れかで構成してもよい。
【0037】吸気口6には、平面視にて格子状に配置し
た立て向きの複数の板材18aからなり空気流の上方か
ら下方への流れ方向に所定長さ(例えば、4〜5m)の
整流機構18が設けられている。複数の板材18aは夫
々矩形波状断面の鋼板に吸音材を貼り付けた吸音パネル
で構成されている。この整流機構18は、この吸気口6
から導入する空気流を下方へ(下方向きの流れとなるよ
うに)整流する整流機能と、吸気口から屋外に出るハン
ガー内のランアップ騒音を消音する消音機能を得る為の
ものである。
【0038】整流機構18の下端には吸気口6から導入
される空気流を整流する第1整流部材21が整流機構1
8の下端の全面にわたって設けられている。この第1整
流部材21は開口率が40〜70%に設定された金網又
は繊維製ネットで構成され、左右方向の中央部において
第1整流部材21の上面には整流機構18の左右方向に
延びる板材の下端に連結された鋼板製の平板ガイド部材
18bが設けられている。尚、第1整流部材21は、多
数の小穴付きの有孔板、多数の小スリット付きのスリッ
ト板、エキスパンドメタルのうちの何れかで構成しても
よい。
【0039】整流機構18の下端には、後述のように1
つの空気流方向変換部材20が固定されて下方へ所定長
さ延びている。この空気流方向変換部材20よりも前側
(出入口側)において、整流機構18の下側付近に所定
の高さ(例えば、4〜5m)の整流用空間19が設けら
れ、この整流用空間19の下端には吸気口6から導入さ
れた空気流を整流する第2整流部材22が整流用空間1
9の下端の全面にわたって設けられている。この第2整
流部材22は開口率が40〜70%に設定された金網又
は繊維製ネットで構成されている。尚、第2整流部材2
2は、多数の小穴付きの有孔板、多数の小スリット付き
のスリット板、エキスパンドメタルのうちの何れかで構
成してもよい。
【0040】整流用空間19には、平面視格子状に配置
され空気流の流れ方向につまり鉛直方向に延びる複数の
第3整流部材23が設けられている。この第3整流部材
23は開口率が40〜70%に設定された金網又は繊維
製ネットで構成されている。尚、多数の小穴付きの有孔
板、多数の小スリット付きのスリット板、エキスパンド
メタルのうちの何れかで構成してもよい。空気流方向変
換部材20の後側において空気流方向変換部材20の下
端近傍部からハンガー4の天井部まで延びて吸気口6の
後部から導入された空気流を整流する第4整流部材24
が設けられている。この第4整流部材24は開口率が4
0〜70%に設定された金網又は繊維製ネットで構成さ
れている。尚、多数の小穴付きの有孔板、多数の小スリ
ット付きのスリット板、エキスパンドメタルのうちの何
れかで構成してもよい。
【0041】次に、空気流方向変換部材20について説
明する。図1〜図3に示すように、空気流方向変換部材
20は吸気口6から導入された空気流を方向変換して航
空機2の方へ案内する為のものである。空気流方向変換
部材20は、1つの側面視ほぼJ字形のハンガー4のほ
ぼ全幅にわたる板材からなり、吸気口6の後端から吸気
口前後幅の3/14〜3/7の位置又はその付近に配設
され、空気流方向変換部材20の上端が整流機構18の
左右方向に延びる板材18aの下端に固定され、ハンガ
ー4の屋根構造14に連結されたトラス構造25で支持
されている。
【0042】空気流方向変換部材20は立板部20aと
その下端から湾曲して水平に後方へ延びる水平板部20
bとを一体形成したものである。この水平壁部20b
は、テスト室3に収容される最も大型の航空機2の胴部
2aおよび水平尾翼の上端よりも幾分高い位置に配設さ
れている。航空機2の搬出入時に航空機2との干渉を避
ける為である。尚、この空気流方向変換部材20の配置
位置は、前記に限定されるものではなく、吸気口6の前
後方向途中部(吸気口6の前後幅をBとして、例えば吸
気口6の後端から約B/8〜B/2の位置)に配置して
もよい。尚、空気流方向変換部材20の立板部20aは
下方程後方又は前方へ進むように適当角度傾斜していて
もよく、水平板部20bも僅かに傾斜していてもよい。
【0043】図3に示すように、空気流方向変換部材2
0の左右方向中央部には、航空機2の搬出入時における
航空機2の垂直尾翼2bの通過を許す尾翼通過用開口2
6が設けられ、この尾翼通過用開口26を開閉可能な開
閉体27とその開閉駆動装置(図示略)が設けられてい
る。
【0044】この開閉体27は昇降式の折曲可能な所謂
シャッター状の部材で構成され、屋根構造14側に設け
た駆動装置で開閉駆動され、航空機2の搬出入時には開
放され、航空機エンジンのテスト時には閉状態に切換え
られる。但し、開閉体27を左右1対のスライド式の扉
で構成し、開閉駆動装置により左右両側へ開閉駆動する
構造にしてもよい。
【0045】図1〜図2に示すように、航空機2のエン
ジン試験の際に排気流に随伴して流れる随伴流とその周
辺の空気流がテスト室3内を後方へ整然と流れるように
テスト室3内の空気流を整流する為に、ハンガー4の天
井の大部分には、空気流を整流する為に後方程低くなる
ように傾斜した傾斜天井30が設けられている。図4に
示すように、この傾斜天井30の左右方向の中央部に
は、テスト室3に搬出入される航空機2の垂直尾翼2b
の通過を許すように上方へ凹入した天井溝31が形成さ
れ、天井溝31の左右側面は板材で仕切られている。
【0046】傾斜天井30は、吸気口6の後端近傍部か
ら、テスト室3に収容される航空機2の垂直尾翼2bの
前側付近にかけて後方下がりに緩傾斜しており、この傾
斜天井30は、天井溝31から左右方向へ遠のくほど低
くなるように屋根の傾斜と平行に傾斜している。天井溝
31から遠のく程前記の随伴流の流量が少なくなるの
で、傾斜天井30を左右へ傾斜させることで、テスト室
3の左右両側付近において随伴流の流速の低下を防止す
ることができる。
【0047】図1 、図2、図4に示すように、テスト室
3の天井側には、テスト室3に収容した航空機2の垂直
尾翼2bの前側付近に位置するように、テスト室3の左
右方向のほぼ全幅にわたる逆流防止板32が設けられて
いる。この逆流防止板32は、側面視J字形の板材から
なり、傾斜天井30の後端又は後端付近に対応する位置
に配設され、逆流防止板32の上端部は屋根構造14に
固定され、逆流防止板32の下端部に傾斜天井30の後
端が固定されている。
【0048】この逆流防止板32の左右方向中央部に
は、航空機2の搬出入時に垂直尾翼2bの通過を許す尾
翼通過用開口33が形成され、この尾翼通過用開口33
を開閉可能な左右1対の逆流防止用開閉体34とこの逆
流防止用開閉体34を開閉駆動する開閉駆動装置(図示
略)も設けられている。左右1対の逆流防止用開閉体3
4は左右へ屋根の傾斜と平行に開閉可能な1対の扉から
なり、航空機2の搬出入の際には尾翼通過用開口33が
開放され、エンジンを試験する際には尾翼通過用開口3
3が閉状態に保持される。尚、1対の逆流防止用開閉体
34の代わりに、昇降式の折曲可能なシャッター部材を
設け、このシャッター部材を昇降させて開閉する構造と
してもよい。
【0049】天井溝31の下方に沿って尾翼エンジンの
方へ流れる空気流を整流する為に、天井溝31の左右両
端において、傾斜天井30から下方へ突出した左右1対
の尾翼エンジン用整流部材35が設けられている。この
尾翼エンジン用整流部材35は、金網、繊維製ネット、
多数の小穴付きの有孔板、多数の小スリット付きのスリ
ット板、エキスパンドメタルのうちの何れかで構成され
ている。
【0050】図5、図6に示すように、テスト室3の左
右の側壁36には、それを構成する板材に吸音性を有す
る部材を貼り付けた吸音構造が設けられている。また、
テスト室3の左右の側壁36は、テスト室3の全体に適
正な随伴流を生成するため、並びに特定周波数の音が左
右の側壁36での反射を繰り返して騒音が悪化すること
を防止する為に、テスト室3の左右の側壁36のほぼ後
半部が後方へいく程相接近する方向へ傾斜する傾斜側壁
36aに構成されている。
【0051】図1、図2、図5、図6に示すように、テ
スト室3の後端に連通しこの後端から後方かつ上方へ延
びる排気路7がハンガー4の後端側部分に設けられ、こ
の排気路7は、ハンガー4の後端部の左右方向のほぼ全
幅にわたるように形成されている。排気路7は、航空機
2の左右の主翼2cに装備された主翼エンジン2dから
の排気を排出する主翼エンジン用排気路37と、この主
翼エンジン用排気路37よりも後方まで延び尾翼エンジ
ン2eからの排気を排出する尾翼エンジン用排気路38
を有する。
【0052】主翼エンジン用排気路37の上端には鉛直
上方向きに排気する排気口37aが形成されている。尾
翼エンジン用排気路38の上端にはほぼ鉛直上方に向け
て排気する排気口38aが形成されている。主翼エンジ
ン用排気路37は、後方程上方へいくように急に湾曲し
た湾曲通路39と、この湾曲通路39に連通し且つハン
ガー4の後端部で垂直に立ち上がる排気塔40を有す
る。尾翼エンジン用排気路38は、後方程上方へいくよ
うに緩やかに湾曲した湾曲通路41からなる。前記の湾
曲通路39,41の下面板材には多数の小穴が形成さ
れ、この下面板材の背部には消音用空間42,43と吸
音性部材44,45が夫々設けられている。
【0053】次に、以上説明した格納型航空機ランナッ
プ設備 の作用、効果について説明する。吸気口6をハ
ンガー4の前端部分の上方の天井側に設けるため、航空
機2の搬出入の為の大扉15に空気導入口を設ける必要
がなく、通常の防音扉と同程度の簡易な構造とすること
ができる。従って、大扉15の移動と収納の為に大きな
スペースを確保する必要がなく、設置スペース的に有利
であり、吸気口6に種々の整流手段を装備する上でも有
利である。
【0054】吸気口6がハンガー4の前端部分の上方の
天井側にあるため、吸気口6からテスト室3内へ導入さ
れた空気流はそのまま鉛直向きに下降してテスト室3の
床面に衝突して乱れを生じやすく且つ後方からの逆流を
誘発し易いが、吸気口6から導入された空気流をハンガ
ー4内の航空機2の方へ案内する空気流方向変換部材2
0を吸気口6の下側付近に設けるので、吸気口6から流
入する空気流ははほぼ水平な空気流に方向変換されて航
空機2の方へ案内され、テスト室3の床面と衝突しにく
くなる。そのため、航空機のエンジンに渦や乱れの少な
い安定した空気流が供給されランナップに適した条件を
確保することができる。
【0055】テスト室3の後端に連通しこの後端から後
方かつ上方へ延びる排気路7をハンガー4の後端側部分
に設けるため、排気ダクト方式のように航空機の機種が
変わる毎に排気ダクトを移動させる必要がないうえ、テ
スト室3内の空気がハンガー4の後端側の上方へ排気さ
れるので、ハンガー4の後方の排気の排出の為のスペー
スを縮小することができ、設置スペース的に有利であ
る。
【0056】吸気口6の外周部からハンガー3の屋根よ
り上側へ立ち上がった通気性のある防風用フェンス部材
16を設けたので、外風の風向や風速や渦等の影響を緩
和し、吸気口6に向かう空気流の流速を吸気口6の全域
にわたって極力均一化させることができる。吸気口6に
平面視格子状又はハニカム状に配置した複数の板材18
aからなり空気流を下方へ整流する整流機構18を設け
たので、吸気口6から導入される空気流を整流機構18
により確実に下方へ(下方向きの流れに)整流すること
ができる。
【0057】整流機構18が平面視格子状又はハニカム
状に配置され且つ吸音機能のある複数の板材18aで構
成されているため、吸気口6から屋外に出るハンガー3
内のランアップ騒音の消音を図ることができる。特に、
吸気口6を構成する整流機構18が上方に開口している
ため、吸気口6からのランアップ騒音は上空へ向かって
放散されるため、屋外地上付近の騒音を軽減できる。整
流機構18の下端に空気流を整流する第1整流部材21
を設けたので、整流機構18を通過後の空気流をさらに
整流できる。
【0058】空気流方向変換部材20よりも前側(出入
口側)において、整流機構18の下側付近に所定の高さ
の整流用空間19を設け、この整流用空間19の下端に
空気流を整流する第2整流部材22を設けたので、整流
用空間19において、整流機構18の複数の板部材18
aの下流側に発生する流速不均一現象や微小な渦などを
解消でき、また、整流用空間19で整流された後の空気
流を第2整流部材22でさらに整流できる。
【0059】整流用空間19に空気流の上方から下方へ
の流れ方向に延びる平面視格子状又は平行線状の複数の
第3整流部材23を設けた。そのため、整流用空間19
を流れる空気流の整流を促進できる。吸気口6は、ハン
ガー4の屋根構造14の前端部分に、ハンガー4内に収
容された航空機2の前方の上方に対応する位置に設けら
れたので、吸気口6の後部から導入した空気流を空気流
方向変換部材20でほぼ水平な空気流に方向変換して航
空機2の方へ流すことができる。
【0060】吸気口6は、ハンガー4の前端部分の左右
方向幅の全幅に近い左右方向幅を有するため、吸気口6
の面積を大きくして吸気口6を流れる空気流の流速を低
く維持して整流を促進、また、テスト室3内の空気流に
左右方向向きの流れが生じるのを抑制する面で有利であ
る。
【0061】空気流方向変換部材20は、1つの側面視
ほぼJ字形の板材からなる。そのため、空気流方向変換
部材20の後側の空気流は空気流方向変換部材20の案
内作用で後方へ方向変換され、空気流方向変換部材20
の前側の空気流はコアンダ効果により後方へ方向変換さ
れる。この空気流方向変換部材20を吸気口6の後端か
ら吸気口6の前後幅の3/14〜3/7の位置に設けた
ので、空気流方向変換部材20の前後両側に空気流が流
れ、空気流方向変換部材20は案内作用とコアンダ効果
を確実に発揮する。尚、前記3/14〜3/7という値
は実験的に得られたもので、これについては後述する。
【0062】空気流方向変換部材20の後側において空
気流方向変換部材20の下端近傍部からハンガー4の天
井部まで延びる第4整流部材24を設けたので、空気流
方向変換部材20の後側に流れる空気流も第4整流部材
24により整流できる。空気流方向変換部材20の左右
方向中央部に、航空機搬出入時における垂直尾翼2bの
通過を許す尾翼通過用開口26を設け、この尾翼通過用
開口26を開閉可能な開閉体27を設けた。
【0063】そのため、空気流方向変換部材20を垂直
尾翼2bの通過領域まで延ばしても、開閉体27を開け
ば垂直尾翼2bが尾翼通過用開口26を通過できるため
航空機2を搬出入させることができる。エンジンの試験
時には、開閉体27で尾翼通過用開口26を閉じれば、
尾翼通過用開口26の影響なしに空気流の方向変換が可
能になる。
【0064】前記の防風用フェンス部材16の開口率が
50〜75%であるので、空気流の通過抵抗を低く維持
しながら、防風機能を確保できる。防風用フェンス部材
16の全周にわたる平均高さは少なくとも2.0m以上
あるため防風機能を確保できる。防風用フェンス部材1
6の上端部材に、それとほぼ同レベルに配設されて吸気
口6の上方を面状に覆う通気性のある防風用上面フェン
ス部材17を設けたので、防風用上面フェンス部材17
から流入する空気流についても、外風の風向や風速や渦
等の影響を緩和し、吸気口6に向かう空気流の流速を吸
気口6の全域にわたって極力均一化させることができ
る。
【0065】整流機構18は空気流の上方から下方への
流れ方向に所定の長さを有する。そのため、整流機構1
8の整流性能を確保することができる。整流機構18の
板材は吸音性部材からなるため、吸気口6から屋外に出
るハンガー4内のランアップ騒音を吸音性部材により効
果的に消音できる。第1〜第4整流部材21〜24が、
金網、繊維製ネット、有孔板、スリット板、エキスパン
ドメタルのうちの何れかで構成され、その開口率が40
%〜70%に設定されたので、第1〜第4整流部材21
〜24の構造を簡単化でき、空気流の通過抵抗を過大に
することなく、整流性能を確保できる。
【0066】ハンガー4の天井の少なくとも一部にテス
ト室3内の空気流を整流する為の傾斜天井30を設け、
この傾斜天井30の左右方向の中央部には、テスト室3
に搬出入される航空機2の垂直尾翼2bの通過を許すよ
うに上方へ凹入した天井溝31を形成したので、垂直尾
翼2bよりも十分に低い位置に傾斜天井30を形成で
き、この後方程低くなる傾斜天井30により、テスト室
3内の排気流に随伴する随伴流とその周辺の空気流を後
方向きの流れに整流し、テスト室3内全体に排気の逆流
を発生させないような随伴流を形成でき、航空機2のエ
ンジン2d,2eの上流側の空気流を整え、航空機エン
ジンのランナップに適正な条件を確保することができ
る。
【0067】傾斜天井30は、天井溝31から左右方向
へ遠のくほど低くなるように傾斜しているが、天井溝3
1から左右方向へ遠のくほど随伴流の流量も少なくなる
ため、傾斜天井30も低くして随伴流の流速の低下を防
止するようにしてある。テスト室3に収容した航空機2
の垂直尾翼2bの前側付近に位置するように、テスト室
3の天井側にテスト室3の左右方向のほぼ全幅にわたる
逆流防止板32を設けたので、この逆流防止板32によ
り、テスト室3の後部の上部空間から前方への排気の逆
流を防止できる。
【0068】逆流防止板32の左右方向中央部に、航空
機2の搬出入時に垂直尾翼2bの通過を許す尾翼通過用
開口33を設け、この尾翼通過用開口33を開閉可能な
逆流防止用開閉体34を設けた。航空機2の搬出入時に
は逆流防止用開閉体34を開放して垂直尾翼2bを尾翼
通過用開口33を通過させる。エンジンテスト時には、
逆流防止用開閉体34を閉じるため、尾翼通過用開口3
3からの排気の逆流を防止できる。逆流防止板32は傾
斜天井30の後端付近に配設されるため、傾斜天井30
で整流された空気流は逆流防止板32の後側へ流れ、逆
流防止板32でもって逆流するするのを阻止される。
【0069】天井溝31の左右両端において、傾斜天井
30から下方へ突出した1対の尾翼エンジン用整流部材
35を設けた。傾斜天井30に沿う空気流が左右から天
井溝31に向かう横流れとなって尾翼エンジン2eに吸
入され、エンジンに悪影響を及ぼす。その横流れとなっ
て尾翼エンジン2eに向かう空気流を1対の尾翼エンジ
ン用整流部材35により整流することができる。この尾
翼エンジン用整流部材35は、金網、繊維製ネット、有
孔板、スリット板、エキスパンドメタルのうちの何れか
で構成された。
【0070】テスト室3の左右の側壁36のほぼ後半部
に後方へいく程相接近する方向へ傾斜する傾斜側壁36
aを設けたため、テスト室3の全体に適正な随伴流を形
成することができると共に、音波の多重繰り返し反射を
避けることができ、特定周波数の音圧上昇を抑えること
ができる。また、テスト室3の左右の側壁36には吸音
構造を設けたので、吸音構造により吸音して騒音を低減
できる。
【0071】排気路7は、ハンガー4の後端部の左右方
向のほぼ全幅にわたるように形成されたので、十分に大
きな通路断面の排気路とすることができるから、航空機
2のエンジン2d,2eからの排気とその随伴流を円滑
に排出でき、テスト室3内に流れ方向が後方向きの安定
した空気流を形成する面で有利である。
【0072】エンジン2d,2eから排気路7まで所定
の距離を空けることが望ましいが、排気路7は、航空機
2の左右の主翼エンジン2dからの排気を排出する幅の
大きな1対の主翼エンジン用排気路37と、この主翼エ
ンジン用排気路37よりも後方まで延び航空機2の尾翼
エンジン2eからの排気を排出する幅の小さな尾翼エン
ジン用排気路38を有するため、主翼エンジン用排気路
37よりも尾翼エンジン用排気路38を後方に配置する
ことにより、エンジン2d,2eから排気路7までの距
離を適正なものとすることが可能となる。
【0073】主翼エンジン用排気路37が後方程上方へ
いくように湾曲し且つ消音機能のある湾曲通路39を有
するため、排気を円滑に方向変換し、消音しながら鉛直
上方へ向けて排気できる。主翼エンジン用排気路38
は、ハンガー4の後端部において垂直に立ち上がる排気
塔40を有するため、この排気塔40をハンガー4の後
面構造13に沿って配置できるため、排気塔40の構造
を簡単化できる。尾翼エンジン用排気路38は、後方程
上方へいくように緩湾曲した湾曲通路41であって消音
機能のある湾曲通路41を有するため、排気を円滑に方
向変換し、消音しながら上方へ向けて排気できる。
【0074】次に、前記格納型航空機エンジンランナッ
プ設備1の種々の整流部材の性能を確認する為に行った
模型実験の結果について、図10〜図19に基づいて説
明する。図10、図11は、防風用フェンス部材16の
高さの影響を調べた実験結果を示すもので、「フェンス
の高さ」は屋根の棟部からフェンス部材16の天端まで
の高さを示す。大気圧とテスト室3内の主翼エンジンの
吸気口直前における全圧測定値との差を全圧低下とし、
フェンス高さ0mのときの全圧低下を1とする「全圧低
下比」で実験結果を整理した。尚、フェンス部材16は
開口率(φ)=70%の金網を2重にして構成した。
【0075】この実験結果から、防風用フェンス部材1
6の高さが大きくなる程、「全圧低下比」が小さくな
り、空気流中の渦流や乱れの成分が小さくなっているこ
とが判る。そのため、防風用フェンス部材16の高さ
(全周にわたる平均的な高さ)は2m以上とするのが望
ましい。
【0076】図12、図13は、防風用フェンス部材1
6の開口率(φ)の影響を調べる為に行った実験結果を
示すもので、フェンス部材16としては、開口率70%
の金網を1重、2重、3重にした3種類のフェンスを用
いて実験した。この実験から、フェンス部材16の開口
率が大き過ぎる場合にも小さ過ぎる場合にも防風作用が
弱くなるので、フェンス部材16の開口率は50〜75
%の範囲に設定するのが望ましいことが判る。
【0077】図14、図15は、第2整流部材22の開
口率(φ)の影響を調べる為に行った実験結果を示すも
のであり、航空機のエンジンの前方において気流の乱れ
の強さを測定した。第2整流部材22としては、図示の
ような5種類の整流部材について実験した。この実験結
果から、第2整流部材22の開口率が大き過ぎる場合に
も小さ過ぎる場合にも整流作用が弱くなるので、第2整
流部材22の開口率は40〜70%の範囲に設定するの
が望ましいことが判る。尚、金網(φ=70%)2重の
整流部材の開口率は約50%に相当する。
【0078】図16、図17は、空気流方向変換部材2
0の配置位置を調べる為に行った実験結果を示すもので
あり、配置位置(b)は、吸気口6の後端から吸気口6
の前後幅(B)に対する値であり、例えばb=1/7は
吸気口後端からB×(1/7)の位置である。大気圧と
テスト室3内の航空機エンジン吸気口直前位置での全圧
測定値との差を全圧低下とし、b=0の配置位置(つま
り、吸気口6の後端に空気流方向変換部材20を設けた
場合)の全圧低下を1.0とする全圧低下比で実施権結
果整理した。この実験から、空気流方向変換部材20は
吸気口6の後端からB×(3/14〜3/7)の位置に
配置するのが最も望ましいことが判る。
【0079】図18、図19は、格納型航空機エンジン
ランナップ設備1における空気流について有限要素法律
の数値流体解析プログラムにより得られた流線図簡単化
して概念的に図示すであり、図18は空気流方向変換部
材20を設けた場合(実施例)の流線略図、図19は空
気流方向変換部材20を設けない場合(比較例)の流線
略図である。図18の線A,Bと、図19の線C,Dは
主翼エンジン2dに吸入される空気流の境界に沿って手
動にて記入した線である。これらの速度ベクトル略図か
ら、空気流方向変換部材20を設けない場合には、後方
から逆流した空気流が主翼エンジンに吸入されることに
なるが、空気流方向変換部材20を設けた場合には、後
方から逆流する空気流が弱くなり、主翼エンジンに吸入
されなくなることが判る。
【0080】次に、前記実施形態を部分的に変更した変
更形態について、図20以降の図面に基づいて説明す
る。但し、同様の又は同機能の部材に同一符号を付して
説明を省略する。
【0081】1〕 図1に示す前記尾翼通過用開口26
を開閉する開閉体27を省略することも可能である。こ
の場合、図34に示すように、尾翼通過用開口26の左
右両端において空気流方向変換部材20の側面を覆いか
つ前方と後方へ所定幅突出する鉛直状で前後方向に延び
る1対の整流板28が設けられている。この整流板28
は鋼板で構成してもよいし、多数の小穴付きの有孔板、
多数の小スリット付きのスリット板で構成してもよい。
このような1対の整流板28を設ける場合には、空気流
方向変換部材20の開口側端部からの渦や乱れが発生し
にくくなる。
【0082】2〕図20〜図24に示すように、この格
納型航空機エンジンランナップ設備1Aにおいては、吸
気口6が形成されるハンガー4の屋根構造14が殆ど左
右方向に傾斜のない形状に形成され、吸気口6の外周に
対応するハンガー4の軒先部には、ハンガー4の前と左
右の側面に沿って上昇する外風による悪影響を緩和する
為の軒先整流部材50が庇状に形成されている。側面視
J字状の複数(例えば、6枚)の空気流方向変換部材5
1が、整流機構18における左右方向に延びる複数の板
材の下端部分に夫々一体形成されている。複数の空気流
方向変換部材51は前方のもの程下方まで延びている。
【0083】傾斜天井30の前端には立板部30aが形
成され、この立板部30aが吸気口6の後端部に空気流
方向変換部材として作用するように設けられる。傾斜天
井30に天井溝は形成されているが、傾斜天井30の後
端から水平天井30bが後方へ排気塔まで延びているた
め、排気の逆流の虞がない。そのため、天井溝を開閉す
る可動の逆流防止用開閉体は設けられているが、前記実
施形態の逆流防止板32と同様の逆流防止板は設けられ
ていない。
【0084】ハンガー4の左右の側壁52が全長に亙っ
て平行に形成され、排気路53の主翼エンジン用排気路
53aと尾翼エンジン用排気路53bとが側面視同一形
状に形成され、この排気路53がハンガー4の後端部の
左右方向の全幅にわたって連通状に構成され、この排気
路53は後方程上方へいくように緩く湾曲した湾曲通路
53cを有し、排気口53dは鉛直上方向きに形成され
ている。天井溝の左右両端部と傾斜天井30とを連続的
に接続する曲面状部材71が設けられている。傾斜天井
に沿う空気流が左右から天井溝に向う横流れ状となって
尾翼エンジンに吸入されるが、この横流れ状の空気流を
曲面状部材71を介して整流することができる。
【0085】その他、前記実施形態のものと同機能の部
材に同一符号を付して説明を省略する。前記複数の空気
流方向変換部材51を設けるので、空気流の方向変換性
能に優れる。屋根構造14が左右方向に殆ど傾斜がない
ため、吸気口6がほぼ水平に形成されるので、吸気口6
の全域に亙って空気流が均一化しやすい。排気路53の
構造が簡単化し、ハンガー4の左右の側面構造11,1
2も簡単化する。
【0086】3〕図25、図26に示すように、この格
納型航空機エンジンランナップ設備1Bにおいては、前
記ランナップ設備1Aの空気流方向変換部材51と同様
の空気流方向変換部材51が設けられ、傾斜天井30の
後端に対応する位置に逆流防止板32が設けられ、天井
溝を開閉する逆流防止用開閉体54も設けられている。
尚、ハンガー4の左右の側面構造は前記の実施形態のも
のと同様であり、排気路53はランナップ設備1Aのも
のとほぼ同様に形成されている。
【0087】4〕図27に示すように、複数の空気流方
向変換部材を、前後方向に所定間隔おきに配置された複
数の湾曲状ガイド部材55であって、前方の湾曲状ガイ
ド部材55ほど低く位置するように配設された複数の湾
曲状ガイド部材55で構成してもよい。また、ガイド部
材は側面視斜めの平板ガイドや側面視鉛直の平板ガイド
でもよい。
【0088】5〕図28に示すように、図20〜図24
に示したものと同様の傾斜天井30と、水平天井30b
と、排気路53を有するハンガー4において、前記実施
形態の空気流方向変換部材20と同様の空気流方向変換
部材を設けられている。 6〕図29に示すように、図20〜図24に示したもの
と同様の傾斜天井30と、水平天井30bと、排気路5
3を有するハンガー4において、前記の空気流方向変換
部材20と同様の空気流方向変換部材20を設け、尾翼
通過用開口の左右両端部の空気流方向変換部材20に前
記1〕の欄で説明した1対の整流板28と同様の1対の
整流板28が設けられている。
【0089】7〕図30に示すように、ランナップ設備
1Bと同様の天井構造が設けられ、空気流方向変換部材
として、側面視J字形の2つの空気流方向変換部材56
が前後に間隔をあけて設けられている。 8〕図31に示すように、図20〜図24に示したラン
ナップ設備1Aと同様のランナップ設備において、ラン
ナップ設備1Aにおける傾斜天井30と水平天井30b
とが排気塔に至るまで後方下がりに傾斜した傾斜天井3
0Aに形成されている。
【0090】9〕図32に示すように、図20〜図24
に示したランナップ設備1Aと同様のランナップ設備に
おいて、ランナップ設備1Aにおける空気流方向変換部
材51に変えて、1つのほぼS字形断面の空気流方向変
換部材57が設けられる。
【0091】10〕図33に示すように、前記空気流方
向変換部材20の代わりに採用される図示の空気流方向
変換部材20Aは、左右方向に延びる縦板状の方向変換
部材本体58と、この方向変換部材本体58の下端部と
の間に隙間59を空けて配設された湾曲状のフラップ6
0と、このフラップ60の後端との間に隙間61を空け
得る状態に配設された湾曲状のフラップ62とで構成さ
れている。隙間59,61を空けて配置した湾曲フラッ
プ60,62を設けるため、空気流方向変換部材20A
に沿う流れが剥離しにくくなり、空気流に渦が生じにく
くなり、空気流の乱れが少なくなるので、ランナップに
適した気流条件を確保することでき。
【0092】11〕図34に示すように、前記ランナッ
プ設備1と同様のランナップ設備において、ハンガー4
の屋根構造14に、天井溝31の前部に外部から空気を
導入可能な空気導入口63を設けてもよい。空気導入口
63から天井溝31に外部の空気が導入されるため、天
井溝31内に排気の逆流が発生しにくくなる。その他、
当業者ならば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記
実施形態や変更形態に種々の変更を付加した形態で実施
可能である。
【0093】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、吸気口をハ
ンガーの前端側部分の上方の天井側に設けるため、航空
機の出し入れの為の大扉に空気導入口を設ける必要がな
く、通常の防音扉と同程度の簡易な構造とすることがで
きる。従って、大扉の移動、収納の為に大きなスペース
を確保する必要がなく、設置スペース的に有利であり、
吸気口に種々の整流手段を装備する上でも有利である。
前記吸気口から導入された空気流をハンガー内に収容さ
れた航空機の方へ案内する1又は複数の空気流方向変換
部材を吸気口の下側付近に設けるので、吸気口からの下
降流はほぼ水平な空気流に方向変換して航空機の方へ案
内され、テスト室の床面と衝突しにくくなる。そのた
め、航空機エンジンに渦や乱れの少ない安定した空気流
を供給してランナップに適した気流条件を確保すること
ができる。
【0094】前記テスト室の後端に連通しこの後端から
後方かつ上方へ延びる排気路をハンガーの後端側部分に
設けるため、排気ダトク方式のように航空機の機種が変
わることに排気ダクトを移動させる必要がないうえ、テ
スト室内の空気がハンガーの後端側の上方へ排気される
ので、ハンガーの後方の排気の排出の為のスペースを縮
小することができ、設置スペース的に有利である。
【0095】請求項2の発明によれば、前記のような防
風用フェンス部材を設けたので、外部の自然風の風向や
風速や渦等の影響を緩和し、吸気口に向かう空気流の流
速を吸気口の全域にわたって極力均一化させることがで
きる。
【0096】請求項3の発明によれば、前記のような整
流機構を設けたので、吸気口から導入される空気流を整
流機構により確実に下方へ(下方向きの流れに)整流す
ることができる。整流機構が平面視格子状又はハニカム
状に配置した複数の板材を吸音性を有する部材とするこ
とにより、ハンガー内のランアップ騒音を消音すること
ができる。特に、吸気口を構成する整流機構が上方に開
口しているため、ハンガー内のランアップ騒音は上空へ
向かって放散されるため、屋外地上付近の騒音を軽減で
きる。
【0097】請求項4の発明によれば、整流機構の下端
に空気流を整流する第1整流部材を設けたので、整流機
構通過後の空気流をさらに整流できる。請求項5の発明
によれば、前記のように、整流機構の下側付近に所定の
高さの整流用空間を設け、この整流用空間の下端に空気
流を整流する第2整流部材を設けたので、整流用空間に
おいて、整流機構を構成する複数の板部材の下流側に発
生する流速不均一現象や微小な渦などを解消できる。
【0098】請求項6の発明によれば、前記の整流用空
間に空気流の上方から下方への流れ方向に延びる複数の
第3整流部材を設けたので、整流用空間を流れる空気流
の整流を促進できる。 請求項7の発明によれば、吸気
口が、ハンガーの屋根構造の前端部分に、ハンガー内に
収容された航空機より前方の上方に対応する位置に設け
られたため、吸気口から導入した空気流を空気流方向変
換部材でほぼ水平な空気流に方向変換して航空機の方へ
流すことができる。
【0099】請求項8の発明によれば、吸気口がハンガ
ーの前端部分の左右方向幅の全幅に近い左右方向幅を有
するため、吸気口の面積を大きくして吸気口を流れる空
気流の流速を低く維持して整流を促進、また、テスト室
内の空気流に左右方向向きの流れが生じるのを抑制する
面で有利である。
【0100】請求項9の発明によれば、空気流方向変換
部材が1又は複数の側面視ほぼJ字形の板材からなるの
で、空気流方向変換部材の後側の空気流は空気流方向変
換部材の案内作用で後方へ方向変換され、空気流方向変
換部材の前側の空気流はコアンダ効果により後方へ方向
変換される。
【0101】請求項10の発明によれば、空気流方向変
換部材が、1つの側面視ほぼJ字形の板材からなり、こ
の空気流方向変換部材を吸気口の後端から吸気口前後幅
の3/14〜3/7の位置付近に設けたため、空気流方
向変換部材の前後両側に空気流が流れ、空気流方向変換
部材は案内作用とコアンダ効果を確実に発揮する。
【0102】請求項11の発明によれば、空気流方向変
換部材の後側において空気流方向変換部材の下端近傍部
からハンガーの天井部まで延びる第4整流部材を設けた
ので、空気流方向変換部材の後側に流れる空気流も第4
整流部材により整流できる。請求項12の発明によれ
ば、「J字形」の空気流方向変換部材には、1又は複数
のフラップが設けられたので、剥離渦の発生を抑制しな
がら方向変換できる。
【0103】請求項13の発明によれば、複数の空気流
方向変換部材が、整流機構における左右方向に延びる複
数の板材の下端部分に夫々一体形成されので、整流機構
により整流された空気流を効果的に方向変換することが
できる。請求項14の発明によれば、複数の空気流方向
変換部材が、前後方向に所定間隔おきに配置された複数
のガイド部材からなるので、整流機構により整流された
空気流を効果的に方向変換することができる。
【0104】請求項15の発明によれば、前記の複数の
ガイド部材は、前方のガイド部材ほど下方まで延びるよ
うに配設されたので、方向変換後の空気流が乱れにく
く、空気流が安定する。
【0105】請求項16の発明によれば、空気流方向変
換部材の左右方向中央部に、航空機搬出入時における航
空機の垂直尾翼の通過を許す尾翼通過用開口を設け、こ
の尾翼通過用開口を開閉可能な開閉体を設けたので、空
気流方向変換部材を垂直尾翼の通過領域まで延ばして
も、前記開閉体を開いておけば、航空機の垂直尾翼を尾
翼通過用開口を通過させることで、航空機を搬出入させ
ることができる。エンジンの試験時には、前記開閉体で
尾翼通過用開口を閉じれば、尾翼通過用開口の影響なし
に空気流の方向変換が可能になる。
【0106】請求項17の発明によれば、前記尾翼通過
用開口の左右両端において前記空気流方向変換部材の側
面を覆いかつ前方へ突出する鉛直状で前後方向に延びる
1対の整流板を設けたので、上記開口側の空気流方向変
換部材端からの渦や乱れが発生しにくくなる。請求項1
8の発明によれば、前記防風用フェンス部材の開口率が
50〜75%であるので、空気流の通過抵抗を低く維持
しながら、防風機能を確保できる。
【0107】請求項19の発明によれば、防風用フェン
ス部材の全周にわたる平均高さは少なくとも2.0m以
上あるので、防風機能を確保できる。請求項20の発明
によれば、前記防風用フェンス部材の上端部に、それと
ほぼ同レベルに配設されて前記吸気口の上方を面状に覆
う通気性のある防風用上面フェンス部材を設けたので、
防風用上面から流入する空気流についても、外部の自然
風の風向や風速や渦等の影響を緩和し、吸気口に向かう
空気流の流速を吸気口の全域にわたって極力均一化させ
ることができる。
【0108】請求項21の発明によれば、前記整流機構
が吸気の上方から下方への流れ方向に所定の長さを有す
るので、整流機構の整流性能を確保することができる。
請求項22の発明によれば、前記整流機構の板材は吸音
性を有する部材からなるので、ハンガー内のランアップ
騒音を吸音性部材により効果的に消音できる。
【0109】請求項23の発明によれば、第1整流部材
の構造を簡単化でき、空気流の通過抵抗を過大にするこ
となく、整流性能を確保することができる。請求項24
の発明によれば、第2整流部材の構造を簡単化でき、空
気流の通過抵抗を過大にすることなく、整流性能を確保
することができる。
【0110】請求項25の発明によれば、第3整流部材
の構造を簡単化でき、空気流の通過抵抗を過大にするこ
となく、整流性能を確保することができる。請求項26
の発明によれば、第4整流部材の構造を簡単化でき、空
気流の通過抵抗を過大にすることなく、整流性能を確保
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る格納型航空機ランナッ
プ設備の縦断側面図(左右方向幅中心部にて縦断)であ
る。
【図2】前記ランナップ設備の縦断側面図(左右方向幅
中心部から外れた位置で縦断した縦断側面図である。
【図3】前記ランナップ設備の縦断正面図である。
【図4】前記ランナップ設備の縦断正面図である。
【図5】前記ランナップ設備の平面図である。
【図6】前記ランナップ設備の横断平面図である。
【図7】前記ランナップ設備の正面図である。
【図8】前記ランナップ設備の背面図である。
【図9】前記ランナップ設備の左側面図である。
【図10】防風用フェンス部材の高さに関する模型実験
結果を示す図表である。
【図11】図10のデータをグラフ化した線図である。
【図12】前記フェンス部材の開口率に関する模型実験
結果を示す図表である。
【図13】図12のデータをグラフ化した線図である。
【図14】エンジン前上方の乱れ強さに関する模型実験
結果を示す図表である。
【図15】図14のデータをグラフ化した線図である。
【図16】空気流方向変換部材の位置に関する模型実験
結果を示す図表である。
【図17】図16のデータをグラフ化した線図である。
【図18】前記ランナップ設備における空気流の速度ベ
クトル略図である。
【図19】比較例のランナップ設備における空気流の速
度ベクトル略図である。
【図20】変更形態のランナップ設備の横断平面図であ
る。
【図21】図20のランナップ設備の縦断側面図であ
る。
【図22】図20のランナップ設備の縦断正面図であ
る。
【図23】図20のランナップ設備の縦断正面図であ
る。
【図24】図20のランナップ設備の正面図である。
【図25】変更形態のランナップ設備の横断平面図であ
る。
【図26】図25のランナップ設備の縦断側面図であ
る。
【図27】変更形態のランナップ設備の縦断側面図であ
る。
【図28】変更形態のランナップ設備の縦断側面図であ
る。
【図29】変更形態のランナップ設備の縦断側面図であ
る。
【図30】変更形態のランナップ設備の縦断側面図であ
る。
【図31】変更形態のランナップ設備の縦断側面図であ
る。
【図32】変更形態のランナップ設備の縦断側面図であ
る。
【図33】変更形態の空気流方向変換部材の拡大縦断側
面図である。
【図34】変更形態のランナップ設備の縦断側面図であ
る。
【符号の説明】
1,1A,1B 格納型航空機ランナップ設備 2 航空機 3 テスト室 4 ハンガー 6 吸気口 7,53 排気路 14 屋根構造 16 防風用フェンス部材 17 防風用上面フェンス部材 18 整流機構 18a 平板ガイド部材 19 整流用空間 20,51,55,56,57,20A 空気流
方向変換部材 21 第1整流部材 22 第2整流部材 23 第3整流部材 24 第4整流部材 26 尾翼通過用開口 27 開閉体 28 整流板 30 傾斜天井 31 天井溝 32 逆流防止板 33 尾翼通過用開口 34 逆流防止用開閉体 35 尾翼エンジン用整流部材 36 側壁 37 主翼エンジン用排気路 38 尾翼エンジン用排気路 39,41 湾曲通路 40 排気搭 55 湾曲状ガイド部材 60,62 フラップ 63 空気導入口 71 曲面状部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 里見 孝之 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工業 株式会社野田工場内 (72)発明者 小川 一志 兵庫県加古郡播磨町新島8番地 川崎重工 業株式会社播磨工場内 (72)発明者 河嶋 敬 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社技術研究所内 (72)発明者 吉田 秀則 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社技術研究所内 (72)発明者 斎藤 泰夫 兵庫県神戸市中央区川崎町3丁目1番1号 川崎重工業株式会社神戸工場内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機を格納可能なテスト室を形成する
    ハンガーと空気導入用の吸気口と空気排出用の排気通路
    とを有する航空機エンジンランナップ設備において、 前記吸気口をハンガーの前端部分の上方の屋根側に設
    け、 前記テスト室の後端に連通しこの後端から後方かつ上方
    へ延びる排気路をハンガーの後端側部分に設け、 前記吸気口から導入された空気流をハンガー内に収容さ
    れた航空機の方へ案内する1又は複数の空気流方向変換
    部材を吸気口の下側付近に設けたことを特徴とする格納
    型航空機エンジンランナップ設備。
  2. 【請求項2】 前記吸気口の外周部からハンガーの屋根
    より上側へ立ち上がった通気性のある防風用フェンス部
    材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の格納型航
    空機エンジンランナップ設備。
  3. 【請求項3】 前記吸気口に平面視格子状又はハニカム
    状に配置した複数の板材からなり空気流を下方へ整流す
    る整流機構を設けたことを特徴とする請求項1又は2に
    記載の格納型航空機エンジンランナップ設備。
  4. 【請求項4】 前記整流機構の下端に空気流を整流する
    第1整流部材を設けたことを特徴とする請求項3に記載
    の格納型航空機エンジンランナップ設備。
  5. 【請求項5】 前記空気流方向変換部材よりも前側にお
    いて、前記整流機構の下側付近に所定の高さの整流用空
    間を設け、この整流用空間の下端に空気流を整流する第
    2整流部材を設けたこと特徴とする請求項3又は4に記
    載の格納型航空機エンジンランナップ設備。
  6. 【請求項6】 前記整流用空間に空気流の流れ方向に延
    びる複数の第3整流部材を設けたことを特徴とする請求
    項5に記載の格納型航空機エンジンランナップ設備。
  7. 【請求項7】 前記吸気口は、ハンガーの屋根構造の前
    端部分に、ハンガー内に収容された航空機より前方の上
    方に対応する位置に設けられたことを特徴とする請求項
    1〜6の何れかに記載の格納型航空機エンジンランナッ
    プ設備。
  8. 【請求項8】 前記吸気口は、ハンガーの前端部分の左
    右方向幅の全幅に近い左右方向幅を有することを特徴と
    する請求項1〜7の何れかに記載の格納型航空機エンジ
    ンランナップ設備。
  9. 【請求項9】 前記空気流方向変換部材は、1又は複数
    の側面視ほぼJ字形の板材からなることを特徴とする請
    求項1〜5の何れかに記載の格納型航空機エンジンラン
    ナップ設備。
  10. 【請求項10】 前記空気流方向変換部材は、1つの側
    面視ほぼJ字形の板材からなり、この空気流方向変換部
    材を吸気口の後端から吸気口前後幅の3/14〜3/7
    の位置付近に設けたことを特徴とする請求項1〜5の何
    れかに記載の格納型航空機エンジンランナップ設備。
  11. 【請求項11】 前記空気流方向変換部材の後側におい
    て空気流方向変換部材の下端近傍部からハンガーの天井
    部まで延びる第4整流部材を設けたことを特徴とする請
    求項10に記載の格納型航空機エンジンランナップ設
    備。
  12. 【請求項12】 前記空気流方向変換部材には、1又は
    複数のフラップが設けられたことを特徴とする請求項1
    0に記載の格納型航空機エンジンランナップ設備。
  13. 【請求項13】 前記複数の空気流方向変換部材は、前
    記整流機構における左右方向に延びる複数の板材の下端
    部分に夫々一体形成されたことを特徴とする請求項1〜
    5の何れかに記載の格納型航空機エンジンランナップ設
    備。
  14. 【請求項14】 前記複数の空気流方向変換部材は、前
    後方向に所定間隔おきに配置された複数のガイド部材か
    らなることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の
    格納型航空機エンジンランナップ設備。
  15. 【請求項15】 前記複数のガイド部材は、前方のガイ
    ド部材ほど下方まで延びるように配設されたことを特徴
    とする請求項14に記載の格納型航空機エンジンランナ
    ップ設備。
  16. 【請求項16】 前記空気流方向変換部材の左右方向中
    央部に、航空機搬出入時における航空機の垂直尾翼の通
    過を許す尾翼通過用開口を設け、この尾翼通過用開口を
    開閉可能な開閉体を設けたことを特徴とする請求項10
    に記載の格納型航空機エンジンランナップ設備。
  17. 【請求項17】 前記空気流方向変換部材の左右方向中
    央部に、航空機搬出入時における航空機の垂直尾翼の通
    過を許す尾翼通過用開口を設け、この尾翼通過用開口の
    左右両端において前記空気流方向変換部材の側面を覆い
    かつ前方へ突出する鉛直状で前後方向に延びる1対の整
    流板を設けたことを特徴とする請求項10に記載の格納
    型航空機エンジンランナップ設備。
  18. 【請求項18】 前記防風用フェンス部材の開口率が5
    0〜75%であることを特徴とする請求項2に記載の格
    納型航空機エンジンランナップ設備。
  19. 【請求項19】 前記防風用フェンス部材の全周にわた
    る平均高さは少なくとも2.0m以上あることを特徴と
    する請求項2に記載の格納型航空機エンジンランナップ
    設備。
  20. 【請求項20】 前記防風用フェンス部材の上端部に、
    それとほぼ同レベルに配設されて前記吸気口の上方を面
    状に覆う通気性のある防風用上面フェンス部材を設けた
    ことを特徴とする請求項2に記載の格納型航空機エンジ
    ンランナップ設備。
  21. 【請求項21】 前記整流機構は吸気の上下流れ方向に
    所定の長さを有することを特徴とする請求項3に記載の
    格納型航空機エンジンランナップ設備。
  22. 【請求項22】 前記整流機構の板材は吸音性部材から
    なることを特徴とする請求項3に記載の格納型航空機エ
    ンジンランナップ設備。
  23. 【請求項23】 前記第1整流部材が、金網、繊維製ネ
    ット、有孔板、スリット板、エキスパンドメタルのうち
    の何れかで構成され、その開口率が40〜70%に設定
    されたことを特徴とする請求項4に記載の格納型航空機
    エンジンランナップ設備。
  24. 【請求項24】 前記第2整流部材が、金網、繊維製ネ
    ット、有孔板、スリット板、エキスパンドメタルのうち
    の何れかで構成されたことを特徴とする請求項5に記載
    の格納型航空機エンジンランナップ設備。
  25. 【請求項25】 前記第3整流部材が、金網、繊維製ネ
    ット、有孔板、スリット板、エキスパンドメタルのうち
    の何れかで構成されたことを特徴とする請求項6に記載
    の格納型航空機エンジンランナップ設備。
  26. 【請求項26】 前記第4整流部材が、金網、繊維製ネ
    ット、有孔板、スリット板、エキスパンドメタルのうち
    の何れかで構成されたことを特徴とする請求項11に記
    載の格納型航空機エンジンランナップ設備。
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