JP2002370698A - 格納型航空機エンジンランナップ設備 - Google Patents
格納型航空機エンジンランナップ設備Info
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- JP2002370698A JP2002370698A JP2001317035A JP2001317035A JP2002370698A JP 2002370698 A JP2002370698 A JP 2002370698A JP 2001317035 A JP2001317035 A JP 2001317035A JP 2001317035 A JP2001317035 A JP 2001317035A JP 2002370698 A JP2002370698 A JP 2002370698A
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Abstract
きに導入した空気流を後方に方向変換でき、テスト室内
に極力エンジン排気の逆流のない整然とした空気流を形
成でき、排気ダクトを省略してテスト室から直接後上方
へ排気できる格納型航空機エンジンランナップ設備を提
供する。 【解決手段】航空機2を格納可能なテスト室3を形成す
るハンガー4と空気導入用の吸気口6と空気排出用の排
気通路7とを有する航空機エンジンランナップ設備1に
おいて、吸気口6をハンガー4の前端部分の上方の屋根
側に設け、テスト室3の後端に連通しこの後端から後方
かつ上方へ延びる排気路7をハンガー4の後端側部分に
設け、ハンガー4の天井の少なくとも一部に空気流を整
流する為に後方程低くなるように傾斜した傾斜天井30
を設け、傾斜天井30の左右方向の中央部には、テスト
室3に搬出入される航空機2の垂直尾翼の通過を許すよ
うに上方へ凹入した天井溝31を形成した。
Description
ンジンランナップ設備に関し、特に吸気口の配置、テス
ト室の天井の構造、空気を排出する排気路の構造を改善
し、テスト室内に安定した空気流を形成可能にしたもの
に関する。
ルした場合、新規に就航する航空機エンジンの性能を確
認する場合などに、通常は開放された地上においてエン
ジン試験を行うが、最近は騒音対策の面から種々の対策
が取られている。屋外で試験する場合に、エンジン排気
口のすぐ下流側に消音ダクトを設ける方法が一般的であ
るが、最近では航空機全体を収容可能で消音機能のある
建屋(これを、消音ハンガーという)を用いる方法も採
用されつつある。
構造としては、殆どの設備において航空機前方となる消
音ハンガーの前端部から空気を導入する形式となってい
る。消音ハンガー前端部から空気を導入する前方空気導
入口方式では、ハンガーの前端部に整流機能と消音機能
のある空気導入口を有する大扉を設け、航空機の出し入
れの際にはその大扉を開閉する必要がある。空気導入口
に整流機能と消音機能を持たせるには、空気導入口の奥
行き長さを十分に大きくする必要があり、特に空気導入
口がエンジン前方に位置する前方導入口方式では消音機
能を確保する為に空気導入口の奥行き長さ、即ち大扉の
厚さが非常に大きくなり、大扉の厚さが7.5mとなっ
た実例もある。
長さに対応した値を有する大扉となる。航空機の搬出入
の度に開閉する空気導入口扉が厚い大扉の場合、その移
動が大掛かりとなり、空気導入口扉の移動収納スペース
を確保する為に広い設置スペースが必要となる。厚い大
扉と広い移動収納スペースによって設備費は高価とな
る。しかも、空気導入口における吸気抵抗が大となるた
め、消音ハンガー内における排気の逆流現象が発生し易
いという欠点をゆうすると共に、外界で風が吹き、空気
導入口に流入する方向と直角方向に強い横風が吹く場合
には、空気導入口から導入される空気が整流された一様
な流れになりにくく、航空機エンジンのランナップを正
確に行うことが困難になる。
する形式に代えて、ハンガーの前端部分の上方の屋根側
に空気を導入する吸気口を設ける消音ハンガーも提案さ
れている。例えば、特開平2000−318696号公
報に記載の消音ハンガーにおいては、消音ハンガーの前
端側部分の上方の屋根側に空気を導入する吸気口を形成
し、テスト室内に航空機エンジンの排気口に接続される
排気ダクトを設け、排気ダクトからハンガーの後端側の
排気路に排気しながら、航空機のエンジンを試験するよ
うになっている。
の機種が変わる毎に排気ダクトを移動させる必要がある
ため、その排気ダクトの移動に多くの労力がかかる。そ
こで、特開平2000−313399号公報に記載の消
音ハンガーにおいては、ハンガーの前端部分の上方の屋
根側に吸気口を設け、ハンガー内のテスト室の後端に連
通しこの後端から後方かつ上方へ延びる排気路をハンガ
ーの後端側に設け、テスト室の後部の天井側に断面J字
形の排気還流防止板を設けてある。
00−313399号公報に記載された消音ハンガーで
は、ハンガーの天井を航空機の高さの高い尾翼が通過可
能な高さ位置に設けてあるため、ハンガー内の上部空間
に余分なスペースがあり、このスペースを流れる空気流
を整流する整流板などが設けられていないため、前記上
部空間に後方から前方へ向かう排気の逆流や渦状の流れ
が発生しやすくなっている。そのため、排気が航空機の
エンジンに吸入され易くなり、航空機エンジンのランナ
ップを適正な条件で行なうことが難しい。
置する排気還流防止板を設けているが、特に排気還流防
止板の前方の広い空間に前記余分なスペースがあるた
め、排気還流防止板より前側の上部空間に排気の逆流や
渦状の流れが発生しやすい。この消音ハンガーでは、テ
スト室の後端から直接排気路に排気する構造であるた
め、テスト時にエンジンの排気流に随伴する随伴流(排
気流の約4倍の量)が形成されるが、この随伴流を後方
へ向けて整流する整流手段が何ら設けられていないた
め、排気の逆流を防止し得るような随伴流を形成できな
い。
方の屋根側の吸気口から導入した空気流を方向変換して
航空機の方へ供給できる格納型航空機エンジンランナッ
プ設備を提供すること、テスト室から排気路に直接排気
可能な格納型航空機エンジンランナップ設備を提供する
こと、テスト室に排気の逆流を防止し得るような随伴流
を形成可能な格納型航空機エンジンランナップ設備を提
供すること、などである。
機エンジンランナップ設備は、航空機を格納可能なテス
ト室を形成するハンガーと空気導入用の吸気口と空気排
出用の排気通路とを有する航空機エンジンランナップ設
備において、前記吸気口をハンガーの前端部分の上方の
屋根側に設け、前記テスト室の後端に連通しこの後端か
ら後方かつ上方へ延びる排気路をハンガーの後端側部分
に設け、前記ハンガーの天井の少なくとも一部に空気流
を整流する為に後方程低くなるように傾斜した傾斜天井
を設け、前記傾斜天井の左右方向の中央部には、テスト
室に搬出入される航空機の垂直尾翼の通過を許すように
上方へ凹入した天井溝を形成したことを特徴とするもの
である。
井側に設けるため、航空機の出し入れの為の大扉に空気
導入口を設ける必要がなく、通常の防音扉と同程度の簡
易な構造とすることができる。従って、大扉の移動収納
の為に大きなスペースを確保する必要がなく、設置スペ
ース的に有利であり、吸気口に種々の整流手段を装備す
る上でも有利である。テスト室の後端に連通しこの後端
から後方かつ上方へ延びる排気路をハンガーの後端側部
分に設けるため、排気ダトク方式のように航空機の機種
が変わる毎に排気ダクトを移動させる必要がないうえ、
テスト室内の空気がハンガーの後端側の上方へ排気され
るので、ハンガーの後方の排気の排出の為のスペースを
縮小することができ、設置スペース的に有利である。
の流れを整流する為に後方程低くなるように傾斜した傾
斜天井を設け、この傾斜天井の左右方向の中央部には、
テスト室に搬出入される航空機の垂直尾翼の通過を許す
ように上方へ凹入した天井溝を形成するため、垂直尾翼
よりも十分に低い位置に傾斜天井を形成でき、この後方
程低くなる傾斜天井により、テスト室内の排気流に随伴
する随伴流を後方向きの流れに整流し、テスト室内に排
気の逆流を発生させないような随伴流を形成でき、航空
機エンジンの上流側の空気流を整え、航空機エンジンの
ランナップの為の適正な空気流条件を確保することがで
きる。
ら左右方向へ遠のくほど低くなるように傾斜している。
天井溝から左右方向へ遠のくほど随伴流の流量も少なく
なるため、傾斜天井も低くし、随伴流の流速の低下を防
止するようにしてある。請求項3では、前記テスト室に
収容した航空機の垂直尾翼の前側付近に位置するよう
に、テスト室の天井側にテスト室の左右方向のほぼ全幅
にわたる逆流防止板を設けた。そのため、この逆流防止
板により、テスト室の後部の上部空間から前方への排気
の逆流を防止できる。
中央部に、航空機搬出入時に航空機の垂直尾翼の通過を
許す尾翼通過用開口を設け、この尾翼通過用開口を開閉
可能な逆流防止用開閉体を設けた。航空機搬出入時には
逆流防止用開閉体を開放し、航空機の垂直尾翼を尾翼通
過用開口から通過させる。エンジンテスト時には、逆流
防止用開閉体を閉じるため、尾翼通過用開口からの排気
の逆流を防止できる。
天井の後端付近に配設された。そのため、傾斜天井で整
流された空気流は逆流防止板の後側へ流れ、逆流防止板
により逆流することはない。請求項6では、前記ハンガ
ーの屋根構造に、前記天井溝の前部に外部から空気を導
入可能な空気導入口を設けた。空気導入口から天井溝に
外部の空気が導入されるため、天井溝内に排気の逆流が
発生しにくくなる。
いて、前記傾斜天井から下方へ突出した1対の尾翼エン
ジン用整流部材を設けた。傾斜天井に沿う空気流が左右
から天井溝に向う横流れとなって尾翼エンジンに悪影響
を及ぼす。その横流れ状にて尾翼エンジンに向かう空気
流を1対の尾翼エンジン用整流部材により整流すること
ができる。請求項8では、前記尾翼エンジン用整流部材
は、金網、繊維製ネット、有孔板、スリット板、エキス
パンドメタルのうちの何れかで構成された。簡単な構造
の尾翼エンジン用整流部材により、整流作用と消音作用
が得られる。
のほぼ後半部が後方へいく程相接近する方向へ傾斜して
いる。このため、テス室全体に適正な随伴流をすること
かできると共に、音波の多重繰り返し反射による特定周
波数の音圧上昇を避けることができ、騒音の低減を図る
ことができる。
壁には吸音構造を設けた。この吸音構造により吸音して
騒音を低減できる。請求項11では、前記排気路は、ハ
ンガーの後端部の左右方向のほぼ全幅にわたるように形
成された。そのため、十分に大きな通路断面の排気路と
することができるから、航空機エンジンからの排気とそ
の随伴流を円滑に排出でき、テスト室内に流れ方向が後
方向きの安定した空気流を形成する面で有利である。
の後端部の左右方向の全幅にわたって連通状に構成され
た。排気路の構造を簡単化することができる。その他請
求項11と同様の作用を奏する。請求項13では、前記
排気路は、後方程上方へいくように湾曲又は屈曲した通
路を有する。そのため、排気を円滑に方向変換し、鉛直
上方へ向けて排気できる。
左右の主翼エンジンからの排気を排出する主翼エンジン
用排気路と、この主翼エンジン用排気路よりも後方まで
延び航空機の尾翼エンジンからの排気を排出する尾翼エ
ンジン用排気路を有する。エンジンから排気路までは所
定の距離を空けることが望ましい。主翼エンジン用排気
路よりも尾翼エンジン用排気路を後方に配置することに
より、エンジンから排気路までの適正な距離を確保する
ことが可能となる。
路は、ハンガーの後端部において垂直に立ち上がる排気
塔を有する。この排気塔をハンガーの後側壁に沿って配
置でき、構造を簡単化できる。請求項16では、前記尾
翼エンジン用排気路は、後方程上方へいくように湾曲又
は屈曲した通路を有する。そのため、排気を円滑に方向
変換し、鉛直上方へ向けて排気できる。請求項17で
は、前記天井溝の左右両端部と傾斜天井とを連続的に接
続する曲面状部材を設ける。傾斜天井に沿う空気流が左
右から天井溝に向う横流れ状となって尾翼エンジンに吸
入されるが、この横流れ状の空気流を曲面状部材を介し
て整流することができる。
いて説明する。図1〜図4に示すように、本実施形態に
係る格納型航空機エンジンランナップ設備1は、航空機
2を格納可能なテスト室3を形成するハンガー4、その
前端の航空機導入口5、テスト室3に空気を導入する為
の吸気口6、テスト室3内から排気する排気路7などを
有する。尚、航空機2に向かって前後左右を前後左右と
して説明する。
骨構造の建屋からなり、ハンガー4は、前面構造10、
左右の側面構造11,12、後面構造13、屋根構造1
4などを有する。前面構造10には、左右方向の全幅に
わたる航空機導入口5が形成され、この航空機導入口5
にはこれを大扉15が設けられている。
5bとからなり、左側大扉15aと右側大扉15bは、
夫々、レールに支持案内される複数の連結されない小幅
の扉部材からなる。尚、複数の連結されない小幅の扉部
材からなるものとしてもよい。左側大扉15aは、モノ
レール形式の水平移動装置(図示略)でハンガー4の左
側面構造11の内面側へ移動させた格納位置と、航空機
導入口5の左半分を閉じる使用位置とに切換え可能であ
る。同様に、右側大扉15bもモノレール形式の水平移
動装置(図示略)でハンガー5の右側面構造12の内面
側へ移動させた格納位置と、航空機導入口5の右半分を
閉じる使用位置に切換え可能である。
に設けられ、吸気口6は航空機導入口5とは分離されて
おり、航空機2のエンジンを試験する際には航空機導入
口5から空気を導入する必要がないので大扉15は閉じ
た状態に保持される。そのため、大扉15の扉厚さは通
常の防音扉と同程度の厚さである。尚、大扉15は昇降
駆動装置で鉛直に昇降移動させて航空機導入口5を開閉
する構造にしてもよい。以上のような大扉15を採用す
るため、ハンガー4の前端部の左右両側に扉開放用のス
ペースをとる必要がないから、格納型航空機エンジンラ
ンナップ設備1の設置スペースの面で有利である。
根構造14は緩傾斜状の屋根形の形状に構成されている
が、水平な屋根構造でもよい。屋根構造14の前端部分
にはハンガー4の左右方向のほぼ全幅にわたる吸気口6
が形成されている。吸気口6は、ハンガー内に収容され
た航空機の前方の上方に対応する位置に形成されてい
る。
響(空気流の流れ方向や速度の不均一、渦流や乱れの存
在)を緩和ないし解消する為に、屋根構造14には、吸
気口6の外周部から屋根構造14よりも上側へ立ち上が
った通気性のある防風用フェンス部材16が設けられて
いる。この防風用フェンス部材16の全周にわたる平均
高さは少なくとも2.0m以上ある。防風用フェンス部
材16は、開口率が50〜75%となるような1重また
は2重の金網で構成されている。但し、金網以外に、繊
維製ネット、エキスパンドメタル、多数の小穴付きの有
孔板、多数の小スリット付きのスリット板、のうちの何
れかで構成してもよい。
吸気口6の上方を覆う通気性のある防風用上面フェンス
部材17が、防風用フェンス部材16の上端部にそれと
ほぼ同レベルに設けられている。この防風用上面フェン
ス部材17は、開口率が50〜75%となるような1重
または2重の金網で構成されている。但し、金網以外
に、繊維製ネット、エキスパンドメタル、多数の小孔付
きの有孔板、多数の小スリット付きのスリット板、のう
ちの何れかで構成してもよい。
た立て向きの複数の板材18aからなり空気流の上方か
ら下方への流れ方向に所定長さ(例えば、4〜5m)の
整流機構18が設けられている。複数の板材18aは夫
々矩形波状断面の鋼板に吸音材を貼り付けた吸音パネル
で構成されている。この整流機構18は、この吸気口6
から導入する空気流を下方へ(下方向きの流れとなるよ
うに)整流する整流機能と、吸気口から屋外にでるハン
ガー内のランアップ騒音を消音する消音機能を得る為の
ものである。
される空気流を整流する第1整流部材21が整流機構1
8の下端の全面にわたって設けられている。この第1整
流部材21は開口率が40〜70%に設定された金網又
は繊維製ネットで構成され、左右方向の中央部において
第1整流部材21の上面には整流機構18の左右方向向
き板材の下端に連結された鋼板製の平板ガイド部材18
bが設けている。尚、第1整流部材21は、多数の小穴
付きの有孔板、多数の小スリット付きのスリット板、エ
キスパンドメタルのうちの何れかで構成してもよい。
つの空気流方向変換部材20が固定されて下方へ所定長
さ延びている。この空気流方向変換部材20よりも前側
(出入口側)において、整流機構18の下側付近に所定
の高さ(例えば、4〜5m)の整流用空間19が設けら
れ、この整流用空間19の下端には吸気口6から導入さ
れた空気流を整流する第2整流部材22が整流用空間1
9の下端の全面にわたって設けられている。この第2整
流部材22は開口率が40〜70%に設定された金網又
は繊維製ネットで構成されている。尚、第2整流部材2
2は、多数の小穴付きの有孔板、多数の小スリット付き
のスリット板、エキスパンドメタルのうちの何れかで構
成してもよい。
され空気流の流れ方向につまり鉛直方向に延びる複数の
第3整流部材23が設けられている。この第3整流部材
23は開口率が40〜70%に設定された金網又は繊維
製ネットで構成されている。尚、第3整流部材23は、
多数の小穴付きの有孔板、多数の小スリット付きのスリ
ット板、エキスパンドメタルのうちの何れかで構成して
もよい。空気流方向変換部材20の後側において空気流
方向変換部材20の下端近傍部からハンガー4の天井部
まで延びて吸気口6の後部から導入された空気流を整流
する第4整流部材24が設けられている。この第4整流
部材24は開口率が40〜70%に設定された金網又は
繊維製ネットで構成されている。尚、第4整流部材24
は、多数の小穴付きの有孔板、多数の小スリット付きの
スリット板、エキスパンドメタルのうちの何れかで構成
してもよい。
明する。図1〜図3に示すように、空気流方向変換部材
20は吸気口6から導入された空気流をホボ水平方向変
換して航空機2の方へ案内する為のものである。空気流
方向変換部材20は、1つの側面視ほぼJ字形のハンガ
ー4のほぼ全幅にわたる板材からなり、吸気口6の後端
から吸気口前後幅の3/14〜3/7の位置又はその付
近に配設され、空気流方向変換部材20の上端が整流機
構18の左右方向に延びる板材18aの下端に固定さ
れ、ハンガー4の屋根構造14に連結されたトラス構造
25で支持されている。
その下端から湾曲して水平に後方へ延びる水平板部20
bとを一体形成したものである。この水平壁部20b
は、テスト室3に収容される最も大型の航空機2の胴部
2a及び水平尾翼の上端よりも幾分高い位置に配設され
ている。航空機2の搬出入時に航空機2との干渉を避け
る為である。尚、この空気流方向変換部材20の配置位
置は、前記に限定されるものではなく、吸気口6の前後
方向途中部(吸気口6の前後幅をBとして、例えば吸気
口6の後端から約B/8〜B/2の位置)に配置しても
よい。尚、空気流方向変換部材20の立板部20aは下
方程後方又は前方へ進むように適当角度傾斜していても
よく、水平板部20bも僅かに傾斜していてもよい。
0の左右方向中央部には、航空機2の搬出入時における
航空機2の垂直尾翼2bの通過を許す尾翼通過用開口2
6が設けられ、この尾翼通過用開口26を開閉可能な開
閉体27とその開閉駆動装置(図示略)が設けられてい
る。この開閉体27は昇降式の折曲可能な所謂シャッタ
ー状の部材で構成され、屋根構造14側に設けた駆動装
置で開閉駆動され、航空機2の搬出入時には開放され、
航空機エンジンのテスト時には閉状態に切換えられる。
但し、開閉体27を左右1対の扉で構成し、開閉駆動装
置により左右両側へ開閉駆動する構造にしてもよい。
ジン試験の際に排気流に随伴して流れる随伴流とその周
辺の空気流がテスト室3内を後方へ整然と流れるように
テスト室3内の空気流を整流する為に、ハンガー4の天
井の大部分には、空気流を整流する為に後方程低くなる
ように傾斜した傾斜天井30が設けられている。図4に
示すように、この傾斜天井30の左右方向の中央部に
は、テスト室3に搬出入される航空機2の垂直尾翼2b
の通過を許すように上方へ凹入した天井溝31が形成さ
れ、天井溝31の左右側面は板材で仕切られている。
ら、テスト室3に収容される航空機2の垂直尾翼2bの
前側付近にかけて後方下がりに緩傾斜しており、この傾
斜天井30は、天井溝31から左右方向へ遠のくほど低
くなるように屋根の傾斜と平行に傾斜している。天井溝
31から遠のく程前記の随伴流の流量が少なくなるの
で、傾斜天井30を左右へ傾斜させることで、テスト室
3の左右両側付近において随伴流の流速の低下を防止す
ることができる。
3の天井側には、テスト室3に収容した航空機2の垂直
尾翼2bの前側付近に位置するように、テスト室3の左
右方向のほぼ全幅にわたる逆流防止板32が設けられて
いる。この逆流防止板32は、側面視J字形の板材から
なり、傾斜天井30の後端又は後端付近に対応する位置
に配設され、逆流防止板32の上端部は屋根構造14に
固定され、逆流防止板32の下端部に傾斜天井30の後
端が固定されている。
は、航空機2の搬出入時に垂直尾翼2bの通過を許す尾
翼通過用開口33が形成され、この尾翼通過用開口33
を開閉可能な左右1対の逆流防止用開閉体34とこの逆
流防止用開閉体34を開閉駆動する開閉駆動装置(図示
略)も設けられている。左右1対の逆流防止用開閉体3
4は左右へ屋根の傾斜と平行に開閉可能な1対の扉から
なり、航空機2の搬出入の際には尾翼通過用開口33が
開放され、エンジンを試験する際には尾翼通過用開口3
3が閉状態に保持される。尚、1対の逆流防止用開閉体
34の代わりに、昇降式の折曲可能なシャッター部材を
設け、このシャッター部材を昇降させて開閉する構造と
してもよい。
方へ流れる空気流を整流する為に、天井溝31の左右両
端において、傾斜天井30から下方へ突出した左右1対
の尾翼エンジン用整流部材35が設けられている。この
尾翼エンジン用整流部材35は、金網、繊維製ネット、
多数の小穴付きの有孔板、多数の小スリット付きのスリ
ット板、エキスパンドメタルのうちの何れかで構成され
ている。
右の側壁36には、それを構成する板材に吸音性を有す
る部材を貼り付けた吸音構造が設けられている。また、
テスト室3の左右の側壁36は、テスト室全体に適正な
随伴流を生成する為、並びに特定周波数の音が左右の側
壁36での反射を繰り返して騒音が悪化することを防止
する為に、テスト室3の左右の側壁36のほぼ後半部が
後方へいく程相接近する方向へ傾斜する傾斜側壁36a
に構成されている。
スト室3の後端に連通しこの後端から後方かつ上方へ延
びる排気路7がハンガー4の後端側部分に設けられ、こ
の排気路7は、ハンガー4の後端部の左右方向のほぼ全
幅にわたるように形成されている。排気路7は、航空機
2の左右の主翼2cに装備された主翼エンジン2dから
の排気を排出する主翼エンジン用排気路37と、この主
翼エンジン用排気路37よりも後方まで延び尾翼エンジ
ン2eからの排気を排出する尾翼エンジン用排気路38
を有する。
上方向きに排気する排気口37aが形成されている。尾
翼エンジン用排気路38の上端にはほぼ鉛直上方に向け
て排気する排気口38aが形成されている。主翼エンジ
ン用排気路37は、後方程上方へいくように急に湾曲し
た湾曲通路39と、この湾曲通路39に連通し且つハン
ガー4の後端部で垂直に立ち上がる排気塔40を有す
る。尾翼エンジン用排気路38は、後方程上方へいくよ
うに緩やかに湾曲した湾曲通路41からなる。前記の湾
曲通路39,41の下面板材には多数の小穴が形成さ
れ、この下面板材の背部には消音用空間42,43と吸
音性部材44,45が夫々設けられている。
プ設備 の作用、効果について説明する。吸気口6をハ
ンガー4の前端部分の上方の天井側に設けるため、航空
機2の搬出入の為の大扉に空気導入口を設ける必要がな
く、通常の防音扉と同程度の簡易な構造とすることがで
きる。従って、大扉のために大きな移動収納スペースを
確保する必要がなく、設置スペース的に有利であり、吸
気口6に種々の整流手段を装備する上でも有利である。
天井側にあるため、吸気口6からテスト室3内へ導入さ
れた空気流はそのまま鉛直向きに下降してテスト室3の
床面に衝突して乱れを生じやすく且つ後方からの逆流を
誘発し易いが、吸気口6から導入された空気流をハンガ
ー4内の航空機2の方へ案内する空気流方向変換部材2
0を吸気口6の下側付近に設けるので、吸気口6から流
入する空気流ははほぼ水平な空気流に方向変換されて航
空機2の方へ案内され、テスト室3の床面と衝突しにく
くなる。そのため、航空機のエンジンに渦や乱れの少な
い安定した空気流が供給されランナップに適した条件を
確保することができる。
方かつ上方へ延びる排気路7をハンガー4の後端側部分
に設けるため、排気ダクト方式のように航空機の機種が
変わることに排気ダクトを移動させる必要がないうえ、
テスト室3内の空気がハンガー4の後端側の上方へ排気
されるので、ハンガー4の後方の排気の排出の為のスペ
ースを縮小することができ、設置スペース的に有利であ
る。
上側へ立ち上がった通気性のある防風用フェンス部材1
6を設けたので、外風の風向や風速や渦等の影響を緩和
し、吸気口6に向かう空気流の流速を吸気口6の全域に
わたって極力均一化させることができる。吸気口6に平
面視格子状又はハニカム状に配置した複数の板材18a
からなり空気流を下方へ整流する整流機構18を設けた
ので、吸気口6から導入される空気流を整流機構18に
より確実に下方へ(下方向きの流れに)整流することが
できる。
状に配置され且つ吸音機能のある複数の板材18aで構
成されているため、吸気口から屋外に出るハンガー内の
ランアップ騒音の消音を図ることができる。特に、吸気
口6を構成する整流機構18が上方に開口しているた
め、吸気口からのハンガー内ランアップ騒音は上空へ向
かって放散されるため、屋外地上付近の騒音を軽減でき
る。整流機構18の下端に空気流を整流する第1整流部
材21を設けたので、整流機構18を通過後の空気流を
さらに整流できる。
口側)において、整流機構18の下側付近に所定の高さ
の整流用空間19を設け、この整流用空間19の下端に
空気流を整流する第2整流部材22を設けたので、整流
用空間19において、整流機構18の複数の板部材18
aの下流側に発生する流速不均一現象や微小な渦などを
解消でき、また、整流用空間19で整流された後の空気
流を第2整流部材22でさらに整流できる。
の流れ方向に延びる平面視格子状又は平行線状の複数の
第3整流部材23を設けた。そのため、整流用空間19
を流れる空気流の整流を促進できる。吸気口6は、ハン
ガー4の屋根構造14の前端部分に、ハンガー4内に収
容された航空機2の前方の上方に対応する位置に設けら
れたので、吸気口6の後部から導入した空気流を空気流
方向変換部材20でほぼ水平な空気流に方向変換して航
空機2の方へ流すことができる。
方向幅の全幅に近い左右方向幅を有するため、吸気口6
の面積を大きくして吸気口6を流れる空気流の流速を低
く維持して整流を促進、また、テスト室3内の空気流に
左右方向向きの流れが生じるのを抑制する面で有利であ
る。
ほぼJ字形の板材からなる。そのため、空気流方向変換
部材20の後側の空気流は空気流方向変換部材20の案
内作用で後方へ方向変換され、空気流方向変換部材20
の前側の空気流はコアンダ効果により後方へ方向変換さ
れる。この空気流方向変換部材20を吸気口6の後端か
ら吸気口6の前後幅の3/14〜3/7の位置に設けた
ので、空気流方向変換部材20の前後両側に空気流が流
れ、空気流方向変換部材20は案内作用とコアンダ効果
を確実に発揮する。尚、前記3/14〜3/7という値
は実験的に得られたもので、これについては後述する。
気流方向変換部材20の下端近傍部からハンガー4の天
井部まで延びる第4整流部材24を設けたので、空気流
方向変換部材20の後側に流れる空気流も第4整流部材
24により整流できる。空気流方向変換部材20の左右
方向中央部に、航空機搬出入時における垂直尾翼2bの
通過を許す尾翼通過用開口26を設け、この尾翼通過用
開口26を開閉可能な開閉体27を設けたので、空気流
方向変換部材20を垂直尾翼2bの通過領域まで延ばし
ても、開閉体27を開けば垂直尾翼2bが尾翼通過用開
口26を通過できるため航空機2を搬出入させることが
できる。エンジンの試験時には、開閉体27で尾翼通過
用開口26を閉じれば、尾翼通過用開口26の影響なし
に空気流の方向変換が可能になる。防風用フェンス部材
16の開口率が50〜75%であるので、空気流の通過
抵抗を低く維持しながら、防風機能を確保できる。
均高さは少なくとも2.0m以上あるため防風機能を確
保できる。防風用フェンス部材16の上端部にそれとほ
ぼ同レベルに配設されて吸気口6の上方を面状に覆う通
気性のある防風用上面フェンス部材17を設けたので、
防風用上面フェンス部材17から流入する空気流につい
ても、外風の風向や風速や渦等の影響を緩和し、吸気口
6に向かう空気流の流速を吸気口6の全域にわたって極
力均一化させることができる。
流れ方向に所定の長さを有する。そのため、整流機構1
8の整流性能を確保することができる。整流機構18の
板材は吸音性部材からなるため、吸気口から屋外に出る
ハンガー内のランアップ騒音を吸音性部材により効果的
に消音できる。第1〜第4整流部材21〜24が、金
網、繊維製ネット、有孔板、スリット板、エキスパンド
メタルのうちの何れかで構成され、その開口率が40%
〜70%に設定されたので、第1〜第4整流部材21〜
24の構造を簡単化でき、空気流の通過抵抗を過大にす
ることなく、整流性能を確保できる。
ト室3内の空気流を整流する為の傾斜天井30を設け、
この傾斜天井30の左右方向の中央部には、テスト室3
に搬出入される航空機2の垂直尾翼2bの通過を許すよ
うに上方へ凹入した天井溝31を形成したので、垂直尾
翼2bよりも十分に低い位置に傾斜天井30を形成で
き、この後方程低くなる傾斜天井30により、テスト室
3内の排気流に随伴する随伴流とその周辺の空気流を後
方向きの流れに整流し、テスト室3内全体に排気の逆流
を発生させないような随伴流を形成でき、航空機2のエ
ンジン2d,2eの上流側の空気流を整え、航空機エン
ジンのランナップに必要な適正条件を確保することがで
きる。
へ遠のくほど低くなるように傾斜しているが、天井溝3
1から左右方向へ遠のくほど随伴流の流量も少なくなる
ため、傾斜天井30も低くして随伴流の流速の低下を防
止するようにしてある。テスト室3に収容した航空機2
の垂直尾翼2bの前側付近に位置するように、テスト室
3の天井側にテスト室3の左右方向のほぼ全幅にわたる
逆流防止板32を設けたので、この逆流防止板32によ
り、テスト室3の後部の上部空間から前方への排気の逆
流を防止できる。
機2の搬出入時に垂直尾翼2bの通過を許す尾翼通過用
開口33を設け、この尾翼通過用開口33を開閉可能な
逆流防止用開閉体34を設けた。航空機2の搬出入時に
は逆流防止用開閉体34を開放して垂直尾翼2bを尾翼
通過用開口33を通過させる。エンジンテスト時には、
逆流防止用開閉体34を閉じるため、尾翼通過用開口3
3からの排気の逆流を防止できる。逆流防止板32は傾
斜天井30の後端付近に配設されるため、傾斜天井30
で整流された空気流は逆流防止板32の後側へ流れ、逆
流防止板32でもって逆流するするのを阻止される。
30から下方へ突出した1対の尾翼エンジン用整流部材
35を設けた。傾斜天井30に沿う空気流が左右から天
井溝31に向う横流れとなって尾翼エンジン2eに吸入
されエンジンに悪影響を及ぼす。その横流れ状にて尾翼
エンジン2eに向かう空気流を1対の尾翼エンジン用整
流部材35により整流することができる。この尾翼エン
ジン用整流部材35は、金網、繊維製ネット、有孔板、
スリット板、エキスパンドメタルのうちの何れかで構成
された。
に後方へいく程相接近する方向へ傾斜する傾斜側壁36
aを設けたため、テスト室全体に適正な随伴流を形成す
ることができると共に、音波の多重繰り返し反射を避け
ることができ、特定周波数の音圧上昇を抑えることがで
きる。また、テスト室3の左右の側壁36には吸音構造
を設けたので、吸音構造により吸音して騒音を低減でき
る。
向のほぼ全幅にわたるように形成されたので、十分に大
きな通路断面の排気路とすることができるから、航空機
2のエンジン2d,2eからの排気とその随伴流を円滑
に排出でき、テスト室3内に流れ方向が後方向きの安定
した空気流を形成する面で有利である。
の距離を空けることが望ましい。排気路7は、航空機2
の左右の主翼エンジン2dからの排気を排出する幅の大
きな1対の主翼エンジン用排気路37と、この主翼エン
ジン用排気路37よりも後方まで延び航空機2の尾翼エ
ンジン2eからの排気を排出する幅の小さな尾翼エンジ
ン用排気路38を有するため、主翼エンジン用排気路3
7よりも尾翼エンジン用排気路38を後方に配置するこ
とによりエンジン2d,2eから排気通路7までの距離
を適正なものとすることが可能となる。
いくように湾曲し且つ消音機能のある湾曲通路39を有
するため、排気を円滑に方向変換し、消音しながら鉛直
上方へ向けて排気できる。主翼エンジン用排気路38
は、ハンガー4の後端部において垂直に立ち上がる排気
塔40を有するため、この排気塔40をハンガー4の後
面構造13に沿って配置できるため、排気塔40の構造
を簡単化できる。尾翼エンジン用排気路38は、後方程
上方へいくように緩湾曲した湾曲通路41であって消音
機能のある湾曲通路41を有するため、排気を円滑に方
向変換し、消音しながら上方へ向けて排気できる。
プ設備1の種々の整流部材の性能を確認する為に行った
模型実験の結果について、図10〜図19に基づいて説
明する。図10、図11は、防風用フェンス部材16の
高さの影響を調べた実験結果を示すもので、「フェンス
の高さ」は屋根の棟部からフェンス部材16の天端まで
の高さを示す。大気圧とテスト室3内の主翼エンジンの
吸気口直前における全圧測定値との差を全圧低下とし、
フェンス高さ0mのときの全圧低下を1.0とする「全
圧低下比」で実験結果を整理した。尚、フェンス部材1
6は開口率(φ)=70%の金網を2重にして構成し
た。
6の高さが大きくなる程、「全圧低下比」が小さくな
り、空気流中の渦流や乱れの成分が小さくなっているこ
とが判る。そのため、防風用フェンス部材16の高さ
(全周にわたる平均的な高さ)は2m以上とするのが望
ましい。
6の開口率(φ)の影響を調べる為に行った実験結果を
示すもので、フェンス部材16としては、開口率70%
の金網を1重、2重、3重にした3種類のフェンスを用
いて実験した。この実験から、フェンス部材16の開口
率が大き過ぎる場合にも小さ過ぎる場合にも防風作用が
弱くなるので、フェンス部材16の開口率は50〜75
%の範囲に設定するのが望ましいことが判る。
口率(φ)の影響を調べる為に行った実験結果を示すも
のであり、航空機のエンジンの前方にて気流の乱れ強さ
を測定した。第2整流部材22としては、図示のような
5種類の整流部材について実験した。この実験結果か
ら、開口率が大き過ぎる場合にも小さ過ぎる場合にも整
流作用が弱くなるので、第2整流部材22の開口率は4
0〜70%の範囲に設定するのが望ましいことが判る。
尚、金網(φ=70%)2重の整流部材の開口率は約約
50%に相当する。
0の配置位置を調べる為に行った実験結果を示すもので
あり、配置位置(b)は、吸気口6の後端から吸気口6
の前後幅(B)に対する値であり、例えばb=1/7は
吸気口後端からB×(1/7)の位置である。大気圧と
テスト室内航空機のエンジン吸気口直前位置での全圧測
定値との差を全圧低下とし、b=0の配置位置(つま
り、吸気口6の後端に空気流方向変換部材20を設けた
場合の全圧低下)を1.0とする「全圧低下比」で実験
結果を整理した。この実験から、空気流方向変換部材2
0は、吸気口6の後端からB×(3/14〜3/7)の
位置に配置するのが最も望ましいことが判る。
ランナップ設備1における空気流について有限要素法の
数値流体解析プログラムにより得られた流線図を簡単化
して概念的に示す略図であり、図18は空気流方向変換
部材20を設けた場合(実施例)の流線略図、図19は
空気流方向変換部材20を設けない場合(比較例)の流
線略図である。図18の線A,Bと、図19の線C,D
は主翼エンジン2dに吸入される空気流の境界に沿って
手筆にて記入した線である。これらの流線略図から、空
気流方向変換部材20を設けない場合には、後方から逆
流した空気流が主翼エンジンに吸入されることになる
が、空気流方向変換部材20を設けた場合には、後方か
ら逆流する空気流が弱くなり、主翼エンジンに吸入され
なくなることが判る。
更形態について、図20以降の図面に基づいて説明す
る。但し、同様の又は同機能の部材に同一符号を付して
説明を省略する。 1〕図1に示す前記尾翼通過開口26を開閉する開閉体
27を省略することも可能である。この場合、図34に
示すように、空気流方向変換部材20には、尾翼通過用
開口26の左右両端において空気流方向変換部材20の
前方と後方へ所定幅突出する鉛直状で前後方向に延びる
1対の整流板28が設けられている。この整流板28は
鋼板で構成してもよいし、多数の小穴付きの有孔板、多
数の小スリット付きのスリット板で構成してもよい。こ
のような1対の整流板28を設ける場合には、空気流方
向変換部材20の開口側端部からの渦や乱れが発生しに
くくなる。
納型航空機エンジンランナップ設備1Aにおいては、ハ
ンガー4の屋根構造14が殆ど傾斜のない形状に形成さ
れ、吸気口6の外周に対応するハンガー4の軒先部に
は、ハンガー4の前と左右の側面に沿って上昇する外風
による悪影響を緩和する為の軒先整流部材50が突出状
に形成されている。側面視J字状の複数(例えば、6
枚)の空気流方向変換部材51が、整流機構18におけ
る左右方向に延びる複数の板材の下端部分に夫々一体形
成されている。複数の空気流方向変換部材51は前方の
もの程下方まで延びている。
形成される。立板部30aは吸気口6の後端部に空気流
方向変換部材として作用するように設けられる。傾斜天
井30に天井溝は形成されているが、傾斜天井30の後
端から水平天井30bが後方へ排気塔まで延びているた
め、排気の逆流の虞がない。そのため、天井溝を開閉す
る可動の逆流防止用開閉体は設けられているが、前記実
施形態の逆流防止板32と同様の逆流防止板は設けられ
ていない。
て平行に形成され、排気路53の主翼エンジン用排気路
53aと尾翼エンジン用排気路53bとが側面視同一形
状に形成され、この排気路53がハンガー4の後端部の
左右方向の全幅にわたって連通状に構成され、この排気
路53は後方程上方へいくように緩く湾曲した湾曲通路
53cを有し、排気口53dは鉛直上方向きに形成され
ている。天井溝の左右両端部と傾斜天井30とを連続的
に接続する曲面状部材71が設けられている。傾斜天井
に沿う空気流が左右から天井溝に向う横流れ状となって
尾翼エンジンに吸入されるが、この横流れ状の空気流を
曲面状部材を介して整流することができる。
材に同一符号を付して説明を省略する。前記複数の空気
流方向変換部材51を設けるので、空気流の方向変換性
能に優れる。当該部において屋根構造14が左右方向に
殆ど傾斜がないため、吸気口6がほぼ水平に形成される
ので、吸気口6の全域に亙って空気流が均一化しやす
い。排気路53の構造が簡単化し、ハンガー4の左右の
側面構造11,12も簡単化する。
納型航空機エンジンランナップ設備1Bにおいては、前
記ランナップ設備1Aの空気流方向変換部材51と同様
の空気流方向変換部材51が設けられ、傾斜天井30の
後端に対応する位置に逆流防止板32が設けられ、天井
溝を開閉する逆流防止用開閉体54も設けられている。
尚、ハンガー4の左右の側面構造は前記の実施形態のも
のと同様であり、排気路53はランナップ設備1Aのも
のとほぼ同様に形成されている。
向変換部材を、前後方向に所定間隔おきに配置された複
数の湾曲状ガイド部材55であって、前方の湾曲状ガイ
ド部材55ほど低く位置するように配設された複数の湾
曲状ガイド部材55で構成してもよい。また、ガイド部
材は側面視斜めの平板ガイド部材や側面視鉛直の平板ガ
イド部材でもよい。
に示したものと同様の傾斜天井30と、水平天井30b
と、排気路53を有するハンガー4において、前記実施
形態の空気流方向変換部材20と同様の空気流方向変換
部材を設けられている。 6〕図29に示すように、図20〜図24に示したもの
と同様の傾斜天井30と、水平天井30bと、排気路5
3を有するハンガー4において、前記実施形態の空気流
方向変換部材20と同様の空気流方向変換部材20を設
け、尾翼通過開口の左右両端部の空気流方向変換部材2
0に前記1〕の欄で説明した1対の整流板28と同様の
1対の整流板28が設けられている。
1Bと同様の天井構造が設けられ、空気流方向変換部材
として、側面視J字形の2つの空気流方向変換部材56
が前後に間隔をあけて設けられている。 8〕図31に示すように、図20〜図24に示したラン
ナップ設備1Aと同様のランナップ設備において、ラン
ナップ設備1Aにおける傾斜天井30と水平天井30b
とが排気塔に至るまで後方下がりに傾斜した傾斜天井3
0Aに形成されている。
に示したランナップ設備1Aと同様のランナップ設備に
おいて、ランナップ設備1Aにおける空気流方向変換部
材51に変えて、1つのほぼS字形断面の空気流方向変
換部材57が設けられる。
向変換部材20の代わりに採用される図示の空気流方向
変換部材20Aは、左右方向に延びる縦板状の方向変換
部材本体58と、この方向変換部材本体58の下端部と
の間に隙間59を空けて配設された湾曲状のフラップ6
0と、このフラップ60の後端との間に隙間61を空け
得る状態に配設された湾曲状のフラップ62とで構成さ
れている。隙間59,61を空けて配置した湾曲フラッ
プ60,62を設けるため、空気流方向変換部材20A
に沿う流れが剥離しにくくなり、空気流に渦が生じにく
くなり、空気流の乱れが少なくなるのでランナップに適
した気流条件を確保することができる。
プ設備1と同様のランナップ設備において、ハンガー4
の屋根構造14に、天井溝31の前部に外部から空気を
導入可能な空気導入口63を設けてもよい。空気導入口
63から天井溝31に外部の空気が導入されるため、天
井溝31内に排気の逆流が発生しにくくなる。その他、
当業者ならば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記
実施形態や変更形態に種々の変更を付加した形態で実施
可能である。
ンガーの前端側部分の上方の天井側に設けるため、航空
機の出し入れの為の大扉に空気導入口を設ける必要がな
く、通常の防音扉と同程度の簡易な構造とすることがで
きる。従って、大扉の移動収納の為に大きなスペースを
確保する必要がなく、設置スペース的に有利であり、吸
気口に種々の整流手段を装備する上でも有利である。テ
スト室の後端に連通しこの後端から後方かつ上方へ延び
る排気路をハンガーの後端側部分に設けるため、排気ダ
クト方式のように航空機の機種が変わることに排気ダク
トを移動させる必要がないうえ、テスト室内の空気がハ
ンガーの後端側の上方へ排気されるので、ハンガーの後
方の排気の排出の為のスペースを縮小することができ、
設置スペース的に有利である。
を整流する為に後方程低くなるように傾斜した傾斜天井
を設け、この傾斜天井の左右方向の中央部には、テスト
室に搬出入される航空機の垂直尾翼の通過を許すように
上方へ凹入した天井溝を形成するため、垂直尾翼よりも
十分に低い位置に傾斜天井を形成でき、この後方程低く
なる傾斜天井により、テスト室内の排気流に随伴する随
伴流を後方向きの流れに整流し、テスト室内に排気の逆
流を発生させないような随伴流を形成でき、航空機エン
ジンの上流側の空気流を整え、航空機エンジンのランナ
ップ性能を高めることができる。
井溝から左右方向へ遠のくほど低くなるように傾斜して
いるため、テスト室内の左右両側方部分における随伴流
の流速の低下を防止するようにしてある。請求項3の発
明によれば、前記逆流防止板を設けたため、この逆流防
止板により、テスト室の後部の上部空間から前方への排
気の逆流を防止できる。
右方向中央部に、尾翼通過用開口を設け、この尾翼通過
用開口を開閉可能な逆流防止用開閉体を設けたため、逆
流防止板と航空機の垂直尾翼との干渉を防止でき、尾翼
通過用開口を逆流防止用開閉体で閉じることにより排気
の逆流を防止できる。
斜天井の後端付近に配設されたので、傾斜天井で整流さ
れた空気流は逆流防止板の後側へ流れ、逆流防止板によ
り逆流することはない。請求項6の発明によれば、ハン
ガーの屋根構造に、天井溝の前部に外部から空気を導入
可能な空気導入口を設け、空気導入口から天井溝に外部
の空気が導入されるため、天井溝内に排気の逆流が発生
しにくくなる。
端において、傾斜天井から下方へ突出した1対の尾翼エ
ンジン用整流部材を設けたため、傾斜天井に沿う空気流
が天井溝に向う横流れとなり、尾翼エンジンに吸い込ま
れる空気流を1対の尾翼エンジン用整流部材で整流でき
る。請求項8の発明によれば、尾翼エンジン用整流部材
は、金網、繊維製ネット、有孔板、スリット板、エキス
パンドメタルのうちの何れかで構成されるため、簡単な
構造の尾翼エンジン用整流部材により、整流作用が確保
できる。
の側壁のほぼ後半部が後方へいく程相接近する方向へ傾
斜しているので、テスト室全体に適正な随伴流を形成す
ることができると共に、テスト室内に発生する騒音の低
減を図ることができる。
右の側壁には吸音構造を設けたため、この吸音構造によ
り吸音してテスト室内に発生する騒音を低減できる。請
求項11の発明によれば、前記排気路は、ハンガーの後
端部の左右方向のほぼ全幅にわたるように形成したの
で、十分に大きな通路断面の排気路とすることができる
から、航空機エンジンからの排気とその随伴流を円滑に
排出でき、テスト室内に流れ方向が後方向きの安定した
空気流を形成する面で有利である。
は、ハンガーの後端部の左右方向の全幅にわたって連通
状に構成されるので、排気路の構造を簡単できる。その
他請求項11と同様の効果を奏する。請求項13の発明
によれば、前記排気路は後方程上方へいくように湾曲し
た湾曲通路を有するので、排気を円滑に方向変換し、鉛
直上方へ向けて排気できる。
は、主翼エンジン用排気路と、この主翼エンジン用排気
路よりも後方まで延びる尾翼エンジン用排気路を有する
ため、主翼エンジン用排気路よりも尾翼エンジン用排気
路を後方に配置することが可能となり、エンジンから排
気路まで所定の距離を空けることが可能となる。
ジン用排気路は、ハンガーの後端部において垂直に立ち
上がる排気塔を有するため、この排気塔をハンガーの後
側壁に沿って配置でき、構造を簡単化できる。請求項1
6の発明によれば、前記尾翼エンジン用排気路は、後方
程上方へいくように湾曲した湾曲通路を有するので、排
気を円滑に方向変換し、鉛直上方へ向けて排気できる。
両端部と傾斜天井とを連続的に接続する曲面状部材を設
けるため、傾斜天井に沿う空気流が左右から天井溝に向
う横流れ状となって尾翼エンジンに吸入されるが、この
横流れ状の空気流を曲面状部材を介して整流することが
できる。
プ設備の縦断側面図(左右方向幅中心部にて縦断)であ
る。
中心部から外れた位置で縦断した縦断側面図である。
結果を示す図表である。
結果を示す図表である。
結果を示す図表である。
結果を示す図表である。
クトル略図である。
度ベクトル略図である。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
面図である。
る。
方向変換部材 21 第1整流部材 22 第2整流部材 23 第3整流部材 24 第4整流部材 26 尾翼通過用開口 27 開閉体 28 整流板 30 傾斜天井 31 天井溝 32 逆流防止板 33 尾翼通過用開口 34 逆流防止用開閉体 35 尾翼エンジン用整流部材 36 側壁 37 主翼エンジン用排気路 38 尾翼エンジン用排気路 39,41 湾曲通路 40 排気搭 55 湾曲状ガイド部材 60,62 可動フラップ 63 空気導入口 71 曲面状部材
Claims (17)
- 【請求項1】 航空機を格納可能なテスト室を形成する
ハンガーと空気導入用の吸気口と空気排出用の排気通路
とを有する航空機エンジンランナップ設備において、 前記吸気口をハンガーの前端部分の上方の屋根側に設
け、 前記テスト室の後端に連通しこの後端から後方かつ上方
へ延びる排気路をハンガーの後端側部分に設け、 前記ハンガーの天井の少なくとも一部に空気流を整流す
る為に後方程低くなるように傾斜した傾斜天井を設け、 前記傾斜天井の左右方向の中央部には、テスト室に搬出
入される航空機の垂直尾翼の通過を許すように上方へ凹
入した天井溝を形成したことを特徴とする格納型航空機
エンジンランナップ設備。 - 【請求項2】 前記傾斜天井は、天井溝から左右方向へ
遠のくほど低くなるように傾斜していることを特徴とす
る請求項1に記載の格納型航空機エンジンランナップ設
備。 - 【請求項3】 前記テスト室に収容した航空機の垂直尾
翼の前側付近に位置するように、テスト室の天井側にテ
スト室の左右方向のほぼ全幅にわたる逆流防止板を設け
たことを特徴とする請求項1又は2に記載の格納型航空
機エンジンランナップ設備。 - 【請求項4】 前記逆流防止板の左右方向中央部に、航
空機搬出入時に航空機の垂直尾翼の通過を許す尾翼通過
用開口を設け、この尾翼通過用開口を開閉可能な逆流防
止用開閉体を設けたことを特徴とする請求項3に記載の
格納型航空機エンジンランナップ設備。 - 【請求項5】 前記逆流防止板は、前記傾斜天井の後端
付近に配設されたことを特徴とする請求項3又は4に記
載の格納型航空機エンジンランナップ設備。 - 【請求項6】 前記ハンガーの屋根構造に、前記天井溝
の前部に外部から空気を導入可能な空気導入口を設けた
ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の格納型
航空機エンジンランナップ設備。 - 【請求項7】 前記天井溝の左右両端において、前記傾
斜天井から下方へ突出した1対の尾翼エンジン用整流部
材を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記
載の格納型航空機エンジンランナップ設備。 - 【請求項8】 前記尾翼エンジン用整流部材は、金網、
繊維製ネット、有孔板、スリット板、エキスパンドメタ
ルのうちの何れかで構成されたことを特徴とする請求項
7に記載の格納型航空機エンジンランナップ設備。 - 【請求項9】 前記テスト室の左右の側壁のほぼ後半部
が後方へいく程相接近する方向へ傾斜していることを特
徴とする請求項1〜5の何れかに記載の格納型航空機エ
ンジンランナップ設備。 - 【請求項10】 前記テスト室の左右の側壁には吸音構
造を設けたことを特徴とする請求項9に記載の格納型航
空機エンジンランナップ設備。 - 【請求項11】 前記排気路は、ハンガーの後端部の左
右方向のほぼ全幅にわたるように形成されたことを特徴
とする請求項1〜5の何れかに記載の格納型航空機エン
ジンランナップ設備。 - 【請求項12】 前記排気路は、ハンガーの後端部の左
右方向の全幅にわたって連通状に構成されたことを特徴
とする請求項11に記載の格納型航空機エンジンランナ
ップ設備。 - 【請求項13】 前記排気路は、後方程上方へいくよう
に湾曲又は屈曲した通路を有することを特徴とする請求
項12に記載の格納型航空機エンジンランナップ設備。 - 【請求項14】 前記排気路は、航空機の左右の主翼エ
ンジンからの排気を排出する主翼エンジン用排気路と、
この主翼エンジン用排気路よりも後方まで延び航空機の
尾翼エンジンからの排気を排出する尾翼エンジン用排気
路を有することを特徴とする請求項11に記載の格納型
航空機エンジンランナップ設備。 - 【請求項15】 前記主翼エンジン用排気路は、ハンガ
ーの後端部において湾曲部又は屈曲部を経て垂直に立ち
上がる排気塔を有することを特徴とする請求項14に記
載の格納型航空機エンジンランナップ設備。 - 【請求項16】 前記尾翼エンジン用排気路は、後方程
上方へいくように湾曲又は屈曲した通路を有することを
特徴とする請求項14に記載の格納型航空機エンジンラ
ンナップ設備。 - 【請求項17】 前記天井溝の左右両端部と傾斜天井と
を連続的に接続する曲面状部材を設けたことを特徴とす
る請求項1〜5の何れかに記載の格納型航空機エンジン
ランナップ設備。
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