JP3673804B2 - 流体攪拌体、及びそれを用いた流体流れの低乱・低騒音化システム - Google Patents

流体攪拌体、及びそれを用いた流体流れの低乱・低騒音化システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、風洞試験設備、空調・換気設備、空冷用のファンを有する機器、高速道路などの道路側壁等のような乱れや騒音を伴う流体流れがある機器や設備に対して適用可能な流体攪拌体、及びその流体攪拌体を用いた低乱・低騒音化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば風洞試験設備は、航空機開発の歴史と共に発達してきており、現在では低速から極超音速域までの流体速度に対応した各種風洞試験設備が開発されている。風洞試験設備は、固定翼機やヘリコプター等の回転翼機の開発において、空力特性の把握、層流から乱流への遷移の解明、騒音対策の研究等を目的として航空機分野で利用されているのみならず、例えば、自動車、橋梁、建築、環境等の他産業の分野へと利用が拡大すると共に、風洞試験設備自体についても、得られる気流特性の向上が望まれている。
【0003】
近年、風洞試験設備のこうした利用技術の多様化に伴い、航空機の研究開発分野においては、空力特性の向上に向けた機体(胴体、主翼等)表面上の遷移メカニズム、ヘリコプターのロータ騒音発生メカニズム等の各種現象メカニズムを解明するのに必要な性能を満たす試験設備が求められており、そうした試験設備を実現するには、風洞気流の乱れ・騒音の低減化に関する低乱・低騒音化技術は欠くことができないものとなっている。循環型の風洞試験設備は、一般に、送風機(軸流ファン)、拡散筒(第1〜第3)、屈曲部(第1〜第4)、中間筒、集合胴(整流ハニカム・網)、縮流胴、測定部等から構成されている。
【0004】
また、最近では、高層ビルや大型プラント設備に用いられる大型空調・排風設備等から発生する低周波騒音等に対する環境対策が重要になってきている。即ち、大型空調・排風設備では、風洞設備と同様に、ファンから騒音が外部に放出されており、特に低周波騒音については、送風機や排風機の周囲に居る人間や家畜等にストレス等の有害な影響を与えているとして問題となっている。
【0005】
循環型等の風洞試験設備や空調・換気設備等におけるファン流を低乱・低騒音化するには、整流装置及び吸音壁等の各機能設備が必要である。(1)気流を発生させるファン装置には、高動圧・高風量が得られる大型軸流ファンによる単体方式と、低動圧・低風量用の小型軸流ファンを複数台束ねた複合方式がある。両方式においてこれらの要求を満たすためには、従来、種々の対策が講じられている。即ち、大型ファン方式による風洞試験設備の気流の低乱化技術としては、ファンによって風路内に生じる大きな旋回流(偏流・脈動流)による気流の乱れを、整流翼列(コーナ翼列)の増設、整流格子(平行ハニカム)の厚み増し、及び乱れを小さくするスクリーン(金網)の細メッシュ化によって整流し、更に縮流胴で流れを絞ることで一定の気流分布(速度・圧力・乱れ)特性を確保する方法が考えられている。複合ファン方式の場合には、ファン毎に発生する旋回流がお互いに干渉し合って小さな偏流・脈動流となる特性があり、翼列と格子及びスクリーンの効果が大きく、乱れの小さな気流分布(速度・圧力)特性が得られやすいが、風洞設備としては効率が悪い。大型ファン方式による旋回流によって発生するファン流シア(風の断層)や構造物(翼列・壁)等から発生する騒音の低騒音化技術としては、風路内に騒音を吸収する吸音壁、吸音パネルの増設、厚み増し等によるパッシブ方式の技術がある。
【0006】
(2)風洞の各構造物から発生する機械的振動の低減技術として、要素構造物毎に切り離した構造とする方法がある。また、(3)高周波帯域の騒音の低減に有効な技術として、マイクロホンとスピーカを用いたアクティブノイズコントロール方式がある。アクティブノイズコントロール方式は、騒音をマイクロホンで捕らえて、リアルタイムで騒音波長に合わせた逆位相の波長音を作り、その逆位相の波長音を音源に向けて出すことによって、騒音を打ち消し合って低減させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(1)コーナ翼列、整流ハニカム、網及び吸音パネルの配設等の技術については、次のような問題点がある。即ち、コーナ翼列の枚数増設は、枚数を増加するほど増加する抗力によって送風機効率の低下を招く。また、整流ハニカムについては、コアの開口比を小さくしコアの厚みを増すことで、高周波帯域の整流効果が顕著であるが、低周波帯域の変動流に対しては圧力波がハニカムを通過しやすいため効果が小さい。網の開口比を小さくすれば乱れを小さくできるが、流体流れに対する網による抗力が大きくなり、その結果、送風機効率の低下や目詰まりによる分布特性の悪化を招き、更に低周波帯域の変動流については依然として大きな効果が得られない。更に、多孔板とグラスウールマット等から成る吸音パネルの設置は、低周波から高周波までの広帯域での騒音に有効であるが、孔を通過した音波が、パネル間で反射し合うときの減衰を利用するだけであり、有効に機能させるには波長に合わせたパネルの厚みと波長の周期に合わせた長い設置空間が必要となり、風路の直径と長さの点で大型化が問題となる。
【0008】
(2)送風機やコーナ翼列等の風路内構造物から発生する振動については、各要素構造物(送風機、宿流胴、測定部、拡散胴)毎に切り離した構造とすることで測定部への影響を小さくすることができるが、流体流れ自体に乱れや騒音を伴っているときには、十分な対応ができない。
(3)アクティブノイズコントロール方式の技術は、風量が小さい小型設備でスピーカの周波数特性(数Hz以上)の範囲内であれば適用しても有効であるが、風洞試験設備、大型空調・プラント設備については、特に数Hz以下の低周波帯域の脈動流については適用できても所期の効果を得るには膨大なエネルギーを必要とするために実用的ではない。
【0009】
しかし、一般に送風・排風気流のうち高周波帯域の騒音は空気を媒体とした距離による減衰効果が大きく低減化は容易であるが、上記の各整流手段や吸音手段は、振動周期の長い低周波(低振動波)騒音に対する対応が難しく、低周波数帯域における乱れと騒音とを十分満足できるほどに低減させることはできない。最新の研究水準に対応できる風洞設備としては、気流乱れの低乱化と騒音の低騒音化との両技術を確立することが重要となる。
【0010】
そこで、風洞試験設備、大型空調・プラント設備のように、大型の送風ファンや排気ファン、あるいは複合ファンによる低周波帯域の乱れや騒音を伴う流体の流れが存在している場合において、新しい発想の下、変動周期の長い低周波成分である脈動偏流を、低減化しやすい高周波(高振動波)の乱れを伴うマイクロ渦流に一旦変調させることで、低乱・低騒音化を達成する点で解決すべき課題がある。
【0011】
この発明の目的は、循環型等の風洞試験設備、空調設備、大型プラント、高速道路などの道路側壁等における流体流れに存在する低周波変動流成分(ファンによる偏流・脈動流)と騒音の低周波成分とを同時に低減化することができる流体攪拌体、及びその流体攪拌体を用いた低乱・低騒音化システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明による流体攪拌体は、流体通路を流れる流体の微小流れ毎に捻りを与える複数の微小攪拌素子が集合配置されて構成されていることを特徴としている。
【0013】
この流体攪拌体によれば、複数の微小攪拌素子が集合配置されているので、低周波帯域の大きな偏流・脈動を伴った一様な流体流れが流体通路を流れて流体攪拌体を通過するとき、微小攪拌素子が流体の微小流れ毎に捻りを与え、その結果、低周波帯域の偏流・脈動は一定の高周波帯域のマイクロ渦流に変調させられる。また、流体が伴う騒音に関しては、動圧成分については偏流・脈動と同様に微小攪拌素子の捻り作用によって高周波成分に変調され、粗密波のような静圧成分については微小攪拌素子表面での反射の繰り返しによって生じる干渉で減衰されたり変調によってやはり高周波成分に変換される。高周波数成分から成るマイクロ渦流や騒音は、低周波数帯域の成分と比較して減衰・消音しやすく、流体攪拌体を通過した後では十分低乱・低騒音の流れとなる。従って、この発明によれば、ファン流の低周波振動成分(偏流・脈動流)と低周波騒音とは同時に低減される。
【0014】
この流体攪拌体において、前記微小攪拌素子は、前記流体流れの方向に沿って配置される筒体と、前記筒体内に配置され且つ捻られた板材から成る捻りエレメントとを有することができる。筒体及び板材は、共に簡単な構成の素材であって加工も簡単であり、筒体と捻り板材の組み合わせで微小攪拌素子を簡単な構造に且つ大量に製作することが可能である。特に、流れが有する騒音については、音の粗密波が捻りエレメントの形状に起因して流れに交差する方向に複雑に反射することで、効果的に減衰される。
【0015】
上記の捻りエレメントを有する微小攪拌素子において、前記筒体は、円筒セル、四角筒セル、六角筒セル等の筒状セルとすることができる。筒体の形状を円筒セルや角筒セル等の筒状セルとすることにより、複数の微小攪拌素子を密度の高い密集状態に集合させた流体攪拌体が得られ、流体を効率的に微小な流れに分割して、流体流れの殆ど又はすべての部分について分割された微小流体毎に捻りを与えることが可能となる。また、前記捻りエレメントは、軸流方向に沿う軸の回りに30度〜180度の範囲内の角度で捻られた薄板で構成することができる。捻り角度が30度未満では低周波帯域の変動成分を高周波帯域の変動成分に変換するマイクロ渦流の生成が小さく、乱れと騒音との効率的な減衰を期待できない。捻り角度が180度を超えると、却って流れに大きな乱れを生じることになり、抗力も増加するためやはり乱れと騒音との効率的な減衰を期待できない。更に、前記薄板又は筒体に前記流体の通過を許容する小孔を形成することにより、流体が小孔を通過可能となって、より細かい微小渦の形成が促され、乱れと騒音が一層低減される。
【0016】
上記の捻りエレメントを有する流体攪拌体において、前記微小攪拌素子は、前記筒体の内部に複数の前記捻りエレメントが前記流体の流れ方向に沿って捻り方向を交互に連接して配置された多連攪拌素子とすることができる。左右の捻り方向を違えた捻りエレメントを筒内において交互に重ね合わせることにより、低周波の変動分及び騒音を伴う流体流れは、各捻りエレメントにおける連続する攪拌作用によって一層の高周波成分に変換され、変動及び騒音をより減衰しやすくなる。
【0017】
上記の捻りエレメントを有する流体攪拌体において、前記微小攪拌素子は前記筒体の内部に一つの前記捻りエレメントを配置した単一攪拌素子であり、前記流体攪拌体は、前記単一攪拌素子を面状に集合配置させて形成した流体攪拌層を、前記流体の流れ方向に沿って連なる前記微小攪拌素子の前記捻りエレメントの捻り方向を交互にして、複数段積ねることで構成することができる。複数の流体攪拌層を積層したときにおいて、一つの微小流体流れの方向で見て各流体攪拌層の微小攪拌素子の捻り方向を左右交互に違える状態に流体攪拌層を交互に重ね合わせることにより、低周波の変動分及び騒音を伴う流体流れは、複数段に重なり合う各流体攪拌層の微小攪拌素子による連続する攪拌作用によって一層の高周波成分に変換され、変動及び騒音をより減衰しやすくなる。なお、各流体攪拌層の積層の仕方については、各層の微小湯攪拌素子が流体流れの方向に正しく整列した状態に積層させてもよく、また、各層の微小湯攪拌素子が流体流れの方向に千鳥状に整列した状態に積層させてもよい。
【0018】
この発明による流体攪拌体において、前記微小攪拌素子は捻られた板状に形成された捻りエレメントであり、捻り方向を揃えて縦横に並べて配置された前記捻りエレメントの縦方向又は横方向に面一状に並んだ端部列を共通の桁板に連結して構成することができる。この流体攪拌体によれば、捻られた板状に形成された捻りエレメントの流体流れに対して入口側となる端部は、縦横のいずれかの方向に面一状に並んだ端部列となっており、共通の桁板に連結されている。また、流体流れに対して出口側となる端部も、縦横の他方の方向に面一状に並んだ端部列となっており、共通の桁板に連結されている。従って、捻りエレメントの集合体は、両側で縦又は横の桁板の列で一体化されており、多数の捻りエレメントを剛性の高い一つの物品として取り扱うことが可能になる。
【0019】
上記の捻りエレメントの両端部が桁板で連結された流体攪拌体において、前記捻りエレメントと前記桁板とを、セラミックス材料の焼結、又は樹脂材料の真空焼結によって、一体的に成形することができる。焼結又は真空焼結によって成形することで、例えば、光造形手法を利用することができ、複雑な形状を有する流体攪拌体でも容易に型成形することが可能である。
【0020】
上記の流体攪拌体を、乱れ又は騒音を伴う前記流れに対して適用することで、流体流れの低乱・低騒音化システムを構成することができる。流体通路内を流れる流体には、様々な原因で乱れと騒音を伴うことがあり、そのような場合に、流体通路内に流体攪拌体を配置することで、流体攪拌体の高周波帯域への変調作用及び騒音減衰作用によって、低乱・低騒音化を図ることが可能である。
【0021】
この流体流れの低乱・低騒音化システムにおいて、前記流体通路の前記流体攪拌体の後流側には騒音低減手段を配設することができる。騒音低減手段を配設することによって、更に高周波成分の騒音は騒音低減手段によって一層効率的に消音される。前記騒音低減手段は、前記流体通路の壁面の一部を構成する吸音壁、又は前記流体通路の壁面に設けられた吸音パネルとするのが好ましい。流体攪拌体を通過することで高周波帯域のマイクロ渦流に変換された偏流・脈動が発生する高周波帯域の騒音は、流体攪拌体の後流に配設された吸音パネルで効果的に吸収されやすくなるので、流れの低騒音化が一層進められる。
【0022】
この流体流れの低乱・低騒音化システムにおいて、前記騒音低減手段は、前記流体攪拌体を通過した前記流体から発生する音に対して逆位相の音を発生させるアクティブノイズコントロール手段とすることが可能である。アクティブノイズコントロールは、マイクロフォンで捕らえた音源の音波と逆位相の音波をスピーカから音源に向けて発生させることにより、音源の音と打ち消し合わせて消音を図る手法である。流体攪拌体で高周波帯域に変換された騒音は、従来のスピーカの周波数特性(数Hz以上)である高周波帯域の成分の音に対して効果のあるとされるアクティブノイズコントロール手段を適用して、低周波数帯域の騒音が低減される。
【0023】
この低乱・低騒音化システムにおいて、前記騒音低減手段の後流には、前記流体の流れを整流化する整流機構を配設することができる。高周波帯域に変換された偏流・脈動は、減衰しやすく、そのままでも実用に適するが、騒音低減手段の後流に平行ハニカムや網等から構成される整流機構を配設することにより、更に一層、安定した流体流れが得られる。
【0024】
この流体流れの低乱・低騒音化システムは、前記流体流れを生じさせるファンを持つ送風機、排風機及びそれらを組み込んだ機器・設備に適用可能であり、低乱・低騒音化システムがそのように適用されたファン流については、低周波振動成分(偏流・脈動流)と低周波騒音とが同時に低減される。その一例として、流体攪拌体を前記流体通路の一部を構成する集合胴に配置することにより、低乱・低騒音化システムを風洞試験設備に適用することができる。また、流体流れの低乱・低騒音化システムは、前記流体攪拌体を室内側の送風口又は室外側の排風口に配置することにより、空調システムに適用することもできる。また、流体流れの低乱・低騒音化システムは、前記流体攪拌体を熱排出用に設けられる冷却ファンの排気口に配置すること又は前記冷却ファンの排気口に組み込むことにより、パーソナルコンピュータや計測機器等の要冷却電子機器にも適用することができる。更に、前記流体攪拌体は、騒音低減作用に着目して、高速道路等の道路側壁に適用することもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、この発明による流体攪拌体の実施例、及び当該流体攪拌体が流体流れの低乱・低騒音化システムとしての風洞試験設備や排風設備等に適用された実施例とを詳細に説明する。まず、微小攪拌素子を用いた流体攪拌体の構成等について説明する。図1(a)〜図1(c)は、この発明による流体流れの流体攪拌体を構成する微小攪拌素子の捻りエレメントの例を示す斜視図である。
【0026】
図1(a)に示す微小攪拌素子1aは、薄板素材をそのエレメント軸線3の回りに捻って形成した捻りエレメント2Lと、捻りエレメント2Lを内部に収容する筒体としての円筒セル4aとを備えた単一攪拌素子である。図1(a)の例では、捻りエレメント2Lは流入した微小流体流れをその流れ方向に見て左に捻る左捻りエレメントである。左捻りエレメント2Lは円筒体4aを流体の流入口及び流出口を含むどの断面でも円筒セル4aの断面を二分する形状となっている。図1(b)に示す微小攪拌素子1bは、薄板素材をエレメント軸線3の回りに捻って形成され通過する微小流体を左に捻る左捻りエレメント2Lと、左捻りエレメント2Lを内部に収容する筒体としての角筒セルとを備えている。角筒セルは、この例では六角筒セル4bである。左捻りエレメント2Lは六角筒セル4bを入口と出口において2分割している。なお、単一攪拌素子としては、通過する微小流体を左に捻るのみならず、右に捻る右捻りエレメントを備えたものであってもよい。
【0027】
図1(c)は、左捻りエレメント2Lと右捻りエレメント2Rを間隔eだけ離して一つの長い円筒セル4c内にエレメント軸線3に沿って連設した多連攪拌素子としての微小攪拌素子1cを示す。円筒セル4c内に流入した微小流体流れは、左捻りエレメント2Lによって左旋廻された後、右捻りエレメント2Rによって戻される方向の回転を受ける。図1(a)〜図1(c)に示す例では、個々の捻りエレメント2L,2Rの入口側と出口側との間での相対捻れ角度は90度にされているが、この相対捻れ角度は、90度に限ることなく、マイクロ渦流を効率的に発生させることができる30度〜180度の範囲であればよい。相対捻れ角度が30度未満では、マイクロ渦流の発生が少なすぎ、相対捻れ角度が180度を超えるときには却って流れに乱れが発生する。
【0028】
流体攪拌の原理について、その概要を図1(c)に基づいて説明する。ファン(後述する)によって生じた旋回流(偏流・脈動流)は、一段目の円筒セル4cの流入口で左捻りエレメント2Lによって上下に2分割された流れSt,Sbとなり、回転されながら左捻りエレメント2L後部の流出口側では左右の2分割渦流Sl,Srとなる。次に、左右2分割渦流Sl,Srは二段目に設けられている下流の右捻りエレメント2Rに流入し、更に2分割されて右捻りエレメント2Rの後部では小さな4分割渦流(マイクロ渦流)Smvとなり、高変動流(圧力変動と騒音)成分を有する流れになる。
【0029】
また、各エレメント2L,2Rは、流体流れに生じている騒音に関しては、動圧成分については偏流や脈流と同様に高周波成分に変調させることで減衰させやすくし、粗密波のような静圧部分については各レメント2L,2Rの表面で複雑な反射を繰り返することで、減衰させたり高周波成分へ変換させる作用がある。後述するように、流体攪拌体は、微小攪拌素子を、その筒体の軸線が流体流れに沿うように、流体通路を横切る横断断面に渡って敷き詰められた状態で集合されて構成されるので、流体攪拌体の全域にわたってマイクロ渦流Smvが発生するために、風路断面内の気流は一様流に生じている低周波帯域の乱れや騒音は高周波成分に変調される。
【0030】
図2は、捻りエレメントや筒体に流体の通過を許容する孔を形成した例を示す斜視図である。図2(a)及び図2(b)には、それぞれ、流体の通過を許容する多数の孔5が形成された左捻りエレメント2L、右捻りエレメント2Rが示されている。図2(c)に示す六角筒セル4bには、流体の通過を許容する多数の孔6が形成されている。筒体が図1(a)に示すような円筒セル4aの場合も同様である。
【0031】
図3は、低周波を伴う流体流れを、高周波成分を持つ流れに変換するため、図1に示した微小攪拌素子を多数個組み合わせて構成した流体攪拌体の一例を示す図であり、図3(a)はその流体攪拌体の正面図、図3(b)は図3(a)に示す流体攪拌体のA−A断面図である。図3に示す流体攪拌体10は、一つの円筒セル4a内にそのセル内での流体の流れ方向に沿って、複数の左右捻りエレメント2L,2Rを交互に連設して成る微小攪拌素子1dを多数並列に集合させて構成されている。図の例では、流体が流れる通路(空気のような気体が流れる場合は、風路)が断面六角形であるので、多数の微小攪拌素子1dを集合させた流体攪拌体10の外形をその断面形状に合わせて六角形状にすることで、風路の断面を埋めることができる。一つの筒体内に連設されるエレメントの数は3つであり、従って、流体が捻られる捻りパターンは2L,2R,2L又は2R、2L、2Rのように2つのタイプがある。また、図の上半分における微小攪拌素子1dの集合部と図の下半分における微小攪拌素子1dの集合部とで、捻りエレメントの捻りパターンを逆にしてある。流体攪拌体10は、多数の微小攪拌素子1dを全体が六角状のバンド又は枠体11内に集合させてハニカム状に組み込まれている。
【0032】
図4は図1に示した微小攪拌素子を多数個組み合わせて構成した流体攪拌体の別の例を示す図であり、図4(a)はその流体攪拌体の正面図、図4(b)は図4(a)に示す流体攪拌体のB−B断面図である。図4に示す流体攪拌体20は、図1(b)に示したような六角筒セル4a内に左捻りエレメント又は右捻りエレメント2L,2Rのいずれかを組込んだ微小攪拌素子1cを多数集合させた流体攪拌層22,23を複数段に積層して構成されている。筒体を六角筒セル4aとすることにより、風路の断面を完全に埋めることができる。各流体攪拌層22,23は、多数の微小攪拌素子1cを全体が六角状のバンド又は枠体21内に集合させてハニカム状に組み込まれている。図示の例では、第1段〜第3段には、それぞれ流体攪拌層22,23,22が3段に積層されており、各流体攪拌層22,23は、図の上半分の集合部と下半分の集合部とで、捻りエレメントの捻りパターンを異ならせてある。しかしながら、流体の流れ方向で見た捻りパターンは、図3に示す例と同様に、2L,2R,2L又は2R、2L、2Rのように交互に設定されており、全体の輪郭形状も、流体通路の形状(断面六角形)に合わせた形状にされている。
【0033】
図4に示す流体攪拌層22,23を多段形式に積層させる場合、図5に示すように、隣り合う流体攪拌層で、積層させる態様を選択することができる。図5(a)は、距離e1を置いて隣り合う流体攪拌層21,22において捻り方向の異なる各微小攪拌素子を同軸に整列させた同軸配置態様を示す断面図であり、例えば、上流側の流体攪拌層21の微小右攪拌素子1Rに対して、下流側の微小左攪拌素子1Lは、互いの筒体の軸線を同軸上に置いた状態に配置されている。上流側の微小右攪拌素子1Rに流入した流体は、理想的には、整列した下流側の微小左攪拌素子1Lにそのまま流入し、上流側の微小右攪拌素子1Rの右捻りエレメント2Rで分割された流れが、後流側の微小左攪拌素子1Lの左捻りエレメント2Lで混合攪拌される。また、図5(b)は、距離e2を置いて隣り合う流体攪拌層21,22において捻り方向の異なる各微小攪拌素子1R,1Lを千鳥状にずらせた千鳥配置態様を示す断面図であり、例えば、上流側の流体攪拌層21の微小右攪拌素子1Rに対して、下流側の微小左攪拌素子1Lは、互いの筒体の軸線を千鳥状にずらせて配置されている。上流側の微小右攪拌素子1Rに流入した流体は、千鳥状に跨って続く下流側の二つの微小左攪拌素子1L,1Lに分かれて流入し、混合攪拌される。
【0034】
図6は、この発明による流体攪拌体の別の実施例を示す斜視図である。図6に示す流体攪拌体25の微小攪拌素子は、板状に形成された捻りエレメント26であり、複数の捻りエレメント26(一部にのみ符号を付す)は捻り方向を揃えて縦横に並べて格子状に配置されている。流体攪拌体25においては、捻られた板状に形成された捻りエレメント26の一方の端部26a(例えば、流体流れに対して入口側となる端部)の列は、横方向に面一状に並んだ横端部列となっており、各横端部列はその列と同じ面一状に延びる共通の横桁板27(27a,27b,27c・・・)に連結されている。同様に、捻りエレメント26の他方の端部26b(例えば、流体流れに対して出口側となる端部)の列は、縦方向に面一状に並んだ縦端部列となっており、各縦端部列はその列と同じ面一状に延びる共通の縦桁板28(28a〜28f・・・)に連結されている。捻りエレメント26の集合体としての流体攪拌体25は、両側でそれぞれ異なる方向に並ぶ桁板の列,即ち横桁板27の列と縦桁板28の列で一体化されており、流体攪拌体25の設置、交換等の作業において、多数の捻りエレメント26を剛性の高い一つの物品として取り扱うことができる。流体攪拌体25は捻りエレメント26を囲む筒体を備えていないので、流れに生じている騒音については、音波はエレメント26間での複雑な反射を繰り返し、一層、効果的に減衰される。
【0035】
捻りエレメント26の両端部26a,26bを横桁板27の列と縦桁板28の列とで連結された流体攪拌体25を製造するに際して、捻りエレメント26と各桁板27,28とは、セラミックス材料の焼結、又は樹脂材料の真空焼結によって、一体的に成形することができる。焼結又は真空焼結によって成形することで、例えば、光造形(RP)手法を利用することができ、複雑な形状を有する流体攪拌体25でも容易に型成形することができる。流体攪拌体25をセラミックス材料で成形する場合には、容易に多孔質に形成して軽量にすることができ、更に、流体攪拌体25は、その入口側と出口側とをそれぞれ横桁板27と縦桁板28とによって一体化成形されているため、全体としては格子状を形成し高強度に構成することができる。
【0036】
次に、風路に設けた流体流れの低乱・低騒音化システムの全体構成について、図7及び図8の記載に基づいて説明する。図7は流体攪拌体と騒音低減手段とを備えたこの発明による低乱・低騒音化シテムの概要を示す断面図であり、図8は図7に示す低乱・低騒音化シテムの各領域での乱れ・駐音の変動物理量を説明するグラフである。低乱・低騒音化シテム30は、基本的には、六角形状の通路断面を有する風路壁31に、図3、図4又は図6に示したような多段構造の流体攪拌体10(20,25)を配設し、流体攪拌体10(20,25)の後流に騒音低減手段32を配設し、更に、騒音低減手段32の後流の風路内に整流機構34を配設することによって構成されている。図示しない上流側には、送風機又は排風機の軸流ファンや複合ファンが配設されており、このファンの作用に起因して、風路の領域Iを流れる流体流れは、図8(a)に示すように、偏流・脈動を伴う一様流、即ち、時間経過に対して流変動流が大きく表れる低周波変動流が重畳せられた変動の大きな基本流である。
【0037】
ファンによる流れは、先ず、領域II(振動変調領域)に設けられた流体攪拌体10(20,25)において、1段目のハニカム状に構成された流体攪拌層22の各セルに入り2分割され、次に2段目のハニカム状に構成された流体攪拌層23にて更に4分割され、3段目のハニカム状に構成された流体攪拌層22で更に細分化されて振動変調を受け、領域III(定常振動波流領域)では、マイクロ渦流を有する一様流に変換される。この一様流は、図8(b)に示すように、流れ変動量が高周波帯域の成分のみとなっている。その下流側の風路である領域IV(定常振動波軽減領域)には、騒音低減手段32として吸音パネル33が風路壁31に設けられており、マイクロ渦流の高周波帯域成分を吸収する。高周波帯域成分の乱れと騒音が吸収された後の流れ変動量の様子が、図8(c)に示されている。高周波帯域成分が軽減化された一様流は、その後流の領域V(整流領域)において整流機構34にて更に整流され、領域VI(低乱・低騒音流領域)では安定した低乱・低騒音流となる。整流機構34は、具体的には、整流用平行ハニカム35や整流網36等で構成される。低乱・低騒音流は、その後、縮流胴等にて、更に安定した流れとされた上で測定部に供給される。
【0038】
この発明による流体流れの低乱・低騒音システムを風洞試験設備の集合胴に適用した例が、図9に概要図として示されている。図9に示す風洞試験設備40は、電動モータ41によって回転駆動されるファン42によって気流を循環させている循環型の風洞設備である。ファン42の後流には、ファン42からの流れが拡散しながらも大きな偏流・脈動を伴って流れる第1拡散胴43が設けられている。第1拡散胴43の後流には順次、第1屈曲部44、中間胴45、第2屈曲部46、集合胴47が続き、集合胴47において、流体攪拌体10(20,25)、騒音低減手段32及び整流機構34(整流用平行ハニカム35や整流網36)を備えた本発明による低乱・低騒音システム30が適用されている。低乱・低騒音システム30によって流れ変動量が軽減された低乱・低騒音流れは、縮流胴48で縮流されて、測定部49に送られる。測定部49には、乱れや騒音が一層軽減された流れが供給されるので、精度の良い測定結果が期待できる。
【0039】
この発明による流体流れの低乱・低騒音システムを風洞試験設備の第1拡散胴に適用した例が、概要図として図10に示されている。図10に示す風洞試験設備50には、図9に示した風洞試験設備40の構造と同等の構造には同じ符号を付すことで再度の詳細な説明を省略する。本発明による低乱・低騒音システム30は、流体攪拌体10(20,25)をファン42の後流の第1拡散胴43に配置し、騒音低減手段32と整流機構34とを第2屈曲部46を経た集合胴47に配置している。低乱・低騒音システム30によって流れ変動量が軽減された低乱・低騒音流れは、縮流胴48で縮流されて、測定部49に送られる。
【0040】
図11は、本発明による低乱・低騒音システムが、空調システム60に適用された例を示す概要図である。図11に示す適用例では、本発明による低乱・低騒音システムの流体攪拌体10(20,25)が、室内61の空気を室外62へ排気するためにモータ63で駆動されるファン64が設けられているダクト65の排風口66に配設されている。低乱・低騒音システムは、流体攪拌体10(20,25)のみから成るが、流体攪拌体10(20,25)の変調作用によって低周波数の騒音は高周波帯域の騒音に変換され、高周波の騒音はその後急速に減衰するので、結果として空調システムの排風騒音を抑えることができる。勿論、出口側にスペースの余裕があれば、図7に示すような騒音低減手段32を設けることができるのは明らかである。なお、低乱・低騒音システムは、空調システム60の室内側の送風口に適用できることも、明らかである。
【0041】
図12は、本発明による低乱・低騒音システムが、各種の計測装置70の空冷ファンに適用された例を示す概要図である。図12に示す適用例では、空冷ファン71はモータ内蔵式であり、空冷ファン71を装置フレーム72に取り付けるブラケット73の出口側に低乱・低騒音システムの流体攪拌体10(20,25)が設けられている。図11に示す適用例と同様に、騒音低減手段32を設けることも可能である。この適用例によれば、計測装置70の測定精度が冷却ファンの騒音によって影響を受けるのを軽減することができる。また、流体攪拌体10(20,25)は、計測装置70以外にも、例えば、パーソナルコンピュータのような要冷却電子機器において、その空冷却ファンの出口側にも適用することができ、オフィスの静寂性を高め執務環境の改善に寄与することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明による流体攪拌体は、以上に説明したように、複数の微小攪拌素子が流体通路を横切る面内に集合配置されて構成されているので、低周波帯域の大きな偏流・脈動を伴った一様な流体流れが流体攪拌体を通過するときに、微小攪拌素子が流体の微小流れ毎に捻りを与え、その結果、低周波帯域の大きな偏流・脈動や騒音の動圧成分は、一旦、一定の高周波帯域(乱れ・騒音)のマイクロ渦流や騒音に変調させられる。高周波数成分から成るマイクロ渦流や騒音は、減衰しやすく、流体攪拌体を通過後、急速に減衰する。また、騒音の静圧成分は微小攪拌素子の表面での反射によって減衰されやすくなる。従って、この発明によれば、ファン流の低周波振動成分(偏流・脈動流)と低周波騒音とを同時に低減することができる。
【0043】
この発明は、上記流体攪拌体を風洞設備や空調設備等を代表とする流れに関する種々の設備に対して適用して低乱・低騒音システムとして構成することができる。即ち、上記流体攪拌体を風洞設備に適用することによって、測定部での気流の乱れや騒音を効果的に低減させることができ、航空機等の飛翔体の研究開発や、自動車等の走行物体や建築物等の研究開発の分野で高精度の測定結果が得られる。また、上記流体攪拌体を高層ビルや大型プラント設備に用いられる大型空調・排風設備に適用したシステムは、これら大型空調・排風設備等から発生する低周波騒音を低減することができ、送風機や排風機等のファンの周囲に居る人間や家畜等にストレス等の有害な影響を与える低周波騒音を軽減する環境対策としても有効な手段となり得る。また、高速道路などの道路側壁に適用すれば、騒音の圧力波が流体攪拌体を通過しようとするときに、特に捻りエレメントで上下・左右に複雑に反射することで、大きく減衰される。
【0044】
この発明による流体攪拌体のその他の適用例として、次の低乱・低騒音システムを挙げることができる。即ち、▲1▼吹出風洞の消音塔に設ければ小型の設備で低周波騒音を解消することができる。▲2▼計測装置の空冷ファンの放出口に設けて室内騒音を低減させることができる。▲3▼空港おけるエンジンテスト設備の排ガス吸気防音壁(排気ガス吸い込み口)のような防音壁に設ければ、騒音の軽減効果と排気ガス循環の影響を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による流体流れの低乱・低騒音化システムに用いられる微小攪拌素子の捻りエレメントの例を示す斜視図である。
【図2】捻りエレメントや筒体に流体の通過を許容する孔を形成した例を示す斜視図である。
【図3】図1に示した微小攪拌素子を多数個組み合わせて構成した流体攪拌体の一例を示す図であり、図3(a)はその流体攪拌体の正面図、図3(b)は図3(a)に示す流体攪拌体のA−A断面図である。
【図4】図1に示した微小攪拌素子を多数個組み合わせて構成した流体攪拌体の別の例を示す図であり、図4(a)はその流体攪拌体の正面図、図4(b)は図4(a)に示す流体攪拌体のB−B断面図である。
【図5】流体攪拌層の積層態様を示す図であり、図5(a)は、各流体攪拌層において小攪拌素子を同軸整列させた態様を示す断面図であり、図5(b)は各流体攪拌層において小攪拌素子を千鳥状に整列させた態様を示す断面図である。
【図6】この発明による流体攪拌体の別の実施例を示す部分斜視図である。
【図7】この発明による低乱・低騒音化シテムの概要を示す断面図である。
【図8】図7に示す低乱・低騒音化シテムの各領域での乱れ・駐音の変動物理量を説明するグラフである。
【図9】この発明による流体流れの低乱・低騒音システムを風洞試験設備の集合胴に適用した例を示す概要図である。
【図10】この発明による流体流れの低乱・低騒音システムを風洞試験設備の第1拡散胴に適用した例を示す概要図である。
【図11】この発明による低乱・低騒音システムを空調システムに適用した例を示す概要図である。
【図12】本発明による低乱・低騒音システムを計測装置の空冷ファンに適用した例を示す概要図である。
【符号の簡単な説明】
1a〜1d 微小攪拌素子
1L 微小左攪拌素子 1R 微小右攪拌素子
2L 左捻りエレメント 2R 右捻りエレメント
4a 円筒セル 4b 六角筒セル
5,6孔
10,20,25 流体攪拌体 22,23 流体攪拌層
26 捻りエレメント 26a,26b 端部列
27 横桁板 28 縦桁板
30 低乱・低騒音化システム
31 風路壁
32 騒音低減手段 33 吸音パネル
34 整流機構 35 整流用並行ハニカム
36 整流網
40,50 風洞試験設備 42 ファン
43 第1拡散胴 47 集合胴
60 空調システム 70 計測装置

Claims (18)

  1. 流体通路を流れる流体の微小流れ毎に捻りを与える複数の微小攪拌素子が集合配置されて成ることを特徴とする流体攪拌体。
  2. 前記微小攪拌素子は、前記流体流れの方向に沿って配置される筒体と、前記筒体内に配置され且つ捻られた板材から成る捻りエレメントとを有することを特徴とする請求項1に記載の流体攪拌体。
  3. 前記筒体は、円筒セル、四角筒セル、六角筒セル等の筒状セルであることを特徴とする請求項2に記載の流体攪拌体。
  4. 前記捻りエレメントは、軸流方向に沿う軸の回りに30度〜180度の範囲内の角度で捻られた薄板であることを特徴とする請求項2又は3に記載の流体攪拌体。
  5. 前記薄板又は前記筒体には、前記流体の通過を許容する小孔が形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の流体攪拌体。
  6. 前記微小攪拌素子は、前記筒体の内部に複数の前記捻りエレメントが前記流体の流れ方向に沿って捻り方向を交互に連接して配置された多連攪拌素子であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の流体攪拌体。
  7. 前記微小攪拌素子は前記筒体の内部に一つの前記捻りエレメントを配置した単一攪拌素子であり、前記単一攪拌素子を面状に集合配置して形成された流体攪拌層が、前記流体の流れ方向に沿って連なる前記微小攪拌素子の前記捻りエレメントの捻り方向を交互にして、複数段積ねられて構成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の流体攪拌体。
  8. 前記微小攪拌素子は捻られた板状に形成された捻りエレメントであり、捻り方向を揃えて縦横に並べて配置された前記捻りエレメントの縦方向又は横方向に面一状に並んだ端部列が共通の桁板に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の流体攪拌体。
  9. 前記捻りエレメントと前記桁板とは、セラミックス材料の焼結、又は樹脂材料の真空焼結によって、一体的に成形されていることを特徴とする請求項8に記載の流体攪拌体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の前記流体攪拌体を、乱れ又は騒音を伴う前記流れに対して適用することで構成されていることから成る流体流れの低乱・低騒音化システム。
  11. 前記流体通路において、前記流体攪拌体の後流側には騒音低減手段が配設されていることから成る請求項10に記載の流体流れの低乱・低騒音化システム。
  12. 前記騒音低減手段は、前記流体通路の壁面の一部を構成する吸音壁、又は前記流体通路の壁面に設けられた吸音パネルであることを特徴とする請求項11に記載の流体流れの低乱・低騒音化システム。
  13. 前記騒音低減手段は、前記流体攪拌体を通過した前記流体から発生する音に対して逆位相の音を発生させるアクティブノイズコントロール手段であることを特徴とする請求項11に記載の流体流れの低乱・低騒音化システム。
  14. 前記騒音低減手段の後流には、前記流体の流れを整流化する整流機構が配設されていることから成る請求項11〜13のいずれか1項に記載の流体流れの低乱・低騒音化システム。
  15. 前記流体攪拌体を前記流体通路の一部を構成する集合胴に配置することにより、風洞試験設備に適用されることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の流体流れの低乱・低騒音化システム。
  16. 前記流体攪拌体を室内側の送風口又は室外側の排風口に配置することにより、空調システムに適用されることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の流体流れの低乱・低騒音化システム。
  17. 前記流体攪拌体を熱排出用に設けられる冷却ファンの排気口に配置すること又は前記冷却ファンの排気口に組み込むことにより、パーソナルコンピュータや計測機器等の要冷却電子機器に適用されることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の流体流れの低乱・低騒音化システム。
  18. 前記流体攪拌体は、高速道路等の道路側壁に適用されていることから成る請求項項10〜14のいずれか1項に記載の流体流れの低乱・低騒音化システム。
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