JP2002366833A - 広告選択装置及び広告選択方法、コンテンツ提供装置及びコンテンツ提供方法、並びに記憶媒体 - Google Patents

広告選択装置及び広告選択方法、コンテンツ提供装置及びコンテンツ提供方法、並びに記憶媒体

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JP2002366833A
JP2002366833A JP2001170618A JP2001170618A JP2002366833A JP 2002366833 A JP2002366833 A JP 2002366833A JP 2001170618 A JP2001170618 A JP 2001170618A JP 2001170618 A JP2001170618 A JP 2001170618A JP 2002366833 A JP2002366833 A JP 2002366833A
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JP2001170618A
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Yoshi Ebara
善 江原
Toshihiro Tsunoda
智弘 角田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Information Transfer Between Computers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視聴者の広告情報の視聴履歴を利用して同一
の広告情報の露出を好適に制御する。 【解決手段】 広告選択サーバは、一定の広告露出回数
内で、視聴者に対する同一広告の露出の重複防止や露出
回数の上限を設定する。あるいは、一定の期間内で、同
一広告の露出の重複防止や露出回数の上限を設定する。
したがって、同じ広告が効果なく使用されることが少な
くなり、例えば支払ったスポンサ料などによって定めら
れる回数の範囲内で効果的に広告を露出することがで
き、広告主側のニーズを好適に実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンテンツに挿入
すべき広告を的確に選択する広告選択装置及び広告選択
方法、コンテンツ提供装置及びコンテンツ提供方法、並
びに記憶媒体に係り、特に、インターネットなどの広域
ネットワークを介して配信されるコンテンツに挿入すべ
き広告を的確に選択する広告選択装置及び広告選択方
法、コンテンツ提供装置及びコンテンツ提供方法、並び
に記憶媒体に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、インターネット
などを利用してプル配信形式で提供されるコンテンツに
利用する広告情報を各視聴者毎に選択してパーソナライ
ズする広告選択装置及び広告選択方法、コンテンツ提供
装置及びコンテンツ提供方法、並びに記憶媒体に係り、
特に、視聴者の広告情報の視聴履歴を利用して同一の広
告情報の露出を好適に制御する広告選択装置及び広告選
択方法、コンテンツ提供装置及びコンテンツ提供方法、
並びに記憶媒体に関する。
【0003】
【従来の技術】テレビ放送を始めとして、映像や音楽な
どのメディア・コンテンツの配信サービスは古くから行
われている。このようなコンテンツ配信サービスは、有
料である以外に、CMなどの広告情報をコンテンツ内に
挿入して広告料若しくはスポンサ料を得ることで無料化
が行われている。
【0004】このような場合、広告料すなわちスポンサ
料は、コンテンツ提供事業者における事業利益となり、
あるいはコンテンツ制作費に充てられる。広告主(スポ
ンサ)は、一般には、家電製品やその他の工業製品など
の商品、あるいは各種サービスを有料で提供する各種の
事業主である。CMなどの広告情報をコンテンツに挿入
することにより広告・宣伝された自社商品やサービスへ
の顧客吸引力が高まり、販売活動が促進されることによ
って、広告主は支払った広告料相当の利益を得ることが
期待される。また、コンテンツの視聴者側は、配信コン
テンツを無料で享受することができるが、CMなどの広
告情報を視聴するという形式で、実質上の受信料を支払
っているという側面もある。このような広告事業は、放
送業界や出版業界を始めとして、各種のコンテンツ配信
・配布事業において既に広く浸透している。
【0005】このような状況下では、視聴者、広告主
(スポンサ)、コンテンツ提供者の3者間では一種の連
鎖関係が形成されている。すなわち、視聴者が興味を持
つ広告情報をコンテンツに挿入することによって、商品
やサービスの消費が高まり、広告主の事業収益が増す。
広告主はさらなる増収と事業発展を期待して、広告・宣
伝のために広告料を支払う。コンテンツ提供者は、広告
収入の増加により、よりよいコンテンツの制作に資金を
投入することができる。すなわち、広告事業モデルは、
効果的な広告情報をコンテンツに挿入することによって
成立する。言い換えれば、意味のない広告情報をコンテ
ンツに適用しても、視聴者、広告主、コンテンツ提供者
は利益が得られない。
【0006】ところで、最近の情報処理・情報通信技術
の革新的な進歩により、コンテンツ配信サービスの形態
も変容してきた。従来は、テレビ放送やラジオ放送など
のいわゆるプッシュ配信形式のコンテンツ配信サービス
が主流であったが、インターネットのような広域ネット
ワークを介したプル配信形式のコンテンツ配信サービス
が徐々に浸透してきている。
【0007】例えば、インターネットのようなTCP/
IP(Transmission Control Protocol/Internet Proto
col)ネットワーク上では、WWW(World Wide Web)
に代表されるような情報提供空間が構築されており、U
RL(Uniform Resource Locator)形式の資源識別情報
を基に情報空間を探索して、HTML(Hyper Text Mar
kup Language)形式で記述された情報資源にアクセスす
ることができる。この種の情報資源は、WWWブラウザ
を起動するクライアント側ではホームページとして閲覧
することができる。このような場合、コンテンツ提供者
は、いわゆる「バナー広告」の形式で広告情報をホーム
ページ上に貼り付けて、広告収入を得ることができる。
【0008】また、最近では、電話回線(ADSL(As
ymmetric Digital Subscriber Line)など)やケーブル
・テレビなどのネットワーク回線の高速化に伴い、映
画、アニメーション、ライブ中継などの動画像からなる
映像コンテンツの配信サービスが期待されるようになっ
てきた。
【0009】例えば、インターネットでサウンドやビデ
オ映像などを配信するとき、ユーザーがファイルをダウ
ンロードし終えてからこれを再生するのではなく、ダウ
ンロードしながら再生するという「ストリーミング」技
術が開発され、普及し始めている。ストリーミング配信
は次世代のインターネット利用の要と見られている。現
在、ストリーミング技術を実装した著名なコンテンツ配
信システムとして、例えば"RealSystem G2"や”Win
dows(登録商標) Media Technolo
gies”などが挙げられる。
【0010】このような映像コンテンツの配信サービス
においても、広告事業モデルを適用する、すなわち配信
されるコンテンツ中に広告情報を挿入することにより、
無料若しくは低価格で視聴者にコンテンツを提供して、
視聴数を増加させることができる。この結果、視聴者、
コンテンツ提供者、広告主の3者にとってより利益のあ
る事業形態を構築することができる。このためには、先
述したように、意味のある広告情報をコンテンツに適用
しなければならない。
【0011】インターネットを介したコンテンツ配信サ
ービスに代表されるような、プル配信形式のコンテンツ
提供事業においては、個々の視聴者毎にコンテンツに挿
入すべき広告情報を取捨選択して、パーソナライズ若し
くはカスタマイズされた広告宣伝サービスを行うことが
できる。
【0012】一般には、視聴者のプロファイルや趣味・
嗜好に基づいて使用すべき広告情報を選択することによ
り、視聴者の満足度が高まり、広告・宣伝効果を高める
ことができるとされている。しかしながら、視聴者の要
求のみを追求すると、同じ広告情報しか使用されず、広
告主が充分な利益を受けることができない。広告主にと
っては、例えば、販売・提供する自社の商品やサービス
に関連のあるコンテンツに対して広告情報を挿入しても
らいたいなどの要求条件がある。また、コンテンツ提供
者にとっては、コンテンツの内容やコンテキストなどに
従った広告情報を挿入してもらいたいという要望もある
であろう。
【0013】例えば、コンテンツ提供者と、広告主と、
視聴者の3者からなるコンテンツ配信システムにおい
て、システム全体の満足度が最大となるようにコンテン
ツに挿入する広告情報を選択するために、広告選択事業
なる新規の事業モデルを考案することができる。
【0014】コンテンツ提供者が提供する個々のコンテ
ンツは、自身の属性情報と、挿入すべき広告情報の選択
に関する要求条件を備えている。また、広告主が用意す
る個々の広告情報は、自身の属性情報と、どのような視
聴者に見せたいか、あるいはどのようなコンテンツに挿
入してほしいかといった広告情報の選択に関する要求条
件を備えている。また、各視聴者においても、視聴者自
身の属性情報と、自分がどのような広告情報を見たいか
といった広告情報の選択に関する要求条件を備えてい
る。
【0015】広告選択事業者は、視聴者が視聴要求する
コンテンツに挿入すべき広告情報を選択する際に、広告
情報の属性とコンテンツの要求条件をマッチングした
り、コンテンツの属性と広告情報の要求条件をマッチン
グしたり、視聴者の属性と広告の要求条件をマッチング
したり、広告の属性と視聴者の要求条件をマッチングし
たりして、各マッチングにより得られたコスト値すなわ
ち満足度が最大となるような広告情報を選択することに
よって、システム全体の利益を挙げることができる。さ
らに、各コスト値に重み付けを行うことにより、広告情
報の選択に際し、広告選択事業者のポリシーをも組み込
むことができる。
【0016】しかしながら、従来の広告選択システムに
おいては、あるコンテンツに対して特定の広告情報を挿
入した際の、コンテンツ提供者、広告主、又は視聴者の
うち一部又は全体の満足度を目的とするものの、特定の
広告情報がコンテンツ視聴中に数回選択されて、視聴者
に何度も露出させたときの効果についてまでは考慮に入
れてはいない。
【0017】例えば、上述したコスト計算を基にしてコ
ンテンツに挿入すべき広告情報を選択した場合、高いコ
スト値を持つ広告情報は、複数回選択されることは必然
的に起こり得る。ところが、同じ広告ばかりが重複して
露出されると、最初は好意的であった視聴者でさえも、
やがては飽きてしまうので、広告の効果が低下してしま
う。広告主は、通常、自身の広告情報が露出された回数
に応じて広告料(スポンサ料)を支払うことになるが、
充分な広告効果が得られなかったにも拘わらず機械的に
算出された広告料を支払わなければならず、広告主の利
益が害されてしまう。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
ターネットなどの広域ネットワークを介して配信される
コンテンツに挿入すべき広告を的確に選択することがで
きる、優れた広告選択装置及び広告選択方法、コンテン
ツ提供装置及びコンテンツ提供方法、並びに記憶媒体を
提供することにある。
【0019】本発明の更なる目的は、インターネットな
どを利用してプル配信形式で提供されるコンテンツに利
用する広告情報を各視聴者毎に選択してパーソナライズ
することができる、優れた広告選択装置及び広告選択方
法、コンテンツ提供装置及びコンテンツ提供方法、並び
に記憶媒体を提供することにある。
【0020】本発明の更なる目的は、視聴者の広告情報
の視聴履歴を利用して同一の広告情報の露出を好適に制
御して、広告の効果を向上することができる、優れた広
告選択装置及び広告選択方法、コンテンツ提供装置及び
コンテンツ提供方法、並びに記憶媒体を提供することに
ある。
【0021】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面
は、視聴者に露出する広告情報を選択する広告選択装置
又は広告選択方法であって、視聴者毎に各広告の視聴履
歴を管理する広告視聴履歴管理手段又はステップと、該
広告視聴履歴を基に視聴者に露出すべき広告情報を選択
する広告情報選択手段又はステップと、を具備すること
を特徴とする広告選択装置又は広告選択方法である。
【0022】本発明の第1の側面に係る広告選択装置又
は広告選択方法によれば、例えば、インターネット上で
動画像コンテンツを視聴者にストリーミング配信する際
に、コンテンツ中に用意されている広告挿入枠に挿入す
るCMなどの広告情報を、視聴者の広告視聴履歴を基に
して好適に選択することができる。
【0023】例えば、前記広告情報選択手段又はステッ
プは、視聴者が既に見たことがある広告が露出されない
ように広告情報を選択することができる。
【0024】あるいは、前記広告情報選択手段又はステ
ップは、各広告情報について視聴者に対する露出回数の
上限を設定して、上限に到達した広告情報を視聴者に露
出しないように制御することができる。
【0025】したがって、本発明の第1の側面に係る広
告選択装置又は広告選択方法によれば、視聴者に対して
既に(又は複数回)露出されたものと同じ広告情報が意
味なく度々使用されるということがなくなる。この結
果、例えば支払ったスポンサ料などによって定められる
回数の範囲内で広告情報の露出機会が与えられる広告主
側のニーズを好適に実現することができる。
【0026】本発明の第1の側面に係る広告選択装置又
は広告選択方法は、例えば、視聴者からのコンテンツ視
聴要求に応答して動作し、前記広告情報選択手段又はス
テップによって選択された広告情報をコンテンツ中の広
告挿入枠に挿入してからコンテンツを視聴者に提供する
手段又はステップをさらに備えていてもよい。
【0027】また、本発明の第1の側面に係る広告選択
装置又は広告選択方法が、コンテンツを提供するコンテ
ンツ提供者と、コンテンツに付随して広告情報を提供す
る広告主と、コンテンツを視聴する視聴者とからなる情
報提供空間において、配信サービスされるコンテンツに
挿入する広告情報を選択するために使用される場合、前
記広告情報選択手段又はステップは、このようなシステ
ム全体の満足度を基に抽出された1以上の候補広告の中
から選択するようにしてもよい。
【0028】また、本発明の第2の側面は、視聴者にコ
ンテンツを提供するコンテンツ提供装置又はコンテンツ
提供装置であって、コンテンツは広告情報を挿入するた
めの1以上の広告挿入枠を含んでおり、視聴者が視聴要
求するコンテンツ中の広告挿入枠に広告情報を挿入する
広告情報挿入手段又はステップと、広告挿入枠に広告情
報が挿入されたコンテンツを視聴者に出力するコンテン
ツ出力手段又はステップと、視聴者側における広告情報
の再生を検知する手段又はステップと、該広告情報の再
生検知に応じて、広告情報の視聴履歴を記録又は外部装
置に対する記録要求を発行する広告視聴履歴保存手段又
はステップと、を具備することを特徴とするコンテンツ
提供装置又はコンテンツ提供方法である。
【0029】本発明の第2の側面に係るコンテンツ提供
装置又はコンテンツ提供方法は、例えば、インターネッ
ト上に構築された情報提供空間において、視聴者が要求
する動画像コンテンツのストリーミング配信などを行
う。そして、配信サービスするコンテンツの広告挿入枠
に広告主から提供又は要請された広告情報を挿入して、
広告料(又はスポンサ料)を収入源とすることができ
る。そして、コンテンツ配信の際、視聴者側で広告情報
が再生されたことを検知して、広告情報の視聴履歴を記
録したり、あるいは、データベースなどの外部装置に広
告視聴履歴の記録を行うことができる。
【0030】したがって、前記広告情報挿入手段又はス
テップは、広告視聴履歴を基に視聴者に露出すべきと選
択された広告情報を広告挿入枠に挿入することができ
る。
【0031】例えば、前記広告情報挿入手段又はステッ
プは、広告視聴履歴を基に、視聴者が既に見たことがあ
る広告が露出されないように選択された広告情報を広告
挿入枠に挿入することができる。この結果、支払ったス
ポンサ料などによって定められる回数の範囲内で広告情
報の露出機会が与えられる広告主側のニーズを好適に実
現することができる。
【0032】あるいは、前記広告情報挿入手段又はステ
ップは、各広告情報について視聴者に対する露出回数の
上限を設定しておき、上限に到達した広告情報を視聴者
に露出しないように制御して選択された広告情報を広告
挿入枠に挿入することができる。この結果、支払ったス
ポンサ料などによって定められる回数の範囲内で広告情
報の露出機会が与えられる広告主側のニーズを好適に実
現することができる。
【0033】また、本発明の第3の側面は、視聴者に露
出する広告情報を選択する処理をコンピュータ・システ
ム上で実行するように記述されたコンピュータ・ソフト
ウェアをコンピュータ可読形式で物理的に格納した記憶
媒体であって、前記コンピュータ・ソフトウェアは、視
聴者毎に各広告の視聴履歴を管理する広告視聴履歴管理
ステップと、該広告視聴履歴を基に視聴者に露出すべき
広告情報を選択する広告情報選択ステップと、を具備す
ることを特徴とする記憶媒体である。
【0034】また、本発明の第4の側面は、視聴者にコ
ンテンツを提供する処理をコンピュータ・システム上で
実行するように記述されたコンピュータ・ソフトウェア
をコンピュータ可読形式で物理的に格納した記憶媒体で
あって、コンテンツは広告情報を挿入するための1以上
の広告挿入枠を含んでおり、前記コンピュータ・ソフト
ウェアは、視聴者が視聴要求するコンテンツ中の広告挿
入枠に広告情報を挿入する広告情報挿入ステップと、広
告挿入枠に広告情報が挿入されたコンテンツを視聴者に
出力するコンテンツ出力ステップと、視聴者側における
広告情報の再生を検知するステップと、該広告情報の再
生検知に応じて、広告情報の視聴履歴を記録又は外部装
置に対する記録要求を発行する広告視聴履歴保存ステッ
プと、を具備することを特徴とする記憶媒体である。
【0035】本発明の第3又は第4の各側面に係る各記
憶媒体は、例えば、様々なプログラム・コードを実行可
能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュー
タ・ソフトウェアをコンピュータ可読な形式で提供する
媒体である。このような媒体は、例えば、CD(Compac
t Disc)やFD(Floppy Disk)、MO(Magneto-Optic
al disc)などの着脱自在で可搬性の記憶媒体である。
あるいは、ネットワーク(ネットワークは無線、有線の
区別を問わない)などの伝送媒体などを経由してコンピ
ュータ・ソフトウェアを特定のコンピュータ・システム
に提供することも技術的に可能である。
【0036】このような記憶媒体は、コンピュータ・シ
ステム上で所定のコンピュータ・ソフトウェアの機能を
実現するための、コンピュータ・ソフトウェアと記憶媒
体との構造上又は機能上の協働的関係を定義したもので
ある。換言すれば、本発明の第3又は第4の各側面に係
る記憶媒体を介して所定のコンピュータ・ソフトウェア
をコンピュータ・システムにインストールすることによ
って、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮
され、本発明の第1の側面に係る広告選択装置及び広告
選択方法、又は、本発明の第2の側面に係るコンテンツ
提供装置及びコンテンツ提供方法と同様の作用効果を得
ることができる。
【0037】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、
後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳
細な説明によって明らかになるであろう。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施例を詳解する。
【0039】A.システム構成 図1には、本発明の一実施形態に係るコンテンツ/広告
提供システム1の構成を概略的に示している。コンテン
ツ/広告提供システム1上では、ネットワークを介し
て、動画像からなる映像コンテンツなどが、パーソナラ
イズされた広告情報とともに配信サービスされる仕組み
が提供される。ここで言うネットワークは、例えば、イ
ンターネットのような広域ネットワークであり、TCP
/IP(Transmission Control Protocol/Internet Pro
tocol)などの所定の通信プロトコルに従って機器間を
相互接続させることができる。
【0040】同図に示すように、このコンテンツ/広告
提供システム1は、映像コンテンツなどのコンテンツを
提供すなわち配信サービスするコンテンツ提供者が運営
するコンテンツ・サーバ10と、広告主によって運営さ
れ、配信コンテンツに挿入すべき広告情報を蓄積し提供
する広告サーバ20と、配信サービスされるコンテンツ
を視聴する視聴者が所持する視聴者端末30と、配信コ
ンテンツに挿入すべき広告情報を選択してパーソナライ
ズ広告選択サービスを行う広告選択事業者が運営する広
告選択サーバ40とで構成される。
【0041】コンテンツ/広告提供システム1を構成す
るコンテンツ提供者、広告主、視聴者、並びに、広告選
択事業者のことを、以下では「プレイヤ」とも呼ぶ。
【0042】各サーバ・マシン10,20,40は、例
えば、ワークステーション(WS)やパーソナル・コン
ピュータ(PC)上で所定のサーバ・アプリケーション
を起動するという形態によって実装することができる。
また、視聴者端末30は、例えば、パーソナル・コンピ
ュータ上でWebブラウザなどのクライアント・アプリ
ケーションを起動するという形式によって実装すること
ができる。
【0043】これらサーバ及びクライアントなどの各マ
シンは、Ethernetなどの物理的な接続手段を用
いて、インターネットなどのTCP/IPネットワーク
に接続されている。そして、各マシンどうしは、所定の
認証処理を経て安全に相互接続されている。
【0044】視聴者端末30は、ネットワークを介して
コンテンツ・サーバ10と接続されている。したがっ
て、視聴者は、視聴者端末30を操作することにより、
コンテンツ・サーバ10が提供する動画像などのコンテ
ンツを指定することができる。コンテンツ・サーバ10
がRealServerなどのストリーミング配信技術
を実装し、且つ、視聴者端末30上でRealPlay
erなどの動画再生ソフトウェアをインストールしてお
くことで、視聴者は要求したコンテンツをリアルタイム
で再生すなわち視聴することができる。
【0045】また、コンテンツ・サーバ10は、同様に
ネットワーク経由で、広告サーバ20や選択サーバ40
と接続されており、視聴者から要求された配信コンテン
ツに挿入すべき広告情報の要求、すなわち広告選択要求
を発行することができる。そして、広告選択サーバ40
から選択・返信された広告情報を広告サーバ20から取
得して、これをコンテンツ中に挿入することで、当該広
告を視聴者端末30上で露出させることができる。
【0046】さらに、本実施形態に係るコンテンツ・サ
ーバ10は、視聴者端末30上での広告情報の露出を検
出する機能を備え、広告露出時には、広告選択サーバ4
0に広告露出ログを送信するようになっている。例え
ば、コンテンツ・サーバ40上に広告選択要求や広告露
出ログ送信などの拡張機能を実現するためのプラグイン
・ソフトウェアをインストールしておけばよい。
【0047】広告選択サーバ40は、視聴者プロファイ
ル、広告属性、コンテンツ属性などの各種データベース
とネットワークを介して接続されている。そして、広告
選択サーバ40は、コンテンツ・サーバ10からの広告
選択要求を受理すると、要求内容とデータベースの内容
に応じて、コンテンツとともに露出すべき広告情報を選
択して、その選択結果を応答として返信する。また、広
告選択サーバ40は、コンテンツ・サーバ10から広告
露出ログを受理すると、これを広告視聴履歴としてデー
タベースに保存する機能を持つ。
【0048】広告選択サーバ40は、アプリケーション
・サーバである"Weblogic Server"が動作するワークス
テーションやパーソナル・コンピュータを用いて構成さ
れる。広告選択要求の処理や広告露出ログの保存を行う
ソフトウェアは、例えばJavaプログラムによって記
述することができる。
【0049】また、視聴者情報(趣味嗜好、年齢、住所
など)、広告属性(視聴者のターゲティング)、コンテ
ンツ属性(優先広告の情報など)、広告視聴履歴などを
蓄積する各データベースは、例えば、リレーショナル・
データベース(RDB)・システムであるOracle
が動作するワークステーション又はパーソナル・コンピ
ュータを用いて構成することができる。
【0050】ここで、図1に示したサーバ10,20,
40やクライアントなどのホスト端末として使用可能な
コンピュータ・システムの構成について説明する。図2
には、この種のコンピュータ・システム100のハード
ウェア構成例を模式的に示している。
【0051】システム100のメイン・コントローラで
あるCPU(Central Processing Unit)111は、オ
ペレーティング・システムOSの制御下で、各種のアプ
リケーションを実行するようになっている。例えば、コ
ンテンツ提供用のサーバ・アプリケーション、広告情報
提供用のサーバ・アプリケーション、各コンテンツに挿
入する広告情報を選択する広告選択用のサーバ・アプリ
ケーションや、コンテンツ視聴用のクライアント・アプ
リケーションがCPU111により実行されることで、
システム100は、各サーバ10,20,40、あるい
は視聴者端末30として稼働する。
【0052】図示の通り、CPU111は、バス117
によって他の機器類(後述)と相互接続されている。バ
ス117上の各機器にはそれぞれ固有のメモリ・アドレ
ス又はI/Oアドレスが付与されており、CPU111
はこれらアドレスによって機器アクセスが可能となって
いる。バス117の一例はPCI(Peripheral Compone
nt Interconnect)バスである。
【0053】メモリ112は、プロセッサ111におい
て実行されるプログラム・コードを格納したり、実行中
の作業データを一時保管するために使用される記憶装置
である。同図に示すメモリ112は、不揮発及び揮発メ
モリ双方を含むものと理解されたい。
【0054】ディスプレイ・コントローラ113は、プ
ロセッサ111が発行する描画命令を実際に処理するた
めの専用コントローラであり、例えばSVGA(Super
Video Graphic Array)又はXGA(eXtended Graphic
Array)相当のビットマップ描画機能をサポートする。
ディスプレイ・コントローラ113において処理された
描画データは、例えばフレーム・バッファ(図示しな
い)に一旦書き込まれた後、表示装置121に画面出力
される。表示装置121は、例えば、CRT(Cathode
Ray Tube)ディスプレイや、液晶表示ディスプレイ(Li
quid Crystal Display)などである。
【0055】入力機器インターフェース114は、キー
ボード122やマウス123などのユーザ入力機器をシ
ステム100に接続するための装置である。後述するよ
うに、コンテンツ提供サーバ10、広告提供サーバ2
0、視聴者端末30上では、それぞれコンテンツ用、広
告情報用、視聴者用の属性情報や広告選択に関する要求
条件(OPTINOUT情報)の各項目を入力しなけれ
ばならない。コンピュータ・システム100上では、キ
ーボード122及びマウス123を用いてこれら項目の
設定内容を入力することができる。
【0056】ネットワーク・インターフェース115
は、Ethernetなどの所定の通信プロトコルに従
って、システム100をLAN(Local Area Network)
などのネットワークに接続することができる。ネットワ
ーク・インターフェース115は、一般に、LANアダ
プタ・カードという形態で提供され、マザーボード(図
示しない)上のPCIバス・スロットの装着して用いら
れる。但し、ネットワーク・インターフェースではな
く、モデム(図示しない)経由で外部ネットワークに接
続することもできる。
【0057】LAN上では、複数のホスト端末(コンピ
ュータ)がトランスペアレントな状態で接続され、分散
コンピューティング環境が構築されている。また、ホス
トの一部はルータとして稼動し、さらに他のLANやイ
ンターネットなどの外部ネットワークに接続されてい
る。インターネット上では、ソフトウェア・プログラム
やデータ・コンテンツなどの配信が行われる。
【0058】本実施形態では、コンテンツやコンテンツ
に挿入する広告情報がネットワーク経由で配信されてい
るものとする。例えば、コンピュータ・システム100
で構成されるコンテンツ・サーバ10は、視聴者端末3
0に対して、動画像などのコンテンツをネットワーク経
由でストリーミング配信する。
【0059】また、コンテンツ、広告情報、並びに視聴
者に設定された属性情報や広告選択のための要求条件
(OPTINOUT情報)は、ネットワーク経由でシス
テム間を移動することができる。したがって、広告選択
サーバ40として稼動するコンピュータ・システム10
0上では、それぞれのコンテンツ、広告情報、並びに視
聴者に設定された属性情報や広告選択のための要求条件
(OPTINOUT情報)をデータベース登録してお
き、ある視聴者が視聴要求したコンテンツに挿入すべき
広告情報をこれらデータベースに基づいてマッチング処
理して、コンテンツ/広告提供システム1全体の利益が
最大となる広告情報を選択することができる(後述)。
また、広告選択サーバ40は、広告情報の選択結果を、
ネットワーク経由でコンテンツ・サーバ10や広告サー
バ20などの他のホスト端末に通知することができる。
【0060】外部機器インターフェース116は、ハー
ド・ディスク・ドライブ(HDD)124やメディア・ド
ライブ125などの外部装置をシステム100に接続す
るための装置である。外部機器インターフェース116
は、例えば、IDE(Integrated Drive Electronics)
やSCSI(Small Computer System Interface)など
のインターフェース規格に準拠する。
【0061】HDD124は、記憶担体としての磁気デ
ィスクを固定的に搭載した外部記憶装置であり(周
知)、記憶容量やデータ転送速度などの点で他の外部記
憶装置よりも優れている。ソフトウェア・プログラムを
実行可能な状態でHDD126上に置くことをプログラ
ムのシステムへの「インストール」と呼ぶ。通常、HD
D124には、CPU111が実行すべきオペレーティ
ング・システムのプログラム・コードや、アプリケーショ
ン・プログラム、デバイス・ドライバなどが不揮発的に格
納されている。
【0062】例えば、本実施形態に係るコンテンツ・サ
ーバ用アプリケーションや、広告サーバ用アプリケーシ
ョン、広告選択サーバ用アプリケーション、視聴者端末
用クライアント・アプリケーションなどは、HDD12
4上にインストールされる。また、それぞれのコンテン
ツや広告情報、視聴者において設定された属性情報や広
告選択のための要求条件(OPTINOUT情報)も、
HDD124上に蓄積しておくことができる。また、広
告選択サーバ40においては、各広告情報を視聴者に露
出させた広告露出ログを広告視聴履歴としてHDD12
4上で記録しておくことができる。
【0063】また、メディア・ドライブ125は、CD
(Compact Disc)やMO(Magneto-Optical disc)、D
VD(Digital Versatile Disc)などの可搬型メディア
を装填して、データ記録面にアクセスするための装置で
ある。可搬型メディアは、主として、ソフトウェア・プ
ログラムやデータ・ファイルなどをコンピュータ可読形
式のデータとしてバックアップすることや、これらをシ
ステム間で移動(販売・流通・配布を含む)する目的で使
用される。
【0064】例えば、本実施形態に係るコンテンツ・サ
ーバ用アプリケーションや、広告サーバ用アプリケーシ
ョン、広告選択サーバ用アプリケーション、視聴者端末
用クライアント・アプリケーションなどを、これら可搬
型メディアを利用して流通・配布することができる。ま
た、それぞれのコンテンツや広告情報、視聴者において
設定された属性情報や広告選択のための要求条件(OP
TINOUT情報)も、これら可搬型メディアを利用し
て流通・配布することができる。勿論、各視聴者毎に広
告情報がパーソナライズされた動画像コンテンツも、コ
ンテンツ・サーバ10からストリーミング配信するので
はなく、この種の可搬型メディアに格納してシステム間
を移動させることができる。
【0065】なお、図2に示すようなコンピュータ・シ
ステム500の一例は、米IBM社のパーソナル・コン
ピュータPC/AT(Personal Computer/Advanced Tec
hnology)の互換機又は後継機である。勿論、他のアー
キテクチャを備えた計算機システムを本実施形態に係る
ホスト端末に適用することも可能である。
【0066】B.パーソナライズされたコンテンツの配
信サービス 図1に示したようなコンテンツ/広告提供システム1に
おいては、以下に示す手順により、視聴者端末30に広
告付きコンテンツが提供される。
【0067】(1)視聴者端末30がコンテンツ・サー
バ10に視聴要求を行う。 (2)コンテンツ・サーバ10は、広告選択サーバ40
に、要求されたコンテンツに挿入すべき広告情報の選択
要求を行う。 (3)広告選択サーバ40は、視聴者プロファイル、広
告属性、コンテンツ属性などをのマッチング結果に基づ
いて(後述)、最適な広告情報を選択して、要求元のコ
ンテンツ・サーバ10に通知する。 (4)コンテンツ・サーバ10は、広告サーバ20か
ら、最適広告情報を取得する。 (5)コンテンツ・サーバ10は、視聴者端末30から
指定されたコンテンツに最適広告情報を組み込んで、S
MIL(Synchronized Multimedia Integrated Languag
e)形式データとして、視聴者端末30にコンテンツ配
信する。 (6)視聴者端末30上で、指定された動画像コンテン
ツがリアル再生される。
【0068】ここで、SMIL(Synchronized Multime
dia Integrated Language)とは、W3C(WWW Consort
ium)で仕様策定された、独立したマルチメディア・オ
ブジェクトを同期的に表示するための統合化技術のこと
である。SMILフォーマットによれば、オーディオや
ビデオのマルチメディア・プレゼンテーションにおける
時間的な振る舞い、画面上のプレゼンテーションのレイ
アウトなどの記述を行うことができる。
【0069】C.広告選択サーバによる広告選択並びに
広告の露出制御 広告選択サーバ40は、視聴者がコンテンツを選択した
際に、視聴者、コンテンツ提供者、広告主、さらには広
告選択事業者の4者それぞれの利害関係を調整して、広
告サーバ20上に登録されている広告情報群の中から、
適切な広告を選び出すことができる。より具体的には、
視聴者、コンテンツ、広告情報の各プレイヤがそれぞれ
持つ属性情報と他者への要求条件とを比較照合してコス
ト計算することによって、3者の利益を総合的に勘案し
て、特定の個人の利益に偏らず、コンテンツ/広告提供
システム1全体の利益が最大となるような広告情報を選
択する。
【0070】本実施形態では、コンテンツ、広告情報、
視聴者の各プレイヤはそれぞれ、自分の属性情報と、広
告選択に関する指針若しくは要求条件を記述した選択指
針(OPTINOUT情報)のうち一方又は双方を備え
ている。
【0071】属性情報やOPTINOUT情報は、複数
の項目で構成される。広告選択サーバ40は、一方のプ
レイヤの属性情報と他方のプレイヤのOPTINOUT
データ間で同一項目を比較して、その一致度によりプレ
イヤどうしの広告選択に関するマッチングを行い、各マ
ッチング結果を総合的に判断することによって、コンテ
ンツとともに使用すべき広告情報の候補(候補広告)を
選択する。
【0072】属性情報は、コンテンツ、広告、視聴者そ
れぞれの属性を表すデータである。属性情報は、複数の
項目で構成され(後述)、各項目との一致度合いを0〜
1.0の点数で表す。性別などのように幅を持てない属
性データの項目に関しては、一致した場合は点数1を、
一致しない場合は点数0を与えるものとする。
【0073】OPTINOUTデータは、ある広告に対
する選択指針又は要求条件を示すデータである。その選
択指針を示すために、OPTINOUTデータは、マス
タ・データとして用意される複数の項目で構成され、限
定、優先、禁止、点数という4種類のタイプのうち1つ
を用いて各項目の属性値を与えるようになっている。点
数タイプに従ってOPTINOUTデータを表す場合に
は、OPTINOUTデータを構成する各項目に−1.
0〜1.0の値を指定する。
【0074】広告選択サーバ40では、属性情報とOP
TINOUTデータとのマッチング結果に基づいて広告
情報を選択するようになっている。本実施形態に係るコ
ンテンツ/広告提供システム1では、マッチングは、以
下の4種類に大きく分類される(図3を参照のこと)。
【0075】マッチング1(M1):広告属性とコンテ
ンツOPTINOUTデータの比較 マッチング2(M2):コンテンツ属性と広告OPTI
NOUTデータの比較 マッチング3(M3):視聴者属性及び視聴者OPTI
NOUTと広告OPTINOUTデータの比較 マッチング4(M4):広告属性と視聴者OPTINO
UTデータの比較
【0076】また、図3に示すように、マッチング3の
一部において、広告のOPTINOUT情報と視聴者の
OPTINOUT情報の比較を行っているが、マッチン
グ処理上では、視聴者のOPTINOUT情報を視聴者
属性の一部として考えることとなる。
【0077】これら4種類のマッチングから、各マッチ
ングにおけるコスト配列が生成され、これに広告選択事
業者のポリシー、すなわち各マッチングに割り振られた
重み因子を合わせ込むことにより(下式を参照のこ
と)、候補広告の最終的なコスト配列が生成される。
【0078】
【数1】 Cost=a×M1+b×M2+c×M3+d×M4 (但し、a+b+c+d=1)
【0079】勿論、広告選択サーバ40は、広告情報を
選択した回数(若しくは視聴者に露出した回数)に応じ
て、該当する広告主に対する広告料を算出し、さらに課
金処理を行うようにしてもよい。
【0080】また、本実施形態に係る広告選択サーバ4
0は、視聴者の広告視聴履歴を利用して同一の広告につ
いての露出を制御することができる。
【0081】一般には、広告の露出頻度に応じて広告効
果は向上するが、同じ広告ばかりが重複して露出される
と、最初は好意的であった視聴者でさえも、やがては飽
きてしまうので、広告の効果が低下してしまう。広告主
は、通常、自身の広告情報が露出された回数に応じて広
告料(スポンサ料)を支払うことになるが、充分な広告
効果が得られなかったにも拘わらず機械的に算出された
広告料を支払わなければならず、広告主の利益が害され
てしまう。
【0082】これが、広告選択サーバ40において視聴
者の広告視聴履歴に基づいた広告露出制御を行う理由で
ある。
【0083】例えば、広告選択サーバ40は、一定の広
告露出回数内で、同一広告の露出の重複防止や露出回数
の上限を設定する。あるいは、一定の期間内で、同一広
告の露出の重複防止や露出回数の上限を設定する。この
ようにすることで、各広告情報の露出を制限して、支払
ったスポンサ料などによって定められる回数の範囲内で
露出する広告主側のニーズを好適に実現することができ
る。
【0084】図4には、露出制御を行いながら、視聴者
が要求するコンテンツとともに広告情報を提供するため
の処理手順をフローチャートの形式で示している。以
下、このフローチャートを参照しながら、広告選択サー
バ40による広告選択並びに広告の露出制御の仕組みに
ついて説明する。
【0085】視聴者は、視聴者端末30上で動作するW
ebブラウザを使用して、コンテンツ・サーバ10にア
クセスして、該サーバ10上で提供されている動画像な
どのコンテンツを選択する(ステップS1)。
【0086】コンテンツ・サーバ10は、プラグイン・
ソフトウェアを介して、広告選択サーバ40の持つ広告
選択URLに、広告選択要求となるHTTP(Hyper Te
xt Transfer Protocol)パケットを送信する(ステップ
S2)。この広告選択要求には、視聴者IDとコンテン
ツIDが含まれる。
【0087】広告選択サーバ40は、広告選択要求に含
まれる視聴者ID、コンテンツIDを用いて視聴者属性
情報と視聴者OPTINOUT情報、コンテンツ属性情
報とコンテンツOPTINOUT情報を関連するデータ
ベースから取り出し、さらにデータベースに含まれてい
る広告属性情報と広告OPTINOUT情報も取り出
し、以下の条件等を加味して、各マッチング(図3を参
照のこと)を行うことにより広告選択を行う(ステップ
S3)。
【0088】 ● 視聴者の趣味嗜好に応じた広告であるか ● 動画コンテンツの内容に適した広告であるか ● 視聴者が広告側からのターゲティング条件(例え
ば、年齢)に適合するか
【0089】さらに、広告選択サーバ40は、データベ
ースに蓄積されている広告視聴履歴中に選択した広告情
報が含まれているかを検索する。そして、もし含まれて
いる場合は選択結果から当該広告情報を除外する(ステ
ップS4)。
【0090】次いで、広告選択サーバ40は、コンテン
ツと広告情報が組み合わされた再生情報をSMIL(Sy
nchronized Multimedia Integration Language)形式で
生成して、このSMILファイルを広告選択応答として
コンテンツ・サーバ10に返信する(ステップS5)。
【0091】コンテンツ・サーバ10は、受信したSM
IL形式の情報を、視聴者端末30上で動作している動
画再生ソフトウェア(例えば、RealPlayer)
に送信する(ステップS6)。動画再生ソフトウエア
は、SMIL形式の情報に基づき動画コンテンツと広告
動画の再生を行う(ステップS7)。
【0092】また、コンテンツ・サーバ10は、視聴者
端末30上で稼働する動画再生ソフトウェアにおいて広
告情報の再生がされたことを検知すると、広告選択サー
バ40が持つ広告視聴記録URLに対して、広告視聴ロ
グとなるHTTPパケットの送信を行う(ステップS
8)。
【0093】これに対し、広告選択サーバ40は、広告
視聴ログを受理すると、これを広告視聴履歴としてデー
タベースに保存する(ステップS9)。
【0094】なお、上述した実施形態では、コンテンツ
・サーバ10や広告サーバ・データベースに関して、独
立したマシンを用いたが、単一のパーソナル・コンピュ
ータを共用したりして機能を一箇所に集約することも可
能である。
【0095】また、上述した実施形態では、過去に視聴
実績のある広告の露出を許していないが、広告の露出回
数の上限を設定することで、一定の回数までの広告の露
出を許すことができる。
【0096】また、上述した実施形態では、広告視聴履
歴に広告視聴情報が追加されるのみであるが、記録する
広告の個数の限定や、一定の期間内に露出された広告の
みを記録することで、さらに高度な広告露出の制御を行
うことができる。例えば、過去30回の広告露出に関し
て広告露出の重複や、過去1週間に関して広告露出の重
複を防ぐことができる。
【0097】また、上述した実施形態では、広告視聴の
記録を動画再生ソフトウェアでの広告の再生時に行うよ
うにしているが、広告選択サーバ40での広告選択時な
どのタイミングで行うことも可能である。また、広告視
聴の記録は、広告選択サーバ40を介して行うようにし
ているが、コンテンツ・サーバ10や視聴者端末30か
らデータベースに直接記録するようにすることも勿論可
能である。
【0098】また、上述した実施形態では、コンテンツ
・サーバ10は、広告選択サーバ40への広告選択要求
時と広告視聴ログの送信時にURLへHTTPパケット
を送るようにしているが、勿論、他の通信方式を使用し
て広告選択要求や広告視聴ログを送信することも可能で
ある。
【0099】また、上述した実施形態では、広告選択サ
ーバ40は広告選択要求に対してSMIL形式で返答を
送っているが、広告のIDのみを返すなどの方法に置き
換えることも可能である。
【0100】また、上述した実施形態では、広告情報は
広告蓄積専用のサーバ20上に蓄積されているが、コン
テンツ・サーバ10内に蓄積するようにすることも可能
である。
【0101】また、上述した実施形態では、コンテンツ
及び広告は動画であるが、勿論、静止画や音声、HTM
L(Hyper Text Markup Language)ファイルなどの形式
で同様のコンテンツ及び広告情報の提供・配信サービス
を行うことも可能である。
【0102】[追補]以上、特定の実施例を参照しなが
ら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や
代用を成し得ることは自明である。
【0103】本明細書では、視聴者はインターネットで
の映像コンテンツの提供サービスをパーソナル・コンピ
ュータ上で利用することを想定して説明したが、本発明
の要旨はこれに限定されず、例えば、携帯電話やPDA
(Personal Digital Assistant)などのモバイル端末、
あるいは双方向サービスを行っているデジタルTVの端
末向けサービスにも本発明に係る広告選択手法を適用す
ることができる。
【0104】また、DVD(Digital Versatile Disc)
などのパッケージ型コンテンツであっても、CM映像だ
けをインターネットなどの他の配信・配布手段から提供
されるようなサービスにおいても、本発明に係る広告選
択手法を適用することができる。勿論、この場合は、D
VD自体は無償又は廉価で配布されることが期待され
る。
【0105】要するに、例示という形態で本発明を開示
してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈
するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、
冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきであ
る。
【0106】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
インターネットなどの広域ネットワークを介して配信さ
れるコンテンツに挿入すべき広告を的確に選択すること
ができる、優れた広告選択装置及び広告選択方法、コン
テンツ提供装置及びコンテンツ提供方法、並びに記憶媒
体を提供することができる。
【0107】また、本発明によれば、インターネットな
どを利用してプル配信形式で提供されるコンテンツに利
用する広告情報を各視聴者毎に選択してパーソナライズ
することができる、優れた広告選択装置及び広告選択方
法、コンテンツ提供装置及びコンテンツ提供方法、並び
に記憶媒体を提供することができる。
【0108】また、本発明によれば、視聴者の広告情報
の視聴履歴を利用して同一の広告情報の露出を好適に制
御して、広告の効果を向上することができる、優れた広
告選択装置及び広告選択方法、コンテンツ提供装置及び
コンテンツ提供方法、並びに記憶媒体を提供することが
できる。
【0109】本発明に係る広告選択装置及び広告選択方
法、並びに記憶媒体によれば、コンテンツを視聴する間
に同じ広告が露出する回数に上限を設定したり、あるい
は視聴履歴に含まれる広告情報を重複して露出させない
ように制限することができる。
【0110】この結果、例えば支払ったスポンサ料など
によって定められる回数の範囲内でCMなどの広告情報
を露出する機会が与えられるという広告主側のニーズを
好適に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ/広告提
供システム1の構成を概略的に示した図である。
【図2】サーバ又はクライアントとして利用可能なコン
ピュータ・システムの構成を模式的に示した図である。
【図3】広告選択サーバ40において各プレイヤ間のマ
ッチングを行う仕組みを説明するための図である。
【図4】露出制御を行いながら、視聴者が要求するコン
テンツとともに広告情報を提供するための処理手順を示
したフローチャートである。
【符号の説明】
1…コンテンツ/広告提供システム 10…コンテンツ提供サーバ 20…広告サーバ 30…視聴者端末 40…広告選択サーバ 100…コンピュータ・システム 111…CPU 112…メモリ 113…ディスプレイ・コントローラ 114…入力機器インターフェース 115…ネットワーク・インターフェース 116…外部機器インターフェース 117…バス 121…ディスプレイ 122…キーボード 123…マウス 124…HDD 125…メディア・ドライブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 19/00 G09F 19/00 Z

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】視聴者に露出する広告情報を選択する広告
    選択装置であって、 視聴者毎に各広告情報の視聴履歴を管理する広告視聴履
    歴管理手段と、 該広告視聴履歴を基に視聴者に露出すべき広告情報を選
    択する広告情報選択手段と、を具備することを特徴とす
    る広告選択装置。
  2. 【請求項2】前記広告情報選択手段は、視聴者が既に見
    たことがある広告が露出されないように広告情報を選択
    する、ことを特徴とする請求項1に記載の広告選択装
    置。
  3. 【請求項3】前記広告情報選択手段は、各広告情報につ
    いて視聴者に対する露出回数の上限を設定して、上限に
    到達した広告情報を視聴者に露出しないように制御す
    る、ことを特徴とする請求項1に記載の広告選択装置。
  4. 【請求項4】視聴者からのコンテンツ視聴要求に応答し
    て動作し、 前記広告情報選択手段によって選択された広告情報をコ
    ンテンツ中の広告挿入枠に挿入してからコンテンツを視
    聴者に提供する手段をさらに備える、ことを特徴とする
    請求項1に記載の広告選択装置。
  5. 【請求項5】前記広告情報選択手段は、コンテンツを提
    供するコンテンツ提供者と、コンテンツに付随して広告
    情報を提供する広告主と、コンテンツを視聴する視聴者
    とからなる情報提供空間におけるシステム全体の満足度
    を基に抽出された1以上の候補広告の中から選択する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の広告選択装置。
  6. 【請求項6】視聴者に露出する広告情報を選択する広告
    選択方法であって、 視聴者毎に各広告情報の視聴履歴を管理する広告視聴履
    歴管理ステップと、 該広告視聴履歴を基に視聴者に露出すべき広告情報を選
    択する広告情報選択ステップと、を具備することを特徴
    とする広告選択方法。
  7. 【請求項7】前記広告情報選択ステップでは、視聴者が
    既に見たことがある広告が露出されないように広告情報
    を選択する、ことを特徴とする請求項6に記載の広告選
    択方法。
  8. 【請求項8】前記広告情報選択ステップでは、各広告情
    報について視聴者に対する露出回数の上限を設定して、
    上限に到達した広告情報を視聴者に露出しないように制
    御する、ことを特徴とする請求項6に記載の広告選択方
    法。
  9. 【請求項9】前記広告情報選択ステップによって選択さ
    れた広告情報をコンテンツ中の広告挿入枠に挿入してか
    らコンテンツを視聴者に提供する手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の広告選択方法。
  10. 【請求項10】前記広告情報選択ステップは、コンテン
    ツを提供するコンテンツ提供者と、コンテンツに付随し
    て広告情報を提供する広告主と、コンテンツを視聴する
    視聴者とからなる情報提供空間におけるシステム全体の
    満足度を基に抽出された1以上の候補広告の中から選択
    する、ことを特徴とする請求項6に記載の広告選択方
    法。
  11. 【請求項11】視聴者にコンテンツを提供するコンテン
    ツ提供装置であって、コンテンツは広告情報を挿入する
    ための1以上の広告挿入枠を含んでおり、 視聴者が視聴要求するコンテンツ中の広告挿入枠に広告
    情報を挿入する広告情報挿入手段と、 広告挿入枠に広告情報が挿入されたコンテンツを視聴者
    に出力するコンテンツ出力手段と、 視聴者側における広告情報の再生を検知する手段と、 該広告情報の再生検知に応じて、広告情報の視聴履歴を
    記録又は外部装置に対する記録要求を発行する広告視聴
    履歴保存手段と、を具備することを特徴とするコンテン
    ツ提供装置。
  12. 【請求項12】前記広告情報挿入手段は、広告視聴履歴
    を基に、視聴者に露出すべきと選択された広告情報を広
    告挿入枠に挿入する、ことを特徴とする請求項11に記
    載のコンテンツ提供装置。
  13. 【請求項13】前記広告情報挿入手段は、広告視聴履歴
    を基に、視聴者が既に見たことがある広告が露出されな
    いように選択された広告情報を広告挿入枠に挿入する、
    ことを特徴とする請求項11に記載のコンテンツ提供装
    置。
  14. 【請求項14】前記広告情報挿入手段は、各広告情報に
    ついて視聴者に対する露出回数の上限を設定して、上限
    に到達した広告情報を視聴者に露出しないように制御し
    て選択された広告情報を広告挿入枠に挿入する、ことを
    特徴とする請求項11に記載のコンテンツ提供装置。
  15. 【請求項15】視聴者にコンテンツを提供するコンテン
    ツ提供方法であって、コンテンツは広告情報を挿入する
    ための1以上の広告挿入枠を含んでおり、 視聴者が視聴要求するコンテンツ中の広告挿入枠に広告
    情報を挿入する広告情報挿入ステップと、 広告挿入枠に広告情報が挿入されたコンテンツを視聴者
    に出力するコンテンツ出力ステップと、 視聴者側における広告情報の再生を検知するステップ
    と、 該広告情報の再生検知に応じて、広告情報の視聴履歴を
    記録又は外部装置に対する記録要求を発行する広告視聴
    履歴保存ステップと、を具備することを特徴とするコン
    テンツ提供方法。
  16. 【請求項16】前記広告情報挿入ステップでは、広告視
    聴履歴を基に、視聴者に露出すべきと選択された広告情
    報を広告挿入枠に挿入する、ことを特徴とする請求項1
    5に記載のコンテンツ提供方法。
  17. 【請求項17】前記広告情報挿入ステップでは、広告視
    聴履歴を基に、視聴者が既に見たことがある広告が露出
    されないように選択された広告情報を広告挿入枠に挿入
    する、ことを特徴とする請求項11に記載のコンテンツ
    提供方法。
  18. 【請求項18】前記広告情報挿入ステップでは、各広告
    情報について視聴者に対する露出回数の上限を設定し
    て、上限に到達した広告情報を視聴者に露出しないよう
    に制御して選択された広告情報を広告挿入枠に挿入す
    る、ことを特徴とする請求項14に記載のコンテンツ提
    供方法。
  19. 【請求項19】視聴者に露出する広告情報を選択する処
    理をコンピュータ・システム上で実行するように記述さ
    れたコンピュータ・ソフトウェアをコンピュータ可読形
    式で物理的に格納した記憶媒体であって、前記コンピュ
    ータ・ソフトウェアは、 視聴者毎に各広告の視聴履歴を管理する広告視聴履歴管
    理ステップと、 該広告視聴履歴を基に視聴者に露出すべき広告情報を選
    択する広告情報選択ステップと、を具備することを特徴
    とする記憶媒体。
  20. 【請求項20】視聴者にコンテンツを提供する処理をコ
    ンピュータ・システム上で実行するように記述されたコ
    ンピュータ・ソフトウェアをコンピュータ可読形式で物
    理的に格納した記憶媒体であって、コンテンツは広告情
    報を挿入するための1以上の広告挿入枠を含んでおり、
    前記コンピュータ・ソフトウェアは、 視聴者が視聴要求するコンテンツ中の広告挿入枠に広告
    情報を挿入する広告情報挿入ステップと、 広告挿入枠に広告情報が挿入されたコンテンツを視聴者
    に出力するコンテンツ出力ステップと、 視聴者側における広告情報の再生を検知するステップ
    と、 該広告情報の再生検知に応じて、広告情報の視聴履歴を
    記録又は外部装置に対する記録要求を発行する広告視聴
    履歴保存ステップと、を具備することを特徴とする記憶
    媒体。
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