以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態が適用される差替えCMシステムの構成例を示す図である。差替えCMシステムは、放送局(放送信号送信装置)100、放送信号受信装置140、CM配信用サーバ120、管理サーバ121を含む。放送信号受信装置140は、放送局(放送信号送信装置)100が放送する番組を受信するとともに、本発明の実施形態にかかるCM差替え装置330(後述する)を含む。放送局100および放送信号受信装置140は、ネットワーク130を介してCM配信用サーバ120(CM挿入サーバと称してもよい)および管理サーバ121と接続されている。また放送受信装置は、ネットワーク130を介して連携サーバと接続することも可能である。
放送局100は、番組を編成し、編成した番組を放送信号により放送信号受信装置140に放送する局である。放送局100は、放送信号送信装置とも呼ぶ。
放送局100は、CM会社110が製作したCMを、保存して管理するCM管理サーバ101を有する。放送局100は、CM管理サーバ101に保存されているCM(Commercial Message)を、放送する番組の途中に挿入して編成し一連の映像ストリームおよび音声ストリームとして、放送信号により放送信号受信装置140に放送(送信)する。なおCM会社110は、例えば契約に基づく広告主111からの依頼によりCMを製作し、製作したCMを放送局100のCM管理サーバ101に登録する。
また放送局100は、またネットワーク130と接続する機能を有し、ネットワーク130を介してCM配信用サーバ120および管理サーバ121と接続している。
CM配信用サーバ120は、ネットワーク130を介して接続されたCM管理サーバ101から送られてきた差替えCMを蓄積し、放送信号受信装置140からの要求に応じて蓄積している差替えCMを配信するサーバである。差替えCMは、CM製作会社110から送られてくる場合もある。
管理サーバ121は、放送信号受信装置140が受信する番組に関連する付加サービスを提供するためのサーバである。管理サーバ121が提供する付加サービスとは、例えば放送信号受信装置140が、ある番組を視聴しているユーザに、番組途中に挿入されているCMを差替えCMに置き換えて提供可能とするためのサービスである。つまり付加サービスの提供とは、差替えCMに置き換えることが可能なCMの時間枠を、放送信号受信装置140に提供することである。管理サーバ121が放送信号受信装置140に提供する差替えCMに置き換えることが可能なCMの時間枠は、放送局100のCM管理サーバ101から送られてくる差替えCM枠情報にもとづいている。なお差替えCM枠情報は、放送信号とともに送られてもよいが、管理サーバ121及び又はCM配信用サーバ120を介して送られてきてもよいことは勿論である。
また管理サーバ121は、放送信号受信装置140の視聴履歴を収集する機能も有する。放送信号受信装置140は、番組途中に挿入されているCMが差替えCMに置き換えた実績を視聴履歴の中に含めて送信する。
放送信号受信装置140は、放送局100から放送信号により放送される番組を受信する受信装置である。また放送信号受信装置140は、ネットワーク130と接続する機能を有し、ネットワーク130を介してCM配信用サーバ120と接続している。放送信号受信装置140は、CM配信用サーバ120から配信される差替えCMを、管理する記録媒体160(CM保存メモリを含む)に保存する。
さらに放送信号受信装置140は、放送される番組に関する付加サービスを受けるために、放送信号受信装置140の例えば機能設定画面を通じて、管理サーバ121との接続を設定することが可能である。放送信号受信装置140は、機能設定画面を例えばユーザが操作することにより、管理サーバ121との接続に必要な情報である例えば放送信号受信装置140の固有情報(機器IDとも言う)や放送信号受信装置140を使用するユーザの世帯の状況(世帯を構成する人の性別や年代)等を管理サーバ121に登録することができる。これにより管理サーバ121は、放送信号受信装置140の1台1台を、例えば放送信号受信装置140の機器IDによりユニークに識別することができる。
このように放送信号受信装置140は、機能設定画面を通じて管理サーバ121との接続のために必要な情報を登録することで、放送信号で受信する番組に関連する種々の付加サービスを、管理サーバ121から受けることができる。
またさらに放送信号受信装置140は、本実施形態に係るCM差替え装置を含む。放送信号受信装置140は、CM差替え装置に従って記録媒体160に保存されている差替えCMの中から最適な差替えCMを選択して表示画面に表示する機能を有する。このときは、放送信号受信装置140は、選択した最適な差替えCMを、管理サーバ121から送られてきた差替えCMに置き換えが可能な時間枠に当てはめて表示することで、番組を視聴する視聴者に適応的に提供することができる。
なお図1の例は、放送信号受信装置140が1つだけの場合であるが、1つに限定されない。複数の放送信号受信装置140が存在する場合、各々放送信号受信装置140は、各々が持つ機器IDにより、管理サーバ121により管理される。
図2は、放送局(放送信号送信装置)100の構成例を概略的に示した図である。放送局(放送信号送信装置)100は、CM管理サーバ101に蓄えられているCMを挿入して編成した番組の映像データや音声データ等を符号化(エンコードとも呼ぶ)して放送信号として送出する。
データ放送エンコーダ210は、編成された番組に関連するデータ放送のデータを符号化する機能を持つ。データ放送エンコーダ210は、データ放送のデータを符号化する。
映像エンコーダ211は、編成された番組の映像データを符号化する機能を持つ。映像エンコーダ211は、編成された番組の映像データを符号化する。
音声エンコーダ212は、編成された番組の音声データを符号化する機能を持つ。音声エンコーダ212は、編成された番組の音声データを符号化する。
字幕エンコーダ213は、編成された番組の字幕データを符号化する機能を持つ。字幕エンコーダ213は、編成された番組の字幕データを符号化する。
制御情報生成手段214は、TLVパケットおよびMMTの制御情報を生成する機能を持つ。TLVパケットの制御情報とは、IPパケットの多重に関する制御情報(TLV-SIとも呼ばれる)であり、選局のための情報やIPアドレスとサービスの対応情報を提供する。またMMTの制御情報とは、MMTのパッケージの構成や放送サービスに関連する制御情報(MMT-SIとも呼ばれる)である。制御情報生成手段214は、音声エンコーダ212、映像エンコーダ211がエンコード対象とした番組に関する制御情報を含むTLVパケットおよびMMTの制御情報の信号を生成する。
スクランブラ215は、音声エンコーダ212から出力された符号化された音声データ、映像エンコーダ211から出力された符号化された映像データを、CASモジュール216と連携してスクランブルする機能を持つ。
CASモジュール216は、スクランブラ215がスクランブルする際に使用する鍵を生成するモジュールである。
マルチプレクサ217は、データ放送エンコーダ210が符号化して生成したデータ放送ストリーム、映像エンコーダ211が映像データを符号化して生成した映像ストリーム、音声エンコーダ212が音声データを符号化して生成した音声ストリーム、字幕エンコーダ213が字幕データを符号化して生成した字幕ストリームおよび制御情報生成手段214で生成された制御情報を、MMT・TLV方式で多重する機能を持つ。マルチプレクサ217は、音声ストリーム、映像ストリーム、TLVパケットおよびMMTの制御情報を多重化したTLVストリームを生成する。
送信手段218は、TLVストリームからなる放送信号を放送波として送出する機能を持つ。送信手段218は、マルチプレクサ217が生成したTLVストリームを、16APSKなどの変調や誤り訂正符号化などの伝送路符号化処理を行い放送波として送出する。
図3は、本発明の実施形態を用いる放送信号受信装置(手段)140の構成を概略的に示した図である。放送信号受信装置140は、放送信号を受信する受信機能である基本機能341と制御手段342を含む。
基本機能341は、放送チューナ301、デマルチプレクサ302、デスクランブラ303、CASモジュール304、データ放送エンジン305、映像デコーダ306、音声デコーダ307、字幕デコーダ308、制御情報解析手段309、GUI320、合成器326を含む。
チューナ301は、放送信号で送られてきた放送信号(TLVストリーム)を受信する機能を持つ。チューナ301で受信した放送信号は、デマルチプレクサ302に入力される。
デマルチプレクサ302は、多重化されているTLVストリームを、データ放送ストリーム、映像ストリーム、音声ストリーム、字幕ストリーム、制御情報に分離する機能を持つ。デマルチプレクサ302は、分離したデータ放送ストリーム、映像ストリーム、音声ストリーム、データ放送ストリーム、字幕ストリームをデスクランブラ303に、制御情報であるSI信号を制御情報解析手段309にそれぞれ入力する。
デスクランブラ303は、入力されたデータ放送ストリーム、映像ストリーム、音声ストリーム、字幕ストリームを、CASモジュール304と連携してデスクランブルする機能を持つ。デスクランブラ303は、デスクランブルしたデータ放送ストリームをデータ放送エンジン305に、映像ストリームを映像デコーダ306に、音声ストリームを音声デコーダ307に、字幕ストリームを字幕デコーダ308にそれぞれ入力する。
CASモジュール304は、デスクランブラ303でデスクランブルする際に使用するキーを生成する機能を持つ。
データ放送エンジン305は、入力されたデータ放送ストリームの受信処理を行う機能を持つ。データ放送エンジン305は、受信したデータ放送ストリームを表示用のデータに変換して合成器326に送る。合成器326に送られたデータ放送用のデータは、映像データ等と合成され、表示手段350に表示される。
映像デコーダ306は、入力された映像ストリームを復号化(デコード)する機能を持つ。映像デコーダ306は、映像ストリームを復号し表示手段350に表示する信号を生成する。
音声デコーダ307は、入力された音声ストリームを復号化する機能を持つ。音声デコーダ307は、音声ストリームを復号しスピーカ351に出力する信号を生成する。字幕デコーダ308は、字幕ストリームを復号化し、表示手段350に表示する信号を生成する。
復号化された映像信号および字幕信号およびデータ放送用信号は、合成器326で合成され表示手段350に出力される。また復号化された音声信号は、スピーカ351に出力される。
制御情報解析手段309は、放送信号の制御情報であるSI信号の解析を行う。制御情報解析手段309は、SI信号の解析を行うと、その解析結果を制御手段342に送る。
制御手段342は、放送信号受信装置140の全体的な動作の制御を行う。また制御手段342は、本発明の実施形態に係るCM差替え装置330を内部に持ち、その制御を行う。また制御手段342は、ネットワーク130とのI/FであるネットワークI/F331および外部機器との接続I/Fである外部入力I/F332の制御も行う。
また制御手段342は、CM差替え装置330が出力した差替え制御信号に従って記録媒体160に保存されている差替えCMの中から放送信号受信装置140の視聴者に最適な差替えCMを選択し、管理サーバ121から受信した差替えCMに置き換えることが可能な時間枠のCMを、選択した差替えCMに置き換えて表示する制御を行う。
図4は、図1の構成においてネットワーク系を省略し、差替えCMシステムの構成例を簡素化して示す図である。
放送装置100から放送信号受信装置(テレビ受信機)140へ放送コンテンツ、コンテンツID、CM提示タイミング(CM枠情報)が送出される。ここで、コンテンツIDは、放送コンテンツをユニークに識別するIDであり、CM提示タイミングは、放送コンテンツに含まれるCMの提示時刻を示す信号(同時に差替えCMを挿入可能な時間帯を示す信号)である。例えば、CM枠情報は、管理サーバ121を経由して送信されてもよい。ここでは、CM枠情報は、差替えCMが実際に挿入されることは決定されておらず、放送信号受信装置140では、放送信号に含まれるデフォルトのCMが提示(表示)される場合もある。
放送信号受信装置140は、CM配信用サーバ120へ、コンテンツIDと放送信号受信装置104自身の受信装置IDを送出する。受信装置IDは、この放送信号受信装置140をユニークに識別するIDである。したがって本受信装置IDにより、CM配信用サーバ120は、放送信号受信装置140へのCMの送出要求を行うことも可能である。
CM配信用サーバ120は、コンテンツIDと受信装置IDに基づいて生成した、推奨すべきCM情報(推奨CM或いは差替えCM)を放送信号受信装置104へ送出する。この推奨CMとは、当該受信装置IDを有する受信装置の視聴者が、当該コンテンツIDに対応する番組(コンテンツ)を視聴している場合に、当該視聴者へ提示されるCMのことである。CM配信用サーバ120は、放送装置100から独自に使用可能な差替えCM枠情報を取得することができる。
放送信号受信装置104は、まずコンテンツ(番組)の受信を開始すると、コンテンツに適合する推奨CMをプリロードしてメモリへ格納することになる。メモリに一時的に格納されている推奨CM(差替えCM)は、現在受信中のコンテンツ(番組)の途中のオリジナルのCM(オリジナルCMを差し替えてよいと許可されている時間帯のCM)と差し替えられる。
視聴者とこの視聴者へ提示したいCMを関連付ける方法は、種々の方法が可能である。例えば、視聴者Aが視聴する番組のジャンル、出演者、視聴時刻などを視聴ログとして蓄積し、視聴ログデータを分析することで、視聴者Aの嗜好性を特定する方法がある。視聴者Aの嗜好性が分かると、視聴者Aに適合するであろうCMを推定することができる。この推定情報に基づきCMの属性情報を設定することができる。ここで視聴者Aに適合するであろうと推定された推奨CMは、1つとはかぎらない。複数が存在する場合がある。この場合、推奨CMに優先順位が付加されてもよい。
ここで、受信装置140は、常時、視聴ログデータを視聴ログデータベース121aへ送出し、視聴ログデータベース121aは、受信装置140の視聴ログを保管する。CM推奨装置121bは、CMの属性を決定する際に、視聴ログデータベース121aから出力される視聴ログを参照する。CMの属性とは、例えばCM対象の商品のジャンル、CMの出演者等を示し、ビジネスモデルによって柔軟に設定可能である。例えば、視聴ログデータベース121aにおいて、視聴履歴がスポーツ番組であった場合、視聴者はスポーツを好む嗜好性がある。このような場合、スポーツウエアのCM、野球やサッカーのスタジアムのCMなどの属性を、当該番組(コンテンツ)に関連付けることができる。
上記のように放送信号受信装置140では、本編に含まれている複数のデフォルトCMの一部がCM差替え許可期間に、推奨CMに差し替えられる。
ここで、プリロードのタイミングの遅れやチャンネル切り替えにより、推奨CMへの差し替えが実行されないこともある。また、推奨CMのスポンサーは、推奨CMの視聴状況を知りたいという要望もある。
そこで受信装置140は、CM配信用サーバ120から取得したCMの提示が成功したか、失敗したかをCM提示結果管理装置121cへ報告する。
また放送信号受信装置140はあらかじめ、コンテンツIDと受信装置IDの関連情報をCM配信用サーバ120へ出力する。これによりCM配信用サーバ120は、受信装置とコンテンツと、対応するCMの関係情報を構築しておくことができる。
上記の説明は、一例を述べている。放送信号受信装置140がCM配信用サーバ120に受信開始したコンテンツのコンテンツID、受信装置IDを送信するとして説明した。これは、プリロードを早く実行させるためである。CM推奨装置121bとCM配信用サーバ120間でも時間遅延の問題が無い場合がある。この場合は、このコンテンツID、受信装置IDは、CM推奨装置121bを介してCM配信用サーバ120に送信されてもよい。
図5に本実施形態に係る差替えCMシステムをさらに詳細を示す。
受信装置140は、放送受信部301−4(チューナなどを含む)により放送信号を受信し復調し、選択部330aへ放送ストリームを出力する。ID管理部342bは、受信しているコンテンツIDと受信装置IDとをCM配信用サーバ120へ送出する。さらに、CM選択制御部330dは、選択部330aを制御する。
ネットワーク送受信装置331は、CM配信用サーバ120から送信される推奨CM(差替えCMと称してもよい)を受信し、選択部330aへ出力する。選択部330aは、CM選択制御部330dからの制御信号に基づいて、推奨CMをCM保存メモリ330bへ格納させる(プリロード)。
CM選択制御部330dは、CM保存メモリ330bと、スイッチSW,FIFO部(ファーストインファーストアウトメモリ)を制御する。CM選択制御部330dは、復調した放送信号のサービスデータ中からCM差替え許可枠を含むCM枠情報を復調した放送信号のサービスデータ中から抽出している。一方、CM差替え許可枠を含むCM枠情報は、各番組毎の放送と同時に送られてもよく、事前に番組リストをとともに送られてきてもよい。CM差替え許可枠を含むCM枠情報は、基本的には管理サーバ121から送られてもよいし、CM挿入サーバ120から送られてもよい。
CM選択制御部330dは、CM枠情報を保持しており、CM差替えタイミングが近づくと、FIFO部330eにもスイッチ330cを介して差替え用のCMコンテンツを書き込む処理を行う。つまり、FIFO部330eでは、CM切替タイミングに従って、放送ストリームと推奨CMストリームの切り替えが行われている。そしてCM選択制御部330dは、差替え期間に、FIFO部330eから推奨CMストリームを読出し、デコーダ305において復号させる。FIFO部330eから出力される信号は、デコーダ305、描画部306を経て、液晶パネル等の表示装置350に提示される。
なお上記の説明では、CM差替え許可枠を含むCM枠情報は、放送信号とともに放送信号受信装置140で取り込まれるとして説明したが、CM配信用サーバ(CM挿入サーバ)120に予め複数のコンテンツ用として保持されていてもよい。そして、放送信号受信装置140から再生が開始されたコンテンツIDをCM配信用サーバ120が受信したときに、このCM配信用サーバ120は対応する放送信号受信装置へCM差替え許可枠を含むCM枠情報を送信してもよい。
一方で、システム制御装置342は、CM保存メモリ330bの制御および視聴ログの収集制御を行う(視聴ログ収集部342a)。視聴ログは、外部の視聴ログデータベース121aへ送信される。視聴ログ収集部342aは,視聴した前記放送コンテンツの視聴ログのデータから差替えCMを決める判断材料を生成することができる。またユーザは、敬遠すべき差替えCMの属性情報をここで指定できるようにしてもよい。なお視聴ログ収集部342aは,外部のサーバ(管理サーバ121)に設けられてもよい。
システム制御装置342は、外部のリモートコントローラ360の操作指示に従い、放送信号受信装置全体の動作制御を実施する。
放送装置100は、内部にコンテンツデータベースを有する。本実施例では、コンテンツA、コンテンツB、コンテンツCを一例として示している。放送装置100は、これらコンテンツの中から選択部131によって何れかのコンテンツを選択し、エンコーダ123にて、エンコードし、CMタイミング情報(CM枠情報)を多重部134で多重し、放信号生成、送出処理部135で放送信号として送出している。
管理サーバ121はシステム制御部121−5を備え、基本動作はこの制御部の命令に従って動作する。管理サーバ121は、視聴ログデータベース121a,CM提示結果管理サーバ121cを有する。管理サーバ121内のCM推奨装置121bは、放送信号受信装置のID管理部121−1、視聴傾向解析部121−2を備える。また各放送信号受信装置の視聴傾向が推定された場合、この視聴傾向に関連する推奨CMの属性情報(ジャンル、出演者、製作者嗜好など及びこれらの組み合わせを含む情報)を作成する(121−3)。
1つの放送信号受信装置に対応する推奨CMは、1つではなく、複数が存在する場合がある。この場合、複数の推奨CMの属性情報には、優先順位が付与されている。優先順位は、視聴回数や、類似するコンテンツの視聴回数などで順位が与えられている。また複数の推奨CMは、数の上限が設定されている。
このように、放送信号受信装置140から送付される受信装置ID、視聴コンテンツIDなどを、内部のデータベースと比較したり、参照したりした後、視聴者(放送信号受信装置)の視聴傾向(嗜好性)を特定する。次にこの視聴傾向(嗜好性)により類推されて決定される推奨CMの属性情報(例えばジャンルなど)を算出し、受信装置ID、コンテンツIDと共にCM配信用サーバ120へ出力する。なお、視聴傾向データベース(視聴者嗜好データベース)は、視聴ログデータベースに保存された各受信装置の視聴ログを用いて、各受信装置毎の視聴傾向を算出する。
CM配信用サーバ120では、あらかじめ、受信装置140より送られたコンテンツIDとCM推奨装置121bから得られるコンテンツIDに対応する推奨CM属性に基づいて、所定のCMを選択する。今、本実施例では、コンテンツAに対応するCMをCMa1、CMa2、CMa3、コンテンツBに対応するCMをCMb1、CMb2、CMb3、コンテンツCに対応するCMをCMc1、CMc2、CMc3と関連付けを行っている。これらの関連は、放送信号受信装置140から送付されるコンテンツIDに対応して、関連付けが行われる。例えば放送信号受信装置140からコンテンツAのIDが送られてきた場合、コンテンツAに対応するCMをCMa1、CMa2、CMa3の中から選択することで、放送信号受信装置140に向けて配信されるべきCMが決定される。
即ち、コンテンツIDとCM属性からCM選択部120−1により所定のCMが選択され、エンコーダ120−2を経由して、ネットワーク送受信装置102−3により、放送信号受信装置140に送信される。
次に、図6、図7、図8、図9A、図9B、図10を参照して各部の動作をさらに説明する。
図6に、放送信号受信装置140とCM配信用サーバ120との関係を示すフローチャートである。まず放送信号受信装置140では、CM保存メモリ330bのサイズを算出する(現在の残り容量でもよい)(SA1)。次に、放送信号受信装置IDと受信したコンテンツIDをCM配信用サーバ120へ送出し(SA2)、望ましい推奨CMを複数受信し保存する(SA3)。保存する際に、推奨CMのサイズを取得し、あらかじめ算出された推奨CMの保存メモリ330bのサイズに応じた複数の推奨CMを取得する。また保存の際に、CMの数をカウントする(SA3)。
CM配信用サーバ120は、SB1,SB2に示すように、放送信号受信装置140からの要求に応じてこの受信装置と受信中のコンテンツに適した推奨CMを受信装置140へ送信する。
受信装置140は、コンテンツの切り替えがあったかチェックする(SA4)。切り替えがあった場合は、SA1に戻る。この場合、CM保存メモリ330bをクリアしてもよいが、一部の推奨CMを残しておいてもよい。
コンテンツの切り替えが無かった場合は、推奨CMの提示時間になったどうかを監視する(SA6)。推奨CMの提示時間の前の場合は、SA4に戻る。推奨CMの提示時間になると、優先度の高い推奨CMを再生して提示する(SA7)。つぎに、CM保存メモリ330bに格納している推奨CMの数が“0”になっているかどうかをチェックする(SA8)。格納している推奨CMの数が“0”の場合は、CM差替え機能は終了する(SA9)。格納している推奨CMが残っている場合は、SA4に戻り、次のCM枠の時間まで待機する。
受信装置140は、CM提示結果の実績を管理サーバ121へ送信する。送信内容としては、例えば推奨CMの全部を提示した、或いは優先順位何番目までの推奨CMを提示した、或いは失敗があった(1つのCMの全期間分を提示できなかった)などである。
図7は、視聴者のアクションAU、受信装置140の動作、CM配信用サーバ120などの動作のタイミングチャートを示している。視聴者により、チャンネル切り替えAU1が発生したタイミングで、受信装置140は選局された放送局の放送コンテンツを提示する。並行して、受信装置140は、CM配信用サーバ120へ受信装置IDとコンテンツIDを送出し、CMのプリロードを開始する。プリロードされたCMは、CM保存メモリ330bに保存され、放送装置100より送出されてくるCM開始制御dt2により、放送コンテンツ提示dt1から、CM保存メモリ330bに保存されたCMに切り替え、差替えCMの提示を実施する。これによりCM提示dt3状態となる。さらに、CM終了制御dt4により、CM保存メモリ330bからのCMの提示を終了し、放送コンテンツの提示dt5に戻すことで、差替えCM動作を完了する。
CM終了制御dt4のタイミングで、図6で説明した動作に従い、CM提示結果をCM提示結果管理サーバ121cへ通知する。この通知が終了すると、受信装置140は、次回のCM提示に備え、CM保存メモリ330bから、優先度が高い次回提示する差替えCMをセットする。
図8は、CMの提示タイミングを制御するCM開始制御とCM終了制御を説明するための図である。放送装置100は、放送信号に含まれる放送コンテンツのタイムスタンプを送信している。また放送装置100は、このタイムスタンプを基準にしてCMの提示タイミングをコンテンツのスタート時点からの相対時刻で示す情報を送信している。
受信装置140は放送装置100からのタイムスタンプに内部カウンタを同期させる。そして、内部カウンタをカウントアップし、前記CMの提示タイミングである前記相対時刻に達した際(映像切り替わり時点dt)に、切り替えのタイミング信号を生成する。このタイミングが図7の映像の切り替わりがCM開始制御dt2に相当する。本動作では、受信装置140の内部カウンタと放送装置100のタイムスタンプとの時間同期が行われているため精度の良い切り替えが可能となる。同様な動作により、CM終了制御dt4も実現される。
映像切り替わり時点dtは、差替えCM枠情報に含まれる値と比較されて、切り替え動作が決定されてもよい。これにより、本編に含まれるデフォルトのCMを出力することも、差替えCMを出力することも任意に制御可能となる。
図9Aと図9Bは、コンテンツの本編と差替えCMの切り替えを実現する回路ブロックの例を示している。図9Aの実施形態においては、放送信号は、差替えCM期間を除く期間は、スイッチ330c、FIFO部330e,デコーダ305のルートでデコードされる。CM選択制御部330dは、スイッチ330eの切り替え制御を行うもので、差替えCM期間は、CM保存メモリ330dから読出したCMコンテンツがFIFO部330eに書き込まれ読出しされるように制御する。逆に、差替えCM期間を除く期間は、放送信号に含まれる放送コンテンツががFIFO部330eに書き込まれ読出しされるように制御する。制御手段342は、FIFO部330eの動作開始、デコーダ305のデコード動作の制御を行う。CM選択制御部330dは、CM開始制御情報、CM終了制御情報に基づいて、スイッチSWを制御している。CM開始制御情報、CM終了制御情報は、差替えCM枠情報から、時刻順に取り出した情報である。
図9Aの実施形態においては、差替えCMと放送コンテンツの本編とのデコードが、同じデコーダ305で行われた。これに対して図9Bの実施形態は、放送コンテンツと差替えCMをデコードするデコーダがデコーダ305A、305Bとして用意されている。このデコーダ305A、305Bは、フレーム同期して動作する。
デコーダ305Aは、放送コンテンツを順次デコードしている。したがって、放送コンテンツに含まれるデフォルトのCMもデコードして出力する。一方、デコーダ305Bは、CM保存メモリ330bから読みだされた差替えCMのコンテンツをデコードしている。
この場合、CM選択制御部330dは、例えば1フレーム或いは数フレーム分先行して、差替えCMをデコードし、フレームメモリ(図示せず)で巡回させていてもよい。そして、CM開始制御情報、CM終了制御情報に基づいて、スイッチ330gを制御して、CM差替えを実現してもよい。
図10は、例えばCM配信用サーバ120内において、コンテンツに対して好ましいCMが割り当てられている様子を示す。コンテンツAには、CMのCMa1、CMa2、CMa3、コンテンツBにはCMのCMb1、CMb2、CMb3、が関連付けられているものとする。ここでCMa1は属性1(スポーツ)であり、CMa2は属性2(乗り物)であり、CMa3は属性3(アパレル)であるものとする。さらに属性1(スポーツ)は、小分類され属性11(ゴルフ)、属性12(野球)属性13(サッカー)が関連付けられているものとする。また属性2(乗り物)も、小分類され属性21(自動車)、属性22(バイク)、属性23(鉄道)が関連付けられているものとする。また属性3(アパレル)も、小分類され属性31(大人男性)、属性32(大人女性)、属性33(子供)が関連付けられているものとする。同様にコンテンツBのCMb1、CMb2、CMb3にも属性が関連付けられているものとする。
コンテンツAに関連するCMは、例えばコンテンツAで話題となっているものに関連したCMが関連付けられている。コンテンツAの場合、例えば、スポーツ好きな登場人物Xが、一人の選手Yが転々と試合スタジアムに移動するのを、高級車で追いかけていくというストーリーであるとする。また登場人物Xが選手Yに種々のウエアをプレゼントするシーンがあるものとする。
このような場合、例えば視聴者AUがコンテンツAを受信し視聴開始したとする。また視聴者AUに紐づいた視聴ログなどの情報に基づいて、当該視聴者AUの受信装置の属性が属性13を推奨すると判断されているものとする。すると、CM配信用サーバ120内においては、視聴者AUの受信装置から視聴開始したコンテンツID(コンテンツAに対応する)と、受信装置IDが送られてきたとき、属性13に対応する差替えCMが視聴者AUの受信装置へ送信されることになる。上記の場合は、サッカーに関するCMであり、例えばサッカーに使用するウエア、靴、ボール、サッカースタジアムなどのCMである。
上記のように放送コンテンツに紐付けられている差替えCMは、放送コンテンツの視聴履歴の分析結果に基づく視聴者の嗜好性と、この嗜好性に類似性(類似度が大きい或いは距離が近いということもできる)をもつCMの中から決定されたものである。
次に上記した実施形態に含まれる複数の観点を以下に記載する。即ち、
<観点A>
(A1)例えば図5に示されるように、放送コンテンツを受信し復調する受信及び復調部301−4と、前記放送コンテンツを視聴した視聴履歴を生成する視聴ログ収集部342aと、前記放送コンテンツが再生されている期間内のCM期間に、特別な割当期間を指示する差替えCM枠情報を取得する差替えCM枠情報取得部330dと、前記放送コンテンツに紐付けられている差替えCMを外部から取得するCM保存メモリ330bと、
前記差替えCM枠情報に基づき前記特別な割当期間に、前記差替えCMを再生用として選択するスイッチ330cと、を備え、前記差替えCMは、前記視聴履歴を利用して視聴傾向とCMの属性との類似度に基づいて優先度が付与されていることを特徴とする。
上記の観点A1によると、効果的で効率の良いアドレッサブルCMの提示を実現する。この実現のために、放送信号受信装置から出力される視聴ログの分析結果を利用し、個々の放送信号受信装置の視聴傾向を分析し、当該放送信号受信装置へのCMを選択して提供できる。つまり分析された視聴傾向とCMの属性情報との距離計算(類似度の判定)を行うことで、優先度の高い広告提示を実施する。さらにまたCMの属性情報と放送コンテンツ(本編)が持つ属性との類似性(近似性)が判断されて差替えCMが各受信装置へ提示されるので、視聴者により適切な差替えCMを提供できる(例えば図10参照)。
このように、放送コンテンツ(本編)と提示可能なCMを関連付けることが可能であり、また、本編コンテンツと関連付けられたCMの中で提示すべきCMを推奨するため、CMの提供主体は、広告意図を容易に反映できる方式となっている。またCMの属性情報と視聴ログをベースとした視聴傾向から算出された視聴者側の属性情報の距離の計算(類似度の判定)を行っており、この類似度に基づきCMの入れ替え、追加、削除などが柔軟に対応可能となる。
また、CMの差替えタイミングが選定されてもよい。つまり、放送コンテンツのシーンに応じて、次の差替えCMのタイミングの設定も可能となる。例えばシーンの内容がレストランで豪華な食事をするような内容であった場合、視聴者の町のレストランの差替えCMが挿入されることが可能となる。ただし視聴者から取得したアンケートなどで、好みの料理、好まない料理が分かっていた場合、好みの料理を提供してくれるレストランの差替えCMを提供することも可能となる。
(A2)上記観点(A1)において前記CM枠情報取得部は、前記差替えCM枠情報を外部サーバから取得する。
(A3)上記観点(A1)において、前記差替えCM取得部は、再生優先順位が付された複数の差替えCMを取得する。
(A4)上記観点(A1)において、前記放送コンテンツに紐付けられている差替えCMは、前記放送コンテンツの視聴履歴が分析結果に基づく視聴者の嗜好性と、この嗜好性に類似性をもつCMの中から決定されたものである。
(A5)上記観点(A1)において、前記放送コンテンツに紐付けられている差替えCMは、前記放送コンテンツの視聴履歴の分析結果に基づく視聴者の嗜好性と、この嗜好性に関連する属性をもつCMの中から決定されたものである。
<観点B>
(B1)上記の観点(A1)において、例えば図5、図7、図8に示されるように、スイッチ330cは、CM選択制御部330dにより制御され、前記差替えCM又はコンテンツ本編の何れかを選択する。CM選択制御部330dは、前記差替えCM枠情報に基づき動作する。これによりスイッチ330cは、前記特別な割当期間に、前記差替えCMを再生用として選択する。
この場合、放送信号受信装置140の内部カウンタが前記放送コンテンツに付随して送られてくる相対タイムスタンプ(相対時刻情報)に同期される。そしてこの観点B1では、前記CM選択制御部330dは、前記内部カウンタの値が差替えCM枠情報の差替えCM開始時刻となった時に、差替えCMの提示をスタートさせ、前記内部カウンタの値が前記差替えCM枠情報の差替えCM終了時刻となった時に、差替えCMの提示を終了させる装置又は方法である。
本編の放送コンテンツから広告の切り替わり時に、サーバからの動画を受信して提示を行う方式が考えられるが、切り替わり時に画像の不連続となり、大きな劣化が生じる。
しかし上記の観点(B1)によると、差替えCM取得するCM保存メモリ330bにおいて、広告を一時的に放送信号受信装置内部に保存することで、番組コンテンツとサーバから取得した広告との切り替えをスムーズに実施することが可能となる。広告の切り替わりタイミングに合わせて受信機内メモリから提示をすることで、動画像の連続性に大きな劣化を生じない。切り替わりタイミングも既存デジタル放送で実施されている放送送出側と受信機側で同期している内部カウンタを使うため、切り替わりタイミングの精度を高くすることができる。
(B2)上記の観点(B1)において前記差替えCM枠情報の差替えCM終了時刻となった後は、CM提示の結果が成功したか否か、外部のサーバへ通知する手段を備える。
(B3)上記観点(B1)において、差替えCMがプリロードされる前と、プリロード中に、CM保存メモリ330bの容量は、管理サーバ121或いはCM配信(挿入)サーバ120へ通知される。この通知は、CM選択制御部330dが行ってもよいし、システム制御部342が行ってもよい。
ここで、CM保存メモリ330bの残り容量が少ない場合、つまり、サーバ120からプリロードしたCM数が多かったり、データ量が多い場合、CM選択制御部330d或いはシステム制御部342は、プリロードを停止(中止)してもよい。
或いは、逐次、CM選択制御部330d或いはシステム制御部342が、CM保存メモリ330bの容量を管理サーバ121或いはCM配信(挿入)サーバ120へ通知することで、管理サーバ121或いはCM配信(挿入)サーバ120がプリロードの停止(中止)を決定するようにしてもよい。これは差替えCM配信用サーバ120において、多くの差替えCMが用意されている場合に有効である。
<観点C>
(C1)上記の観点B1において、前記差替えCM取得部330bは、前記放送コンテンツに紐付けられている差替えCMを外部から取得するが、この取得に先立ち、ネットワーク送受信部331は、CM保存メモリ330bの現在の残り容量をCM配信用サーバ120へ送信する。CM配信用サーバ120は、放送信号受信装置140へ提示するべき差替えCMが複数ある場合は、現在の残り容量に見合った差替えCMのコンテンツを、優先順位の高い順に放送信号受信装置140へ送信する装置又は方法である。
このことは、放送信号受信装置140の立場にあっても実現可能である。つまり、放送受信装置140は、放送コンテンツを受信し復調する受信及び復調部と、前記放送コンテンツが再生されている期間内のCM期間に、特別な割当期間を指示する差替えCM枠情報を取得する差替えCM枠情報取得部と、前記放送コンテンツに紐付けられ、かつ視聴者嗜好性に関連つけられている差替えCMを外部から取得し格納する差替えCM保存メモリとを備える。さらに前記差替えCM枠情報に基づき前記差替えCMの前記割当期間に前記差替えCMを再生するCM選択部を備える。さらにまた前記差替えCMを取得するのに先立ち、前記CM保存メモリの残り容量を監視し、前記差替えCMを前記CM保存メモリに格納する際、優先度の高い前記差替えCMを格納させる制御部と、を備える。
通常、複数のCMを動画コンテンツとして保存する場合は、大容量のメモリが必要となるが、本方式では、チャンネルの切り替わり時にサーバよりプリロードすることで小容量のメモリによって実現が可能となる。また、あらかじめ、放送信号受信装置側の保存メモリサイズを測定することで、保存する広告の数を柔軟に設定でき、実装が用意となる。
一方で、プリロードを失敗すると、サーバより取得した広告の提示に失敗するが、その際には、本来放送コンテンツに挿入されている広告を提示することで視聴者に対する画質の劣化を起こさない。また、広告を送出した側は、広告提示が成功したか、失敗したかの通知を受けるため、ビジネスモデルの構築も容易となる。本方式は、このようなベストエフォートな方式であるにも関わらず、動画像に劣化を生じることがなく視聴者の不利益にはならない。
なお差替えCMの優先度は、CM製作会社とそのCM提供者の意図により、優先度のレベルを付与することも可能である。例えば、特定の番組の視聴者に、見てもらいたいCMに関しては優先度を高くすることも可能である。さらには、シーズンに応じて、優先度を調整することも可能である。
(C2)上記観点C1において、CM保存メモリ330dの現在の残り容量が、1つの差替えCMのコンテンツをも格納できない容量であった場合、差替えCMを送信することは不可能であることを放送信号受信装置へ通知する。この場合、放送信号受信装置140は、CM差替え処理を実行せず、放送信号ととともに送られてくるデフォルトのCMを再生することになる。
(C3)つまり、CM保存メモリの残り容量を外部サーバに通知することで、前記外部サーバは、前記差替えCMの取り扱いに関する情報送信し、受信側はこの取扱いに関する情報に基づいて動作する。例えば、優先度の高い差替えCMだけを格納する、或いは差替えCMは格納せず、放送信号に含まれているデフォルトのCMを再生するなどである。
なお図1に示したアドレッサブル広告システムの構成例では、放送局(放送信号送信装置)100は、MMT・TLV方式で多重された放送波を送信し、放送信号受信装置140は、MMT・TLV方式で多重された放送波を受信する場合を例に説明したが、放送波がMPEG−2方式で多重されたものであってもよい。あるいはまた図1に示したアドレッサブル広告システムの構成例では、放送局(放送信号送信装置)100は、ネットワーク130を介して、番組コンテンツを放送信号受信装置140に配信してもよい。
つまり本発明で言う放送コンテンツは、地上波、衛星波に加えて、ネットTV放送(IP放送)において送信されてくる放送コンテンツであってもよいことは勿論のことである。
また図1に示したアドレッサブル広告システムの構成例では、放送信号受信装置140が1つだけ含まれている例であるが、複数含まれていてもよいことは勿論である。この場合管理サーバ121は、放送信号受信装置140の各々が持つ機器IDを用いて、複数ある放送信号受信装置140を識別し管理することが出来る。
また本発明の実施形態にかかるCM差替え装置330は、放送信号受信装置140に含まれるとして説明したが、放送信号受信装置140と通信可能であり個々の放送信号受信装置140をその機器IDにより識別することが可能な別体の中にあってもよい。この別体は、例えば管理サーバ121であってもよい。
この場合、またCM差替え許可枠情報(CMを差し替えてよいというタイミング情報)は、管理サーバ121、CM配信用サーバ120などのいずれで準備されていてもよい。さらにまた、放送信号受信装置140は、ユーザの操作により、CM差替え処理が禁止できる機能を備えてもよい。また、差替えCMの例えば代表画像が表示手段350に表示する機能が設けられてもよい。また差替えCMの代表画像が複数表示された場合、ユーザは、操作により、各代表画像に対して「CM差替え許可する」、「CM差替え許可しない」などを操作ボタンで指定できるようにしてもよい。さらにまた差替えCMが表示されているときは、差替えCMであることのメッセージが表示される機能が設けられてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらにまた、請求項の各構成要素において、構成要素を分割して表現した場合、或いは複数を合わせて表現した場合、或いはこれらを組み合わせて表現した場合であっても本発明の範疇である。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。