JP2002363864A - 吸水性布帛 - Google Patents

吸水性布帛

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JP2002363864A
JP2002363864A JP2001165130A JP2001165130A JP2002363864A JP 2002363864 A JP2002363864 A JP 2002363864A JP 2001165130 A JP2001165130 A JP 2001165130A JP 2001165130 A JP2001165130 A JP 2001165130A JP 2002363864 A JP2002363864 A JP 2002363864A
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water absorption
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polyester
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Kiyoshi Yoshida
義田  潔
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水拡散性能が高く、耐久性に優れ、かつ染
色堅牢度、風合に優れたポリエステル繊維と非ポリエス
テル繊維との混用布帛を提供する。 【解決手段】 ポリエステル繊維と非ポリエステル繊維
との混用布帛であって、洗濯30回後のバイレック法に
おける吸水高さが4cm以上でかつ吸水拡散面積が3c
2以上であることを特徴とする吸水性布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル繊維
と非ポリエステル繊維の混用布帛であって、耐久性に優
れた高い吸水拡散性能を保持する吸水性布帛に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】スポーツ衣料、肌着などに用いられる衣
料用布帛には種々の特性が要求されており、特に着用時
に、汗により布帛全体が濡れたときにべたつき感を生じ
たり、乾燥性が悪いために汗をかいた後に冷え感を生
じ、不快感を覚えることがあるため、着用時の快適性の
向上が求められている。
【0003】従来より、スポーツ衣料や肌着には着用時
の強力および耐久性の点からポリエステル/綿混紡糸か
ら構成された布帛が使用されているが、吸水性能、速乾
性に劣り、着用時の快適性に劣るという問題がある。そ
こで、疎水性であるポリエステル繊維の親水性を高める
ため、特開昭62−6983号公報には、ポリエステル
繊維の親水化加工を行い、吸水性、速乾性を高めること
が記載されている。
【0004】しかしながら、例えばポリエステル繊維と
綿の混用品においては、ポリエステル繊維の染色加工後
に行われる綿側の染色加工において、染色堅牢度を向上
させるために行われるポリカチオン系のフィックス剤で
の処理や、ヌメリ感のあるソフトな風合を得るために行
われるカチオン系の柔軟剤とフィックス剤との同浴また
は後浴による柔軟処理によって、布帛の吸水性能が著し
く阻害されるという問題がある。
【0005】従って、風合が良好で染色堅牢度に優れ、
かつ、吸水拡散性、速乾性能において耐久性の高いポリ
エステル繊維と非ポリエステル繊維との混用布帛は、こ
れまで得られていないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情を背景としてなされたものであり、ポリエステル繊
維と非ポリエステル繊維との混用布帛であって、高い吸
水拡散性能を保持し、しかもその耐久性に優れた吸水性
布帛を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の通りであ
る。 1.ポリエステル繊維と非ポリエステル繊維との混用布
帛であって、洗濯30回後のバイレック法における吸水
高さが4cm以上でかつ吸水拡散面積が3cm 2以上で
あることを特徴とする吸水性布帛。
【0008】2.洗濯30回後の吸水拡散面積およびバ
イレック法における吸水高さの変化率が、未洗濯時の吸
水拡散面積およびバイレック法における吸水高さの50
%以下であることを特徴とする上記1記載の吸水性布
帛。 3.ポリエステル繊維の含有量が30wt%以上である
ことを特徴とする上記1または2記載の吸水性布帛。
【0009】4.非ポリエステル繊維が、セルロース繊
維、絹、ナイロン繊維、アクリル繊維、弾性繊維から選
ばれた少なくとも一つ以上であることを特徴とする上記
1〜3のいずれかに記載の吸水性布帛。 5.ポリエステル繊維と非ポリエステル繊維との混用布
帛を、分散染料で染色するに際し、芳香族ポリエステル
ポリエーテルブロック共重合体からなる吸水加工剤を添
加して染色し、次いで、第4級アンモニウム塩からなる
フィックス剤およびカルボキシル基を含有する両性タイ
プ柔軟剤により処理することを特徴とする混用布帛の耐
久吸水加工方法。
【0010】以下、本発明につき詳述する。衣服の着用
時、汗をかいたときでも快適に感じるのは、布帛が水分
を吸い取る力を有することが必要であるが、汗を吸い取
るだけでは一ヶ所に水分が保持されるので、布帛の乾燥
性が悪い場合には、べたつき感が解消されず不快感を感
じたままである。べたつき感を解消するためには、吸い
取った水分をすばやく拡散させることにより速乾させる
必要がある。
【0011】つまり、快適性向上のためには、毛細管現
象で水分をすばやく吸い取る力と、吸い取った水分をす
ばやく拡散させる力が同時に必要であり、この2つの力
は、バイレック法における吸水高さと吸水拡散面積で表
すことができる。また、スポーツ衣料や肌着衣料のよう
に洗濯回数の多い用途においては、少なくとも洗濯30
回の耐久性は必要であり、耐久性が高いということによ
り商品としての実用的価値も高くなる。
【0012】本発明者は、上記の吸水高さ及び吸水拡散
面積と、快適性との関係について検討を重ねた結果、ポ
リエステル繊維と非ポリエステル繊維との混用布帛であ
って、洗濯30回後のバイレック法における吸水高さが
4cm以上でかつ吸水拡散面積が3cm2以上である布
帛が、着用快適性に優れ、かつ商品価値も高いことを見
出したのである。
【0013】この吸水高さ及び吸水拡散面積は、共に上
記の値を満足することが重要で、いずれか一方だけでも
上記の範囲を外れると十分な着用快適性は得られない。
さらに、いつ着用しても常に快適性を保持しうるために
は、上記の2つの性能の変化が小さいことが好ましく、
洗濯30回後の吸水拡散面積およびバイレック法におけ
る吸水高さの変化率が、未洗濯時の吸水拡散面積および
バイレック法における吸水高さの50%以下であること
が好ましい。
【0014】本発明において、ポリエステル繊維とは、
ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシエチレンベン
ゾエート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチ
レンテレフタレートなどの繊維をいう。また、ポリエス
テル繊維には、ホモポリマーのみならず共重合体よりな
るポリエステル繊維も含まれる。ポリエステル繊維は、
その単糸デシテックスを特に限定するものではないが、
好ましくは0.1〜6デシテックス、より好ましくは
0.5〜3デシテックスであり、また、トータルデシテ
ックスは特に限定されるものではないが、10〜340
デシテックスの繊維が好ましく適用される。この範囲で
あると、染色性及び風合に優れる布帛が得られる。
【0015】ポリエステル繊維の形態は、長繊維でも短
繊維でもよく、長さ方向に均一なものや太細のあるもの
でもよく、単糸断面においても、丸型、三角型、L型、
T型、Y型、W型、十字型、八葉型、扁平、ドッグボー
ン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでも
よい。また、毛細管現象を活用するために、糸に角度の
あるスリットや微細孔があってもよい。
【0016】特に、単糸断面が非円形断面形状であるも
のの中でも、凹部を1個以上有する断面形状は、繊維の
凹部と凸部がかみ合って繊維同士が互いに接合しやすい
形状であり、接合すると繊維間空隙が非常に小さくなっ
て毛細管路が良好に形成されるため、活発な毛管現象に
より吸水性、導水性が向上し、汗を吸収した際の生地に
おける拡散性が向上し、速乾性も向上するので、丸型断
面よりも好ましい。
【0017】非円形断面形状としては、単糸横断面の扁
平度が1.3〜5のものや、波形扁平横断面における凹
部の開口角度が60〜160度の凹部を1個以上有する
ものが好ましい。中でも単糸の扁平度が2〜4で、波形
扁平横断面における凹部の開口角度が100〜150度
の範囲にある凹部を3個有する波形扁平断面や、単糸横
断面の扁平度が1.3〜3.0で、平均中空率が20〜
40%のメガネ型断面が特に好ましく、風合面からも好
ましい。
【0018】また吸水性能の耐久性の点から、非円形断
面糸を用いることがより好ましく、洗濯50回後でも良
好な吸水性能が得られる。さらに糸条の形態としては、
リング紡績糸、オープンエンド紡績糸等の紡績糸、単糸
デシテックスが0.1〜6デシテックス程度のマルチフ
ィラメント原糸(極細糸を含む)、甘撚糸〜強撚糸、混
繊糸、仮撚糸(POYの延伸仮撚糸を含む)、いわゆる
タスラン加工糸等の流体噴射加工糸等が挙げられる。
【0019】本発明に用いる非ポリエステル繊維として
は、セルロース繊維、例えば、綿、麻などの天然繊維、
キュプラ、レーヨン、ポリノジック等の再生セルロース
繊維が用いられ、これらは2種以上混用されてもよく、
特に、綿、キュプラ、レーヨンを35wt%以上用いる
ことが好ましい。また、非ポリエステル繊維としては、
ナイロン繊維、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン610など、アクリル繊維、例えば、ポリアクリ
ロニトリル繊維など、弾性繊維、例えば、ポリエーテル
系ポリウレタン繊維、ポリエステル系ポリウレタン繊
維、ポリエステルエーテル繊維など、さらに絹も用いる
ことができ、これらは2種以上混用されてもよく、また
これらの繊維や絹の混用率はおおむね30wt%未満が
好ましい。
【0020】本発明において、混用布帛におけるポリエ
ステル繊維と非ポリエステル繊維との混用形態は特に限
定されず、混紡、交撚、合糸、交絡、交織、交編等であ
っても良い。また布帛形態は特に限定されず、編物や織
物のほか不織布でもよい。混用布帛におけるポリエステ
ル繊維と非ポリエステル繊維との比率は、両者の複合形
態や用途に応じて種々変更することができるが、ポリエ
ステル繊維の混用率をおおむね30〜65wt%とする
ことが好ましい。ポリエステル繊維の混用率が上記の範
囲であると、吸水速乾性が良好であり、風合も良好とな
る。
【0021】非ポリエステル繊維として、特にセルロー
ス繊維の混用率は35〜70wt%とすることが好まし
く、特に混用率が高い程、本発明の効果を発揮しやす
い。混用布帛の目付は、薄地であるシャツ類から中厚地
のトレーニングウエア、野球ユニフォーム類まで含める
と50〜400g/m2の範囲が好ましい。また、編地
の裏側編部の凸部が起毛されていてもよい。凸部を起毛
することにより、凸部の繊維拘束度が粗になり、毛細管
現象をより促進させ、汗の吸水効果、拡散効果がより大
きくなると同時に保温性と肌触り性を向上させることが
できる。この起毛の方法は、通常の起毛工程を通せばよ
く、針布起毛とかバフ加工等のいずれの方法であっても
よい。
【0022】本発明の吸水性布帛は、以下のような吸水
加工法により得られる。本発明の吸水加工法は、まずポ
リエステル繊維側の染色加工工程中で特定の吸水剤にて
吸水加工を行い、その後、非ポリエステル繊維側の加工
において、特定のフィックス剤、柔軟剤で処理する加工
法であり、このような方法により耐久性に優れた吸水性
布帛を得ることができる。
【0023】本発明の吸水加工法において、吸水剤とし
ては、芳香族ポリエステルポリエーテルブロック共重合
体を用いるのが好ましい。芳香族ポリエステルポリエー
テルブロック共重合体とは、テレフタル酸およびもしく
はイソフタル酸とアルキレングリコールおよびポリアル
キレングリコールとからなるブロック共重合体を意味
し、例えば市販品としては、SR−1000(高松油脂
社製)やナイスポールPR−99(日華化学製)やパー
マリンMR−100(三洋化成社製)等がある。
【0024】使用に際しては、該共重合体を水中に分散
させたエマルジョンの形で使用する。このエマルジョン
を布帛に付与する方法としては、均一に付与することが
でき、かつ染色堅牢度の低下も小さいことから、吸尽法
が適切である。特に、波型扁平横断面であって凹部の開
口角度が60〜160度の凹部を1個以上有するポリエ
ステル繊維に、酢酸等のpH調整剤にて処理浴のpHを
4〜7に調整して90℃以上の温度で吸尽処理すること
が好ましく、布帛の質量に対してブロック共重合体を固
形分で0.3〜0.7wt%付着させることにより、洗
濯50回後でも良好な吸水性能が得られ、際だった吸水
拡散性能が得られる。ブロック共重合体の固形分の付着
量が上記の範囲であると、吸水性能の耐久性能が十分で
あり、濃色染色物においても染色堅牢度の低下が起きな
い。
【0025】本発明において、ポリエステル繊維の染色
方法は特に限定されず、通常実施されている方法でよい
が、特に際だった吸水拡散性能の耐久性を得るために
は、二浴染色、一浴染色、一浴二段染色を問わず、分散
染料で染色する際に、上記吸水剤を併用して、100〜
135℃で20〜60分間染色を行うのが好ましい。中
濃色染色における染色後の還元洗浄条件は、通常実施さ
れている条件を採用すればよい。また、中濃色染色品で
特に洗濯堅牢度を高めるためには、複素環アゾ系、縮合
系、ジエステル型の分散染料を用いるのが好ましい。
【0026】非ポリエステル繊維の染色方法は、通常実
施されている方法であれば特に制限はない。例えば、セ
ルロース繊維を用い、反応染料にて染色する場合、用い
る反応性染料も一般的なものであれば特に制限がなく、
水溶性のアニオン系の染料に、ビニルスルホン基、ジク
ロロトリアジン基、モノクロロトリアジン基、ジクロロ
キノキサリン基等の反応基を有する染料を使用し、通常
の浸漬染色、連続染色、プリント染色等で染色すればよ
い。
【0027】中濃色に染色し、染色後にフイックス処理
する場合、特にセルロース繊維側の吸水性を阻害しない
タイプのフイックス剤を選定する必要がある。使用する
フイックス剤としては第4級アンモニウム塩からなるも
のが好ましく、中でもジメチルアミン−エピクロルヒド
リン縮合物やジアリルアミン−エピクロルヒドリン縮合
物からなるものが好ましく、例えば市販品として、ネオ
フィックスRG(日華化学製)やセンカフィックスJO
Y−30(センカ製)等が好ましく使用できる。フィッ
クス剤による処理法は特に制限はなく、従来公知の方法
を適宜使用できる。例えば、浸漬法においては、使用濃
度3〜8%omfで40〜60℃で10〜30分処理す
れば良く、パディング法においては20〜60g/リッ
トルの濃度で処理すれば良い。
【0028】次に、柔軟処理時に使用する柔軟剤は、特
に、非ポリエステル繊維側の吸水性を阻害しないこと、
および加工の合理化の点から、フィックス剤との相容性
が良好で同浴処理が可能なタイプの柔軟剤を選定するの
が好ましい。例えば、カルボキシル基を含有した両性タ
イプが好ましく、例えば市販品として、サンソフロンW
P(日華化学製)が好ましく使用できる。また、スルホ
コハク酸ジアルキルエステル型のアニオン活性剤や2−
エチルヘキシル基を含有するアニオン系柔軟剤やアミノ
シリコーン系柔軟剤を使用しても良い。
【0029】これら柔軟剤による処理は、フィックス加
工との同浴処理で行ってもよく、またフィックス加工後
に行ってもかまわない。柔軟剤の使用濃度は、浸漬法の
場合、2〜10%omfにて30〜60℃で10〜30
分処理すれば良く、パディング法においては5〜40g
/リットルにて処理すればよい。非ポリエステル繊維と
してセルロース繊維以外を用いた場合の染色加工は、通
常実施されている条件でかまわないが、特に柔軟剤の選
定にあたっては、非ポリエステル繊維の吸水性を阻害し
ないタイプの柔軟剤を選定することが好ましい。例え
ば、スルホコハク酸エステル塩型アニオン界面活性剤や
非イオン界面活性剤からなる水性乳化物からなるものも
好ましく用いられる。
【0030】本発明におけるポリエステル繊維と非ポリ
エステル繊維からなる混用布帛の染色品において、仕上
げセット時のセット温度は、160℃以下が、染色堅牢
度の点から好ましい。このようにして得られたポリエス
テル繊維と非ポリエステル繊維との混用布帛の染色加工
品は、吸水性に優れていると共に、風合が非常にソフト
であるという特徴を有する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに
限定されるものではない。実施例における試料の測定評
価は、加工上がり及び家庭洗濯(JIS L−0217
103法)30回後の試料について下記の方法で行っ
た。尚、試料は20℃、湿度65%の環境下で24時間
放置した後、同様の環境下で測定を行った。
【0032】(1)吸水高さ JIS L−1907 バイレック法に従って吸水高さ
を評価した。サンプル毎に、たて方向、よこ方向を5回
ずつ測定を行い、たて、よこトータルでの平均値をそれ
ぞれ算出し、平均吸水高さを求めた。 (2)吸水拡散面積 布帛を直径15cmの刺繍用丸枠に取り付け、布帛表面
に水溶性青染料溶液(C.I.アシッドブルー62を
0.005wt%含有)を0.1ml滴下し、5分後に
濡れ拡がった吸水拡散面積を、次式より求める。
【0033】吸水拡散面積(cm2)=[縦の直径(cm)×
横の直径(cm)]×π÷4 サンプル毎に測定を5回行い、平均吸水拡散面積を求め
た。 (3)水滴消失時間 JIS L−1907 滴下法に従って水滴消失時間を
評価した。サンプル毎に5回ずつ測定を行い、平均水滴
消失時間を求めた。尚、このときの水滴1滴の平均量は
0.039mlであった。
【0034】(4)洗濯堅牢度 染色品について、JIS L−0844 A−2法に準
じて評価した。但し、洗剤はアタック(花王(株)製)
を1g/lで用いた。試験片の変褪色と添付白布片の汚
染の程度を、それぞれ変褪色用グレースケール、汚染用
グレースケールと比較して判定した。
【0035】(5)汗アルカリ堅牢度 染色品について、JIS L−0848−A法に準じて
汗アルカリ人工汗液を用いて評価した。試験片の変褪色
と添付白布の汚染の程度を、それぞれ変褪色用グレース
ケール、汚染用グレースケールと比較して判定した。 (6)塩素堅牢度 染色品について、JIS L−0884−強試験法に準
じて評価した。試験片の変褪色の程度を、変褪色用グレ
ースケールと比較して判定した。
【0036】〔実施例1〕W型断面を有し、66dte
x/30fのポリエチレンテレフタレート繊維(旭化成
〔株〕製、商品名テクノファイン、凹部内側の開口角度
120度、扁平度2.4)を、2ヒーター仮撚機を用い
て通常の仮撚加工条件にて仮撚加工を施し、83dte
x/30fの仮撚加工糸を得た。
【0037】得られた仮撚加工糸と綿32/1を用い、
18ゲージシングル編み機により、通常の編成条件にて
天竺編地を調製した。この編地は、ポリエステル繊維の
混用率は30%、目付は160g/m2であった。この
混用編地を過酸化水素水にて漂白処理した後、下記の染
色条件にて染色し、染色完了後、下記の還元洗浄条件に
て還元洗浄を実施した。
【0038】(染色条件)染料:カヤロンポリエステル
ブラックEX−SF(200);6%omf 分散均染剤:ニッカサンソルト RM−340; 0.
5g/リットル SR−1000(高松油脂製、芳香族ポリエステルポリ
エーテルブロック共重合体、固形分10wt%); 6
%omf 酢酸: 0.5cc/リットル 酢酸ナトリウム:1g/リットル 浴比: 1:15 染色温度×時間:135℃×40分 (還元洗浄条件) 二酸化チオ尿素: 2g/リットル 苛性ソーダ: 2g/リットル ビスノールUP−10: 1g/リットル 浴比: 1:15 処理温度×時間: 80℃×20分 還元洗浄処理後は、十分に水洗し、下記の染色条件で染
色し、染色後は湯洗し、90℃でソーピング後、下記の
固着・柔軟処理条件にて固着、柔軟処理を実施した。
【0039】(染色条件) 染料:レマゾール ブラックB(150);10%om
f 芒硝: 100g/リットル ソーダ灰: 20g/リットル 浴比: 1:15 染色温度×時間: 60℃×90分 (固着・柔軟処理条件) 固着剤:センカフィックスJOY−30(センカ製、ジ
アリルアミン−エピクロルヒドリン縮合物);5%om
f 柔軟剤:サンソフロンWP(日華化学製、カルボキシル
基含有両性タイプ):6%omf 浴比: 1:15 処理温度×時間: 50℃×20分 処理後は、脱水、開反した後、140℃、2分間の乾熱
セットで仕上げた。得られた染色品につき、吸水高さ、
吸水拡散面積、水滴消失時間、洗濯堅牢度、汗アルカリ
堅牢度、塩素堅牢度を評価した。その結果を表1に示
す。また、染色仕上品の風合も良好であった。
【0040】〔比較例1〕実施例1において、分散染色
時に吸水加工剤の添加を省略して分散染色し、反応染色
後の固着・柔軟処理において、固着剤としてセンカフィ
ックス401(センカ製、ポリアミン系縮合物)を使用
し、柔軟剤としてサンソフロンFD−304(日華化学
製、脂肪酸アミド系カチオン活性剤)を使用したこと以
外は、実施例1と同様にして行った。得られた染色品の
吸水性能、染色堅牢度を表1に示す。
【0041】表1より、本発明の実施例1で得られた染
色品は、洗濯50回の耐久性能に優れた吸水拡散性能が
あり、しかも染色堅牢度が高く、商品価値の高いもので
あることがわかる。これに対して、比較例1で得られた
染色品は、染色堅牢度は良好であるものの、吸水拡散性
能については、実施例1の染色品よりも劣っていること
がわかる。
【0042】
【表1】
【0043】〔実施例2〕実施例1にて、W形断面のポ
リエステル繊維に代えて、丸断面のポリエステル繊維か
らなる仮撚加工糸83dtex/36fを用い、実施例
1と同様にして天竺編地を調製し、染色加工して仕上げ
た。得られた染色品につき、吸水高さ、吸水拡散面積、
水滴消失時間、洗濯堅牢度、汗アルカリ堅牢度、塩素堅
牢度を評価した。その結果を表2に示す。
【0044】〔比較例2〕実施例2にて調製した天竺編
地を用い、比較例1と同様の方法にて染色加工して仕上
げた。得られた染色品の吸水性能、染色堅牢度を表2に
示す。表2より、本発明の実施例2で得られた染色品
は、洗濯30回の耐久性能に優れた吸水性能があり、し
かも染色堅牢度が高く、商品価値の高い混用品が得られ
ることがわかる。これに対して、比較例2で得られた染
色品は、染色堅牢度は良好なものの、吸水拡散性能につ
いては、実施例2の染色品よりも劣っていることがわか
る。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の吸水性布帛は、今までにないほ
ど吸水拡散性能の耐久性に優れたものであり、しかも風
合が良好で、染色堅牢度に優れた布帛であり、スポーツ
衣料、肌着等に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06P 3/82 D06P 3/82 K // D06M 101:32 D06M 101:32 Fターム(参考) 4H057 AA02 BA08 CA22 CB08 CC02 DA01 DA17 DA19 DA20 DA24 DA30 GA07 4L002 AA02 AA07 AB01 AB02 AC00 BA01 DA03 DA04 EA03 FA01 4L033 AA02 AA03 AA05 AA07 AA08 AB04 AC02 AC07 BA46 BA85 CA48

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維と非ポリエステル繊維
    との混用布帛であって、洗濯30回後のバイレック法に
    おける吸水高さが4cm以上でかつ吸水拡散面積が3c
    2以上であることを特徴とする吸水性布帛。
  2. 【請求項2】 洗濯30回後の吸水拡散面積およびバイ
    レック法における吸水高さの変化率が、未洗濯時の吸水
    拡散面積およびバイレック法における吸水高さの50%
    以下であることを特徴とする請求項1記載の吸水性布
    帛。
  3. 【請求項3】 ポリエステル繊維の含有量が30wt%
    以上であることを特徴とする請求項1または2記載の吸
    水性布帛。
  4. 【請求項4】 非ポリエステル繊維が、セルロース繊
    維、絹、ナイロン繊維、アクリル繊維、弾性繊維から選
    ばれた少なくとも一つ以上であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の吸水性布帛。
  5. 【請求項5】 ポリエステル繊維と非ポリエステル繊維
    との混用布帛を、分散染料で染色するに際し、芳香族ポ
    リエステルポリエーテルブロック共重合体からなる吸水
    加工剤を添加して染色し、次いで、第4級アンモニウム
    塩からなるフィックス剤およびカルボキシル基を含有す
    る両性タイプ柔軟剤により処理することを特徴とする混
    用布帛の耐久吸水加工方法。
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