JP2002363188A - 担体−錯体複合体、アルカン酸化触媒およびアルカノール合成方法 - Google Patents

担体−錯体複合体、アルカン酸化触媒およびアルカノール合成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカンからアルカノールを直接合成する触媒
として有用な担体−錯体複合体、アルカン酸化触媒およ
びアルカノールを合成する方法を提供する。 【解決手段】担体と錯体が含まれており、錯体を構成す
る配位子の少なくとも1種が担体に結合されており、且
つ錯体が疎水場に位置する担体−錯体複合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタンなどのアル
カンをメタノールなどのアルコールに直接変換できる触
媒として有用な担体−錯体複合体、該複合体を含むアル
カン酸化触媒および該複合体を用いたアルカノールの合
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタンは、化学的に非常に安定な化合物
であるので、メタノールへ直接変換することは比較的難
しい。
【0003】代表的なメタノール合成プロセスとして、
改質工程、メタノール合成工程および精製工程の3つの
工程から構成されるプロセスを挙げることができる。こ
のプロセスでは、原料として天然ガスが用いられ、脱硫
後、改質工程で合成ガス(一酸化炭素と水素の混合ガ
ス)に改質された後、約100気圧まで昇圧されメタノ
ールが合成される。また、このプロセスでは、大きな発
熱が伴う。反応を適切にコントロールするためには反応
熱の除去が必要である。現在のプロセスでは、反応器の
途中で低温の原料ガスを用いて反応熱を除去するように
なっている。
【0004】この様に上記プロセスは、高温・高圧の多
段階プロセスであるので、必然的に大規模な施設が必要
となり、製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】一方、メタンからメタノールへの直接変換
反応として、無触媒高圧酸化法、固体触媒酸化法、液相
均一触媒法などが提案されている。
【0006】無触媒高圧酸化法は、反応温度400〜5
00℃、反応ガス圧25〜70atmという高温・高圧
プロセスである。メタン転化率は11%、メタノール選
択率73%という報告がある。メタノール収率が10%
を越えれば実用化プロセスの段階にはいるといわれてい
るが、このプロセスも高温・高圧プロセスであるので、
大規模設備でなければ採算が合わず、小規模のオンサイ
トメタノール製造には適さない。
【0007】固体触媒酸化法においては、メタンと酸素
を用いた場合、ホルムアルデヒドが生成しやすく、メタ
ノール生成の選択率は非常に低いといわれている。
【0008】液相均一触媒を用いた例として、水銀錯体
と硫酸を用いて、一旦メタンを硫酸メチルに転換し、こ
れを加水分解することによってメタノールを得る方法が
ある。この方法では、反応収率43%とという報告があ
る。
【0009】しかしながら、水銀錯体を用いているの
で、環境への負荷が心配されるという問題がある。
【0010】また、Science 280, 24 April (1998) 560
-563には、比較的熱安定性の良い金属錯体系触媒による
メタンからメタノールの直接合成が報告されている。こ
のような研究成果においてもメタンの酸化によるメタノ
ール転化反応は、現在のところ百数十度の温度を必要と
する。
【0011】一方、微生物・酵素法は、微生物の持つあ
る種の金属酵素を利用するものである。メタン/メタノ
ール変換反応は、常温、常圧で進行する。J. Biol. Che
m.,264(17) 10023-10033, (1989)には、メタン資化菌内
に保有されるメタンモノオキシゲナーゼ(MMO)を用い
たメタンからメタノールの直接合成法について詳細に開
示されている。
【0012】メタン資化菌体内に存在するMMOには、可
溶型と膜結合型のコンポーネント型酵素が存在すること
が知られている。前者は、二核の鉄原子を活性サイトと
して持つ金属酵素であることは知られているが、いまだ
菌体・酵素の反応メカニズムは十分解明されたとはいえ
ない。特に、現状においては酵素の耐熱温度が低く、安
定性が悪いなどの課題がある。後者は、銅原子が酵素活
性に大きく関与していると予想されているが、構造機能
ともにまだ充分に解明が進んでいない。
【0013】USP5,190,870には、こうした生体機能を利
用したアルカノールの製造方法が開示されている。生体
機能を利用したアルカノールの製法として微生物学的方
法(発酵法)、酵素学的方法が提案されている。微生物
学的方法は、メタン資化菌を直接用いる方法であり、菌
体内部の酵素を利用する方法であるが、固定化できる菌
体密度およびメタン資化菌の菌体内部での酵素密度およ
びメタン資化菌の酵素誘導条件等の制約により固定化で
きる酵素密度には限度がある。また、酵素を直接利用す
る方法では、メタン資化菌の大量培養とMMO酵素の大
量精製が必要である。酵素リアクターを構築するために
は酵素の安定化条件など、課題が多く、微生物法、酵素
法ともに未だ実用化されていない。
【0014】この様に、現在行われているメタノールの
工業的な生産プロセスは、加熱・加圧が必要である。ま
た、煩雑な多段階プロセスでもある。このため、イニシ
ャルコストが高く、大きなエネルギー消費が伴う。従っ
て、メタンからメタノールの合成などのアルカンの酸化
触媒において、省エネルギーで環境負荷が少なく、低コ
ストな環境調和型のプロセスを構築することが求められ
ている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を鑑み成されたものであって、主として、アルカ
ンからアルカノールを直接合成する触媒として有用な担
体−錯体複合体、アルカン酸化触媒およびアルカノール
を合成する方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】発明者は、鋭意研究の結
果、メタン資化菌の可溶型メタンモノオキシゲナーゼ
(sMMO)の活性中心とそれを含む周辺構造を模倣し
たいわゆるバイオミメティック触媒を化学的に合成する
方法を見出し本発明を完成するに至った。
【0017】即ち、本発明は、下記の複合体、該複合体
を含むアルカノール合成触媒、該触媒を用いたアルカノ
ール合成方法に係るものである。 1.担体と錯体が含まれており、錯体を構成する配位子
の少なくとも1種が担体に結合されており、且つ錯体が
疎水場に位置する担体−錯体複合体。 2.錯体が、鉄オキソ錯体である上記1に記載の複合
体。 3.錯体が、(μ−オキソ)鉄二核錯体、(μ−ヒドロキ
ソ)鉄二核錯体、およびFe=O部位を有する鉄二核錯体か
らなる群から選択される少なくとも1種であって、鉄中
心が6配位構造または5配位構造である上記1または2
に記載の複合体。 4.配位子の少なくとも1つが、水分子である上記1〜
3のいずれかに記載の複合体。 5.疎水場が、疎水性の担体により形成されているか、
或いは疎水基が担体または配位子に結合した親水性の担
体により形成されている上記1〜4のいずれかに記載の
複合体。 6.親水性の担体が、担体表面に水酸基を有している担
体である上記5に記載の複合体。 7.疎水場が、シラン化合物、酸ハロゲン化物、フェノ
ール、エステルおよびアルコールからなる群から選択さ
れる少なくとも1種の化合物と担体表面に存在する水酸
基とを反応させることにより形成されている上記1〜6
のいずれかに記載の複合体。 8.担体表面に存在する水酸基と反応させる化合物が、
以下の(式1)から(式4)からなる群から選択される少な
くとも1種の式で示されるシラン化合物である上記7に
記載の複合体。 (式1) (RO)3SiR1C=NH [式中、Rは低級アルキル基を示し、R1は、低級アルキレ
ン基を示す] (式2) (RO)3SiR2ピリジル [式中、Rは低級アルキル基を示し、R2は、低級アルキレ
ン基を示す] (式3) (RO)m R3 (3-m)SiR4 [式中、RおよびR3は、同一または相異なる低級アルキル
基を示し、R4は長鎖アルキル基、フェニル基またはナフ
チル基を示し、mは1,2または3を示す]、および (式4) X3SiR5 [式中、Xは、ハロゲン原子を示し、R5は、長鎖アルキル
基、フェニル基またはナフチル基を示す] 8.配位子が、イミノジ酢酸部位、モノヒドロイミド酢
酸部位およびアミノメチルピリジン部位から選択される
少なくとも1種の多座配位部位を有する配位子である上
記3〜7のいずれかに記載の複合体。 9.上記1〜8のいずれかに記載の複合体を含むアルカ
ンを酸化することによりアルカノールを合成するアルカ
ン酸化触媒。 10.上記9に記載のアルカン酸化触媒の存在下、アル
カンからアルカノールを合成する方法。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、担体と錯体が含まれて
おり、錯体を構成する配位子の少なくとも1種が担体に
結合されており、配位子が疎水場の中に位置する担体−
錯体複合体に係る。錯体は、配位子と金属中心により構
成される。図1に、本発明の複合体の1態様を模式的に
示す。
【0019】錯体は、特に制限されず、例えば(μ−オ
キソ)鉄二核錯体、(μ−ヒドロキソ)鉄二核錯体、Fe=O
部位などを有する二核錯体などの鉄錯体を例示すること
ができる。金属中心である鉄の配位数は、特に制限され
ないが、通常5配位または6配位である。
【0020】錯体を構成する配位子は、少なくとも1種
の配位子が担体に結合されている限り、特に制限されな
い。例えば、錯体部位は、担体と結合した配位子以外
に、水分子、ハロゲンイオン(例えばCl-、F-、Br-、I-)
などの担体とは結合していない配位子を有していてもよ
い。
【0021】配位子として、イミノジ酢酸部位、モノヒ
ドロイミド酢酸部位、アミノメチルピリジン部位などの
多座配位部位を有している多座配位子を例示できる。こ
のような多座配位子が、担体に結合されていることが好
ましい。多座配位部位は、1つの配位子に単独で存在し
てもよく、1つの配位子に2以上存在してもよい。
【0022】多座配位部分が2つ集まることにより、二
核錯体を形成しやすくなる。例えば、イミノジ酢酸部位
を1つ有する配位子が2つ集まったイミノジ酢酸−イミ
ノジ酢酸型配位子、イミノジ酢酸部位を2つ有するイミ
ノジ酢酸−イミノジ酢酸型配位子などを例示することが
できる。同様に、二核錯体を形成しやすい配位子とし
て、イミノジ酢酸−モノヒドロイミド酢酸型配位子、モ
ノヒドロイミド酢酸−モノヒドロイミド酢酸型配位子、
アミノメチルピリジン−アミノメチルピリジン型配位子
などの配位子を例示することができる。これらの配位子
も、多座配位部位を1つ有する配位子が二つ集まること
により形成されていてもよく、多座配位部位を2つ有す
る配位子であってもよい。
【0023】イミノジ酢酸部位を1つ有し、担体に結合
した配位子として、例えば、以下の式Aで示す配位子を
例示することができる。 (式A) (YaO)a(RaO)bRb cSi(CH2)naN(CH2COOH)2 [式中、Yaは、担体の一部を示し、Raは、低級アルキル
基を示し、Rbは、水素または低級アルキル基を示し、a
は、1, 2または3を示し、bは、0, 1または2を示し、c
は、0, 1または2を示し、a+b+c=3であり、naは、1〜10
のいずれかの整数を示す。] モノヒドロイミド酢酸部位を1つ有有し、担体に結合し
た配位子として、例えば、以下の式Bで示す配位子を例
示することができる。 (式B) (YaO)a(RaO)bRb c Si(CH2)naN(CH2COOH)RcOH [式中、Yaは、担体の一部を示し、Raは、低級アルキル
基を示し、Rbは、水素または低級アルキル基を示し、Rc
は、低級アルキレン基を示し、aは、1, 2または3を示
し、bは、0, 1または2を示し、cは、0, 1または2を示
し、a+b+c=3であり、naは、1〜10のいずれかの整数を示
す。] 式Aまたは式BにおいてRaで示される低級アルキル基と
して、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などを
例示することができる。
【0024】式Aまたは式BにおいてRbで示される低級
アルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基などを例示することができる。これらの中では、
メチル基、エチル基が好ましい。
【0025】式BにおいてRcで示される低級アルキレン
基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基など
を例示でき、これらの中では、エチレン基が好ましい。
【0026】式AまたはBにおいて、naは、通常1〜10の
いずれかの整数であり、好ましくは1〜6のいずれかの整
数であり、より好ましくは2〜4のいずれかの整数であ
る。
【0027】1分子当たり二つのアミノメチルピリジン
部位を有し、担体に結合した配位子として、例えば、以
下の式Cで示される配位子を例示することができる。
【0028】
【化1】
【0029】[式中、Yaは、担体の一部を示し、Raは、
低級アルキル基を示し、Rbは、水素または低級アルキル
基を示し、aは、1, 2または3を示し、bは、0, 1または2
を示し、cは、0, 1または2を示し、naは、1〜10のいず
れかの整数を示し、nbは、1〜6のいずれかの整数を示
す。] 式CにおいてRaで示される低級アルキル基として、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基などを例示するこ
とができる。これらの中では、メチル基、エチル基が好
ましい。
【0030】式CにおいてRbで示される低級アルキル基
として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基など
を例示することができる。これらの中では、メチル基、
エチル基が好ましい。
【0031】式Cにおいてnaは、通常1〜10のいずれかの
整数であり、好ましくは1〜6のいずれかの整数であり、
より好ましくは2〜4のいずれかの整数である。
【0032】nbは、通常1〜6のいずれかの整数であり、
好ましくは2〜4のいずれかの整数であり、より好ましく
は3である。
【0033】担体と配位子の結合の態様は、特に制限さ
れず、例えば、担体と配位子が共有結合により結合して
いる態様などを例示することができる。
【0034】担体への配位子の導入量は、特に制限され
ないが、単体表面のOH基1mol当たり、通常0.01〜100mo
l%程度、好ましくは0.1〜10 mol%程度、より好ましくは
3〜10 mol%程度である。例えば、多座配位部位を1つ有
する配位子が2つ集まって二核錯体を形成する場合に
は、配位子の導入量が少なすぎると、二核錯体を形成し
づらい場合がある。
【0035】担体は、疎水性、親水性のいずれでもよ
い。担体が疎水性の場合には、担体自身が錯体周辺の疎
水場を形成することができる。一方、担体が親水性の場
合には、担体または配位子に疎水基を結合させることに
よって、錯体周辺に疎水場を形成することができる。
【0036】親水性の担体としては、担体表面にOH基を
有する無機担体などを例示することができる。担体表面
にOH基を有する無機担体としては、例えば、シリカ、メ
ソポーラスシリカ、シリカゾル、ゼオライト、ハイドロ
タルサイト、層状ケイ酸塩などを例示することができ
る。層状ケイ酸塩とは、SiO4四面体を基本構成単位とし
て、Mg(OH)2またはAl(OH)3八面体層が連結して構成単位
が構成され、シート状に連結して層状構造を呈するもの
である。更に、Na+、K+、Ca2+などが交換性陽イオンと
して層間に存在する。層状ケイ酸塩は、その組成、構造
単位、陽イオン量などの細かい相違により、カオリナイ
ト、ヌメクタイト、マガテディアイト、ケニヤアイト、
カメマイト、ペロブスカイト、モンモリロナイト、マイ
カなどを例示できる。
【0037】親水性の担体を用いる場合には、担体表面
または配位子に疎水基を導入することによって、疎水場
を形成することができる。
【0038】親水性担体への疎水基の導入は、例えば、
アルコキシシラン、ハロゲン化シランなどのシラン化合
物、酸ハロゲン化物、フェノール、エステル、アルコー
ルなどと親水性担体表面に存在する水酸基とを反応させ
る方法などにより行うことができる。
【0039】導入された疎水基として、以下にような基
を例示することができる。 (式1') (YO)x(RO)(3-x)SiR1C=NH [式中、Yは、担体の一部を示し、Rは低級アルキル基を
示し、R1は、低級アルキレン基を示し、xは1、2または3
を示す] (式2') (YO)x(RO)(3-x)SiR2ピリジル [式中、Yは、担体の一部を示し、Rは低級アルキル基を
示し、R2は、低級アルキレン基を示し、xは1、2または3
を示す] (式3') (YO)x(RO)y R3 zSiR4 [式中、Yは、担体の一部を示し、RおよびR3は、同一ま
たは相異なる低級アルキル基を示し、R4は長鎖アルキル
基、フェニル基またはナフチル基を示し、xは1、2また
は3を示し、yは0、1または2を示し、zは0、1または2を
示し、且つx+y+z=3である]、および (式4') YxX(3-x)SiR5 [式中、Yは、担体の一部を示し、Xは、ハロゲン原子を
示し、R5は、長鎖アルキル基、フェニル基またはナフチ
ル基を示し、xは1、2または3を示す] (式5') R6COY [式中、R6は、長鎖アルキル基、フェニル基、ナフチル
基などを示し、Yは、担体の一部を示す。] Rで示される低級アルキル基は、通常C1〜C4程度のアル
キル基であり、好ましくはC1〜C2程度のアルキル基で
ある。
【0040】R1で示される低級アルキレン基は、通常C1
〜C4のアルキレン基である。
【0041】R2で示される低級アルキレン基は、通常C1
〜C4のアルキレン基である。
【0042】R3で示される低級アルキル基は、通常C1〜
C4程度のアルキル基であり、好ましくはC1〜C2程度
のアルキル基である。
【0043】R4は、長鎖アルキル基、フェニル基または
ナフチル基を示し、これらの中では、長鎖アルキル基が
好ましい。
【0044】R5は、長鎖アルキル基、フェニル基または
ナフチル基を示し、これらの中では、長鎖アルキル基が
好ましい。
【0045】R4またはR5で示される長鎖アルキル基は、
通常C1〜C30程度の長鎖アルキル基であり、好ましくはC
5〜C20程度の長鎖アルキル基であり、より好ましくはC1
0〜C15程度の長鎖アルキル基である。担体がメソポーラ
スシリカの場合には、C1〜C20程度の長鎖アルキル基が
好ましい。担体が、メソポーラスシリカ以外のシリカで
ある場合には、C6〜C30程度の長鎖アルキル基が好まし
い。アルキル基は、直鎖状であっても分枝状であっても
よい。
【0046】R6は、長鎖アルキル基、フェニル基、ナフ
チル基などを示し、これらの中では長鎖アルキル基が好
ましい。
【0047】R6で示される長鎖アルキル基は、通常C5〜
C20程度の長鎖アルキル基であり、好ましくはC10〜C15
程度のアルキル基である。担体がメソポーラスシリカの
場合には、C1〜C20程度の長鎖アルキル基が好ましい。
担体が、メソポーラスシリカ以外のシリカである場合に
は、C6〜C30程度の長鎖アルキル基が好ましい。R6で示
される長鎖アルキル基は、直鎖状であっても分枝状であ
ってもよい。
【0048】Xは、F、Cl、Br、Iなどのハロゲン原子を
示し、これらの中では、Clが好ましい。
【0049】xは、1,2または3を示し、2または3が好ま
しい。
【0050】親水性担体への疎水基の導入量は、特に制
限されないが、担体表面のOH基1mol当たり、通常0.1〜
100 mol%程度、好ましくは10〜90 mol%程度、より好ま
しくは30〜40 mol%程度である。担体表面にOH基などの
親水基を有する担体を用いる場合には、担体表面の親水
基が、疎水基または配位子によりほぼ全て置換されてい
てもよい。
【0051】本発明の複合体は、例えば、担体、配位子
および金属源を一度に混合する方法、これらの各成分を
任意の順序で混合する方法などにより製造することがで
きる。各成分を混合する順序としては、例えば、配位
子と担体を先ず結合させ、これに金属中心を導入するこ
とによって複合体を製造する方法、先ず、配位子と金
属源を用いて錯体を生成し、得られた錯体の配位子を担
体と結合させる方法などを例示できる。
【0052】配位子の金属に配位する部位などは、エス
テル基、エーテル基などの保護基により保護されていて
もよい。保護基は、任意の段階において除去することが
できる。例えば、金属中心を導入する直前に保護基を除
去すればよい。
【0053】親水性の担体に疎水基を導入する工程は、
どの段階で行ってもよい。例えば、複合体の製造途中ま
たは製造後に疎水基を導入してもよく、予め疎水基を導
入した担体を用いて複合体を製造してもよい。複合体の
製造途中に疎水基を導入する場合には、例えば、担体に
配位子を導入後、金属中心を導入する前などに疎水基を
導入することができる。
【0054】担体と配位子とを結合させる方法は、用い
る担体の種類などに応じて適宜選択することができる。
例えば、担体と配位子とを共有結合させる方法として、
水酸基を有する担体とアルコキシシラン部位を有する配
位子前駆体を用いて、水酸基とアルコキシシラン部位と
を反応させる方法などを例示することができる。
【0055】担体表面上の水酸基と配位子前駆体を反応
させるには、溶媒中などにおいて、これらを放置すれば
よい。また、必要に応じて、撹拌してもよい。反応温度
は、特に制限されず、通常50〜200℃程度、好ましくは1
00〜150℃程度である。反応時間は、特に制限されない
が、通常1〜50時間程度、好ましくは10〜30時間程度で
ある。
【0056】アルコキシシラン部位を有する配位子前駆
体として、例えば、以下の(式A')〜(式C')で示される
化合物を例示することができる。 (式A') (RaO)maRb (3-ma)Si(CH2)naN(CH2COOA)2 (式B') (RaO)maRb (3-ma)Si(CH2)naN(CH2COOA)RcOH [式中、Raは、低級アルキル基を示し、Rbは、水素また
は低級アルキル基を示し、Rcは、低級アルキレン基を示
し、Aは、水素または低級アルキル基を示し、maは、1,
2または3を示し、naは、1〜10のいずれかの整数を示
す。] Raで示される低級アルキル基として、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基などを例示することができ
る。
【0057】Rbで示される低級アルキル基として、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基などを例示する
ことができる。
【0058】Rcで示される低級アルキレン基として、メ
チレン基、エチレン基、プロピレン基などを例示するこ
とができる。これらの中では、エチレン基が好ましい。
【0059】Aで示される低級アルキル基として、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基などを例示するこ
とができる。
【0060】maは、通常1,2または3であり、好まし
くは2または3である。
【0061】naは、通常1〜10のいずれかの整数を示
し、好ましくは1〜6のいずれかの整数であり、より好ま
しくは2〜4のいずれかの整数である。
【0062】
【化2】
【0063】[式中、Raは、低級アルキル基を示し、Rb
は、水素または低級アルキル基を示し、maは、1, 2また
は3を示し、naは、1〜10のいずれかの整数を示し、nb
は、1〜6のいずれかの整数を示す。] 式C'においてRaで示される低級アルキル基として、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基などを例示する
ことができる。これらの中では、メチル基およびエチル
基が好ましい。
【0064】式C'においてRbで示される低級アルキル
基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基な
どを例示することができる。これらの中では、メチル基
およびエチル基が好ましい。
【0065】maは、通常1,2または3であり、好まし
くは2または3である。
【0066】naは、通常1〜10のいずれかの整数であ
り、好ましくは1〜6のいずれかの整数であり、より好ま
しくは2〜4のいずれかの整数である。
【0067】nbは、通常1〜6のいずれかの整数であり、
好ましくは2〜4のいずれかの整数であり、より好ましく
は3である。
【0068】或いは、以下の式で示されるような化合物
を担体に導入し、加水分解することによって、イミノジ
酢酸部位を有する配位子とモノヒドロイミド酢酸部位を
有する配位子とを同時に担体に導入してもよい。
【0069】
【化3】
【0070】[式中、Raは、低級アルキル基を示し、Rb
は、水素または低級アルキル基を示し、Aは、水素また
は低級アルキル基を示し、maは、1, 2または3を示し、n
aは、1〜10のいずれかの整数を示す。] 式DにおいてRaで示される低級アルキル基として、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基などを例示するこ
とができる。
【0071】式DにおいてRbで示される低級アルキル基
として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基など
を例示することができる。
【0072】式DにおいてAで示される低級アルキル基と
して、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などを
例示することができる。
【0073】式Dにおいてmaは、通常1,2または3であ
り、好ましくは2または3である。
【0074】式Dにおいてnaは、通常1〜10のいずれかの
整数を示し、好ましくは1〜6のいずれかの整数であり、
より好ましくは2〜4のいずれかの整数である。
【0075】(式A')、(式B')または(式D)において、Aが
低級アルキル基の場合には、金属中心を導入する前に、
加水分解などにより保護基である低級アルキル基を脱離
する必要がある。
【0076】親水性の担体に疎水基を導入する方法とし
て、例えば、水酸基を有する担体とアルコキシシラン、
ハロゲン化シランなどのシラン化合物、酸ハロゲン化
物、フェノール、エステル、アルコールなどとを反応さ
せる方法などを例示できる。
【0077】担体表面上の水酸基とシラン化合物、酸ハ
ロゲン化物、フェノール、エステル、アルコールなどと
を反応させるには、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタ
ン、クロロホルムなどの溶媒中において、これらを放置
すればよい。また、必要に応じて、撹拌してもよい。反
応温度は、特に制限されず、通常50〜300℃程度、好ま
しくは100〜250℃程度である。反応時間は、特に制限さ
れないが、通常1〜100時間程度、好ましくは10〜50時間
程度である。反応圧力は、特に制限されないが、通常0.
1MPa〜10MPa程度、好ましくは1MPa〜3MPa程度である。
【0078】シラン化合物として、以下に示すようなア
ルコキシシラン、ハロゲン化シランなどを例示できる。 (式1) (RO)3SiR1C=NH [式中、Rは低級アルキル基を示し、R1は、低級アルキレ
ン基を示す] (式2) (RO)3SiR2ピリジル [式中、Rは低級アルキル基を示し、R2は、低級アルキレ
ン基を示す] (式3) (RO)m R3 (3-m)SiR4 [式中、RおよびR3は、同一または相異なる低級アルキル
基を示し、R4は長鎖アルキル基、フェニル基またはナフ
チル基を示し、mは1,2または3を示す]、 (式4) X3SiR5 [式中、Xは、ハロゲン原子を示し、R5は、長鎖アルキル
基、フェニル基またはナフチル基を示す] Rで示される低級アルキル基は、通常C1〜C4程度のアル
キル基であり、好ましくはC1〜C2程度のアルキル基で
ある。
【0079】R1で示される低級アルキレン基は、通常C1
〜C4のアルキレン基である。
【0080】R2で示される低級アルキレン基は、通常C1
〜C4のアルキレン基である。
【0081】R3で示される低級アルキル基は、通常C1〜
C4程度のアルキル基であり、好ましくはC1〜C2程度
のアルキル基である。
【0082】R4は、長鎖アルキル基、フェニル基または
ナフチル基を示し、これらの中では、長鎖アルキル基が
好ましい。
【0083】R5は、長鎖アルキル基、フェニル基または
ナフチル基を示し、これらの中では、長鎖アルキル基が
好ましい。
【0084】R4またはR5で示される長鎖アルキル基は、
通常C1〜C30程度の長鎖アルキル基であり、好ましくはC
5〜C20程度の長鎖アルキル基であり、より好ましくはC1
0〜C15程度の長鎖アルキル基である。担体がメソポーラ
スシリカの場合には、C1〜C20程度の長鎖アルキル基が
好ましい。担体が、メソポーラスシリカ以外のシリカで
ある場合には、C6〜C30程度の長鎖アルキル基が好まし
い。アルキル基は、直鎖状であっても分枝状であっても
よい。
【0085】Xは、F、Cl、Br、Iなどのハロゲン原子を
示し、これらの中では、Clが好ましい。
【0086】mは、1,2または3を示し、2または3が好ま
しい。
【0087】酸ハロゲン化物として、以下の式で示され
る化合物を例示することができる。
【0088】R6COX、 [式中、R6は、長鎖アルキル基、フェニル基、ナフチル
基などを示し、Xは、F、Cl、Br、Iなどのハロゲン原子
を示す。] R6は、長鎖アルキル基、フェニル基、ナフチル基などを
示し、これらの中では長鎖アルキル基が好ましい。
【0089】R6で示される長鎖アルキル基は、通常C5〜
C20程度の長鎖アルキル基であり、好ましくはC10〜C15
程度のアルキル基である。担体がメソポーラスシリカの
場合には、C1〜C20程度の長鎖アルキル基が好ましい。
担体が、メソポーラスシリカ以外のシリカである場合に
は、C6〜C30程度の長鎖アルキル基が好ましい。R6で示
される長鎖アルキル基は、直鎖状であっても分枝状であ
ってもよい。
【0090】酸ハロゲン化物としては、塩化ベンゾイ
ル、塩化ナフトイルなども用いることができる。
【0091】金属中心の導入は、配位子または担体と結
合した配位子と金属源とを反応させる方法などにより行
うことができる。
【0092】金属中心を導入するには、溶媒中におい
て、配位子または担体と結合した配位子と金属源とを放
置すればよい。また、必要に応じて、撹拌してもよい。
反応温度は、特に制限されず、通常0〜100℃程度、好ま
しくは10〜50℃程度である。反応時間は、特に制限され
ないが、通常1〜50時間程度、好ましくは10〜30時間程
度である。溶媒は、特に制限されず、アセトニトリル、
ベンゾニトリルなどのニトリル類;メタノール、エタノ
ールなどの低級アルコールなどを例示することができ
る。
【0093】金属源として、例えば、Fe(III)Cl3、Fe(I
I)Cl2などの鉄ハロゲン化物;tetraethylammonium(μ-o
xo)bis[trichloroferrate(III)]などの(μ-オキソ)鉄二
核錯体;硝酸鉄、亜硝酸鉄、過塩素酸鉄、硫酸鉄などを
例示できる。
【0094】本発明の担体−錯体複合体は、アルカンを
酸化することによりアルカノールを合成する触媒として
好適に用いることができる。原料となるアルカンとし
て、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘ
キサンなどを例示することができる。原料となるアルカ
ンは、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。これら
の中では、メタン、エタンなどが好ましく、特にメタン
が好ましい。
【0095】本発明の複合体を用いたアルカンの酸化反
応においては、その反応条件は、特に限定されない。例
えば、(1)酸素および(2)還元剤の存在下において、アル
カンの酸化反応が進行する。還元剤として、例えば、ト
リメチルヒドロキシキノンなどのキノン類、1,3-プロパ
ンチオールなどのチオール類;メルカプタン;トリフェ
ニルホスフィンなどを例示することができる。
【0096】アルカンの酸化反応においては、更に、
(3)ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸などのカルボ
ン酸を添加してもよい。
【0097】本発明の複合体を用いたアルカンの酸化反
応は、過酸化水素の存在下においても進行する。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、アルカンの酸化触媒と
して好適な新規な担体−錯体複合体を得ることができ
る。
【0099】本発明によれば、常温・常圧において、例
えばメタンをメタノールへ酸化することができる。
【0100】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明をより具体的に説明する。本発明は、以下の実施
例に制限されるものではない。
【0101】本発明の触媒を、担体となるシリカ粉末
への配位子の導入、担体への疎水基の導入、配位子
への金属中心の導入の手順で調製した。
【0102】1.担体シリカの準備 担体シリカとして、市販のシリカゲル(CARiACT P-10、
富士シリシア製)、シリカゾル(Aerosil 200またはAero
sil 300、日本エアロジル製)又は以下の合成シリカ
(メソポーラスシリカ)を使用した。各シリカの物性を
以下の表にまとめる。
【0103】
【表1】
【0104】メソポーラスシリカの合成方法 160mlの純水に、15.0gのドデシルアミンを室温で混合
して攪拌した。十分に混ざった後、テトラエトキシシラ
ン62.4gをゆっくりと添加し、全量添加後、1時間攪拌
して、さらに1晩熟成させた。ろ過により固形物を分離
した後、500mlのエタノールで洗浄して余分なアミンを
除去した。120℃で1晩乾燥後、650℃で5時間焼成して
メソポーラスシリカを得た。
【0105】2.配位子前駆体の合成 以下のようにして、保護基としてエステル基を有するイ
ミノジ酢酸−モノヒドロイミド酢酸型配位子前駆体を合
成した。アセトニトリル(70ml)中にアミノプロピルトリ
エトキシシラン(30g)を溶かした。この溶液に、2当量
のトリエチルアミンを加え、さらに1当量のクロロ酢酸
エチルエステルを加えて、室温(約25℃)において攪拌し
た。生成物を減圧蒸留することにより高純度の(EtO)3Si
CH2CH2CH 2NH(CH2COOEt)を得た。得られた化合物のMSス
ペクトルおよび1H-NMRを図4および5にそれぞれ示す。
【0106】得られた(EtO)3SiCH2CH2CH2NH(CH2COOEt)
2当量と1当量のBrCH2CH2OCOCH2Clとを反応させた。ア
セトニトリル溶媒中、トリエチルアミン存在下、70℃に
おいて50時間攪拌した。反応生成物を精製することによ
り、(EtO)3SiCH2CH2CH2(CH2COOEt)N‐CH2CH2OCOCH2‐N
(CH2COOEt)CH2CH2CH2Si(OEt)3を得た。得られた配位子
前駆体のMSスペクトルを図6に示す。3.原料錯体の合成 文献(William H. Armstrong and J. Lippard ; Inorga
nic Chemistry, 24, 6, 1983)に従い、Tetraethylammo
nium(μ-Oxo)bis{trichloroferrate(III)}を調製し
た。即ち、以下のように調製した。
【0107】金属ナトリウムをメタノールに溶解するこ
とで調製した1当量のNaOCH3/CH3OH溶液を1当量のFeCl3
・6H2O/CH3OH溶液中にゆっくりと滴下し混合した。こ
れに1当量のテトラエチルアンモニウムクロライドを添
加した後、メタノールを留去した。得られたスラリー状
のオイルに適量のアセトニトリルを添加し、生じた塩化
ナトリウムを除去した後、アセトニトリルを再び留去し
た。
【0108】さらに、未反応のテトラエチルアンモニウ
ムクロライドを除去するために適量のクロロホルムに溶
解し、分液によりオイル状の粗精製物を得た。このオイ
ルに適量のテトラヒドロフランを加えることで生じる沈
殿物を回収し、再沈殿させることによりTetraethylammo
nium(μ-Oxo)bis{trichloroferrate(III)}を調製し
た。
【0109】4.鉄カルボキシレート錯体の調製例 上記のシリカゲル(CARiACT P10)、配位子前駆体及び原
料錯体を用いて担体−錯体複合体を製造した。
【0110】<配位子の導入>上記2で得られた(EtO)3
SiCH2CH2CH2(CH2COOEt)N‐CH2CH2OCOCH2‐N(CH2COOEt)C
H2CH2CH2Si(OEt)3をシリカゲル(CARiACT P10)の表面の
シラノール数の6mol%程度になるようにシリカ表面に導
入した。シリカ5gと配位子前駆体0.55gとをトルエン50m
l中において120℃で一晩放置した。
【0111】<疎水基の導入>さらにシリカの表面を疎
水性にするために、アルコキシアルキルシラン((EtO) 3S
iC12H25)を担体表面に残っているシラノール基と反応さ
せた。配位子を導入したシリカ2.5gと(EtO)3SiC12H250.
9gとをベンゼン30ml中において、減圧下(1Torr以下)、1
50℃〜180℃において一晩以上放置した。
【0112】<配位子の加水分解>シリカ上に導入した
配位子について、保護基であるエステルを塩酸を用いて
加水分解した。4mol/lの塩酸(3.8ml)とTHF(15ml)との混
合溶媒中で、シリカ(2.2g)を70℃において一晩放置し
た。加水分解により、イミノジ酢酸部位を有する配位子
とモノヒドロイミド酢酸部位を有する配位子とを導入し
たシリカを得た。
【0113】<鉄中心の導入>合成した原料錯体:Tetr
aethylammonium(μ-Oxo)bis{trichloroferrate(III)}
をシリカに結合した配位子へ導入した。予め配位子と疎
水基とを導入した担体シリカ1gと上記原料錯体0.11gと
をアセトニトリル(50ml)中、室温(約25℃)で一晩放置し
た。
【0114】図7に合成の各段階におけるIRスペクトル
を示す。上から順に、担体として用いたシリカ、(a)配
位子導入後の担体、(b)疎水基導入後の担体、(c)配位子
の加水分解後のシリカおよび(d)活性点である鉄中心導
入後のシリカの各IRスペクトルを示す。
【0115】3736cm-1における吸収ピークは、シリカ表
面のシラノール基に由来するものである。(a)におい
て、1736 cm-1に配位子に由来する吸収ピークが観測さ
れたことから、担体表面に配位子が導入されたことが判
る。(b)において、2960cm-1にアルキル基に由来する吸
収ピークが観測されたことから、担体表面に疎水基が導
入されたことが判る。(c)において、エステル基に由来
する1736cm-1の吸収ピークが消失し、新たに1753cm-1
カルボン酸に由来するピークが出現したことから、配位
子が加水分解されたことが判る。
【0116】図8に得られた複合体の液体窒素温度(77
K)におけるメスバウワースペクトルを示す。ほぼ同じ強
度の2組のダブレットから構成されていることから、複
合体中の鉄は少なくとも電子状態の異なる2成分から構
成されていることが判る。また、解析の結果、いずれの
ピークもFeIII由来であることが判った。このことか
ら、電子環境の異なる2種類のFeIIIが同程度の量存在
していることが判る。
【0117】図9に、得られた複合体の5Kにおけるメス
バウワースペクトルを示す。6本に分裂した対称性のよ
いスペクトルと中心に1本のスペクトルの2成分から構
成されている。解析の結果、6本に分裂したスペクトル
は、不対電子を5個有する高スピン状態のFeIIIであるこ
とが判った。
【0118】よって、得られた複合体中では、2原子の
鉄が酸素原子により架橋された(μ−オキソ)鉄二核構造
を保持しており、鉄の電子スピンは、酸素原子を介して
反強磁性的な相互作用を有していると考えられる。
【0119】以上の結果から、得られた複合体は、図2
に示すような(μ−オキソ)鉄二核錯体構造を有している
と考えられる。
【0120】実施例2 実施例1と同様にして、アミノメチルピリジン−アミノ
メチルピリジン型配位子前駆体を用いた複合体の調製を
おこなった。
【0121】配位子前駆体の合成 以下の様にして、アミノメチルピリジン−アミノメチル
ピリジン型配位子前駆体を合成した。1当量のクロロプ
ロピルジメトキシメチルシランを1当量の2−アミノメ
チルピリジンをアセトニトリル中、1当量のトリエチル
アミンの存在下で反応させた。室温(約25℃)において、
48時間攪拌した。生成物を減圧蒸留することにより、(M
eO)2MeSiCH2CH2CH2NH(CH2C5H4N)を得た。
【0122】得られた2当量の(MeO)2MeSiCH2CH2CH2NH
(CH2C5H4N)に1当量のBrCH2CH2CH2Brをスぺーサーとし
て導入した。アセトニトリル溶媒、トリエチルアミン存
在下、80℃において48時間攪拌した。反応生成物を精製
することにより、(MeO)2MeSiCH 2CH2CH2(CH2C5H4N)N‐CH
2CH2CH2‐N(CH2C5H4N)CH2CH2CH2SiMe(OMe)2を得た。
【0123】<配位子の導入>得られた(MeO)2MeSiCH2C
H2CH2(CH2C5H4N)N‐CH2CH2CH2‐N(CH2C5H4N)CH2CH2CH 2S
iMe(OMe)2をシリカゲル(CARiACT P10)の表面のシラノー
ル数の約6mol%になるようシリカ表面に導入した。シリ
カ1gと配位子前駆体0.19gとをトルエン10ml中、120℃に
おいて、一晩放置した。
【0124】<疎水基の導入>実施例1と同様にシリカ
の表面を疎水性にするために、アルコキシアルキルシラ
ン((EtO)3SiC12H25)を担体表面に残っている表面シラノ
ール基と反応させた。ベンゼン15ml中において、シリカ
とアルコキシアルキルシランとを反応させた。反応は、
減圧下(1torr以下)、150℃〜180℃において一晩以上放
置することにより行った。
【0125】<鉄中心の導入>実施例1において合成し
た原料錯体:Tetraethylammonium(μ-Oxo)bis{trichlo
roferrate(III)}をシリカに結合した配位子へ導入し
た。予めアミノメチルピリジン-アミノメチルピリジン
型配位子と疎水基とを導入した担体シリカ0.9gと上記原
料錯体0.1gとをアセトニトリル(50ml)中、室温(約25℃)
で一晩放置した。
【0126】実施例3 低級炭化水素の酸化活性活性測定方法 30mlのバイアル瓶にアセトニトリル(2.6m
l)を入れた後、酢酸(0.01ml)、トリメチルヒドロキシキ
ノン(30mg)、実施例1または2において製造した触媒(1
0mg)を加えて密封した。バイアル瓶中の空気と酸素を置
換した後、メタン(30ml)を圧入した。反応は30℃のイン
キュベータを用いて実施した。生成物(メタノール)の
確認は、GCにより実施した。測定結果 実施例1または2において製造した触媒を用いることに
より、常温常圧下で系内にメタノールの蓄積が認められ
た。
【0127】触媒10mgによる反応開始17時間後のメタノ
ールの生成量は、以下の通りであった。
【0128】
【表2】
【0129】なお、mole of active site(活性部位のモ
ル数)は、仕込んだ鉄が全て二核錯体を形成したと仮定
して、複合体製造に用いた原料錯体の量から二核錯体の
モル数を算出した。
【0130】図9に、実施例1において調整した複合体
について、反応中のヘリウム温度(5K)におけるESRスペ
クトルを示す。FeIIIに固有のg=4.3のシグナルが得ら
れ、これ以外に磁場320〜340mTに新たなシグナルが得ら
れた。新たなシグナルのg値は、それぞれ、2.04、1.9
7、1.92および1.87であった。この結果から、反応中の
複合体に含まれるFeは、FeIIFeIIIの混合原子価状態に
あると思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合体の1態様を模式的に示した図で
ある。
【図2】実施例1において調製した複合体の構造の一部
を示す。
【図3】実施例2において調整した複合体のモデル図を
示す。
【図4】(EtO)3SiCH2CH2CH2NH(CH2COOEt) のMSスペクト
ルを示す。
【図5】(EtO)3SiCH2CH2CH2NH(CH2COOEt)の1H-NMRを示
す。
【図6】実施例1において用いた配位子前駆体のMSスペ
クトルを示す。
【図7】実施例1において合成した複合体について、合
成の各段階におけるIRスペクトルを示す。
【図8】実施例1において得られた複合体の液体窒素温
度(77K)におけるメスバウワースペクトルを示す。
【図9】実施例1において得られた複合体の5Kにおける
メスバウワースペクトルを示す。
【図10】実施例1において調整した複合体について、
反応中のヘリウム温度(5K)におけるESRスペクトルを示
す。
【符号の説明】
A 金属中心 L 配位子 F 疎水場(疎水性反応場) S 担体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 31/02 C07C 31/02 31/04 31/04 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07F 15/02 C07F 15/02 (72)発明者 吉川 正晃 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 三木 啓司 茨城県つくば市小野川16−3 経済産業省 産業技術総合研究所内 (72)発明者 矢津 一正 茨城県つくば市小野川16−3 経済産業省 産業技術総合研究所内 (72)発明者 ジーン ジャック ジェラード フランス国 オルセー セデックス 420 −91405 インオーガニク ラボラトリー デ キミ (72)発明者 フレディレック バンス フランス国 オルセー セデックス 420 −91405 インオーガニク ラボラトリー デ キミ (72)発明者 ナザリー ラファード フランス国 オルセー セデックス 420 −91405 インオーガニク ラボラトリー デ キミ (72)発明者 ジェネビーブ ブロンディン フランス国 オルセー セデックス 420 −91405 インオーガニク ラボラトリー デ キミ Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA02B BA27A BA27B BC66B BD05B BE32B CB07 DA05 EB18Y EC03Y EC05Y EC13Y EC14Y 4H006 AA02 AC41 BA19 BA45 BA46 BA47 BA56 BE30 4H039 CA60 CC30 4H049 VN01 VP02 VQ21 VR21 VR43 VU33 4H050 AA01 AB40

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】担体と錯体が含まれており、錯体を構成す
    る配位子の少なくとも1種が担体に結合されており、且
    つ錯体が疎水場に位置する担体−錯体複合体。
  2. 【請求項2】錯体が、鉄オキソ錯体である請求項1に記
    載の複合体。
  3. 【請求項3】錯体が、(μ−オキソ)鉄二核錯体、(μ−
    ヒドロキソ)鉄二核錯体、およびFe=O部位を有する鉄二
    核錯体からなる群から選択される少なくとも1種であっ
    て、鉄中心が6配位構造または5配位構造である請求項
    1または2に記載の複合体。
  4. 【請求項4】配位子の少なくとも1つが、水分子である
    請求項1〜3のいずれかに記載の複合体。
  5. 【請求項5】疎水場が、疎水性の担体により形成されて
    いるか、或いは疎水基が担体または配位子に結合した親
    水性の担体により形成されている請求項1〜4のいずれ
    かに記載の複合体。
  6. 【請求項6】親水性の担体が、担体表面に水酸基を有し
    ている担体である請求項5に記載の複合体。
  7. 【請求項7】疎水場が、シラン化合物、酸ハロゲン化
    物、フェノール、エステルおよびアルコールからなる群
    から選択される少なくとも1種の化合物と担体表面に存
    在する水酸基とを反応させることにより形成されている
    請求項1〜6のいずれかに記載の複合体。
  8. 【請求項8】担体表面に存在する水酸基と反応させる化
    合物が、以下の(式1)から(式4)からなる群から選択さ
    れる少なくとも1種の式で示されるシラン化合物である
    請求項7に記載の複合体。 (式1) (RO)3SiR1C=NH [式中、Rは低級アルキル基を示し、R1は、低級アルキレ
    ン基を示す] (式2) (RO)3SiR2ピリジル [式中、Rは低級アルキル基を示し、R2は、低級アルキレ
    ン基を示す] (式3) (RO)m R3 (3-m)SiR4 [式中、RおよびR3は、同一または相異なる低級アルキル
    基を示し、R4は長鎖アルキル基、フェニル基またはナフ
    チル基を示し、mは1,2または3を示す]、および (式4) X3SiR5 [式中、Xは、ハロゲン原子を示し、R5は、長鎖アルキル
    基、フェニル基またはナフチル基を示す]
  9. 【請求項9】配位子が、イミノジ酢酸部位、モノヒドロ
    イミド酢酸部位およびアミノメチルピリジン部位から選
    択される少なくとも1種の多座配位部位を有する配位子
    である請求項3〜8のいずれかに記載の複合体。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の複合体
    を含むアルカンを酸化することによりアルカノールを合
    成するアルカン酸化触媒。
  11. 【請求項11】請求項10に記載のアルカン酸化触媒の
    存在下、アルカンからアルカノールを合成する方法。
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