JP2000126605A - 触媒用担体及び金属錯体触媒 - Google Patents

触媒用担体及び金属錯体触媒

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JP2000126605A
JP2000126605A JP10299982A JP29998298A JP2000126605A JP 2000126605 A JP2000126605 A JP 2000126605A JP 10299982 A JP10299982 A JP 10299982A JP 29998298 A JP29998298 A JP 29998298A JP 2000126605 A JP2000126605 A JP 2000126605A
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carrier
reaction
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complex catalyst
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Yasushi Sato
靖 佐藤
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Eneos Corp
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い触媒活性を長期間保持できる触媒用担体
を得る。 【解決手段】 触媒用担体は、下記式(1)で表される
構造単位を有するポリマーで構成されている。式中、R
1、R2は、同一又は異なって、水素原子、メチル基等の
炭化水素基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を示す。ま
た、nは2以上の整数(例えば、2〜200程度)を示
す。前記触媒用担体のビピリジル部位に、例えば塩化第
二銅などの金属化合物を配位させることにより、触媒寿
命が長く、耐熱性に優れた金属錯体触媒が得られる。特
に、前記金属化合物が金属ハロゲン化物であっても、ハ
ロゲン化物イオンに起因する反応装置の腐食を大幅に低
減できる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化的カルボニル化
反応等の酸化反応などに有用な触媒用担体、及び金属錯
体触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】2,2′−ビピリジンは、多数の金属イ
オンと錯形成することが従来より知られており、その金
属捕捉能を利用することにより、化学めっきや金属イオ
ン検出用材料として重要な役割を果たしている。また、
2,2′−ビピリジンのルテニウム錯体は光電変換効率
に非常に優れており、将来における有機太陽電池の材料
として大きな期待がもたれている。2,2′−ビピリジ
ンを上記のような用途に用いる場合には膜状にする必要
性があり、現在のところ主にSiO2、TiO2などの電
極表面上に吸着させる方法が一般的にとられている。ま
たポリピロールなどの導電性の膜に吸着させる方法(S.
Cosnier et al., J. Electroanal. Chem., 285, 133(1
990))なども知られている。しかし、そのように2,
2′−ビピリジンを吸着させたのみでは、実用的な面に
おいて耐熱性、耐摩耗性の点で問題がある。
【0003】そこで、このような問題を解決する目的
で、ビピリジル基を各種高分子鎖に組み込む試みがなさ
れてきている。現在のところ、ポリスチレンの主鎖にビ
ピリジルユニットをペンダント状にぶら下げる方法(M.
Kaneko et al., J. Polym. Sci. : Polym. Chem. Ed.,
20, 1011(1982))、またはビニル置換基を有するビピ
リジルユニットを重合させポリマー化する方法(M. Fur
ue et al., Chem. Lett.1349(1981))などが提案されて
おり、それらのルテニウム錯体についての光化学的特
性、電気化学的特性に関して活発に研究が行われてきて
いる。しかし、ビピリジル基を有する配位性高分子を触
媒用担体として用いた例は、現在のところ知られていな
い。
【0004】一方、従来、液相均一系の金属ハロゲン化
物触媒による酸化反応では、触媒のハロゲンイオンに由
来する高い腐食性のため、反応器にジルコニウムなどの
高級材質を使用したり、あるいは反応器内部をガラスラ
イニング、ホーローライニング等の処理を施さねばなら
なかった。このような反応系においては、均一系である
がゆえ一般的に高反応活性が達成される反面、設備コス
トがかかり、さらには、クラッキングなどが起こり、そ
こから腐食が進行して大災害につながる危険性をはらん
でいる。このような金属ハロゲン化物触媒を用いる酸化
反応には、アルコールの酸化的カルボニル化による炭酸
エステルの合成反応、塩化パラジウム−塩化銅系触媒を
用いるワッカー型の酸化反応、ヨウ化ロジウム触媒を用
いるモンサント法酢酸合成反応等があり、研究段階のも
のも含めると、多数の液相部分酸化反応が知られてい
る。
【0005】このような金属ハロゲン化物触媒を用いる
酸化反応系における腐食低減方法としては、一般的に
は、金属ハロゲン化物を担体に担持することにより不均
一化するという方法がとられている。そのような担体と
して一般的なものは活性炭であり、例えばプロピレンの
液相系での酸化反応によるアリルアルコールの合成反応
においては、触媒である塩化銅−塩化パラジウムを活性
炭に担持し、装置に対する腐食性を軽減させる試みがな
されてきた。ただしこの場合においては、単に活性炭に
担持するのみでは触媒活性の点で液相系には及ばず、金
属配位子の種類を液相系から大幅に変えることによって
液相系と同等の触媒活性が達成されている。しかし、こ
のような物理吸着に基づく担持法では、担体からの金属
の遊離による触媒失活の問題が避けられず、工業的に用
いられる際には、連続的あるいは断続的な触媒再生工程
が必要となってくる。
【0006】一方、ポリビニルピリジンを担体として用
い、これに金属ハロゲン化物を担持することにより、触
媒を不均一化する方法も知られている。例えば、ポリビ
ニルピリジン−塩化銅錯体触媒を用いたメタノールの酸
化的カルボニル化法による炭酸ジメチルの合成反応(特
公昭52−46927号公報)、ポリビニルピリジン−
ヨウ化ロジウム錯体触媒を用いたモンサント法による酢
酸合成反応(特開平5−306253号公報)等が知ら
れている。この方法は、配位結合により金属を担体に担
持して金属錯体触媒としたもので、活性炭、シリカ等へ
の物理吸着法と比較すると、触媒と担体との結合力が強
く、よって触媒の安定性は高いものと考えられる。しか
し、ポリビニルピリジンの融点が110℃程度と比較的
低いため、融点以下の温度での反応を強いられ、活性を
高めることが困難である。また、活性を向上させるため
に融点付近での反応を行った場合には、発熱が大きくな
り担体からポリビニルピリジンが溶出し、活性低下を引
き起こすといった問題を生ずる。従って、耐熱性を高め
るため、架橋型樹脂として用いるなどの工夫を施す必要
がある(特開平8−325204号公報)。
【0007】現在、工業的に実施されている液相均一系
の金属ハロゲン化物触媒による酸化反応においては、反
応を150℃以上で行うと生成物の選択性及び触媒寿命
などの点で問題が生じることが多く、また反応を100
℃以下で行うと反応活性が低下しやすい。そのため、多
くは反応温度100〜150℃の範囲で行われている。
よって、金属ハロゲン化物を触媒用担体上に担持する場
合、その担体は、少なくとも150℃の温度で十分安定
であることが要求される。
【0008】以上のような背景から、現在、十分に耐熱
性が高く、かつ触媒をより強固に保持できる触媒用担体
及び触媒の開発が強く望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高い触媒活性を長期間保持できる触媒用担体、及び
金属錯体触媒を提供することにある。本発明の他の目的
は、反応装置に対する腐食性の小さい触媒用担体、及び
金属錯体触媒を提供することにある。本発明のさらに他
の目的は、耐熱性に優れた触媒用担体、及び金属錯体触
媒を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、2,2′−ビピリ
ジルのビニル置換体を重合させた化合物を担体とし、こ
れに金属化合物を配位させた錯体触媒を用いると、反応
活性が高く、耐熱性、耐溶剤性、耐摩耗性に優れるとと
もに、ハロゲン化物イオン由来の装置腐食性が問題とな
る反応系における酸化反応触媒として用いても、触媒寿
命が長く、しかも反応器に対する腐食性が低減すること
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】すなわち、本発明は、下記式(1)
【化2】 (式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、炭
化水素基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を示し、nは
2以上の整数を示す)で表される構造単位を有するポリ
マーで構成された触媒用担体を提供する。本発明は、ま
た、上記の触媒用担体のビピリジル部位に金属化合物を
配位させた金属錯体触媒を提供する。前記金属化合物と
して金属ハロゲン化物などを使用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】前記式(1)中、R1、R2におけ
る炭化水素基としては、飽和若しくは不飽和炭化水素
基、鎖状(直鎖状又は分岐鎖状)若しくは環状の炭化水
素基、又はそれらの組み合わせからなる炭化水素基の何
れであってもよく、 例えば、アルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール
基などが挙げられる。前記炭化水素基の炭素数は、一般
には1〜10程度、好ましくは1〜6程度である。
【0013】R1、R2におけるハロゲン原子には、フッ
素、塩素、臭素原子などが含まれる。また、R1、R2
おけるアルコキシ基として、メトキシ、エトキシ、イソ
プロポキシ、t−ブトキシ基などの炭素数1〜6(好ま
しくは1〜4)程度のアルコキシ基などが挙げられる。
【0014】R1、R2の代表的な例として、水素原子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、t−ブチル、ヘキシル基などのC1-6アルキ
ル基(特に、C1-4アルキル基);ビニル基、アリル基
などのC2-6アルケニル基(特に、C2-4アルケニル
基);シクロペンチル、シクロヘキシル基などのC3-8
シクロアルキル基;フェニル基など、及びこれらのうち
同一又は異なる基を2以上結合した基などが挙げられ
る。
【0015】式(1)中、2つのピリジン環におけるR
1、R2で示される炭化水素基などの置換基あるいはポリ
マー主鎖の結合部位は、それぞれ3,4,5,6位の何
れであってもよい。また、R1、R2で示される炭化水素
基などの置換基は、それぞれのピリジン環に複数個結合
していてもよい。
【0016】前記式(1)中、nは2以上の整数、例え
ば2〜100の整数を示す。nは、好ましくは5以上
(例えば5〜50)の整数である。nが小さすぎると、
金属錯体触媒としたときに、反応溶媒への溶解性が増大
し、触媒成分が反応液中に溶出するおそれがある。
【0017】本発明の触媒用担体は、少なくとも前記式
(1)で表される構造単位を分子内に有するポリマーで
あればよく、主鎖、分岐鎖、末端を問わず、上記の構造
単位以外の他の構造単位を有していてもよい。例えば、
本発明の触媒用担体は、前記構造単位を繰り返し単位と
するホモポリマーであってもよく、前記構造単位と他の
繰り返し単位とを有する共重合体や架橋型ポリマーなど
であってもよい。前記共重合体として、式(1)で表さ
れる構造単位に対応するビピリジル類のビニル置換モノ
マーと、他のビニルモノマー、例えば、スチレン、ビニ
ルトルエン、ジビニルベンゼン、ビニルピリジンなどと
の共重合体などが挙げられる。
【0018】触媒用担体の形態は特に限定されず、粉末
状でもよく、球状、ペレット状、タブレット状などに成
形されていてもよい。触媒用担体の融点は、適用する反
応の反応温度より高ければよく、反応の種類によっても
異なるが、一般には150℃以上であるのが好ましい。
【0019】本発明の触媒用担体の合成法としては、特
に制限されないが、例えば、対応するビピリジル類のビ
ニル置換モノマーをベンゼン、トルエン、クロロホル
ム、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)等の有機溶媒中、アゾビスイソ
ブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなどの適当な重合開
始剤の存在下でラジカル重合させ、その後ポリマーの貧
溶媒である、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メ
チルt−ブチルエーテル(MTBE)等により再沈させ
ることにより、n=25〜30程度のポリマーを得るこ
とができる(C. G. Pitt et al., J. Polym. Sci, : Po
lym. Lett. Ed., 24, 13(1986))。また、ビピリジル類
のビニル置換モノマーを、0.1〜10モル倍程度のス
チレンあるいはビニルピリジン共存下、または0.01
〜0.1モル倍程度のジビニルベンゼン共存下で重合さ
せることにより共重合体を得ることもできる。さらに、
電気化学的に、TiO2、Ptなどの各種電極を用い、
対応するビピリジル類のビニル置換モノマーを電極表面
上にて還元的に重合させることにより膜状で得ることも
できる(H. D. Abruna et al., J. Am. Chem. Soc., 10
3, 1(1981))。
【0020】触媒用担体の平均分子量や前記nは、反応
温度、反応時間、触媒等の種類や量などの反応条件を変
えることにより調整できる。
【0021】本発明の触媒用担体のモノマーであるビピ
リジル類のビニル置換体の合成法としては、特に制限は
無いが、相当するメチル置換体を原料とし、ホルムアル
デヒドによる炭素鎖延長によりビニル基に変換する方法
(T. Spiro et al., J. Am.Chem. Soc., 102, 5543(198
0))、あるいは、前記メチル置換体のメチル基を一旦ク
ロロメチル基のトリフェニルホスホニウム塩に変換し、
ホルムアルデヒドによる求核攻撃を容易にした後、ホル
ムアルデヒドによる炭素鎖延長によりビニル基に変換す
る方法(C. G. Pitt et al., J. Polym. Sci, : Polym.
Lett. Ed.,24, 13(1986))などが例として挙げられ
る。
【0022】本発明の金属錯体触媒は、上記触媒用担体
のビピリジル部位に金属化合物を配位させることにより
得られる。前記金属化合物には、下記式(2) MaXb (2) (式中、Mは金属原子、Xは対アニオン又は配位子、a
及びbは正の整数を示す)で表される化合物が含まれ
る。
【0023】上記式中、Mで示される金属原子として
は、ビピリジル基に対して配位性を有する金属であれば
よく、例えば、銅;ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、イリジウム、白金等の白金族元素の原
子などが例示できる。また、Xで示される対アニオン又
は配位子としては、前記金属原子と結合又は配位可能な
ものであればよく、例えば、塩素、臭素、ヨウ素原子な
どのハロゲン原子;酢酸基、シュウ酸基などの有機酸
基;炭酸基、硝酸基などの無機酸基などが例示される。
Xは、塩素、臭素、ヨウ素原子などのハロゲン原子であ
る場合が多い。a及びbは、MとXの価数によって定ま
り、例えば1〜6程度である。
【0024】前記金属化合物の代表的な例として、例え
ば、塩化第二銅、塩化第一銅、臭化第二銅、臭化第一
銅、ヨウ化第二銅、ヨウ化第一銅などのハロゲン化銅;
ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリ
ジウム又は白金の塩化物等のハロゲン化物などの金属ハ
ロゲン化物等が例示できる。金属化合物は単独で又は2
種以上組み合わせて使用できる。
【0025】金属化合物は、触媒用担体の少なくとも1
つのビピリジル部位に配位していればよいが、通常、金
属化合物の配位率は、ビピリジル全配位座に対して、1
0〜100%程度、好ましくは30〜90%程度であ
る。前記配位率が10%未満の場合は、充分な反応活性
を保つためには触媒量を増大させる必要があり、工業的
なスケールでは触媒系の取扱いが煩雑となりやすい。ま
た、反応条件等によっては、反応中に若干の金属化合物
が遊離してくることがあり、それらを捕捉するため、フ
リーな配位座をある程度残しておいた方が好ましい。
【0026】本発明の金属錯体触媒は、適当な溶媒中
で、前記金属化合物と触媒用担体とを反応させて錯形成
することにより得ることができる。
【0027】前記溶媒としては、水;アンモニア水;メ
タノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノ
ール、1−ヘキサノール、エチレングリコール等のアル
コール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類;ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル
類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ル等のニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド等のアミド類;ヘキサン、オクタン等の脂肪
族炭化水素類;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素
類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等
の芳香族炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジク
ロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭
化水素類などを挙げることができる。これらは単独で又
は2種以上混合して使用できる。
【0028】錯形成反応は、例えば、前記金属化合物を
上記溶媒に溶解させた溶液中に前記触媒用担体を固体の
まま添加して行ってもよく、また、触媒用担体を金属化
合物を溶解させた溶媒と相溶する溶媒(例えば、クロロ
ホルム、THFなど)に予め溶解させ、この溶液を前記
金属化合物の溶液に添加して行ってもよい。
【0029】錯形成反応は、例えば、窒素、アルゴン、
ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下や、一酸化炭素雰囲気
下、常圧又は加圧下で行うことができる。一酸化炭素雰
囲気下で上記反応を行う場合、一酸化炭素圧は常圧〜5
0kgf/cm2であり、好ましくは常圧〜30kgf
/cm2の範囲である。錯形成反応は室温で行うことが
できるが、加温下又は室温以下の温度で行ってもよい。
【0030】錯形成反応後、反応混合物から濾過などに
よって溶媒を分離除去し、必要に応じて乾燥することに
より、金属錯体触媒を単離できる。前記乾燥は、例え
ば、60℃程度の温度で真空下に行うことができる。
【0031】本発明の金属錯体触媒は、広範囲の液相又
は気相酸化反応、特に均一液相系酸化反応の触媒として
有用である。なかでも、ハロゲン原子を有する金属化合
物を触媒とする酸化反応、例えば、アルコールの酸化的
カルボニル化による炭酸エステル合成反応(特に、メタ
ノール、一酸化炭素及び酸素を原料としたジメチルカー
ボネート生成反応)、モンサント法酢酸合成反応(一酸
化炭素とメタノールから酢酸を合成する反応)、ワッカ
ー法による各種アルデヒド、ケトン合成反応、プロピレ
ン法酢酸アリル合成反応などの酸化反応に好適に使用で
きる。
【0032】
【発明の効果】本発明の触媒用担体及び金属錯体触媒に
よれば、触媒成分が担体に強固に保持されるため、高い
触媒活性を長期間保持できる。また、触媒にハロゲン原
子が含まれていたとしても、ハロゲン化物イオンに起因
する反応装置の腐食を著しく低減でき、しかも耐熱性に
優れる。
【0033】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0034】実施例1 (金属錯体触媒の調製)文献C. G. Pitt et al., J. Po
lym. Sci. : Polym. Lett. Ed., 24, 13(1986)に記載の
方法に準じて、ポリ(4−ビニル−4′−メチル−2,
2′−ビピリジン)を合成した(全収率10%、n=2
6、融点165℃)。上記ポリマー2000mg(ビピ
リジル単位で10.2mmol)を60℃にて200m
lのクロロホルムに溶解させ、これを、ビピリジル部位
に対して2モル倍当量(2740mg)のCuCl2
200mlメタノール中に、室温で攪拌下30分かけて
滴下した。2時間後、析出した緑色固体をろ別し、メタ
ノールで洗浄した後、乾燥させ、3250mgの塩化銅
錯体触媒を得た。X線蛍光分析によるCu、Clに関す
る元素分析の結果、ビピリジル部位に対する塩化銅の配
位率は約82%であった。また、この金属錯体触媒はメ
タノールに不溶であることを確認した。
【0035】(ジメチルカーボネート合成反応)容量3
0mlのハステロイB2製オートクレープに、Cu換算
で1.5mmol相当量のポリ(4−ビニル−4′−メ
チル−2,2′−ビピリジン)塩化銅錯体触媒、及びメ
タノール10mlを加え、密閉した。系を窒素置換した
後、大気圧まで放圧し、ここへ、O2を2kgf/c
2、COを23kgf/cm2張り込んだ。オートクレ
ーブを142℃に加熱した湯浴中に投入し、攪拌速度8
00rpmで内容物を攪拌した。液相部の温度が140
℃になった時点で反応開始とし(投入10分後)、2時
間反応を行った。
【0036】反応終了後、系を冷却、放圧し、気相部成
分(CO、O2、CO2)及び液相部成分(メタノール、
ジメチルカーボネート)の定量をガスクロマトグラフィ
ーにより行った。得られたジメチルカーボネートは、
3.0mmolであった。触媒をろ別し、計3回リサイ
クル使用したが、反応活性の低下は見られなかった。
【0037】また、腐食性評価を次のようにして行っ
た。ハステロイC276(三菱金属製、成分Ni;Ba
l,Fe;5%、Cr;16%、Mo;16%)製のテ
ストピース(15×8×2mm)を反応系内のうち器壁
等の金属に接触しない位置にテフロンで固定し、反応前
後のテストピース重量の減少度と溶液との接触面積とに
より、アメリカ腐食防食技術者協会によるNACE評価
基準に基づき、その腐食速度の算出を行った。なお、こ
の腐食性評価においては、同一のテストピースを用いて
計15回の繰り返し反応を行った後、その積算時間を基
に腐食速度の算出を行った。その結果、テストピースの
腐食速度は0.02mm/年以下であり、工業的に十分
使用できるものであった。
【0038】実施例2 (金属錯体触媒の調製)実施例1で用いたものと同じス
ペックのポリ(4−ビニル−4′−メチル−2,2′−
ビピリジン)を用い、これと、ビピリジル部位に対して
0.5モル倍当量のCuCl2とを、実施例1と同様の
方法により反応させることにより、定量的に塩化銅錯体
触媒を得た。X線蛍光分析によるCu、Clに関する元
素分析の結果、塩化銅の配位率は、ビピリジル部位に対
して約40%であった。また、この金属錯体触媒はメタ
ノールに不溶であることを確認した。
【0039】(ジメチルカーボネート合成反応)触媒と
して、上記のポリ(4−ビニル−4′−メチル−2,
2′−ビピリジン)塩化銅錯体触媒を用いた以外は実施
例1と同様の反応を行った結果、得られたジメチルカー
ボネートは3.0mmolであった。反応後、触媒をろ
別し、計3回触媒を再使用したが、反応活性の低下は見
られなかった。腐食性評価を、実施例1の場合と同様に
して行った結果、テストピースの腐食速度は0.02m
m/年以下であり、工業的に十分使用できるものであっ
た。
【0040】比較例1 (均一系CuCl2触媒によるジメチルカーボネート合
成反応)容量30mlのグラスライニングしたオートク
レープに、1.5mmolの無水CuCl2、及びメタ
ノール10mlを加え、密閉した。系を窒素置換後、大
気圧まで放圧し、ここへ、O2を2kgf/cm2、CO
を23kgf/cm2張り込んだ。オートクレーブを1
42℃に加熱した油浴中に投入し、攪拌速度800rp
mで内容物を攪拌した。液相部の温度が140℃になっ
た時点で反応開始とし(投入10分後)、2時間反応を
行った。
【0041】反応終了後、系を冷却、放圧し、気相部成
分(CO、O2、CO2)および液相部成分(メタノー
ル、ジメチルカーボネート)の定量をガスクロマトグラ
フィーにより行った結果、得られたジメチルカーボネー
トは3.0mmolであった。
【0042】また、腐食性評価を実施例1の場合と同様
にして行ったところ、テストピースの腐食速度は70m
m/年であった。このように、CuCl2触媒を用いた
均一系では、腐食が非常に激しく、工業的な生産におい
てハステロイ製の反応器を使用することはできず、グラ
スライニングの反応器を使用する必要がある。
【0043】比較例2 (金属錯体触媒の調製) ポリ(ビニルピリジン)塩化銅錯体の合成 ポリビニルピリジン(Aldrich社製、10%スチレン共
重合体)2000mg(ピリジル単位で19.0mmo
l)を100mlのメタノールに溶解した。この溶液
を、ピリジル部位に対して0.85モル倍当量(217
7mg)のCuCl2/100mlメタノール中に加え
たところ、直ちに緑色沈殿が生成した。この緑色固体を
室温でろ別し、メタノールで洗浄後、乾燥させ、仕込み
当量の塩化銅錯体触媒を得た。ICP分析により、Cu
はろ液中にほとんど含まれていないこと(10ppm以
下)を確認した。したがって、塩化銅の配位率はピリジ
ル部位に対して約85%である。また、この金属錯体触
媒はメタノールに不溶であることを確認した。
【0044】(ジメチルカーボネート合成反応)容量3
0mlのグラスライニングしたオートクレーブに、Cu
換算で1.5mmol相当量のポリ(ビニルピリジン)
塩化銅錯体触媒、及びメタノール10mlを加え、密閉
した。系を窒素置換後、大気圧まで放圧し、ここへ、O
2を2kgf/cm2、COを23kgf/cm2張り込
んだ。オートクレーブを142℃に加熱した油浴中に投
入し、攪拌速度800rpmで内容物を攪拌した。液相
部の温度が140℃になった時点で反応開始とし(投入
10分後)、2時間反応を行った。
【0045】反応終了後、系を冷却、放圧し、気相部成
分(CO、O2、CO2)および液相部成分(メタノー
ル、ジメチルカーボネート)の定量をガスクロマトグラ
フィーにより行った。得られたジメチルカーボネートは
3.0mmolであった。
【0046】腐食性評価を実施例1の場合と同様にして
行ったところ、テストピースの腐食速度は0.05mm
/年であり、工業的に十分使用できるものの、実施例1
及び2のポリ(4−ビニル−4′−メチル−2,2′−
ビピリジン)塩化銅錯体触媒と比較すると、耐腐食性は
半分以下であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、炭
    化水素基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を示し、nは
    2以上の整数を示す)で表される構造単位を有するポリ
    マーで構成された触媒用担体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の触媒用担体のビピリジル
    部位に金属化合物を配位させた金属錯体触媒。
  3. 【請求項3】 金属化合物が金属ハロゲン化物である請
    求項2記載の金属錯体触媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002363188A (ja) * 2001-05-31 2002-12-18 Osaka Gas Co Ltd 担体−錯体複合体、アルカン酸化触媒およびアルカノール合成方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002363188A (ja) * 2001-05-31 2002-12-18 Osaka Gas Co Ltd 担体−錯体複合体、アルカン酸化触媒およびアルカノール合成方法
JP4674995B2 (ja) * 2001-05-31 2011-04-20 大阪瓦斯株式会社 担体−錯体複合体、アルカン酸化触媒およびアルカノール合成方法

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