JPH11309377A - 触媒用担体及び金属錯体触媒 - Google Patents

触媒用担体及び金属錯体触媒

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JPH11309377A
JPH11309377A JP10134368A JP13436898A JPH11309377A JP H11309377 A JPH11309377 A JP H11309377A JP 10134368 A JP10134368 A JP 10134368A JP 13436898 A JP13436898 A JP 13436898A JP H11309377 A JPH11309377 A JP H11309377A
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JP
Japan
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catalyst
reaction
metal
carrier
metal complex
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JP10134368A
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English (en)
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Yasushi Sato
靖 佐藤
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Japan Chemical Industry Association JCIA
Original Assignee
Japan Chemical Industry Association JCIA
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い触媒活性を長期間保持できる触媒用担体
を得る。 【解決手段】 触媒用担体は、下記式(1)で表される
繰り返し単位を有するポリマーで構成されている。式
中、Rは2価の炭化水素基、例えば、1,4−フェニレ
ン基、ヘキサメチレン基などを示す。前記触媒用担体の
ビピリジル部位に、例えば塩化第二銅などの金属化合物
を配位させることにより、触媒寿命が長く、耐熱性に優
れた金属錯体触媒が得られる。特に、前記金属化合物が
金属ハロゲン化物であっても、ハロゲン化物イオンに起
因する反応装置の腐食を大幅に低減できる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化的カルボニル化
反応等の酸化反応などに有用な触媒用担体、及び金属錯
体触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】2,2′−ビピリジンが多数の金属イオ
ンと錯形成することは従来より知られており、その金属
捕捉能を利用することにより、化学めっきや金属イオン
検出用材料として重要な役割を果たしている。また、
2,2′−ビピリジンのルテニウム錯体は光電変換効率
に非常に優れており、将来における有機太陽電池の材料
として大きな期待がもたれている。このような背景をも
とに、2,2′−ビピリジル部位が主鎖に組み込まれた
各種ポリアミドが合成されている(前者の目的について
は、特開昭57−30728号公報、後者の目的につい
ては、文献 Yu, S. C. et al., Macromol. Rapid. Comm
um., 18, 213(1997)参照)。このようなポリアミドは
2,2′−ビピリジンと比較して耐熱性が高く、よって
前述のような使用法においてかなりの優位性が認められ
る。しかし、触媒用担体としての使用法は今までのとこ
ろ知られていない。
【0003】一方、従来、液相均一系の金属ハロゲン化
物触媒による酸化反応では、触媒のハロゲンイオンに由
来する高い腐食性のため、反応器にジルコニウムなどの
高級材質を使用したり、あるいは反応器内部にガラスラ
イニング、ホーローライニング等の処理を施さねばなら
なかった。前記酸化反応系においては、均一系であるた
め一般的に高反応活性が達成される反面、設備コストが
かかるだけでなく、クラッキングなどが生じ、そこから
腐食が進行して大災害につながる危険性をはらんでい
る。このような金属ハロゲン化物触媒を用いる酸化反応
には、アルコールの酸化的カルボニル化による炭酸エス
テルの合成反応、塩化パラジウム−塩化銅系触媒を用い
るワッカー型の酸化反応、沃化ロジウム触媒を用いるモ
ンサント法酢酸合成反応等があり、研究段階のものも含
めると、多数の液相部分酸化反応が知られている。
【0004】このような酸化反応系における腐食低減方
法としては、一般的には、金属ハロゲン化物を担体に担
持することにより不均一化するという方法が採られてい
る。そのような担体として一般的なものは活性炭であ
り、例えばプロピレンの液相系での酸化反応によるアリ
ルアルコールの合成反応においては、触媒である塩化銅
−塩化パラジウムを活性炭に担持し、装置に対する腐食
性を軽減させる試みがなされている。ただしこの場合に
おいては、単に活性炭に担持するのみでは触媒活性の点
で液相系には及ばず、金属配位子の種類を液相系から大
幅に変えることによって液相系と同等な触媒活性が達成
されている。しかし、このような物理吸着に基づく担持
法では、担体からの金属の遊離による触媒失活の問題が
避けられず、工業的に用いられる際には、連続的あるい
は断続的な触媒再生操作が必要となってくる。
【0005】一方、ポリビニルピリジンを担体として用
い、これに金属ハロゲン化物を担持することにより、触
媒を不均一化する方法も知られている。例えば、ポリビ
ニルピリジン−塩化銅錯体触媒を用いたメタノールの酸
化的カルボニル化法による炭酸ジメチルの合成反応、ポ
リビニルピリジン−ヨウ化ロジウム錯体触媒を用いたモ
ンサント法による酢酸合成反応等が知られている。この
方法は、配位結合により金属を担体に担持して金属錯体
触媒としたもので、活性炭、シリカ等への物理吸着法と
比較すると、触媒と担体との結合力が強く、触媒の安定
性は高いものと考えられる。しかし、ポリビニルピリジ
ンの融点が110℃程度と比較的低いため、融点以下の
温度での反応を強いられ、活性を高めることが困難であ
る。また、活性を向上させるために融点付近での反応を
行った場合には、発熱が大きくなり担体からポリビニル
ピリジンが溶出し、活性低下を引き起こすといった問題
を生ずる。したがって、耐熱性を高めるため、架橋型樹
脂として用いるなどの工夫を施す必要がある(特開平8
−325204号公報参照)。
【0006】現在、工業的に実施されている液相均一系
の金属ハロゲン化物触媒による酸化反応においては、反
応を150℃以上で行うと生成物の選択性、触媒寿命な
どの点で問題が生じることが多く、また反応を100℃
以下で行うと反応活性が低くなる場合が多い。そのた
め、多くは反応温度100〜150℃の範囲で行われて
いる。したがって、金属ハロゲン化物を触媒用担体上に
担持する場合、その担体は、少なくとも150℃の温度
において十分安定であることが要求される。以上のよう
な背景から、現在、十分に耐熱性が高く、かつ触媒成分
をより強固に保持できる触媒用担体及び触媒の開発が強
く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高い触媒活性を長期間保持できる触媒用担体、及び
金属錯体触媒を提供することにある。本発明の他の目的
は、反応装置の腐食を抑制できる触媒用担体、及び金属
錯体触媒を提供することにある。さらに、本発明の他の
目的は、耐熱性に優れた触媒用担体、及び金属錯体触媒
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、2,2′−ビピリジ
ル基がアミド結合により主鎖に組み込まれたポリアミド
化合物を担体とし、これに金属化合物を配位させた錯体
触媒を用いると、反応活性が高く、耐熱性、耐溶剤性、
耐摩耗性に優れるとともに、ハロゲン化物イオン由来の
装置腐食性が問題となる反応系における酸化反応触媒と
して用いても、触媒寿命が長く、しかも反応器に対する
腐食性を著しく低減できることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
【0009】すなわち、本発明の触媒用担体は、下記式
(1)
【化2】 (式中、Rは2価の炭化水素基を示す)で表される繰り
返し単位を有するポリマーで構成されている。また、本
発明は、上記触媒用担体のビピリジル部位に金属化合物
を配位させた金属錯体触媒を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】前記式(1)中、Rで示される2
価の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和炭化水素基、鎖
状(直鎖状又は分岐鎖状)若しくは環状の炭化水素基、
又はそれらの組み合わせからなる炭化水素基の何れであ
ってもよく、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、
アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリ
デン基、シクロアルケニレン基、アリーレン基など、及
びこれらの組み合わせなどが挙げられる。Rで示される
2価の炭化水素基の炭素数は、一般には1〜20程度、
好ましくは1〜15程度である。式(1)中、2つのピ
リジン環におけるカルボニル基の結合部位は、それぞれ
3,4,5,6位の何れであってもよい。
【0011】前記2価の炭化水素基の具体例として、以
下の炭化水素基、及びこれらのうち同一又は異なる炭化
水素基を2以上結合した基が挙げられる。
【化3】 (式中、nは1〜10の整数を示す) 本発明の触媒用担体は、少なくとも式(1)で表される
繰り返し単位(アミド構造)を分子内に有するポリマー
であれば特に限定されず、上記の繰り返し単位からなる
ホモポリマー、上記以外の繰り返し単位を含むコポリマ
ーの何れであってもよい。触媒用担体の融点は、適用す
る反応の反応温度より高ければよく、反応の種類によっ
ても異なるが、一般には150℃以上、好ましくは20
0℃以上である。
【0012】本発明の触媒用担体は、ポリアミドを製造
する際に用いられる一般的な方法に準じて製造できる。
例えば、前記触媒用担体は、下記式(2)
【化4】 で表される2,2′−ビピリジルジカルボン酸又はその
反応性誘導体と、下記式(3) H2N−R−NH2 (3) (式中、Rは前記に同じ)で表されるジアミン又はその
反応性誘導体とを、必要に応じて縮合剤の存在下で反応
(重縮合)させることにより得ることができる。2,
2′−ビピリジルジカルボン酸の反応性誘導体として
は、対応するジカルボン酸のハライド(酸クロリドな
ど)、酸無水物(酢酸との混合酸無水物など)、エステ
ル(フェニルエステル、エチルエステルなど)、チオエ
ステル(フェニルチオエステルなど)などが挙げられ
る。前記ジアミンの反応性誘導体としては、N−アシル
体(N−アセチル体など)、N−シリル体(N−トリメ
チルシリル体など)、ジイソシアネートなどが挙げられ
る。また、前記縮合剤としては、トリフェニルホスファ
イト[(PhO)3P]、(PhO)PCl2、PhPO
Cl2、POCl3、SOCl2−トリエチルアミン、P
3P−C2Cl6、SiCl4、Me2SiCl2、(Ph
O)3P−ピリジンなどが例示できる。
【0013】より具体的には、例えば、前記式(2)で
表される2,2′−ビピリジルジカルボン酸と前記式
(3)で表されるジアミンとを、縮合剤として、トリフ
ェニルホスファイト、塩化リチウム及びピリジンの存在
下、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどの溶媒中、80
〜150℃程度の温度で反応させ、得られた反応混合液
を、ポリマーの貧溶媒、例えばメタノール中に注ぎ、必
要に応じて濾過、乾燥することにより、対応するポリア
ミドを例えば粉末状で得ることができる。反応は、反応
停止剤として、反応原料(基質)に対して0〜20重量
%程度の任意のモノカルボン酸又はモノアミンの存在下
で行ってもよい。
【0014】前記式(2)で表される2,2′−ビピリ
ジルジカルボン酸は、対応する2,2′−ビピリジンの
ジメチル体を、酸化マンガン、酸化クロムなどの酸化剤
により酸化することにより得ることができる。
【0015】本発明の金属錯体触媒における金属化合物
には、下記式(4) Mab (4) (式中、Mは金属原子、Xは対アニオン又は配位子、a
及びbは正の整数を示す)で表される化合物が含まれ
る。
【0016】上記式中、Mで示される金属原子として
は、ビピリジル基に対して配位性の金属原子であれば特
に限定されず、例えば、銅;ルテニウム、ロジウム、パ
ラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等の白金族元
素の原子などが例示できる。また、Xで示される対アニ
オン又は配位子としては、前記金属原子と結合又は配位
可能なものであればよく、塩素、臭素、ヨウ素原子など
のハロゲン原子;メトキシ、エトキシ基などのアルコキ
シ基;CO;トリフェニルホスフィンなどのホスフィン
類;ピリジンなどの窒素含有化合物などが例示される。
Xは、塩素、臭素、ヨウ素原子などのハロゲン原子であ
る場合が多い。a及びbは、MとXの価数によって定ま
り、1〜6程度である。
【0017】前記金属化合物の代表的な例として、例え
ば、塩化第二銅、塩化第一銅、臭化第二銅、臭化第一
銅、ヨウ化第二銅、ヨウ化第一銅などのハロゲン化銅;
ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリ
ジウム又は白金の塩化物等のハロゲン化物などの金属ハ
ロゲン化物等が例示できる。金属化合物は単独で又は2
種以上組み合わせて使用できる。
【0018】金属化合物は、触媒用担体の少なくとも1
つのビピリジル部位に配位していればよいが、通常、金
属化合物の配位率は、ビピリジル全配位座に対して、1
0〜100%程度、好ましくは30〜90%程度であ
る。前記配位率が少なすぎると、十分な反応活性を保つ
ためには触媒量を増大させる必要がある。また、反応の
条件等によっては、反応中に若干の金属化合物が遊離し
てくることがあり、それらを反応中で捕捉するため、フ
リーな配位座をある程度残しておいた方が好ましい。
【0019】本発明の金属錯体触媒は、適当な溶媒中
で、前記金属化合物と触媒用担体とを反応させて錯形成
することにより得ることができる。
【0020】前記溶媒としては、水;アンモニア水;メ
タノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノ
ール、1−ヘキサノール、エチレングリコール等のアル
コール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類;ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類;アセト
ニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニト
リル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等のアミド類;ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素
類;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭
化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類
などを挙げることができる。これらは単独で又は2種以
上混合して使用できる。
【0021】錯形成反応は、例えば、窒素、アルゴン、
ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下や、一酸化炭素雰囲気
下で行うことができる。一酸化炭素雰囲気下で上記反応
を行う場合、一酸化炭素圧は常圧〜50kgf/cm2
であり、好ましくは常圧〜30kgf/cm2の範囲で
ある。錯形成反応は室温で行うことができるが、加温下
又は室温以下の温度で行ってもよい。錯形成反応後、反
応混合物から濾過などによって溶媒を分離除去し、必要
に応じて乾燥することにより、金属錯体触媒を単離でき
る。
【0022】本発明の金属錯体触媒は、耐熱性、耐溶剤
性、耐磨耗性に優れるとともに、実質的な触媒成分であ
る金属化合物と担体とが配位結合により強く結合してい
るので、金属化合物と担体の分離に起因する触媒失活が
抑制され、触媒寿命が長い。また、金属化合物がハロゲ
ン原子を有していたとしても、ハロゲン化物イオンによ
る反応装置の腐食を大幅に低減できる。そのため、広範
囲の触媒反応、特に液相反応の触媒として有用であり、
なかでもハロゲン原子を有する金属化合物を触媒とする
反応、例えば、アルコールの酸化的カルボニル化による
炭酸エステル合成反応(特に、メタノール、一酸化炭素
及び酸素を原料としたジメチルカーボネート生成反
応)、モンサント法酢酸合成反応(一酸化炭素とメタノ
ールから酢酸を合成する反応)、ワッカー法による各種
アルデヒド、ケトン合成反応、プロピレン法酢酸アリル
合成反応などの種々の酸化反応に好適に使用できる。
【0023】
【発明の効果】本発明の触媒用担体及び金属錯体触媒に
よれば、高い触媒活性を長期間保持できる。また、反応
装置の腐食を著しく低減でき、しかも耐熱性に優れる。
【0024】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0025】実施例1 [触媒用担体の合成] ポリ(N,N′−ビスフェニレン−2,2′−ビピリジ
ン−4,4′−ジカルボン酸アミド)の合成 当化合物の合成に関しては、その位置異性体である、
5,5′−ジカルボン酸アミドの合成法に関する文献 Y
u, S. C. et al., Macromol. Rapid. Commnm., 18, 213
(1997)を参考にして行った。
【0026】(工程1) 2,2′−ビピリジン−4,4′−ジカルボン酸の合成 前処理として、4,4′−ジメチル−2,2′−ビピリ
ジン60g(0.326モル)をアセトン1680ml
に加熱溶解させた溶液を、炭酸カリウム18.93g
(0.137モル)を氷水4.2リットルに溶解させた
液中に滴下し、10分間攪拌後、析出した結晶をろ取し
た。別に、10リットルの反応容器に過マンガン酸カリ
ウム224.6gと水6リットルを仕込み、加熱還流し
た。これに、前処理して得た4,4′−ジメチル−2,
2′−ビピリジンの結晶を20%の水酸化カリウム水溶
液100mlに懸濁させた懸濁液を、5回に分けて添加
した。5時間加熱還流し、放冷後、析出してくる白色結
晶を酢酸エチル1リットルに溶解させ、副生した酸化マ
ンガンをろ別、除去した。ろ液を分液し、水層を集め、
酢酸/濃塩酸=1/1溶液によりpH3.5に調整し、
析出した結晶を水洗及びアセトン洗浄し、粗結晶32.
47gを得た。これをクロロホルム/10%アンモニア
性メタノール=3/1溶液600mlを用いて2回スラ
リー洗浄し、ろ別した結晶を水150mlに懸濁させ、
酢酸でpH3.5に調整した。析出した結晶をろ別し、
水洗後、乾燥させて2,2′−ビピリジン−4,4′−
ジカルボン酸を15.45g得た。高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)による純度は94%であり、収率
は19.4%であった。なお、6%の不純物はHPLC
のピーク位置等の情報よりモノカルボン酸(2,2′−
ビピリジン−4−カルボン酸)と推定される。
【0027】(工程2) ポリ(N,N′−ビスフェニレン−2,2′−ビピリジ
ン−4,4′−ジカルボン酸アミド)の合成 2リットルの反応容器に2,2′−ビピリジン−4,
4′−ジカルボン酸14.7g(0.06モル)(ただ
し、工程1での不純物6%を含む)、1,4−フェニレ
ンジアミン6.5g(0.06モル)、トリフェニルホ
スファイト39.2g(0.126モル)及び塩化リチ
ウム36.1g(0.85モル)を仕込み、脱水ピリジ
ン270mlと、蒸留精製したヘキサメチルホスホリッ
クトリアミド600mlを加え、120℃で24時間反
応させた。放冷後、反応液を1.7リットルのメタノー
ルに注ぎ、析出する固体をろ別し、メタノール洗浄後乾
燥させ、17.4gのポリ(N,N′−ビスフェニレン
−2,2′−ビピリジン−4,4′−ジカルボン酸アミ
ド)(触媒用担体)を得た(収率91.7%)。CHN
に関する元素分析の結果(%)、C,68.9;H,
4.03;N,15.95であった。工程1での不純物
がモノカルボン酸であり、それが系中で重合停止剤とし
て働き、ポリマーの両末端に結合しているとすると、得
られたポリアミドは、ビピリジル単位で約15量体程度
であると推定される。なお、この場合の計算値(%)
は、C,68.3;H,3.86;N,17.51であ
る。また、得られたポリアミドの融点は200℃以上で
あり、十分な耐熱性を有していることを確認した。
【0028】[金属錯体触媒の調製] ポリ(N,N′−ビスフェニレン−2,2′−ビピリジ
ン−4,4′−ジカルボン酸アミド)塩化銅錯体の合成 上記ポリアミド2009mg(ビピリジル単位で6.4
8ミリモル)を、ビピリジル部位に対して2モル倍当量
(1743mg)のCuCl2/100mlメタノール
混合液中に投入し、5時間還流させた。室温まで冷却
し、析出した緑色固体をろ別し、メタノールで洗浄し、
乾燥させて、2863mgのポリ(N,N′−ビスフェ
ニレン−2,2′−ビピリジン−4,4′−ジカルボン
酸アミド)塩化銅錯体触媒を得た。X線蛍光分析による
Cu、Clに関する元素分析の結果、塩化銅の配位率は
ビピリジル部位に対して約85%であった。また、この
金属錯体触媒はメタノールに不溶であることを確認し
た。
【0029】[ジメチルカーボネート合成反応]容量3
0mlのハステロイB2製オートクレーブにCu換算で
1.5ミリモル相当量のポリ(N,N′−ビスフェニレ
ン−2,2′−ビピリジン−4,4′−ジカルボン酸ア
ミド)塩化銅錯体触媒、及びメタノール10mlを加
え、密閉した。系を窒素置換後、大気圧まで放圧し、こ
こへ、O2を2kgf/cm2、COを23kgf/cm
2圧入した。オートクレーブを142℃に加熱した油浴
中に浸漬し、撹拌速度800rpmで内容物を撹拌し
た。液相部の温度が140℃になった時点で反応開始と
し(投入10分後)、2時間反応を行った。反応終了
後、系を冷却、放圧し、気相部成分(CO、O2、C
2)および液相部成分(メタノール、ジメチルカーボ
ネート)の定量をガスクロマトグラフィーにより行っ
た。得られたジメチルカーボネートは3.0ミリモルで
あった。触媒をろ別し、計3回リサイクル使用したが、
反応活性の低下は見られなかった。また、腐食性評価を
次のようにして行った。ハステロイC276(三菱金属
製、成分:Ni;Bal,Fe;5%,Cr;16%,
Mo16%)製のテストピース(15×8×2mm)
を、反応系内のうち器壁等の金属に接触しない位置にテ
フロンで固定し、反応前後のテストピース重量の減少度
と溶液との接触面積とにより、アメリカ腐食防食技術者
協会によるNACE評価基準に基づき、その腐食速度の
算出を行った。なお、この腐食性評価においては、同一
のテストピースを用いて計15回の繰り返し反応を行っ
た後、その積算時間をもとに腐食速度の算出を行った。
その結果、テストピースの腐食速度は0.02mm/年
以下であり、工業的に十分使用できるものであった。
【0030】実施例2 [触媒用担体の合成] ポリ(N,N′−ビスヘキサメチレン−2,2′−ビピ
リジン−4,4′−ジカルボン酸アミド)の合成 1,4−フェニレンジアミンの代わりに1,4−ヘキサ
メチレンジアミンを原料として用いた以外は実施例1と
同様の方法により、ポリ(N,N′−ビスヘキサメチレ
ン−2,2′−ビピリジン−4,4′−ジカルボン酸ア
ミド)を得た。工程1における収率は20.2%、工程
2における収率は91.0%であった。なお、実施例1
と同様、工程1において6%のモノカルボン酸が副生し
た。得られたポリマーは、元素分析により、前記モノカ
ルボン酸が両末端に結合した、ビピリジル単位で約15
量体程度のポリアミドであると推定された。また、この
ポリアミド(触媒用担体)の融点は200℃以上であ
り、十分な耐熱性を有していることを確認した。
【0031】[金属錯体触媒の調製] ポリ(N,N′−ビスヘキサメチレン−2,2′−ビピ
リジン−4,4′−ジカルボン酸アミド)塩化銅錯体の
合成 触媒用担体としてポリ(N,N′−ビスヘキサメチレン
−2,2′−ビピリジン−4,4′−ジカルボン酸アミ
ド)を用いた以外は実施例1と同様の方法により、ポリ
(N,N′−ビスヘキサメチレン−2,2′−ビピリジ
ン−4,4′−ジカルボン酸アミド)塩化銅錯体を定量
的に得た。X線蛍光分析によるCu、Clに関する元素
分析の結果、塩化銅の配位率はビピリジル部位に対して
約85%であった。また、この金属錯体触媒はメタノー
ルに不溶であることを確認した。
【0032】[ジメチルカーボネート合成反応]触媒と
して、ポリ(N,N′−ビスヘキサメチレン−2,2′
−ビピリジン−4,4′−ジカルボン酸アミド)塩化銅
錯体を用いた以外は実施例1と同様の反応を行った結
果、ジメチルカーボネートが2.9ミリモル得られた。
反応後、触媒をろ別し、計3回リサイクル使用したが、
反応活性の低下は見られなかった。腐食性評価を、実施
例1の場合と同様にして行った結果、テストピースの腐
食速度は0.02mm/年以下であり、工業的に十分使
用できるものであった。
【0033】比較例1 [均一系CuC12触媒によるジメチルカーボネート合
成反応]容量30mlのグラスライニングしたオートク
レーブに、1.5ミリモルの無水CuCl2、及びメタ
ノール10mlを加え、密閉した。系を窒素置換後、大
気圧まで放圧し、ここへ、O2を2kgf/cm2、CO
を23kgf/cm2圧入した。オートクレーブを14
2℃に加熱した油浴中に浸漬し、撹拌速度800rpm
で内容物を撹拌した。液相部の温度が140℃になった
時点で反応開始とし(投入10分後)、2時間反応を行
った。反応終了後、系を冷却、放圧し、気相部成分(C
O、O2、CO2)および液相部成分(メタノール、ジメ
チルカーボネート)の定量をガスクロマトグラフィーに
より行った。得られたジメチルカーボネートは3.0ミ
リモルであった。また、腐食性評価を実施例1の場合と
同様にして行ったところ、テストピースの腐食速度は7
0mm/年であった。このように、CuC12触媒を用
いた均一系では、腐食が非常に激しい。そのため、工業
的な生産においてハステロイ製の反応器を使用すること
はできず、グラスライニングの反応器を使用する必要が
ある。
【0034】比較例2 [金属錯体触媒の調製] ポリ(ビニルピリジン)塩化銅錯体の合成 ポリビニルピリジン(Aldrich社製、10%スチ
レン共重合体)2000mg(ピリジル単位で19.0
ミリモル)を100mlのメタノールに溶解した。この
溶液を、ピリジル部位に対して0.85モル倍当量(2
177mg)のCuCl2/100mlメタノール中に
加えたところ、直ちに緑色沈殿が生成した。この緑色固
体を室温でろ別し、メタノールで洗浄後、乾燥させ、仕
込み当量の塩化銅錯体触媒を得た。ICP分析により、
Cuはろ液中にほとんど含まれていないこと(10pp
m以下)を確認した。したがって、塩化銅の配位率はピ
リジル部位に対して約85%である。また、この金属錯
体触媒はメタノールに不溶であることを確認した。
【0035】[ジメチルカーボネート合成反応]容量3
0mlのグラスライニングしたオートクレーブに、Cu
換算で1.5ミリモル相当量のポリ(ビニルピリジン)
塩化銅錯体触媒、及びメタノール10mlを加え、密閉
した。系を窒素置換後、大気圧まで放圧し、ここへ、O
2を2kgf/cm2、COを23kgf/cm2圧入し
た。オートクレーブを142℃に加熱した油浴中に浸漬
し、撹拌速度800rpmで内容物を撹拌した。液相部
の温度が140℃になった時点で反応開始とし(投入1
0分後)、2時間反応を行った。反応終了後、系を冷
却、放圧し、気相部成分(CO、O2、CO2)および液
相部成分(メタノール、ジメチルカーボネート)の定量
をガスクロマトグラフィーにより行った。得られたジメ
チルカーボネートは3.0ミリモルであった。腐食性評
価を実施例1の場合と同様にして行ったところ、テスト
ピースの腐食速度は0.05mm/年であり、工業的に
十分使用できるものの、実施例1及び2のビピリジルポ
リアミド塩化銅系錯体触媒と比較すると、耐腐食性は半
分以下であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、Rは2価の炭化水素基を示す)で表される繰り
    返し単位を有するポリマーで構成された触媒用担体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の触媒用担体のビピリジル
    部位に金属化合物を配位させた金属錯体触媒。
  3. 【請求項3】 金属化合物が金属ハロゲン化物である請
    求項2記載の金属錯体触媒。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006206516A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Koei Chem Co Ltd 4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジンの製造方法
JP2007254442A (ja) * 2006-03-27 2007-10-04 Sumitomo Chemical Co Ltd メチオニンの製造方法
JP2010083874A (ja) * 2008-09-02 2010-04-15 Koei Chem Co Ltd アリールボラン化合物の製造方法
CN108722490A (zh) * 2018-05-22 2018-11-02 北京理工大学 一种金属联吡啶鎓盐光催化剂、制备方法及其应用

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