JP2002362833A - 光ファイバ用プーリ - Google Patents

光ファイバ用プーリ

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JP2002362833A
JP2002362833A JP2001171879A JP2001171879A JP2002362833A JP 2002362833 A JP2002362833 A JP 2002362833A JP 2001171879 A JP2001171879 A JP 2001171879A JP 2001171879 A JP2001171879 A JP 2001171879A JP 2002362833 A JP2002362833 A JP 2002362833A
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fiber core
bobbin
pulley
groove
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JP2001171879A
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Shuichi Kusunoki
修一 楠
Nobusada Nagae
伸定 長江
Atsushi Urushiya
篤 漆谷
Akihiko Fukuda
秋彦 福田
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周面に、溝底部71が円弧状である断面略U
字状の凹溝7が形成された光ファイバ用プーリ3,5で
あって、ループや整列不良を生じさせることなく、高速
かつ低張力で光ファイバ心線6をボビン22に巻き付け
ることが可能になるプーリ3,5を提供する。 【解決手段】 溝底部71の円弧の直径をD、光ファイ
バ心線6の直径をdとしたときに、D/dを1.0〜
1.8に設定する。特にD/dを1.2〜1.5に設定
するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、光ファイ
バ心線(光ファイバ素線)をボビンから他のボビンへ巻
き替える巻替機や、線引き工程において線引きした光フ
ァイバ心線を巻き取る巻取機において、光ファイバ心線
が巻き付けられるボビンに、該光ファイバ心線を案内す
るプーリに好適に用いられ、上記光ファイバ心線が巻き
掛けられる凹溝が周面に形成された光ファイバ用プーリ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特許2871835号
公報に記載されているように、線引き工程において線引
きされた光ファイバ心線を巻き取る巻取機において、こ
の光ファイバ心線が巻き付けられるボビンまで光ファイ
バ心線を案内する光ファイバ用プーリが知られている。
このプーリの周面には、溝底部が平らに形成された断面
略U字状の凹溝が形成されており、この凹溝内に、光フ
ァイバ心線が巻き掛けられるようになっている。
【0003】また、例えば図3に示すように、溝底部が
僅かに平らにされた断面V字状の凹溝9がその周面に形
成された光ファイバ用プーリ8も知られている。
【0004】このような光ファイバ用プーリは、線引き
工程で使用される巻取機以外にも、光ファイバ心線をボ
ビンから他のボビンへ巻き替える巻替機において、上記
ボビンから光ファイバ心線が巻き付けられる他のボビン
まで光ファイバ心線を案内するためにも用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ボビンに光
ファイバ心線を巻き付けるときは、この光ファイバ心線
がボビンの外周面に、該ボビンの軸方向に並んだ状態
(整列した状態)で巻き付けると共に、この光ファイバ
心線に撓み(以下、この撓みのことをループという)が
生じることなく上記ボビンに巻き付ける必要がある。
【0006】これは、ボビンに巻き付けられた光ファイ
バ心線は、光ファイバ心線の外表面に着色する着色工程
や、テープ心線(複数本の光ファイバ素線を並んだ状態
で一体被覆したもの)の製造工程において上記ボビンか
ら送り出されることになるが、上記ボビンに巻き付けら
れた光ファイバ心線に、ループや整列不良(例えば光フ
ァイバが互いに重なり合った状態のこと等を言う)が生
じていると、光ファイバ心線を送り出すときに、その張
力が変動してしまい、光ファイバ心線の断線を招く虞が
あるためである。
【0007】そして、生産性の向上の観点からは、上記
巻替機や巻取機において光ファイバ心線をボビンに対し
て短時間で巻き付けることが好ましく、そのためには、
光ファイバ心線の送り速度を高めることが必要である。
【0008】ところが、本発明者が、上記断面V字状又
は略U字状の凹溝が形成された従来の光ファイバ用プー
リを用いた巻替機において、光ファイバ心線の送り速度
を高めて光ファイバ心線の巻き替えを行ったところ、光
ファイバ心線が振動してしまい、これにより、光ファイ
バ心線が上記プーリの凹溝内で大きく移動してしまうこ
ととなった。その結果、ボビンの巻き付けられた光ファ
イバ心線には整列不良が生じてしまった。また、光ファ
イバ心線が移動するときにこの光ファイバ心線の張力が
変動し、これにより、瞬間的に無張力(張力が0(零)
の状態)になることで、ボビンに巻き付けられた光ファ
イバ心線にはループが発生してしまった。さらに、光フ
ァイバ心線の送り速度を高めると、凹溝の内壁面と光フ
ァイバ心線の外周面との間の摩擦が増大してしまい、光
ファイバ心線の送りに対する抵抗が増大してしまうこと
となった。その結果、光ファイバ心線に作用する張力に
大きな変動が生じて、ボビンに巻き付けられた光ファイ
バ心線にはループが数多く発生してしまった。
【0009】そこで、上記光ファイバ心線の送り速度を
高めると共に、その張力を高めて光ファイバ心線の巻き
替えを行ったところ、光ファイバ心線の張力が変動して
も0になることは防止され、上記ループの発生を抑制す
ることはできた。しかし、光ファイバ心線の振動は完全
には防止できずボビンの巻き付けられた光ファイバ心線
には整列不良が発生してしまった。さらに、光ファイバ
心線の張力を高めることで、ボビンに巻き付けられた光
ファイバ心線に強い側圧が作用してしまうようになっ
た。こうした強い側圧は光ファイバ心線の光透過損失の
増大を招くため、ボビンに巻き付けられた光ファイバ心
線に対する損失の検査を、正確に行うことができないと
いう新たな不都合が生じてしまう結果となった。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、周面に、光フ
ァイバ心線が巻き掛けられる凹溝が形成された光ファイ
バ用プーリにおいて、光ファイバ心線を高速かつ低張力
でボビンに巻き付けても、光ファイバ心線のループや整
列不良の発生が防止される光ファイバ用プーリを提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、凹溝の形状に着目して実験を繰り返した結果、溝底
部が円弧状である断面U字状の凹溝において、その溝底
部の円弧の直径が光ファイバ心線の直径に対して所定の
大きさにあるときは、この光ファイバ心線を高速かつ低
張力でボビンに巻き付けても、光ファイバ心線のループ
や整列不良の発生が防止されることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0012】具体的に、本発明は、周面に、光ファイバ
心線が巻き掛けられる凹溝が形成された光ファイバ用プ
ーリを対象とし、上記凹溝の断面形状を、溝底部が円弧
状である略U字状をなるものとする。
【0013】そして、上記溝底部の円弧の直径をD、上
記光ファイバ心線の直径をdとしたときに、D/dを、
1.0〜1.8に設定されていることを特定事項とする
ものである。
【0014】上記D/dは、1.2〜1.5に設定する
ことがさらに好ましい。
【0015】すなわち、上記D/dを1.0よりも小さ
くすると、凹溝の溝底と光ファイバ心線とが互いに離れ
てしまう。このため、光ファイバ心線の送り速度が高く
なるに伴い上記光ファイバに対してプーリの中心軸方向
への力が作用すると、この光ファイバ心線が凹溝に食い
込むようになり、上記凹溝の内側面と光ファイバ心線の
外周面との間の摩擦が増大してしまって、光ファイバ心
線の送りに対する抵抗が増大してしまうことになる。そ
の結果、光ファイバ心線の張力が大きく変動して、ボビ
ンに巻き付けられた光ファイバ心線にループが発生して
しまうことになる。このように、上記D/dを1.0よ
りも小さくすると、溝底部が円弧状である断面形状がU
字状のプーリであっても、断面V字状の凹溝が形成され
た従来のプーリと同様の結果になってしまうことにな
る。
【0016】一方、上記D/dを1.8よりも大きくす
ると、凹溝の溝底部における幅が光ファイバ心線の外径
に対して大きくなりすぎてしまい、この光ファイバ心線
が、凹溝内で移動し易くなってしまう。このため、光フ
ァイバ心線の送り速度が高くなるに伴い光ファイバ心線
が凹溝内で大きく移動(振動)してしまい、その結果、
ボビンに巻き付けられた光ファイバ心線の整列不良を招
きやすくなってしまう。
【0017】これに対し、上記D/dを1.0〜1.8
とすることによって、凹溝の溝底と光ファイバ心線とが
互いに接触した状態になるため、光ファイバ心線の送り
速度が高くなってもこの光ファイバ心線が凹溝に食い込
むことが防止され、凹溝の内側面と光ファイバ心線の外
周面との間の摩擦が増大することが防止される。その結
果、光ファイバ心線の張力の変動が防止され、よって、
ループの発生が防止される。こうして、光ファイバ心線
の張力を高めなくても、ループの発生が防止されるた
め、ボビンに巻き付けられた光ファイバ心線に大きな側
圧が作用することが回避することができる。これによ
り、ボビンに巻き付けられた光ファイバ心線の断線の検
査を正確に行うことが可能になる。
【0018】また、上記D/dが1.0〜1.8であれ
ば、凹溝の溝底部における幅が光ファイバ心線の外径よ
りも僅かに大きい程度になる。このため、光ファイバ心
線の送り速度が高くなっても、凹溝内における光ファイ
バ心線の移動が規制される。こうして、ボビンに巻き付
けられた光ファイバ心線の整列不良が防止される。
【0019】このように、D/dを1.0〜1.8とす
ることによって、光ファイバ心線を高速かつ低張力でボ
ビンに巻き付けても、光ファイバ心線のループや整列不
良の発生が防止される。特に、上記D/dを1.2〜
1.5とすることで、光ファイバ心線の凹溝内での移動
を効果的に規制することができる。その結果、光ファイ
バ心線の移動に伴いその張力が変動することが確実に防
止されて、光ファイバ心線のループを防止することは勿
論のこと、整列不良の発生をより一層確実に防止するこ
とができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における光
ファイバ用プーリによれば、D/d(溝底部の円弧の直
径をD、光ファイバ心線の直径をd)を1.0〜1.8
とすることによって、特に、上記D/dを1.2〜1.
5とすることによって、光ファイバ心線を高速かつ低張
力でボビンに巻き付けても、光ファイバ心線のループや
整列不良の発生を防止することができる。その結果、線
引きの高速化や、光ファイバ心線の巻き替えの高速化が
図られて、生産性を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0022】図1は、本発明の実施形態に係る光ファイ
バ用プーリ(以下、単にプーリという)を用いた巻替機
1を概略的に示しており、このものは、送り出しボビン
21に巻き付けられている光ファイバ心線6(又は光フ
ァイバ素線)を、巻き取りボビン22に巻き替えるもの
である。
【0023】上記巻替機1は、互いに所定の距離だけ離
されて配設された上記送り出しボビン21と、巻き取り
ボビン22との間に配設され、上記送り出しボビン21
に巻き付けられた光ファイバ心線6を引き取ると共に、
この引き取った光ファイバ心線6を上記巻き取りボビン
22に送り出すキャプスタン41と、このキャプスタン
41を挟んで送り出しボビン21の配設側と巻き取りボ
ビン22の配設側との両側に配設され、光ファイバ心線
6の張力を調整する送り出しダンサー31及び巻き取り
ダンサー32とを備えている。尚、上記送り出しボビン
21及び巻き取りボビン22は共に、紙面に対して直交
する軸回りに回転するように構成されていると共に、上
記巻き取りボビン22は、その軸方向(紙面に対して直
交する方向)に往復移動可能に構成されている。
【0024】上記キャプスタン41は略円盤状に形成さ
れており、上記送り出しボビン21及び巻き取りボビン
22と同様に、紙面に対して直交する軸回りに回転する
ように構成されている。このキャプスタン41の周面に
おける所定の範囲には、3つのベルト車に巻き掛けられ
た押さえベルト42が当接しており、このキャプスタン
41は、いわゆるベルトラップキャプスタンに構成され
ている。この押さえベルト42によって、上記光ファイ
バ心線6はキャプスタン41の周面に押さえつけられる
ようになり、これにより、上記キャプスタン41を回転
させることで、上記送り出しボビン21に巻き付けられ
た光ファイバ心線6が引き取られると共に、この引き取
った光ファイバ心線6が上記巻き取りボビン22に送り
出されるようになっている。このため、上記キャプスタ
ン41の回転速度を調整することで、光ファイバ心線6
の送り速度が調整されることになる。
【0025】上記送り出しダンサー31及び巻き取りダ
ンサー32はそれぞれ、紙面に対して直交する軸回りに
回転するように構成されていると共に、互いに離されて
配設された一対のプーリ3,3によって構成されてお
り、上記光ファイバ心線6は、この一対のプーリ3,3
の間に巻き掛けられるように通される。この一対のプー
リ3,3はその間隔が変更可能に構成されており、この
間隔を調整することで、上記光ファイバ心線6の張力が
調整されるようになっている。そして、上記送り出しボ
ビン21から引き取られた光ファイバ心線6が、上記送
り出しダンサー31における一対のプーリ3,3の間を
巻き掛けられてその張力が調整された後に、上記キャプ
スタン41送り出される一方、上記キャプスタン41か
ら送り出された光ファイバ心線6が、上記巻き取りダン
サー32における一対のプーリ3,3の間を巻き掛けら
れてその張力が調整された後に、上記巻き取りボビン2
2に送り出されるようになっている。
【0026】上記送り出しボビン21の近傍には、この
送り出しボビン21から引き取られる光ファイバ心線6
を、上記送り出しダンサー31に案内するガイド用のプ
ーリ5が配設されている。一方、上記巻き取りボビン2
2の近傍には、上記巻き取りダンサー32からの光ファ
イバ心線6を、巻き取りボビン22に案内するガイド用
の第1及び第2のプーリ5,5が配設されている。そし
て、上記巻き取りボビン22を回転させつつこの巻き取
りボビン22をその軸方向に往復移動させることで、光
ファイバ心線6を紙面に直交する方向に並んだ状態(整
列した状態)で上記巻き取りボビン22に巻き付けるよ
うになっている。
【0027】送り出しダンサー31及び巻き取りダンサ
ー32における一対のプーリ3,3と、上記送り出しボ
ビン21及び巻き取りボビン22におけるガイド用のプ
ーリ5とはそれぞれ略同じ大きさであると共に、図2に
示すように、上記光ファイバ心線6が巻き掛けられる凹
溝7が周面に形成された溝付きプーリに形成されてい
る。
【0028】上記凹溝7は、その溝底部71が円弧状に
形成されていると共に、その開口から溝底部71に向か
って溝幅が狭くなるテーパ状に形成されており、その断
面形状は略U字状である。尚、上記テーパ角θは、15
°〜90°程度に設定すればよく、例えば30°に設定
するのが好ましい。また、上記凹溝7の深さは、5mm
〜10mm程度にすればよく、例えば9mmに設定する
のが好ましい。
【0029】そして、上記凹溝7は、その溝底部71の
円弧の直径をDとし、光ファイバ心線6の直径をdとし
たときに、D/dが1.0〜1.8となるように形成さ
れている。尚、上記光ファイバ心線6の直径dは、例え
ばUV素線(コア・クラッドからなる直径0.125m
mの光ファイバに、紫外線硬化型樹脂を被覆したもの)
であれば、通常0.25mmである。
【0030】こうすることで、光ファイバ心線6を高速
かつ低張力で巻き取りボビン22に巻き付けても、巻き
取りボビン22に巻き付けられた光ファイバ心線6にル
ープや整列不良が発生することを防止することができ
る。このことについて、上記D/dの異なる各種プーリ
を用いた巻替機1により、光ファイバ心線6の巻き替え
を行ったときの実験結果(表1)を参照しながら説明す
る。尚、光ファイバ心線6の送り速度は、800m/分
(従来は、500m/分程度)で、光ファイバ心線6の
張力(キャプスタン41を挟んだ巻き取りボビン22側
の張力)は、0.6Nである。
【0031】
【表1】
【0032】表1より、D/dが1.0のときは、発生
頻度は少ないもののループが発生した。これは、光ファ
イバ心線6がプーリの凹溝7に対して食い込むようにな
るため、光ファイバ心線6の送りに対する抵抗が比較的
大きくなり、光ファイバ心線6の張力の変動によってル
ープが発生するものの、その張力の変動は比較的小さく
抑えられるため、そ発生頻度は少ないと考えられる。一
方、光ファイバ心線6の振動は小さく、巻き取りボビン
22に巻き付けられた光ファイバ心線6に整列不良は生
じなかった。この結果から推測すると、D/dが1.0
よりも小さい場合は凹溝7の溝底部71(溝底)と光フ
ァイバ心線6とが互いに離れてしまうことから、光ファ
イバ心線6が凹溝7に対してさらに食い込むことになる
と考えられる。このため、D/dが1.0よりも小さい
プーリでは、断面V字状の凹溝が形成された従来のプー
リと同様に、巻き取りボビン22に巻き付けられた光フ
ァイバ心線6にはループが頻繁に発生してしまうことに
なると推測される。
【0033】一方、D/dが2.0のときは巻き取りボ
ビン22に巻き付けられた光ファイバ心線6に整列不良
が生じる結果となった。これは、凹溝7の溝底部71に
おける幅(溝底部71の円弧D)が光ファイバ心線6の
外径dに対して大きすぎるため、光ファイバ心線6が凹
溝7内で移動し易くなってしまうことに起因すると考え
られる。すなわち、光ファイバ心線6の送り速度が高く
なるに伴う光ファイバ心線6の振動によって、光ファイ
バ心線6が凹溝7内で大きく移動してしまい、その結
果、光ファイバ心線6の整列不良を招いてしまうと考え
られる。また、光ファイバ心線6にループが発生してい
るが、これは、光ファイバ心線6が凹溝7内で移動する
ことに伴い光ファイバ心線6の張力が変動するためであ
ると考えられる。
【0034】これに対し、上記D/dが1.2,1.
5,1.8のときは整列不良がなく、しかも、光ファイ
バ心線6のループも発生せずに良好であった。特に、上
記D/dが1.2のときは、光ファイバ心線6が、極め
て良好な整列状態で巻き取りボビン22に巻き取られる
結果になった。
【0035】つまり、D/dを1.2〜1.8とする
と、凹溝7の溝底部71における幅が光ファイバ心線6
の外径よりも僅かに大きい程度になるため、光ファイバ
心線6の送り速度が高くなるに伴いこの光ファイバ心線
6が振動しても、光ファイバ心線6の凹溝7内での移動
が規制されることになる。これにより、整列不良が防止
されると考えられる。また、上記凹溝7の溝底部71と
光ファイバ心線6とが互いに接触した状態になるため、
光ファイバ心線6の送り速度が高くなるに伴い、この光
ファイバ心線6がプーリ3,5の中心軸方向に移動しよ
うとしても、凹溝7の内側面と光ファイバ心線6の外周
面との間の摩擦の増大が防止される。その結果、光ファ
イバ心線6の送りに対する抵抗が増大せずに、光ファイ
バ心線6の張力の変動が防止される。こうして、光ファ
イバ心線6のループの発生が防止されると考えられる。
【0036】こうして、上記凹溝7の形状によって光フ
ァイバ心線6の張力の変動が防止されるため、ループの
発生を防止するために光ファイバ心線6の張力を高める
必要がなく、その結果、巻き取りボビン22に巻き付け
られた光ファイバ心線6に大きな側圧が作用することを
防止することができるようになる。
【0037】以上の結果から、凹溝7の形状としては、
D/dが1.0〜1.8となるようにすれば、光ファイ
バ心線6を高速かつ低張力で、巻き付けボビン22に巻
き付けても、光ファイバ心線6に整列不良が生じること
を防止することができ、好ましい。特に、上記D/dを
1.2〜1.5とすれば、上記整列不良の発生を防止す
ると共に、光ファイバ心線6のループの発生を防止する
ことができ、より好ましい。さらに、上記D/dを1.
2とすれば、上記ループの発生の防止と共に、光ファイ
バ心線6を極めて良好に整列した状態で巻き取りボビン
22に巻き付けることができ、さらに好ましい。
【0038】<他の実施形態>尚、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を
包含するものである。すなわち、上記実施形態では、送
り出しボビン21から巻き取りボビン22への光ファイ
バ心線6の巻き替えを行う巻替機1を例に、本発明に係
る光ファイバ用プーリ3,5について説明したが、上記
D/dが1.0〜1.8に設定された本発明に係る光フ
ァイバ用プーリは、線引き工程において線引きされた光
ファイバを巻き取る巻取機に適用してもよいし、光ファ
イバ素線に着色を行う着色機等に適用してもよい。すな
わち、本発明に係るプーリは、周面に、光ファイバが巻
き掛けられる凹溝が形成された光ファイバ用プーリであ
れば、広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光ファイバ用プーリを
用いた巻替機を示す概略図である。
【図2】光ファイバ用プーリの凹溝の部分を拡大して示
す拡大断面図である。
【図3】従来のプーリの凹溝の部分を示す図2対応図で
ある。
【符号の説明】
3 プーリ(光ファイバ用プーリ) 5 ガイド用のプーリ(光ファイバ用プー
リ) 6 光ファイバ心線 7 凹溝 31 送り出しダンサー 32 巻き取りダンサー 71 溝底部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 漆谷 篤 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱電 線工業株式会社内 (72)発明者 福田 秋彦 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 2H038 CA35 3F110 BA04 DB12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面に、光ファイバ心線が巻き掛けられ
    る凹溝が形成された光ファイバ用プーリであって、 上記凹溝の断面形状は、溝底部が円弧状である略U字状
    をなし、 上記溝底部の円弧の直径をD、上記光ファイバ心線の直
    径をdとしたときに、D/dは、1.0〜1.8に設定
    されていることを特徴とする光ファイバ用プーリ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 D/dは、1.2〜1.5に設定されていることを特徴
    とする光ファイバ用プーリ。
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