JP2002355727A - 焼き嵌め工具ホルダー - Google Patents

焼き嵌め工具ホルダー

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JP2002355727A
JP2002355727A JP2001162528A JP2001162528A JP2002355727A JP 2002355727 A JP2002355727 A JP 2002355727A JP 2001162528 A JP2001162528 A JP 2001162528A JP 2001162528 A JP2001162528 A JP 2001162528A JP 2002355727 A JP2002355727 A JP 2002355727A
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Japan
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tool
chuck cylinder
shrink
shank
lock pin
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JP2001162528A
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English (en)
Inventor
Takeshi Komine
毅 小峰
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Daishowa Seiki Co Ltd
Original Assignee
Daishowa Seiki Co Ltd
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    • B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23P—METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; COMBINED OPERATIONS; UNIVERSAL MACHINE TOOLS
    • B23P11/00—Connecting or disconnecting metal parts or objects by metal-working techniques not otherwise provided for 
    • B23P11/02—Connecting or disconnecting metal parts or objects by metal-working techniques not otherwise provided for  by first expanding and then shrinking or vice versa, e.g. by using pressure fluids; by making force fits
    • B23P11/025—Connecting or disconnecting metal parts or objects by metal-working techniques not otherwise provided for  by first expanding and then shrinking or vice versa, e.g. by using pressure fluids; by making force fits by using heat or cold
    • B23P11/027—Connecting or disconnecting metal parts or objects by metal-working techniques not otherwise provided for  by first expanding and then shrinking or vice versa, e.g. by using pressure fluids; by making force fits by using heat or cold for mounting tools in tool holders

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼き嵌めした工具がチャック筒に対し周方
向に回転することのないようにした焼き嵌め工具ホルダ
ーを提供する。 【解決手段】 ホルダー本体１の一端側に形成されたチ
ャック筒２を加熱膨張させ、この加熱膨張したチャック
筒２内に工具６のシャンク部７を挿入して焼き嵌めする
ようにした焼き嵌め工具ホルダーであって、焼き嵌めし
た工具６がチャック筒２に対し周方向に回転するのを阻
止するロックピン８をチャック筒２の内部に設けてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホルダー本体の一
端側に形成されたチャック筒を加熱コイル中に挿入し
て、その誘導加熱によりチャック筒を加熱膨張させ、こ
の加熱膨張したチャック筒内に工具のシャンク部を挿入
して焼き嵌めすることによって、工具を固定するように
した焼き嵌め工具ホルダーに関する。
【０００２】
【従来の技術】この種の焼き嵌め工具ホルダーは、この
ホルダーのチャック筒を加熱コイル中に挿入して、その
電磁誘導によってチャック筒を誘導加熱し、チャック筒
の熱膨張によりその内径を拡大させ、この状態で工具の
シャンク部を挿入して焼き嵌めすることによって工具を
固定し、またこうして焼き嵌めにより固定した工具をチ
ャック筒から取り外すときは、上記同様にチャック筒を
加熱膨張させた状態で、工具シャンク部をチャック筒か
ら抜き取るようになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従来の焼き嵌め工具ホ
ルダーでは、上記のようにチャック筒を加熱膨張させ、
この加熱膨張したチャック筒内に工具のシャンク部を挿
入して焼き嵌めするだけでは、ホルダーの使用による加
工中、例えば工具に大きな切削抵抗がかかった時等に、
チャック筒内に焼き嵌めされた工具シャンク部が、チャ
ック筒に対し周方向に相対回転してスリップを生じるこ
とがあり、それにより加工精度が低下し、更には加工不
能を来すことにもなった。
【０００４】本発明は、焼き嵌めした工具がチャック筒
に対し周方向に回転することのないようにした焼き嵌め
工具ホルダーを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明は、
ホルダー本体１の一端側に形成されたチャック筒２を加
熱膨張させ、この加熱膨張したチャック筒２内に工具６
のシャンク部７を挿入して焼き嵌めするようにした焼き
嵌め工具ホルダーにおいて、焼き嵌めした工具６がチャ
ック筒２に対し周方向に回転するのを阻止するロックピ
ン８をチャック筒２の内部に設けてなることを特徴とす
る。
【０００６】請求項２は、請求項１に記載の焼き嵌め工
具ホルダーにおいて、チャック筒２内の奥部に、このチ
ャック筒２内に挿入される工具シャンク部７の後端面に
当接して工具６を支持する支持具１２を設けてなること
を特徴とする。
【０００７】請求項３は、請求項２に記載の焼き嵌め工
具ホルダーにおいて、前記支持具１２は、チャック筒２
内の奥部に、ホルダー軸方向に移動調整可能に設けてな
ることを特徴とする。
【０００８】請求項４は、請求項１〜３の何れかに記載
の焼き嵌め工具ホルダーにおいて、ロックピン８は、チ
ャック筒２内に挿入される工具シャンク部７の側面部に
その軸方向と直交方向に形成されたピン係合溝１０に係
合するようにチャック筒２を貫通して取り付けられてな
ることを特徴とする。
【０００９】請求項５は、請求項１〜４の何れか記載の
焼き嵌め工具ホルダーにおいて、シャンク部７の側面部
にシャンク部挿入用の平坦面部９が形成され、この平坦
面部９に隣接して工具切削回転方向へ一定角度位相変位
した位置にピン係合溝１０が工具軸方向と直交方向に形
成されている工具６のシャンク部７をチャック筒２内に
挿入するにあたって、工具シャンク部７の前記平坦面部
９をチャック筒２内のロックピン８に対し容易に位置決
めできる位置決め手段１６，１７を設けてなることを特
徴とする。
【００１０】請求項６は、請求項５の何れか記載の焼き
嵌め工具ホルダーにおいて、前記位置決め手段は、チャ
ック筒２の先端面に、前記ロックピン８と平行又は及び
それと直交するよう表示してなる位置決め線１６，１７
であることを特徴とする。
【００１１】
【発明の実施の形態】図１は本発明に係る焼き嵌め工具
ホルダーＨを示す正面図、図２の（Ａ）は図１のＸ−Ｘ
線断面図、同図の（Ｂ）はチャック筒２に工具６のシャ
ンク部７を挿入して焼き嵌めした状態での（Ａ）と同様
な断面図、（Ｃ）は図１のＹ−Ｙ線断面図である。図３
はチャック筒２に工具６のシャンク部７を挿入して焼き
嵌めした状態の縦断面図、図４は図１のＶ−Ｖ線断面図
である。これらの図において、１は焼き嵌め工具ホルダ
ーＨのホルダー本体で、このホルダー本体１の一端側に
厚肉円筒状のチャック筒２が形成され、他端側に工作機
械の主軸（図示せず）のテーパ孔に嵌合する中空状のテ
ーパシャンク３が形成されると共に、これらチャック筒
２とテーパシャンク３との間に鍔部４が形成され、そし
て鍔部４の外周面にはマニピュレータ把持用溝５が形成
されている。
【００１２】上記チャック筒２は、工具６のシャンク部
７の外径とほとんど同一寸法の内径ｄを有し、このチャ
ック筒２を後述する加熱装置（図６参照）により加熱膨
張させて内径ｄを拡大し、この膨張拡径したチャック筒
２内に工具６のシャンク部７を挿入して、挿入後にチャ
ック筒２が冷却することによって収縮し、これによって
シャンク部７をチャック筒２に所謂焼き嵌めすることに
より、この工具６を固定するようになっている。しかし
て、このチャック筒２には、上記のように焼き嵌めした
工具６のシャンク部７がチャック筒２に対し周方向に回
転するのを阻止するためのロックピン８が取り付けられ
ている。
【００１３】図２〜図４から分かるように、工具６の円
柱状シャンク部７には、後端側の側面部が横断面円弧状
に切除されて当該側面部にシャンク部挿入用の平坦面部
９が形成されると共に、このシャンク部挿入用平坦面部
９に隣接してこの平坦面部９から工具６の切削回転方向
へ例えば９０度位相変位した位置に断面半円形状のピン
係合溝１０が工具６の軸方向と直交方向に形成されてい
る。尚、シャンク部７の後端側にこのようなシャンク部
挿入用平坦面部９とピン係合溝１０とを形成した工具６
は周知である。
【００１４】チャック筒２内部でのロックピン８の周方
向回転を阻止するロックピン８は、上記のように工具シ
ャンク部７の側面部に形成されているピン係合溝１０に
係合するように、チャック筒２を貫通して取り付けられ
ている。即ち、このロックピン８をチャック筒２に取り
付けるには、図２及び図３に示すように、チャック筒２
の後端側に、工具６の軸方向と直交方向に延びるピン挿
通孔１１を、このピン挿通孔１１の長手方向中央部分が
チャック筒２の内周面２ａを突き破って開口するように
貫通形成すると共に、このピン挿通孔１１の一端部には
ロックピン８の一端部に形成された雄ねじ部８ａが螺合
する雌ねじ部１１ａを形成し、しかしてチャック筒２の
ピン挿通孔１１にその他端部１１ｂよりロックピン８を
挿入し、その先端雄ねじ部８ａをピン挿通孔１１の雌ね
じ部１１ａに螺合することによって、ロックピン８をチ
ャック筒２内部の所要位置に取り付け固定することがで
きる。尚、ロックピン８の他端面には回転操作具係合用
角穴８ｂが設けてある。
【００１５】チャック筒２内の奥部には、このチャック
筒２内に挿入される工具シャンク部７の後端面７ａに当
接して工具６を支持する支持具１２が設けられる。この
支持具１２は、チャック筒２の内周面に段部を一体形成
し、この内周段面を支持具１２として定位置に設けても
よいが、好ましくは、前記支持具１２は、該チャック筒
２内でホルダー本体１の軸方向に移動調整可能に設けら
れている。この支持具１２は、円板状の支持具本体１２
ａと、この支持具本体１２ａより小径の取付用ねじ軸部
１２ｂとからなるもので、図３に示すように、取付用ね
じ軸部１２ｂを、チャック筒２と同心状に設けられたね
じ孔１３に螺合して、円板状支持具本体１２ａをねじ孔
１３からチャック筒２内に突出させた状態に取り付けら
れる。
【００１６】上記支持具１２には支持具本体１２ａの先
端面に、レンチ等の回転操作具を係合して回転操作する
ための回転操作具係合用角穴１４が設けられている。ま
た、ねじ軸部１２ｂの外周面部には軟質合成樹脂やゴム
等からなる制動部材１５が取り付けてある。この制動部
材１５は、ねじ軸部１２ｂの外周面の一部に形成した凹
窪部に上記軟質合成樹脂やゴム等を埋設してなるもの
で、ねじ孔１３との間に摩擦力を作用させて、支持具１
２を所要回転位置に確実に固定できるようになってい
る。
【００１７】図４及び図５に示すように、加熱膨張させ
たチャック筒２内に工具６のシャンク部７を挿入する際
に、工具シャンク部７の平坦面部９をチャック筒２内の
ロックピン８に対し容易に位置決めできるよう位置決め
手段２１を設ける。この位置決め手段２１としては、チ
ャック筒２の先端面２ａに、このチャック筒２内に取り
付けられたロックピン８の軸方向と平行な位置決め線１
６及びそのロックピン８の軸方向と直交する位置決め線
１７が、刻設等によって表示されたものが好適である。
これらの位置決め線１６，１７は、加熱膨張させたチャ
ック筒２内に工具６のシャンク部７を挿入する際に、工
具シャンク部７の平坦面部９をチャック筒２内のロック
ピン８に対し容易に位置決めできるようにするためのも
のである。
【００１８】即ち、図５から分かるように、工具６のシ
ャンク部７をチャック筒２内に挿入する際には、シャン
ク部７の後端側面部に形成されたシャンク部挿入用の平
坦面部９が、位置決め線１６と平行になるようにする
か、位置決め線１７と垂直になるように位置合わせし
て、シャンク部７をチャック筒２に挿入すれば、平坦面
部９がチャック筒２内に突出しているロックピン８の突
出側面部に沿って係合した状態となるから、シャンク部
７の先端面がロックピン８に当たることなく、このシャ
ンク部７をチャック筒２の内奥部まで迅速容易に挿入で
きる。このように、チャック筒２の先端面２ｂにシャン
ク部７の挿入の際の周方向の位置決めを容易にするため
の位置決め線１６又は１７を設けるのは、チャック筒２
の加熱下において、できるだけ迅速にシャンク部７をチ
ャック筒２に挿入する必要があり、尚且つ挿入途上で熱
がシャンク部７に必要以上に早く伝播してチャック筒２
の収縮を早め、挿入を困難にしないようにするためであ
る。
【００１９】しかして、上記のようにシャンク部７の平
坦面部９がロックピン８の突出側面部に係合した状態か
ら工具６を図５の矢印ｂ方向（工具６の切削回転方向と
反対方向）に９０度回転させると、図２の（Ｂ）に示す
ように、この平坦面部９と周方向に隣合うピン係合溝１
０がロックピン８に係合し、これによってシャンク部７
がロックピン８によってロックされた状態となる。この
状態で、工具ホルダーＨが図２の（Ｂ）及び図５の矢印
ａで示す工具切削回転方向に回転すると、ピン係合溝１
０は平坦面部９から工具切削回転方向に９０度回転変位
した位置に形成されているから、切削加工中はロックピ
ン８によるシャンク部７のロック状態が維持されること
になる。
【００２０】尚、この実施形態では、ロックピン８の軸
方向と平行な位置決め線１６とその軸方向と直交する位
置決め線１７との２つの位置決め線を表示しているが、
何れか一方の位置決め線だけでもよい。
【００２１】図６は誘導加熱の利用による周知の加熱装
置を示したもので、交流電源Ｅにつながれ、支持装置１
８に支持された加熱コイル１９の中に、装置基台２０の
保持部２１にテーパシャンク３を保持させた工具ホルダ
ーＨのチャック筒２を挿入して、スイッチＳＷを入れる
ことにより、電磁誘導によってチャック筒２を誘導加熱
するようになっている。
【００２２】この加熱装置により工具ホルダーＨのチャ
ック筒２を加熱膨張させて工具６を焼き嵌めするにあた
っては、前述したようにチャック筒２のピン挿通孔１１
にロックピン８を挿入して固定しておく。しかして、こ
の工具ホルダーＨのチャック筒２を上記加熱装置により
加熱膨張させ、この加熱膨張したチャック筒２内に工具
６のシャンク部７を挿入して、焼き嵌めする。
【００２３】加熱膨張したチャック筒２内に工具６のシ
ャンク部７を挿入する際には、シャンク部７の後端側面
部に形成されたシャンク部挿入用平坦面部９が、位置決
め線１６と平行になるようにするか、又は位置決め線１
７と垂直になるように位置合わせして、シャンク部７を
チャック筒２に挿入すれば、シャンク部７の先端面がロ
ックピン８に当たることなく、このシャンク部７をチャ
ック筒２の内奥部まで容易迅速に挿入できる。こうして
シャンク部７をチャック筒２に挿入した後、工具６を図
５の矢印ｂ方向に９０度回転させることにより、この平
坦面部９と周方向に隣合うピン係合溝１０がロックピン
８に係合して、シャンク部７がロックピン８によってロ
ックされる。
【００２４】これにより、特に注目すべきは、チャック
筒２の冷却によるその内径収縮により、これに挿入され
たシャンク部７を強力に把持すると共に、チャック筒２
の収縮により、これに貫通設置されてなるロックピン８
も、これに係合されるシャンク部７のピン係合溝１０に
より強力に押圧係合することになり、そのロック状態が
強固に維持されることである。即ち、本発明のロックピ
ン８は、自身によるシャンク部７に対する回り止め作用
だけではなく、チャック筒２の焼き嵌め収縮による相乗
作用を期待して設けられたもので、この点に本発明の特
徴を有する。
【００２５】上記のようにしてチャック筒２に工具６の
シャンク部７を焼き嵌めした工具ホルダーＨは、そのテ
ーパシャンク３を工作機械の主軸に取り付けて使用され
る。しかして、この工具ホルダーＨの使用によるワーク
の切削加工中に、工具６に大きな切削抵抗がかかった
時、従来の焼き嵌め工具ホルダーであれば、チャック筒
内に焼き嵌めされた工具シャンク部がチャック筒に対し
相対回転してスリップを生じるおそれがあったが、本発
明に係る工具ホルダーＨにあっては、チャック筒２内に
取り付けたロックピン８によって、チャック筒２に対す
る工具６の相対回転が阻止されるため、そのようなスリ
ップの発生のおそれが全くなくなる。従って、工具ホル
ダーＨに確実に保持固定した工具６によって適切な加工
を行うことができ、良好な加工精度を維持することがで
きる。
【００２６】またチャック筒２に焼き嵌めした工具６を
工具ホルダーＨから取り外す時は、上記加熱装置により
チャック筒２を同様に加熱して膨張させた状態で、工具
６のシャンク部７を離脱させる。この離脱に際しては、
上述した挿入時の操作とは逆の順序で工具シャンク部７
をチャック筒２から離脱させればよい。
【００２７】この工具ホルダーＨにあっては、チャック
筒２内の奥部に、このチャック筒２内に挿入される工具
シャンク部７の後端面に当接して工具６を支持する支持
具１２が設けられているため、この工具ホルダーＨの使
用によるワークの加工中に、工具６がチャック筒２内へ
後退する方向の反力を受けても、工具６のシャンク部７
がチャック筒２内で後退変位するようなことがなく、ま
たロックピン８に過大な負荷がかかってロックピン８や
工具６側のピン係合溝１０が破損するようなことがな
い。
【００２８】また、この支持具１２はホルダー軸方向に
移動調整可能であるため、工具シャンク部７の後端面を
的確に支持できる上に、工具シャンク部７をチャック筒
２内に挿入する際に、工具シャンク部７の後端位置の位
置決め手段として機能し、その挿入操作を迅速容易に行
うことができる。このように、チャック筒２内に支持具
１２を軸方向移動調整可能に設けて、シャンク部７がチ
ャック筒２に挿入する際の後端位置決め手段として機能
させるようにしたのは、チャック筒２の加熱下におい
て、できるだけ迅速に工具６のシャンク部７をチャック
筒２に挿入する必要があり、尚且つ挿入途上で熱がシャ
ンク部７に必要以上に早く伝播してチャック筒２の収縮
を早めて挿入を困難にしないようにするためである。
【００２９】また、上記ロックピン８は、チャック筒２
内に挿入される工具シャンク部７の側面部にその軸方向
と直交方向に形成されたピン係合溝１０に係合するよう
にチャック筒２を貫通して取り付けられるようになって
いるから、ロックピン８の取付構造が簡単となって、製
作も容易となる。
【００３０】
【発明の効果】請求項１に係る発明によれば、チャック
筒の内部に設けたロックピンにより、焼き嵌めした工具
がチャック筒に対して周方向に回転するのを阻止できる
から、工具ホルダーの使用によるワークの切削加工中
に、工具に大きな切削抵抗がかかっても、工具シャンク
部がチャック筒に対しスリップを生じおそれが全くな
く、従って工具ホルダーに確実に保持固定された工具に
よって適切な加工を行うことができ、良好な加工精度を
維持することができる。
【００３１】この発明において特に注目すべきは、チャ
ック筒の冷却によるその内径収縮により、これに挿入さ
れたシャンク部を強力に把持すると共に、チャック筒の
収縮により、これに貫通設置されてなるロックピンも、
これに係合されるシャンク部のピン係合溝により強力に
押圧係合することになり、そのロック状態が強固に維持
されることである。即ち、本発明のロックピンは、自身
によるシャンク部に対する回り止め作用だけではなく、
チャック筒の焼き嵌め収縮による相乗作用を期待して設
けられたもので、この点に本発明の特徴を有する。
【００３２】請求項２に係る発明によれば、チャック筒
内の奥部に、このチャック筒内に挿入される工具シャン
ク部の後端面に当接して工具を支持する支持具を設けて
いるから、工具ホルダーの使用によるワークの加工中
に、工具がチャック筒内へ後退する方向の反力を受けて
も、工具シャンク部がチャック筒内で後退変位するよう
なことがなく、またロックピンに過大な負荷がかかって
ロックピンや工具側のピン係合溝が破損するようなこと
がない。
【００３３】請求項３に係る発明によれば、支持具はホ
ルダー軸方向に移動調整可能であるから、工具シャンク
部の後端面を的確に支持できる上に、工具シャンク部を
チャック筒内に挿入する際に、支持具が工具シャンク部
の後端位置の位置決め手段として機能し、その挿入操作
が迅速容易に行える。このように、チャック筒内に支持
具を軸方向移動調整可能に設けて、シャンク部がチャッ
ク筒に挿入する際の後端位置決め手段として機能させる
ようにしたのは、チャック筒の加熱下において、できる
だけ迅速に工具のシャンク部をチャック筒に挿入する必
要があり、尚且つ挿入途上で熱がシャンク部に必要以上
に早く伝播してチャック筒の収縮を早めて挿入を困難に
しないようにするためである。
【００３４】請求項４に係る発明によれば、ロックピン
は、チャック筒内に挿入される工具シャンク部の側面部
にその軸方向と直交方向に形成されたピン係合溝に係合
するようにチャック筒を貫通して取り付けられるように
なっているから、ロックピンの取付構造が簡単となっ
て、製作も容易となる。
【００３５】請求項５に係る発明によれば、チャック筒
にシャンク部の側面部にシャンク部挿入用の平坦面部が
形成され、この平坦面部に隣接して工具切削回転方向へ
一定角度位相変位した位置にピン係合溝が工具軸方向と
直交方向に形成されている工具のシャンク部をチャック
筒内に挿入するにあたって、工具シャンク部の前記平坦
面部をチャック筒内のロックピンに対し容易に位置決め
できる位置決め手段を設けてなるため、該位置決め手段
を基準に工具シャンク部をチャック筒に挿入すれば、シ
ャンク部の先端面がロックピンに当たることなく、この
シャンク部をチャック筒の内奥部まで迅速容易に挿入で
き、従って工具の焼き嵌め作業を能率良く行うことがで
きる。
【００３６】請求項６に係る発明によれは、特に前記位
置決め手段として、チャック筒の先端面に、ロックピン
と平行又は及びそれと直交する位置決め線が表示されて
いるから、簡単な構成の位置決め手段によって、工具シ
ャンク部の上記平坦面部が、上記位置決め線と平行にな
るか、又は垂直になるように位置合わせして、工具シャ
ンク部をチャック筒に挿入すれば、シャンク部の先端面
がロックピンに当たることなく、このシャンク部をチャ
ック筒の内奥部まで迅速容易に挿入でき、従って工具の
焼き嵌め作業を能率良く行うことができる。
【００３７】このようにチャック筒の先端面にシャンク
部の挿入の際の周方向の位置決めを容易するための位置
決め線を設けたのは、チャック筒の加熱下において、で
きるだけ迅速にシャンク部をチャック筒に挿入する必要
があり、尚且つ挿入途上で熱がシャンク部に必要以上に
早く伝播してチャック筒の収縮を早め、挿入を困難にし
ないようにするためである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る焼き嵌め工具ホルダーを示す正
面図である。
【図２】 （Ａ）は図１のＸ−Ｘ線断面図、（Ｂ）はチ
ャック筒に工具のシャンク部を挿入して焼き嵌めした状
態での（Ａ）と同様な断面図、（Ｃ）は図１のＹ−Ｙ線
断面図である。
【図３】 チャック筒に工具のシャンク部を挿入して焼
き嵌めした状態の縦断面図である。
【図４】 図１のＶ−Ｖ線断面図である。
【図５】 工具のシャンク部をチャック筒内に挿入して
いる状態を示す斜視図である。
【図６】 誘導加熱を利用した周知の加熱装置を示す概
略正面図である。
【符号の説明】
Ｈ 工具ホルダー １ ホルダー本体 ２ チャック筒 ３ テーパシャンク ６ 工具 ７ 工具のシャンク部 ８ ロックピン ９ 工具シャンク部に設けられたシャン
ク部挿入用平坦面部 １０ 工具シャンク部に設けられたピン係
合溝 １１ ピン挿通孔 １２ 支持具 １６，１７ チャック筒の先端面に表示された位
置決め線 ２１ 位置決め手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ホルダー本体の一端側に形成されたチャ
    ック筒を加熱膨張させ、このチャック筒内に工具のシャ
    ンク部を挿入して焼き嵌めすることにより工具を固定す
    るようにした焼き嵌め工具ホルダーにおいて、焼き嵌め
    した工具がチャック筒に対し周方向に回転するのを阻止
    するロックピンをチャック筒の内部に設けてなる焼き嵌
    め工具ホルダー。
  2. 【請求項２】 チャック筒内の奥部に、このチャック筒
    内に挿入される工具シャンク部の後端面に当接して工具
    を支持する支持具を設けてなる請求項１に記載の焼き嵌
    め工具ホルダー。
  3. 【請求項３】 前記支持具は、チャック筒内の奥部に、
    ホルダー軸方向に移動調整可能に設けてなる請求項２に
    記載の焼き嵌め工具ホルダー。
  4. 【請求項４】 ロックピンは、チャック筒内に挿入され
    る工具シャンク部の側面部にその軸方向と直交方向に形
    成されたピン係合溝に係合するようにチャック筒を貫通
    して取り付けられてなる請求項１〜３の何れかに記載の
    焼き嵌め工具ホルダー。
  5. 【請求項５】 シャンク部の側面部にシャンク部挿入用
    の平坦面部が形成され、この平坦面部に隣接して工具切
    削回転方向へ一定角度位相変位した位置にピン係合溝が
    工具軸方向と直交方向に形成されている工具のシャンク
    部をチャック筒内に挿入するにあたって、工具シャンク
    部の前記平坦面部をチャック筒内のロックピンに対し容
    易に位置決めできる位置決め手段を設けてなる請求項１
    〜４の何れかに記載の焼き嵌め工具ホルダー。
  6. 【請求項６】 前記位置決め手段は、チャック筒の先端
    面に、前記ロックピンと平行又は及びそれと直交するよ
    う表示される位置決め線である請求項５に記載の焼き嵌
    め工具ホルダー。
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