JP3009847B2 - 工具用ホルダの位置決め装置 - Google Patents

工具用ホルダの位置決め装置

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JP3009847B2
JP3009847B2 JP8057889A JP5788996A JP3009847B2 JP 3009847 B2 JP3009847 B2 JP 3009847B2 JP 8057889 A JP8057889 A JP 8057889A JP 5788996 A JP5788996 A JP 5788996A JP 3009847 B2 JP3009847 B2 JP 3009847B2
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春機 溝口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工具を保持する
とともに、工作機械の主軸に着脱自在に装着される工具
用ホルダに関し、特に工具用ホルダを工作機械の主軸に
装着するときに、工具の位置決めを行う位置決め装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の工具用ホルダとしては、図7に
示す様なものがある。同図において、工具用ホルダ10
1は、工具102を工作機械の主軸103と直交する方
向に向けて保持し、かつ主軸103に着脱自在に装着さ
れ、この主軸103の回転を該工具用ホルダ101の回
転軸を通じて工具102へと伝達する。
【0003】工具用ホルダ101の位置決めを行う位置
決め装置は、この工具用ホルダ101の回転軸の外周に
回転自在に支持されたホルダ側嵌合部104と、主軸1
03の近傍に固定された工作機械側嵌合部105とを備
える。
【0004】ホルダ側嵌合部104は、工具用ホルダ1
01の回転軸の外周に相対回転可能に取付けられる筒体
106と、この筒体106に着脱自在に取り付けられた
ピンユニット107とを備える。工具用ホルダ101を
主軸103に装着するときには、工具用ホルダ101の
回転軸に対する筒体106の回転を禁止した状態で、ピ
ンユニット107の嵌合ピン108を工作機械側嵌合部
105に嵌合させ、主軸103に対する工具102の位
置決めを行う。そして、筒体106の回転の禁止を解除
し、これによって、主軸103から工具用ホルダ101
の回転軸を通じて工具102へと回転が伝達されるよう
にする。
【0005】また、工作機械における主軸103と工作
機械側嵌合部105の相関位置(S及びHで示す)は、
規格化されておらず、各種の工作機械によって異なる。
このため、これらの工作機械毎に、それぞれのピンユニ
ット107を予め準備しておき、工作機械の種類に応じ
て、ピンユニット107を選択並びに交換し、この後に
工具用ホルダ101を工作機械の主軸103に装着して
いる。
【0006】図8は、従来の位置決め装置の一例を示し
ている。この装置におけるホルダ側嵌合部104のピン
ユニット107は、筒体106に着脱自在に取り付けら
れるピン支持体111と、このピン支持体111の孔1
11aに挿入され、移動自在に支持された嵌合ピン11
2と、筒体106の回転を禁止するキー113と、嵌合
ピン112を左方向に付勢するバネ114と、キー11
3を左方向に付勢するバネ115とを備えている。
【0007】キー113には、小孔113a及び大孔1
13bを形成している。小孔113aには、回転止め1
16を挿通し、大孔113bには、嵌合ピン112を挿
通している。
【0008】通常、嵌合ピン112及びキー113は、
左方向に移動しており、キー113の上端が回転軸11
8と共に回転する凹部118aに嵌合して、ルダ側嵌
合部104の回転が禁止されている。
【0009】工具用ホルダ101を工作機械の主軸10
3に装着するには、ATC装置のアーム117によって
工具用ホルダ101の溝101bの部位を把持し、その
アーム117で工具用ホルダ101を持ち上げて移動
ホルダのシャンク部119を主軸103に嵌合させ
るとともに、図9に示す様にホルダ側嵌合部104の嵌
合ピン112を工作機械側嵌合部105に嵌合させる。
【0010】この際、工作機械では、主軸103に嵌合
された工具用ホルダ101のプルスタッド120(図7
に示す)を引っ張り込んで、この工具用ホルダ101を
固定する。
【0011】また、ATC装置のアーム117によって
工具用ホルダ101を主軸103に嵌合するときに、バ
ネ114は、嵌合ピン112を工作機械側嵌合部105
に押し付ける。引き続いて、工作機械によって工具用ホ
ルダ101のプルスタッド120を引っ張り込むとき
に、バネ114は、嵌合ピン112を工作機械側嵌合部
105へと更に強く押し付ける。したがって、嵌合ピン
112は、2つの行程で工作機械側嵌合部105に押し
付けられることになる。
【0012】さらに、工作機械側嵌合部105への嵌合
ピン112の嵌合に伴い、キー113が右方向へと押さ
れて移動し、このキー113の上端が凹部118aから
外れる。これにより、ホルダ側嵌合部104の回転の禁
止が解除され、主軸103から回転軸118を通じて工
具へと回転を伝達することが可能になる。
【0013】こうして工具用ホルダ101を工作機械の
主軸103に装着した後、ATC装置のアーム117を
退去させ、しかる後、主軸103を回転させて、工具1
02による切削を開始する。
【0014】図10は、従来の位置決め装置の他の例を
示している。この装置では、ピン支持体121の孔12
1aに嵌合ピン122を挿入するとともに、ピン支持体
121の孔121bにロッド123を挿入している。嵌
合ピン122は、バネ124によって左方向に付勢さ
れ、またロッド123は、バネ125によって下方向に
付勢され、その下端が嵌合ピン122に当接する。
【0015】通常は、ロッド123の上端が主軸118
と共に回転する凹部118bに嵌合して、ホルダ側嵌合
部104の回転が禁止されている。
【0016】工具用ホルダ101を工作機械の主軸10
3に装着するために、嵌合ピン122を工作機械側嵌合
部105に嵌合させると、嵌合ピン122が右方向に移
動し、図11に示す様にロッド123の下端が嵌合ピン
122の凹部122aに達する。このとき、バネ125
によってロッド123が押し下げられ、このロッド12
3の上端が部118bから外れる。これにより、ホル
ダ側嵌合部104の回転の禁止が解除され、工作機械の
主軸103の回転を回転軸118を通じて工具102へ
と伝達することが可能になる。
【0017】なお、図8及び図10の装置、各種の工
作機械毎に、それぞれのピンユニットを作製せねばなら
ないことから、これらのピンユニットの種類を少しでも
減少させるために、図12に示す様な装置提案されて
いる。
【0018】この装置では、嵌合ピン131を雄ねじ部
132と雌ねじ部133に分割しており、工作機械側嵌
合部105の位置に応じて、ピン本体131を回転さ
せ、嵌合ピン131の左端の位置を変更する。これによ
って、ピンユニットの適合範囲を拡げ、ピンユニットの
種類を減少させることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】図12の装置は、雄ね
じ部132と雌ねじ部133の連結部位が嵌合ピン13
1の左端から離れているので、この連結部位に僅かな遊
び(隙間)があっても、嵌合ピン131の左端が大きく
振れる。すなわち、この嵌合ピン131の左端の剛性が
極めて低く、これによって工具102の位置決め精度が
大きく悪化する
【0020】また、図8図10、図12装置
、嵌合ピンの左端を先細テーパに形成これを工作
機械側嵌合部105のテーパ孔に嵌合させているが、こ
テーパ嵌合によって位置決めを行う場合、非常に高い
工作精度を要求されるので、位置決め精度の向上とコス
トの低減を両立させるのが難しかった
【0021】工作機械側嵌合部105は、工具用ホルダ
を購入して使用するユーザ側によって製することが多
く、この場合は特に、工具用ホルダを提供するメーカ側
が嵌合ピンの左端の工作精度を十分に高くしても、ユー
ザ側の設備不足によってテーパ孔の工作精度が低くな
り、位置決め精度が悪化する傾向にあった。
【0022】さらには、これらの装置のいずれにおいて
も、位置決め精度を低下させることなく、各種の工作機
械に対するより柔軟な適合性を要求されているものの、
この要求を満たすまでには至っていない。
【0023】そこで、この発明の課題は、位置決め精度
を低下させることなく、各種の工作機械に対してより柔
軟に適合する工具用ホルダの位置決め装置を提供するこ
とにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1発明の工具用ホルダの位置決め装置において
は、ルダ側嵌合部は、工作機械の主軸に略沿って移動
自在に支持され、工作機械側嵌合部の孔に嵌合する嵌合
ピンと、この嵌合ピンを工作機械側嵌合部へと付勢する
嵌合ピン用付勢手段と、ルダ側嵌合部の回転を禁止
し、嵌合ピンを工作機械側嵌合部に嵌合させたときに該
嵌合ピン移動応答して該ホルダ側嵌合部の回転の禁
止を解除する回転禁止手段とを備え、さらに、嵌合ピン
は、移動自在に支持され、嵌合ピン用付勢手段によって
工作機械側嵌合部へと付勢されるピン本体と、このピン
本体の先端に移動自在に外嵌支持され、工作機械側嵌合
の孔に嵌合する環状先端部と、この環状先端部をピン
本体に位置決め固定する固定部とを備えるものとなし
いる。
【0025】この様な装置では、嵌合ピンの環状先端部
ピン本体の先端外周にねじ込み量調整可能に螺合させ
回転させれば、この環状先端部の位置が移動する。こ
れにより、各種の工作機械に対するホルダ側嵌合部の適
合性が向上する。
【0026】また、環状先端部をピン本体の先端に外嵌
して固定する構造であるから、環状先端部とピン本体の
連結部位のガタツキが環状先端部に大きく反映されるこ
とはなく、この環状先端部が僅かに振れる程度で済み、
嵌合ピン先端部の剛性が高く、工具の位置決め精度の悪
化を最小限に止めることができる。
【0027】次に、第発明の工具用ホルダの位置決め
装置においては、ホルダ側嵌合部は、工作機械の主軸に
略沿って移動自在に支持され、工作機械側嵌合部の孔
嵌合する嵌合ピンと、この嵌合ピンを工作機械側嵌合部
へと付勢する嵌合ピン用付勢手段と、ルダ側嵌合部の
回転を禁止し、嵌合ピンを工作機械側嵌合部に嵌合させ
たときに該嵌合ピン移動応答して該ホルダ側嵌合部
の回転の禁止を解除する回転禁止手段とを備え、嵌合ピ
ンは、複数のスリットを形成した円筒コレットと、この
円筒コレットの内側に配されたスリーブとを備え、円筒
コレットを工作機械側嵌合部の孔に嵌合させると、円筒
コレット及びスリーブの一方が工作機械側嵌合部に突き
押されて移動し、リーブによって円筒コレットが押し
広げられて工作機械側嵌合部のストレート孔内周に圧接
する構成を採用している。
【0028】この様な装置では、円筒コレットを工作機
械側嵌合部に嵌合させて置決めを行う。円筒コレット
に嵌合する工作機械側嵌合部の孔は、ストレート孔でよ
く、これはテーパ孔と比べて作が容易であ、高い工
作精度を得易い。このため、工具用ホルダのユーザ側
は、工作機械嵌合部を高い精度で容易に作製して、工具
用ホルダの位置決め精度の向上を図ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面を参照して説明する。
【0030】図1は、この発明の位置決め装置の一実施
形態を適用した工具用ホルダを示している。この位置決
め装置は、工具を保持する工具用ホルダ1に含まれ、こ
の工具用ホルダ1の回転軸の外周に設けられたホルダ側
嵌合部2と、工作機械の主軸の近傍に固定された工作機
械側嵌合部4とを備えている。
【0031】ホルダ側嵌合部2では、2つのベアリング
軸受け5の内周に工具用ホルダ1の回転軸6を支持し、
これらの軸受け5の外周に筒体7を固定し、この筒体7
にピンユニット8を着脱自在に取り付けている。
【0032】ピンユニット8は、ピン支持体11と、こ
のピン支持体11の孔11aに移動可能に挿入された嵌
合ピン12と、この嵌合ピン12を左方向に付勢する第
1バネ13及び第2バネ14と、ピン支持体11の孔1
1bに挿入されたロッド15と、軸16によって枢支さ
れた枢支片17と、この枢支片17の右端を下方に付勢
する小バネ18とを備えている。
【0033】嵌合ピン12は、ピン本体21と、このピ
ン本体21の左端の雄ねじにねじ込まれる環状先端部2
2と、この環状先端部22の内側にねじ込まれるナット
3とを備える。
【0034】ナット3をめて環状先端部22を回
転させれば、環状先端部22の位置を変更することがで
きる。そして、環状先端部22を位置決めしてから、ナ
ット23を締め付けてピン本体21の左端に当接させ、
環状先端部22を固定する。
【0035】ン本体21の外周に溝21aを形成し
ており、この溝21aにボルト24の先端を差し入れ
て、合ピン12を孔11bから抜け止めしている。ピ
ン本体21の孔21bの右側には、リング25を通して
いる。また、ピン本体21の内側に止め輪26を固定
し、この止め輪26をング25の外周の溝25aに
て、ング25を外れ止めしている。このリング25
は溝25aと止め輪26との間に生じている融通の範囲
で動くことができる。第1バネ13は、ン本体21の
内側の段差部21cとピン支持体11の底壁11c間に
縮設され、合ピン12を左方向に付勢している。第2
バネ14は、十分に縮小されてピン本体21の内側の
段差21dとリング25間に配置されている。第2バネ
14の力は、第1バネ13の力よりも十分に強く設定さ
れている。
【0036】枢支片17は、その右端を小バネ18
することにより、左端浮き上がらせて回転軸6と共
に回転する凹部6aに嵌合させており、この状態では、
ホルダ側嵌合部2の回転が禁止される。
【0037】また、小バネ18は、枢支片17を介して
ロッド15を押下し、これによりロッド15の下端がピ
ン本体21の凹部21eみ込んでいる。
【0038】さて、工作機械の主軸への工具用ホルダ1
の装着は、次の様な手順で行われる。
【0039】まず、ATC装置のアーム31によって工
具用ホルダ1の溝1bの部位を把持して、具用ホルダ
1を持ち運び、この工具用ホルダ1のシャンク部を工作
機械の主軸に嵌合させるとともに、図2に示す様に、
合ピン12の環状先端部22を工作機械側嵌合部4に嵌
合させる。
【0040】TC装置のアーム31によって、環状先
端部22が工作機械側嵌合部4に押し付けられると、嵌
合ピン12が右方向に移動して、第1バネ13が縮小す
る。
【0041】これに引き続いて、工作機械では、嵌合さ
れて来た工具用ホルダ1のプルスタッド(図示せず)を
引っ張り込んで、この工具用ホルダ1を固定する。
【0042】このとき、嵌合ピン12が更に右方向に移
動して、嵌合ピン12の右端のリング25がピン支持体
11の底壁11cに突き当たり、その後、第2バネ14
がリング25を介して押圧され縮小する。
【0043】また、嵌合ピン12が移動すると、ピン本
体21がロッド15の下端凹部21eから外れる位置
まで押し上げロッド15、枢支片17の右端を突き
上げる。これに伴い、枢支片17の左端が下降して、
部6aから外れる。これにより、ホルダ側嵌合部2の回
転の禁止が解除される。
【0044】こうして工具用ホルダ1を工作機械の主軸
に装着した後、の主軸を回転させれば、軸の回転が
工具用ホルダ1の回転軸6を通じて工具に伝達され、
具が回転する。
【0045】ところで、この工具用ホルダ1において
は、工作機械が工具用ホルダ1のプルスタッドをっ張
り込む力が嵌合ピン12を介してロッド15に伝達さ
れ、その伝達された力によって枢支片17の右端が突き
上げられる。すなわち、工作機械の強い力を利用して
支片17を移動させている。このため、枢支片17を工
具用ホルダ1の凹部1aから確実に外すことができる。
【0046】また、ロッド15や枢支片17は、単純な
形状であるから、ピンユニット8のコストを抑えること
ができる。このため、各種の工作機械に応じて、複数種
類のピンユニットを作製しても、その経費の負担が軽く
て済む。
【0047】さらに、嵌合ピン12は、ピン本体21、
環状先端部22、及びナット部23の3体構造であっ
て、環状先端部22の位置をねじ込み量調整によって
更することができるので、各種の工作機械に対するピン
ユニット8の適合性が向上する。
【0048】また、工作機械側嵌合部4に近いピン本体
21の左端外周に環状先端部22を螺合させてナット2
3で固定する構造であるから、環状先端部22とピン本
体21間に遊びがあっても、この遊びによって環状先端
部22大きくガタツクことはなく、状先端部22
僅かに振れる程度であって、嵌合ピン12の先端の剛性
が高く、このために工具の位置決め精度の悪化が最小限
に止められる。
【0049】なお、ピン本体21と環状先端部22を螺
合させなくても、環状先端部をピン本体の左端に移動自
在に嵌挿して、ネジ止めする構造にしても良い。
【0050】さらに、先に述べた様に工具用ホルダ1を
工作機械の主軸に装着するときには、ATC装置のアー
ム31によって嵌合ピン12を工作機械側嵌合部4に押
し付けてから、工作機械によってプルスタッドを引き込
んでおり、これに伴って嵌合ピン12が移動しつつ、第
1バネ13が縮小し、更に第1及び第2バネ13,14
が縮小する。つまり、嵌合ピン12は、ATC装置によ
る押し付けに基づく第1行程と、工作機械による引き込
みに基づく第2行程で移動し、第1行程のときに第1バ
ネ13が縮小し、第2行程のときに第2バネ14が第1
バネ13と共に縮小する。
【0051】第1及び第2バネ13,14のいずれもが
縮小された状態でピンユニット8内に配置されており、
第2バネ14の方が第1バネ13よりも強い力で圧縮さ
れている。このため、嵌合ピン12は、第1及び第2行
程で、図3のグラフに示す様なを受ける。
【0052】このグラフから明らかな様に、第1行程に
おいては、嵌合ピン12に働く第1バネ13の力が徐々
に上昇している。引き続く第2行程においては、嵌合ピ
ン12に働く力が第1及び第2バネ13,14のもので
あって、この力が急激に大きくなっている。
【0053】したがって、第1行程においては、ATC
装置のアーム31は、嵌合ピン12を介して第1バネ1
3の力を受けるだけであって、その負担が軽くて済む。
また、第2行程においては、嵌合ピン12は、第2バネ
14の強い力を受け、工作機械側嵌合部4に強く圧接す
る。すなわち、ATC装置のアーム31の負担を軽くす
るとともに、嵌合ピン12を工作機械側嵌合部4に強く
圧接させて、両者間の嵌合部位の剛性を高くし、工具の
位置決め精度を向上させることができる。
【0054】なお、図3のグラフにおいて、一点鎖線
は、1つのバネによって付勢された嵌合ピン12に作用
する力を示している。この場合は、嵌合ピン12の移動
距離に対する力の変化が急激である。このため、嵌合ピ
ン12や工作機械側嵌合部4に僅かの寸法誤差があって
も、嵌合ピン12を工作機械側嵌合部4に押圧する力が
変化してしまい、信頼性が低下する。例えば、各軸受5
や、嵌合ピン12とピン支持体11間には遊びを設けて
いるので、バネの力が強くなり過ぎると、工具用ホルダ
1が傾いて、工作精度が悪化する。また、バネの力が弱
くなり過ぎると、嵌合ピン12と工作機械側嵌合部4間
の嵌合部位の剛性が不足して、やはり工作精度が悪化す
る。
【0055】図4は、嵌合ピン及び工作機械側嵌合部の
変形例を示している。
【0056】同図において、嵌合ピン41は、ピンユニ
ット42の孔42aに挿入されたピン本体43と、この
ピン本体43のスリーブ部43aに嵌合された円筒コレ
ット44と、この円筒コレット44の左端に差し込まれ
たスペーサ45とを備えている。
【0057】ピンユニット42の孔42bには、ロッド
40を挿入し、このロッド40の下端をピン本体43の
凹部43bに嵌め込んでいる。また、ピン本体43の内
側には、第1バネ46及び第2バネ47を配している。
【0058】円筒コレット44には、複数のスリット4
4aを形成している。工作機械側嵌合部48の孔は、円
筒コレット44に嵌合するストレート形状に形成されて
いる。
【0059】合ピン41の円筒コレット44を工作機
械側嵌合部48に嵌合させ、スペーサ45を工作機械側
嵌合部48の底壁に圧接させると、筒コレット44が
右方向に僅かに移動する。このとき、ピン本体43のス
リーブ部43aによって円筒コレット44が押し広げら
れ、この円筒コレット44が工作機械側嵌合部48の
トレート孔の内周に圧接し、合ピン41が位置決め固
定される。
【0060】筒コレット44に嵌合する工作機械側嵌
合部48のストレート孔は、テーパ孔と違っ作が容
易である。このため、工具用ホルダのユーザ側は、嵌合
部48を高い精度で容易に作製して、工具用ホルダの位
置決め精度を向上させることができる。
【0061】図5は、嵌合ピンの他の変形例を示してい
る。
【0062】この嵌合ピン51、ピン本体52と円筒
コレット53を一体化し、この円筒コレット53の内側
にスリーブ54を挿入している。円筒コレット53を工
作機械側嵌合部のストレート孔に嵌合させると、スリー
ブ54が工作機械側嵌合部の底壁に当接して、このスリ
ーブ54が僅かに移動し、このスリーブ54によって円
筒コレット53が押し広げられ、この円筒コレット53
が工作機械側嵌合部のストレート孔の内周に圧接して嵌
合ピン51が位置決め固定される。
【0063】図6は、嵌合ピンの別の変形例を示してい
る。
【0064】この嵌合ピン61は、ピン本体62と、こ
のピン本体62のスリーブ部62aに嵌合された円筒コ
レット63と、この円筒コレット63の左端に差し込ま
れたスペーサ64と、円筒コレット63とスペーサ64
間に挟み込まれた皿バネ65とを備えている。
【0065】ン本体62は、ピンユニット66の内側
で、2本のネジ67によって固定されており、移動する
ことがない。このピン本体62の移動に代わって、スペ
ーサ64が移動する。すなわち、円筒コレット63を工
作機械側嵌合部68に嵌合させると、スペーサ64が工
作機械側嵌合部68の底壁に当接して押し動かされる。
そして、スペーサ64の移動によって皿バネ65が縮小
し、この皿バネ65の力が円筒コレット63に伝達さ
れ、この円筒コレット63が移動して拡がり、合ピン
61が位置決め固定される。
【0066】
【効果】以上説明した様に、この発明の位置決め装置に
よれば、工作機械側嵌合部の孔に嵌合する環状先端部を
ピン本体の先端に移動自在に外嵌支持して固定部により
固定する構造の嵌合ピンを採用したので、嵌合ピン先端
の剛性低下が抑制され、位置決め精度を低下させずに各
種の工作機械に対する適合性を向上させることができ
る。
【0067】また、他のひとつの位置決め装置は、嵌合
ピンの先端にスリーブとの相対移動でスリーブに押し拡
げられる円筒コレットを設けることにより、工作機械側
嵌合部の孔をストレート孔にして工具ホルダの位置決め
を行えるようにしたので、ユーザによる工作機械側嵌合
部の工作精度を高めて工具ホルダの位置決め精度を向上
させ、かつ、嵌合部の加工コスト低減を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の位置決め装置の一実施形態を適用し
た工具用ホルダを示す側面図
【図2】図1の工具用ホルダを工作機械の主軸に装着し
た状態を示す側面図
【図3】図1の工具用ホルダにおける第1及び第2バネ
の力の特性を示すグラフ図
【図4】この発明の位置決め装置における嵌合ピン及び
工作機械側嵌合部の変形例を示す側面図
【図5】この発明の位置決め装置における嵌合ピン及び
工作機械側嵌合部の他の変形例を示す図
【図6】この発明の位置決め装置における嵌合ピン及び
工作機械側嵌合部の別の変形例を示す側面図
【図7】工具用ホルダを概略的に示す側面図
【図8】従来の位置決め装置を例示する側面図
【図9】図8の位置決め装置を工作機械側嵌合部に嵌合
させた状態を示す側面図
【図10】従来の位置決め装置の他の例を示す側面図
【図11】図10の位置決め装置を工作機械側嵌合部に
嵌合させた状態を示す側面図
【図12】従来の位置決め装置の別の例を示す側面図
【符号の説明】
1 工具用ホルダ 2 ホルダ側嵌合部 3 主軸 4 工作機械側嵌合部 5 ベアリング軸受け 6 回転軸 7 筒体 8 ピンユニット 11 ピン支持体 12,41,51,61 嵌合ピン 13 第1バネ 14 第2バネ 15 ロッド 17 枢支片 18 小バネ 21 ピン本体 22 環状先端部 23 ナット 43,52 ピン本体 44,53,63 円筒コレット 45 スペーサ 54 スリーブ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作機械の主軸に着脱自在に装着される
    工具用ホルダに含まれ、この工具用ホルダの回転軸の外
    周に回転自在に支持されたホルダ側嵌合部と、工作機械
    の主軸の近傍に固定された工作機械側嵌合部とを備え、
    ホルダ側嵌合部の回転を禁止した状態で、このホルダ側
    嵌合部を工作機械側嵌合部に嵌合させて、工具用ホルダ
    の位置決めを行い、この位置決めに伴い、ルダ側嵌合
    部の回転の禁止を解除する工具用ホルダの位置決め装置
    において、 ホルダ側嵌合部は、 工作機械の主軸に略沿って移動自在に支持され、工作機
    械側嵌合部の孔に嵌合する嵌合ピンと、 この嵌合ピンを工作機械側嵌合部へと付勢する嵌合ピン
    用付勢手段と、 ルダ側嵌合部の回転を禁止し、嵌合ピンを工作機械側
    嵌合部に嵌合させたときに該嵌合ピン動に応答して
    該ホルダ側嵌合部の回転の禁止を解除する回転禁止手段
    とを備え、 嵌合ピンは、移動自在に支持され、嵌合ピン用付勢手段
    によって工作機械側嵌合部へと付勢されるピン本体と、
    このピン本体の先端に移動自在に外嵌支持され、工作機
    械側嵌合部の孔に嵌合する環状先端部と、この環状先端
    部をピン本体に位置決め固定する固定部とを備える工具
    用ホルダの位置決め装置。
  2. 【請求項2】 前記環状先端部をピン本体の先端外周に
    ねじ込み量調整可能に螺合させ、さらに、この環状先端
    部の内径部にピン本体の先端に当接するナットを螺合さ
    せ、このナットを締付けて環状先端部をピン本体に固定
    するようにした請求項1記載の工具用ホルダの位置決め
    装置。
  3. 【請求項3】 作機械の主軸に着脱自在に装着される
    工具用ホルダに含まれ、この工具用ホルダの回転軸の外
    周に回転自在に支持されたホルダ側嵌合部と、工作機械
    の主軸の近傍に固定された工作機械側嵌合部とを備え、
    ホルダ側嵌合部の回転を禁止した状態で、このホルダ側
    嵌合部を工作機械側嵌合部に嵌合させて、工具用ホルダ
    の位置決めを行い、この位置決めに伴い、このホルダ側
    嵌合部の回転の禁止を解除する工具用ホルダの位置決め
    装置において、 ホルダ側嵌合部は、 工作機械の主軸に略沿って移動自在に支持され、工作機
    械側嵌合部のストレート孔に嵌合する嵌合ピンと、 この嵌合ピンを工作機械側嵌合部へと付勢する嵌合ピン
    用付勢手段と、 ルダ側嵌合部の回転を禁止し、嵌合ピンを工作機械側
    嵌合部に嵌合させたときに該嵌合ピン動に応答して
    該ホルダ側嵌合部の回転の禁止を解除する回転禁止手段
    とを備え、 嵌合ピンは、複数のスリットを形成した円筒コレット
    と、この円筒コレットの内側に配されたスリーブとを備
    え、 円筒コレットを工作機械側嵌合部に嵌合させると、円筒
    コレット及びスリーブの一方が工作機械側嵌合部に突き
    押されて移動し、リーブによ円筒コレットが押し広
    げられて工作機械側嵌合部のストレート孔内周に圧接す
    る工具用ホルダの位置決め装置。
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