JP2002352840A - 燃料電池発電装置 - Google Patents

燃料電池発電装置

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JP2002352840A JP2001154188A JP2001154188A JP2002352840A JP 2002352840 A JP2002352840 A JP 2002352840A JP 2001154188 A JP2001154188 A JP 2001154188A JP 2001154188 A JP2001154188 A JP 2001154188A JP 2002352840 A JP2002352840 A JP 2002352840A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池内の残留水素を効率的に放電させ
る。 【解決手段】 燃料電池10と、燃料電池10の発電停
止後の電流値を検出する電流検出部18と、燃料電池の
発電停止後の電圧値を検出する電圧検出部17と、燃料
電池の出力側に直流電圧制御部16と、直流電圧制御部
16の出力側に負荷抵抗14とを備えることで実現す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池で発電し
た電力を負荷に供給する燃料電池発電装置に関するもの
であり、詳しくは、燃料電池発電装置の発電動作終了後
に上記燃料電池に生ずる劣化現象を防止する放電機構を
備えた燃料電池発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、単位セルの積層体からな
り、電極となる燃料極、空気極にそれぞれ、水素を含む
燃料ガス、酸素を含む空気の酸化剤ガスが供給されるこ
とで、電気化学反応を起こして発電を行うものとして知
られている。また、燃料電池には、垂下特性と呼ばれ、
出力電流の増加に伴って出力電圧が低下するというよう
な発電特性があることが知られている。
【0003】燃料電池が運転適性温度であるときにおい
て出力電流がゼロのときの電圧である開回路電圧が発生
した状態、つまり、燃料電池の運転を停止、又は、休止
させ、負荷への電流が遮断された状態にして放置すると
電極触媒粒子が粗大化して電極表面積が低下し、燃料電
池の発電性能や寿命の低下を招いてしまう。
【0004】そこで、このような燃料電池の劣化現象を
回避するために、燃料電池の運転停止に際して、燃料電
池内の反応ガス(燃料ガス及び空気)を窒素などの不活
性ガスに置換して開回路電圧の発生を防止するための運
転操作を行うとともに、燃料電池の出力側に放電抵抗を
接続して開回路電圧を抑制するようにした燃料電池発電
装置が知られている。
【0005】以下に、図19を用いて、従来の燃料電池
発電装置100の要部構成について説明をする。
【0006】燃料電池発電装置100は、燃料電池10
1と、チョッパー102と、インバータ103と、外部
負荷104とを備えている。
【0007】燃料電池101で発電され出力された電力
は、チョッパー102、インバータ103によって定電
圧制御された後に交流電流に変換されて外部負荷104
に供給される。
【0008】また燃料電池発電装置100は、燃料電池
101の運転停止後に開回路電圧を抑制するための放電
部として、チョッパー102の出力側と、インバータ3
の入力側にとの間に備えられ、例えば、チョッパー10
2の平滑用コンデンサとして用いられる中間回路コンデ
ンサ105と、中間回路コンデンサ105に蓄えられた
電荷を放電するためのスイッチ106及び放電抵抗10
7からなる中間放電装置108とを備えている。
【0009】この燃料電池発電装置100では、図示し
ない制御部から燃料電池101に運転停止命令が送出さ
れると、中間放電装置108のスイッチ106を閉じ、
外部負荷104を遮断し、中間回路コンデンサ105
と、放電抵抗107とを直列に接続させる。このとき、
チョッパー102の運転停止時間は、燃料電池101の
放電時間を考慮し、遅延回路を設け、外部負荷104が
遮断された時点よりも遅延させる。
【0010】このような燃料電池発電装置100では、
燃料電池101の運転停止後の残留水素及び残留酸素に
よる発電で燃料電池101内で蓄積された電荷は、チョ
ッパー102を介して中間回路コンデンサ105に蓄積
され、さらにスイッチ106を介して、放電抵抗107
によって放電する。
【0011】このようにして、燃料電池発電装置100
では、燃料電池101を開回路電圧に曝すことなく劣化
を回避させていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た燃料電池発電装置100のように、放電部として中間
放電装置108を備え、放電抵抗107で残留水素によ
って生成される電荷を放電する場合、放電時間を短縮さ
せようとすると放電抵抗107を大型する必要があり、
それに伴い燃料電池発電装置100自体が大型化してし
まうといった問題がある。逆に燃料電池発電装置100
を小型化し、放電抵抗107を小さくすると放電時間が
長くなってしまうという問題がある。
【0013】さらに、従来の燃料電池発電装置100の
ように、放電装置108が設置されると燃料発電装置1
00のコストが上昇するため、例えば、燃料電池発電装
置100を搭載した燃料電池車などの製造コストも上が
ってしまうといった問題がある。
【0014】そこで、本発明は、上述した従来の問題に
鑑みて提案されたものであり、燃料電池の発電停止後に
残留する燃料ガスにより発生する電荷を短時間で且つ確
実に放電することができる燃料電池発電装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、請求項1に係る燃料電池発電装置では、電解質膜
を、酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸
化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極
側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、上記燃
料電池の出力側に設けられ、上記燃料電池で発電した電
力を直流電流に変換して出力する直流電圧変換手段と、
上記直流電圧変換手段の出力側に設けられ、上記直流電
圧変換手段から出力された直流電流を放電する放電手段
とを備えることを特徴とする。
【0016】請求項2に係る燃料電池発電装置では、上
記放電手段は、放電抵抗であっても良い。
【0017】請求項3に係る燃料電池発電装置では、上
記放電手段は、上記直流電圧変換手段内に設けられたコ
イルであっても良い。
【0018】請求項4に係る燃料電池発電装置では、上
記燃料電池の出力電圧値を検出する電圧検出手段と、上
記電圧検出手段によって検出された燃料電池の出力電圧
値が所定の値以下になるまで、上記放電手段に直流電流
を供給するように上記直流電圧変換手段を制御する制御
手段とを更に備えることを特徴とする。
【0019】上述の課題を解決するために、請求項5に
係る燃料電池発電装置では、電解質膜を、酸化剤極と燃
料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤
ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供
給されて発電する燃料電池と、上記燃料電池の出力側に
設けられ、上記燃料電池で発電した電力を直流電流に変
換して出力する直流電圧変換手段と、上記直流電圧変換
手段の出力側に設けられ、上記直流電圧変換手段から出
力された直流電流を交流電流に変換して出力する直流−
交流変換手段と、上記直流−交流変換手段の出力側に設
けられ、上記直流−交流変換手段から出力された交流電
流を放電する放電手段と、上記燃料電池の出力電流値を
検出する電流検出手段と、上記燃料電池の出力電圧値を
検出する電圧検出手段と、上記電流検出手段によって検
出された燃料電池の出力電流が所定の値以下になるま
で、上記電圧検出手段で検出される出力電圧が一定とな
るような交流電流とするように上記直流−交流変換手段
を制御して上記放電手段に交流電流を供給する制御手段
とを備えることを特徴とする。
【0020】請求項6に係る燃料電池発電装置では、上
記放電手段は、放電抵抗であっても良い。
【0021】請求項7に係る燃料電池発電装置では、上
記放電手段は、上記直流電圧変換手段内に設けられたコ
イルであっても良い。
【0022】請求項8に係る燃料電池発電装置では、上
記放電手段は、上記直流−交流変換手段から出力された
交流電流を消費するモータ回路からなるものであっても
良い。
【0023】請求項9に係る燃料電池発電装置では、上
記モータ回路は、動力源となる動力モータと、動力モー
タを駆動するために使用される補機を駆動する補機モー
タとからなり、上記直流−交流変換手段は、上記動力モ
ータに供給する交流電流に変換する動力モータ用直流−
交流変換部と、上記補機モータに供給する交流電流に変
換する補機モータ用直流−交流変換部とからなるもので
あっても良い。
【0024】請求項10に係る燃料電池発電装置では、
動力モータ外の補機を更に備え、上記モータ回路は、動
力源となる動力モータからなり、上記直流電圧変換手段
の出力側に設けられ、上記直流電圧変換手段から出力さ
れた直流電圧の大きさを変換して、上記補機に供給する
直流電圧変換手段を更に備える。
【0025】請求項11に係る燃料電池発電装置では、
上記制御手段は、上記モータ回路が動作しない交流電流
値とするように上記直流−交流変換手段を制御する。
【0026】請求項12に係る燃料電池発電装置では、
上記制御手段は、上記モータ回路が動作しない交流電流
値とするように上記直流−交流変換手段を制御すると共
に、上記補機のみを動作させる。
【0027】請求項13に係る燃料電池発電装置では、
上記放電手段として上記モータ回路を複数備えると共
に、上記直流−交流変換手段を複数備える。
【0028】請求項14に係る燃料電池発電装置では、
所定の燃料を改質して上記燃料電池に供給する水素を取
り出す燃料改質器を更に備え、上記所定の燃料の残留分
から上記燃料改質器によって取り出した燃料ガスを上記
燃料電池に供給し、発電させて放電させる。
【0029】請求項15に係る燃料電池発電装置では、
上記燃料電池で発電した電力を蓄積する電力蓄積手段
と、上記直流電圧変換手段の出力側に設けられ、上記直
流電圧変換手段から出力された直流電流を上記電力蓄積
手段に供給するリレー回路とを更に備える。
【0030】請求項16に係る燃料電池発電装置では、
上記電力蓄積手段の電力蓄積量を検出する電力蓄積量検
出手段を更に備え、上記電力蓄積量検出手段で検出され
た電力蓄積量に基づいて上記電力蓄積手段に電力供給す
るように上記リレー回路を制御する。
【0031】請求項17に係る燃料電池発電装置では、
上記制御手段は、上記燃料電池の発電を停止するに際し
て電流を上記放電手段に供給して放電させる。
【0032】
【発明の効果】請求項1に係る燃料電池発電装置によれ
ば、燃料電池、直流電圧変換手段を備える構成を有し、
燃料電池で発電した電力を直流電流に変換し、直流電流
を放電手段で放電するので、燃料電池の停止後に燃料電
池内に燃料ガスなどが残留している場合に発生する電荷
を、交流電流に変換して放電手段で放電することがで
き、例えば燃料電池の発電停止後等に発生する電荷を短
時間で且つ確実に放電することができる。
【0033】請求項2に係る燃料電池発電装置によれ
ば、放電手段を、放電抵抗としたので、例えば燃料電池
の発電停止後等に発生する電荷を短時間で且つ確実に放
電することを実現できる。
【0034】請求項3に係る燃料電池発電装置によれ
ば、放電手段を、直流電圧変換手段内に設けられたコイ
ルとしたので、例えば燃料電池の発電停止後等に発生す
る電荷を短時間で且つ確実に放電すると共に、放電を専
用に行う抵抗などを設ける必要がなく、装置の小型化及
び低コスト化を図ることができる。
【0035】請求項4に係る燃料電池発電装置によれ
ば、電流検出手段によって検出された燃料電池の出力電
流が所定の値以下になるまで、電圧検出手段で検出され
る出力電圧が一定となるように直流電流を放電手段に供
給するので、例えば燃料電池の発電停止後等に発生する
電荷を短時間で且つ確実に放電することができる。
【0036】請求項5に係る燃料電池発電装置によれ
ば、電解質膜を、酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成
され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共
に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料
電池と、上記燃料電池の出力側に設けられ、上記燃料電
池で発電した電力を直流電流に変換して出力する直流電
圧変換手段と、上記直流電圧変換手段の出力側に設けら
れ、上記直流電圧変換手段から出力された直流電流を交
流電流に変換して出力する直流−交流変換手段と、上記
直流−交流変換手段の出力側に設けられ、上記直流−交
流変換手段から出力された交流電流を放電する放電手段
と、上記燃料電池の出力電流値を検出する電流検出手段
と、上記燃料電池の出力電圧値を検出する電圧検出手段
と、上記電流検出手段によって検出された燃料電池の出
力電流が所定の値以下になるまで、上記電圧検出手段で
検出される出力電圧が一定となるような交流電流とする
ように上記直流−交流変換手段を制御して上記放電手段
に交流電流を供給する制御手段とを備えることを特徴と
する。
【0037】請求項6に係る燃料電池発電装置によれ
ば、放電手段を、放電抵抗としたので、燃料電池の発電
停止後に発生する電荷を短時間で且つ確実に放電するこ
とを実現できる。
【0038】請求項7に係る燃料電池発電装置によれ
ば、放電手段を、直流電圧変換手段内に設けられたコイ
ルとしたので、燃料電池の発電停止後に発生する電荷を
短時間で且つ確実に放電すると共に、放電を専用に行う
抵抗などを設ける必要がなく、装置の小型化及び低コス
ト化を図ることができる。
【0039】請求項8に係る燃料電池発電装置によれ
ば、燃料電池、直流電圧変換手段、直流−交流変換手
段、モータ回路を備える構成を有し、燃料電池で発電し
た電力を交流電流に変換し、交流電流をモータ回路で消
費するので、例えば燃料電池の停止後等に燃料電池内に
燃料ガスなどが残留している場合に発生する電荷を、交
流電流に変換してモータ回路で放電することができ、例
えば燃料電池の発電停止後等に発生する電荷を短時間で
且つ確実に放電することができる。更に、請求項8に係
る燃料電池発電装置によれば、例えば燃料電池の停止後
等に燃料電池からの出力電圧を放電する抵抗などを設け
る必要なく、燃料電池システムを構成するモータ回路を
利用することができ、装置の小型化及び低コスト化を実
現することができる。
【0040】請求項9に係る燃料電池発電装置によれ
ば、モータ回路を、動力源となる動力モータと、動力モ
ータを駆動するために使用される補機を駆動する補機モ
ータとからなるものとし、直流−交流変換手段を、動力
モータに供給する交流電流に変換する動力モータ用直流
−交流変換部と、補機モータに供給する交流電流に変換
する補機モータ用直流−交流変換部とからなるものとし
たので、動力モータに供給する交流電流と、補機モータ
に供給する交流電流を別個に制御することができ、動力
モータで消費する電力と、補機モータで消費する電力と
を別個にすることができる。したがって、請求項9に係
る燃料電池発電装置によれば、動力モータと補機モータ
の双方で電荷を消費することができ、例えば燃料電池の
発電停止後等に発生する電荷を更に、短時間で且つ確実
に放電することができる。
【0041】請求項10に係る燃料電池発電装置によれ
ば、動力モータ外の補機を更に備え、上記モータ回路
は、動力源となる動力モータからなり、上記直流電圧変
換手段の出力側に設けられ、上記直流電圧変換手段から
出力された直流電流の大きさを変換して、上記補機に供
給する直流電圧変換手段を更に備える。
【0042】補機での電荷消費量を制御することがで
き、例えば燃料電池の発電停止後等に発生する電荷を更
に、短時間で且つ確実に放電することができる。また、
この請求項10に係る燃料電池発電装置によれば、動力
モータを駆動するに際して使用する補機を使用して電荷
を消費することができるので、例えば燃料電池の停止後
等に燃料電池からの出力電圧を放電する抵抗などを設け
る必要なく、装置の小型化及び低コスト化を実現するこ
とができる。
【0043】請求項11に係る燃料電池発電装置によれ
ば、モータ回路が動作しない交流電流値とするように直
流−交流変換手段を制御するので、不要な場合にモータ
回路を動作させることを防止することができる。
【0044】請求項12に係る燃料電池発電装置によれ
ば、モータ回路が動作しない交流電流値とするように直
流−交流変換手段を制御すると共に、補機のみを動作さ
せるので、不要な場合にモータ回路を動作させることを
防止することができると共に、補機による放電を実現す
ることができる。
【0045】請求項13に係る燃料電池発電装置によれ
ば、放電手段を複数備えると共に、直流−交流変換手段
を複数備える構成としたので、各放電手段に供給する交
流電流を制御して、複数の放電手段で電荷を消費するこ
とができ、燃料電池の発電停止後に発生する電荷を更に
短時間で且つ確実に放電することができる。
【0046】請求項14に係る燃料電池発電装置によれ
ば、所定の燃料を改質して燃料電池に供給する水素を取
り出す燃料改質器を更に備える構成を有し、例えば燃料
電池の発電停止後等に、所定の燃料の残留分から燃料改
質器によって取り出した燃料ガスを燃料電池に供給し、
発電させるので燃料改質器で生成した燃料ガスを、燃料
電池で発電させて放電手段により放電することができ
る。
【0047】請求項15に係る燃料電池発電装置によれ
ば、燃料電池で発電した電力を蓄積する電力蓄積手段
と、直流電圧変換手段から出力された直流電流を電力蓄
積手段に供給するリレー回路とを備える構成としたの
で、リレー回路の電力蓄積手段に対する開閉を制御する
ことで例えば燃料電池の発電停止後等に発生した電荷を
電力蓄積手段に蓄積することができ、例えば燃料電池の
発電停止後等に発生する電荷を更に、短時間で且つ確実
に放電することができると共に、燃費の向上を図ること
ができる。また、この請求項15に係る燃料電池発電装
置によれば、燃料電池システムを構成する上で必要なリ
レー回路と電力蓄積手段とを使用するので、例えば燃料
電池の停止後等に燃料電池からの出力電圧を放電する抵
抗などを設ける必要なく、装置の小型化及び低コスト化
を実現することができる。
【0048】請求項16に係る燃料電池発電装置によれ
ば、電力蓄積手段の電力蓄積量を検出する電力蓄積量検
出手段を備える構成を有し、電力蓄積量検出手段で検出
された電力蓄積量に基づいて電力蓄積手段に電力供給す
るようにリレー回路を制御するので、電力蓄積手段の蓄
積量に応じて電荷を蓄積することや、他の手段で電荷を
放電することができ、短時間で且つ確実に放電すること
ができると共に、更なる燃費の向上を図ることができ
る。
【0049】請求項17に係る燃料電池発電装置によれ
ば、燃料電池の発電を停止するに際して電流を放電手段
に供給して放電させるので、燃料電池の発電を停止した
後に燃料電池内に残存する燃料ガスや酸化剤ガスを発電
させたときの電力を放電することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照にして詳細に説明する。
【0051】[第1実施形態に係る燃料電池発電装置1
の構成]図1を用いて第1実施形態として本発明を適用
した燃料電池発電装置1の構成について説明をする。第
1実施形態に係る燃料電池発電装置1は、例えば、燃料
電池を発電源とする燃料電池車両などに搭載され、燃料
電池車両システムに備えられる。
【0052】燃料電池発電装置1は、燃料電池10と、
リレーボックス11と、チョッパー12と、第2リレー
13と、放電抵抗14とを備えている。
【0053】燃料電池発電装置1には、当該燃料電池発
電装置1を制御する制御部が備えられており、この制御
部は、例えば燃料電池発電装置1が燃料電池車両システ
ムなどに搭載された際、燃料電池車両システムを統括的
に制御する。具体的には、各部が制御部により動作が制
御されることで、燃料電池10で発電した電力の負荷へ
の供給、放電をする。なお、この制御部の処理内容につ
いては後述する。
【0054】燃料電池10は、例えば、固体高分子電解
質膜を挟んで燃料極と、酸化剤極とを対設した燃料電池
構造体をセパレータで狭持した複数の燃料電池構造体か
らなる。燃料電池10には、水素リッチな燃料ガスが供
給され、供給される燃料ガスに含まれる水素と空気中の
酸素とを電気化学的に反応させて発電をする。
【0055】リレーボックス11は、燃料電池10の正
極及び負極に接続された2つの第1リレー15a,第1
リレー15bで構成されている。各第1リレー15は、
それぞれが燃料電池10に直列に接続されており、燃料
電池10から後段の負荷へ電力を供給する回路の接点を
開閉するように制御部に制御される。
【0056】チョッパー12は、第1リレー15aと直
列接続された半導体スイッチング素子であるIGBT
(Insulated Gate Bipolar Transistor)やGTBT等
16(以下、「IGBT16」と呼称する。)と、電圧
センサ17と、電流センサ18とを備えている。制御部
は、IGBT16に制御信号を出力して動作を制御する
と共に、電圧センサ17及び電流センサ18で検出した
電圧値及び電流値をセンサ信号として入力する。
【0057】第2リレー13は、後段の放電抵抗14へ
電力を供給する回路の接点を開閉する。この第2リレー
13は、放電抵抗14に対する開閉動作が制御部からの
制御信号により制御される。
【0058】放電抵抗14は、燃料電池10の残留水素
及び残留酸素による発電で生成された電荷が、リレーボ
ックス11、チョッパー12、第2リレー13を介して
供給されて放電をする。
【0059】更にまた、燃料電池発電装置1の燃料電池
10には、水素リッチなガスを供給するために天然ガス
やメタノールなどの燃料を水素リッチなガスに改質する
燃料改質装置が備えられていてもよい。
【0060】「第1実施形態に係る燃料電池発電装置1
の動作』燃料電池発電装置1の燃料電池システム停止時
に行う制御部のシステム停止処理の処理手順について図
2に示すフローチャートを用いて説明をする。
【0061】ステップS1において、制御部は、燃料電
池システムに対する停止動作命令が入力され、停止動作
シーケンスであるか否かを判断し、停止動作シーケンス
が実行されていると判断した場合は処理をステップS2
へと進め、停止動作シーケンスが実行されていないと判
断した場合はステップS1の処理を繰り返し実行する。
【0062】ステップS2において、制御部は、リレー
ボックス11の2つの第1リレー15a、15bを閉状
態にし、続いて第2リレー13を閉状態に制御する。さ
らに、制御部は、断続的にオン、オフを繰り返す交流電
流を出力するデューティー(Duty)制御をするよう
にIGBT16を動作させ、放電抵抗14を導通させ放
電を開始させる。
【0063】次のステップS3において、制御部は、電
圧センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出
し、燃料電池10の電圧が一定の電圧値、例えば、燃料
電池10に定められた下限電圧値以上となるようにIG
BT16の出力を制御する。すなわち、制御部は、IG
BT16から出力する電流のDuty比を制御して放電
抵抗14に流れる電流値を可変させる。
【0064】次のステップS4において、制御部は、電
流センサ18で検出された燃料電池10から出力される
燃料電池電流を検出し、検出した燃料電池電流値と所定
の設定値とを比較する。制御部は、検出した燃料電池電
流が設定値以下であった場合には処理をステップS5へ
と進め、設定値以上であった場合は処理をステップS3
へと戻す。
【0065】このステップS4は、燃料電池10の放電
動作を終了させるための判断をする処理であり、判断の
基準となる設定値は、燃料電池発電装置1が搭載される
システムによって異なっている。例えば、ある燃料電池
車両システムでは、システム停止時の燃料電池電流は
0.5A程度であり、設定値は0.1A程度に設定され
る。
【0066】ステップS5において、制御部は、第1リ
レー15、第2リレー13を開いたオフ状態にすると共
に、IGBT16もオフ(出力停止)状態にし、放電抵
抗14での放電動作を終了させる。
【0067】次のステップS6において、制御部は、燃
料電池システムの停止動作シーケンスを終了させる。
【0068】上述したような動作をする燃料電池発電装
置1によれば、IGBT16をデューティ比を制御部に
より制御することで放電抵抗14に流れる電流を制御す
ることができ、燃料電池10の停止時に燃料電池10内
に残留する水素により発生する電荷を、迅速かつ確実に
放電することができる。
【0069】[第2実施形態に係る燃料電池発電装置2
0の構成]図3に、第2実施形態として本発明を適用し
た燃料電池発電装置20の構成について説明をする。な
お、上述の実施形態と同じ部分は同一符号を付すること
によりその詳細な説明を省略する。
【0070】燃料電池発電装置20は、第1実施形態に
係る燃料電池発電装置1の第2リレー13、放電抵抗1
4に替えて、チョッパー12の後段にインバータ21、
モータ24を接続させた構成となっている。
【0071】インバータ21は、IGBT22、IGB
T23で構成されチョッパー21から出力された直流電
力を交流電力に変換して後段のモータ24を動作させ
る。
【0072】モータ24は、電動機であり、インバータ
21によって変換された交流電力によって通電させる。
このモータ24は、例えば、燃料電池発電装置20が搭
載される燃料電池車両システムにおける、車両を駆動す
るための動力モータなどである。
【0073】また、燃料電池発電装置20には、各部を
制御する制御部が備えられており、この制御部は、例え
ば燃料電池発電装置20が燃料電池車両システムなどに
搭載された際、燃料電池車両システムを統括的に制御す
る。
【0074】『第2実施形態に係る燃料電池発電装置2
0の動作』図4、図5及び図6に、燃料電池発電装置2
0の燃料電池システム停止時の制御部の第1、第2、第
3システム停止処理の処理手順を示す。
【0075】「第1システム停止処理」図4に示す第1
システム停止処理でのステップS11において、制御部
は、燃料電池システムに対する停止動作命令が入力さ
れ、停止動作シーケンスであるか否かを判断し、停止動
作シーケンスが実行されていると判断した場合は処理を
ステップS12へと進め、停止動作シーケンスが実行さ
れていないと判断した場合はステップS11の処理を繰
り返し実行する。
【0076】ステップS12において、制御部は、リレ
ーボックス11の2つの第1リレー15a、15bを閉
状態にし、さらに、制御部は、チョッパー12のIGB
T16、インバータ21のIGBT22,IGBT23
を動作させ、モータ24を通電することで放電を開始さ
せる。
【0077】次のステップS13において、制御部は、
電圧センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出
し、燃料電池10の電圧が所定の電圧、例えば、燃料電
池10に定められた下限電圧値より小さくなったら処理
をステップS14に進め、燃料電池10の電圧が所定の
電圧より大きい場合、ステップS12の動作を保持して
放電を継続する。
【0078】ステップS14において、制御部は、第1
リレー15a、15bを開状態にすると共に、チョッパ
ー12のIGBT16及びインバータ21のIGBT2
2,IGBT23も開状態にし、モータ24の通電を停
止させ、放電動作を終了させる。
【0079】次のステップS15において、制御部は、
システムの停止動作シーケンスを終了させる。
【0080】このような第1システム停止処理を行う燃
料電池発電装置20は、放電をモータ24で実行するこ
とで放電用の負荷を設けなくてもよいため、装置を小型
で低コストにすることができる。
【0081】「第2システム停止処理」図5に示す第2
システム停止処理でのステップS21において、制御部
は、システムに対する停止動作命令が入力され、停止動
作シーケンスであるか否かを判断し、停止動作シーケン
スが実行されていると判断した場合は処理をステップS
22へと進め、停止動作シーケンスが実行されていない
と判断した場合はステップS21の処理を繰り返し実行
する。
【0082】ステップS22において、制御部は、リレ
ーボックス11の2つの第1リレー15a、15bを閉
状態としたオン状態に制御する。さらに、制御部は、チ
ョッパー12のIGBT16を動作させたオン状態にす
ると共に、さらにインバータ21のIGBT22,IG
BT23を断続的なデューティー制御をすることで動作
させ、モータ24に通電することで放電を開始させる。
【0083】ステップS23において、制御部は、電圧
センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出し、
燃料電池10の電圧が一定の電圧値、例えば、燃料電池
10の下限電圧値以上となるようにインバータ21のI
GBT22,IGBT23の出力を制御する。すなわ
ち、制御部は、IGBT22,IGBT23を制御して
デューティ比を制御することでモータ24に流れる電流
値を可変させる。
【0084】ステップS24において、制御部は、電流
センサ18で検出された燃料電池10から出力される燃
料電池電流を検出し、所定の設定値と検出した燃料電池
電流値とを比較する。制御部は、検出した燃料電池電流
が設定値以下であった場合処理をステップS25へと進
め、設定値以上であった場合は処理をステップS23へ
と戻す。
【0085】このステップS24は、燃料電池10の放
電動作を終了させるための判断をする処理であり、判断
の基準となる設定値は、燃料電池発電装置1が搭載され
るシステムによって異なっている。
【0086】ステップS25において、制御部は、第1
リレー15a、15bを開状態にしたオフ状態にすると
共に、チョッパー12のIGBT16、インバータ21
のIGBT22,IGBT23も開状態にしたオフ状態
にし、モータ24への通電を停止させ、放電動作を終了
させる。
【0087】ステップS26において、制御部はシステ
ムの停止動作シーケンスを終了させる。
【0088】このようにして、燃料電池発電装置20で
は、IGBT22,IGBT23をデューティ制御する
ことでモータ24に流れる電流を制御し、迅速かつ確実
な放電をすることができる。
【0089】「第3システム停止処理」図6に示す第3
システム停止処理でのステップS31において、制御部
は、燃料電池システムに対する停止動作命令が入力さ
れ、停止動作シーケンスであるか否かを判断し、停止動
作シーケンスが実行されていると判断した場合は処理を
ステップS32へと進め、停止動作シーケンスが実行さ
れていないと判断した場合はステップS31の処理を繰
り返し実行する。
【0090】ステップS32において、制御部は、リレ
ーボックス11の2つの第1リレー15a、15bを閉
状態にしたオン状態に制御する。さらに、制御部は、チ
ョッパー12のIGBT16を動作させたオン状態に
し、さらにインバータ21のIGBT22,IGBT2
3を断続的なデューティー制御をすることで動作させ、
モータ24に通電することで放電を開始させる。
【0091】次のステップS33において、制御部は、
電圧センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出
し、燃料電池10の電圧が一定の電圧値、例えば、燃料
電池10に定められた下限電圧値以上となるようにイン
バータ21のIGBT22,IGBT23の出力を制御
する。すなわち、制御部は、IGBT22,IGBT2
3から出力する交流電流のデューティ比を制御してモー
タ24に流れる電流値を可変させる。
【0092】ステップS34において、制御部は、図示
しないセンサによりモータ24にトルクが発生している
か否かの判断し、トルクが発生している場合は処理をス
テップS35へと進め、トルクが発生していない場合は
処理をステップS38へと進める。
【0093】ステップS35において、制御部は、モー
タ24にトルクが発生しているため、インバータ21の
IGBT22,IGBT23のデューティ比を制御して
モータ24にトルクが発生しない程度の電流値にして、
トルクの発生を停止させる。つまり定電流制御から、定
電圧制御へとモータ24の制御手段を変更する。
【0094】次のステップS36において、制御部は、
電圧センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出
し、燃料電池10の電圧が所定の電圧、例えば、燃料電
池10に定められた下限電圧値より小さくなくなったら
処理をステップS37に進め、燃料電池10の電圧が所
定の電圧より小さい場合、処理をステップS33へと戻
す。
【0095】ステップS37において、制御部は、電圧
センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出し、
燃料電池10の電圧が一定の電圧値、例えば、燃料電池
10に定められた下限電圧値以上となるようにインバー
タ21のIGBT22,IGBT23の出力を制御す
る。すなわち、制御部は、IGBT22,IGBT23
から出力する交流電流のデューティ比を制御してモータ
24に流れる電流値を可変させる。
【0096】次のステップS38において、制御部は、
電流センサ18で検出された燃料電池10から出力され
る燃料電池電流を検出し、検出した燃料電池電流値と所
定の設定値とを比較する。制御部は、検出した燃料電池
電流が設定値以下であった場合処理をステップS39へ
と進め、設定値以上であった場合は処理をステップS3
3へと戻す。
【0097】このステップS38は、燃料電池10の放
電動作を終了させるための判断をする処理であり、判断
の基準となる設定値は、燃料電池発電装置1が搭載され
るシステムによって異なっている。
【0098】ステップS39において、制御部は、第1
リレー15a、15bを開状態にしたオフ状態にすると
共に、チョッパー12のIGBT16、インバータ21
のIGBT22,IGBT23も開状態にしたオフ状態
にし、モータ24への通電を停止させ、放電動作を終了
させる。
【0099】次のステップS40において、制御部は、
燃料電池システムの停止動作シーケンスを終了させる。
【0100】このような第3システム制御処理により動
作する燃料電池発電装置20では、トルクが発生しない
程度の燃料電池電流をモータ24に供給するので燃料電
池システム停止後にモータ24が回転するようなことは
なく、安全に燃料電池10の放電処理を実行することが
できる。
【0101】また、この燃料電池発電装置20によれ
ば、モータ24にはトルクを発生させないので、システ
ム停止時にモータ24が不意に動作する可能性をなく
し、安全性を高めることができる。
【0102】[第3実施形態に係る燃料電池発電装置3
0の構成]図7に、第3実施形態として本発明を適用し
た燃料電池発電装置30の構成を示す。なお、燃料電池
発電装置30の説明において、上述の実施形態と同じ部
分は同一符号を付することでその詳細な説明を省略す
る。
【0103】燃料電池発電装置30は、チョッパー31
内のIGBT16の後段に配設されたコイル34及びI
GBT32を使用して燃料電池10から発電した電荷の
放電を行う構成となっている。このチョッパー31の後
段には、図示しない負荷やバッテリなどが配設されてい
る。
【0104】この燃料電池発電装置30では、図示しな
い制御部により第1リレー15、IGBT16及びIG
BT32の動作を制御することでシステム停止処理をす
る。
【0105】『第3実施形態に係る燃料電池発電装置3
0の動作』図8及び図9に、燃料電池発電装置30の燃
料電池システム停止時の制御部の第1及び第2システム
停止処理の処理手順を示す。
【0106】「第1システム停止処理」図8に示す第1
システム停止処理でのステップS41において、制御部
は、燃料電池システムに対する停止動作命令が入力さ
れ、停止動作シーケンスであるか否かを判断し、停止動
作シーケンスが実行されていると判断した場合は処理を
ステップS42へと進め、停止動作シーケンスが実行さ
れていないと判断した場合はステップS41の処理を繰
り返し実行する。
【0107】ステップS42において、制御部は、リレ
ーボックス11の2つの第1リレー15a、15bを閉
状態にするオン状態に制御する。さらに、制御部は、チ
ョッパー31のIGBT16,IGBT32を動作さ
せ、コイル34に電流を流し、コイル34にエネルギー
として蓄えることで放電を開始させる。
【0108】ステップS43において、制御部は、電圧
センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出し、
燃料電池10の電圧が所定の電圧、例えば、燃料電池1
0に定められた下限電圧値より小さくなったら処理をス
テップS44に進め、燃料電池10の電圧が所定の電圧
より大きい場合、ステップS42の動作を保持して放電
を継続する。
【0109】ステップS44において、制御部は、第1
リレー15を開状態にしたオフ状態にすると共に、チョ
ッパー31のIGBT16,IGBT32も開状態にし
たオフ状態にし、コイル34での放電動作を終了させ
る。
【0110】ステップS45において、制御部は、燃料
電池システムの停止動作シーケンスを終了させる。
【0111】このような第1システム停止処理に従った
動作をする燃料電池発電装置30は、チョッパー31内
に必然的に備えられるコイル34に燃料電池電流を供給
して放電処理をすることで、装置の小型化、低コスト化
を実現できる。
【0112】「第2システム停止処理」図9に示す第2
システム停止処理でのステップS51において、制御部
は、燃料電池システムに対する停止動作命令が入力さ
れ、停止動作シーケンスであるか否かを判断し、停止動
作シーケンスが実行されていると判断した場合は処理を
ステップS52へと進め、停止動作シーケンスが実行さ
れていないと判断した場合はステップS51の処理を繰
り返し実行する。
【0113】ステップS52において、制御部は、リレ
ーボックス11の2つの第1リレー15a、15bを閉
状態にしたオン状態に制御する。さらに、制御部は、チ
ョッパー31のIGBT16,IGBT32を断続的な
デューティー制御をすることで動作させ、コイル34に
電流を流し、コイル34にエネルギーとして蓄えること
で放電を開始させる。
【0114】次のステップS53において、制御部は、
電圧センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出
し、燃料電池10の電圧が一定の電圧値、例えば、燃料
電池10の下限電圧値以上となるようにチョッパー31
のIGBT16,IGBT32の出力を制御する。すな
わち、制御部は、IGBT16,IGBT32から出力
する交流電流のデューティ比を制御してコイル34に流
れる電流値を可変させる。
【0115】ステップS54において、制御部は、電流
センサ18で検出された燃料電池10から出力される燃
料電池電流を検出し、所定の設定値と検出した燃料電池
電流値とを比較する。検出した燃料電池電流が設定値以
下であった場合処理をステップS55へと進め、設定値
以上であった場合は処理をステップS53へと戻す。
【0116】このステップS54は、燃料電池10の放
電動作を終了させるための判断をする処理であり、判断
の基準となる設定値は、燃料電池発電装置30が搭載さ
れるシステムによって異なっている。
【0117】ステップS55において、制御部は、第1
リレー15を開状態にしたオフ状態にすると共に、チョ
ッパー31のIGBT16,IGBT32も開状態にし
たオフ状態にし、コイル34での放電動作を終了させ
る。
【0118】ステップS56において、制御部は、燃料
電池システムの停止動作シーケンスを終了させる。
【0119】このような第2システム停止処理に従って
動作する燃料電池発電装置30では、IGBT16,I
GBT32でのデューティ比を制御するデューティ制御
することでコイル34に流れる電流を制御し、迅速かつ
確実な放電をすることができる。
【0120】[第4実施形態に係る燃料電池発電装置4
0の構成]図10に、第4実施形態として本発明を適用
した燃料電池発電装置40の構成を示す。なお、上述の
実施形態と同じ部分については同一符号を付することに
よりその詳細な説明を省略する。
【0121】燃料電池発電装置40は、第2実施形態と
して示した燃料電池発電装置20に、インバータ21に
さらにIGBT42と、IGBT43とが加えられてな
るインバータ41と、IGBT42,IGBT43に接
続された補機モータ44とが加えられた構成となってい
る。この第4実施形態では特に、モータ24を、燃料電
池システムの動力源となる動力モータ24とする。
【0122】インバータ41が動作させることが可能は
モータは、ここでは、動力モータ24と、補機モータ4
4だけとなっているが、インバータ41は、複数のモー
タを動作させることができる。
【0123】補機モータ44は、動作モータとして機能
する動力モータ24とは異なり、燃料電池発電装置40
が、例えば、燃料電池車両システムに搭載された際にシ
ステムを構成する他の機能部を駆動させるモータであ
る。
【0124】また、燃料電池発電装置40には、各部を
制御する制御部が備えられており、この制御部は、例え
ば燃料電池発電装置40が燃料電池車両システムなどに
搭載された際、燃料電池車両システムを統括的に制御す
る。
【0125】『第4実施形態に係る燃料電池発電装置4
0の動作』図11に、燃料電池発電装置40の燃料電池
システム停止時の制御部のシステム停止処理の処理手順
を示す。
【0126】ステップS61において、制御部は、燃料
電池システムに対する停止動作命令が入力され、停止動
作シーケンスであるか否かを判断し、停止動作シーケン
スが実行されていると判断した場合は処理をステップS
62へと進め、停止動作シーケンスが実行されていない
と判断した場合はステップS61の処理を繰り返し実行
する。
【0127】ステップS62において、制御部は、リレ
ーボックス11の2つの第1リレー15a、15bを閉
状態にしたオン状態に制御する。さらに、制御部は、チ
ョッパー12のIGBT16を動作させ、さらにインバ
ータ41のIGBT22,IGBT23,IGBT4
2,IGBT43を断続的なデューティー制御をするこ
とで動作させ、動力モータ24及び補機モータ44に通
電させることで放電を開始させる。
【0128】次のステップS63において、制御部は、
電圧センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出
し、燃料電池10の電圧が一定の電圧値、例えば、燃料
電池10に定められた下限電圧値以上となるようにイン
バータ41のIGBT22,IGBT23,IGBT4
2,IGBT43の出力のデューティ比を制御する。こ
のとき、動力モータ24ではトルクが発生しないよう
に、補機モータ44ではトルクが発生する程度の電流が
流れるようにIGBT22,IGBT23,IGBT4
2,IGBT43の出力のデューティ比を制御する。
【0129】ステップS64において、制御部は、図示
しないセンサにより補機モータ44、動力モータ24に
トルクが発生しているか否かの判断し、トルクが発生し
ている場合は処理をステップS65へと進め、トルクが
発生していない場合は処理をステップS68へと進め
る。
【0130】ステップS65において、制御部は、動力
モータ24、補機モータ44にトルクが発生しているた
め、インバータ41のIGBT22,IGBT23,I
GBT42,IGBT43からの出力のデューティ比を
制御して動力モータ24、補機モータ44に流れる電流
値を小さくして、トルクの発生を停止させる。つまり定
電流制御から、定電圧制御へと動力モータ24、補機モ
ータ44の制御手段を変更する。
【0131】次のステップS66において、制御部は、
電圧センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出
し、燃料電池10の電圧が所定の電圧、例えば、燃料電
池10に定められた下限電圧値より小さくなくなったら
処理をステップS67に進め、燃料電池10の電圧が所
定の電圧より小さい場合、処理をステップS63へと戻
して、動力モータ24及び補機モータ44での放電を継
続する。
【0132】次のステップS67において、制御部は、
電圧センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出
し、燃料電池10の電圧が一定の電圧値、例えば、燃料
電池10に定められた下限電圧値以上となるようにイン
バータ41のIGBT22,IGBT23,IGBT4
2,IGBT43の出力のデューティ比を制御する。す
なわち、制御部は、IGBT22,IGBT23,IG
BT42,IGBT43から出力する交流電流のデュー
ティ比を制御して動力モータ24、補機モータ44に流
れる電流値を可変させる。
【0133】次のステップS68において、制御部は、
電流センサ18で検出された燃料電池10から出力され
る燃料電池電流を検出し、検出した燃料電池電流値と所
定の設定値とを比較する。制御部は、検出した燃料電池
電流が設定値以下であった場合処理をステップS69へ
と進め、設定値以上であった場合は処理をステップS6
3へと戻す。
【0134】このステップS68は、燃料電池10の放
電動作を終了させるための判断をする処理であり、判断
の基準となる設定値は、燃料電池発電装置1が搭載され
るシステムによって異なっている。
【0135】ステップS69において、制御部は、第1
リレー15を開状態にしたオフ状態にすると共に、チョ
ッパー12のIGBT16、インバータ41のIGBT
22,IGBT23,IGBT42,IGBT43も開
状態にしたオフ状態にし、動力モータ24及び補機モー
タ44での放電動作を終了させる。
【0136】ステップS70において、制御部は、燃料
電池システムの停止動作シーケンスを終了させる。
【0137】このようなシステム停止処理に従って動作
する燃料電池発電装置40は、動力モータ24及び補機
モータ44の双方で放電処理をすることで、装置の小型
化及び低コスト化を実現でき、さらにトルク制御を行
い、補機モータ44にトルクを発生させることで、残留
水素の放電を安全且つ効率的に実行することができる。
【0138】なお、制御部は、動力モータ24と、補機
モータ44の電流消費比率は、モータ24/補機モータ
44で0%から100%の間を任意に変更することがで
きる。
【0139】また、制御部は、トルクを与えるモータ、
トルクを与えないモータはシステムによって決定しても
良い。例えば、動力モータ24にはトルクを発生させな
いが、空気取り込み用コンプレッサー用モータや、冷却
媒体循環用モータ等の補機モータ44にはシステム状況
に応じてトルクを発生させる。
【0140】更に、この燃料電池発電装置40によれ
ば、動力モータ24にはトルクを発生させないので、シ
ステム停止時に動力モータ24が不意に動作する可能性
をなくし、安全性を高めることができる。
【0141】[第5実施形態に係る燃料電池発電装置5
0の構成]図12、第5実施形態として本発明を適用し
た燃料電池発電装置50の構成を示す。なお、上述の実
施形態と同じ部分については同一符号を付することによ
りその詳細な説明を省略する。
【0142】燃料電池発電装置50は、第2実施形態と
して示した燃料電池発電装置20に、DC/DCコンバ
ータ51と、バッテリー52と、冷却ポンプ53とが加
えられた構成となっている。
【0143】DC/DCコンバータ51は、直流電流を
所定の電圧に変換して後段の冷却ポンプ53へ供給す
る。
【0144】冷却ポンプ53は、モータ24の冷却を行
うためのポンプである。この冷却ポンプ53は、DC/
DCコンバータ51からの電圧に従って内部モータに通
電させ、内部モータの駆動量に応じた冷却水をモータ2
4に供給する。なお、ここでは、DC/DCコンバータ
51によって動作される装置として冷却ポンプ53を用
いているが、直流電流で動作する装置であればどんなも
のであってもかまわない。
【0145】また、燃料電池発電装置50には、当該燃
料電池発電装置20を制御する制御部が備えられてお
り、この制御部は、例えば燃料電池発電装置50が燃料
電池車両システムなどに搭載された際、燃料電池車両シ
ステムを統括的に制御する。
【0146】なお、第5実施形態に係る燃料電池発電装
置50では、インバータ21に代えて図10に示したよ
うな構成のインバータ41を備えると共に補機モータを
備え、冷却ポンプ53の他の補機を駆動しても良い。
【0147】『第5実施形態に係る燃料電池発電装置5
0の動作』次に燃料電池発電装置50の動作について図
13に示すフローチャートを用いて説明をする。
【0148】ステップS71において、制御部は、燃料
電池システムに対する停止動作命令が入力され、停止動
作シーケンスであるか否かを判断し、停止動作シーケン
スが実行されていると判断した場合は処理をステップS
72へと進め、停止動作シーケンスが実行されていない
と判断した場合はステップS71の処理を繰り返し実行
する。
【0149】ステップS72において、制御部は、リレ
ーボックス11の2つの第1リレー15a、15bを閉
状態にしたオン状態に制御する。さらに、制御部は、チ
ョッパー12のIGBT16、DC/DCコンバータ5
1及び冷却ポンプ53を動作させる。さらにインバータ
21のIGBT22,IGBT23をデューティー制御
をすることで動作させる。
【0150】これにより、燃料電池発電装置50では、
DC/DCコンバータ51からの電力をバッテリー52
に蓄積すると共に冷却ポンプ53に供給し、冷却ポンプ
53及びモータ24に通電することで放電を開始させ
る。
【0151】次のステップS73において、制御部は、
電圧センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出
し、燃料電池10の電圧が一定の電圧値、例えば、燃料
電池10の下限電圧値以上となるようにインバータ21
のIGBT22,IGBT23の出力のデューティ比を
制御する。すなわち、制御部は、IGBT22、IGB
T23から出力する交流電流のデューティ比を制御して
モータ24に流れる電流値を可変させる。
【0152】また、このステップS73において、制御
部は、モータ24にはトルクを発生させないようにIG
BT22及びIGBT23をデューティ制御し、冷却ポ
ンプ53にはトルクを発生させるようにDC/DCコン
バータ51を制御する。
【0153】次のステップS74において、制御部は、
電流センサ18で検出された燃料電池10から出力され
る燃料電池電流を検出し、検出した燃料電池電流値と所
定の設定値とを比較する。制御部は、検出した燃料電池
電流が設定値以下であった場合処理をステップS75へ
と進め、設定値以上であった場合は処理をステップS7
3へと戻す。
【0154】このステップS74は、燃料電池10の放
電動作を終了させるための判断をする処理であり、判断
の基準となる設定値は、燃料電池発電装置50が搭載さ
れるシステムによって異なっている。
【0155】ステップS75において、制御部は、第1
リレー15を開状態にしたオフ状態にすると共に、チョ
ッパー12のIGBT16、インバータ21のIGBT
22,IGBT23も開状態にしたオフ状態にし、モー
タ24、DC/DCコンバータ51及び冷却ポンプ53
の動作を停止させ放電動作を終了させる。
【0156】ステップS76において、制御部は、燃料
電池システムの停止動作シーケンスを終了させる。
【0157】このようなシステム停止処理に従って動作
する燃料電池発電装置50では、モータ24のみなら
ず、DC/DCコンバータ51を動作させてバッテリー
52及び/又は冷却ポンプ53を駆動させて燃料電池1
0の残留水素の放電処理をすることで、効率的な放電処
理が実行できる。
【0158】また、この燃料電池発電装置50によれ
ば、モータ24にはトルクを発生させずに冷却ポンプ5
3でトルクを発生させるので、システム停止時にモータ
24が不意に動作する可能性をなくし、安全性を高める
ことができる。
【0159】[第6実施形態に係る燃料電池発電装置6
0の構成]図14に、第6実施形態として本発明を適用
した燃料電池発電装置60の構成を示す。なお、上述の
実施形態と同じ部分については同一符号を付することに
よりその詳細な説明を省略する。
【0160】燃料電池発電装置60は、第5実施形態と
して示した燃料電池発電装置50に、チョッパー12に
換えて、第3実施形態として示した燃料電池発電装置3
0のチョッパー31から電流センサ18と、コイル34
とを取り除いた構成のチョッパー61を適用し、さら
に、2つのリレー63を備えるリレーボックス62と、
二次電池64とを加えた構成となっている。
【0161】また、燃料電池発電装置60には、当該燃
料電池発電装置60を制御する制御部が備えられてお
り、この制御部は、例えば燃料電池発電装置60が燃料
電池車両システムなどに搭載された際、燃料電池車両シ
ステムを統括的に制御する。
【0162】なお、第5実施形態に係る燃料電池発電装
置50では、インバータ21に代えて図10に示したよ
うな構成のインバータ41を備えると共に補機モータを
備え、冷却ポンプ53の他の補機を駆動しても良い。
【0163】『第6実施形態に係る燃料電池発電装置6
0の動作』次に燃料電池発電装置60の動作について図
15に示すフローチャートを用いて説明をする。
【0164】ステップS81において、制御部は、燃料
電池システムに対する停止動作命令が入力され、停止動
作シーケンスであるか否かを判断し、停止動作シーケン
スが実行されていると判断した場合は処理をステップS
82へと進め、停止動作シーケンスが実行されていない
と判断した場合はステップS81の処理を繰り返し実行
する。
【0165】ステップS82において、制御部は、図示
しないセンサで検出された二次電池64の蓄電率(SO
C)を検出し、満充電状態であるか否かを判断する。満
充電状態でなければ処理をステップS83へと進め、満
充電状態であれば処理をステップS87へと進める。
【0166】ステップS83において、制御部は、リレ
ーボックス11の2つの第1リレー15a、15b及び
リレーボックス62の2つのリレー63を閉状態にした
オン状態に制御する。さらに、制御部は、チョッパー1
2のIGBT16をデューティー制御をすることで動作
させる。同時に制御部は、インバータ21のIGBT2
2,IGBT23を開き、DC/DCコンバータ51、
冷却ポンプ53の動作も停止させ、二次電池64を充電
することで放電を開始させる。
【0167】次のステップS84において、制御部は、
図示しないセンサで検出された二次電池64の蓄電量を
検出し、満充電状態であるか否かを判断する。満充電状
態でなければ処理をステップS85へと進め、満充電状
態であれば処理をステップS87へと進める。
【0168】ステップS85において、制御部は、電圧
センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出し、
燃料電池10の電圧が一定の電圧値、例えば、燃料電池
10の下限電圧値以上となるようにチョッパー61のI
GBT16,IGBT32の出力を制御して、電流調整
と電圧調整をする。
【0169】ステップS86において、制御部は、電流
センサ18で検出された燃料電池10から出力される燃
料電池電流を検出し、検出した燃料電池電流値と所定の
設定値とを比較する。制御部は、検出した燃料電池電流
が設定値以下であった場合処理をステップS90へと進
め、設定値以上であった場合は処理をステップS84へ
と戻す。
【0170】ステップS87において、制御部は、リレ
ーボックス11の2つの第1リレー15a、15bを閉
状態にしたオン状態に制御する。さらに、制御部は、チ
ョッパー61のIGBT16を動作させ、DC/DCコ
ンバータ51を動作させ冷却ポンプ53を動作させる。
さらに制御部は、インバータ21のIGBT22,IG
BT23をデューティー制御をすることで動作させ、モ
ータ24に通電することで放電を開始させる。更にま
た、制御部は、リレーボックス62の2つのリレー63
をオフ状態にして二次電池64への電力蓄積を停止す
る。
【0171】これにより、燃料電池発電装置60は、S
OCが100%以上であるので二次電池64への充電を
行わない状態とし、モータ24及び/又は冷却ポンプ5
3での放電を行う。
【0172】次のステップS88において、制御部は、
電圧センサ17で検出される燃料電池10の電圧を検出
し、燃料電池10の電圧が一定の電圧値、例えば、燃料
電池10の下限電圧値以上となるようにインバータ21
のIGBT22,IGBT23の出力のデューティ比を
制御する。すなわち、制御部は、IGBT22,IGB
T23から出力する交流電流のデューティ比を制御して
モータ24に流れる電流値を可変させる。
【0173】次のステップS89において、制御部は、
電流センサ18で検出された燃料電池10から出力され
る燃料電池電流を検出し、所定の設定値と検出した燃料
電池電流値とを比較する。制御部は、検出した燃料電池
電流が設定値以下であった場合処理をステップS90へ
と進め、設定値以上であった場合は処理をステップS8
8へと戻す。
【0174】このステップS89は、燃料電池10の放
電動作を終了させるための判断をする処理であり、判断
の基準となる設定値は、燃料電池発電装置60が搭載さ
れるシステムによって異なっている。
【0175】ステップS90において、制御部は、リレ
ーボックス11の第1リレー15、リレーボックス62
のリレー63を開いたオフ状態にすると共に、チョッパ
ー61のIGBT16,IGBT32、インバータ21
のIGBT22,IGBT23も開状態にしたオフ状態
にし、モータ24への通電、DC/DCコンバータ5
1、冷却ポンプ53の動作を停止させ放電動作を終了さ
せる。
【0176】ステップS91において、制御部は、燃料
電池システムの停止動作シーケンスを終了させる。
【0177】このようなシステム停止処理に従って動作
する燃料電池発電装置60では、燃料電池発電装置50
に二次電池を付加し、二次電池でも燃料電池10の放電
処理を実行することでエネルギーの有効利用をすること
ができる。
【0178】なお、モータ24と、補機モータ44の電
流消費比率は、モータ24/補機モータ44で0%から
100%の間を任意に変更することができる。
【0179】[本発明を適用した他の実施形態]上述し
たように本発明を適用した第1実施形態乃至第6実施形
態では、残留水素を除去するための放電処理について説
明したが、以下に示すように燃料電池発電装置1,2
0,30,40,50,60のいずれかを搭載したシス
テムの運転停止後、燃料改質装置で生成された水素の除
去をする際に本発明を適用してもよい。
【0180】例えば、図16に示すように改質反応部7
1とCO除去部72と、燃焼部73とを備える燃料改質
装置70が燃料電池10に接続されているとする。燃料
改質装置70には燃料タンク74から天然ガスやメタノ
ールなどの燃料が供給される。
【0181】燃料タンク74から燃料改質装置71に供
給される燃料は、改質反応部71で水素に改質され、C
O除去部72でCOが除去され、COを除去された水素
が燃料電池10に供給される。燃料電池10で使用され
なかった水素は再び燃料改質装置71に戻され、燃焼部
73で燃やされ、排気される。
【0182】このような燃料改質装置70では、システ
ム停止処理シーケンス中に、燃料改質器70内部や配管
などに残った燃料を処理するために、改質反応部71で
水素に改質させ水素を発生させる。
【0183】システム停止処理シーケンス中に燃料改質
装置70で発生した水素は、燃料電池10へ供給され、
上述した燃料電池発電装置1,20,30,40,5
0,60で放電処理をすることができる。
【0184】また、図17及び図18に示すように燃料
電池10に水素貯蔵装置75から水素がダイレクトに供
給される構成の場合、燃料電池発電装置1,20,3
0,40,50,60のいずれかを搭載したシステムが
停止動作シーケンスへと移行すると、燃料電池10で使
用されなかった水素は、上述した燃料電池発電装置1,
20,30,40,50,60で放電処理をすることが
できる。
【0185】なお、上述の実施の形態は本発明の一例で
ある。このため、本発明は、上述の実施形態に限定され
ることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明
に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に
応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0186】すなわち、上述した一例では、放電抵抗や
コイル、冷却ポンプで放電をするときには直流電流を通
電し、動力モータや補機モータで放電するときには交流
電流を通電した場合について説明したが、各放電手段を
使用する場合についても直流電流、交流電流として限定
されないことは勿論である。
【0187】更に、上述した一例では、放電手段に対応
させた数のインバータを備える場合について説明した
が、これに限定されず、一の放電手段に対して複数のイ
ンバータを使用しても良く、さらには複数の放電手段に
対して一のインバータを使用しても良いのは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態として示す燃料電池
発電装置の要部構成を説明するためのブロック図であ
る。
【図2】同燃料電池発電装置の燃料電池内に残留した水
素の放電処理動作について説明するためのフローチャー
トである。
【図3】本発明の第2の実施の形態として示す燃料電池
発電装置の要部構成を説明するためのブロック図であ
る。
【図4】同燃料電池発電装置の燃料電池内に残留した水
素の第1の放電処理動作について説明するためのフロー
チャートである。
【図5】同燃料電池発電装置の燃料電池内に残留した水
素の第2の放電処理動作について説明するためのフロー
チャートである。
【図6】同燃料電池発電装置の燃料電池内に残留した水
素の第3の放電処理動作について説明するためのフロー
チャートである。
【図7】本発明の第3の実施の形態として示す燃料電池
発電装置の要部構成を説明するためのブロック図であ
る。
【図8】同燃料電池発電装置の燃料電池内に残留した水
素の第1の放電処理動作について説明するためのフロー
チャートである。
【図9】同燃料電池発電装置の燃料電池内に残留した水
素の第2の放電処理動作について説明するためのフロー
チャートである。
【図10】本発明の第4の実施の形態として示す燃料電
池発電装置の要部構成を説明するためのブロック図であ
る。
【図11】同燃料電池発電装置の燃料電池内に残留した
水素の放電処理動作について説明するためのフローチャ
ートである。
【図12】本発明の第5の実施の形態として示す燃料電
池発電装置の要部構成を説明するためのブロック図であ
る。
【図13】同燃料電池発電装置の燃料電池内に残留した
水素の放電処理動作について説明するためのフローチャ
ートである。
【図14】本発明の第6の実施の形態として示す燃料電
池発電装置の要部構成を説明するためのブロック図であ
る。
【図15】同燃料電池発電装置の燃料電池内に残留した
水素の放電処理動作について説明するためのフローチャ
ートである。
【図16】燃料改質装置の要部構成を説明するためのブ
ロック図である。
【図17】本発明の実施の形態として示す燃料電池発電
装置において、水素を直接、燃料電池に供給する様子を
説明するための第1のブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態として示す燃料電池発電
装置において、水素を直接、燃料電池に供給する様子を
説明するための第2のブロック図である。
【図19】従来の技術として示す燃料電池発電装置の要
部構成を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1,20,30,40,50,60 燃料電池発電装置 10 燃料電池 11 リレーボックス 12 チョッパー 13 第2リレー 14 放電抵抗 15 第1リレー 16 IGBT 17 電圧センサ 18 電流センサ 21 インバータ 22 IGBT 23 IGBT 24 動力モータ 32 IGBT 31 チョッパー 34 コイル 41 インバータ 42 IGBT 43 IGBT 44 補機モータ 51 DC/DCコンバータ 52 バッテリー 53 冷却ポンプ 61 チョッパー 62 リレーボックス 63 リレー 64 二次電池

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質膜を、酸化剤極と燃料極とにより
    挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給さ
    れると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電
    する燃料電池と、 上記燃料電池の出力側に設けられ、上記燃料電池で発電
    した電力を直流電流に変換して出力する直流電圧変換手
    段と、 上記直流電圧変換手段の出力側に設けられ、上記直流電
    圧変換手段から出力された直流電流を放電する放電手段
    とを備えることを特徴とする燃料電池発電装置。
  2. 【請求項2】 上記放電手段は、放電抵抗であることを
    特徴とする請求項1記載の燃料電池発電装置。
  3. 【請求項3】 上記放電手段は、上記直流電圧変換手段
    内に設けられたコイルであることを特徴とする請求項1
    記載の燃料電池発電装置。
  4. 【請求項4】 上記燃料電池の出力電圧値を検出する電
    圧検出手段と、 上記電圧検出手段によって検出された燃料電池の出力電
    圧値が所定の値以下になるまで、上記放電手段に直流電
    流を供給するように上記直流電圧変換手段を制御する制
    御手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜請求
    項3の何れか一項記載の燃料電池発電装置。
  5. 【請求項5】 電解質膜を、酸化剤極と燃料極とにより
    挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給さ
    れると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電
    する燃料電池と、 上記燃料電池の出力側に設けられ、上記燃料電池で発電
    した電力を直流電流に変換して出力する直流電圧変換手
    段と、 上記直流電圧変換手段の出力側に設けられ、上記直流電
    圧変換手段から出力された直流電流を交流電流に変換し
    て出力する直流−交流変換手段と、 上記直流−交流変換手段の出力側に設けられ、上記直流
    −交流変換手段から出力された交流電流を放電する放電
    手段と、 上記燃料電池の出力電流値を検出する電流検出手段と、 上記燃料電池の出力電圧値を検出する電圧検出手段と、 上記電流検出手段によって検出された燃料電池の出力電
    流が所定の値以下になるまで、上記電圧検出手段で検出
    される出力電圧が一定となるような交流電流とするよう
    に上記直流−交流変換手段を制御して上記放電手段に交
    流電流を供給する制御手段とを備えることを特徴とする
    燃料電池発電装置。
  6. 【請求項6】 上記放電手段は、放電抵抗であることを
    特徴とする請求項5記載の燃料電池発電装置。
  7. 【請求項7】 上記放電手段は、上記直流電圧変換手段
    内に設けられたコイルであることを特徴とする請求項5
    記載の燃料電池発電装置。
  8. 【請求項8】 上記放電手段は、上記直流−交流変換手
    段から出力された交流電流を消費するモータ回路からな
    ることを特徴とする請求項5記載の燃料電池発電装置。
  9. 【請求項9】 上記モータ回路は、動力源となる動力モ
    ータと、動力モータを駆動するために使用される補機を
    駆動する補機モータとからなり、 上記直流−交流変換手段は、上記動力モータに供給する
    交流電流に変換する動力モータ用直流−交流変換部と、
    上記補機モータに供給する交流電流に変換する補機モー
    タ用直流−交流変換部とからなることを特徴とする請求
    項8記載の燃料電池発電装置。
  10. 【請求項10】 動力モータ外の補機を更に備え、 上記モータ回路は、動力源となる動力モータからなり、 上記直流電圧変換手段の出力側に設けられ、上記直流電
    圧変換手段から出力された直流電圧の大きさを変換し
    て、上記補機に供給する直流電圧変換手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項8記載の燃料電池発電装置。
  11. 【請求項11】 上記制御手段は、上記モータ回路が動
    作しない交流電流値とするように上記直流−交流変換手
    段を制御することを特徴とする請求項8〜請求項10の
    何れか一項記載の燃料電池発電装置。
  12. 【請求項12】 上記制御手段は、上記モータ回路が動
    作しない交流電流値とするように上記直流−交流変換手
    段を制御すると共に、上記補機のみを動作させることを
    特徴とする請求項11記載の燃料電池発電装置。
  13. 【請求項13】 上記放電手段として上記モータ回路を
    複数備えると共に、上記直流−交流変換手段を複数備え
    ることを特徴とする請求項5,請求項8〜請求項12の
    何れか一項記載の燃料電池発電装置。
  14. 【請求項14】 所定の燃料を改質して上記燃料電池に
    供給する水素を取り出す燃料改質器を更に備え、 上記所定の燃料の残留分から上記燃料改質器によって取
    り出した燃料ガスを上記燃料電池に供給し、発電させて
    放電させることを特徴とする請求項1〜請求項13の何
    れか一項記載の燃料電池発電装置。
  15. 【請求項15】 上記燃料電池で発電した電力を蓄積す
    る電力蓄積手段と、 上記直流電圧変換手段の出力側に設けられ、上記直流電
    圧変換手段から出力された直流電流を上記電力蓄積手段
    に供給するリレー回路とを更に備えることを特徴とする
    請求項1〜請求項14の何れか一項記載の燃料電池発電
    装置。
  16. 【請求項16】 上記電力蓄積手段の電力蓄積量を検出
    する電力蓄積量検出手段を更に備え、 上記電力蓄積量検出手段で検出された電力蓄積量に基づ
    いて上記電力蓄積手段に電力供給するように上記リレー
    回路を制御することを特徴とする請求項15記載の燃料
    電池発電装置。
  17. 【請求項17】 上記制御手段は、上記燃料電池の発電
    を停止するに際して電流を上記放電手段に供給して放電
    させることを特徴とする請求項1〜請求項16の何れか
    一項記載の燃料電池発電装置。
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