JP2002349676A - プーリ装置 - Google Patents

プーリ装置

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JP2002349676A
JP2002349676A JP2001155055A JP2001155055A JP2002349676A JP 2002349676 A JP2002349676 A JP 2002349676A JP 2001155055 A JP2001155055 A JP 2001155055A JP 2001155055 A JP2001155055 A JP 2001155055A JP 2002349676 A JP2002349676 A JP 2002349676A
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rolling bearing
rolling
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/04Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
    • F16C19/06Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2361/00Apparatus or articles in engineering in general
    • F16C2361/63Gears with belts and pulleys

Abstract

(57)【要約】 【課題】 転がり軸受3の転がり接触部に、水素原子が
吸着するのを防止し、この転がり軸受3に早期剥離が発
生する事を防止する。 【解決手段】 プーリ1の中心部でこのプーリ1を支持
する為の転がり軸受3を構成する外輪8を内嵌固定する
軸受抱持部2の内面を含む、上記プーリ1の表面全体
に、電着カチオン塗装皮膜を形成する。プーリ1に掛け
渡したポリVベルト部分で発生した静電気が、上記転が
り軸受3を流れるのを防止して、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るプーリ装置
は、例えばエンジンの補機やカムシャフトを回転駆動す
る為の駆動プーリ或は従動プーリに対する無端ベルトの
巻き付け角度を確保したり、或はこの無端ベルトに必要
な張力を付与したりする、ガイドプーリ或はテンション
プーリとして、この無端ベルトを掛け渡した状態で使用
する。
【0002】
【従来の技術】自動車用の補機は、この自動車の走行用
エンジンにより回転駆動する。即ち、この走行用エンジ
ンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリと、
上記補機の回転軸の端部に固定した従動プーリとの間に
無端ベルトを掛け渡し、上記クランクシャフトの回転に
伴って上記補機の回転軸を回転駆動している。この様な
構造で、上記回転軸やカムシャフトを確実に回転駆動す
る為には、上記駆動プーリ或は従動プーリに対する上記
無端ベルトの巻き付け角度を確保したり、或はこの無端
ベルトに必要な張力を付与したりして、上記駆動プーリ
及び従動プーリの外周面とこの無端ベルトの内周面との
係合部に滑りが生じない様にする必要がある。
【0003】この為に従来から、上記無端ベルトの一部
で上記駆動プーリ及び従動プーリから外れた部分を、ガ
イドプーリ或はテンションプーリに掛け渡し、上記巻き
付け角度の確保や張力付与を行なっている。又、上記駆
動プーリ及び従動プーリの外周面と上記無端ベルトの内
周面との摩擦面積を増大させるべく、これら各周面の幅
方向に関する断面形状を波形とする事も行なわれてい
る。ポリVベルトと呼ばれる、内周面の断面形状を波形
とした無端ベルトの内周面と、ポリVプーリと呼ばれる
外周面の断面形状を波形とした駆動プーリ及び従動プー
リの外周面とを摩擦係合すれば、動力伝達部である上記
無端ベルトの内周面とこれら駆動プーリ及び従動プーリ
の外周面との摩擦面積を広くして、動力伝達部での滑り
を抑える事ができる。尚、ポリVベルトの場合でも、外
周面の断面形状は単なる直線状としている。従って、上
記ガイドプーリ及びテンションプーリのうち、上記ポリ
Vベルトの内周面と係合するプーリの外周面の断面形状
は波形とするが、このポリVベルトの外周面と係合する
プーリの外周面の断面形状は、単なる直線状とする。
【0004】図1〜4は、この様な目的で従来から使用
されているプーリ装置の4例を示している。このうちの
図1〜2に示した2例は、上記ポリVベルトの内周面と
係合する構造のものを示している。これに対して、図3
〜4に示した2例は、上記ポリVベルトの外周面に押し
付けられる構造のものを示している。
【0005】先ず、図1に示した第1例のプーリ装置
は、鋼板等の金属板をプレス成形して成るプーリ1の中
心部に設けた軸受抱持部2に、深溝型玉軸受等の転がり
軸受3を抱持して成る。上記プーリ1は、ポリVベルト
の内周面と係合する為に外周面の断面形状を波形とした
外径側円筒部4と、上記軸受抱持部2を構成する為の内
径側円筒部5とを互いに同心に配置し、これら両円筒部
4、5の軸方向一端縁同士を円輪状の連結部6により連
結して成る。上記内径側円筒部5の軸方向他端縁は径方
向内方に折り曲げて内向フランジ状の係止鍔部7とし、
この係止鍔部7と上記内径側円筒部5とにより、上記軸
受抱持部2を構成している。そして、この様な軸受抱持
部2に、上記転がり軸受3を構成する外輪8を、締り嵌
めにより内嵌固定している。自動車用エンジンへの組み
付け時には上記転がり軸受3を構成する内輪9を図示し
ない支持軸に外嵌すると共に、上記プーリ1を上記ポリ
Vベルトの内周面に押し付ける。
【0006】又、図2に示した第2例のプーリ装置は、
鋳鉄或はアルミニウム合金ダイキャスト等の金属を鋳造
して成る、或は金属素材に削り加工を施して成るプーリ
1aの中心部に設けた軸受抱持部2aに、転がり軸受3
を抱持して成る。この軸受抱持部2aの端部にも、内向
フランジ状の係止鍔部7aを形成している。本例の場合
も、上記プーリ1aの外周面の断面形状を波形として、
このプーリ1aの外周面とポリVベルトの内周面とを係
合自在としている。
【0007】又、図3に示した第3例のプーリ装置は、
上述した第1例の場合と同様に、鋼板等の金属板をプレ
ス成形して成るプーリ1bの中心部に設けた軸受抱持部
2に、深溝型玉軸受等の転がり軸受3を抱持して成る。
但し、本例の場合、上記プーリ1bの外周面は、ポリV
ベルトの外周面と係合させる為に、断面形状を単なる直
線状としている。
【0008】更に、図4に示した第4例のプーリ装置
は、上述した第2例の場合と同様に、鋳鉄或はアルミニ
ウム合金ダイキャスト等の金属を鋳造して成る、或は金
属素材に削り加工を施して成るプーリ1cの中心部に設
けた軸受抱持部2aに、転がり軸受3を抱持して成る。
但し、本例の場合、上記プーリ1cの外周面は、ポリV
ベルトの外周面と係合させる為に、断面形状を単なる直
線状としている。
【0009】上述の様な構造を有する、従来から知られ
ているプーリ装置を構成するプーリ1、1a〜1cの表
面には、防錆を目的として電着カチオン塗装皮膜を形成
する事が行なわれている。但し、何れの場合でも、転が
り軸受3の外輪8を内嵌固定する軸受抱持部2、2aの
内周面には、上記電着カチオン塗装皮膜を形成していな
かった。この理由は、上記外輪8と上記軸受抱持部2、
2aとの嵌合締め代を厳密に規制し、この外輪8を軸受
抱持部2、2aに内嵌固定した状態で、上記転がり軸受
3のラジアル内部隙間を適正値にする為である。
【0010】即ち、従来は、電着カチオン塗装皮膜を施
すと、上記軸受抱持部2、2aの内径寸法がばらつき、
上記転がり軸受3のラジアル内部隙間が適正値から外れ
て、この転がり軸受3の転がり疲れ寿命が短くなったり
(負のラジアル内部隙間でその絶対値が大きくなった場
合)、転がり軸受3の剛性が低くなってプーリの振れが
大きくなったり(正のラジアル内部隙間が大きくなった
場合)するものと考えられていた。この為、上記プーリ
1、1a〜1cの表面に電着カチオン塗装を行なう際
に、上記軸受抱持部2、2aの内周面にマスキングを施
してこの内周面に電着カチオン塗装皮膜を形成しない様
にしたり、或は上記軸受抱持部2、2aの内周面に形成
された電着カチオン塗装皮膜を後から除去する様にして
いた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の様なプーリ装置
を自動車用エンジンに組み付けて使用した場合に、転が
り軸受の転がり接触部分(内輪軌道、外輪軌道、転動
面)に、しばしば早期剥離が発生する事が知られてい
る。この様な早期剥離は、転がり軸受の一般的な転がり
疲れ寿命とは異なり、本来の転がり疲れ寿命よりも遥か
に短い期間で発生する。特に、無端ベルトとして、一般
的なVベルトに代えてポリVベルトを使用した場合に、
早期剥離が発生し易くなる事も知られている。
【0012】この様な、ポリVベルトの使用に伴って発
生する、プーリ装置特有の早期剥離の原因に就いて本発
明者等が研究したところ、上記転がり接触部分にイオン
化した水素原子が吸着し、この水素原子が更にこの転が
り接触部分の内部に侵入して、当該部分に組織変化(白
色組織)を引き起こす事が原因であると考えられるに至
った。そして、水素原子(水素イオン)が上記転がり接
触部分の内部に侵入する為には、プーリの外周面とポリ
Vベルトとの接触部分(微小摩擦係合部分)で発生する
静電気が大きく影響する事が分かった。即ち、この静電
気に基づいて上記転がり接触部分に微小電流が流れる結
果、(当該部分の電荷が−になった状態で)水素イオン
(H+ )をこの転がり接触部分に吸着し、更にこの転が
り接触部分の内部にまで引き入れて、上記組織変化を引
き起こすものと考えられるに至った。
【0013】プーリとして、絶縁材である合成樹脂製の
ものを使用する構造が従来から知られており、この様な
構造の場合には、上述の様な原因での早期剥離は発生し
ない。但し、合成樹脂製プーリは金属製のプーリに比べ
て耐摩耗性が劣る為、プーリ装置の耐久性を確保する事
が難しい場合がある。本発明は、この様な事情に鑑み、
優れた耐摩耗性を有する金属製のプーリを使用した構造
で、上記転がり接触部分に微小電流が流れる事を防止で
きる構造を低コストで実現すべく発明したものである。
即ち、この転がり接触部分の電荷が−になる事を防止し
て、この転がり接触部分に水素イオンが吸着され、更に
この水素イオンがこの転がり接触部分の内部にまで侵入
する事を防止し、この転がり接触部分に上述の様な組織
変化が発生するのを防止して、優れた耐久性を有するプ
ーリ装置を実現すべく発明したものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のプーリ装置は、
前述の従来から知られているプーリ装置と同様に、エン
ジンのシリンダブロック等の金属製の固定部材に支持さ
れた支持軸の周囲に金属製の転がり軸受を介して回転自
在に設けられる金属製のプーリを備える。特に、本発明
のプーリ装置に於いては、このプーリ表面で上記転がり
軸受を構成する外輪を圧入固定する軸受抱持部を含む部
分を、電着カチオン塗装皮膜により覆っている。又、好
ましくは、請求項2に記載した様に、外輪をプーリの軸
受抱持部に圧入固定した状態での上記転がり軸受のラジ
アル内部隙間の大きさを、−10μm〜0μmとする。
更に好ましくは、請求項3に記載した様に、表面を電着
カチオン塗装皮膜により覆う以前での上記軸受抱持部の
真円度を5μm以下とし、同じく表面粗さを10点平均
粗さで25Rz以下とする。
【0015】
【作用】上述の様に構成する本発明のプーリ装置によれ
ば、転がり軸受の転がり接触部分に微小電流が流れる事
を防止できる。即ち、それぞれが金属製であるプーリと
転がり軸受の外輪との間に、電気抵抗値が大きな電着カ
チオン塗装皮膜を設け、これらプーリと外輪とを絶縁し
ている為、無端ベルト部分で発生してこのプーリに伝わ
った静電気が、上記転がり軸受内を流れる事はない。こ
の為、この転がり軸受の内部に存在する転がり接触部分
の電荷が−になる事を防止して、この転がり接触部分に
水素イオンが吸着され、更にこの水素イオンがこの転が
り接触部分の内部にまで侵入する事を防止する。そし
て、この転がり接触部分に前述の様な組織変化が発生す
るのを防止し、優れた耐久性を有するプーリ装置を実現
できる。
【0016】しかも、上記電着カチオン塗装皮膜は、上
記金属製のプーリの表面に防食の為の皮膜を形成するの
と同時に形成できる為、上記微小電流が流れるのを防止
する為に特にコストを要する事はない。又、請求項2に
記載した様に、外輪をプーリの軸受抱持部に圧入固定し
た状態での上記転がり軸受のラジアル内部隙間の大きさ
を、−10μm〜0μmの範囲内に規制すれば、プーリ
の振れを抑えると共に、上記転がり軸受の疲れ寿命の確
保を図れる。更に、請求項3に記載した様に、表面を電
着カチオン塗装皮膜により覆う以前での軸受抱持部の真
円度を5μm以下に抑え、同じく表面粗さを10点平均
粗さで25Rz以下に抑えれば、上記軸受抱持部に上記
外輪を圧入固定する際に、上記電着カチオン塗装皮膜が
剥れる事を防止できる。そして、この電着カチオン塗装
皮膜による上記組織変化の発生防止を確実に行なえる様
にできる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に就い
て説明するが、本発明の特徴は、ポリVベルト部分で発
生して金属製のプーリ1、1a〜1cに伝わった静電気
が、転がり軸受3の外輪8にまで流れない様にして、こ
の転がり軸受3の疲れ寿命の向上を図る点にある。プー
リ装置の基本的な構造自体は、前述の図1〜4に示した
様な、従来から知られているプーリ装置の構造と同様で
ある。就いては、以下の説明は、上記図1〜4に示した
構造に、本発明を適用する場合に就いて説明する。
【0018】図1〜4に示したプーリ装置に本発明を適
用する場合、軸受抱持部2、2a部分を含んで、上記プ
ーリ1、1a〜1cの表面全体を、電着カチオン塗装皮
膜により覆う。この様にしてこれら各プーリ1、1a〜
1cの表面全体を覆った電着カチオン塗装皮膜のうち、
上記軸受抱持部2、2aの内面(内周面及び係止鍔部7
の内側面)を覆う電着カチオン塗装皮膜は、上記各プー
リ1、1a〜1cと上記外輪8とを絶縁する為の絶縁層
として機能する。これに対して、上記軸受抱持部2、2
aの内面以外の部分を覆う電着カチオン塗装皮膜は、上
記各プーリ1、1a〜1cの表面が錆びるのを防止する
防食皮膜として機能する。
【0019】本発明のプーリ装置は、上述の様に、上記
軸受抱持部2、2a部分を含む、上記各プーリ1、1a
〜1cの表面全体を上記電着カチオン塗装皮膜により覆
うので、上記軸受抱持部2、2aの内径側に抱持固定し
た転がり軸受3の転がり接触部分に微小電流が流れる事
を防止できる。即ち、それぞれが金属製である上記各プ
ーリ1、1a〜1cと上記転がり軸受3の外輪8との間
に、電気抵抗値が大きな電着カチオン塗装皮膜を設け、
これら各プーリ1、1a〜1cと外輪8とを絶縁してい
る為、無端ベルトであるポリVベルト部分で発生して上
記各プーリ1、1a〜1cに伝わった静電気が、上記転
がり軸受3内を流れる事はない。
【0020】この為、この転がり軸受3の内部に存在す
る転がり接触部分、即ち、上記外輪8の内周面に形成し
た外輪軌道10及び上記内輪9の外周面に形成した内輪
軌道11と、これら両軌道10、11同士の間に設けた
複数の玉12、12の転動面との転がり接触部分の電荷
が−になる事を防止できる。そして、この転がり接触部
分に水素イオンが吸着され、更にこの水素イオンがこの
転がり接触部分の内部にまで侵入する事を防止する。こ
の結果、この転がり接触部分に前述の様な組織変化が発
生するのを防止し、優れた耐久性を有するプーリ装置を
実現できる。
【0021】しかも、上記電着カチオン塗装皮膜は、上
記各金属製のプーリ1、1a〜1cの表面に防食の為の
皮膜を形成するのと同時に形成できる為、上記微小電流
が流れるのを防止する為に特にコストを要する事はな
い。即ち、上記各プーリ1、1a〜1cの表面に電着カ
チオン塗装皮膜を形成する作業は、本来、上記転がり軸
受3の耐久性確保以外の要求を満たす為に行なうもので
ある。本発明を実施する場合には、この電着カチオン塗
装皮膜を、従来は施さなかった軸受抱持部2、2aの内
面にまで施すのみで、上記転がり軸受3の耐久性向上を
図るものである。上記電着カチオン塗装皮膜を、上記軸
受抱持部2、2aを除いた部分のみに形成するよりも、
この軸受抱持部2、2aを含む表面全体に形成する作業
の方が容易である。又、この軸受抱持部2、2aを被覆
する為の塗料の量は少量で済む。従って、本発明により
上記転がり軸受3の耐久性向上を図る場合、余分なコス
トを要する事は殆どない。むしろ、上記軸受抱持部2、
2aに塗料を付着させない為に行なう、マスキングや削
り取り等の手間が不要になる分、コスト低減を図れる余
地がある。
【0022】又、上記各プーリ1、1a〜1cが振れを
抑える必要があるものである場合には、前記外輪8をこ
れら各プーリ1、1a〜1cの軸受抱持部2、2aに圧
入固定した状態での上記転がり軸受3のラジアル内部隙
間の大きさを、−10μm〜0μmの範囲内に規制す
る。このラジアル内部隙間の大きさをこの範囲内に納め
れば、上記各プーリ1、1a〜1cの振れを抑えると共
に、上記転がり軸受3の疲れ寿命の確保を図れる。即
ち、上記各プーリ1、1a〜1cの振れを抑える為に
は、上記転がり軸受3の角隙間を小さくする必要があ
り、この角隙間を小さく抑える為には、上記ラジアル内
部隙間を小さく抑える必要がある。例えば、このラジア
ル内部隙間を負の値とし、その絶対値を大きくすれば上
記振れを小さく抑える事ができる。一方、負のラジアル
内部隙間の絶対値を大きくすると、上記転がり軸受3の
転がり接触部の面圧が高くなって、この転がり軸受3の
疲れ寿命が短くなる。
【0023】これに対して、上記転がり軸受3のラジア
ル内部隙間の大きさを、−10μm〜0μmの範囲内に
規制すれば、上記振れの抑制と疲れ寿命の確保とを両立
させる事ができる。図5は、プーリの回転支持に利用す
る転がり軸受として一般的な、呼び番号が6203であ
る単列深溝型玉軸受(内輪内径=17mm、外輪外径=4
0mm、幅=12mm)に490N(50kgf )のラジアル
荷重を負荷した状態での、ラジアル内部隙間と疲れ寿命
との関係を表している。この様な図5で、横軸はラジア
ル内部隙間の大きさを表している。又、縦軸は疲れ寿命
を、ラジアル内部隙間を0とした場合の寿命に対する比
(寿命比)として表している。この様な図5から明らか
な通り、上記ラジアル内部隙間の大きさを−10μm〜
0μmの範囲内に規制すれば、上記疲れ寿命を、このラ
ジアル内部隙間が0である場合と同等かそれ以上確保で
きる。
【0024】更に、水素イオンの侵入に基づく脆性低下
による上記転がり軸受3の疲れ寿命の低下防止効果をよ
り確実に得る為には、前記軸受抱持部2、2aの内面、
特に内周面の真円度を向上させ、表面を平滑にする事が
効果がある。即ち、本発明を実施する場合には、表面を
電着カチオン塗装皮膜により覆われた上記軸受抱持部
2、2a内に上記転がり軸受3を構成する外輪8を、締
り嵌めで圧入固定する。この圧入固定作業の際に上記軸
受抱持部2、2aの内周面を覆った上記電着カチオン塗
装皮膜が強く擦られて、この内周面から剥れ落ちる可能
性がある。そして、剥れ落ちた場合には、前記各プーリ
1、1a〜1cと上記外輪8とが金属同士で接触して電
気的に導通するので、上記疲れ寿命の低下防止効果を十
分に得られなくなる。
【0025】これに対して、表面を電着カチオン塗装皮
膜により覆う以前での上記軸受抱持部2、2aの真円度
を5μm以下に抑え、同じく表面粗さを10点平均粗さ
で25Rz以下に抑えれば、上記軸受抱持部2、2aに
上記外輪8を圧入固定する際に、上記電着カチオン塗装
皮膜が剥れる事を防止できる。即ち、真円度を向上させ
る事により、上記外輪8の圧入時に、この外輪8の一部
外周面と上記軸受抱持部2、2aの一部内周面とが特に
強く擦れ合う事を防止して、上記電着カチオン塗装皮膜
が円周方向の一部で剥れ落ちる事を防止できる。又、上
記表面粗さを向上させて上記軸受抱持部2、2aの内周
面を平滑にすれば、この内周面の一部に存在する微小突
起部分で上記電着カチオン塗装が削り取られる事を防止
できる。そして、この電着カチオン塗装皮膜による上記
組織変化の発生防止を確実に行なえる様にできる。尚、
上記真円度を5μm以下に、表面粗さを25Rz以下
に、それぞれ抑える作業は、旋削、研削等の機械加工に
より行なう。
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成し作用
するので、プーリを支持する転がり軸受に、水素原子の
吸着に基づく早期剥離が発生するのを防止して、優れた
耐久性を有するプーリ装置を、低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となるプーリ装置の第1例を示す
断面図。
【図2】同第2例を示す断面図。
【図3】同第3例を示す断面図。
【図4】同第4例を示す断面図。
【図5】ラジアル内部隙間の大きさが転がり軸受の疲れ
寿命に及ぼす影響を示す線図。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c プーリ 2、2a 軸受抱持部 3 転がり軸受 4 外径側円筒部 5 内径側円筒部 6 連結部 7、7a 係止鍔部 8 外輪 9 内輪 10 外輪軌道 11 内輪軌道 12 玉

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の固定部材に支持された支持軸の
    周囲に金属製の転がり軸受を介して回転自在に設けられ
    る金属製のプーリを備えたプーリ装置に於いて、このプ
    ーリ表面で上記転がり軸受を構成する外輪を圧入固定す
    る軸受抱持部を含む部分を、電着カチオン塗装皮膜によ
    り覆った事を特徴とするプーリ装置。
  2. 【請求項2】 外輪をプーリの軸受抱持部に圧入固定し
    た状態で、転がり軸受のラジアル内部隙間の大きさが、
    −10μm〜0μmである、請求項1に記載したプーリ
    装置。
  3. 【請求項3】 表面を電着カチオン塗装皮膜により覆う
    以前での軸受抱持部の真円度が5μm以下であり、同じ
    く表面粗さが10点平均粗さで25Rz以下である、請
    求項1に記載したプーリ装置。
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