JP2006336739A - 密封ころがり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】
耐浸水性を向上した密封ころがり軸受、特に、オルタネータなど補機用軸受として好適な密封ころがり軸受を提供することを課題としている。
【解決手段】
密封ころがり軸受であって、
第1若しくは第2軌道輪の両端部に密封シールのカバーを取付けると共に、前記カバーと前記密封シールとの間にラビリンスを形成したことを特徴とする密封ころがり軸受、特に、密封シールの外側面に環状の凸部を径方向に2重に設けて、該2重の凸部の間に凹部を、カバーの外周部に軸受側に向いた折曲げ部を、それぞれ形成して対向させ、前記凹部と前記折曲げ部とでクランク形のラビリンスを設けたことを特徴とする密封ころがり軸受によって課題の解決を図る。
【選択図】 図1

Description

本発明は密封ころがり軸受に関し、特に、オルタネータをはじめとする各種自動車補機用の密封ころがり軸受に関する。
従来、オルタネータをはじめとする各種自動車補機用軸受としては、図3(中心線X−Xの上側半分の断面図を示す)に示す密封玉軸受Hzが使用されている。この密封玉軸受は、互いに同心に配置された外輪1zおよび内輪2zと、複数個の玉3zと、玉3zを保持する保持器4zと、一対の密封シール5zとからなっている。
前述の用途に使用される軸受は、路面からの水、泥水などの跳ね上げにより、耐浸水性に関しては、厳しい環境にある。
そのために、密封シール5zは、外周部においては、外輪1zの両端部に設けた固定溝11zに、密封シール5zを嵌合固定していて、密封シール5zの外周部に形成された固定部52zが固定溝11zに弾性的に固定されていて外輪1zとの間を密封している。
内周部においては、リップ部53zを形成し、該リップ部53zは3枚のリップからなり、接触シールとラビリンスシールとを組み合わせた構成とし、後述する内輪のシール溝との間で、シール性能を向上している。
内輪2zは両端部に密封シール5zのリップ部53zと接触若しくはラビリンスシールを形成するシール溝21zを有している。
しかし、上述のように、耐水性に関して厳しい環境に晒された場合、軸受内部に浸水すると回転不良や錆を発生したり、封入されているグリースGの漏れが起こり、軸受の潤滑性能が低下すると言う虞があるので、密封性、特に、耐浸水性を向上してオルタネータなど補機用軸受として対応する工夫がなされている。オルタネータなど補機用軸受の耐水性に関して、提案がある。(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−214964号公報
しかしながら、特許文献1に示されている密封装置は、外輪2に取付けられた密封板6(密封シール)の外側に、外輪2またはプーリ部5にカバー部材8を取付け、外輪と内輪との間を2重に覆うものである。
この構造は、2重のシール構造にしてあるが、いずれも回転部材に取付けた構造である(符号は特許文献1において使用されている符号を使用した)。特に、外輪(プーリを含む)が回転する場合では、回転する側にのみ取付けるのは適切でない場合がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、耐浸水性を向上した密封ころがり軸受を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明は、
第1軌道輪と、
前記第1軌道輪と同心に配置され前記第1軌動輪との間に軸受空間を形成する第2軌道輪と、
前記第1軌道輪と前記第2軌道輪との間に介装され、前記第1・第2軌道輪の相対回転を可能とする転動体と、
前記第1軌道輪と前記第2軌道輪との間に形成される軸受空間を密封するための密封シールと、
からなる密封ころがり軸受であって、
さらに、前記第1軌道輪若しくは前記第2軌道輪に前記密封シールのカバーを取付けると共に、前記カバーと前記密封シールとの間にラビリンスを形成したことを特徴とする密封ころがり軸受を提供する。
また、本発明は、
密封シールの外側面に環状凸部を径方向に2重に設けて、該2重の凸部の間に凹部を、前記カバーの外周部に、軸受側に向いた折曲げ部を、それぞれ形成して互いに対向させ、前記凹部と前記折曲げ部とでクランク形のラビリンスを設けたことを特徴とする密封ころがり軸受を態様とする。
本発明によれば、厳しい環境化においても、耐浸水性が向上した密封ころがり軸受を提供する事が出来る。
以下、本発明に係わる密封ころがり軸受の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
図1によって本発明の実施形態1を説明する。
同図は回転中心線X−Xの上側半断面図である。
本実施形態の密封ころがり軸受Hは内周軌道1aを有する外輪1と、外輪1と同心に配置され、外輪1との間に軸受空間を形成し、外輪1の内周軌道1aに対向する外周軌道2aを有する内輪2と、外内輪間に介装され外内輪の相対回転を可能にするボール3と、ボール3を保持する保持器4と、軸受空間を密封するためにころがり軸受の両端部に取付けられている密封シール5、5と、内輪2の両端部に取付けられ、密封シール5、5の軸方向外側に位置するカバー6、6と、軸受内部に封入されているグリースG、とから構成されている。
本実施形態においては、外輪1は、第1軌道輪であり、内輪2は第2軌道輪である。
外輪1は、内周面に前述のような内周軌道1aと、両端部には密封シール5を固定する固定溝11とを有している。
内輪2は、外周面に前述のような外輪1の内周軌道1aに対向する外周軌道2aと、両端部に密封シール5と密封部を形成するシール溝21を有している。
内輪2の内周面22の両端部には、後述するカバーを取付ける環状段部23が軸方向に所定の長さを有して設けられている。
環状段部23の直径寸法は、内周面22の直径寸法よりも大きく設定され、段寸法は、後述するカバーの板厚寸法よりも所定寸法だけ大きく設定されている。
ボール3は、内周軌道1aと外周軌道2aとの間に介装され、保持器4によって保持されている。
密封シール5は、芯金50と、芯金50を被覆する弾性部材51とからなっている。被覆する部分は、少なくとも、ころがり軸受に取付けられたときに、密封シール5の外側面となる部分を対象としている。この場合の弾性部材は、使用条件によって、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコンゴムなどから選択される。
芯金50の外周を被覆している弾性部材は、外輪1の固定溝11に弾性的に嵌合される固定部52になる。芯金50の内周を被覆している弾性部材は、内輪2のシール溝21と密封部を形成するリップ部53になる。外周と内周との間を被覆している弾性部材は連結部54になる。連結部54は密封シール5の外側面であり、該外側面には、径方向外方と内方とに、軸方向に突出した2重の環状凸部55、56が形成されている。2重の環状凸部55、56の間は環状の凹部57になっている。なお、凹部57の底部には弾性部材がなくてもよい。
カバー6は、内方に円筒部61と円筒部61から径方向外方に直角に折曲げられた第1円板部62と、第1円板部62の所定位置から半径方向斜め外方に、すなわち、内輪2に取付けられたときに、内輪2から離れる方向に形成された円すい部63と、円すい部63の径方向所定位置から径方向外方に第2円板部64が形成され、第2円板部64の径方向所定位置の外周部から、円筒部61と同一方向に、すなわち、後述のように、内輪2に取付けられたときに、密封シール5の2重の凸部55、56間に形成されている凹部57に対向する所定の長さの折曲げ部65が形成されている。
本実施形態の密封ころがり軸受Hは、外輪1、内輪2、ボール3、保持器4とが組付けられて、その後、グリースGが充填され、さらに、その後に、ころがり軸受の外輪1の両端部に密封シール5が取付けられる。さらに、カバー6がころがり軸受の内輪2の両端部に取付けられて、本実施形態の密封ころがり軸受Hとなる。
カバー6の取付けは円筒部61が、内輪1の内周面に設けられている環状段部23に圧入されて取付け固定される。この場合、円筒部61の板厚寸法は、内輪2の段部23の段寸法以下に設定されている。取付けの結果、カバー6の折曲げ部65が密封シール5の凹部57に入り、折曲げ部65と凹部57とでクランク形のラビリンス7を形成する。
本実施形態は、外輪側に取付けられた密封シール5と、内輪側に
取付けられているカバー6とが相対的に回転するので、クランク形のラビリンス7に、水などが接近した場合でも、クランク形のラビリンス効果によって、耐水性が向上する。
また、内輪2が回転する場合では、さらに、カバー6の振切り効果が加わり、ラビリンス効果と相俟って、耐浸水生が向上する。
以上、実施形態1の説明においては、密封シール5は外輪1に固定され、内周にリップ部53を有している構成で、カバー6を内輪2に取付けて、カバー6と密封シール5との間でクランク形のラビリンス7を形成しているが、逆に、密封シール5の内周に固定部を設け、内輪2の両端部に固定溝を設け、該固定溝に前記固定部を固定し、密封シール5の外周にリップ部53を設け、外輪1の両端部にはシール溝を設けた形状として密封部を形成し、カバー6を外輪1に取付けて密封シール5の外側面に形成されている環状の凹部との間でクランク形のラビリンス7を形成して実施することもできる。
また、本実施形態では、単列のボール列について説明しているが、複列についても同様に実施できるものである。
次に、本発明の実施形態2を図2を参照しながら説明する。
(実施形態2)
図2は回転中心線X−Xより上半分の断面図である。
本実施形態は、外輪1の外周面に鋼鈑製のプーリ8を固定して2体からなる第1軌道輪を構成している。
また、内輪2の内周面に中空の軸体9を圧入固定して2体からなる第2軌道輪を構成している。
本実施形態のカバー6は、軸体9の外周面91に嵌合固定され、内輪2の端部25に当接された形状としている。
以上の点が、実施形態1と相違する構成であり、他の構成についてはすでに説明が済んでいるので、省略する。
なお、本実施形態におけるカバー6の固定は、図1に示すように、内輪2の内周面の環状段部23に固定しても良いのは勿論である。
本実施形態は、自動車補機用のプーリ類に耐浸水性の高いユニットとして直接使用できる点で好適である。
本発明の実施形態を示す半断面図である。 本発明の変形例を示す半断面図である。 従来技術を示す半断面図である。
符号の説明
:密封ころがり軸受
1:外輪
1a:内周軌道
11:固定溝
2:内輪
2a:外周軌道
21:シール溝
22:内周面
23:環状段部
25:内輪端部
3:ボール
4:保持器
5:密封シール
50:芯金
51:弾性部材
52:固定部
53:リップ部
54:連結部
55、56:環状凸部
57:凹部
6:カバー
61:円筒部
62:第1円板部
63:円すい部
64:第2円板部
65:折曲げ部
7:クランク形のラビリンス
8:プーリ
9:軸体
91:軸体の外周面
G:グリース

Claims (2)

  1. 第1軌道輪と、
    前記第1軌道輪と同心に配置され前記第1軌動輪との間に軸受空間を形成する第2軌道輪と、
    前記第1軌道輪と前記第2軌道輪との間に介装され、前記第1・第2軌道輪の相対回転を可能とする転動体と、
    前記第1軌道輪と前記第2軌道輪との間に形成される軸受空間を密封するための密封シールと、
    からなる密封ころがり軸受であって、
    さらに、前記第1軌道輪若しくは前記第2軌道輪に前記密封シールのカバーを取付けると共に、前記カバーと前記密封シールとの間にラビリンスを形成したことを特徴とする密封ころがり軸受。
  2. 密封シールの外側面に環状凸部を径方向に2重に設けて、該2重の凸部の間に凹部を、前記カバーの外周部に、軸受側に向いた折曲げ部を、それぞれ形成して互いに対向させ、前記凹部と前記折曲げ部とでクランク形のラビリンスを設けたことを特徴とする請求項1に記載の密封ころがり軸受。
JP2005161632A 2005-06-01 2005-06-01 密封ころがり軸受 Withdrawn JP2006336739A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010270882A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Ntn Corp プーリ付き軸受およびこれに使用されるダストカバー
CN103836067A (zh) * 2014-03-27 2014-06-04 山东凯美瑞轴承科技有限公司 一种高铁用密封型调心滚子轴承及其修复方法

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