JP2002348458A - 耐加水分解性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
耐加水分解性ポリカーボネート樹脂組成物Info
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Abstract
AS樹脂等のスチレン系樹脂を含有するポリカーボネー
ト樹脂組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】ポリカーボネート樹脂中の残存ジヒドロキ
シ化合物が50ppm以下、残存ヒドロキシ化合物が1
00ppm以下であり、残存硫黄が1ppm以下、およ
び残存鉄分が0.1ppm以下であるポリカーボネート
樹脂30〜90重量%と、スチレン系樹脂10〜70重
量%とからなる耐加水分解性に優れたポリカーボネート
樹脂組成物に関する。
Description
れたスチレン系樹脂を含有するポリカーボネート樹脂組
成物に関する。
熱性、透明性、耐候性等に優れており、また、電気的特
性に優れており多くの分野に広く利用されている。しか
し、ポリカーボネート樹脂は、溶融粘度が高く流動性に
難点があり、流動性を改良するために熱可塑性樹脂、例
えば、ABS樹脂、AS樹脂等またはポリエステル樹脂
を配合したポリカーボネート樹脂組成物が電気・電子機
器やOA機器あるいは自動車部品の分野等に使用されて
いる。ところで、ポリカーボネート樹脂自体またはポリ
カーボネート樹脂にABS樹脂、やAS樹脂等を配合し
たポリカーボネート樹脂組成物は耐水性、耐加水分解性
が必ずしも十分に高くなく引張り伸び等の物性が低下す
る難点がある。
ネート樹脂にABS樹脂やAS樹脂等のスチレン系樹脂
を配合したポリカーボネート樹脂組成物において、耐加
水分解性に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供す
ることを目的とするものである。
ト樹脂組成物について種々の観点から検討を行った結
果、ポリカーボネート樹脂中に含有する不純物が加水分
解性に影響を与えることから、その不純物の含有量が特
定値以下である特定のポリカーボネート樹脂を使用する
ことにより耐加水分解性が向上することが見出された。
の残存ジヒドロキシ化合物が50ppm以下、残存ヒド
ロキシ化合物が100ppm以下、残存硫黄が1ppm
以下、および残存鉄分が0.1ppm以下であるポリカ
ーボネート樹脂30〜90重量%と、スチレン系樹脂1
0〜70重量%とからなる耐加水分解性ポリカーボネー
ト樹脂組成物に関する。
ヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応によって得
られるポリカーボネート樹脂である上記(1)記載の耐
加水分解性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
分子量が15000〜25000である上記(1)また
は(2)記載の耐加水分解性ポリカーボネート樹脂組成
物に関する。
20℃、100時間のプレッシャークッカー試験後の粘
度平均分子量変化(ΔMv)が4000以下のポリカー
ボネート樹脂である上記(1)〜(3)のいずれかに記
載の耐加水分解性ポリカーボネート樹脂組成物に関す
る。
端水酸基濃度が300〜800ppmである上記(1)
〜(4)のいずれかに記載の耐加水分解性ポリカーボネ
ート樹脂組成物に関する。
体、スチレン系単量体と他の共重合可能なビニル単量体
との共重合体、ゴム質重合体の存在下にスチレン系単量
体またはスチレン系単量体と他の共重合可能なビニル単
量体とをグラフト重合してなるグラフト共重合体から選
ばれる少なくとも1種のスチレン系樹脂である上記
(1)〜(5)のいずれかに記載の耐加水分解性ポリカ
ーボネート樹脂組成物に関する。
として、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
のエステル交換反応によって得られるポリカーボネート
樹脂を使用し、該ポリカーボネート樹脂中に含有する不
純物量が特定値以下、すなわち、残存芳香族ジヒドロキ
シ化合物が50ppm以下、芳香族ヒドロキシ化合物が
100ppm以下であり、硫黄分が1ppm以下および
鉄分が0.1ppm以下であることを必須とし、さらに
粘度平均分子量が15000〜25000の範囲にあ
り、末端水酸基濃度が一定の範囲、すなわち300pp
m〜800ppmにあるものを使用することを特徴とす
るものである。
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステ
ル交換反応(いわゆる溶融法)により得られるポリカー
ボネート樹脂である。芳香族ジヒドロキシ化合物として
は、下記一般式(1)で表される二価フェノール化合物
である。
れてもよい炭化水素基、またはO、S、CO、SOおよ
びSO2より選択される二価の基である。Xは、ハロゲ
ン原子、炭素数1から14の脂肪族基または置換脂肪族
基、炭素数6〜18の芳香族基または置換芳香族基、炭
素数1〜8のオキシアルキル基、炭素数6〜18のオキ
シアリール基から選ばれる1価の基を示す。pは0〜4
の整数、sは0または1である。また、Xおよびpはそ
れぞれ同一であっても異なってもよい。)
合物は、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4−ジヒド
ロキシジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペン
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
2,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジ
ヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニルエーテル、
等が例示される。これらののうち、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)
が好適に使用される。またこれらの芳香族ジヒドロキシ
化合物は,単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
ともできる。さらに必要に応じて共重合体とすることも
できる。
般式(2)で表される化合物である。
脂肪族基、芳香族基、または置換芳香族基であり、同一
であっても異なってもよい。)
テルは、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、ジフェニルカ
ーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニル
カーボネート等が例示され、これらのうちジフェニルカ
ーボネート、置換ジフェニルカーボネートが好ましく、
特に好ましくはジフェニルカーボネートである。これら
の炭酸ジエステルは単独でまたは2種以上を混合して使
用こともできる。また、上記の炭酸ジエステルのような
炭酸結合を導入する化合物と共に、ジカルボン酸または
ジカルボン酸エステルを使用してポリエステルカーボネ
ートとすることもできる。この場合、ジカルボン酸また
はジカルボン酸エステルの使用量は50モル%以下、好
ましくは30モル%以下とすることが好ましい。このよ
うなジカルボン酸またはジカルボン酸エステルとして
は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が用いられ
る。
ルとの混合比率は、所望される芳香族ポリカーボネート
樹脂の分子量および末端水酸基量等により決められる。
一般に溶融法においては末端水酸基量が少な過ぎると分
子量が上がらず、また得られるポリカーボネート樹脂の
色調が悪くなるので100ppm以上が好ましい。した
がって、一般的には、芳香族ジヒドロキシ化合物1モル
に対して炭酸ジエステル等モル量以上が用いられ、好ま
しくは1.01〜1.30モル、より好ましくは1.0
1〜1.20モルが使用される。
する場合には、通常エステル交換触媒が使用される。こ
の触媒としては、主としてアルカリ金属化合物および/
またはアルカリ土類金属化合物が使用される。また、こ
れらアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
属化合物に加えて塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合
物、塩基性アンモニウム化合物、あるいはアミン系化合
物等の塩基性化合物を使用することができる。これらの
触媒は、1種または2種以上を組合わせて使用される。
その使用量は、通常芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに
対して、1×10−9〜1×10−3モルの範囲で使用
され、好ましくはアルカリ金属化合物およびアルカリ土
類金属化合物は1×10−8〜1×10−5モル、塩基
性化合物は、1×10−7〜1×10−4モルが使用さ
れる。
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム
の水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、酢酸塩、リン酸水素
塩、フェニルリン酸塩等の無機アルカリ金属化合物、ス
テアリン酸、安息香酸等の有機酸類、メタノール、エタ
ノール等のアルコール類、フェノール、ビスフェノール
A等のフェノール類との塩等の有機アルカリ金属化合物
等が挙げられる。また、アルカリ土類金属化合物として
は、例えば、ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、
ストロンチウム、バリウムの水酸化物、炭酸水素塩、炭
酸塩、酢酸塩の無機アルカリ土類金属化合物、有機酸
類、アルコール類、フェノール類との塩等の有機アルカ
リ土類金属化合物等が挙げられる。
トラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピ
ルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ
素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホ
ウ素、トリエチメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ
素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホ
ウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ
素、ベンジルフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ
素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリ
ウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、
あるいはストロンチウム塩などが挙げられる。
エチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、ト
リ−i−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィンあるいは4級ホスホニウ
ム塩等が挙げられる。
は、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、
テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニム
ヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキ
シド、トリメチルベンジルアンモニムヒドロキシド、ト
リメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチ
ルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジ
ルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアン
モニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウ
ムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒド
ロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、
ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチ
ルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリ
フェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
ミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル
−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、
2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−
メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、
2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカ
プトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキ
ノリン等が例示される。
金属化合物、塩基性アンモニウム化合物、塩基性リン化
合物が使用され、特にアルカリ金属化合物が好適に使用
される。
粘度平均分子量(Mv)が15000〜25000のも
が好ましく、より好ましくは18000〜23000で
ある。粘度平均分子量が15000よりも低い場合は目
的とする所望の機械的強度が得られず、25000を超
えるものでは成形加工の点から好ましくない。また、本
発明におけるポリカーボネート樹脂は、120℃、10
0時間のプレッシャークッカー試験後の粘度平均分子量
変化(ΔMv)が4000以下であることが望ましい。
プレッシャークッカー試験後の粘度平均分子量変化(Δ
Mv)が4000を上回るポリカーボネート樹脂を用い
たポリカーボネート樹脂組成物は、65℃、90%R
H、250時間の加水分解試験によるアイゾット衝撃強
度や引張伸び等の物性が低下し好ましくない。
端水酸基濃度は、原料芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香
族ヒドロキシ化合物とのモル比や反応条件等で変化する
が、本発明においては末端水酸基の量が多すぎると加水
分解性が低下したり、物性に影響を与えるので800p
pm以下、好ましくは300〜800ppm、より好ま
しくは300〜600ppmである。
粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ粘度計を用いて
塩化メチレン中、20℃の極限粘度[η]を測定し、以
下の式から求められる。
酸法(Makromol. Chem. 88, 215 (1965)に記載の方法)
により比色定量を行った。
た如きの原料を用いエステル交換反応により従来公知の
方法で製造されるものであるが、本発明においては、ポ
リカーボネート樹脂中に残存する硫黄、鉄分、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物および芳香族ヒドロキシ化合物など残
存量が厳しく規定され、製品ポリカーボネート樹脂中に
残存する硫黄、鉄分、芳香族ジヒドロキシ化合物および
芳香族ヒドロキシ化合物の残存量を十分にコントロール
されることが必要である。
工程において使用される触媒、アルカリ金属化合物、ア
ルカリ土類金属化合物の失活剤として使用されるスルホ
ン酸、スルフィン酸、硫酸またはこれらのエステル、例
えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p‐トルエンスル
ホン酸、そのメチル、エチル、ブチル、オクチル等のア
ルキルエステル類、フェニルエステル類、ベンゼンスル
ホン酸、そのメチル、エチル、ブチル、オクチル等のア
ルキルエステル類、フェニルエステル類、ナフタレンス
ルホン酸、トルエンスルフィン酸等に由来する混入物で
極く微量の混入は避け難いところがある。また、鉄分
は、主に反応工程において使用される機器類などから混
入するので十分に注意は図られるものの極めて微量が混
入することがある。これらの混入物は反応後の精製の段
階で大部分は除去されるが微量残存することは避け難
い。本発明においては、これらの不純物の混入は極力微
量であることが好ましく、ポリカーボネート樹脂中に残
存する硫黄分は1ppm以下に、鉄分は0.1ppm以
下に十分にコントロールされることが重要である。硫黄
分や鉄分が上記の量を超える量でポリカーボネート樹脂
中に存在するとポリカーボネート樹脂の加水分解反応を
促進させる要因の一つとなり物性低下を招くので厳密に
コントロールすることが必要である。
香族ジヒドロキシ化合物および芳香族ヒドロキシ化合物
は原料に由来するものであり、これらの含有量は、反応
条件や反応後の精製工程、さらには目的とするポリカー
ボネート樹脂の分子量等によるが、これらの化合物は耐
加水分解性、耐水性、耐湿性を低下させる要因となり物
性の低下を招くので十分にコントロールされなければな
らない。本発明においては、ポリカーボネート樹脂中に
含有する芳香族ジヒドロキシ化合物は50ppm以下
に、また芳香族ヒドロキシ化合物は100ppm以下と
することが必要である。
チレン系重合体、スチレン系単量体と他の共重合可能な
ビニル系単量体との共重合体、ゴム質重合体の存在下に
スチレン系単量体またはスチレン系単量体と他の共重合
可能なビニル系単量体とをグラフト重合してなるグラフ
ト共重合体より選ばれる1種以上のスチレン系樹脂であ
る。
ば、スチレン、α−メチルスチレン、p‐メチルスチレ
ン、ビニルキシレン、ジメチルスチレン、p−t−ブチ
ルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン等のス
チレンおよびスチレン誘導体が挙げられ、これらのうち
好ましくはスチレンである。なお、これらは単独で、ま
たは2種以上を混合して使用することもできる。
のビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のビニルシアン化合物、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブ
チルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチル
アクリレート、シクロヘキシルアクリレート等のアクリ
ル酸アルキルエステル、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等のメ
タアクリル酸アルキルエステル、フェニルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート等のアクリル酸アリールエス
テル、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト等のメタアクリル酸アリールエステル、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基
含有アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、
マレイミド、N,N−メチルマレイミド、N−フェニル
マレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イ
タコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸またはその無水
物等が挙げられる。
ム質重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体およびブロ
ック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンランダム
共重合体およびブロック共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体、アクリル酸アルキルエステルまた
はメタクリル酸アルキルエステルとブタジエンとの共重
合体、ブタジエン‐イソプレンジエン系共重合体、エチ
レン‐イソプレンランダム共重合体およびブロック共重
合体、エチレン‐ブテンランダム共重合体およびブロッ
ク共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合
体、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン‐ブ
チルアクリレート共重合体等のエチレンとα,β−不飽
和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン‐酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共
重合体等のエチレン−プロピレン−非共役ジエンターポ
リマー、アクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサンゴム
とポリアルキルアクリレートまたはメタクリレートゴム
とからなる複合ゴム等が挙げられる。
リスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合
体、水添スチレン‐ブタジエン‐スチレン共重合体(S
BS樹脂)、水添スチレン‐イソプレン‐スチレン共重
合体(SEPS樹脂)、耐衝撃性ポリスチレン(HIP
S)、アクリロニトリル‐スチレン共重合体(AS樹
脂)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合
体(ABS樹脂),メチルメタクリレート−ブタジエン
‐スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレ
ート−アクリロニトリル−ブタジエン‐スチレン共重合
体(MABS樹脂)、アクリロニトリル‐アクリルゴム
‐スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル
−エチレンプロピレン系ゴム‐スチレン共重合体(AE
S樹脂)等が例示される。これらは単独で、または2種
以上を混合して使用することができる。これらのうちポ
リスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アク
リロニトリル‐スチレン共重合体(AS樹脂)、メチル
メタクリレート‐ブタジエン‐スチレン共重合体(MB
S樹脂)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共
重合体(ABS樹脂)等が好ましい。これらのスチレン
系樹脂は、乳化重合、溶液重合、塊状重合、懸濁重合あ
るいは塊状・懸濁重合等の方法により製造されるが、本
発明においては、いわゆるスチレン系重合体、またはス
チレン系ランダム共重合体あるいはブロック共重合体の
場合は塊状重合、懸濁重合または塊状・懸濁重合により
製造されたものが好適であり、スチレン系グラフト共重
合体の場合は塊状重合,塊状・懸濁重合あるいは乳化重
合によって製造されたものが好適である。
脂は10重量%〜70重量%が配合される。スチレン系
樹脂の配合量が10重量%よりも少ない量ではポリカー
ボネート樹脂組成物の成形加工性や引張り伸びなどが十
分に向上せず、また70重量%を超える量ではポリカー
ボネート樹脂本来の優れた機械的強度が損なわれる虞が
あるなど好ましくない。したがって、スチレン系樹脂の
配合量は15重量%〜60重量%が好ましく、より好ま
しくは20重量%〜55重量%である。
組成物には、本発明組成物の物性を損なわない範囲で所
望により、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止
剤、紫外線防止剤、充填剤、着色剤、滑剤、離型剤等の
ポリカーボネート樹脂組成物に慣用される添加剤を添加
することができる。また慣用される無機または有機の補
強材も必要により使用することができる。更にまた所望
に応じて、その他の熱可塑性樹脂を、本発明組成物の物
性を損なわない限りで添加することもできる。
製方法は特に限定されず、従来から行なわれているそれ
自体公知の通常の方法が使用され、所定のポリカーボネ
ート樹脂にスチレン系樹脂および所望に応じて添加剤を
添加し、押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニーダ
ーなどにより、混合、混練して、ペレット化される。
発明はこれらの実施例に限定されるものでない。尚、実
施例において、アイゾット耐衝撃強度は、ASTM D
−256に準拠して測定し、引張り伸びはASTM D
−638に準拠して測定した。また、ポリカーボネート
樹脂組成物の耐加水分解性試験は、アイゾット衝撃試
験、および引張り強度試験片を、65℃、90%RHの
環境条件下に250時間放置後の物性を測定した。
ート樹脂の粘度平均分子量(Mv),プレッシャークッ
カー試験後の粘度平均分子量変化(ΔMv)、各不純物
の含有量等を下記表1に示す。尚、ポリカーボネート樹
脂は、ビスフェノールAと炭酸ジフェニルとのエステル
交換反応により製造されたポリカーボネート樹脂であ
る。プレッシャークッカー試験後のΔMvは、ポリカー
ボネート樹脂ペレットを、120℃の環境下に100時
間放置前後の粘度平均分子量の差を表す。
%と、AS樹脂(テクノポリマー社製「SAN−C」)
10重量%およびABS樹脂(テクノポリマー社製「D
P−611」)50重量%を、(株)日本製鋼所製「T
EX30」押出機を用い、バレル温度240℃、樹脂温
度260℃で押出しペレット化した。尚、熱安定剤とし
て、チバスペシャリティケミカルズ社製「Ir107
6」0.1重量%、旭電化(株)製「A2112」0.
05重量%および離型剤としてペンタエリスリトールテ
トラステアレート0.3重量%を混合した。(尚、以下
の実施例および比較例においても同様の熱安定剤、離型
剤を同量添加した。)得られたペレットを100℃、5
時間乾燥した後、射出成形機(住友重機(株)、SG7
5)によりアイゾット衝撃試験、および引張り伸び測定
試験片を作製した。試験片は65℃、90%RH、25
0時間放置試験前後の物性をそれぞれ測定した。その結
果を表2に示す。
%と、実施例1に使用したと同様のABS樹脂30重量
%を使用し、実施例1と同様にしてペレットを得た。こ
のペレットを用いて実施例1と同様にして物性測定用試
験片を作製し、実施例1と同様にアイゾット衝撃強度、
引張り伸びを測定した。その結果を表2に示す。
%と実施例1に使用したと同様のABS樹脂10重量%
を使用し、実施例1と同様にしてペレットを得た。この
ペレットを用いて実施例1と同様にして物性測定用試験
片を作製し、実施例1と同様にアイゾット衝撃強度、引
張り伸びを測定した。その結果を表2に示す。
%とABS樹脂(日本A&L社製)「サンタックAT0
5」)20重量%を使用し、実施例1と同様にしてペレ
ットを得た。このペレットを用いて実施例1と同様にし
て物性測定用試験片を作製し、実施例1と同様にアイゾ
ット衝撃強度、引張り伸びを測定した。その結果を表2
に示す。
%と実施例1に使用したと同様のAS樹脂10重量%、
ABS樹脂60重量%を使用し、実施例1と同様にして
ペレットを得た。このペレットを用いて実施例1と同様
にして物性測定用試験片を作製し、アイゾット衝撃強
度、引張り伸びを測定した。その結果を表2に示す。
たと同様のABS樹脂30重量%を使用し、実施例1と
同様にしてペレットを得た。このペレットを用いて実施
例1と同様にして物性測定用試験片を作製し、、アイゾ
ット耐衝撃強度、および引張り伸びを測定した。その結
果を表2に示す。
ート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂として、該ポ
リカーボネート樹脂中に含有する不純物である芳香族ジ
ヒドロキシ化合物、芳香族ヒドロキシ化合物、硫黄分、
および鉄分の含有量が特定値以下の芳香族ジヒドロキシ
化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応によって
得られるポリカーボネート樹脂を使用し、さらに粘度平
均分子量が15000〜25000の範囲にあり、末端
水酸基濃度が一定の範囲、すなわち300ppm〜80
0ppmにあるものを使用することにより、耐加水分解
性に優れ、引張り伸びなどの物性低下が十分に満足でき
る程度に抑制される。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂中の残存ジヒドロ
キシ化合物が50ppm以下、残存ヒドロキシ化合物が
100ppm以下、残存硫黄が1ppm以下、および残
存鉄分が0.1ppm以下であるポリカーボネート樹脂
30〜90重量%と、スチレン系樹脂10〜70重量%
とからなる耐加水分解性ポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリカーボネート樹脂が、芳香族ジヒド
ロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応によって得られ
るポリカーボネート樹脂である請求項1記載の耐加水分
解性ポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項3】 ポリカーボネート樹脂が、粘度平均分子
量が15000〜25000である請求項1または2記
載の耐加水分解性ポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項4】 ポリカーボネート樹脂は、120℃、1
00時間のプレッシャークッカー試験後の粘度平均分子
量変化(ΔMv)が4000以下のポリカーボネート樹
脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐加水分
解性ポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項5】 ポリカーボネート樹脂中の末端水酸基濃
度が300〜800ppmである請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の耐加水分解性ポリカーボネート樹脂組成
物。 - 【請求項6】 スチレン系樹脂は、スチレン系重合体、
スチレン系単量体と他の共重合可能なビニル系単量体と
の共重合体、ゴム質重合体の存在下にスチレン系単量体
またはスチレン系単量体と他の共重合可能なビニル系単
量体とをグラフト重合してなるグラフト共重合体から選
ばれる少なくとも1種のスチレン系樹脂である請求項1
〜5のいずれか1項に記載の耐加水分解性ポリカーボネ
ート樹脂組成物。
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