JP2001294742A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれを用いた車両外装用部品 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれを用いた車両外装用部品

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JP2001294742A
JP2001294742A JP2000114166A JP2000114166A JP2001294742A JP 2001294742 A JP2001294742 A JP 2001294742A JP 2000114166 A JP2000114166 A JP 2000114166A JP 2000114166 A JP2000114166 A JP 2000114166A JP 2001294742 A JP2001294742 A JP 2001294742A
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copolymer
aromatic
polycarbonate resin
vinyl
carbonate
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JP2000114166A
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English (en)
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Kazunari Kosaka
坂 一 成 小
Jiro Hasegawa
次 朗 長谷川
Masataka Morioka
岡 正 隆 森
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
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GE Plastics Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂20〜90重
量%、(B)ゴム質重合体−芳香族ビニル−シアン化ビニル
グラフト共重合体75〜5重量%、(C)芳香族ビニル−シア
ン化ビニルグラフト共重合体50〜5重量%、及び(D)上記
成分(A)、(B)および(C)の合計100重量部に対して、0.
1〜10重量部のオレフィン−不飽和カルボン酸アルキ
ルエステル共重合体を含む本発明に係る芳香族ポリカー
ボネート樹脂組成物。 【効果】本発明によれば、成形性に優れるとともに、機
械的特性および耐薬品性、特に耐ガソリン性に優れた成
形品を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形性が良好で、耐衝
撃性などの機械的特性および耐薬品性、特に耐ガソリン
性に優れた成形品を提供できる芳香族ポリカーボネート
樹脂組成物、およびこれを用いた自動車等の車両外装用
部品に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリカーボネート樹脂は、耐熱
性、および耐衝撃性等の機械的特性に優れた成形品を得
られることから、電気電子部品、自動車等の車両外装お
よび内装用部品など種々の用途に用いられている。ま
た、ポリカーボネート樹脂を他の樹脂と混合した組成物
が、様々な化学的または機械的特性を更に改善のため
に、多数提案されている。
【0003】例えば、ポリカーボネート樹脂にアクリロ
ニトリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS)樹脂または
メタクリレート-ブタジエン-スチレン(MBS)樹脂を
ブレンドして組成物とし、成形性、難燃性、耐薬品性、
または耐衝撃性などを改善しようとする試みがなされて
いる(特公昭第38-15225号公報、特公昭第39-71号公
報、特公昭第42-11496号公報および特公昭第51-11142号
公報参照)。
【0004】また、このようなポリカーボネート樹脂組
成物を、成形性、耐薬品性などの観点からさらに改善す
るために、ABS樹脂とともに、ポリエチレンまたはポ
リプロピレンや、スチレン−アクリロニトリル共重合体
(SAN)樹脂および特定の可塑剤などを添加すること
も提案されている(特公昭第62-41536号公報および特公
昭第62-41618号公報参照)。
【0005】しかしながら、このような従来のポリカー
ボネート樹脂組成物は、今だ耐薬品性の点で不十分であ
り、例えば自動車外装用部品に用いた場合、自動車燃
料、特にガソリンに接触することで割れたり、変形して
しまうという問題点があった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、このような従来技術に伴う問
題点を解決するために成されたものであり、成形性に優
れるとともに、耐衝撃性などの機械的特性に優れ、かつ
耐薬品性にも優れた成形品を提供し得るポリカーボネー
ト樹脂組成物、およびこれを用いた自動車外装用部品を
提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂20〜
90重量%と、(B)ゴム質重合体−芳香族ビニル−シ
アン化ビニルグラフト共重合体75〜5重量%と、
(C)芳香族ビニル−シアン化ビニルグラフト共重合体
50〜5重量%と、(D)上記成分(A)、(B)およ
び(C)の合計100重量部に対して、0.1〜10重
量部のオレフィン−不飽和カルボン酸アルキルエステル
共重合体と、を含むことを特徴としている。
【0008】このような本発明に係るポリカーボネート
樹脂組成物は、成形性に優れるとともに、耐衝撃性など
の機械的特性および耐薬品性、特に耐ガソリン性に優れ
た成形品、例えば自動車外装用部品を提供することがで
きる。
【0009】したがって、本発明に係る自動車外装用部
品は、上記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形し
てなることを特徴としている。
【0010】
【発明の具体的説明】芳香族ポリカーボネート組成物 本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、芳
香族ポリカーボネート樹脂(A)、ゴム質重合体−芳香
族ビニル−シアン化ビニルグラフト共重合体(B)、芳
香族ビニル−シアン化ビニルグラフト共重合体(C)お
よびオレフィン−不飽和カルボン酸アルキルエステル共
重合体(D)を含んでいる。
【0011】以下、これら樹脂成分(A)〜(D)に付
いて詳細に説明する。芳香族ポリカーボネート樹脂(A) 本発明の樹脂組成物に用いられる芳香族ポリカーボネー
ト樹脂(A)は、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネ
ート前駆体とを反応させて得られる芳香族ホモポリカー
ボネートまたは芳香族コポリカーボネートである。
【0012】このような芳香族ジヒドロキシ化合物とし
ては、官能基であるヒドロキシ基を2個含有し、各ヒド
ロキシ基が芳香核の炭素原子に直接接合した単核または
多核の芳香族化合物が挙げられる。具体的には、芳香族
ジヒドロキシ化合物として、下記式(1)で表されるビ
スフェノール化合物が例示される。
【0013】
【化1】
【0014】(式中、Ra、Rbは、ハロゲン原子または
炭素数1〜4の炭化水素基でありこれらは同一であって
も、異なっていてもよい。m、nは0〜4の整数であ
る。
【0015】
【化2】
【0016】RcおよびRdは水素原子または1価の炭化
水素基であり、RcとRdとで環構造を形成してもよく、
eは2価の炭化水素基である。)
【0017】このような式(1)で表される芳香族ジヒ
ドロキシ化合物としては、例えば、ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
(いわゆるビスフェノールA)、2,2-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニル
メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-1-メチルフェニル)
プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニ
ル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェ
ニル)プロパン、2,2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフ
ェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)ア
ルカン類;1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1-(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
などのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'-ジヒドロ
キシ-3,3'-ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキ
シアリールエーテル類;4,4'-ジヒドロキシジフェニル
スルフィド、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフェニ
ルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド
類;4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'-
ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシドな
どのジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4'-ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシ-3,
3'-ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジ
アリールスルホン類などを挙げることができる。
【0018】これら芳香族ジヒドロキシ化合物のうち、
特に2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビス
フェノールA)が好ましく用いられる。
【0019】また、上記式(1)以外の芳香族ジヒドロ
キシ化合物としては、下記式(2)で表される芳香族ジ
ヒドロキシ化合物を使用することもできる。
【0020】
【化3】
【0021】(ここで、Rfはそれぞれ独立して、炭素
数1〜10個の炭化水素基、該炭化水素基の炭素原子が
1個以上ハロゲン原子で置換されたハロゲン化炭化水素
基、またはハロゲン原子であり、pは0〜4の整数であ
る。) このような式(2)で示される化合物としては、たとえ
ばレゾルシン;3-メチルレゾルシン、3-エチルレゾルシ
ン、3-プロピルレゾルシン、3-ブチルレゾルシン、3-t
-ブチルレゾルシン、3-フェニルレゾルシン、3-クミル
レゾルシン、2,3,4,6-テトラフルオロレゾルシン、2,3,
4,6-テトラブロモレゾルシンなどの置換レゾルシン;カ
テコール;ヒドロキノン;3-メチルヒドロキノン、3-エ
チルヒドロキノン、3-プロピルヒドロキノン、3-ブチル
ヒドロキノン、3-t-ブチルヒドロキノン、3-フェニル
ヒドロキノン、3-クミルヒドロキノン、2,3,5,6-テトラ
メチルヒドロキノン、2,3,5,6-テトラ−t−ブチルヒド
ロキノン、2,3,5,6-テトラフルオロヒドロキノン、2,3,
5,6-テトラブロモヒドロキノンなどの置換ヒドロキノン
などを挙げることができる。
【0022】また、本発明では、芳香族ジヒドロキシ化
合物として、次式
【0023】
【化4】
【0024】で表される2,2,2',2'-テトラヒドロ-3,3,
3',3'-テトラメチル-1,1'-スピロビ−[1H−インデ
ン]-7,7'-ジオールなどを用いることもできる。
【0025】これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単
独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0026】また、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)
は、線状のものであっても、分岐を有するものであって
もよく、また線状ポリカーボネートと分岐状ポリカーボ
ネートのブレンド物あってもよい。
【0027】このような分岐ポリカーボネートは、多官
能性芳香族化合物を芳香族ジヒドロキシ化合物およびカ
ーボネート前駆体と反応させることにより得られる。こ
のような多官能性芳香族化合物の代表例は、米国特許明
細書第3,028,385号、第3,334,154号、第4,001,124号お
よび第4,131,576号に記載されており、具体的には、1,
1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル) エタン、2,2',2"-
トリス(4-ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼ
ン、α-メチル-α,α',α'-トリス(4-ヒドロキシフェニ
ル)-1,4-ジエチルベンゼン、α,α',α"-トリス(4-ヒド
ロキシフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼン、フ
ロログリシン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシ
フェニル)-ヘプタン-2、1,3,5-トリ(4-ヒドロキシフェ
ニル) ベンゼン、2,2-ビス-[4,4-(4,4'-ジヒドロキシフ
ェニル)-シクロヘキシル]-プロパン、トリメリット酸、
1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸などが
挙げられる。これらのうち、1,1,1-トリス(4-ヒドロキ
シフェニル)エタン、α,α',α"-トリス(4-ヒドロキシ
フェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼンなどが好ま
しく用いられる。
【0028】本発明で使用される芳香族ポリカーボネー
ト樹脂(A)では、その分子量は特に限定されず目的と
する用途、成形性などに鑑み適宜選択できる。しかしな
がら、本発明では、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)
は、塩化メチレン中、25℃で測定した固有粘度が、通
常0.26dl/g以上、好ましくは0.30dl/g〜0.9
8dl/g、さらに好ましくは 0.34dl/g〜0.64dl/
gの範囲にあることが望ましい。このような固有粘度
は、粘度平均分子量に換算すると、通常10000以
上、好ましくは12000〜50000、さらに好まし
くは14000〜30000の範囲となる。なお、本発
明では、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、固有粘
度(または分子量)が異なる二種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0029】本発明で使用される芳香族ポリカーボネー
ト樹脂(A)は、公知の何れの製造方法によって製造し
てもよい。このような製造方法としては、たとえば、
(1)芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体
(たとえば炭酸ジエステル)とを溶融状態でエステル交
換反応させて、ポリカーボネートを合成する方法(溶融
法)、(2)溶液中で芳香族ジヒドロキシ化合物とカー
ボネート前駆体(たとえばホスゲン)とを反応させる方
法(界面法)などが挙げられる。
【0030】これらの製造法については、たとえば特開
平2−175723号公報、特開平2-124934号公報、米国特許
第4,001,184号明細書、同第4,238,569号明細書、同第4,
238,597号明細書、同第4,474,999号明細書などに記載さ
れている。
【0031】ここで、これら溶融法(1)および界面法
(2)に付いて、より具体的に説明する。
【0032】上記溶融法(1)において使用される炭酸
ジエステルとしては、具体的には、ジフェニルカーボネ
ート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ビス(2,4
- ジクロルフェニル) カーボネート、ビス(2,4,6-トリ
クロルフェニル) カーボネート、ビス(2-シアノフェニ
ル) カーボネート、ビス(o-ニトロフェニル) カーボネ
ート、ジトリルカーボネート、m-クレジルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル) カー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネ
ートなどが挙げられる。これらのうち、ジフェニルカー
ボネートが好ましく用いられる。
【0033】これら炭酸ジエステルは、単独で用いて
も、を2種以上併用することもできる。また、このよう
な炭酸ジエステル中には、ジカルボン酸あるいはジカル
ボン酸エステルが含有されていてもよい。このようなジ
カルボン酸あるいはジカルボン酸エステルは、炭酸ジエ
ステル中、好ましくは50モル%以下、さらに好ましく
は30モル%以下の量で含有されていることが望まし
い。
【0034】このようなジカルボン酸あるいはジカルボ
ン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、
セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸ジ
フェニル、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフ
ェニル、デカン二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニ
ルなどを挙げることができる。炭酸ジエステルは、これ
らのジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルを2種
以上含有していてもよい。
【0035】以上のような炭酸ジエステルと、前記芳香
族ジヒドロキシ化合物とを重縮合させると、芳香族ポリ
カーボネート樹脂(A)が得られる。芳香族ポリカーボ
ネート樹脂(A)を製造するに際して、上記のような炭
酸ジエステルは、芳香族ジヒドロキシ化合物総量1モル
に対して、0.95〜1.30モル、好ましくは1.01
〜1.20モルの量で用いられることが望ましい。
【0036】このような溶融法(1)において、溶融重
縮合触媒として、例えば、特開平4-175368号公報に開示
される化合物、具体的には(i)アルカリ金属化合物およ
び/またはアルカリ土類金属化合物(以下(i) アルカリ
(土類)金属化合物ともいう)を使用することができ
る。
【0037】(i) アルカリ(土類)金属化合物として
は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の有機酸塩、
無機酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコ
ラートなどを例示できる。
【0038】具体的には、アルカリ金属化合物として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ス
テアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステア
リン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ
素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナ
トリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン
酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水
素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、二
カリウム塩、二リチウム塩、フェーノル類のナトリウム
塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられ、アルカリ
土類金属化合物としては、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、
炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグ
ネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウ
ム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸ストロンチウムなどが挙げられる。これら化合
物を2種以上併用することもできる。
【0039】このようなアルカリ(土類)金属化合物
は、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-8〜1
×10-3モル、好ましくは1×10-7〜2×10-6
ル、さらに好ましくは1×10-7〜8×10-7モルの量
で、溶融重縮合反応中に含まれていることが望ましい。
また、溶融重縮合反応の原料であるビスフェノール類中
に予めアルカリ(土類)金属化合物が含まれている場
合、溶融重縮合反応時に存在するアルカリ(土類)金属
化合物の量が、ビスフェノール類1モルに対して、前記
範囲となるように添加量を制御することが望ましい。
【0040】また、溶融重縮合触媒として、上記のよう
な(i)アルカリ(土類)金属化合物に加えて(ii)塩基性
化合物を併用されていてもよい。
【0041】このような(ii)塩基性化合物としては、た
とえば高温で易分解性あるいは揮発性の含窒素塩基性化
合物が挙げられ、具体的には、以下のような化合物を挙
げることができる。
【0042】テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド
(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
(Bu4NOH)、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキ
シド(φ−CH2(Me)3NOH)などのアルキル、アリール、
アルアリール基などを有するアンモニウムヒドロオキシ
ド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル
ベンジルアミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン
類、R2NH(式中Rはメチル、エチルなどのアルキル
基、フェニル、トリルなどのアリール基などである)で
示される二級アミン類、RNH2(式中Rは上記と同じ
である)で示される一級アミン類、4-ジメチルアミノピ
リジン、4-ジエチルアミノピリジン、4-ピロリジノピリ
ジンなどのピリジン類、2-メチルイミダゾール、2-フェ
ニルイミダゾールなどのイミダゾール類、あるいはアン
モニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド
(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドラ
イド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)などの塩基性
塩。
【0043】これらのうち、テトラアルキルアンモニウ
ムヒドロキシド類が好ましく用いられる。
【0044】上記のような(ii) 含窒素塩基性化合物
は、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-6〜1
×10-1モル好ましくは1×10-5〜1×10-2モルの
量で用いることができる。
【0045】またさらに触媒として、(iii)ホウ酸化合
物を用いることもできる。
【0046】このような(iii) ホウ酸化合物としては、
ホウ酸およびホウ酸エステルなどを挙げることができ
る。
【0047】ホウ酸エステルとしては、下記一般式で示
されるホウ酸エステルを挙げることができる。
【0048】B(OR)n(OH)3-n 式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニルな
どのアリールなどであり、nは1,2または3である。
【0049】このようなホウ酸エステルとしては、具体
的には、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸
トリブチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチ
ル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸ト
リナフチルなどが挙げられる。
【0050】このような(c) ホウ酸またはホウ酸エステ
ルは、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-8
1×10-1モル、好ましくは1×10-7〜1×10-2
ル、さらに好ましくは1×10-6〜1×10-4モルの量
で用いることができる。
【0051】溶融重縮合触媒としては、たとえば(i)ア
ルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物と
を組み合わせて、さらには(i)アルカリ(土類)金属化
合物と(ii)含窒素塩基性化合物と(iii)ホウ酸またはホ
ウ酸エステルとの三者を組み合わせて用いることが好ま
しい。
【0052】触媒として、上記のような量の(i)アルカ
リ(土類)金属化合物と(ii)含窒素塩基性化合物とを組
み合わせて用いると、重縮合反応を十分な速度で進行さ
せることができるとともに、高分子量のポリカーボネー
トを高い重合活性で生成させることができるので好まし
い。
【0053】なお、(i)アルカリ(土類)金属化合物と
(ii)含窒素塩基性化合物とを併用する場合、あるいは
(i)アルカリ(土類)金属化合物と(ii)含窒素塩基性化
合物と(iii)ホウ酸またはホウ酸エステルとを併用する
場合、各触媒成分を混合したものを、ビスフェノール類
と炭酸ジエステルとの溶融混合物に添加してもよく、ま
た、個別にビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融
混合物に添加してもよい。
【0054】上記界面法(2)で使用されるカーボネー
ト前駆体としては、たとえばハロゲン化カルボニル、ジ
アリールカーボネート、ビスハロホルメートが挙げら
れ、いずれを使用してもよい。
【0055】ハロゲン化カルボニルとしては、たとえば
臭化カルボニル、塩化カルボニル(いわゆるホスゲン)
およびこれらの混合物が挙げられる。アリールカーボネ
ートとしては、たとえばジフェニルカーボネート、ジフ
ェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(ク
ロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カー
ボネートなどが挙げられる。また、ビスハロホルメート
としては、たとえば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロ
フェニル)プロパン、ヒドロキノンなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物のビスクロロホルメートもしくはビスブロ
モホルメート;エチレングリコールなどのグリコール類
のビスクロロホルメートもしくはビスブロモホルメート
などが挙げられる。このようなカーボネート前駆体の
内、特に塩化カルボニル(すなわちホスゲン)が好適で
ある。
【0056】この界面法(1)では、まず苛性アルカリ
水溶液中に前記芳香族ジヒドロキシ化合物を溶解または
分散させ、得られた混合物を水と相溶しない溶媒を加
え、そしてこれらの反応物質を、適当な触媒の存在下、
特定のpH条件のもとホスゲンのようなカーボネート前
駆体と接触させることによって行われる。
【0057】通常、使用される水と相溶しない溶媒とし
ては、メチレンクロライド、1,2-ジクロロエタン、クロ
ロベンゼン、トルエンなどが使用される。界面法で使用
される触媒としては、特に限定されないが、通常、トリ
エチルアミンのような第三アミン、第四ホスホニウム化
合物、第四アンモニウム化合物などが使用される。界面
法における反応温度も、反応が進行する温度であれば、
特に制限されるものではないが、好ましくは室温(25
℃)から50℃までの温度の範囲が望ましい。
【0058】これらの製造法(1)および(2)で得ら
れた芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、必要に応じ
て特定の官能基で末端封止されていてもよい。
【0059】このような末端封止剤としては、特に限定
はされないがフェーノル、クロマン−I、p−クミルフ
ェノールなどの1価のフェーノル類などが挙げられる。
【0060】本発明では、芳香族ポリカーボネート樹脂
(A)は、成分(A)〜(C)の合計100重量%中、
20 〜90重量%、好ましくは40〜80重量%、特
に好ましくは50〜70重量%の量で含まれている。芳
香族ポリカーボネート樹脂(A)の量が20重量%より
少ないと、耐熱性が低下する傾向があり、例えば自動車
部品として要求される性能を十分に得られない場合があ
る。また、90重量%より多いと、耐ガソリン性を主と
した耐油性が低下し、本発明の効果が十分に発揮されな
いことがある他、成形加工温度が上昇することから、成
形サイクルが長くなり、その結果生産性が低下すること
がある。ゴム質重合体−芳香族ビニル−シアン化ビニルグラフト
共重合体(B) 本発明の組成物で用いられるゴム質重合体-芳香族ビニ
ル-シアン化ビニルグラフト共重合体(B)は、(a)芳香
族ビニル単量体成分、(b)シアン化ビニル単量体成分お
よび(c)ゴム質重合体を含んでおり、成分(a)および/ま
たは(b)の少なくとも一部が、グラフト重合成分として
含まれる。
【0061】より具体的には、ゴム質重合体-芳香族ビ
ニル-シアン化ビニルグラフト共重合体(B)は、 (I)芳香族ビニル単量体成分(a)およびシアン化ビニル単
量体成分(b)の全てをグラフト重合成分として含む共重
合体; (II)芳香族ビニル単量体成分(a)またはシアン化ビニル
単量体成分(b)の一方をゴム質重合体(c)中の共重合体成
分として、かつ他方の成分(b)または(a)をグラフト重合
成分として含む共重合体;または (III)芳香族ビニル単量体成分(a)および/またはシアン
化ビニル単量体成分(b)の一部をゴム質重合体(c)の共重
合成分として、かつ残余の成分(a)および/または(c)を
グラフト重合成分として含む共重合体;の何れであって
もよい。
【0062】成分(a)を誘導し得る芳香族ビニル単量体
としては、例えばスチレン、α‐メチルスチレン、o-,m
- もしくはp-メチルスチレン、ビニルキシレン、モノク
ロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレ
ン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、p-tert- ブ
チルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等を
挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。このような芳香族ビニル
単量体の内、特にスチレン、α‐メチルスチレンが好ま
しい。
【0063】成分(b)を誘導し得るシアン化ビニル単量
体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニト
リル等を挙げることができ、これらは単独で用いても、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0064】ゴム質重合体(c)としては;ポリブタジエ
ン(BR)、ポリイソプレン(IR)、スチレン‐ブタ
ジエンランダム共重合体及びスチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体(SBR)、水添スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、アクリロニトリル‐ブタジエン共重合
体、ブタジエン‐イソプレン共重合体およびブチレン−
イソプレン共重合体などのジエン系ゴム;エチレン−プ
ロピレンランダムおよびブロック共重合体(EPM)な
どのエチレン−α-オレフィン共重合体ゴム;エチレン
−プロピレン−非共役ジエン(例えばヘキサジエンおよ
びジシクロペンタジエンなど)共重合体(EPDM)な
どのエチレン−α-オレフィン−非共役ジエンゴム;エ
チレン−メタクリレートおよびエチレン−ブチルアクリ
レートなどのエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重
合体ゴム;ブチルアクリレート−ブタジエン共重合体な
どのアクリル酸エステル−共役ジエン共重合体ゴム;エ
チレン−酢酸ビニル共重合体ゴムなどのエチレン−不飽
和脂肪酸ビニル共重合体ゴム;および塩素化ポリエチレ
ンなど挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0065】このようなゴム質重合体(c)の内、ジエン
系ゴム、特にポリブタジエンおよびスチレン‐ブタジエ
ン共重合体が好ましい。また、スチレン‐ブタジエン共
重合体中のスチレン含有率は50重量%以下であることが
好ましい。
【0066】このようなゴム質重合体−芳香族ビニル−
シアン化ビニルグラフト共重合体(B)において、各成
分(a)、(b) および(c) の組成比は特に制限はなく、用
途に応じて適宜選択することができる。
【0067】しかしながら、芳香族ビニル単量体成分
(a)は、共重合体(B)100重量%中に、通常10〜
50重量%、好ましくは20〜40重量%の量で含まれ
ていることが望ましい。また、シアン化ビニル単量体
(b)は、共重合体(B)100重量%中に、通常5〜3
0重量%、好ましくは10〜20重量%の量で含まれて
いることが望ましい。
【0068】本発明で用いられるゴム質重合体−芳香族
ビニル−シアン化ビニルグラフト共重合体(B)では、
上記の成分(a),(b) および(c) の他に、(d) これらの成
分と共重合可能な単量体から誘導される成分を、本発明
の目的を損なわない範囲で、含んでいてもよい。このよ
うな成分(d)を誘導し得る共重合可能な単量体として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β‐不
飽和カルボン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチル(メタ)ア
クリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート等のα,
β‐不飽和カルボン酸エステル類;無水マレイン酸、無
水イタコン酸等のα,β‐不飽和ジカルボン酸無水物
類;マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイ
ミド、N-フェニルマレイミド、N-o-クロロフェニルマレ
イミド等のα,β‐不飽和ジカルボン酸のイミド化合物
類;等を挙げることができる。これら単量体から誘導さ
れる成分(d)は、ジエン系ゴム(c)中の共重合体成分であ
っても、グラフト重合成分の何れであってもよく、また
単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0069】このようなゴム質重合体−芳香族ビニル−
シアン化ビニルグラフト共重合体(B)としては、例え
ばABS樹脂(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレ
ン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレ
ンプロピレン−スチレン共重合体)、ACS樹脂(アク
リロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合
体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリル系弾性
体−スチレン共重合体)、などを例示できる。このよう
なゴム質重合体−芳香族ビニル−シアン化ビニルグラフ
ト共重合体(B)は、単独で用いても、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0070】本発明では、ゴム質重合体−芳香族ビニル
−シアン化ビニルグラフト共重合体(B)は、その製造
法を特に制限されず、従来公知の何れの方法で製造して
もよい。このような共重合体(B)の製造方法として
は、例えば、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸濁
重合、乳化重合などが挙げられる。また、ゴム質重合体
−芳香族ビニルシアン化ビニルグラフト共重合体(B)
は、別途製造した二種以上の樹脂をブレンドすることに
よって得ることも可能である。
【0071】本発明では、ゴム質重合体−芳香族ビニル
−シアン化ビニルグラフト共重合体(B)は、樹脂成分
(A)〜(C)の合計100重量%中、75〜5重量
%、好ましくは60〜10重量%、特に好ましくは50
〜10重量%の量で含まれている。芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体(C) 本発明で用いられる芳香族ビニル-シアン化ビニル共重
合体(C)は、 芳香族ビニル単量体成分(a)とシアン化
ビニル単量体成分(b)とを共重合させてなる共重合体で
ある。
【0072】芳香族ビニル-シアン化ビニル共重合体
(C)に含まれる成分(a)および(b)を誘導し得る芳香族
ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体としては、ゴ
ム質重合体−芳香族ビニルシアン化ビニルグラフト共重
合体(B)で各々例示した化合物を挙げることができ
る。
【0073】このような単量体成分(a)および(b)を含む
芳香族ビニル−シアン化ビニルグラフト共重合体(B)
において、各成分(a)および(b) の組成比は特に制限は
なく、用途に応じて適宜選択することができる。
【0074】しかしながら、芳香族ビニル-シアン化ビ
ニル共重合体(C)における成分(a)および(b)の組成比
(重量比:(a)/(b))は、通常50/50〜90/1
0、好ましくは60/40〜80/20であることが望
ましい。
【0075】このような芳香族ビニル-シアン化ビニル
共重合体(C)としては、例えばスチレン‐アクリロニ
トリル共重合体(SAN)樹脂を例示できる。
【0076】本発明では、芳香族ビニル-シアン化ビニ
ル共重合体(C)は、特にその製造方法を限定されず、
従来公知の何れの方法、例えば、上述したゴム質重合体
−芳香族ビニルシアン化ビニルグラフト共重合体(B)
と同様の方法で製造することができる。
【0077】本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂
組成物では、このような芳香族ビニル-シアン化ビニル
共重合体(C)は、樹脂成分(A)〜(C)の合計10
0重量%中、5〜50重量%、好ましくは10)〜40
重量%の量で含まれている。オレフィン-不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合
体(D) 本発明で用いられるオレフィン-不飽和カルボン酸アル
キルエステル共重合体(D)は、オレフィン成分(x)
と、不飽和カルボン酸アルキルエステル成分(y)とを含
む共重合体である。この共重合体(D)は、例えば、オ
レフィンと不飽和カルボン酸アルキルエステルとを共重
合するか、オレフィン重合体の存在下に不飽和カルボン
酸アルキルエステルをグラフト共重合することにより製
造される。
【0078】成分(x)を誘導し得るオレフィンとして
は、エチレン、プロピレン、および炭素数4〜8のα-
オレフィン、例えばブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプ
テン、オクテンなどを例示できる。この内、特にエチレ
ン、プロピレンが好ましい。このようなオレフィンは、
単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0079】成分(y)を誘導し得る不飽和カルボン酸ア
ルキルエステルとしては、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート
等を挙げることができる。これら不飽和カルボン酸アル
キルエステル単量体は、単独で用いても二種以上を組み
合わせて用いてもよい。この内、特にメチル(メタ)ク
リレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0080】オレフィン-不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル共重合体(D)は、成分(x)および(y)を誘導し得
る単量体を共重合させて製造してもよく、またポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−
メチル−ペンテン−1、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等のオレフ
ィン重合体の存在下に不飽和カルボン酸アルキルエステ
ルをグラフト反応させて製造してもよい。
【0081】このようなオレフィン-不飽和カルボン酸
アルキルエステル共重合体(D)において、各成分(x)
および(y) の組成比は特に制限はなく、用途に応じて適
宜選択することができる。
【0082】しかしながら、オレフィン-不飽和カルボ
ン酸アルキルエステル共重合体(D)における成分(x)
および(y)の組成比(モル比:(x)/(y))は、97/3〜
50/50、好ましくは95/5〜50/50であるこ
とが望ましい。
【0083】このようなオレフィン-不飽和カルボン酸
アルキルエステル共重合体(D)としては、例えばエチ
レン-エチルアクリレート共重合体、エチレンプロピレ
ン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルア
クリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共
重合体酸無水物、例えばマレイン酸変性エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体などを例示できる。
【0084】本発明では、オレフィン-不飽和カルボン
酸アルキルエステル共重合体(D)は、特にその製造方
法を限定されず、従来公知の何れの方法、例えば、上述
したゴム質重合体−芳香族ビニルシアン化ビニルグラフ
ト共重合体(B)と同様の方法で製造することができ
る。
【0085】本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂
組成物では、このようなオレフィン-不飽和カルボン酸
アルキルエステル共重合体(D)は、上記樹脂成分
(A)、(B)および(C)の合計100重量部に対し
て、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部
の量で用いられる。
【0086】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、以上説明した樹脂成分(A)〜(D)の他に、
その物性を損なわない限りにおいて、その目的に応じて
樹脂の混合時、成形時に、この分野で公知の添加剤
(材)、例えば補強材(ガラス繊維、炭素繊維など)、
充填材(カーボンブラック、シリカ、酸化チタンな
ど)、顔料、染料、耐熱剤、酸化劣化防止剤、耐候剤、
滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良剤、帯電
防止剤等を添加することができる。
【0087】また、ポリアミド、ポリアセタール、ポリ
エステル、ポリフェニレンオキサイド、ポリメチルメタ
クレート、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を適宜配合
することもできる。
【0088】本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂
組成物は、上述した樹脂成分(A)〜(D)を含んでい
るため、成形性が良好であり、かつ機械的特性に優れる
とともに、耐薬品性、特に耐ガソリン性に優れた成形品
を提供できる。
【0089】車両外装用部品 本発明に係る自動車外装用部品は、このような本発明に
係る芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形してな
る。
【0090】本発明は、従来樹脂成形品として製造され
た如何なる自動車外装用部品にも適用できる。このよう
な外装用部品としては、例えばフェンダー、ドアパネル
等の外板パネル類、ホイールカバーやスポイラー等の装
飾部品、フュエルリッドカバーおよびアウトドアハンド
ル等の外部機構部品などを例示できる。
【0091】また、本発明に係る自動車外装用部品は、
その製造方法を特に限定されず、樹脂成形分野で公知の
種々の方法で製造することができる。
【0092】具体的には、本発明に係る自動車外装用部
品は、上記樹脂成分(A)〜(D)と、所望により添加
される添加剤等を混合して樹脂組成物を製造し、これを
所望の成形方法にて成形して製造できる。
【0093】この際、樹脂成分および添加剤の混合に
は、適用する成形方法等に適した形態(粉体混合物、ペ
レット、溶融混合物等)の樹脂組成物を製造し得る装置
を適宜選択して使用できる。このような混合装置として
は、例えば押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニ
ーダー等を例示できる。なお、これら混合装置は、回分
式または連続式の何れで運転してもよい。
【0094】このような樹脂組成物を用いた成形方法と
しては、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法お
よび吹き込み成形法など種々の成形方法を適用すること
ができる。
【0095】
【発明の効果】本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物によれば、上述した芳香族ポリカーボネート樹
脂(A)、ゴム質重合体−芳香族ビニルシアン化ビニル
グラフト共重合体(B)、芳香族ビニル−シアン化ビニ
ルグラフト共重合体(C)およびオレフィン−不飽和カ
ルボン酸アルキルエステル共重合体(D)を特定割合で
含んでいるため、成形性に優れるとともに、機械的特性
および耐薬品性、特に耐ガソリン性に優れた成形品を提
供できる。
【0096】したがって、本発明に係る芳香族ポリカー
ボネート樹脂組成物は、電気電子分野、自動車などの車
両製造分野など種々の分野の樹脂製部品材料として好適
である。
【0097】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例においては以下の成分を使用し
た。芳香族ポリカーボネート樹脂(A) LEXAN141(商標、日本ジーイープラスチックス株式
会社製、ビスフェノールAタイプのポリカーボネートで
あって、塩化メチレン中、20℃で測定した固有粘度が
0.50dl/gであり、Mvが約23000(計算
値)である)ゴム質重合体−芳香族ビニルシアン化ビニルグラフト共
重合体(B) ABS−1:ABS樹脂サンタックAT−07(商標、
日本A&L株式会社製) ABS−2:ABS樹脂UX050(商標、宇部サイコ
ン株式会社製)芳香族ビニル−シアン化ビニルグラフト共重合体(C) SAN:SAN樹脂SR05B(宇部サイコン株式会社
製)オレフィン−不飽和カルボン酸アリキルエステル共重合
体(D) エチレン共重合体1:エチレン−エチルアクリレート共
重合体 (商標:NUC6090、日本ユニカー株式会社製) エチレン共重合体2:エチレンーエチルアクリレート共
重合体酸無水物 (商標:GB301、日本ユニカー株式会社製)ポリオレフィン ポリエチレン1:ハイワックス200P(商標、三井化
学株式会社製) ポリエチレン2:ハイワックス400P(商標、三井化
学株式会社製)
【0098】
【実施例1〜5、比較例1〜5】表1に示した各樹脂材
料を、2軸押出機に導入し、いスクリュー回転数200
rpm、バレル設定温度260〜270℃の押出し条件
で押し出し、ペレタイザーにてペレット化した。
【0099】得られたペレットを、東洋機械金属株式会
社製の80トン射出成形機に導入し、シリンダー温度2
60℃、金型温度60℃の条件で成形して試験片を作成
した。
【0100】上記ペレットまたは試験片を用い、以下の
特性(1)〜(6)を測定した。得られた結果を表1に
示す。 (1)Izod衝撃強度 ASTM D256に準拠して、1/8インチノッチ付
きIzod衝撃強度を測定した。 (2)引張強度及び引張破断伸び ASTM D638に準拠して測定した。 (3)荷重たわみ温度 ASTM D648に準拠して、厚み1/4インチの試
験片を荷重4.6kg/cm2 にて測定した。 (4)メルトインデックス ASTM D1238に準拠して、260℃、5kg荷
重にて測定した。 (5)耐ガソリン性 厚み1/16インチの試験片に2%の強制曲げ歪みを与
え、その状態でガソリンを塗布した。塗布した時点から
試験片が割れるまでの時間を測定した。 (6)外観測定 直径100mm、厚み2mmの円盤を1mm径のピンゲ
ートを用いて試験片を得、試験片のゲート周りの外観を
観察した。なお、成形条件は上述の通りであった。
【0101】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 森 岡 正 隆 栃木県真岡市鬼怒ヶ丘2−2 日本ジーイ ープラスチックス株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA12 AA12X AA14 AA22 AA22X AA33 AA34 AA34X AA50 AA77 AH07 AH11 BB03 BB05 BB06 BB09 BC07 4J002 BB074 BB144 BC063 BN07X BN10X BN12X BN15X CG01W GN00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂20
    〜90重量%と、(B)ゴム質重合体−芳香族ビニル−
    シアン化ビニルグラフト共重合体75〜5重量%と、
    (C)芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体50〜5
    重量%と、(D)上記成分(A)、(B)および(C)
    の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部のオ
    レフィン−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体
    と、を含むことを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の芳香族ポリカーボネート樹
    脂組成物を成形してなる自動車外装用部品。
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