JP2002348091A - クレーンのフック操作装置 - Google Patents

クレーンのフック操作装置

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JP2002348091A
JP2002348091A JP2001150825A JP2001150825A JP2002348091A JP 2002348091 A JP2002348091 A JP 2002348091A JP 2001150825 A JP2001150825 A JP 2001150825A JP 2001150825 A JP2001150825 A JP 2001150825A JP 2002348091 A JP2002348091 A JP 2002348091A
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Teruo Ito
輝男 伊藤
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Furukawa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な油圧配管が不要で、作業開始時にフッ
ク格納解除とブームの起立の作動、作業終了後にフック
格納とブームの倒伏の作動を連動可能とする。 【解決手段】 ブーム起伏用油圧シリンダ59で起伏作
動を行うブーム、ウインチ用油圧モータ60でフックの
巻上げ巻下げ作動を行うウインチ、巻過防止装置、及び
フック格納装置を備えたクレーンにおいて、ブーム起伏
用切換制御弁69とウインチ用切換制御弁70に、メイ
ンスプール71、72を切り換えるパイロットピストン
77、78と比例電磁式パイロット弁85、86と、メ
インスプール71、72の変位量を検出する位置検出器
83、84をそれぞれ設け、位置検出器83、84の検
出データに基づいて、フック格納解除とブーム起立の作
動、又はフック格納とブーム倒伏の作動を連動させるた
めの所要制御量を求め、比例電磁式パイロット弁85、
86に制御信号を送る演算装置91を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フックの格納解除
とブームの起立の作動、及びフックの格納とブームの倒
伏の作動を、ブームの起伏操作によって連動させること
のできるクレーンのフック操作装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の車両搭載型のクレーンは、図3に
示すように、トラック1の荷台2と運転室3の間のシャ
ーシフレーム4上にベース5が固定されており、ベース
5上にコラム6が旋回自在に設けられ、このコラム6の
上端部にブーム7が起伏自在に枢支されている。ベース
5の左右両側には、アウトリガ8が設けられている。
【0003】コラム6は旋回用モータ(図示略)で左右
に旋回される。ブーム7は、基端ブーム7、中間ブーム
7B、先端ブーム7Cからなる多段伸縮ブームであっ
て、ブーム伸縮用シリンダ(図示略)によって伸縮さ
れ、ブーム起伏用シリンダ14によって起伏される。ま
た、コラム6にはウインチ9が設けられており、このウ
インチ9からワイヤロープ10をブーム7の先端部に導
いて、ブーム7の先端部の滑車(図示略)を介してフッ
ク11に掛回すことにより、フック11をブーム7の先
端部から吊下している。フック11は、ウインチ用モー
タ(図示略)で巻上げ巻下げ作動される。
【0004】このクレーンは、ブーム7の先端部から吊
下したフック11の吊下長さが所定長以下のいわゆる巻
過状態になると、警報を発したり、またはブーム7の先
端部とフック11とが接近する巻過方向へのクレーンの
作動、即ち、ウインチ9によるフック11の巻上、ブー
ム7の伸長、ブーム7の起立の各作動を停止してブーム
7とフック11との衝突を防止する巻過防止装置を備え
ている。
【0005】また、トラック1の走行状態で、フック1
1をブーム7の先端部に直接、または間接的に当接して
格納し、走行時にフック11が揺動するのを防止するた
めのフック格納装置を備えている。このフック格納装置
では、フック11が巻過状態であるか否かに関わらず、
フック11の格納のための巻上げ操作が行えるようにな
っている。しかし、通常フック11を格納する場合は、
まずウインチ用切換弁でフック11の巻上げ操作を行っ
て巻過状態とした後、フック格納用切換弁で巻上げ操作
を行って格納することが多い。これは、巻過位置までは
ウインチ用切換弁で巻上げ操作を行う方がフック11を
高速で巻上げることができるからである。
【0006】このように巻過防止装置とフック格納装置
とを備えたクレーンでは、ブーム7を水平にしてフック
11を格納した走行姿勢から作業姿勢にする場合に、フ
ック11が格納されて巻過状態になっているので、この
ままではブーム7の起立作動はできない。従って、この
ような場合には、一旦フック11を巻下げて巻過状態を
解除したした後に、ブーム7を起立させなければならな
い。
【0007】ところが、トラック1の荷台2に積荷50
が積載されている場合には、フック11は積荷50に当
たって巻下げることができないので、図4に示すように
一度ブーム7を旋回させてフック11を荷台2の外側に
位置させた後、フック11を巻下げて巻過状態を解除し
たしてから、ブーム7を起立させなければならなかっ
た。
【0008】一方、作業終了後にクレーンを走行姿勢に
するには、ブーム7を後方水平位置にした後、フック1
1を巻上げて格納する。ところが、荷台2に積荷50が
あると、フック11が積荷50に当たるので、ブーム7
を荷台2の上に移動させて水平にしてからフック11を
格納することはできない。この場合、図5のように、ブ
ーム7を起立させた状態でフック11を格納し、その後
ブーム7を倒伏させようとすると、ブーム7の倒伏に伴
いウインチ9とブーム7の先端部との間の距離が短くな
ってワイヤロープ10が弛むため、フック11が垂れ下
がって格納位置からずれ、再度フック11の格納操作を
行わねばならなくなる。
【0009】即ち、走行姿勢からクレーン作業をできる
ようにするまでの操作、及び作業終了後フック11を格
納して走行姿勢にするまでの操作が面倒であった。そこ
で、作業開始時にはフック11の格納状態からのフック
11の格納解除とブーム7の起立の作動を、また、作業
終了後はフック11の格納とブーム7の倒伏の作動を、
一つの切換弁を操作するだけで可能にするクレーンのフ
ック操作装置が提案されている(特開2001−396
84参照)。
【0010】このクレーンでは、図6に示すように、旋
回用モータ12が旋回用切換弁22、ブーム伸縮用シリ
ンダ13がブーム伸縮用切換弁23、ブーム起伏用シリ
ンダ14がブーム起伏用切換弁24、ウインチ用モータ
15がウインチ用切換弁25、アウトリガ用シリンダ1
6L、16Rがアウトリガ切換弁26L、26Rを介し
て、油圧ポンプ21から圧油が供給される主管路27
と、タンク28への戻り管路29とに接続されている。
【0011】これらの切換弁22、23、24、25、
26L、26Rは、3位置の手動操作切換弁であり、オ
ペレータが手動操作することにより、旋回用モータ12
と、ブーム伸縮用シリンダ13と、ブーム起伏用シリン
ダ14と、ウインチ用モータ15と、アウトリガ用シリ
ンダ16L、16Rとを作動させることができる。中立
位置では主管路27を戻り管路29と連通させる。
【0012】吐出管路27と戻り管路29との間には、
主リリーフ弁30が設けられている。また、主管路27
と戻り管路29との間には、主リリーフ弁30と並列
に、フック11が巻過状態になったときアンロード用電
磁弁31で作動されて主管路27の圧油をタンク28に
逃がすアンロード弁32が設けられている。このクレー
ンでは、フック11が巻過状態になったら、ブーム7の
先端部下部とフック11の上部とが接近する巻過方向へ
のクレーンの作動、即ち、ウインチ9によるフック11
の巻上、ブーム7の伸長、ブーム7の起立の各作動を停
止してブーム7とフック11との衝突を防止するように
なっている。
【0013】このため、ブーム伸縮用切換弁23、ブー
ム起伏用切換弁24、ウインチ用切換弁25には、それ
ぞれ、ブーム伸長側、ブーム起立側、ウインチ巻上側に
操作したときonとなるブーム伸リミットスイッチS3
ブーム起リミットスイッチS 4 、ウインチ巻上リミット
スイッチS5 が設けられている。そして、このブーム伸
リミットスイッチS3 、ブーム起リミットスイッチ
4 、ウインチ巻上リミットスイッチS5 は、巻過検出
スイッチ(図示略)とアンロード用電磁弁31のソレノ
イド31Sとを接続する巻過防止回路に互いに並列に接
続されている。
【0014】ウインチ9による巻上操作を行ってフック
11が巻過状態になったとすると、ウインチ巻上リミッ
トスイッチS5 と巻過検出スイッチとがonとなるので、
ソレノイド31Sが励磁され、アンロード用電磁弁31
が切換わり、アンロード弁32が作動してウインチ用モ
ータ15の巻上管路33に供給されていた圧油をタンク
29側へ逃がし、フック11の巻上作動は自動停止す
る。
【0015】ブーム7の伸長操作又はブーム7の起立操
作を行った場合も、フック11が巻過状態になれば、ブ
ーム伸リミットスイッチS3 又はブーム起リミットスイ
ッチS4 と巻過検出スイッチとがonとなるので、同様に
ソレノイド31Sが励磁され、ブーム7の伸長作動又は
ブーム7の起立作動は自動停止する。なお、巻過状態で
あっても、巻過方向以外へのクレーンの作動、即ち、ウ
インチ9によるフック11の巻下、ブーム7の縮小、ブ
ーム7の倒伏の各作動は自由に行うことができ、これに
より巻過状態を解除することができる。
【0016】このクレーンのフック操作装置は、さら
に、フック格納用切換弁45と格納起伏連動用切換弁4
4とを備えている。フック格納用切換弁45は4ポート
3位置の手動操作切換弁、格納起伏連動用切換弁44は
6ポート3位置の自己切換型切換弁である。フック格納
用切換弁45は、入力ポートが主管路27と、リターン
ポートが戻り管路29と接続されている。フック格納用
切換弁45の出力ポートは格納管路36と格納解除管路
38で格納起伏連動用切換弁44の入力ポートP2 、P
l と接続されている。
【0017】格納起伏連動用切換弁44の4つの出力ポ
ートのうち、切換位置で入力ポートPl と連通する出力
ポートAはブーム起伏用シリンダの起管路41と、出力
ポートBはウインチ用モータ15の巻下管路34と接続
されている。切換位置で入力ポートP2 と連通する出力
ポートCはウインチ用モータ15の巻上管路33と、出
力ポートDはブーム起伏用シリンダの伏管路42と接続
されている。
【0018】このクレーンのフック操作装置は、フック
11を格納した走行姿勢から作業姿勢にする場合には、
フック格納用切換弁45の格納解除操作を行う。フック
格納用切換弁45を格納解除側へ操作すると、主管路2
7と格納解除管路38が連通し、格納管路36は戻り管
路29と連通するので、格納起伏連動用切換弁44も格
納解除管路38の圧力で格納解除側へ切換えられ、格納
解除管路38と巻下管路34、格納管路36と巻上管路
33が連通される。
【0019】このとき、格納解除管路38と起管路4
1、格納管路36と伏管路42もそれぞれ連通される。
ここで、フック11を巻下げるための作動圧とブーム7
を起立させるための作動圧とは、ほぼ同じであるので、
巻下管路34と起管路41には同時に格納解除管路38
から圧油が供給され、巻上管路33と伏管路42とから
格納管路36へ排出される。
【0020】よって、フック11が巻下げられるのに伴
って、ブーム起伏用シリンダ14が伸長しブーム7が起
立する。このように、フック11を格納した状態から作
業状態にする場合に、フック格納用切換弁45の格納解
除操作に伴って格納起伏連動用切換弁44が切換えられ
てフック11の巻下作動と共にブーム7の起立作動が行
われるので、ブーム7を起立させる前に、一旦フック1
1を巻下げて巻過状態を解除する必要はない。
【0021】一方、作業終了後にクレーンを走行姿勢に
するには、フック格納用切換弁45の格納操作を行う。
フック格納用切換弁45を格納側へ操作すると、主管路
27と格納管路36が連通し、格納解除管路38は戻り
管路29と連通するので、格納起伏連動用切換弁44も
格納管路36の圧力で格納側へ切換えられ、格納管路3
6と巻上管路33、格納解除管路38と巻下管路34が
連通される。
【0022】このとき、格納管路36と伏管路42、格
納解除管路38と起管路41もそれぞれ連通される。こ
こで、フック11を巻上げるための作動圧はブーム7を
倒伏させるための作動圧より低いので、まず圧油が格納
管路36から巻上管路33へ供給され、巻下管路34か
ら格納解除管路38側へ排出される。よって、ウインチ
用モータ15が巻上作動してフック11が巻上げられ、
フック11がブーム7の先端部に当接し、回動してブー
ム7の下面に添って平行に格納される。
【0023】なお、格納管路36と戻り管路29との間
には、格納用リリーフ弁37が設けられている。この格
納用リリーフ弁37は、主リリーフ弁30より低圧に設
定されており、フック11がブーム7の先端部に当接す
るとき、フック11やブーム7の先端部に損傷を生じな
いよう適度の当接力で当接格納される。次いで、圧油が
格納管路36から伏管路42へ供給され、起管路41か
ら格納解除管路38側へ排出され、ブーム7の倒伏作動
が行われる。ブーム7の倒伏作動中には、巻上管路33
には常に格納用リリーフ弁37で低圧に設定された圧油
が作用しているので、格納されたフック11は適切な当
接力で格納位置に保持され、ワイヤロープ10が弛んで
たれ下がることはない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記のクレーンのフッ
ク操作装置では、作業開始時にはフック11の格納状態
からのフック11の格納解除とブーム7の起立の作動
を、また、作業終了後はフック11の格納とブーム7の
倒伏の作動を、一つの切換弁を操作するだけで連動させ
ることができるが、複雑な油圧配管が必要になるという
問題がある。
【0025】本発明は、クレーンにおける上記問題を解
決するものであって、複雑な油圧配管を必要とせず、作
業開始時にはフックの格納状態からフックの格納解除と
ブームの起立の作動を、また、作業終了後はフックの格
納とブームの倒伏の作動を連動させることのできる構造
の簡単なクレーンのフック操作装置を提供することを目
的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】この発明のクレーンのフ
ック操作装置は、ブーム起伏用油圧シリンダによって起
伏作動を行うブームと、ウインチ用油圧モータによって
フックの巻上げ巻下げ作動を行うウインチと、巻過防止
装置と、フック格納装置とを備えたクレーンにおいて、
ブーム起伏用油圧シリンダを操作するブーム起伏用切換
制御弁とウインチ用油圧モータを操作するウインチ用切
換制御弁とに、そのメインスプールを切り換える切換手
段とメインスプールの変位量を検出する変位検出手段と
をそれぞれ設けると共に、前記変位検出手段の検出デー
タに基づいて、フック格納解除とブーム起立の作動、又
はフック格納とブーム倒伏の作動を連動させるための所
要制御量を求め、前記切換手段に制御信号を送る演算装
置を設けることにより、上記課題を解決している。
【0027】この発明のクレーンのフック操作装置は、
作業開始時にフックを格納した走行姿勢から作業姿勢に
する場合には、ブーム起伏用切換制御弁を切換え起立操
作を行う。すると、ブーム起伏用切換制御弁のメインス
プールの変位量が変位検出手段によって検出され、検出
信号が演算装置に送られる。演算装置は、この変位検出
手段の検出データに基づいて、フック格納解除とブーム
起立の作動を連動させるために必要なウインチ用切換制
御弁の制御量を求め、ウインチ用切換制御弁の切換手段
に制御信号を送る。
【0028】この制御信号でウインチ用切換制御弁が制
御されて、ブームの起立に対応したウインチの巻下げが
行われるので、フック格納解除とブーム起立の作動は適
切に連動する。従って、ブームを起立させる前に、一旦
フックを巻下げて巻過状態を解除する必要はない。ま
た、荷台に積荷が積載されている場合に、フックが積荷
に当たることもなくなるので、一度ブームを旋回させて
フックを荷台の外側に位置させた後、フックを巻下げて
巻過状態を解除してから、ブームを起立させるような手
間も不要となり、速やかにクレーン作業を開始できるよ
うになる。
【0029】また、クレーン作業の終了時に作業姿勢か
ら走行姿勢にする場合には、ブーム起伏用切換制御弁を
切換え倒伏操作を行う。すると、ブーム起伏用切換制御
弁のスプールの変位が変位検出手段によって検出され、
検出信号が演算装置に送られる。演算装置は、この変位
検出手段の検出データに基づいて、フック格納とブーム
倒伏の作動を連動させるために必要なウインチ用切換制
御弁の制御量を求め、ウインチ用切換制御弁の切換手段
に制御信号を送る。
【0030】この制御信号でウインチ用切換制御弁が制
御されて、ブームの倒伏に対応したウインチの巻上げが
行われるので、フック格納とブーム倒伏の作動は適切に
連動する。従って、ブームを起立させた状態からフック
を格納し、ブームを倒伏して水平にすることができ、ブ
ームの倒伏によるワイヤロープの弛みがなく再度のフッ
ク巻上操作は不要になるので、速やかに走行を開始でき
るようになる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であ
るフック操作装置を備えたクレーンの正面図、図2はク
レーンのフック操作装置の構成図である。このクレーン
51は、アウトリガ52を備えたベース54上にコラム
56が旋回自在に設けられ、このコラム56の上端部に
伸縮するブーム57が起伏自在に枢支されている。コラ
ム56にはウインチ61が設けられており、このウイン
チ61からワイヤロープ62をブーム57の先端部に導
いて、ブーム57の先端部の滑車(図示略)を介して吊
荷用のフック63に掛回すことにより、フック63をブ
ーム57の先端部から吊下している。
【0032】クレーン51は、コラム56の旋回、ブー
ム57の起伏と伸縮、及びウインチ61の巻上巻下の作
動を行うため、旋回用油圧モータ55、ブーム起伏用油
圧シリンダ59、ブーム伸縮用油圧シリンダ58、及び
ウインチ用油圧モータ60を備えている。旋回用油圧モ
ータ55、ブーム起伏用油圧シリンダ59、ブーム伸縮
用油圧シリンダ58、及びウインチ用油圧モータ60
は、何れも車両のエンジンで駆動される油圧ポンプ(図
示略)から切換制御弁装置53を介して圧油を供給する
ことにより作動する。
【0033】切換制御弁装置53は、旋回用油圧モータ
55、ブーム起伏用油圧シリンダ59、ブーム伸縮用油
圧シリンダ58、及びウインチ用油圧モータ60の各ア
クチュエータをそれぞれ制御するための旋回用切換制御
弁(図示略)、ブーム起伏用切換制御弁69、ブーム伸
縮用切換制御弁(図示略)、及びウインチ用切換制御弁
70を連結して構成した多連結弁装置であり、操作レバ
ー64による機側操作及び遠隔操作器(図示略)による
遠隔操作が可能となっている。
【0034】ブーム起伏用切換制御弁69及びウインチ
用切換制御弁70には、メインスプール71、72が内
蔵されており、このメインスプール71、72は、スプ
リング73、74で通常は中立位置に保持されている。
メインスプール71、72の一端はリンク75、76を
介して操作レバー64B、64Wと連結されている。他
端にはパイロットピストン77、78が形成され、ピス
トンロッド79、80の先端には鉄芯81、82が設け
られている。この鉄芯81、82は中空円筒形の差動ト
ランスを備えた位置検出器83、84内に挿入されてい
る。
【0035】位置検出器83、84はメインスプール7
1、72の変位量を検出するための変位検出手段であっ
て、メインスプール71、72が変位すると、鉄芯8
1、82が移動し、位置検出器83、84の差動トラン
スに誘導起電力が生じるので、メインスプール71、7
2の変位量が検出できる。その検出信号はアナログ・デ
ジタルコンバータ94、96を介して演算装置91に送
られる。
【0036】また、ブーム起伏用切換制御弁69及びウ
インチ用切換制御弁70の外側には、それぞれメインス
プール71、72の制御を行うための比例電磁式パイロ
ット弁85、86が設けられており、そのソレノイド8
7L、88L、87R、88Rには、演算装置91から
デジタル・アナログコンバータ92L、95L、92
R、95R、増幅器93L、97L、93R、97Rを
介して制御信号が送られる。
【0037】比例電磁式パイロット弁85、86は、油
圧ポンプからパイロット圧油が供給されるポートEが常
時閉、タンクへ作動油を戻すポートFが常時開となって
おり、ソレノイド87L、88L、又は87R、88R
に制御電流が入力されると左又は右のパイロットスプー
ル89L、90L、又は89R、90Rが摺動し、入力
電流値によってEポートの開口量が制御できる。従っ
て、パイロットピストン77、78の左右の油室77
L、78L、又は77R、78Rへのパイロット圧油の
供給が制御される。
【0038】油室77L、78L、又は77R、78R
の何れか一方にパイロット圧油が供給されると、メイン
スプール71、72が左又は右に移動して、サービスポ
ートA、BとポンプポートPとを連通させるので、ブー
ム起伏用切換制御弁69及びウインチ用切換制御弁70
は、ブーム起伏用油圧シリンダ59、ウインチ用油圧モ
ータ60を作動させる。
【0039】例えば、図2のブーム起伏用切換制御弁6
9のように、メインスプール71が右に移動して、サー
ビスポートBをポンプポートPとを連通させると、ブー
ム起伏用油圧シリンダ59が伸長する。ブーム起伏用油
圧シリンダ59とウインチ用油圧モータ60とは、作業
開始時にはフック63の格納状態からフック63の格納
解除とブーム57の起立の作動を、また、作業終了後は
フック63の格納とブーム57の倒伏の作動を連動する
よう制御する必要がある。
【0040】連動させる場合、ブーム起伏用油圧シリン
ダ59とウインチ用油圧モータ60とは、容量や必要作
業スピード等が異なるため、必要とする圧油量が異な
る。よって、適切に連動させるには、それぞれ必要とす
る速度を得られるよう、ブーム起伏用切換制御弁69及
びウインチ用切換制御弁70のサービスポートA、Bの
開口量を制御してそれぞれに適正量の圧油を供給するこ
とが必要となる。
【0041】このため、ブーム起伏用切換制御弁69及
びウインチ用切換制御弁70の比例電磁式パイロット弁
85、86からの圧油供給によってメインスプール7
1、72の変位量を制御する。演算装置91には、作業
開始時のフック63の格納状態からフック63の格納解
除とブーム57の起立の作動を行う場合、及び、作業終
了後のフック63の格納とブーム57の倒伏の作動を行
う場合に、連動を適切に制御するための所要制御量のデ
ータが記憶されている。
【0042】作業開始時にフック63を格納した走行姿
勢から作業姿勢にする場合には、遠隔操作器でブーム起
伏用切換制御弁69を切換え起立操作を行う。このと
き、演算装置91からの制御信号により比例電磁式パイ
ロット弁85が図2のように切換えられ、パイロットピ
ストン77が右方へ移動してメインスプール71が起立
側に切換えられ、圧油がブーム起伏用油圧シリンダ59
に供給されてブーム57が起立する。ブーム先端部に設
けられた巻過防止装置の巻過検出スイッチ(図示略)は
onの状態である。
【0043】これと同時にブーム起伏用切換制御弁69
のメインスプール71の変位量が位置検出器83によっ
て検出され、検出信号が演算装置91に送られる。演算
装置91は、この検出データに基づいて、フック格納解
除とブーム起立の作動を連動させるために必要なウイン
チ用切換制御弁70の制御量を求め、ウインチ用切換制
御弁70の比例電磁式パイロット弁86に制御信号を送
る。すると、パイロットピストン78が右方へ移動して
メインスプール72が巻下げ側に切換えられ、圧油がウ
インチ用油圧モータ60に供給されて、ウインチ61が
ワイヤロープ62を繰り出し、ブーム57の起立に対応
したウインチ61の巻下げが行われるので、フック格納
解除とブーム起立の作動は適切に連動する。
【0044】従って、ブーム57を起立させる前に、一
旦フック63を巻下げて巻過状態を解除する必要はな
く、速やかにクレーン作業を開始できるようになる。な
お、この連動操作は、ブーム先端部に設けられた巻過防
止装置の巻過防止検出スイッチがon状態時、即ちフック
格納状態にのみ有効であり、連動作動を行う。巻過防止
検出スイッチがoff 状態時は連動動作が行われず、遠隔
操作器でブーム起伏用切換制御弁69を切換え、起立操
作を行ってもブーム器服用油圧シリンダ59のみ起立作
動を行う。
【0045】クレーン作業の終了時に作業姿勢から走行
姿勢にする場合には、ブーム起伏用切換制御弁69を切
換え倒伏操作を行う。このとき、演算装置91からの制
御信号により比例電磁式パイロット弁85が切換えら
れ、パイロットピストン77が左方へ移動してメインス
プール71が倒伏側に切換えられ、圧油がブーム起伏用
油圧シリンダ59に供給されてブーム57が倒伏する。
【0046】これと同時にブーム起伏用切換制御弁69
のメインスプール71の変位量が位置検出器83によっ
て検出され、検出信号が演算装置91に送られる。演算
装置91は、この検出データに基づいて、フック格納と
ブーム倒伏の作動を連動させるために必要なウインチ用
切換制御弁70の制御量を求め、ウインチ用切換制御弁
70の比例電磁式パイロット弁86に制御信号を送る。
すると、パイロットピストン78が左方へ移動してメイ
ンスプール72が巻上げ側に切換えられ、圧油がウイン
チ用油圧モータ60に供給されて、ウインチ61がワイ
ヤロープ62を巻込み、ブーム57の倒伏に対応したウ
インチ61の巻上げが行われるので、フック格納とブー
ム倒伏の作動は適切に連動する。
【0047】従って、ブームを起立させた状態からフッ
クを格納し、ブームを倒伏して水平にすることができ、
ブームの倒伏によるワイヤロープの弛みがなく再度のフ
ック巻上操作は不要になるので、速やかに走行を開始で
きるようになる。なお、メインスプール72が変位する
と、位置検出器84で変位量が検出されて演算装置91
にフィードバックされ、演算装置91はフィードバック
された値と制御信号の出力値とを比較し、過不足があれ
ば補正を行うため、ウインチ用切換制御弁70は正確な
制御が可能となる。
【0048】遠隔装置器を使用せず、操作レバー64を
用いて手動操作する場合にも、ブーム起伏用切換制御弁
69のメインスプール71の変位量が位置検出器83に
よって検出され、同様にしてウインチ用切換制御弁70
の制御が行われる。このクレーンのフック操作装置は、
従来のようなフック格納用切換弁45や格納起伏連動用
切換弁44を用いていないので、複雑な配管が不要とな
り、構造が簡単である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のクレー
ンのフック操作装置は、作業開始時にはフックの格納状
態からフックの格納解除とブームの起立の作動を、ま
た、作業終了後はフックの格納とブームの倒伏の作動を
連動させることができる。また、複雑な油圧配管が必要
なく構造が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるフック操作装置を
備えたクレーンの正面図である。
【図2】クレーンのフック操作装置の構成図である。
【図3】従来の車両搭載型クレーンの側面図である。
【図4】従来の車両搭載型クレーンの作動の説明図であ
る。
【図5】従来の車両搭載型クレーンの作動の説明図であ
る。
【図6】従来のクレーンのフック操作装置の構成を示す
油圧回路図である。
【符号の説明】
51 クレーン 53 切換制御弁装置 54 ベース 56 コラム 57 ブーム 59 ブーム起伏用油圧シリンダ 60 ウインチ用油圧モータ 61 ウインチ 62 ワイヤロープ 63 フック 64 操作レバー 69 ブーム起伏用切換制御弁 70 ウインチ用切換制御弁 71 メインスプール 72 メインスプール 77 パイロットピストン 78 パイロットピストン 79 ピストンロッド 80 ピストンロッド 81 鉄芯 82 鉄芯 83 位置検出器 84 位置検出器 85 電磁比例式パイロット弁 86 電磁比例式パイロット弁 91 演算装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブーム起伏用油圧シリンダによって起伏
    作動を行うブームと、ウインチ用油圧モータによってフ
    ックの巻上げ巻下げ作動を行うウインチと、巻過防止装
    置と、フック格納装置とを備えたクレーンにおいて、 ブーム起伏用油圧シリンダを操作するブーム起伏用切換
    制御弁とウインチ用油圧モータを操作するウインチ用切
    換制御弁とに、そのメインスプールを切り換える切換手
    段とメインスプールの変位量を検出する変位検出手段と
    をそれぞれ設けると共に、 前記変位検出手段の検出データに基づいて、フック格納
    解除とブーム起立の作動、又はフック格納とブーム倒伏
    の作動を連動させるための所要制御量を求め、前記切換
    手段に制御信号を送る演算装置を設けたことを特徴とす
    るクレーンのフック操作装置。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000344472A (ja) * 1999-05-31 2000-12-12 Furukawa Co Ltd フック吊下長さ保持装置
JP2001039684A (ja) * 1999-07-29 2001-02-13 Furukawa Co Ltd クレーンのフック操作装置

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