JP2002343993A5 - - Google Patents

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JP2002343993A5
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【書類名】 明細書
【発明の名称】 薄膜多結晶太陽電池及びその形成方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板と、該基板上に設けられ、1つの伝導型制御不純物がドーピングされたSiからなる第一の半導体層と、該第一の半導体層上に設けられ、該第一の半導体層と同じ伝導型の制御不純物が前記第一の半導体層よりも低い濃度にドーピングされた多結晶Siからなる第二の半導体層と、該第二の半導体層上に設けられ、上記不純物とは逆の伝導型制御不純物がドーピングされた第三の半導体層と、を有する太陽電池において、上記第一の半導体層内において発生した結晶核から成長した結晶粒が、前記第一の半導体層および第二の半導体層を連続して成長し、かつ基板表面に平行な方向にも隣接する結晶粒と接するまで成長し、かつ基板表面に垂直な方向の成長は第三の半導体層との界面まで成長していることを特徴とする薄膜多結晶太陽電池。
【請求項2】 基板と、該基板上に設けられ、1つの伝導型制御不純物がドーピングされたSiからなる第一の半導体層と、該第一の半導体層上に設けられた真性伝導型のSiからなる第二の半導体層と、該第二の半導体層上に設けられ、上記不純物とは逆の伝導型制御不純物がドーピングされた第三の半導体層と、を有する太陽電池において、
上記第一の半導体層内において発生した結晶核から成長した結晶粒が、前記第一の半導体層および第二の半導体層を連続して成長し、かつ基板表面に平行な方向にも隣接する結晶粒と接するまで成長し、かつ基板表面に垂直な方向の成長は第三の半導体層との界面まで成長していることを特徴とする薄膜多結晶太陽電池。
【請求項3】 第一の半導体層における基板表面に垂直な方向に成長する結晶の結晶核密度が、1×1010/cm−3以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜多結晶太陽電池。
【請求項4】 第一の半導体層において、結晶核より成長した結晶が基板表面に平行な方向に隣接する結晶と接するまで成長する領域の形状は、成長方向と平行な断面における頂角が60°以上の錐形をしていることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜多結晶太陽電池。
【請求項5】 第二の半導体層において、第三の半導体層との界面まで成長した結晶の基板と基板表面に平行な方向の平均粒径が、100nm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜多結晶太陽電池。
【請求項6】 第二の半導体層において、第三の半導体層との界面まで成長した結晶の界面での形状は20nm以上の凹凸があることを特徴とする請求項1または2記載の薄膜多結晶太陽電池。
【請求項7】 基板上に、1つの伝導型制御不純物をドーピングした薄膜Siの第一の半導体層を積層させ、その上に同じ伝導型の制御不純物を前記第一の半導体層よりも低い濃度にドーピングした薄膜多結晶Siの第二の半導体層を積層させ、さらにその上に上記不純物とは逆の伝導型制御不純物をドーピングした薄膜の第三の半導体層を積層させ、n/n/pあるいはp/p/nの半導体接合をさせた構造の太陽電池の形成方法において、堆積処理とプラズマ処理とを繰り返すことにより前記第一の半導体層を形成し、次いで、前記第一の半導体層中で発生した結晶核を基板と基板表面に垂直な方向に成長させ、かつ基板表面に平行な方向にも隣接する結晶粒と接するまで成長させ、かつ成長は第二の半導体層中においても連続して、第三の半導体層との界面まで成長させることにより第二の半導体層を形成することを特徴とする薄膜多結晶太陽電池の形成方法。
【請求項8】 基板上に、1つの伝導型制御不純物をドーピングした薄膜Siの第一の半導体層を積層させ、その上に真性伝導型の薄膜Siの第二の半導体層を積層させ、さらにその上に上記不純物とは逆の伝導型制御不純物をドーピングした薄膜の第三の半導体層を積層させ、n/i/pあるいはp/i/nの半導体接合をさせた構造の太陽電池において、堆積処理とプラズマ処理とを繰り返すことにより前記第一の半導体層を形成し、次いで、前記第一の半導体層中で発生した結晶核を基板と基板表面に垂直な方向に成長させ、かつ基板表面に平行な方向にも隣接する結晶と接するまで成長させ、かつ成長は第二の半導体層中においても連続して、第三の半導体層との界面まで成長させることにより第二の半導体層を形成することを特徴とする薄膜多結晶太陽電池の形成方法。
【請求項9】 第一の半導体層における基板表面に垂直な方向に成長する結晶の結晶核密度を1×1010/cm−3以下とすることを特徴とする請求項7または8に記載の薄膜多結晶太陽電池の形成方法。
【請求項10】 第一の半導体層において、結晶核より成長した結晶が基板表面に平行な方向に隣接する結晶と接するまで成長する領域の形状は、成長方向と平行な断面における頂角が60°以上の錐形をしていることを特徴とする請求項7または8記載の薄膜多結晶太陽電池の形成方法。
【請求項11】 第二の半導体層において、第三の半導体層との界面まで成長した結晶の基板と基板表面に平行な方向の平均粒径が、100nm以上であることを特徴とする請求項7または8記載の薄膜多結晶太陽電池の形成方法。
【請求項12】 第二の半導体層において、第三の半導体層との界面まで成長した結晶の界面での形状は20nm以上の凹凸があることを特徴とする請求項7または8記載の薄膜多結晶太陽電池の形成方法。
【請求項13】 第一の半導体層の形成時に、膜の堆積と水素プラズマ処理とを交互に行うことを特徴とする請求項7または8記載の薄膜多結晶太陽電池の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は薄膜多結晶太陽電池及びその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
薄膜多結晶Si太陽電池は、CVD法、エピタキシャル成長法等による成膜工程によって形成された多結晶Si膜を有するものであり、ウエハ中に半導体接合を形成して製造されるバルクの結晶太陽電池に比べ、製造コストが低く、a−Si太陽電池に比べ高い光電変換効率が期待され、次世代太陽電池の有力な候補である。従来の薄膜多結晶Si太陽電池の代表的な構造は、図15に示すようなPN接合、あるいは図16に示すようなPIN接合がある。
【0003】
図15において、81は支持体を兼ねた基板であり、82は導電性の金属膜であり、光の反射層としても作用する。83は一つの伝導型の不純物をドーピングした多結晶Si薄膜半導体層であり、82の金属膜と84の半導体層との電気的接触を良好にするためにおかれている。84は多結晶Si薄膜半導体層であり、通常83と同じ型の不純物が前記半導体層83よりも低い濃度にドーピングされている。この層内に85の層との接触による電位分布が形成されており、光電荷の発生層として作用する。85は83および84とは反対の伝導型の不純物をドーピングした薄膜半導体層である。87は光の反射防止層であり、効率的に光を取り込むように付けられている。86は電流を取り出すための集電電極である。
【0004】
また結晶粒径が小さい多結晶Siからなる膜を用いる場合は、電流をドリフトにより流すために、図16のようなpin構造がもちいられる。91は支持体を兼ねた基板であり、92は導電性の金属膜であり、光の反射層としても作用する。93は一つの伝導型の不純物をドーピングした多結晶Si薄膜半導体層である。94は真性の多結晶Si薄膜半導体層である。
【0005】
95は93とは反対の伝導型の不純物をドーピングした薄膜半導体層である。93の層と95の層とに挟まれた94の真性半導体層内に電界が形成され、その電界にそって94の膜内で発生した電荷は流れる。97は光の反射防止層であり、効率的に光を取り込むように付けられている。96は電流を取り出すための集電電極である。
【0006】
このような構造の太陽電池はその作製において、バルク結晶Siのようにスライシング、ポリシングの工程が不要であるので、製造コストを低く抑えることが可能である。またガラス、金属等の基板に作製することが可能なため、連続的な製造も可能となる。そのためa−Si太陽電池との積層も可能になり、長波長光の吸収、光電荷発生層として、多結晶Si薄膜半導体層は有望な材料である。同じく長波長光の吸収、光電荷発生層として用いられているa−SiGe膜はその原料であるGeHガスのコストが高いからである。
【0007】
図15あるいは図16の構造の多結晶Si太陽電池を作製し、その特性を評価すると、短絡電流、曲線因子が試料間で大きく異なる事がみられた。また短絡電流、曲線因子が共に良好な特性の試料は得られなかった。短絡電流、曲線因子が共に良好な特性の試料は得ることが、薄膜多結晶Si太陽電池の重要な研究課題であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、短絡電流、曲線因子が共に良好な特性の薄膜多結晶Si太陽電池を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は第1に、基板と、該基板上に設けられ、1つの伝導型制御不純物がドーピングされたSiからなる第一の半導体層と、該第一の半導体層上に設けられ、該第一の半導体層と同じ伝導型の制御不純物が前記第一の半導体層よりも低い濃度にドーピングされた多結晶Siからなる第二の半導体層と、該第二の半導体層上に設けられ、上記不純物とは逆の伝導型制御不純物がドーピングされた第三の半導体層と、を有する太陽電池において、上記第一の半導体層内において発生した結晶核から成長した結晶粒が、前記第一の半導体層および第二の半導体層を連続して成長し、かつ基板表面に平行な方向にも隣接する結晶粒と接するまで成長し、かつ基板表面に垂直な方向の成長は第三の半導体層との界面まで成長していることを特徴とする薄膜多結晶太陽電池を提供する。
【0010】
また、本発明は第2に、基板と、該基板上に設けられ、1つの伝導型制御不純物がドーピングされたSiからなる第一の半導体層と、該第一の半導体層上に設けられた真性伝導型のSiからなる第二の半導体層と、該第二の半導体層上に設けられ、上記不純物とは逆の伝導型制御不純物がドーピングされた第三の半導体層と、を有する太陽電池において、上記第一の半導体層内において発生した結晶核から成長した結晶粒が、前記第一の半導体層および第二の半導体層を連続して成長し、かつ基板表面に平行な方向にも隣接する結晶粒と接するまで成長し、かつ基板表面に垂直な方向の成長は第三の半導体層との界面まで成長していることを特徴とする薄膜多結晶太陽電池を提供する。
上記第1の構成としては、n/n/pあるいはp/p/nの構造を有する太陽電池が挙げられ、上記第2の構成としては、n/i/pあるいはp/i/nの構造を有する太陽電池が挙げられる。
【0011】
本発明の薄膜多結晶太陽電池の形成方法は、基板上に、1つの伝導型制御不純物をドーピングした薄膜Siの第一の半導体層を積層させ、その上に同じ伝導型の制御不純物を前記第一の半導体層よりも低い濃度にドーピングした薄膜多結晶Siの第二の半導体層を積層させ、さらにその上に上記不純物とは逆の伝導型制御不純物をドーピングした薄膜の第三の半導体層を積層させ、n/n/pあるいはp/p/nの半導体接合をさせた構造の太陽電池の形成方法において、堆積処理とプラズマ処理とを繰り返すことにより前記第一の半導体層を形成し、次いで、前記第一の半導体層の表面から、基板と基板表面に垂直な方向に結晶成長させ、かつ基板表面に平行な方向にも隣接する結晶粒と接するまで成長させ、かつ成長は第二の半導体層中においても連続して、第三の半導体層との界面まで成長させることにより第二の半導体層を形成することを特徴とする。
【0012】
ここで第一の半導体層における基板表面に垂直な方向に成長する結晶の結晶核密度が、1×1010/cm−3以下であることが好ましい。
【0013】
また第一の半導体層において、結晶核より成長した結晶が基板表面に平行な方向に隣接する結晶と接するまで成長する領域の形状は、成長方向と平行な断面における頂角が60°以上の錐形をしていることが好ましい。
【0014】
また第二の半導体層において、第三の半導体層との界面まで成長した結晶の基板と基板表面に平行な方向の平均粒径が、100nm以上であることが好ましい。
【0015】
また第二の半導体層において、第三の半導体層との界面まで成長した結晶の界面での形状は20nm以上の凹凸があることが好ましい。
なお、上記本発明において「半導体層内で発生」もしくは「半導体層中で発生」という場合、当該半導体層と他の層または基板との界面で発生する場合は含まない。
【0016】
【作用】
本発明によれば、第一の半導体層中より結晶核が発生し、第二の半導体層中を第三の半導体層との界面まで成長している結晶粒で構成される結晶層を光電荷の発生層および輸送層として用いた太陽電池においては、結晶粒内で発生した電荷が結晶粒界およびノンドープ非晶質Si等の高抵抗層の影響を受けることなく基板と基板表面に垂直な方向に輸送されるため、曲線因子の特性がよくなる。また上記結晶粒の平均粒径が100nm以上であることおよび結晶の界面での形状は20nm以上の凹凸があることにより、短絡電流の大きい特性が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施態様例である。1は支持体を兼ねた基板であり、2は導電性の金属膜であり、光の反射層としても作用する。3は一つの伝導型の不純物をドーピングしたSi薄膜半導体層(第一の半導体層)である。4の半導体層との電気的接触を良好にするためにおかれている。4は、第一の半導体層3と同じ型の不純物が前記第一の半導体層よりも低い濃度にドーピングされているSi薄膜半導体層(第二の半導体層)であり、この層内に5の層との接触による電位分布が形成されており、光電荷の発生層として作用する。5は3および4とは反対の伝導型の不純物をドーピングした薄膜半導体層(第三の半導体層)である。7は光の反射防止層であり、効率的に光を取り込むように付けられている。
【0018】
第一の半導体層3と2の金属膜(反射層)との界面近傍には一つの伝導型の不純物をドーピングした非晶質Si膜が形成されている。該非晶質Si膜中に結晶核が形成され、該結晶核から結晶が基板と基板表面に垂直な方向に成長し、かつ基板表面に平行な方向にも隣接する結晶と接するまで成長し、その後結晶は4の第二の半導体層中においても連続して成長し、5の第三の半導体層との界面まで到達している。
【0019】
第一の半導体層3における基板表面に垂直な方向に成長する結晶の結晶核密度が、1×1010/cm−3以下である。
【0020】
また3の第一の半導体層において、結晶核より成長した結晶が基板表面に平行な方向に隣接する結晶と接するまで成長する領域の形状は、成長方向と平行な断面における頂角が60°以上の錐形をしている。
【0021】
また4の第二の半導体層においても連続して成長し、5の第三の半導体層との界面まで到達した結晶の基板と基板表面に平行な方向の平均粒径が、100nm以上である。
【0022】
また4の第二の半導体層においても連続して成長し、5の第三の半導体層との界面まで到達した結晶の界面での形状は20nm以上の凹凸がある。
【0023】
6は電流を取り出すための集電電極である。基板1は、通常、金属、ガラスあるいは合成樹脂等が使用され、太陽電池の構成物質の支持体としての役割を担う。基板の表面に金属層2が形成され、電極の役割をする。金属層の形成には、通常の蒸着法、スパッタリング法、印刷法、塗布法等が使用される。基板が金属等の導電材料で形成されている場合は、そのまま基板を電極として兼用しても良い。また、電極の抵抗を低くしたいとき、あるいは、電極で光を反射させ多結晶Si半導体層での光の吸収を促進したい場合には、この上に低抵抗率で、高反射率のAg,Al,Cu等の金属を単体あるいは合金にして、単層あるいは積層して形成し、電極および反射層としても良い。
【0024】
また1の基板表面に、0.1−100μm程度の凹凸をつけること、あるいは2の金属膜に300℃以上の温度で成膜したAg膜のような凹凸の表面形状を有する膜を用いることにより、金属膜表面での乱反射を大きくし、反射光により4の第二の半導体層中での光の吸収を増大し、発電電流量を増やすことができる。7の光の反射防止層も凹凸の表面形状を有するならば、2の金属膜で反射した光はこの層でも乱反射され、再び4の第二の半導体層中を進む光の割合は大きくなる。その結果、光は太陽電池内に閉じ込められ、4の第二の半導体層中を行き来することとなる。その結果4の第二の半導体層中での光の吸収量は増大する。この効果は、光の吸収係数の比較的小さい波長領域、物質で大きい。結晶Siの長波長光の吸収に有利である。その結果、厚さの薄い結晶Si薄膜でも十分な発電電流が得られることになる。
【0025】
1の基板表面に、凹凸をつけること、あるいは2の金属膜に凹凸の表面形状を有する膜を用いることにより、その上に作る太陽電池の構造もその凹凸の形状を反映したものになり、シャントしやすくなる。そのためシャントの影響がセル全体にひろがるのを防止するために、2の金属膜の上にZnO,Inのような透明で、かつ縦方向の導伝性の高い物質の層を形成することもある。ZnO,Inは柱状の結晶構造を形成するため、横方向の伝導度は低く、縦方向の伝導度は高いが、金属に比べ、低く、それだけでも適度な抵抗がある。
【0026】
3、4、5のSi半導体薄膜の作製方法は、使用する基板によって種々の方法が適宜もちいられる。代表的なものとしては、たとえば、(1)原料ガス(SiH,SiCl,Si,SiF等のガス)を加熱した基板上で分解してSi膜を得るCVD法;(2)SiH,Si,SiF,Si,SiCl,SiF等の原料ガスを多量のHとともに基板を装着したチャンバー内に流し、RF,LF,VHF,マイクロ波等の電力を印加した条件下でグロー放電をおこし堆積するプラズマ放電法;(3)成膜空間に隣接されたそれぞれ別の空間で生成されたSiF(n=1〜3)ラジカルとHラジカルとを、前記成膜空間に導入し、SiFラジカルとHラジカルとを気相中で衝突、反応させることにより、膜成膜用ラジカルSiF (l+m≦3)を生成させ、前記成膜空間にある基板にSi膜を形成する堆積法(HRCVD法)等が挙げられる。特に500℃以下の温度で、結晶粒径が1000Å以上の多結晶膜を作製するには(3)のHRCVD法が優れている。
【0027】
伝導型制御用不純物の導入方法としては、イオン打ち込み法、ラジカル打ち込み法、拡散法等、堆積後のSi層に導入する方法、成膜時に原料ガスに混合させ、堆積とともに不純物を導入する方法があり、適宜用いることができる。一つの伝導型の不純物をドーピングしたSi薄膜半導体層3(第一の半導体層)は、4の第二の半導体層と金属層2との電気的接触良好な状態にするために導入される。その結果4の第二の半導体層と3の第一の半導体層との間に、および3の第一の半導体層と金属層2との間に電気的な障壁が形成されず、オーミック接触が得られている。
4の第二の半導体層は、光を吸収し、電荷を発生させ、発電を行なう層である。4の第二の半導体層の厚さとしては、入射した光を吸収するのに十分な厚さが必要である。しかし、あまり厚いと電荷の走行距離が増大するため外部へ取り出される電流が減少する。また、コストを考えた場合、層が厚くなると生産時間が長くなりまた材料の使用量が増える分不利である。
【0028】
4の第二の半導体層は、金属層2との組み合わせにより、入射した光を効率よく吸収させることが可能となり、その結果、膜厚を薄くすることができる。好ましい膜厚は1μm以上10μm以下である。また層3とは反対の伝導型の不純物をドーピングした薄膜半導体層5と良好なpn接合を形成するため伝導型制御用の不純物をわずかに混入させてある。すなわち、4の第二の半導体層は5の第三の半導体層とは反対の伝導型とし、3の第一の半導体層とは接合を形成せずオーミック接触が得られるように同じ伝導型にする必要がある。
【0029】
4の第二の半導体層は、3の第一の半導体層で形成された結晶核から成長した基板表面に垂直な方向に一つの結晶粒としてつながっている多結晶Siよりなっている。4の第二の半導体層の不純物量は、pn接合を形成したとき空乏層が4の第二の半導体層全体に拡げるためには、多過ぎても良くない。しかし少な過ぎると、直列抵抗成分が大きくなるため、外部へ取り出すときに損失になってしまう。そのため、一般的には4の第二の半導体層の抵抗率が0.1Ω・cm〜100Ω・cmの範囲になるように不純物の混入量は調整される。
【0030】
5の第三の半導体層は、4の第二の半導体層とpn接合を形成するための層である。4の第二の半導体層とpn接合を形成したときに、4の第二の半導体層で光が十分に吸収され、電荷が発生できるためには、5の第三の半導体層の厚さは薄くするのが望ましい。望ましい厚さは2000Å以下である。また4の第二の半導体層と開放電圧の大きいpn接合を作るためには、価電制御用の不純物が多量に導入する必要がある。また導入した不純物により、自由電子あるいはホールが効率よく作られ、フェルミレベルが伝導帯側、あるいは価電子帯側に十分に動かされることが重要である。一般には、抵抗率が1Ω・cm以下になるように、多量に不純物が導入される。
【0031】
5の第三の半導体層としては、通常は非晶質シリコン、非晶質シリコンカーバイド、多結晶シリコン、多結晶シリコンカーバイドが適している。
【0032】
集電電極6は、5の第三の半導体層に集められた電荷を外部回路に流すために用いられる。集電電極は、蒸着法、ペースト塗布法等により、導電率の高いAg,Al,Cu等の金属をグリッド状あるいはくし形状に形成する、あるいは、ワイヤー状の金属を5の第三の半導体層の上に張り付けることにより形成される。
【0033】
集電電極の巾はできる限り細く間隔は広い方が、4の第二の半導体層に入射する光量が多くなり望ましいが、逆にあまり巾を細く、間隔を広くすると直列抵抗が高くなり、外部回路へ効率よく発生電荷を取り出せなくなる。従って、通常は巾0.02〜1mmで間隔1mm〜5cmに選ばれる。実際の集電電荷の巾、間隔は第三の半導体層5及び反射防止層7の表面抵抗の値によって、適宜決められる。
【0034】
反射防止層7は、太陽電池セルに入射した光が効率より、第二の半導体層4の中へ入射するように、第三の半導体層5の上に設けられる。通常、金属酸化物、例えばIn,SnO,TiO,ZnO,ZrO等が用いられる。
【0035】
反射防止層の膜厚は、材料の屈折率を考慮して、反射が最も小さくなるような厚さに設定される。
【0036】
なお、反射防止層に抵抗率の低い材料を用い、その表面抵抗が第三の半導体層5の表面抵抗より低いときは、集電電極6が反射防止層7の上に配置された構造でも良い。
【0037】
図2に、本発明の太陽電池の他の構成例を示す。図1と異なる点は第一の半導体層33および第二の半導体層34と第三の半導体層35とで、pin接合を形成している点にある。
【0038】
第二の半導体層34のフェルミ準位はバンドギャップの中央付近にあり、真性の伝導を示す。伝導型制御用の不純物は、全く含まれないか、あるいはフェルミ準位をバンドギャップの中央付近にもっていくために、作製時に意図せずに含まれる不純物と逆の伝導型制御用の不純物が補償用としてわずかに含まれる。
【0039】
この構成は、第二の半導体層において、少数電荷の拡散長が短く、有効に光を吸収する程度に第二の半導体層を厚くすると、拡散電流が十分にとれなくなる場合に一般に用いられる。即ち、内部電界によるドリフトによって電流をとろうとする方法である。
【0040】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
【0041】
(実施例1)
図1の構成の太陽電池を下記の手順で作製した。
【0042】
厚さ1mm、面積5cm×5cmのステンレス基板をアセトン、イソプロピルアルコールで洗浄し、十分乾燥した後、電子ビーム蒸着装置に装着した。装置内の真空度を1.33×10−4Pa以下にした後、Agを約500Å成膜し、反射層2を基板1の上に形成した。基板1を取り出し、図4のプラズマ成膜装置の基板ホルダー57上に設置した。この時基板温度は室温のままにした。
【0043】
以下本実施例で用いたプラズマ成膜装置について記す。図3において、41は真空チャンバー、42は真空排気管で、不図示のターボポンプ及びロータリーポンプに接続され、真空チャンバー内を真空に排気する。43は原料ガスの吹き出し口で、原料ガスの供給管44を通じて原料ガスが供給される。原料ガスの供給管の途中には、圧縮空気で動作するバルブ45が取り付けられており、ポンプの停止等の非常時に原料ガスがチャンバー内に導入されるのを防止している。
【0044】
原料ガスの供給管44には、それぞれのガスのマスフローコントローラー46〜50が接続され、それぞれのガスが必要な流量でチャンバーに供給される。また、本実施例で用いたマスフローコントローラーは、圧電材料を流量制御用バルブに用いたもので、応答速度は0.2sec程度である。46はSiHガスのマスフローで、51の供給管より不図示のガスボンベからSiHガスが供給されている。同様に47,48,49,50はそれぞれSiFガス、Hガス、Hガスで0.5%に希釈したPHガス、Hで0.5%に希釈したBFガスのマスフローコントローラーである。52,53,54,55はそれぞれのガスのマスフローコントローラーへのガス供給管で、不図示のそれぞれのガスボンベと接続されている。
【0045】
56はプラズマを生起するための電極であり、マッチングボックス58を介して105MHzの高周波電波59と接続されている。57は基板ホルダーで、アースに接続されている。原料ガスを流し、高周波電波59より高周波を印加すると、電極56と基板ホルダー57との間でプラズマ放電が起こる。基板ホルダー57の表面には基板1が取り付けられ、内部には加熱用ヒーター60と熱電対61が挿入されている。加熱ヒーター60と熱電対61のそれぞれのリード線は、温度コントローラー62に接続され、基板ホルダー57は設定した温度に保たれる。63はチャンバー内の圧力を測定するための圧力計で、64はチャンバー内の圧力をコントロールするための圧力コントロールバルブである。65は圧力をコントロールするための制御系であり、これにより原料ガスの流量が変化しても、チャンバー内の圧力は設定された一定値に保たれる。
【0046】
基板1を基板ホルダー57に設置した後、チャンバー内を1×10−4Pa以下に排気した。
【0047】
その後、基板の温度が400℃になるように、温度コントローラー62を設定し、基板ホルダー57を加熱用ヒーター60で加熱した。
【0048】
設定温度になった後、SiHガス用のマスフローコントローラーにより、SiHガスを0.1sccm、SiFガス用のマスフローコントローラーにより、SiFガスを40sccm、Hガス用のマスフローコントローラーによりHガスを70sccm、PHガス用のマスフローコントローラーによりHガスで0.5%に希釈したPHガスを5sccm流し、圧力コントローラー65により、チャンバー内の圧力を50Paに設定した。この状態で、電極56に高周波電源59から105MHzの高周波電力を20W印加し、電極56と基板ホルダー57との間にプラズマ放電を生起した。SiHガス、SiFガス、Hガスで0.5%に希釈したPHガスは、各マスフローコントローラーへの信号を制御することにより、10秒ごとに導入および遮断を繰り返して、チャンバー内に導入した。一方、Hガスは常にチャンバーに70sccmを導入した。その結果、10秒ごとに膜の堆積とHプラズマ処理が行われたことになった。
【0049】
10分間この膜の堆積とHプラズマ処理を行ない、基板上には約400ÅのPをドーピングした薄膜Si半導体層(第一の半導体層)3を堆積した。その後、高周波電力の印加を中止した。
【0050】
次にHガスで0.5%に希釈したPHガス流量を0.2sccmに変化し、他のガスの流量はそのままにして、基板を400℃に加熱したまま、チャンバー内の圧力を圧力コントローラーで50Paに設定し、30分放置した。
その後、この状態で105MHzの高周波電力20Wを電極56に印加して、プラズマ放電を電極56と基板ホルダー57との間に生起した。すべてのガスは連続して流した。
この状態を6時間放置し、Pをドーピングした薄膜Si半導体層(第一の半導体層)3の上に厚さ約3μmのPが前記第一の半導体層よりも低い濃度にドーピングされているSi薄膜半導体層(第二の半導体層)4を形成した。
【0051】
次に、基板温度を350℃に変化し、チャンバー内を十分に真空排気した後、SiHガスを0.5sccm,Hガスを100sccm,Hで0.5%に希釈したBFガスを2.0sccm導入し、チャンバー内の圧力を50Paに設定した。そして、高周波電源より105MHzの高周波電力40Wを印加した。
【0052】
高周波電力の印加を5分間おこなった結果、基板1の多結晶シリコン層4の上に厚さ150ÅのBをドープしたp型の薄膜Si半導体層(第三の半導体層)5が成膜できた。
【0053】
このようにして、ステンレス基板1上に、Agよりなる反射金属層2、高濃度にPをドープした第一の半導体層3、少量Pをドープした第二の半導体層4、Bを多量にドープした第三の半導体層5よりなっているn/n/p構造のpn接合が形成された。
【0054】
次に、多結晶シリコンのpn接合を形成した基板をプラズマ成膜装置より取り出し、電子ビーム蒸着機に装着した。マスクを基板の表面に装着し、Cr/Ag/Crの三層構造で巾0.1mm、間隔5mmのくし型集電電極6を形成した。
【0055】
次に上記基板をスパッター装置に取り付け、Inターゲットを用い10Paの酸素雰囲気中でスパッタを行い、集電電極6の上に厚さ650Å反射防止層7を堆積した。
【0056】
このようにして、図1に示す構造の太陽電池を作製した。以下、太陽電池Aと呼ぶ。この太陽電池の結晶性をX線回折で観察したところ、(110)面に強く配向した多結晶膜であった。
【0057】
比較のために同じ作製手順で、ただしPをドーピングした薄膜Si半導体層(第一の半導体層)3の作製手順のうち、SiHガス、SiFガス、Hガスで0.5%に希釈したPHガスを連続的にチャンバー内に導入した。その他の条件は、同じにして太陽電池も作製した。
【0058】
以下、これを比較太陽電池Bと呼ぶ。
【0059】
また別の比較例として、比較太陽電池Bとおなじ作製手順で、ただしPをドーピングした薄膜Si半導体層(第一の半導体層)3を作製した後、基板を400℃に加熱したまま、SiHガスを0.1sccm、SiFガスを10sccm、Hガス用のマスフローコントローラーによりHガスを100sccm,PHガス用のマスフローコントローラーによりHガスで0.5%に希釈したPHガスを0.2sccm流し圧力コントローラー65により、チャンバー内の圧力を50Paに設定した。この状態で、電極56に高周波電源59から105MHzの高周波電力を20W印加し、5分間成膜した。
その後放電をとめ、SiFガスを40sccm、Hガスを70sccmに変え、圧力が50Paに落ち着いたところで、再び105MHzの高周波電力を20W印加し、6時間成膜した。その結果、第一の半導体層3の上に厚さ約3μmのPが前記第一の半導体層よりも低い濃度にドーピングされているSi薄膜半導体層(第二の半導体層)4を形成した。
【0060】
その後、太陽電池A、及びBと同様Bをドープしたp型の薄膜Si半導体層(第三の半導体層)5、くし型集電電極、反射防止層を作製した。以下、これを比較太陽電池Cと呼ぶ。作製した太陽電池Aおよび比較太陽電池B,Cの特性をAM1.5シミュレーターで100mW/cmの光を照射し、I−V特性を測定した結果をそれぞれ図5、6、7に示す。
【0061】
太陽電池Aにおいては、短絡電流、曲線因子とも優れている。比較太陽電池Bにおいては、I−Vカーブは異常な形をしており、曲線因子は悪い。そのため短絡電流は太陽電池Aに比べ、大きくないが、セルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流、セル内で発生した光電荷を強制的に外部回路に流した時とれる電流量は大きい。I−Vカーブの異常な形より直列に抵抗の高い成分が存在するような構造が示唆される。
【0062】
比較太陽電池Cは曲線因子は良いが、短絡電流、セルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流ともに小さい。
【0063】
これらの太陽電池の結晶構造を観るために、断面TEM像をとって、この太陽電池の結晶構造を観察した結果をそれぞれ図8、9、10に示す。
【0064】
ここで、n,nを分ける境界はSIMSによるP原子の分析結果、および各層の堆積時間、堆積速度より推定した。
【0065】
図8に概念的に示されているように、n層(第一の半導体層)中で発生した結晶粒が連続してn層(第二の半導体層)中を貫いて成長している。かかる構造のために光照射により第二の半導体層で発生した電荷が妨げられることなく第二の半導体層及び第一の半導体層を流れ、外部回路に効率良く取り出される。太陽電池Aの試料は、n層中で結晶核が発生し、その結晶核をもとに結晶が角度80°ぐらいの頂角(成長方向と平行な断面における頂角)をもった変形した形の円錐の構造で、成長している。TEM像より見積った基板表面に垂直な方向に成長する結晶の結晶核密度は3×10cm−3であった。基板表面に平行な方向には、隣の結晶とぶつかるまで成長している。基板表面に垂直な方向には、隣の結晶とぶつかった後、まっすぐn層中をP層との界面まで成長している。このときの横方向の結晶粒径は100〜300nmであった。結晶の先端(図面上における上端)には、50nm程度の凹凸があった。かかる凹凸のため光の多重反射を促すという新たな効果も生ずる。その上に5nm程度の粒径のBをドープしたp型の薄膜Si半導体層(第三の半導体層)5が形成されていた。
【0066】
比較太陽電池Bの試料は、結晶成長の始まりが、n層中である以外は、太陽電池Aと同じように成長している。n層中での結晶の発生は観察されなかった。n層中での結晶の発生は否定はできないが、たとえそこで結晶が発生したとしてもその結晶が堆積とともに成長することはなかった。またn層とn層中の結晶粒との間に抵抗が高い非晶質のn層が存在している。(この存在はこの部分の電子線回折像をとることにより再認した。)この抵抗が高い非晶質のn層の存在が太陽電池特性の曲線因子が悪くなっているものと思われる。
【0067】
比較太陽電池Cの試料は,太陽電池Bの試料と同様n層中での結晶の発生は観察されなかった。
層とn層との界面から、多数の結晶が垂直にn層中を成長していた。TEM像より見積った基板表面に垂直な方向に成長する結晶の結晶核密度は2×1011cm−3であった。横方向の結晶粒径は25nm程度であった。また結晶の先端の凹凸は10nm程度であった。
【0068】
また太陽電池A,B,Cの試料に長時間(約100時間)連続してAM1.5、100mW/cmの光を照射しても、特性の変化はいずれの太陽電池においても観られなかった。
【0069】
(実施例2)
図2の構造の太陽電池を以下に述べる手順で作製した。
【0070】
厚さ1mm、面積5cm×5cmのステンレス基板をアセトン、イソプロピルアルコールで洗浄し、十分乾燥した後、電子ビーム蒸着装置に装着した。装置内の真空度を1.33×l0−4Pa以下にした後、Agを約500Å成膜し、反射層32を基板31の上に形成した。
【0071】
上記基板を取り出して、図4に示したCVD成膜装置に装着した。
【0072】
以下では、図4を参照して、成膜装置の詳細に関して説明する。
【0073】
501は成膜用の真空チャンバーである。502は真空チャンバー1の排気管で、ガスの流れを均一にするため2本の管よりなっており、最終的に1本に連結され真空排気装置504に接続されている。排気管502の途中には、圧力調整用の電動バタフライバルブ503が接続されており、圧力計505の信号をもとに圧力調整器506により所望の圧力になるように開閉度が調整される。
【0074】
507は基板支持台で、その表面に成膜用の基板508が置かれている。基板支持台507にはヒーター510をうめこんだヒーターブロック509が設置されており、基板508を所望の温度に加熱するため使用される。511はヒーターブロック509の上にとりつけられた熱電対で、ヒーターブロック509の温度を測定している。基板508の表面温度を所望の温度にするため、温度コントローラー512が、ヒーターブロック509の温度をあらかじめ校正された所定値になるように制御している。
【0075】
513はベロース管で、基板支持台507の位置が図5の上下方向に動けるように取り付けてある。基板支持台507は電気的に真空チャンバー501に接続されている。
【0076】
515はマイクロ波空洞であり、ガス導入管516から導入されるH2ガスをアルミナ製のマイクロ波導入窓514を通して導入し、マイクロ波電力により励起し、プラズマグロー放電を生起することで、Hラジカルを生成する。
【0077】
517は水素ガス流量を制御するための流量制御器であり、バルブ518を介してガス管519により水素ガス用の圧力調整器(不図示)及び水素ガスボンベ(不図示)に接続されている。
【0078】
生成されたHラジカルは、Si ジカル導入管520より導入されるSi ジカルと衝突、反応することにより、膜の堆積能を有するSiH ジカルを生成する。
【0079】
521はSi ジカルを生成するためのマイクロ波空間であり、Si ジカル導入管520に連続しているSi ジカルを生成するための反応管内を流れるフッ化硅素ガスをマイクロ波プラズマ励起し、該フッ化珪素ガスを分離することによりSi ジカルを生成している。522はフッ化硅素ガスの流量制御器であり、バルブ523を介してガス管524により、フッ化珪素ガス用の圧力調整器(不図示)及びボンベ(不図示)に接続されている。
【0080】
525はドーパントラジカル導入管であり、ドーピングガスを分解することにより生成されたラジカルが導入される。導入されたドーパントラジカルは、その反応性が高い場合にはそのままの状態で、その反応性が低い場合にはHラジカルと衝突することにより還元され、反応性が高められた状態で、多結晶Si薄膜の格子に注入される。526はドーパントガスを分解するためのマイクロ波空間である。527はドーパントガスの流量制御器、528はバルブである。529はドーパントガスの導入用のガス管であり、ドーパントガス用の圧力計(不図示)及びボンベ(不図示)に接続されている。
【0081】
503は、入射波電力及び反射波電力をモニターにするための導波管である。531は入射波電力検出器であり、メーター532により入射波電力がモニターされる。533は反射波電力検出器であり、メーター534より反射波電力がモニターされる。536は導波管であり、537は、反射波電力がマイクロ波電源538に入るのを防止するためのアイソレータである。538は、Hラジカル生成のために用いるマイクロ波電源である。
【0082】
なお、Si ジカル導入管520及びドーパンドラジカル導入管525は、ラジカルの導入を基板表面に均一にするため、すなわち、膜厚を均一にするため、左右対称の位置に設置してある。
【0083】
539はテーパ状の導波管で、マイクロ波導入窓514と通常の角型導波管との接続のために用いている。535はマイクロ波電源系と負荷との整合をとるための整合器で、3本のスタブより構成されている。
【0084】
540は、シャッターで、不用な成膜が基板におこなわれないようにする。541は、シャッター開閉棒である。
【0085】
図4の装置において、基板温度を400℃に設定し、シャッター540を閉じた状態でH2ガスをガス導入管516より、流量制御装置517を介して100sccm流した。圧力コントローラー(不図示)を用いてチャンバー501内の圧力を50Paに設定した。
【0086】
チャンバー501内の圧力が50Paに安定したところでマイクロ波電力を400W印加し、水素ガスによるグロー放電プラズマをマイクロ波空洞515内に生起した。放電が安定したところで、シャッターを開けて成膜工程に移った。
【0087】
成膜工程は、次の(1)(3)の3つのプロセスからなり、これらを(1)(2)(3)(1)の順に30回繰り返し、P(リン)をドーピングした多結晶Si薄膜を堆積した。
【0088】
(1)原料ガスとして、SiFガス(流量60sccm)を、Si ジカル導入管520内に導入し、マイクロ波電力100Wを印加し、チャンバー501の室内にSi ジカルを10秒間導入し、多結晶Si薄膜を堆積する。
(2)ドーピングガスとして、Hガスで2%に希釈したPFガス(流量2sccm)を、ドーパントラジカル導入管525内に導入し、マイクロ波電力100Wを印加し、チャンバー501の室内にHラジカルと共にドーパントラジカルを10秒間導入し、堆積膜にP(リン)をドーピングする(SiFガスの導入は停止)。
【0089】
(3)ドーパントラジカルのチャンバー501の室内への導入を停止し、チャンバー501の室内にHラジカルのみを10秒間導入し、Hラジカルにより堆積膜の表面処理を行う。
【0090】
水素ガスの導入量、マイクロ波の印加電力は(1)(2)(3)の各プロセスにおいて、特に変えなかった。また、SiFガス、ドーピングガスを流さないときは、それぞれのガスを分解するマイクロ波電力の印加は中止した。
【0091】
成膜終了と共にシャッターを閉じた。この結果、PをドープしたSi膜33をAgの反射膜32の上に形成した。
【0092】
次に基板温度を550℃に設定したままシャッター540を閉じた状態で、Hガスをガス導入管516より、流量制御装置517を介して100sccm流した。圧力コントローラー(不図示)を用いてチャンバー501内の圧力が50Paに設定した。
【0093】
チャンバー501内の圧力が50Paに安定したところでマイクロ波電力を400W印加し、水素ガスによるグロー放電プラズマをマイクロ波空洞515内に生起した。放電が安定したところで、シャッターを開けて、i層の成膜工程に移った。
【0094】
i層の成膜工程は、大きく過程Iと過程IIよりなっている。
【0095】
過程Iは次の(1)(2)の2つのプロセスからなり、これを100回繰り返し、ついで休むことなく過程IIに移ってSi薄膜34を成膜した。
【0096】
過程I
(1)SiFガス(流量60sccm)を、Si ジカル導入管520内に導入し、マイクロ波電力100Wを印加し、チャンバー501の室内にSi ジカルを10秒間導入し、多結晶Si薄膜を堆積する。
【0097】
(2)Si ジカルのチャンバー501の室内への導入を停止し、チャンバー501の室内にHラジカルのみを10秒間導入し、Hラジカルによる堆積膜の処理を行う。水素ガスの導入量、水素ガス励起のマイクロ波の印加電力は(1)(2)の各プロセスにおいて、特に変えなかった。またSiFガスを流さないときは、SiFガスを分解するマイクロ波電力の印加は中止した。
【0098】
過程IIは、過程Iの(2)のプロセスがなく、Si ジカルのチャンバー501の室内への導入を停止することなく、成膜過程を連続して行なった。
【0099】
過程IIによる成膜を2時間行なった後、シャッターを閉じ成膜を終了した。
【0100】
この後、基板温度を250℃に設定し直し、安定した状態で、Hガスをガス導入管516より100sccm流した。圧力は50Paに設定した。チャンバー501内の圧力が安定したところで、15分間シャッターを開け、試料表面にHプラズマ処理を行なった。
この後、基板温度を250℃にしたまま、真空排気を十分に行なった後、放電が安定したところで、シャッターを開け、BをドープしたSi膜35の成膜工程に移った。BをドープしたSi膜35の成膜工程を、(1)(3)の3つのプロセスからなっている。
【0101】
すなわち、
(1)原料ガスとして、SiFガス(流量100sccm)を、Si ジカル導入管520内に導入し、マイクロ波電力100Wを印加し、チャンバー501の室内にSi ジカルを10秒間導入し、多結晶Si薄膜を堆積する。
【0102】
(2)ドーピングガスとして、Hガスで2%に希釈したBFガス(流量3sccm)を、ドーパントラジカル導入管525内に導入し、マイクロ波電力100Wを印加し、チャンバー501の室内にHラジカルと共にドーパントラジカルを10秒間導入し、堆積膜にB(ボロン)をドーピングする(SiFガスの導入は停止)。
【0103】
(3)ドーパントラジカルのチャンバー501の室内への導入を停止し、チャンバー501の室内にHラジカルのみを10秒間導入し、Hラジカルにより堆積膜の表面処理を行う。
【0104】
水素ガスの導入量、マイクロ波の印加電力は(1)(2)(3)の各プロセスにおいて、特に変えなかった。また、SiFガス、ドーピングガスを流さないときは、それぞれのガスを分解するマイクロ波電力の印加は中止した。
【0105】
これらを(1)(2)(3)(1)の順に3回繰り返し、BをドーピングしたSi薄膜(この場合は結晶化しており、多結晶Si薄膜である)を堆積した。このようにして、ステンレス基板31上にAgの反射膜32、n型のシリコン層33、i型のシリコン層34、p型の半導体層35を形成した。
【0106】
pn接合を形成した基板をCVD成膜装置より取り出し、再び電子ビーム蒸着機の中に挿入した。マスクを基板の表面に装着し、Cr/Ag/Crの三層よりなる集電電極を形成した。集電電極の巾は0.1mmで、間隔は5mmのくし型電極とした。
【0107】
次に上記基板をスパッター装置に挿入し、Inターゲットを用いて10Paの酸素雰囲気中で、スパッターを行い、集電電極36の上に厚さ65nmの反射防止膜37を堆積した。
このようにして、図2に示す構造の太陽電池を作成した。以下、太陽電池Dと呼ぶ。
比較のために、PをドーピングしたSi薄膜の作製を、Si ジカルおよびドーパントラジカルのチャンバー501内への導入を連続に、他は同じ条件で行ない、成膜時間を5分おこなったこと、およびi層成膜時の過程Iを省略し、過程IIの成膜時間を2時間18分にし、他は同じ条件で作製した太陽電池を作製した。この太陽電池を比較太陽電池Eと呼ぶ。
【0108】
またPをドーピングしたSi薄膜の作製を、比較太陽電池Eと同じ条件で、i層の成膜を、太陽電池Dと同様に、過程Iと過程IIの工程よりなっており、かつ過程Iの成膜時に、SiFガスの流量を10sccmとし、の成膜時間を2時間15分にし他は同じ条件で作製した太陽電池を作製した。この太陽電池を比較太陽電池Fと呼ぶ。
【0109】
このようにして、作製した太陽電池D,E,FをAM1.5シミュレーターで100mW/cmの光を照射し、I−V特性を測定した。
【0110】
その結果、太陽電池Dにおいては、短絡電流、曲線因子とも優れている。比較太陽電池Eにおいては、I−Vカーブは異常な形をしており、曲線因子は悪い。短絡電流は太陽電池Dに比べ、大きくないが、セルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流、セル内で発生した光電荷を強制的に外部回路に流した時とれる電流量は大きい。I−Vカーブの異常な形より直列に抵抗の高い成分が存在するような構造が示唆される。
【0111】
比較太陽電池Fは曲線因子は良いが、短絡電流、セルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流共に小さい。
【0112】
これらの太陽電池の結晶構造を観るために、断面TEM像をとって、この太陽電池の結晶構造を観察した。
【0113】
太陽電池Dの試料は、n層中で結晶核が発生し、その結晶核をもとに結晶が角度75°ぐらいの頂角をもった変形した形の錐の構造で、i層中をp層との界面まで成長している。TEM像より見積った基板表面に垂直な方向に成長する結晶の結晶核密度は2×10cm−3であった。基板表面に平行な方向には、隣の結晶とぶつかるまで成長している。基板表面に垂直な方向には、隣の結晶とぶつかった後、i層中をp層との界面までまっすぐ成長している。このときの横方向の結晶粒径は150−350nmであった。結晶の先端は、75nm程度の凹凸があった。その上に50nm程度の粒径のBをドープしたp型の薄膜Si半導体層(第三の半導体層)5が形成されていた。
【0114】
比較太陽電池Eの試料は、結晶成長の始まりが、i層中である以外は、太陽電池Dと同じように成長している。n層中での結晶の発生は観察されなかった。n層中での結晶の発生は否定はできないが、たとえそこで結晶が発生したとしてもその結晶が堆積とともに成長することはなかった。またn層とi層中の結晶粒との間に抵抗が高い非晶質のi層が存在している。(この存在はこの部分の電子線回折像をとることにより再認した。)この抵抗が高い非晶質のi層の存在が太陽電池特性の曲線因子が悪くなっているものと思われる。
【0115】
比較太陽電池Fの試料は,比較太陽電池Eの試料と同様n層中での結晶の発生は観察されなかった。
【0116】
n層とi層との界面から、多数の結晶が垂直にi層中を成長していた。TEM像より見積った基板表面に垂直な方向に成長する結晶の結晶核密度は9×1010cm−3であった。横方向の結晶粒径は25nm程度であった。また結晶の先端の凹凸は10nm程度であった。
【0117】
また太陽電池A,B,Cの試料に長時間(約100時間)連続してAM1.5、100mW/cmの光を照射しても、特性の変化はいずれの太陽電池においても観られなかった。
【0118】
(実施例3)
実施例2において、n層の成膜時の(3)のプロセス時間およびi層成膜時の過程Iの(2)のプロセス時間を、それぞれ0秒、5秒、20秒、30秒、にして、その他の条件は、同じにして太陽電池を作製した。ただし、n層の成膜時の(3)のプロセス時間およびi層成膜時の過程Iの(2)のプロセス時間を、それぞれ0秒、5秒にしたときは、このままでは、結晶が成長しなかったため、n層の成膜後i層成膜前に、Hガスを200sccm流し、チャンバー内の圧力を400Paにし、基板を600℃に加熱し、12時間放置した。その後基板温度を400℃にもどした。
【0119】
その後、i層成膜をおこなった。得られた太陽電池をそれぞれ太陽電池G,H,I,Jと呼ぶ。各太陽電池は、X線回折をとると、いずれも(110)に配向していた。いずれの試料のi層の層厚は、2μm程度であった。またそれぞれの断面TEM像を観察した。また各太陽電池の特性を測定した。これらの太陽電池および実施例2で作製した太陽電池D,Fの結果より、TEM像より見積った基板表面に垂直な方向に成長する結晶の結晶核密度、P層との界面での横方向の結晶粒径、p層との界面での結晶の先端の凹凸と、セルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流(Jr(−2V))との関係を表1及びそれぞれ図11、図12、図13に示す。
【0120】
【表1】
┏━━━━┳━━━━━━━┳━━━━━┳━━━━━━┳━━━━━━━━┓
┃試料名 ┃結晶核密度 ┃結晶粒径 ┃結晶表面凹凸┃Jr(−2V) ┃
┃ ┃(cm-3) ┃(nm) ┃(nm) ┃(a.u.) ┃
┣━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━━━┫
┃F ┃ 9×1010 ┃33 ┃10 ┃20 ┃
┣━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━━━┫
┃J ┃ 5×1010 ┃45 ┃15 ┃24 ┃
┣━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━━━┫
┃I ┃ 1×1010 ┃100 ┃30 ┃29 ┃
┣━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━━━┫
┃D ┃ 2×109 ┃220 ┃75 ┃30 ┃
┣━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━━━┫
┃H ┃ 3×108 ┃580 ┃20 ┃30 ┃
┣━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━━━┫
┃G ┃ 4×107 ┃1600 ┃15 ┃25 ┃
┗━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━┻━━━━━━┻━━━━━━━━┛
【0121】
これらの結果より、セルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流、セル内で発生した光電荷を強制的に外部回路に流した時とれる電流量が大きく取れるための条件は、結晶核密度が1×1010以下であること、結晶粒径が、100nm以上であること、結晶表面凹凸が、20nm以上であることがわかる。
【0122】
太陽電池Gの試料の電流量が取れない理由は、結晶粒径がおおきいため、光学吸収係数が小さくなり、層厚が2μmでは、入射した光を十分に吸収できないためと思われる。したがって層厚を厚くすれば、電流量が十分に増加すると思われる。
【0123】
しかし作製時間がその分かかる事を考えると、このような粒径の結晶は生産上不利である。
【0124】
(実施例4)
実施例2において、n層の成膜時の(1)のプロセス時の印加するマイクロ波電力を80W,150W,200Wにして、他の条件は同じにして、太陽電池をそれぞれ作製した。得られた太陽電池を、それぞれ太陽電池K,L,Mとなずけた。各太陽電池は、X線回折をとると、いずれも(110)に配向していた。いずれの試料のi層の層厚は、2μm程度であった。またそれぞれの断面TEM像を観察した。また各太陽電池の特性を測定した。これらの太陽電池および実施例2で作製した太陽電池Dの結果より、TEM像より見積った結晶核より成長した結晶が基板表面に平行な方向に隣接する結晶と接するまで成長する領域の変形した錐形状の頂角の大きさ、セルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流(Jr(−2V))を以下の表2に示す。
【0125】
【表2】
┏━━━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━━┳━━━━━━━━━┓
┃太陽電池 ┃マイクロ波電力┃錐形状の頂角 ┃Jr(−2V) ┃
┃ ┃(W) ┃(°) ┃(a.u.) ┃
┣━━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┫
┃K ┃80 ┃90 ┃31 ┃
┣━━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┫
┃D ┃100 ┃75 ┃30 ┃
┣━━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┫
┃L ┃150 ┃60 ┃29 ┃
┣━━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┫
┃M ┃200 ┃50 ┃23 ┃
┗━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━━┻━━━━━━━━━┛
【0126】
錐形状の頂角の大きさとセルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流(Jr(−2V))との関係を図14に示す。
【0127】
この結果より、セルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流、セル内で発生した光電荷を強制的に外部回路に流した時とれる電流量が大きく取れるための条件は、TEM像より見積った結晶核より成長した結晶が基板表面に平行な方向に隣接する結晶と接するまで成長する領域の変形した錐形状の頂角の大きさが、60°以上であることがわかる。
【0128】
(比較例1)
実施例2において、n層およびi層の成膜時のH流量を、10sccm、基板温度を550℃とし、他の条件は、同じにして比較の太陽電池Nを作製した。得られた太陽電池をX線回折で調べると、(100)に配向していた。太陽電池特性を測定すると、太陽電池Dに比べ、電流が30%小さかった。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように、薄膜多結晶シリコン太陽電池において、n/n/p+構造の太陽電池においては、n層中より結晶核が発生し、n層中をp層との界面まで成長している結晶粒で構成される結晶層を光電荷の発生層および輸送層として用いることによって、n/i/p構造の太陽電池においては、n層中より結晶核が発生し、i層中をp層との界面まで成長している結晶粒で構成される結晶層を光電荷の発生層および輸送層として用いることによって、短絡電流、曲線因子が共に良好な特性の太陽電池を得ることができる。
【0130】
従って、本発明により、光電変換効率の優れた薄膜多結晶シリコン太陽電池の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の太陽電池の一構成例を示す概念図である。
【図2】
本発明の太陽電池の他の構成例を示す概念図である。
【図3】
本発明の実施例1で用いた多結晶シリコン膜を作製するためのプラズマCVD成膜装置の概念図である。
【図4】
本発明の実施例2、3、4、比較例1で用いた多結晶シリコン膜を作製するためのHRCVD成膜装置の該略図である。
【図5】
実施例1の結果を示す図で、太陽電池Aの太陽電池特性を示している。
【図6】
実施例1の結果を示す図で、比較太陽電池Bの太陽電池特性を示している。
【図7】
実施例1の結果を示す図で、比較太陽電池Cの太陽電池特性を示している。
【図8】
実施例1の結果を示す図で、太陽電池AのTEM像より観察した結晶構造の概念図である。
【図9】
実施例1の結果を示す図で、比較太陽電池BのTEM像より観察した結晶構造の概念図である。
【図10】
実施例1の結果を示す図で、比較太陽電池CのTEM像より観察した結晶構造の概念図である。
【図11】
実施例3の結果を示す図で、TEM像より見積った基板表面に垂直な方向に成長する結晶の結晶核密度と、セルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流(Jr(−2V))との関係が示されている。
【図12】
実施例3の結果を示す図で、結晶粒径と、セルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流(Jr(−2V))との関係が示されている。
【図13】
実施例3の結果を示す図で、結晶の先端の凹凸と、セルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流(Jr(−2V))との関係が示されている。
【図14】
実施例4の結果を示す図で、TEM像より見積った結晶核より成長した結晶が基板表面に平行な方向に隣接する結晶と接するまで成長する領域の変形した錐形状の頂角の大きさと、セルに−2Vの逆方向電圧を印加した時の電流(Jr(−2V))との関係が示されている。
【図15】
従来の太陽電池の一構成例を示す概念図である。
【図16】
従来の太陽電池の他の構成例を示す概念図である。
【符号の説明】
1、31、81、91 基板
2、32、82、92 金属反射膜(反射層)
3、83 多結晶シリコン膜(nまたはp型)(第一の半導体層)
4、84 多結晶シリコン膜(nまたはp型)(第二の半導体層)
5、35、85、95 半導体膜(pまたはn型)(第三の半導体層)
33、93 多結晶シリコン膜(nまたはp型)
34、94 多結晶シリコン膜(真性伝導型)
6、36、86、96 集電電極
7、37、87、97 反射防止膜
41 プラズマCVD成膜用真空チャンバー
42 真空排気管
43 原料ガスの吹き出し管
44 原料ガスの供給管
45 真空バルブ
46〜50 マスフローコントローラー
51〜55 ガス供給管
56 電極
57 基板ホルダー
58 マッチングボックス
59 高周波電源
60 ヒーター
61 熱電対
62 温度コントローラー
63 圧力計
64 圧カコントロールバルブ
65 圧カコントローラー
501 真空チャンバー
502 排気管
503 伝導バタフライバルブ
504 真空排気装置
505 圧力計
506 圧力調整器
507 基板支持台
508 基板
509 ヒーターブロック
510 ヒーター
511 熱電対
512 温度コントローラー
513 べロース管
514 マイクロ波導入窓
515 マイクロ波空洞
516 ガス導入管
517 水素ガス流量を制御するための流量制御器
518 バルブ
519 水素ガス導入用のガス管
520 Si ジカル導入管
521 Si ジカルを生成するためのマイクロ波空間
522 フッ化珪素ガスの流量制御器
523 バルブ
524 フッ化珪素ガス導入用のガス管
525 ドーパントラジカル導入管
526 トーパントガスを分解するためのマイクロ波空間
527 ドーパントガスの流量制御器
528 バルブ
529 ドーパントガス導入用のガス管
530 入射波電力及び反射波電力をモニターするための導波管
531 入射波電力検出器
532 入射波電力モニター用のメーター
533 反射波電力検出器
534 反射波電力モニター用のメーター
535 3本のスタブより構成された、マイクロ波電源系と負荷との整合をとるための整合器
536 導波管
537 アイソレータ
538 マイクロ波電源
539 テーパ状の導波管
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