JP2845383B2 - 光起電力素子 - Google Patents

光起電力素子

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JP2845383B2
JP2845383B2 JP3045590A JP4559091A JP2845383B2 JP 2845383 B2 JP2845383 B2 JP 2845383B2 JP 3045590 A JP3045590 A JP 3045590A JP 4559091 A JP4559091 A JP 4559091A JP 2845383 B2 JP2845383 B2 JP 2845383B2
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光電変換効率が高い、
太陽電池などに用いられる光起電力素子に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光を電気エネルギーに変換する光電
変換素子である太陽電池は、電卓、腕時計など民生用の
小電力用電源として広く応用されており、また、将来、
石油、石炭などのいわゆる化石燃料の代替用電力として
実用化可能な技術として注目されている。太陽電池は半
導体のpn接合の光起電力を利用した技術であり、シリ
コンなどの半導体が太陽光を吸収し電子と正孔の光キャ
リヤーが生成し、該光キャリヤーをpn接合部の内部電
界に依りドリフトさせ、外部に取り出すものである。こ
の様な太陽電池の作製は、ほぼ半導体プロセスを用いる
ことにより行われる。具体的には、CZ法などの結晶成
長法によりp型あるいはn型に価電子制御したシリコン
の単結晶を作製し、該単結晶をスライスして約300μ
mの厚みのシリコンウエハーを作る。さらに前記ウエハ
ーの導電型と反対の導電型となるように価電子制御剤を
拡散させるなどの適当な手段により、異種の導電型の層
を形成することでpn接合を作るものである。
【0003】ところで、信頼性や変換効率の観点から、
現在、主に実用化されている太陽電池には単結晶シリコ
ンが使われているが、上述のように太陽電池作製は半導
体プロセスを用いるため生産コストは高いものとなって
いる。単結晶シリコン太陽電池の他の欠点は、単結晶シ
リコンは間接遷移であるため光吸収係数が小さく、単結
晶の太陽電池は入射太陽光を吸収するために少なくとも
50ミクロンの厚さにしなければならないことや、バン
ドギャップが約1.1eVであり太陽電池として好適な
1.5eVよりも狭いため短波長成分を有効に利用でき
ないことである。また、仮に、多結晶シリコンを用いて
生産コストを下げたとしても、間接遷移の問題は残り、
太陽電池の厚さを減らすことはできない。さらに多結晶
シリコンには多数の欠陥が集る粒界が存在しキャリヤの
走行性を損ねるという問題を合わせ持っている。
【0004】更に、結晶であるがために面積の大きなウ
エハーは製造できず大面積化が困難であり、大きな電力
を取り出す場合には単位素子を直列化あるいは、並列化
をするための配線を行なわなければならないことや、屋
外で使用する際に太陽電池を様々な気象条件によりもた
らされる機械的損傷から保護するため、高価な実装が必
要になることなどから、単位発電量に対する生産コスト
が既存の発電方法に比べて割高になってしまうという問
題がある。このような事情から太陽電池の電力用として
の実用化を進めるに当たって、低コスト化及び大面積化
が重要な技術的課題であり、様々な検討がなされてお
り、コストの安い材料、変換効率の高い材料などの材料
の探求が行なわれてきたが、このような太陽電池の材料
としては、非晶質シリコン、非晶質シリコンゲルマニュ
ーム、非晶質炭化珪素などのテトラへドラル系の非晶質
半導体や、CdS,Cu2 SなどのII−VI族やGaA
s,GaAlAsなどのIII −V族の化合物半導体等が
挙げられる。とりわけ、非晶質半導体を光起電力発生層
に用いた薄膜太陽電池は、単結晶太陽電池に比較して大
面積の膜が作製できることや、膜厚が薄くて済むこと、
任意の基板材料に堆積できることなどの長所があり有望
視されている。
【0005】前記非晶質半導体は通常の薄膜作製プロセ
スに依って作製されるもので、工業的には、原料ガスを
高周波電源によって発生させたプラズマで分解し、基板
上に堆積させるプラズマCVD法が有効に用いられる。
例えばアモルファスシリコンであればSiH4 ガスを分
解して堆積することにより作製される。n型に価電子制
御された半導体を作製する場合は、周期率表第V族のリ
ン等を構成原子として含むPH3 ガス等をSiH4 ガス
と混合して分解し、p型に価電子制御された半導体を作
製する場合には、周期率表第III 族のボロン等を構成原
子として含むB26 ガス等をSiH4 ガスと混合して
分解することにより作製される。また、太陽電池の層構
成としてはpin型が効率が高いものとして採用されて
いる。
【0006】上記非晶質半導体を用いた太陽電池は、電
力用素子として応用する際には光電変換効率、信頼性に
関して更に改良が望まれており、光電変換効率の向上の
手段としては、例えば、バンドギャップを狭くして長波
長の光に対する感度を増加することが行われている。即
ち、非晶質シリコンは、バンドギャップが約1.7eV
位であるため700ナノメーター以上の長波長の光は吸
収できず、有効に利用できないため、長波長光に感度の
あるバンドギャップが狭い材料を用いることが検討され
ている。この様な材料としては成膜時のシリコン原料ガ
スとゲルマニューム原料ガスの比を変えることで容易に
バンドギャップを1.3eV位から1.7eV位まで任
意に変化できる非晶質シリコンゲルマニュームが挙げら
れる。
【0007】また、太陽電池の変換効率を向上させる他
の方法として単位素子構造の太陽電池を複数積層するい
わゆるタンデムセルを用いることが米国特許2,949,498
号明細書に開示されている。このタンデムセルにはp−
n接合結晶半導体が用いられたがその思想は非晶質ある
いは結晶質いずれにも共通するものであり、太陽光スペ
クトルを、異なるバンドギャップの光起電力素子により
効率よく吸収させ、Vocを増大させる事により発電効
率を向上させるものであった。タンデムセルは、異なる
バンドギャップの素子を積層し太陽光線のスペクトルの
各部分を効率よく吸収することにより変換効率を向上さ
せるものであり、積層する素子の光入射側に位置するい
わゆるトップ層のバンドギャップよりも該トップ層の下
に位置するいわゆるボトム層のバンドギャップが狭くな
る様に設計される。これに対して浜川らは同じバンドギ
ャップの非晶質シリコンを光起電力素子間に絶縁層を持
たない形で多重積層し素子全体のVocを増加させるい
わゆるカスケード型電池を報告している。この方法は同
じバンドギャップの非晶質シリコン材料から作られる単
位素子を積層する方法である。非晶質シリコンゲルマニ
ュームはバンドギャップが狭く長波長の光に対し感度が
優れているため上述したタンデムセルのボトム層として
好適な材料として用いられる。
【0008】ところで太陽電池特性を向上させるために
は、太陽光を有効に吸収してキャリヤを発生させ、該発
生したキャリヤを再結合させることなく収集することが
必要となる。この点を以下に詳しく述べる。前記非晶質
半導体を太陽電池として用いる場合には、p型半導体、
i型半導体、n型半導体を積層した構造とするのが一般
的であるが、この様な構造の場合、光はp型半導体また
はn型半導体のいずれか一方から入射し、i型半導体で
光キャリヤを生成し、生成した自由電子及び自由正孔を
内部電界によってそれぞれn型半導体側及びp型半導体
側に収集する。この様な機構からキャリヤのモビリティ
の劣る自由正孔のドリフト距離が短い方がキャリヤの収
集に有利であるため、p層から光入射させることが一般
的に行われている。
【0009】ところで、p層は内部電界を発生させる
が、光キャリヤの生成には寄与しないデッドレイヤーで
あるため、出来るだけ光の吸収が少なく入射光がi層に
効率的に届き、所謂窓層として機能することが望まし
い。SiH4 ガスにB26 ガスを混合して作製するp
型シリコンはB元素のため吸収係数が大きくなってしま
い窓層として適さないことが知られている。この様な窓
層の材料として、例えば、米国特許4,600,801 号明細書
に微結晶化したp層が好適なものとして開示されてい
る。前記開示された内容によれば、フッ素系のガスを用
いて、活性化エネルギーが0.05eV以下、導電率が
lohm-1・cm-1以上、バンドギャップが2.0eV
以上、550nmの波長に於ける吸収係数が3×10-4
cm-1以下となるような粒径50〜100Åの微結晶p
型シリコン合金層を窓層として用いることにより、良好
な太陽電池特性が得られる。また、米国特許4,109,271
号明細書には、窓層としてバンドギャップが2.2eV
から3.2eVのa−SiCを用いることにより吸収係
数を小さくすることが開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら前記微
結晶p層やa−SiCのp層を非晶質太陽電池の窓層に
用いた場合、微結晶を作製する条件は高いプラズマパワ
ーが必要であるため、場合によっては下地のi層にドー
パントが拡散してしまうことや、非晶質のi層の上に微
結晶のp層を作製することが難しいことなどが問題とな
っている。また、微結晶p層及びa−SiCのp層は非
晶質i層とは格子定数やバンドギャップが異なることか
ら接合部分に於いて欠陥が生じやすいという問題があ
る。このため前記微結晶p層やa−SiCのp層は窓層
として本来、極めて良好な特性を有しているものの、太
陽電池を作製した場合には、更に改良の余地が残されて
いる。この様な半導体界面に於ける準位の低減について
は例えば、a−SiCのp層とi層との界面にイントリ
ンジックなa−SiC層を設け所謂バッファ層とするこ
とが開示されている。しかしながら、微結晶p層とi層
とのバッファ層については提案されていなかった。
【0011】本発明の目的は、上述した問題点を解決
し、光電変換効率の高い太陽電池を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
問題点を克服し、変換効率の高い太陽電池を鋭意検討し
た結果、pin型太陽電池のpi界面のi層を微結晶と
することで良好な太陽電池特性が得られると言う知見を
得て、この知見に基いて更なる研究を行ない、光起電力
素子に適用し、完成するに至ったものである。即ち、そ
の骨子は、基板上に設けられたn型層上にi型層が形成
され、該i型層上にp型層が形成されてなるpin型の
光起電力素子において、非晶質半導体からなる前記i型
層上に微結晶を含むi型の半導体層が形成され、該微結
晶を含むi型の半導体層に接して微結晶を含むp型層が
形成されている光起電力素子にある。ここで、前記i型
層は例えばシリコンまたはシリコン合金からなり、前記
微結晶からなる層の膜厚は例えば50Åから150Åで
ある。
【0013】以下に、図を用いて本発明について詳細に
説明するが、本発明の光起電力素子はこれにより何ら限
定されるものではない。
【0014】図5は、参考のために従来のpin型太陽
電池の典型的な例を示すものであり、図に於いて200
は太陽電池本体、201は基板、202は下部電極、2
03はn型半導体層、204はi型半導体層、205は
p型半導体層、206は上部電極、207は集電電極を
表す。
【0015】図1〜図4は、本発明によるpin型光起
電力素子の構成例(図2は参考例)を模式的に表わした
ものである。図1は光が図の上部から入射する構造の太
陽電池であり、図に於いて100は太陽電池本体、10
1は基板、102は下部電極、103はn型半導体層、
104はi型半導体層、105は微結晶のi型半導体
層、106はp型半導体層、107は上部電極、108
は集電電極を表す。図2は基板101が透明であり、光
が図の下部から入射する構造の太陽電池を示す。図3は
図1の単位素子を2層積層した構造の太陽電池であり、
図に於いて111および112は太陽電池の単位素子を
表わし、113はn型半導体層、114はi型半導体
層、115は微結晶のi型半導体層、116はp型半導
体層を表わす。図4は図1の単位素子を3層積層した構
造の太陽電池であり、図に於いて120、121および
122は太陽電池の単位素子を表わし、123はn型半
導体層、124はi型半導体層、125は微結晶のi型
半導体層、126はp型半導体層を表わす。以下、これ
らの光起電力素子の構成について、図1を例にとり説明
する。
【0016】基板:半導体層103、104、105、
106は高々1μm程度の薄膜であるため適当な基板上
に堆積される。このような基板101としては、単結晶
質もしくは非単結晶質のものであってもよく、さらにそ
れらは導電性のものであっても、また電気絶縁性のもの
であってもよい。さらには、それらは透光性のものであ
っても、また非透光性のものであってもよいが、変形、
歪みが少なく、所望の強度を有するものであることが好
ましい。具体的にはFe,Ni,Cr,Al,Mo,A
u,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pb等の金属または
これらの合金、例えば真鍮、ステンレス鋼等の薄板及び
その複合体、及びポリエステル、ポリエチレン、ポリカ
ーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、
ポリアミド、ポリイミド、エポキシ等の耐熱性合成樹脂
のフィルム又はシートまたはこれらとガラスファイバ
ー、カーボンファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊維
等との複合体、及びこれらの金属の薄板、樹脂シート等
の表面に異種材質の金属薄膜及び/またはSiO2 ,S
34 ,Al23 ,AlN等の絶縁性薄膜をスパッ
タ法、蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理を
行ったものおよび、ガラス、セラミックスなどが挙げら
れる。
【0017】前記基板を太陽電池用の基板として用いる
場合には、該基板が金属等の電気導電性である場合には
直接電流取り出し用の電極としても良いし、合成樹脂等
の電気絶縁性である場合には堆積膜の形成される側の表
面にAl,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,Mo,W,
Fe,V,Cr,Cu,ステンレス,真鍮,ニクロム,
SnO2 ,In23 ,ZnO,ITO等のいわゆる金
属単体又は合金、及び透明導電性酸化物(TCO)を鍍
金、蒸着、スパッタ等の方法であらかじめ表面処理を行
って電流取り出し用の電極を形成しておくことが望まし
い。
【0018】勿論、前記基板が金属等の電気導電性のも
のであっても、長波長光の基板表面上での反射率を向上
させたり、基板材質と堆積膜との間での構成元素の相互
拡散を防止する等の目的で異種の金属層等を前記基板上
の堆積膜が形成される側に設けても良い。又、前記基板
が比較的透明であって、該基板の側から光入射を行う層
構成の太陽電池とする場合(図2の様な場合)には前記
透明導電性酸化物や金属薄膜等の導電性薄膜をあらかじ
め堆積形成しておくことが望ましい。
【0019】また、前記基板の表面性としてはいわゆる
平滑面であっても、微小の凹凸面であっても良い。微小
の凹凸面とする場合にはその凹凸形状は球状、円錐状、
角錐状等であって、且つその最大高さ(Rmax)が好
ましくは500Å乃至5000Åとすることにより、該
表面での光反射が乱反射となり、該表面での反射光の光
路長の増大をもたらす。基板の形状は、用途により平滑
表面或は凹凸表面の板状、長尺ベルト状、円筒状等であ
ることができ、その厚さは、所望通りの光起電力素子を
形成し得るように適宜決定するが、光起電力素子として
可撓性が要求される場合、または基板の側より光入射が
なされる場合には、基板としての機能が充分発揮される
範囲内で可能な限り薄くすることが出来る。しかしなが
ら、基板の製造上及び取扱い上、機械的強度等の点か
ら、通常は、10μm以上とされる。
【0020】本発明の光起電力素子においては、当該素
子の構成形態により適宜の電極が選択使用される。それ
らの電極としては、下部電極、上部電極(透明電極)、
集電電極を挙げることができる。ただし、ここでいう上
部電極とは光の入射側に設けられたものを示し、下部電
極とは半導体層を挟んで上部電極に対向して設けられた
ものを示すこととする。これらの電極について以下に詳
しく説明する。
【0021】下部電極:本発明において用いられる下部
電極102は、図1、図3及び図4と図2とで、その設
置される場所が異なる。即ち、図1、図3及び図4のよ
うな層構成の場合には基板101とn型半導体層102
との間に設けられる。特に、基板101として電気絶縁
性のものを用いる場合には、電流取り出し用の電極とし
て、基板101とn型半導体層103との間に下部電極
102が設けられる。しかし、基板101が導電性であ
る場合には、該基板が下部電極を兼ねることができる。
ただし、基板101が導電性であってもシート抵抗値が
高い場合には、電流取り出し用の低抵抗の電極として、
あるいは基板面での反射率を高め入射光の有効利用を図
る目的で電極102を設置してもよい。一方、図2の層
構成の場合には透光性の基板101が用いられており、
基板101の側から光が入射されるので、電流取り出し
及び当該電極での光反射用の目的で、下部電極102が
基板101と対向して半導体層を挟んで設けられてい
る。
【0022】電極材料としては、Ag,Au,Pt,N
i,Cr,Cu,Al,Ti,Zn,Mo,W等の金属
又はこれらの合金が挙げられ、これ等の金属の薄膜を真
空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等で形成す
る。また、形成された金属薄膜は光起電力素子の出力に
対して抵抗成分とならぬように配慮されねばならず、シ
ート抵抗値として好ましくは50Ω以下、より好ましく
は10Ω以下であることが望ましい。
【0023】下部電極102とn型半導体層103との
間に、図中には示されていないが、導電性酸化亜鉛等の
拡散防止層を設けても良い。該拡散防止層の効果として
は下部電極102を構成する金属元素がn型半導体層中
へ拡散するのを防止するのみならず、若干の抵抗値をも
たせることで半導体層を挟んで設けられた下部電極10
2と上部電極107との間にピンホール等の欠陥で発生
するショートを防止すること、及び薄膜による多重干渉
を発生させ入射された光を光起電力素子内に閉じ込める
等の効果を挙げることができる。
【0024】上部電極(透明電極):本発明において用
いられる上部電極107としては太陽や白色蛍光灯等か
らの光を半導体層内に効率良く吸収させるために光の透
過率が85%以上であることが望ましく、さらに、電気
的には光起電力素子の出力に対して抵抗成分とならぬよ
うにシート抵抗値は100Ω以下であることが望まし
い。このような特性を備えた材料としてSnO2 ,In
23 ,ZnO,CdO,CdSnO4 ,ITO(In
23 +SnO2 )などの金属酸化物や、Au,Al,
Cu等の金属を極めて薄く半透明状に成膜した金属薄膜
等が挙げられる。透明電極は図1、図3及び図4におい
てはp型半導体層106,116,126の上に積層さ
れ、図2においては基板101の上に積層され、それら
に応じて互いの密着性の良いものを選ぶことが必要であ
る。これらの作製方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子
ビーム加熱蒸着法、スパッタリング法、スプレー法等を
用いることができ所望に応じて適宜選択される。
【0025】集電電極:本発明において用いられる集電
電極108は、上部電極107の表面抵抗値を低減させ
る目的で上部電極107上に設けられる。電極材料とし
てはAg,Cr,Ni,Al,Ag,Au,Ti,P
t,Cu,Mo,W等の金属またはこれらの合金の薄膜
が挙げられる。これらの薄膜は積層させて用いることが
できる。また、半導体層への入射光量が十分に確保され
るよう、その形状及び面積が適宜設計される。たとえ
ば、その形状は光起電力素子の受光面に対して一様に広
がり、且つ受光面積に対してその面積は好ましくは15
%以下、より好ましくは10%以下であることが望まし
い。また、シート抵抗値としては、好ましくは50Ω以
下、より好ましくは10Ω以下であることが望ましい。
【0026】半導体層103,104,105,106
は通常の薄膜作製プロセスに依って作製されるもので、
蒸着法、スパッタ法、高周波プラズマCVD法、マイク
ロ波プラズマCVD法、ECR法、熱CVD法、LPC
VD法等公知の方法を所望に応じて用いることにより作
製できる。工業的には、原料ガスをプラズマで分解し、
基板状に堆積させるプラズマCVD法が好ましく用いら
れる。また、反応装置としては、バッチ式の装置や連続
成膜装置などが所望に応じて使用できる。価電子制御さ
れた半導体を作製する場合は、リン、ボロン等を構成原
料として含むPH3 ,B26 ガス等を同時に分解する
ことにより行なわれる。
【0027】i型半導体層:本光起電力素子において好
適に用いられるi型半導体層104を構成する半導体材
料としては、a−Si:H、a−Si:F、a−Si:
H:F、a−SiGe:H、a−SiGe:F、a−S
iGe:H:F,a−SiC:H、a−SiC:F、a
−SiC:H:F等のいわゆるIV族及びIV族合金系半導
体材料が挙げられる。
【0028】これらの材料をCVD法で作製する場合の
原料ガスとしては、シリコン元素を含む化合物として鎖
状または環状シラン化合物が用いられ、具体的には、例
えば、SiH4 ,SiF4 ,(SiF25 ,(SiF
26 ,(SiF24 ,Si26 ,Si38 ,S
iHF3 ,SiH22 ,Si224 ,Si23
3 ,SiCl4 ,(SiCl25 ,SiBr4
(SiBr25 ,SiCl6 ,SiHCl3 ,SiH
Br2 ,SiH2Cl2 ,SiCl33 などのガス状
態のまたは容易にガス化し得るものが挙げられる。
【0029】また、ゲルマニューム元素を含む化合物と
して、鎖状ゲルマンまたはハロゲン化ゲルマニューム、
環状ゲルマン、またはハロゲン化ゲルマニューム、鎖状
または環状ゲルマニューム化合物及びアルキル基などを
有する有機ゲルマニューム化合物、具体的にはGeH
4 ,Ge26 ,Ge22 ,Ge38 ,n−Ge4
10,t−Ge410,GeH6 ,Ge510,GeH
3 Cl,GeH22 ,Ge(CH34 ,Ge(C2
54 ,Ge(C654 ,Ge(CH32
2 ,GeF4 などが挙げられる。
【0030】さらに、炭素元素を含む化合物として、鎖
状炭化水素化合物または鎖状ハロゲン化炭化水素化合
物、環状炭化水素化合物または環状ハロゲン化炭化水素
化合物、具体的にはCH4 ,C26 ,C38 ,n−
410,t−C410,C36 ,C510,CH3
Cl,CH22 ,C(CH34 ,C(C2
54,C(C654 ,C(CH322 ,CF4
などが挙げられる。
【0031】微結晶i型半導体層:本発明に於いて用い
られる微結晶のi型半導体層105は上述した非晶質の
i型半導体と同様の構成元素を用いて作製され、原料ガ
スについても上記の非晶質i型半導体層を作製する場合
に用いられるガスが好適に使用される。これらの原料ガ
スに対して、H2 ガスによる希釈やパワー条件の調整な
どを行うことで通常、粒径が100Å程度の微結晶が得
られる。結晶性については、反射型高速電子回析(RH
EED)、ラマンスペクトル、透過型電子顕微鏡等を用
いて測定される。
【0032】p型半導体層及びn型半導体層:本光起電
力素子において好適に用いられるp型半導体層106ま
たはn型半導体層103を構成する半導体材料として
は、前述したi型半導体層104を構成する半導体材料
に価電子制御剤をドーピングすることによって得られ
る。作製方法は、前述したi型半導体層104の作製方
法と同様の方法が好適に利用できる。また原料として
は、周期律表第IV族堆積膜を得る場合、p型半導体を得
るための価電子制御剤としては周期律表第III 族の元素
を含む化合物が用いられる。第III 族の元素としては、
B,Al,Ga,Inが挙げられる。第III 族元素を含
む化合物としては、具体的には、BF3 ,B26 ,B
410,B59 ,B511,B610,B(CH3
3 ,B(C253 ,B612,Al(CH32
l,Al(CH33 ,Al(OCH32 Cl,Al
(CH3 )Cl2 ,Al(C253 ,Al(OC2
53 ,Al(CH33 Cl3 ,Al(i−C4
95 ,Al(C373 ,Al(OC493
Ga(OCH33 ,Ga(OC253 ,Ga(O
373 ,Ga(CH33 ,Ga26 ,GaH
(C252 ,Ga(OC25 )(C252
In(CH33 ,In(C373 ,In(C4
93 等が挙げられる。
【0033】n型半導体を得るための価電子制御剤とし
ては周期律表第V族の元素を含む化合物が用いられる。
第V族の元素としては、P、N、As、Sbが挙げられ
る。第V族の元素を含む化合物としては、具体的には、
NH3 HN3 ,N253 ,N24 ,NH43
PH3 ,P(OCH33 ,P(OC253 ,P
(C373 ,P(OC493 ,P(CH3
3 ,P(C253 ,P(C373 ,P(C4
93 ,P(OCH33 ,P(OC253 ,P
(OC373 ,P(OC493 ,P(SCN)
3 ,P24 ,PH3 ,AsH3 ,AsH3 ,As(O
CH33 ,As(OC253 ,As(OC3
73 ,As(OC493 ,As(CH33 ,A
s(C253 ,As(C653 ,SbH3 ,S
b(OCH33 ,Sb(OC253 ,Sb(OC
373 ,Sb(OC493 ,Sb(CH3
3 ,Sb(C373,Sb(C493 等が挙げ
られる。
【0034】もちろん、これらの原料ガスは1種であっ
ても良いが、2種またはそれ以上を併用してもよい。
【0035】また、上述した半導体層を作製する原料ガ
スには、所望に応じてH2 ガス、Arガス、Heガス等
の不活性ガスを添加してもよい。前記した原料物質が常
温、常圧下で気体状態である場合にはマスフローコント
ローラー(以下MFC)等によって成膜空間への導入量
を制御し、液体状態である場合には、Ar,He等の希
ガスまたは水素ガスをキャリアーガスとして、必要に応
じ温度制御が可能なバブラーを用いてガス化し、また固
体状態である場合には、Ar,He等の希ガスまたは水
素ガスをキャリアーガスとして加熱昇華炉を用いてガス
化して、主にキャリアーガス流量と炉温度により導入量
を制御する。
【0036】以下に本発明の実施例を示すが本発明は以
下の実施例で限定されるものではない。
【0037】
【実施例】実施例1:図6に示す公知のRF放電プラズ
マCVD成膜装置を用いて以下のようにして図1に示す
本発明のpin型太陽電池を作製した。図6に於て40
0は反応チャンバー、401は基板、402はアノード
電極、403はカソード電極、404は基板加熱用ヒー
ター、405は接地用端子、406はマッチングボック
ス、407は周波数13.56MHzのRF電源、40
8は排気管、409は排気ポンプ、410は成膜ガス導
入管、420、430、440、450、460、47
0、480、422、432、442、452、46
2、472、482はバルブ、421、431、44
1、451、461、471、481はマスフローコン
トローラーを示す。
【0038】まず、表面を鏡面研磨し0.05μmRm
axとした5cm角の大きさのステンレス(SUS30
4)製基板101を不図示のスパッタ装置にいれ、該装
置内を10-7Torr以下に真空排気した後、Arガス
を導入し、内圧を5mTorrとして200Wのパワー
でDCプラズマ放電を生起しAgのターゲットによりス
パッタを行い、基板101上に約5000ÅのAgを堆
積した。その後ターゲットをZnOに変えて内圧、パワ
ーとも同じ条件でDCプラズマ放電を生起しスパッタを
行い、約5000ÅのZnOを堆積した。以上の工程で
下部電極102を作製した後、基板101を取り出し、
反応チャンバー400の中のカソードに取り付け、排気
ポンプ409により充分排気し、不図示のイオンゲージ
で反応チャンバー400の中の真空度が10-6Torr
となるようにした。次に基板加熱用ヒーター404で基
板401(図1の基板101に相当する)を300℃に
加熱した。基板温度が一定になった後、バルブ420、
422を開け、マスフローコントローラー421の流量
を制御して不図示のSiH4 ガスボンベからSiH4
ス10sccmをガス導入管410を介して反応チャン
バー400の中に導入した。同様にしてバルブ440、
442を開けマスフローコントローラー441の流量を
制御してH2 ガスを300sccm供給し、バルブ45
0、452を開け、マスフローコントローラー451の
流量を制御してH2 ガスで5%に希釈されたPH3 ガス
を10sccm導入した。反応チャンバー400の内圧
が1.5Torrになるように不図示の圧力コントロー
ラーを調整した後、マッチングボックス406を介して
RF電源407から10Wのパワーを投入し、プラズマ
放電を3分間行いn型非晶質シリコン層103を400
Å堆積した。ガス供給をやめた後、反応チャンバー40
0を再び真空に引き、反応チャンバー400の中の真空
度を10-6Torr以下に排気した後、バルブ420、
422、440、442を開けてSiH4 ガス10sc
cmとH2 ガス300sccmとを反応チャンバー40
0に導入した。不図示の圧力コントローラーを用いて内
圧を1.5Torrに保って、RF電源407から20
Wのパワーを投入し、プラズマ放電を30分間行いイン
トリンジック層104を3000Å堆積した。その後、
放電を切らずにパワーを200Wに上げ更にH2 ガスの
流量を500sccmに上げて1分間の成膜を行い約3
0Åの膜厚の微結晶i層105を堆積した。
【0039】この様にして堆積した微結晶i層105の
結晶性については以下の様にして評価した。前述の条件
で微結晶i層105のみをガラス基板上に約1000Å
の膜厚で堆積した試料を作製し、日本分光製NR−11
00を用いてラマンシフトを測定したところ500cm
-1から520cm-1付近に弱いピークが見られ、微結晶
化していることが確認された。またその粒径は、透過型
電子顕微鏡による観察で粒径20Åから100Åである
ことが分った。
【0040】その後、RF電源407のパワーを0Wに
してプラズマ放電を止めてガス供給をやめた後、反応チ
ャンバー400の中の真空度を10-6Torr以下に排
気した後、バルブ420、422、440、442、4
60、462を開けてSiH4 ガス10sccmとH2
ガス500sccmとH2 ガスで5%に希釈したBF3
ガス10sccmとを反応チャンバー400に導入し
た。続いてRF電源407から200Wのパワーを投入
しプラズマ放電を生起し、5分間成膜を行ないp層10
6を100Å堆積した。尚、前述の条件でp層106の
みをガラス基板上に堆積した試料を透過型電子顕微鏡お
よびラマンスペクトルにより観察したところ粒径20Å
から100Åの微結晶であることを確認した。次に、基
板101を反応チャンバー400から取り出し、不図示
の抵抗加熱の蒸着装置に入れて、該装置内を10-7To
rr以下に真空排気した後、酸素ガスを導入し、内圧を
10-4Torrとした後、InとSnの合金を抵抗加熱
により蒸着し、反射防止効果を兼ねた機能を有する透明
導電膜(ITO膜)を700Å堆積し上部電極107と
した。蒸着終了後試料を取り出し不図示のドライエッチ
ング装置により1cm×1cmの大きさのサブセルに分
離した後、別の蒸着装置に移し、電子ビーム蒸着法によ
りアルミニュームの集電電極108を形成した。得られ
た太陽電池をNo.1−S1とした。
【0041】次に、微結晶i層105の膜厚を60Å,
100Å,150Å,200Å,400Åと変えた以外
は前記した方法と同様の手順で堆積した。得られた太陽
電池をそれぞれNo.1−S2,No.1−S3、N
o.1−S4、No.1−S5、No.1−S6とし
た。最後に微結晶i層105のない太陽電池(No.1
−R)を作製した。
【0042】これらの試料をソーラーシミュレータを用
いてAM−1.5の太陽光スペクトルの光を100mW
/cm2 の強度で照射し、電流電圧曲線を求めることに
より太陽電池の初期特性を測定した。微結晶i層のない
場合(試料No.1−R)の効率η0 により微結晶i層
がある場合の効率ηを規格化した値η/η0 を図7に示
した。この結果から、微結晶i層が約200Å以下の膜
厚である場合に、微結晶i層がないセルに比較して変換
効率ηが向上することが判る。特に微結晶i層105の
厚みが50Åから150Åの時に顕著な効果があること
が判る。また、図示していないが、変換効率向上の原因
は電流電圧曲線から開放電圧、フィルファクターの向上
によることが判った。
【0043】更に以上の試料の中で微結晶i層105が
無い試料No.1−Rと微結晶i層105の膜厚が10
0Åの試料No.1−S3とをCAMECA社製SIM
S分析装置(IMS−3F)を用いてB元素のデプスプ
ロファイルを分析し、p層ドーパント剤であるB元素の
i層104への拡散について比較を行った。結果は、図
8に示すように100Åの微結晶i層105がある場合
にはB元素のi層104への拡散が少なくなっているこ
とが判る。これは、微結晶i層がB元素の拡散を防止す
る効果があるためと考えられる。
【0044】実施例2: 次に基板をガラスにしたときの本発明の参考例を実施例
2として示す。本発明の参考例の図2の構成の太陽電池
を図6に示す装置を用いて実施例1とほぼ同様の手順で
以下のようにして作製した。
【0045】先ず、5cm角の石英ガラス製の基板10
1に不図示の蒸着器で透明導電膜SnO2 を3000Å
堆積し、上部電極107を作製した。その後、基板10
1を反応チャンバー400の中に入れ実施例1と同様の
条件でp型微結晶シリコン層106を100Å堆積し、
放電終了後、実施例1と同様の条件で膜厚100Åの微
結晶i層105を堆積した後、続けてi層104を30
00Å堆積した。
【0046】放電終了後、実施例1と同様にn層103
を400Å堆積した。基板401を反応チャンバー40
0から取り出し、不図示の電子ビーム蒸着器によりアル
ミニュームを5000Å堆積して下部電極102を形成
した。更に不図示のドライエッチング装置で1cm角の
サブセルに分離した。得られた太陽電池をNo.2−S
とした。比較のため、微結晶i層105のない構成の試
料を前記した方法と同様に作製し試料No.2−Rとし
た。それぞれの試料について、ガラス基板101側から
光を照射して太陽電池特性を測定した結果を表1に示し
た:
【0047】
【表1】 表1に於いて微結晶i層のない場合の変換効率η0 によ
り微結晶i層がある場合の効率ηを規格化して示した。
この結果から微結晶i層のあるセルは、ない場合に比較
して変換効率ηが向上することが判る。
【0048】実施例3:次に、本発明の図3に示すタン
デムセル構成の太陽電池を図6に示す装置を用いて実施
例1とほぼ同様にして作製した。
【0049】下部電極102を堆積したステンレス製基
板101にn層103を400Å堆積し、GeH4 ガス
5sccmとSiH4 ガス5sccmとH2 ガス300
sccmとを導入して放電を行い、バンドギャップ1.
5eVの非晶質シリコンゲルマニュウムi層104を堆
積した。更に放電を持続してパワーを100Wに上げ、
水素量を500sccmにして膜厚100Åの微結晶i
層106を堆積した。その後、微結晶p層105を堆積
してボトム層111を作製した。さらにn層113を4
00Å堆積してSiH4 ガスとH2 ガスでi層114を
1000Å及び微結晶i層115を100Å堆積し、更
に微結晶p層116を100Å堆積してトップ層112
を作製した後、上部電極107を形成して1cm角のサ
ブセルに分離した後集電電極108を形成した。得られ
た太陽電池をNo.3−Sとした。
【0050】比較のため、微結晶i層105および11
5のない構成の試料を前記した方法と同様に作製し試料
No.3−Rとした。それぞれの試料の太陽電池特性を
実施例1の方法で測定した結果を前記表1に示した。表
1に於いて微結晶i層のない場合の変換効率η0 により
微結晶i層がある場合の効率ηを規格化して示した。こ
の結果から微結晶i層のあるセルは、ない場合に比較し
て変換効率ηが向上することが判る。
【0051】実施例4:次に、本発明の図4に示すトリ
プルセル構成の太陽電池を図6に示す装置を用いて実施
例3とほぼ同様にして作製した。
【0052】下部電極102を堆積したステンレス製基
板101にn層103を堆積した後、バンドギャップ約
1.5eVの非晶質シリコンゲルマニュームのi層10
4を堆積し、放電を維持したまま微結晶i層を100Å
堆積し、その後、微結晶p層105を堆積してボトム層
120を作製した。その後n層113、i層114、微
結晶i層115および微結晶p層116の順で堆積し、
ミドル層121を形成した。さらに、n層123、i層
124、微結晶i層125および微結晶p層126の順
で堆積し、トップ層122を形成し、最後に上部電極1
07を形成した後、ドライエッチングにより1cm角の
サブセルに分離し、集電電極108を形成した。得られ
た太陽電池をNo.4−Sとした。
【0053】比較のため微結晶i層105、115およ
び125のない構成の試料を前記した方法と同様に作製
し、試料No.4−Rとした。それぞれの試料の太陽電
池特性を実施例1の方法で測定した結果を前記表1に示
した。表1に於いて微結晶i層のない場合の変換効率η
0 により微結晶i層がある場合の効率ηを規格化して示
した。この結果から微結晶i層のあるセルは、ない場合
に比較して変換効率ηが向上することが判る。
【0054】実施例5:次にi層104および微結晶i
層105の成膜ガスを表2に示す条件で種々変えて、本
発明の図1に示す層構成の太陽電池を図6に示す装置を
用いて実施例1とほぼ同様にして作製した。ここで、微
結晶i層105の膜厚は100Åとした。また同時に微
結晶i層のみの試料をガラス基板上に堆積し、実施例1
と同様の方法で結晶性を評価した。得られた太陽電池を
No.5−S1、No.5−S2、No.5−S3、N
o.5−S4とした。比較のため、微結晶i層105の
ない構成の試料を前記した方法と全く同様に作製し、N
o.5−R1、No.5−R2、No.5−R3、N
o.5−R4とした。それぞれの試料の太陽電池特性を
実施例1の方法で測定した結果を表2に示した:
【0055】
【表2】 表2に於いて微結晶i層のない場合の変換効率η0 によ
り微結晶i層がある場合の効率ηを規格化して示した。
この結果から微結晶i層のあるセルは、ない場合に比較
して変換効率ηが向上することが判る。
【0056】実施例6:次に成膜ガスを種々変えて表3
に示す条件でp層106を作製し、それ以外は実施例1
に示した方法と同様にして、図1に示す層構成の太陽電
池を図6に示す装置を用いて実施例1とほぼ同様にして
作製した。得られた太陽電池をNo.6−S1、No.
6−S2、No.6−S3、No.6−S4とした。比
較のため、微結晶i層105のない構成の試料を前記し
た方法と全く同様に作製し、No.6−R1、No.6
−R2、No.6−R3、No.6−R4とした。それ
ぞれの試料の太陽電池特性を実施例1の方法で測定した
結果を表3に示した:
【0057】
【表3】 表3に於いて微結晶i層のない場合の変換効率η0 によ
り微結晶i層がある場合の効率ηを規格化して示した。
尚、この試料に用いたp層をガラス基板上に堆積して実
施例1と同様にRHEEDで結晶性を評価した結果を併
せて表3に示した。この結果から微結晶i層のあるセル
は、ない場合に比較して変換効率ηが向上することが判
る。
【0058】
【発明の効果】本発明の光起電力素子によれば、i層の
うち少なくともp層に接する部分を微結晶からなるもの
とすることにより、変換効率を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光起電力素子の構成を模式的に示
す図である。
【図2】本発明の参考例の光起電力素子の構成を模式的
に示す図である。
【図3】本発明による光起電力素子の構成を模式的に示
す図である。
【図4】本発明による光起電力素子の構成を模式的に示
す図である。
【図5】従来の光起電力素子の構成を模式的に示す図で
ある。
【図6】本発明による光起電力素子を作製するに好適な
成膜装置の構成を示す図である。
【図7】光起電力素子の特性を示すグラフである。
【図8】光起電力素子のB元素のデプスプロファイルを
示すグラフである。
【符号の説明】
101 基板 102 下部電極 103,113,123 n型半導体層 104,114,124 i型半導体層 105,115,125 微結晶i型半導体層 106,116,126 p型半導体層 107 上部電極 108 集電電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 高一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 山下 敏裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 岡田 直人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−96722(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設けられたn型層上にi型層が
    形成され、該i型層上にp型層が形成されてなるpin
    型の光起電力素子において、 非晶質半導体からなる前記i型層上に微結晶を含むi型
    の半導体層が形成され、該微結晶を含むi型の半導体層
    に接して微結晶を含むp型層が形成されている光起電力
    素子。
  2. 【請求項2】 前記非晶質半導体からなるi型層は非晶
    質シリコンゲルマニウム膜であることを特徴とする、請
    求項1に記載の光起電力素子。
  3. 【請求項3】 前記非晶質半導体からなるi型層及び前
    記微結晶を含むi型の半導体層はそれぞれシリコンゲル
    マニウム膜であることを特徴とする、請求項1に記載の
    光起電力素子。
  4. 【請求項4】 前記非晶質半導体からなるi型層は非晶
    質シリコン膜であることを特徴とする、請求項1に記載
    の光起電力素子。
  5. 【請求項5】 前記非晶質半導体からなるi型層及び前
    記微結晶を含むi型の半導体層はそれぞれシリコン膜で
    あることを特徴とする、請求項1に記載の光起電力素
    子。
  6. 【請求項6】 前記微結晶を含むi型の半導体層の厚さ
    が50Å以上150Å以下であることを特徴とする、請
    求項1〜5のいずれかに記載の光起電力素子。
  7. 【請求項7】 基板上にn型層を形成し、該n型層上に
    i型層を形成し、該i型層上にp型層を形成する工程を
    含むpin型の光起電力素子の製造法において、 前記i型層を構成する非晶質半導体の表面上にプラズマ
    CVD法にて微結晶を含むi型の半導体層を形成し、該
    微結晶を含むi型の半導体層の表面上にプラズマCVD
    法にて微結晶を含むp型層を形成することを特徴とする
    光起電力素子の製造法。
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