JP2002340089A - 免震用ゴム組成物及び免震構造体 - Google Patents

免震用ゴム組成物及び免震構造体

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JP2002340089A
JP2002340089A JP2001149118A JP2001149118A JP2002340089A JP 2002340089 A JP2002340089 A JP 2002340089A JP 2001149118 A JP2001149118 A JP 2001149118A JP 2001149118 A JP2001149118 A JP 2001149118A JP 2002340089 A JP2002340089 A JP 2002340089A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低弾性でありながら工場作業性が向上した免
震用ゴム組成物及び免震構造体を得る。 【解決手段】 建築物と地盤との間に配置され、軟質板
層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交互にかつ地盤表面
に水平に積層してなる免震構造体の該軟質板層を形成
し、ゴム成分と樹脂成分を含むことを特徴とする免震用
ゴム組成物、又は建築物と地盤との間に配置され、軟質
板層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交互にかつ地盤表
面に水平に積層してなる免震構造体の該軟質板層を形成
し、ゴム成分と樹脂成分と未加硫ゴム硬化剤を含むこと
を特徴とする免震用ゴム組成物、及び免震構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免震用ゴム組成物
及び免震構造体に関し、特に戸建て住宅、仮設住宅、小
型プラント、実験設備等の比較的軽量の建築物に好適な
免震用ゴム組成物及び免震構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数個の鋼板等の剛性を有した硬
質板と、粘弾性的性質を有したゴム等の軟質板とを交互
に積層した免震構造体が、中層、低層のビルや橋梁等の
免震装置のゴム支承片として広く用いられている。この
ような免震構造体は、軟質板としてゴム材料等の弾性体
を、硬質板として金属板を使用するのが一般的である。
【0003】前記免震構造体の軟質板を構成するゴム等
の弾性体は、下記のようなばね特性を有するように設計
されるのが一般である。即ち、ゴム等の弾性体のばね剛
性をK、搭載荷重をMとして、水平方向の固有振動数f
Hは下記式のように表される。
【0004】
【数1】
【0005】この固有振動数fHは、建物や橋梁などの
搭載重量Mと、ゴムなどの弾性体のばね剛性Kとの比で
決まるので、ビルや橋梁などの搭載荷重Mの大きいもの
の免震装置の場合、軟質板を構成する弾性体はばね剛性
の大きい材料、即ち、高弾性材料が用いられることが一
般的である。
【0006】この場合、ばね剛性Kと等価バネ剛性Gと
の関係は、軟質板の受圧面積をA、厚みをLとすると下
記式のように表される。 K=G(A/L)
【0007】従って、ばね剛性Kを低くするためには、
(1)ゴム自体の等価バネ剛性Gを低下させる、(2)
軟質板の間に位置する硬質板の面積を減少させる、
(3)軟質板の厚みLを大きくする、などの方法が考え
られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビル、
橋梁等の重量の大きいものに用いられていた免震構造体
を戸建用住宅などの軽量物に適用すると、搭載重量Mが
小さいので、軟質板層を構成する弾性体を低弾性の材料
で設計し、免震構造体のばね剛性Kを小さく設計する必
要がある。固有振動数fHを例えば0.5Hzに保ちな
がら、この低弾性材料に、高減衰性を同時に付与する
と、免震構造体のクリ−プが大きくなり、長期間の使用
において、ゴムなどの弾性体が重量に耐えられず、へた
りが生じてしまうという問題があった。
【0009】このため、等価バネ剛性Gが小さい、低弾
性タイプの免震構造体を得るべく、軟質板層を形成する
免震用ゴム組成物の配合組成についても種々の検討がな
されている。例えば、シリカ(ホワイトカーボン)を充
填剤として配合することが検討されているが、歪依存性
が大きくなり、高弾性(高ロス)であるという問題があ
る。また、チクソ剤を配合することが検討されている
が、弾性率及び加硫速度が向上し、バンバリーミキサー
が使用できず、工場作業性(混錬作業、圧延作業)に劣
るという問題があり、工場作業性と低弾性(低ロス)と
を同時に達成することは困難であった。
【0010】本発明は、前記従来における諸問題を解決
し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本
発明は、低弾性でありながら工場作業性が向上し得る免
震用ゴム組成物及び免震構造体を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、下記の免震用ゴム組成物及び免震構造体を
提供する。
【0012】請求項1の発明は、建築物と地盤との間に
配置され、軟質板層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交
互にかつ地盤表面に水平に積層してなる免震構造体の該
軟質板層を形成し、ゴム成分と樹脂成分を含むことを特
徴とする免震用ゴム組成物である。
【0013】請求項2の発明は、建築物と地盤との間に
配置され、軟質板層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交
互にかつ地盤表面に水平に積層してなる免震構造体の該
軟質板層を形成し、ゴム成分と樹脂成分と未加硫ゴム硬
化剤を含むことを特徴とする免震用ゴム組成物である。
【0014】請求項3の発明は、ゴム成分が、ジエン系
ゴムである請求項1又は2記載の免震用ゴム組成物であ
る。
【0015】請求項4の発明は、ゴム成分が、天然ゴム
及び/又はポリイソプレンゴムである請求項3記載の免
震用ゴム組成物である。
【0016】請求項5の発明は、樹脂成分が、テルペン
樹脂である請求項1乃至4のいずれか1項記載の免震用
ゴム組成物である。
【0017】請求項6の発明は、樹脂成分が、芳香族変
性テルペン樹脂であり、かつ軟化点が90〜120℃で
ある請求項5記載の免震用ゴム組成物である。
【0018】請求項7の発明は、未加硫ゴム硬化剤が、
ヒドラジンの硫酸塩と無機フィラーとの混合物を主成分
としたものである請求項2乃至6のいずれか1項記載の
免震用ゴム組成物である。
【0019】請求項8の発明は、建築物と地盤との間に
配置され、軟質板層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交
互にかつ地盤表面に水平に積層してなる免震構造体の該
軟質板層を形成し、100℃でのフローテスター粘度が
80000(poise)以上であることを特徴とする
免震用ゴム組成物である。
【0020】請求項9の発明は、建築物と地盤との間に
配置され、軟質板層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交
互にかつ地盤表面に水平に積層してなる免震構造体の該
軟質板層を形成し、100℃でのフローテスター粘度が
80000(poise)以上である請求項1乃至7の
いずれか1項記載の免震用ゴム組成物である。
【0021】請求項10の発明は、建築物と地盤との間
に配置され、軟質板層と硬質板層とをそれぞれ複数個、
交互にかつ地盤表面に水平に積層してなる免震構造体で
あって、前記軟質板層が、請求項1乃至9のいずれか1
項記載の免震用ゴム組成物から形成されると共に、所定
の剪断試験における等価バネ剛性G(剪断率100%
時)が10kgf/cm以下であることを特徴とする
免震構造体である。
【0022】請求項11の発明は、建築物と地盤との間
に配置され、軟質板層と硬質板層とをそれぞれ複数個、
交互にかつ地盤表面に水平に積層してなる免震構造体で
あって、前記軟質板層が、請求項1乃至9のいずれか1
項記載の免震用ゴム組成物から形成されると共に、所定
の剪断試験における1回目の50%変形時の等価バネ剛
性(1stG50)と1回目の100%変形時の等価バ
ネ剛性(1stG100)との比(1stG50/1s
tG100)が1.1以下であることを特徴とする免震
構造体である。
【0023】請求項12の発明は、建築物と地盤との間
に配置され、軟質板層と硬質板層とをそれぞれ複数個、
交互にかつ地盤表面に水平に積層してなる免震構造体で
あって、前記軟質板層が、請求項1乃至9のいずれか1
項記載の免震用ゴム組成物から形成されると共に、所定
の剪断試験における等価減衰定数(heq)が0.03
以下であることを特徴とする免震構造体である。
【0024】本発明によれば、建築物と地盤との間に配
置され、軟質板層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交互
にかつ地盤表面に水平に積層してなる免震構造体の該軟
質板層を形成する免震用ゴム組成物として、ゴム成分と
樹脂成分(特にテルペン樹脂)、又はゴム成分と樹脂成
分(特にテルペン樹脂)と未加硫ゴム硬化剤を含むこと
により、これら各成分が相乗的に働いて、工場作業性と
低弾性(低ロス)とを同時に達成することができると共
に、耐収縮性に優れ、硬質板層との密着性が向上し、特
に戸建て住宅、仮設住宅、小型プラント、実験設備等の
諸設備、実験装置などの比較的軽量の建築物に好適な免
震構造体が得られるものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。本発明の第1の免震用ゴム組成物は、建築物
と地盤との間に配置され、軟質板層と硬質板層とをそれ
ぞれ複数個、交互にかつ地盤表面に水平に積層してなる
免震構造体の該軟質板層を形成し、ゴム成分と樹脂成分
を含むものである。また、本発明の第2の免震用ゴム組
成物は、ゴム成分と樹脂成分と未加硫ゴム硬化剤を含む
ものである。
【0026】前記建築物としては、特に制限はないが、
例えば、戸建て住宅、仮設住宅、小型プラント、実験設
備等の諸設備、実験装置などが挙げられるが、これに限
られるものではない。この建築物の設置面積としては、
500m以下が好ましく、300m以下がより好ま
しい。前記地盤は、前記建築物が設置される地面であ
り、一般にコンクリート補強等がされている。
【0027】前記ゴム成分としては、特に制限されない
が、ジエン系ゴムが好ましく、例えば、天然ゴム(N
R)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジ
エン共重合体(SBR)、ポリブタジエンゴム(B
R)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共
重合体又はこれらの混合物などが挙げられ、これらの中
でも、天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴムが好まし
い。
【0028】前記樹脂成分としては、ロスの発生が少な
く、作業性の向上が図れ、ペレット化が可能なものであ
れば特に制限されないが、テルペン樹脂が好ましく、特
に軟化点が90〜120℃、より好ましくは100〜1
10℃である芳香族変性テルペン樹脂が好ましい。
【0029】前記テルペン樹脂は、一般に植物の葉、
樹、根等から得られる植物精油に含まれるテルペン化合
物をフリーデルクラフト触媒の下で、カチオン重合した
ものである。このようなテルペン化合物としては、例え
ば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、
ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレ
ン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、
1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピ
ネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、
カンフェン、トリシクレン、ザビネン、パラメンタジエ
ン類、カレン類などが挙げられ、これらの中でも、α−
ピネン、ジペンテン、リモネンが好ましい。
【0030】芳香族変性テルペン樹脂は、上記テルペン
化合物と芳香族化合物を、フリーデルクラフト触媒のも
とでカチオン重合したものである。
【0031】このような樹脂成分としては、特に制限さ
れないが、YSレジンTO105、YSレジンTO11
5、YSレジンTO125、YSレジンTO85、YS
レジンTR105(いずれもヤスハラケミカル株式会社
製)などの市販品を用いることができる。
【0032】前記樹脂成分の配合量は、特に制限されな
いが、ゴム成分100質量部に対して1〜20質量部、
好ましくは5〜15質量部である。樹脂成分の配合量が
少なすぎると低弾性率とならず、硬くなってしまう場合
がある。一方、多すぎると樹脂成分の分散が悪くなった
り、免震構造体(バネ)が柔らかくなりすぎてしまう場
合がある。
【0033】また、本発明の第2の免震用ゴム組成物
は、ゴム成分と樹脂成分と未加硫ゴム硬化剤を含むもの
である。この場合、ゴム成分及び樹脂成分としては、前
記第1の免震用ゴム組成物と同じものを用いることがで
きる。
【0034】前記未加硫ゴム硬化剤としては、未加硫ゴ
ムに配合して擬似架橋などを形成することにより、粘度
を向上させることができるものであれば特に制限されな
いが、例えば、ヒドラジンの硫酸塩と無機フィラーとの
混合物を主成分としたものなどが好適である。
【0035】このような未加硫ゴム硬化剤としては、特
に制限されず、例えばグリーンDC(川口化学工業株式
会社製)などの市販品を用いることができる。
【0036】前記未加硫ゴム硬化剤の配合量は、特に制
限されないが、ゴム成分100質量部に対して0.1〜
5質量部、好ましくは0.2〜2質量部である。未加硫
ゴム硬化剤の配合量が少なすぎると粘度が上昇しない場
合がある。一方、多すぎると圧延作業性が悪化したり、
圧延肌が悪くなったりする場合がある。
【0037】本発明の第1,2に係る免震用ゴム組成物
には、上記成分以外にも、目的に応じて適宜選択したそ
の他の成分を本発明の効果を損なわない範囲内において
含有していてもよい。前記その他の成分としては、例え
ば、カーボンブラック、オイル、硫黄、加硫促進剤、老
化防止剤などの各種添加剤が挙げられる。なお、カーボ
ンブラックの配合量は、特に制限されないが、ゴム成分
100質量部に対して5〜40質量部、好ましくは10
〜30質量部である。
【0038】本発明の免震用ゴム組成物は、100℃で
のフローテスター粘度が80000(poise)以
上、好ましくは100000(poise)以上、より
好ましくは150000(poise)である。前記フ
ローテスター粘度が80000(poise)未満であ
ると密着して圧延作業性が悪くなる。なお、フローテス
ター粘度の測定は、島津フローテスターCFT−500
形などを用いて行うことができる。
【0039】次に、本発明の免震構造体は、建築物と地
盤との間に配置され、軟質板層と硬質板層とをそれぞれ
複数個、交互にかつ地盤表面に水平に積層してなり、前
記軟質板層が、前記本発明の免震用ゴム組成物から形成
されるものである。
【0040】前記軟質板層の厚みとしては、特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜
15mm程度が好ましい。
【0041】前記硬質板層の材料としては、剪断変形し
た時に座屈現象が生じにくい剛性を付与することができ
る限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができ、金属、セラミックス、プラスチックス、FR
P、ポリウレタン、木材、紙、これらの組合せなどが挙
げられる。
【0042】前記硬質板層の厚みとしては、特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.
5〜5mm程度が好ましい。前記硬質板層は、例えば公
知の接着剤等を用いて、前記軟質板層に接着される。
【0043】前記軟質板層及び前記硬質板層の形状、大
きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選
択することができるが、通常その板面が、円状、四角状
等であることが多いが、本発明においては、これらの中
心部が打ち抜かれた形状のものも好適に使用することが
できる。この中心部が打ち抜かれた形状の軟質板層及び
硬質板層を積層してなる免震構造体は、免震機能を適宜
調節可能に設計することができる点で有利である。
【0044】本発明の免震構造体は、特に制限はなく、
目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前
記軟質板層及び前記硬質板層を積層してなる構造体の周
側面が表面被覆層で覆われていることが好ましい。
【0045】前記表面被覆層は、免震構造体の耐候性、
耐久性等を向上させる目的で設けられ、該表面被覆層の
材料としては、例えば、ブチルゴム、アクリルゴム、シ
リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、エチレン・プ
ロピレンゴム、クロロスルホン化ゴム、ポリウレタン、
ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン酢酸ビニ
ルゴム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用
してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これ
らは、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ス
チレンブタジエンゴム、ニトリルゴム等とブレンドして
使用してもよい。
【0046】前記免震構造体の形状、大きさ等について
は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
できる。前記免震構造体の構造としては、前記軟質板層
と前記硬質板層とを、交互にかつ地盤表面に水平に積層
してなる構造(以下「交互積層構造」ということがあ
る)が好ましい。このような構造を有する免震構造体
は、バネ機能を有する点で有利である。
【0047】本発明の免震構造体は、所定の剪断試験に
おける等価バネ剛性G(剪断率100%時)が10kg
f/cm以下、好ましくは6kgf/cm以下、よ
り好ましくは4kgf/cm以下である。
【0048】また、本発明の免震構造体は、所定の剪断
試験における1回目の50%変形時の等価バネ剛性(1
stG50)と1回目の100%変形時の等価バネ剛性
(1stG100)との比(1stG50/1stG
100)が1.1以下、好ましくは1.0〜1.1であ
る。前記(1stG50/1stG100)が1.1を
超えると建築物の設計が困難になる。
【0049】本発明の免震構造体の等価減衰係数(he
q)としては、0.03以下であり、特に0.025以
下であることがより好ましい。
【0050】なお、前記剪断試験は、硬質板層と同じ材
質の鉄板2枚を用意し、軟質板層と同じ材質のゴム板1
枚を接着することにより、図2に示した断面クランク状
の試験片を作製し、この試験片Tを、バネ剛性、損失エ
ネルギー測定装置を用い、前記2枚の鉄板を互いに逆方
向に引っ張り、周波数0.2Hzで剪断率100%とな
るように3回剪断力を付与した後、剪断率250%とな
るように3回剪断力を付与し、更に剪断力100%とな
るように3回剪断力を付与し、最初の剪断力100%と
なるように剪断力を加えた時の測定値(3回目)と、2
回目の剪断力100%となるように剪断力を加えた時の
測定値(3回目)を平均し、等価バネ剛性G(剪断率1
00%時)及び等価減衰定数(heq)を算出する。
【0051】次に、本発明の免震構造体の一例につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の免
震構造体の一例を示す概略説明図である。免震構造体1
0は、軟質板層16と硬質板層14とを、交互に積層し
た積層体12の周囲を外皮ゴム18で覆ってなる構造を
有し、バネ機能を有する。免震構造体10の両端は、そ
れぞれ板材に固定されてフランジ20を形成している。
フランジ20の、一方は建築物(図示せず)に固定さ
れ、他方は地盤(図示せず)に固定される。
【0052】前記硬質板層14は金属で形成されてお
り、軟質板層16は、前記ゴム成分と樹脂成分を含む免
震用ゴム組成物、又はゴム成分と樹脂成分と未加硫ゴム
硬化剤を含む免震用ゴム組成物で形成されている。な
お、この免震構造体10は、円柱形状であり、軸方向の
中心部には中空部が形成されている。
【0053】以上、本発明について詳細に説明したが、
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を
逸脱しない範囲で種々変更しても差支えない。
【0054】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明につ
いて更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何
ら限定されるものではない。
【0055】〔実施例1,2、比較例1〕表1に示す配
合組成の免震用ゴム組成物をバンバリーミキサーを用い
て調製した。得られた免震用ゴム組成物について、下記
方法により、フローテスター粘度を測定した。結果を表
1に示す。
【0056】<フローテスター粘度>100℃で30kg
fの荷重をかけたときの粘度を島津フローテスターCF
T−500形を用いて測定した。なお、フローテスター
粘度の値が大きいほど高粘度であることを示す。
【0057】次に、図1に示す構造の免震構造体10
を、前記の免震用ゴム組成物で軟質板層16を形成し、
軟質板層16の厚みは1.6mmであり、この軟質板層
16を35層(総厚み56mm)有している。
【0058】この場合、免震構造体10における硬質板
層14は、外径が225mmで、厚みが1.0mmであ
り、免振構造体10は、硬質板層14を34層有してい
る。得られた免震構造体について、下記方法で剪断試験
を行い、等価バネ剛性G(剪断率100%時)、1回目
の50%変形時の等価バネ剛性(1stG50)と1回
目の100%変形時の等価バネ剛性(1stG100
との比(1stG /1stG100)及び等価減衰
定数(heq)を求めた。結果を表1に示す。
【0059】<剪断試験>硬質板層14と同じ材質の鉄
板(25mm×60mm×厚み2.3mm)2枚を用意
し、これら2枚の鉄板の間に、未加硫のゴム板(軟質
板)を挟んだ後に加硫して接着し、図2に示した断面ク
ランク状の試験片Tを作製した。この試験片Tを、バネ
剛性、損失エネルギー測定装置(鷺宮製作所製、型式:
EFH−20−8−10)を用い、前記2枚の鉄板を互
いに逆方向に引っ張り、周波数0.2Hzで剪断率10
0%となるように3回剪断力を付与した後、剪断率25
0%となるように3回剪断力を付与し、更に剪断力10
0%となるように3回剪断力を付与した。そして、最初
の剪断力100%となるように剪断力を加えた時の測定
値(3回目)と、2回目の剪断力100%となるように
剪断力を加えた時の測定値(3回目)を平均し、等価バ
ネ剛性G(剪断率100%時)及び等価減衰定数(he
q)を算出した。
【0060】
【表1】 *未加硫硬化剤:グリーンDC(川口化学工業株式会社
製) *テルペン樹脂:YSレジンTO105(ヤスハラケミ
カル株式会社製、芳香族変性テルペン樹脂、軟化点:1
05℃) *DPG:加硫促進剤、ジフェニルグアニジン *CZ:加硫促進剤、ノラックCZ(大内新興化学工業
(株)製)
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、前記従来における諸問
題を解決し、低弾性でありながら工場作業性が向上し
た、特に戸建て住宅、仮設住宅、小型プラント、実験設
備等の諸設備、実験装置などの軽負荷の免震装置、防振
装置、制振装置、除振装置等に好適な免震用ゴム組成物
及び免震構造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の免震構造体の一例を示す断面
概略説明図である。
【図2】剪断試験で用いるサンプルの形状を示した概略
図である。
【符号の説明】
10 免震構造体 12 積層体 14 硬質板層 16 軟質板層 18 ゴム外皮 20 フランジ T 試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/36 E04B 1/36 B E04H 9/02 331 E04H 9/02 331A Fターム(参考) 3J048 AA01 BA08 BB02 BD04 DA01 EA38 4F100 AA01H AA37 AH03H AK01B AK01D AK01E AK28A AK28C AK28E AK80B AK80D AK80E AL05A AL05C AL05E AN00A AN00C AN00E AN01A AN01C AN01E BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA10A BA10B BA10C BA10D BA10E CA03 GB07 JK07 JK12B JK12D JK12E JK13A JK13C JK13E 4J002 AC011 AC031 AC061 AC081 BA002 BB151 BB181 BK002 CE002 EU136 FD022 FD146 GL00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物と地盤との間に配置され、軟質板
    層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交互にかつ地盤表面
    に水平に積層してなる免震構造体の該軟質板層を形成
    し、ゴム成分と樹脂成分を含むことを特徴とする免震用
    ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 建築物と地盤との間に配置され、軟質板
    層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交互にかつ地盤表面
    に水平に積層してなる免震構造体の該軟質板層を形成
    し、ゴム成分と樹脂成分と未加硫ゴム硬化剤を含むこと
    を特徴とする免震用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 ゴム成分が、ジエン系ゴムである請求項
    1又は2記載の免震用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 ゴム成分が、天然ゴム及び/又はポリイ
    ソプレンゴムである請求項3記載の免震用ゴム組成物。
  5. 【請求項5】 樹脂成分が、テルペン樹脂である請求項
    1乃至4のいずれか1項記載の免震用ゴム組成物。
  6. 【請求項6】 樹脂成分が、芳香族変性テルペン樹脂で
    あり、かつ軟化点が90〜120℃である請求項5記載
    の免震用ゴム組成物。
  7. 【請求項7】 未加硫ゴム硬化剤が、ヒドラジンの硫酸
    塩と無機フィラーとの混合物を主成分としたものである
    請求項2乃至6のいずれか1項記載の免震用ゴム組成
    物。
  8. 【請求項8】 建築物と地盤との間に配置され、軟質板
    層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交互にかつ地盤表面
    に水平に積層してなる免震構造体の該軟質板層を形成
    し、100℃でのフローテスター粘度が80000(p
    oise)以上であることを特徴とする免震用ゴム組成
    物。
  9. 【請求項9】 建築物と地盤との間に配置され、軟質板
    層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交互にかつ地盤表面
    に水平に積層してなる免震構造体の該軟質板層を形成
    し、100℃でのフローテスター粘度が80000(p
    oise)以上である請求項1乃至7のいずれか1項記
    載の免震用ゴム組成物。
  10. 【請求項10】 建築物と地盤との間に配置され、軟質
    板層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交互にかつ地盤表
    面に水平に積層してなる免震構造体であって、前記軟質
    板層が、請求項1乃至9のいずれか1項記載の免震用ゴ
    ム組成物から形成されると共に、所定の剪断試験におけ
    る等価バネ剛性G(剪断率100%時)が10kgf/
    cm以下であることを特徴とする免震構造体。
  11. 【請求項11】 建築物と地盤との間に配置され、軟質
    板層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交互にかつ地盤表
    面に水平に積層してなる免震構造体であって、前記軟質
    板層が、請求項1乃至9のいずれか1項記載の免震用ゴ
    ム組成物から形成されると共に、所定の剪断試験におけ
    る1回目の50%変形時の等価バネ剛性(1st
    50)と1回目の100%変形時の等価バネ剛性(1
    stG100)との比(1stG50/1st
    100)が1.1以下であることを特徴とする免震構
    造体。
  12. 【請求項12】 建築物と地盤との間に配置され、軟質
    板層と硬質板層とをそれぞれ複数個、交互にかつ地盤表
    面に水平に積層してなる免震構造体であって、前記軟質
    板層が、請求項1乃至9のいずれか1項記載の免震用ゴ
    ム組成物から形成されると共に、所定の剪断試験におけ
    る等価減衰定数(heq)が0.03以下であることを
    特徴とする免震構造体。
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