JPH115873A - ゴム組成物及びこれを用いた免震構造体 - Google Patents

ゴム組成物及びこれを用いた免震構造体

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JPH115873A
JPH115873A JP16004797A JP16004797A JPH115873A JP H115873 A JPH115873 A JP H115873A JP 16004797 A JP16004797 A JP 16004797A JP 16004797 A JP16004797 A JP 16004797A JP H115873 A JPH115873 A JP H115873A
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rubber
rubber composition
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seismic isolation
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Katsuyoshi Fujiwara
勝良 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加硫された後のゴムの高ヒステリシスロス比
と低硬度とを維持しつつ、混練時及びロール加工時の加
工性を高めたゴム組成物及びこれを用いた免震構造体1
を提供すること。 【解決手段】 ゴム板2と金属板3とが積層された積層
体4を備えた免震構造体1のゴム板2に、基材ゴム、粘
着付与性樹脂、プロセスオイル、アクリル系高吸油樹脂
を含むゴム組成物を用いる。粘着付与性樹脂としては、
不飽和結合分の少ない水添ロジンを用いる。アクリル系
高吸油樹脂の配合量は、基材ゴム100重量部に対して
0.1重量部以上50重量部以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低弾性率と高減衰
性能との両方が要求される免震構造体、制振材、緩衝材
等用のゴム組成物及びこのゴム組成物を用いた免震構造
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、地震時に建物、橋梁等の構築物の
被害を防ぐため、ゴム板と金属板とが交互に積層された
積層体を備えた免震構造体が用いられている。この免震
構造体では、構築物に伝わる振動の周期を地震の周期よ
りも長くする機能(いわゆる免震機能)と振動を減衰さ
せる機能(いわゆる減衰機能)とがゴム板により発揮さ
れるとともに、構築物の鉛直荷重を支持する機能が金属
板により発揮される。この種の免震構造体は建物や橋か
ら容易には取り外せず、長期にわたり使用され続けるの
で、建物や橋の耐久年数と同等期間(例えば数十年間)
にわたり、免震機能と減衰機能とを維持することが要求
される。
【0003】ところで、減衰機能を発揮させるにはゴム
板のヒステリシスロス比を大きくする必要がある。ヒス
テリシスロス比を大きくするために粒径の小さなカーボ
ンブラックを多量に配合する手段もあるが、これはゴム
板の硬度の上昇を招き、結果として免震機能が発揮され
なくなってしまうという問題がある。
【0004】これを解決するため、クマロン樹脂、シク
ロペンタジエン樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂等
の粘着付与性の樹脂を配合する方法も提案されている。
これら粘着付与性樹脂はゴム板の硬度を低下させる効果
があり、しかもゴム板変形時に粘着付与性樹脂が塑性変
形することにより、ヒステリシスロス比が高められる。
【0005】しかしながら、粘着付与性樹脂が配合され
たゴム組成物は粘着性が大きいため、密閉型混練機で混
練した後の排出が困難となったり、ロール加工時にロー
ルに粘着して剥がれなくなってしまったりすることがあ
る。プロセスオイルを配合することによりゴム組成物の
粘着性を低下させ、排出不良を防止し、ロール加工性を
高める方法もあるが、プロセスオイルを多量に配合する
とこのプロセスオイルのブリードにより混練時にスリッ
プが生じ、ゴム組成物にシェアーがかからず、ゴム組成
物が充分には混練されないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題に
鑑みてなされたものであり、加硫された後のゴムの高ヒ
ステリシスロス比と低硬度とを維持しつつ、混練時及び
ロール加工時の加工性を高めたゴム組成物及びこれを用
いた免震構造体を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めになされた本発明は、基材ゴムに粘着付与性樹脂とプ
ロセスオイルとが配合されたゴム組成物において、さら
に、基材ゴム100重量部に対して0.1重量部以上5
0重量部以下のアクリル系高吸油樹脂が配合されたこと
を特徴とするゴム組成物、である(請求項1)。
【0008】また、他の本発明は、このゴム組成物を用
いたゴム板と硬質板とが積層された積層体を備えた免震
構造体である(請求項5)。
【0009】これらの発明によれば、アクリル系高吸油
樹脂が配合されているため、このアクリル系高吸油樹脂
がプロセスオイルを吸収してプロセスオイルのブリード
を防ぎ、混練時のスリップを抑えて混練加工性を高める
ことができる。従って、ある程度多量のプロセスオイル
を配合することができ、粘着付与性樹脂によるゴム組成
物の粘着性の増大を防止し、密閉型混練機で混練した後
の排出性を向上させ、ロール加工時のロールへの粘着を
抑えることができる。この結果、ある程度多量の粘着付
与性樹脂を配合することが可能となり、硬度を高めるこ
となくゴム板のヒステリシスロス比を高めることができ
る。
【0010】免震構造体は、上述のように数十年間にわ
たり使用されるものである。この免震構造体のゴム板に
配合される粘着付与性樹脂に不飽和結合分が多いと、長
期間使用中にこの不飽和結合の部分で酸化が起こり、ゴ
ム板の引張強度等の物性が低下してしまう。これを防ぐ
には、不飽和結合分の少ない粘着付与性樹脂を用いれば
よい。このような樹脂としては、水添ロジンが挙げられ
る(請求項2)。
【0011】上記粘着付与性樹脂の配合量は、基材ゴム
100重量部に対して5重量部以上50重量部以下が好
ましい(請求項3)。また、上記プロセスオイルの配合
量は、基材ゴム100重量部に対して10重量部以上2
00重量部以下が好ましい(請求項4)。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しつつ、本
発明を詳説する。
【0013】図1には本発明の一実施形態にかかる免震
構造体1の断面図が示されている。この免震構造体1
は、ゴム板2と硬質板としての金属板3とが複数枚ずつ
交互に積層された積層体4を備えている。ゴム板2と金
属板3とは、加硫接着されている。ゴム板2及び金属板
3の平面形状は、円形である。積層体4は、その外周に
外皮ゴム5を備えている。ゴム板2と外皮ゴム5とは、
積層体4の加硫時にゴム流動により一体とされる。金属
板3には種々の金属材料が適用可能であるが、一般的に
はスチールが用いられる。なお、金属材料以外の、例え
ば硬質プラスチック等で硬質板を形成してもよい。積層
体4の上下には、スチール等からなるフランジ部6a、
6bが設けられている。フランジ部6a、6bとこのフ
ランジ部6a、6bに当接するゴム板2とは、加硫接着
されている。下方のフランジ部6aは適切な連結手段
(図示されず)により地盤と連結され、上方のフランジ
部6bは適切な連結手段(図示されず)により建物、橋
梁等の構築物と連結される。
【0014】ゴム板2には、天然ゴム、イソプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロ
プレンゴム、ブチルゴム、EPDM等を基材ゴムとした
ゴム組成物が用いられる。
【0015】このゴム組成物には、粘着付与性樹脂が配
合される。これにより、ゴム板2の硬度を高めることな
く、ヒステリシスロス比を高めることができる。配合さ
れる好ましい粘着付与性樹脂としては、例えば水添ロジ
ン、ロジン、クマロン樹脂等が挙げられる。特に水添ロ
ジンを用いれば、不飽和結合分が少ないので酸化されに
くく、長期間の使用による物性の低下を抑えることが可
能となる。
【0016】粘着付与性樹脂の配合量は、基材ゴム10
0重量部に対して5重量部以上50重量部以下が好まし
く、15重量部以上35重量部以下が特に好ましい。粘
着付与性樹脂の配合量が上記範囲未満であると、ゴム板
2のヒステリシスロス比を充分には高められなくなって
しまうことがある。逆に粘着付与性樹脂の配合量が上記
範囲を超えると、ゴムと樹脂との海島構造が逆転して樹
脂の物性が支配的となり、ゴム板2の引張強度が低下し
てしまうことがある。
【0017】このゴム組成物には、プロセスオイルが配
合される。これにより、粘着付与性樹脂を配合してもゴ
ム組成物の粘着性を抑えることができ、密閉式混練機で
混練した際の排出性を高め、ロール加工時のロールへの
粘着を防ぐことができる。配合されるプロセスオイルと
しては、例えばナフテン系プロセスオイル、パラフィン
系プロセスオイル、アロマティック系プロセスオイル等
が挙げられ、また一般に可塑剤と称されるものも本発明
のプロセスオイルに含まれる。特にナフテン系プロセス
オイルが、接着性を阻害せずにゴムの弾性率を下げるこ
とができるので好ましい。
【0018】プロセスオイルの配合量は、基材ゴム10
0重量部に対して10重量部以上200重量部以下が好
ましく、10重量部以上50重量部以下が特に好まし
い。プロセスオイルの配合量が上記範囲未満であると、
ゴム組成物の粘着性低減効果が充分でなくなってしまう
ことがある。逆にプロセスオイルの配合量が上記範囲を
超えると、プロセスオイルのブリードにより混練時にス
リップが生じ、ゴム組成物にシェアーがかからず、ゴム
組成物が充分には混練されなくなってしまうことがあ
る。
【0019】このゴム組成物には、アクリル系高吸油樹
脂が配合される。このアクリル系高吸油樹脂はプロセス
オイルを吸収するので、プロセスオイルのブリードを防
ぎ、混練時のスリップを抑えて混練加工性を高めること
ができる。また、このアクリル系高吸油樹脂はゴム組成
物への分散が良好であり、ゴム板2の引張強度や破断伸
度の低下を招くことが少ない。また、このアクリル系高
吸油樹脂は、上述の粘着付与性樹脂と同様、ゴム板2の
硬度を上昇させることがない。
【0020】好ましいアクリル系高吸油樹脂としては、
例えば(a) 炭素数10から16の1価脂肪族アルコ
ールの(メタ)アクリレートを主成分として成る分子中
に、1個の重合性不飽和基を有する単量体及び(b)
分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する架橋
性単量体を重合させて得られる架橋重合体が挙げられ
る。このアクリル系高吸油樹脂を用いることにより、よ
り多量のプロセスオイルを配合することが可能となる。
【0021】アクリル系高吸油樹脂としては、ゴムへの
分散性の観点から常温で粉末状のものが好ましく、その
平均粒径が1マイクロメーター以上500マイクロメー
ター以下のものが特に好ましい。配合されるアクリル系
高吸油樹脂としては、例えば日本触媒株式会社製のオレ
オソーブ等が挙げられる。
【0022】アクリル系高吸油樹脂の配合量は、基材ゴ
ム100重量部に対して0.1重量部以上50重量部以
下とされ、特に5重量部以上30重量部以下が好まし
い。アクリル系高吸油樹脂の配合量が上記範囲未満であ
ると、プロセスオイルを充分に吸収できず、混練時のス
リップが生じてしまうことがある。逆にアクリル系高吸
油樹脂の配合量が上記範囲を超えると、基材ゴムとの間
で相転移が生じ、ゴム板2の引張強度が低下してしまう
ことがある。
【0023】このゴム組成物には、上述の粘着付与性樹
脂、プロセスオイル及びアクリル系高吸油樹脂の他、架
橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、補強
剤、軟化剤、充填剤等の種々の薬品が適宜配合される。
【0024】なお、このゴム組成物は、図1に示される
ような単にゴム板2と金属板3とを積層させたタイプの
免震構造体1のゴム板2のみならず、例えば積層体4の
中央を刳り抜いて中空部を形成し、この中空部に鉛、生
ゴム等を充填したタイプの免震構造体のゴム板にも用い
ることができる。
【0025】
【実施例】
[実験1]天然ゴム(SMRCV−60)100重量部
を1.5リッターのBR型バンバリーに投入し、素練り
した。これに、粘着付与性樹脂としての水添ロジン(ハ
ーキュレス(Hercules)社製の商品名「スタビ
ライト(Staybelite)」)35重量部と、ナ
フテン系のプロセスオイル(共同石油株式会社製の商品
名「共石プロセスR50」)35重量部と、平均粒径3
0マイクロメーターのアクリル系高吸油樹脂(日本触媒
株式会社製の商品名「オレオソーブPW−170」)1
2重量部と、硫黄1.5重量部と、加硫促進剤としての
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェン
アミド(大内新興化学株式会社製の商品名「ノクセラー
CZ」)2重量部と、ステアリン酸1重量部と、酸化亜
鉛5重量部と、老化防止剤としてのN−フェニル−N’
−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(大内新興化
学株式会社製の商品名「ノクラック810NA」)1重
量部と、他の老化防止剤としての2,2,4−トリメチ
ル−1,2ジヒドロキノリンの重合体(大内新興化学株
式会社製の商品名「ノクラック224」)1重量部と、
HAFカーボンブラック(東海カーボン株式会社製の商
品名「シースト3」)40重量部と、パラフィンワック
ス(日本精蝋社製の商品名「パラフィン」)2重量部と
を投入し、5分間混練して排出させた。
【0026】排出されたゴム組成物をオープンロールで
練り、ロール温度を摂氏40度から110度の範囲で調
整しつつ、厚み2ミリメートルのシートとなるようにシ
ーティングし、実施例3のゴム組成物を得た。
【0027】また、表1に示すように水添ロジンの配合
量を変量させ、これに応じてプロセスオイル及びアクリ
ル系高吸油樹脂の配合量も変量させた他は実施例3と同
様にして、比較例1、実施例1、実施例2、実施例3、
実施例4及び実施例5のゴム組成物を得た。これらゴム
組成物を、下記の評価項目による試験に供した。
【0028】[混練加工性試験]上述のBR型バンバリ
ーによる混練後のゴム組成物につき、その練り上がり状
態を目視で確認した。状態の良好なものを「○」、混練
不良のものを「×」とした。また、BR型バンバリーか
ら排出される際に、粘着により排出が困難であったゴム
組成物は、「排出不良」とした。
【0029】[ロール加工性試験]上述のオープンロー
ルによるシーティング時に良好なシートが得られたもの
を「○」とし、得られなかったものを「×」とした。
【0030】[引張強度試験]各ゴム組成物を摂氏14
8度の条件で15分間加硫し、加硫ゴム試験片を得た。
これをJIS−K6301の引張試験に準じ、JIS−
3号形ダンベルで打ち抜き、引張速度500mm/mi
nの条件で引張試験に供し、引張強度TBを求めた。
【0031】[TB保持率試験]上記加硫ゴム試験片
を、ギアオーブンを用い、摂氏70度、80度、90度
及び100度の温度条件で、時間を変量させて老化させ
た。そして、JIS−K6301の引張試験に準じ、老
化後の引張強度を求めた。引張試験の条件は、上記引張
強度試験と同様とした。この結果より活性化エネルギー
を算出し、摂氏25度で60年間放置したに相当する老
化後の引張強度を推定した。この老化後引張強度の、初
期引張強度に対する割合を求めて、TB保持率とした。
【0032】[硬度試験]上記加硫ゴム試験片を用い、
JIS−K6301のスプリング式硬さ試験に準じ、J
IS−A型硬度計にて硬度を測定した。
【0033】[ヒステリシスロス比試験]上記加硫ゴム
試験片を用い、JIS−K6301の引張試験に準じ、
上記引張強度試験と同様の条件で伸びが100%となる
まで引っ張り、その後荷重を除去した。この操作を3回
繰り返し、3回目の応力−歪み曲線におけるロス面積比
を求め、ヒステリシスロス比とした。
【0034】これら実験結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】表1より、比較例1のゴム組成物は、各実
施例のゴム組成物よりも混練加工性に劣ることが解る。
これは、比較例1のゴム組成物にはアクリル系高吸油樹
脂が配合されておらずプロセスオイルを吸収しないの
で、混練時にスリップし、ゴム組成物にシェアーがかか
らないためである。このことより、本発明のゴム組成物
において、アクリル系高吸油樹脂の配合が必須であるこ
とが解る。
【0037】また、表1より、実施例5のゴム組成物は
硬度が充分低くヒステリシスロス比が充分高いものであ
るが、他の実施例のゴム組成物に比べて引張強度に劣る
ことが解る。これは、水添ロジンが多量に配合されてい
るためである。このことより、粘着付与性樹脂の配合量
は50重量部以下が好ましいことが解る。また、各実施
例の物性試験の結果より、水添ロジンが多くなれば引張
強度が低下し、少なくなればヒステリシスロス比が低下
することが解る。引張強度とヒステリシスロス比とのバ
ランスを考慮すれば、粘着付与性樹脂の配合量は15重
量部以上35重量部以下が特に好ましい。
【0038】[実験2]プロセスオイルの配合量を変量
させ、これに応じてアクリル系高吸油樹脂の配合量を変
量させた他は実施例3と同様にして、実施例6及び比較
例2のゴム組成物を得た。また、水添ロジンの代わり
に、粘着付与性樹脂としてのクマロン樹脂(日鉄化学株
式会社製の商品名「クマロンG90」)を35重量部配
合した他は実施例3と同様にして、実施例7のゴム組成
物を得た。また、プロセスオイル及びアクリル系高吸油
樹脂を全く配合しなかった他は実施例3と同様にして、
比較例3のゴム組成物を得た。さらに、粘着付与性樹脂
及びアクリル系高吸油樹脂を全く配合せず、プロセスオ
イルを10重量部配合した他は実施例3と同様にして、
比較例4のゴム組成物を得た。これらのゴム組成物を上
述の実験1と同様の各種試験に供し、その結果を実施例
3の結果とともに表2に示した。
【0039】
【表2】
【0040】表2より、比較例2のゴム組成物の引張強
度が、実施例3及び実施例6のゴム組成物に比べて極端
に低く、もはや免震構造体のゴム板2として使用不可能
であることが解る。これは、アクリル系高吸油樹脂を多
量に配合しすぎたため、基材ゴムとの間で相転移が生じ
たためであると思われる。このことより、アクリル系高
吸油樹脂の配合量を50重量部以下とする必要があるこ
とが解る。
【0041】また、表2より、実施例7のゴム組成物
は、引張強度、硬度及びヒステリシスロス比は良好な範
囲にあるものの、TB保持率に劣ることが解る。これ
は、クマロン樹脂の不飽和結合部分で酸化が起こってい
るためと思われる。このことより、配合される粘着付与
性樹脂としては、不飽和結合分の少ない水添ロジンが好
ましいことが解る。
【0042】また、表2より、比較例3のゴム組成物は
混練時に排出不良となり、またロール加工性に劣ること
が解る。これは、プロセスオイルを配合していないため
粘着付与性樹脂による粘着性上昇を抑えることができ
ず、ゴム組成物が混練機やロールに粘着してしまうため
である。このことより、本発明のゴム組成物において、
プロセスオイルの配合が必須であることが解る。
【0043】さらに、比較例4のゴム組成物はヒステリ
シスロス比が極端に低く、しかも硬度が50を越えてい
るため、減衰機能と免震機能との両方が要求される免震
構造体のゴム板2としては使用不可能であることが解
る。これは、水添ロジンもクマロン樹脂も配合されてい
ないためである。このことより、本発明のゴム組成物に
おいて、粘着付与性樹脂の配合が必須であることが解
る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ヒステリシスロス比が高いため減衰機能に優れ、硬度が
低いため免震機能に優れ、しかも加工性に優れるゴム組
成物を得ることができる。このようなゴム組成物は、免
震構造体のゴム板用として適しており、また、その他の
制振材用や緩衝材用としても好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる免震構造
体が示された断面図である。
【符号の説明】
1・・・免震構造体 2・・・ゴム板 3・・・金属板 4・・・積層体 5・・・外皮ゴム 6a、6b・・・フランジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 91:00 33:00)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材ゴムに粘着付与性樹脂とプロセスオ
    イルとが配合されたゴム組成物において、 さらに、基材ゴム100重量部に対して0.1重量部以
    上50重量部以下のアクリル系高吸油樹脂が配合された
    ことを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】 上記粘着付与性樹脂が水添ロジンである
    請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 上記粘着付与性樹脂の配合量が、基材ゴ
    ム100重量部に対して5重量部以上50重量部以下で
    ある請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 上記プロセスオイルの配合量が、基材ゴ
    ム100重量部に対して10重量部以上200重量部以
    下である請求項1から3のいずれかに記載のゴム組成
    物。
  5. 【請求項5】 ゴム板と硬質板とが積層された積層体を
    備えた免震構造体において、 そのゴム板には、請求項1から4のいずれかに記載のゴ
    ム組成物が用いられたことを特徴とする免震構造体。
JP16004797A 1997-06-17 1997-06-17 ゴム組成物及びこれを用いた免震構造体 Withdrawn JPH115873A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002340089A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Bridgestone Corp 免震用ゴム組成物及び免震構造体
JP2015004005A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 東洋ゴム工業株式会社 防振ゴム用ゴム組成物
WO2017154660A1 (ja) * 2016-03-09 2017-09-14 株式会社カネカ ラジカル硬化性組成物およびその硬化物

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