JP2004307594A - 高減衰ゴム組成物及びそれを用いた免震構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】減衰特性、破壊強度や弾性率等の諸特性をバランスよく具え、かつ未加硫ゴムの加工性を向上する高減衰ゴム組成物、及びそれを用い免震構造体を提供する。
【解決手段】ゴム成分としてシス−1,4結合の含有率が92%以下であるポリイソプレンゴムを30重量部以上含み、かつゴム成分100重量部に対しカーボンブラックを50〜95重量部、及び粘着付与剤を5〜50重量部含有してなる。
【選択図】 図1
【解決手段】ゴム成分としてシス−1,4結合の含有率が92%以下であるポリイソプレンゴムを30重量部以上含み、かつゴム成分100重量部に対しカーボンブラックを50〜95重量部、及び粘着付与剤を5〜50重量部含有してなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震動の振動エネルギーを吸収し、構造物への振動伝達を絶縁又は軽減する免震構造体に用いるのに適する減衰性及び加工性に優れた高減衰ゴム組成物及びそれを用いた免震構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物の基礎免震、橋梁や高架路などの構造物の支承には、ゴム組成物と鋼板等の硬質板とを交互に積層した免震構造体を用いる技術が広く普及している。
【0003】
この免震構造体は、上下方向には高い剛性、せん断方向には低い剛性を有し大変形時にも破壊しない弾性構造体であり、地震等の振動数に対して建築物の固有振動数を低減することにより、振動の入力加速度を減少し、建築物あるいはその中の人や設備などに対する被害を最小限にするものである。
【0004】
このような用途に用いられるゴム組成物は、破壊強度、クリープ特性や適度な剛性、弾性率などを具備し長期に渡り安定した高減衰性を必要とし、かつ製造時のゴム加工性を良好に維持することから、天然ゴムやイソプレンゴム等のジエン系ゴムをゴム成分としてカーボンブラックと軟化剤を多量に配合したゴム組成物が主として用いられている。
【0005】
この免震構造体に用いられる低温度依存性、低クリープ性を満足し、高減衰性を向上するゴム組成物として、イソプレンの結合が1,4−結合の液状ポリイソプレンゴムを20〜100重量部とカーボンブラックを30〜100重量部配合してなる高減衰免震ゴム組成物が開示されている(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−324777号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ゴム組成物に高減衰性を付与するために多量のカーボンブラックを充填すると、ゴム組成物の粘度が上昇し混合時の混練性や未加硫ゴムの加工性が悪化し、また混練時の分散性不良からそのゴム特性を十分に発揮できず、さらにカーボンブラックの高充填によりゴム硬度の上昇を来しゴム組成物の破壊特性の低下、さらには免震構造体の安定した品質維持の低下につながるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、破壊強度や弾性率等の諸特性と減衰特性とをバランスよく具え免震構造体に用いるに適した高減衰性能を有し、しかもその製造工程における加工性を損なうことのない高減衰ゴム組成物、及びそれを用いた減衰性能に優れる免震構造体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ゴム組成物中のゴム成分に特定のミクロ構造を有するポリマーを適用することで、ゴム組成物の結晶化を抑制し、カーボンブラックの高充填時においてもその加工性と破壊強度や高減衰性等の減衰機能をバランスよく発現させ得ることを見出し本発明に到った。
【0010】
すなわち、本発明は、ゴム成分としてシス−1,4結合の含有率が92%以下であるポリイソプレンゴムを30重量部以上含み、かつゴム成分100重量部に対しカーボンブラックを50〜95重量部、及び粘着付与剤を5〜50重量部含有してなることを特徴とする高減衰ゴム組成物である。
【0011】
本発明の高減衰ゴム組成物によれば、シス−1,4結合の含有率が92%以下であるポリイソプレンゴムをゴム成分中に30重量部以上含むことで、ゴム組成物中のシス−1,4結合の総量を規制してゴムの結晶化を抑制し、未加硫時のゴム硬度の上昇を防ぎ混合時の混練性や未加硫ゴムの加工性を良好にすることができ、加硫ゴム組成物においては高剛性を得て破壊強度を維持し、特に良好な伸び特性によって減衰特性をバランスさせながら向上することができる。また、微粒子かつストラクチャーの安定したカーボンブラックと粘着付与剤との適量を配合することで、上記ゴム特性のさらなる向上を図ることができる。
【0012】
そして、前記高減衰ゴム組成物を用いた免震構造体によれば、ゴム材料自体の優れた高減衰性によって振動エネルギーを吸収し、ビルや橋梁などの構造物及び内部の機器装置を地震災害から保護することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
【0014】
本発明の高減衰ゴム組成物は、ゴム成分としてシス−1,4結合の含有率(重量%)が92%以下であるポリイソプレンゴムを30重量部以上含むものである。 上記高減衰ゴム組成物に、他のゴムを併用する場合は、ゴム組成物の加工性、強度や弾性率等のゴム特性と減衰性とをバランスよく得るのに適したポリイソプレンゴム(IR)や天然ゴム(NR)などのジエン系ゴムを用いるのが好ましい。
【0015】
上記シス−1,4結合の含有率が92%を超え、かつその配合量がゴム成分100重量部中に30重量部未満であると、ジエン系ゴムをゴム成分とするゴム組成物中のシス−1,4結合の総量が多くなりすぎ、規則正しく配列されたゴム分子の結晶化を引き起こし、未加硫時のゴム硬度の上昇を招き混合時の混練性やロール加工等の作業性を悪化させ、またカーボンブラック等の配合剤の分散性不良によるゴム特性の低下を来し、また加硫後においてもゴム硬度が上がりすぎてゴム弾性が損なわれ、破壊特性が低下し高減衰ゴム組成物としての使用が困難になる。
【0016】
一方、シス−1,4結合の含有率が92%以下にあっても配合量が30重量部未満であると、ゴムの結晶化を抑制する効果が低下し好ましくない。
【0017】
すなわち、上記ポリイソプレンゴムの配合量が30重量部以上であれば、ゴムの結晶化を防止してムーニー粘度の上昇を抑えて未加硫時のゴム硬度の上昇を防ぎ混合時の混練性や未加硫ゴムの加工性を良好にし、かつ加硫後においては高剛性を得て破壊強度を維持し、特に良好な伸び特性によって減衰特性を向上し、未加硫時と加硫ゴムとの要求特性をバランス良く両立することができる。
【0018】
上記ポリイソプレンゴムの配合量は、40重量部以上であることがより好ましく、これによりゴム強度や減衰性を維持して加工性、弾性率(伸び)を向上する効果が著しくなる。また、ポリイソプレンゴムがゴム組成物の全体を構成するものであってもよい。この場合は、ゴム組成物の剛性低下や伸びが大きくなる傾向を伴うので、カーボンブラックや粘着付与剤の種類や配合量を調整し対応すればよい。
【0019】
上記イソプレンゴムのシス−1,4結合の含有率は92%以下であればよく、その下限値は特に制限されるものではないが、ポリマーの製造技術上の問題から90%程度が実用範囲である。また、シス−1,4結合以外のミクロ構造、すなわちトランス−1,4、3,4−、1,2結合の含有率は本発明においては制限されるものではない。なお、シス−1,4結合含有率を始めとするミクロ構造は、赤外分光光度計を用いて、赤外吸収スペクトル分析を行い各結合の吸収強度比から算出することで得られる。
【0020】
上記ポリイソプレンゴム以外のジエン系ゴムとしては、前述のイソプレンゴム(IR)と天然ゴム(NR)の他に、例えば溶液重合、乳化重合による各種のスチレンブタジエンゴム(SBR)、各種のブタジエンゴム(BR)、シンジオタクチック−1,2ポリブタジエンで変性したシス−1,4ブタジエンゴム(VCR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などを挙げることができ、その単独又は任意の2種以上を併用し使用することができる。
【0021】
本発明の高減衰ゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対しカーボンブラックが50〜95重量部が配合される。
【0022】
カーボンブラックとしては、特に制限されることはなく、SAF級、ISAF級、HAF級等のカーボンブラックを適宜選択し、その1種単独又は任意の2種以上を使用することができる。
【0023】
上記カーボンブラックの中でも、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド吸着比表面積(CTAB)が110〜150m2 /gであり、ジブチルフタレート吸油量(DBP)と圧縮ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP)との差(ΔDBP)が10〜30ml/100mgであるカーボンブラックが好ましい。
【0024】
CTABは、カーボンブラックの粒子径を示しゴム補強性の指標となるもので、CTABが110m2 /g未満であると粒子径が大きくなり良好な減衰性が得られず、150m2 /gを超えると加工性が悪化し、ゴムの分散性不良により破壊強度の低下を招き、この範囲においてゴム組成物の加工性を維持して減衰性を向上することができる。なお、CTABは、ASTM D 3765 に準拠する測定値である。
【0025】
また、DBPと24M4DBPとの差ΔDBPは、カーボンブラックのストラクチャーの安定性の指標となるもので、ΔDBPが大きいほど混練中に破壊されるストラクチャーが多くなり補強性が低下することになるが、ΔDBPが10ml/100mg未満であると未加硫ゴムのゴム硬度が上昇して加工性が悪化し、また加硫後伸び特性も十分でなく減衰効果が低下する。なお、DBPはJIS K 6221、24M4DBPはASTM D 3493 に準拠する測定値である。
【0026】
上記カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対し40〜95重量部が好ましい範囲である。カーボンブラックが40重量部未満では、ゴムの補強性が低下し強度や剛性などの基本物性が得られず、95重量部を超えると加工性が悪化し、ゴム硬度の上昇により破壊特性が低下し好ましくない。
【0027】
従って、シス−1,4結合の含有率が92%以下であるポリイソプレンゴムに所定量のカーボンブラックを用いることで、高減衰ゴム組成物の未加硫時の加工性と加硫後ゴム組成物のゴム物性、減衰性能のバランスのとれた向上を図ることができ、特にカーボンブラックのCTABとΔDBPを上記範囲とすることでより一層の効果を奏することができるようになる。
【0028】
本発明の高減衰ゴム組成物には、上記カーボンブラックに加えて、粘着付与剤がゴム成分100重量部に対して、5〜50重量部配合される。
【0029】
粘着付与剤としては、特に制限されるものではなく、アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂、アルキルフェノールアセチレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、キシレンホルムアルデヒド系樹脂、ペンテンフェノール系樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂、ポリブテン系樹脂、ロジン誘導体樹脂などの各種粘着付与剤を挙げることができ、その単独又は任意の2種以上を配合系に従い適宜選択し使用することができる。
【0030】
粘着付与剤の配合量が5重量部未満であると加工性が悪化すると共にゴム組成物の減衰性が低下し、50重量部を超えると未加硫ゴムの粘度が低下しすぎてゴムの混練作業が困難となり、またゴム組成物のタックが過大となりロール作業等の取り扱い性が悪化し、加硫ゴムのクリープ性も大きくなり減衰性が得られなくなる。
【0031】
本発明の高減衰ゴム組成物は、上記シス−1,4結合含有率が92%以下であるポリイソプレンゴムをゴム成分として含み、さらに微粒子かつストラクチャーの安定したカーボンブラックと粘着付与剤との適量を配合することで、加工性とゴム特性及び減衰性のバランスの一層の向上を図ることができるようになる。
【0032】
本発明の高減衰ゴム組成物には、前記ゴム成分、カーボンブラック及び粘着付与剤に加えて、通常にゴム工業で使用されている硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、シリカ、シランカップリング剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、オイル等の軟化剤、ワックス、各種充填剤、可塑剤、各種樹脂類など公知の配合剤を通常の配合量の範囲内で適宜配合することができる。
【0033】
本発明の高減衰ゴム組成物は、上記成分をバンバリーミキサーやニーダーなどのゴム工業で通常使用されるゴム用混合機を用いて混合することにより得られる。
【0034】
本発明の免震構造体は、前記高減衰ゴムからなるゴム部材と鋼板などの硬質板とからなる免震構造体である。
【0035】
この免震構造体としては、例えば図1に示すように、高減衰ゴム層2と硬質板3とを交互に積層して接着し、上下面にフランジ4、4’を備えた積層ゴム構造体1が例示され、その内部構造、形状、大きさなどは限定されず、形状は円柱状の他に四角柱状、多角柱状、楕円柱状など用途により選択でき、また前記硬質板やフランジは冷間圧延鋼板や各種金属板、セラミック材、FRPなどの強化プラスチック材などの各種材質が用いられる。
【0036】
前記免震構造体の製造方法は、高減衰ゴムを成形、加硫して得たシート状のゴム部材と硬質板やフランジとを積層し接着剤により接着する方法、またはシート状に成形した未加硫の高減衰ゴムと硬質板やフランジと積層し加硫接着し製造することができる。
【0037】
この免震構造体はビルや戸建て建築物などの基礎免震、橋梁や道路の支承などの免震、除振、防振などの振動エネルギーの吸収に安定した効果を有し、好適に使用することができる。
【0038】
(実施例)
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。
【0039】
表1に記載の各実施例及び比較例に用いたポリマー、カーボンブラック、粘着付与剤は下記の通りである。
【0040】
[ポリマー]
・イソプレンゴムA(IR−A):シス−1,4結合含有率=91.5wt%
・イソプレンゴムB(IR−B):シス−1,4結合含有率=96.0wt%
・天然ゴム(NR):シス−1,4結合含有率=98.0wt%
なお、イソプレンゴムB(IR−B)は汎用クラスのIR、天然ゴムはRSS#3相当品である。
【0041】
[カーボンブラック、粘着付与剤]
【0042】
上記ゴム成分、カーボンブラック、及び粘着付与剤を表1に記載の配合量(重量部)に従い、下記の共通配合成分と共に配合し、各実施例、比較例の高減衰ゴム組成物を通常の密閉式バンバリーミキサーを用いて混練して作成した。
【0043】
[共通配合成分及びその配合量(重量部)]
・亜鉛華:5重量部
・ステアリン酸:2重量部
・老化防止剤:5重量部(フレキシス(株)サントフレックス13)
・硫黄:2重量部
・加硫促進剤:1.2重量部(大内新興化学工業(株)ノクセラーCZ)
【0044】
得られた各高減衰ゴムについて、基本物性(引張強さ、伸び)、加工性の指標としてムーニー粘度、及び減衰性を下記方法に従い評価を行い、その結果を表1に示す。
【0045】
[引張強さ、伸び]
各高減衰ゴム組成物の引張強さ(TB)、及び伸び(EB)をJIS K 6301に従い(3号形ダンベル使用)を測定した。数値が大きいほどよい。
【0046】
[加工性]
各高減衰ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4(100℃))をJIS K 6300に従い測定した。数値が小さいほど加工性が良好である。
【0047】
[減衰性]
図2に示す「2ブロック・ラップ・シェア型」試験体(ゴム部:幅25mm、長さ25mm、厚み5mm)を各高減衰ゴムを用いて作成し、油圧式振動試験機を用いて周波数0.5Hzで、下記3シリーズの歪み条件でせん断加振を与え、図3に示すような応力−歪み曲線を求める。測定温度は20℃とした。
【0048】
歪み加振条件
第1シリーズ:歪み100%で10回加振する。
第2シリーズ:歪み200%で10回加振する。
第3シリーズ:歪み100%で2回加振する。
【0049】
第1シリーズにおける加振10回目と第3シリーズにおける加振2回目について、図3に示す応力−歪み曲線から、せん断弾性係数(Geq)と振動吸収特性(Heq)をそれぞれ下記式(1)、(2)から算出し、両者の平均値をそのゴムのせん断弾性係数及び振動吸収特性とし、表1に示す。Geqは任意の値に設定され、Heqは大きいほど良好である。
【0050】
Geq(Kgf/cm2 )=F/2 …(1)
Heq(%)=(ΔW/(W1+W2))×1/2π×100 …(2)
ここで、ΔWは図3における応力−歪み曲線のループ内の面積であり、W1,W2はそれぞれ図3における三角形領域の面積である。
【0051】
【表1】
【0052】
表1に示す通り、汎用のIRにSAF級カーボンブラックAを用いた比較例1に対して、粒径、ストラクチャーを変更したカーボンブラックBを用いた比較例2では、ゴム物性、減衰性の向上は見られるが、ムーニー粘度に変化がなく加工性の改善は望めない。また、天然ゴムを用いた比較例3は、減衰性(Heq)は高レベルにあるが、伸びが得られず、加工性が劣る。
【0053】
これに対して、本発明のIR Aを用いた実施例1,2は、その配合量に依存しムーニー粘度を低下させ加工性を改善し、引張強さを維持して伸びを向上することで破壊強度を大幅に向上することができる。IR Aを100重量部用いる実施例3では小粒径のカーボンブラックBを併用することで、さらにムーニー粘度の低下は大きくなり加工性は良好となるが、反面伸びが大きくなり、免震装置としての剛性にも低下傾向が見られるようになるが、カーボンブラックを増量することで(実施例4)そのバランス向上に対応することができる。IR Aの配合量が少ない比較例4は、免震特性の向上は得られるが、ムーニー粘度の低下が小さく加工性の改善に満足できない。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による高減衰ゴム組成物では、特定のカーボンブラックと粘着付与剤を配合することでゴム混練時の加工性を維持し工程安定性を得、かつ良好な破壊強度と伸び特性及び減衰性能をバランスよく具えることができる。従って、この高減衰ゴム組成物を適用した免震構造体は破壊強度と免震性能に優れ、地震の振動エネルギー吸収性を長期にわたり安定し発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高減衰ゴム組成物を適用した積層ゴム構造体である。
【図2】「2ブロック・ラップ・シェア型」試験体の斜視図である。
【図3】応力−歪み曲線の説明図である。
【符号の説明】
1……免震構造体
2……高減衰ゴム
3……硬質板
4,4’……フランジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震動の振動エネルギーを吸収し、構造物への振動伝達を絶縁又は軽減する免震構造体に用いるのに適する減衰性及び加工性に優れた高減衰ゴム組成物及びそれを用いた免震構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物の基礎免震、橋梁や高架路などの構造物の支承には、ゴム組成物と鋼板等の硬質板とを交互に積層した免震構造体を用いる技術が広く普及している。
【0003】
この免震構造体は、上下方向には高い剛性、せん断方向には低い剛性を有し大変形時にも破壊しない弾性構造体であり、地震等の振動数に対して建築物の固有振動数を低減することにより、振動の入力加速度を減少し、建築物あるいはその中の人や設備などに対する被害を最小限にするものである。
【0004】
このような用途に用いられるゴム組成物は、破壊強度、クリープ特性や適度な剛性、弾性率などを具備し長期に渡り安定した高減衰性を必要とし、かつ製造時のゴム加工性を良好に維持することから、天然ゴムやイソプレンゴム等のジエン系ゴムをゴム成分としてカーボンブラックと軟化剤を多量に配合したゴム組成物が主として用いられている。
【0005】
この免震構造体に用いられる低温度依存性、低クリープ性を満足し、高減衰性を向上するゴム組成物として、イソプレンの結合が1,4−結合の液状ポリイソプレンゴムを20〜100重量部とカーボンブラックを30〜100重量部配合してなる高減衰免震ゴム組成物が開示されている(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−324777号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ゴム組成物に高減衰性を付与するために多量のカーボンブラックを充填すると、ゴム組成物の粘度が上昇し混合時の混練性や未加硫ゴムの加工性が悪化し、また混練時の分散性不良からそのゴム特性を十分に発揮できず、さらにカーボンブラックの高充填によりゴム硬度の上昇を来しゴム組成物の破壊特性の低下、さらには免震構造体の安定した品質維持の低下につながるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、破壊強度や弾性率等の諸特性と減衰特性とをバランスよく具え免震構造体に用いるに適した高減衰性能を有し、しかもその製造工程における加工性を損なうことのない高減衰ゴム組成物、及びそれを用いた減衰性能に優れる免震構造体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ゴム組成物中のゴム成分に特定のミクロ構造を有するポリマーを適用することで、ゴム組成物の結晶化を抑制し、カーボンブラックの高充填時においてもその加工性と破壊強度や高減衰性等の減衰機能をバランスよく発現させ得ることを見出し本発明に到った。
【0010】
すなわち、本発明は、ゴム成分としてシス−1,4結合の含有率が92%以下であるポリイソプレンゴムを30重量部以上含み、かつゴム成分100重量部に対しカーボンブラックを50〜95重量部、及び粘着付与剤を5〜50重量部含有してなることを特徴とする高減衰ゴム組成物である。
【0011】
本発明の高減衰ゴム組成物によれば、シス−1,4結合の含有率が92%以下であるポリイソプレンゴムをゴム成分中に30重量部以上含むことで、ゴム組成物中のシス−1,4結合の総量を規制してゴムの結晶化を抑制し、未加硫時のゴム硬度の上昇を防ぎ混合時の混練性や未加硫ゴムの加工性を良好にすることができ、加硫ゴム組成物においては高剛性を得て破壊強度を維持し、特に良好な伸び特性によって減衰特性をバランスさせながら向上することができる。また、微粒子かつストラクチャーの安定したカーボンブラックと粘着付与剤との適量を配合することで、上記ゴム特性のさらなる向上を図ることができる。
【0012】
そして、前記高減衰ゴム組成物を用いた免震構造体によれば、ゴム材料自体の優れた高減衰性によって振動エネルギーを吸収し、ビルや橋梁などの構造物及び内部の機器装置を地震災害から保護することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
【0014】
本発明の高減衰ゴム組成物は、ゴム成分としてシス−1,4結合の含有率(重量%)が92%以下であるポリイソプレンゴムを30重量部以上含むものである。 上記高減衰ゴム組成物に、他のゴムを併用する場合は、ゴム組成物の加工性、強度や弾性率等のゴム特性と減衰性とをバランスよく得るのに適したポリイソプレンゴム(IR)や天然ゴム(NR)などのジエン系ゴムを用いるのが好ましい。
【0015】
上記シス−1,4結合の含有率が92%を超え、かつその配合量がゴム成分100重量部中に30重量部未満であると、ジエン系ゴムをゴム成分とするゴム組成物中のシス−1,4結合の総量が多くなりすぎ、規則正しく配列されたゴム分子の結晶化を引き起こし、未加硫時のゴム硬度の上昇を招き混合時の混練性やロール加工等の作業性を悪化させ、またカーボンブラック等の配合剤の分散性不良によるゴム特性の低下を来し、また加硫後においてもゴム硬度が上がりすぎてゴム弾性が損なわれ、破壊特性が低下し高減衰ゴム組成物としての使用が困難になる。
【0016】
一方、シス−1,4結合の含有率が92%以下にあっても配合量が30重量部未満であると、ゴムの結晶化を抑制する効果が低下し好ましくない。
【0017】
すなわち、上記ポリイソプレンゴムの配合量が30重量部以上であれば、ゴムの結晶化を防止してムーニー粘度の上昇を抑えて未加硫時のゴム硬度の上昇を防ぎ混合時の混練性や未加硫ゴムの加工性を良好にし、かつ加硫後においては高剛性を得て破壊強度を維持し、特に良好な伸び特性によって減衰特性を向上し、未加硫時と加硫ゴムとの要求特性をバランス良く両立することができる。
【0018】
上記ポリイソプレンゴムの配合量は、40重量部以上であることがより好ましく、これによりゴム強度や減衰性を維持して加工性、弾性率(伸び)を向上する効果が著しくなる。また、ポリイソプレンゴムがゴム組成物の全体を構成するものであってもよい。この場合は、ゴム組成物の剛性低下や伸びが大きくなる傾向を伴うので、カーボンブラックや粘着付与剤の種類や配合量を調整し対応すればよい。
【0019】
上記イソプレンゴムのシス−1,4結合の含有率は92%以下であればよく、その下限値は特に制限されるものではないが、ポリマーの製造技術上の問題から90%程度が実用範囲である。また、シス−1,4結合以外のミクロ構造、すなわちトランス−1,4、3,4−、1,2結合の含有率は本発明においては制限されるものではない。なお、シス−1,4結合含有率を始めとするミクロ構造は、赤外分光光度計を用いて、赤外吸収スペクトル分析を行い各結合の吸収強度比から算出することで得られる。
【0020】
上記ポリイソプレンゴム以外のジエン系ゴムとしては、前述のイソプレンゴム(IR)と天然ゴム(NR)の他に、例えば溶液重合、乳化重合による各種のスチレンブタジエンゴム(SBR)、各種のブタジエンゴム(BR)、シンジオタクチック−1,2ポリブタジエンで変性したシス−1,4ブタジエンゴム(VCR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などを挙げることができ、その単独又は任意の2種以上を併用し使用することができる。
【0021】
本発明の高減衰ゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対しカーボンブラックが50〜95重量部が配合される。
【0022】
カーボンブラックとしては、特に制限されることはなく、SAF級、ISAF級、HAF級等のカーボンブラックを適宜選択し、その1種単独又は任意の2種以上を使用することができる。
【0023】
上記カーボンブラックの中でも、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド吸着比表面積(CTAB)が110〜150m2 /gであり、ジブチルフタレート吸油量(DBP)と圧縮ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP)との差(ΔDBP)が10〜30ml/100mgであるカーボンブラックが好ましい。
【0024】
CTABは、カーボンブラックの粒子径を示しゴム補強性の指標となるもので、CTABが110m2 /g未満であると粒子径が大きくなり良好な減衰性が得られず、150m2 /gを超えると加工性が悪化し、ゴムの分散性不良により破壊強度の低下を招き、この範囲においてゴム組成物の加工性を維持して減衰性を向上することができる。なお、CTABは、ASTM D 3765 に準拠する測定値である。
【0025】
また、DBPと24M4DBPとの差ΔDBPは、カーボンブラックのストラクチャーの安定性の指標となるもので、ΔDBPが大きいほど混練中に破壊されるストラクチャーが多くなり補強性が低下することになるが、ΔDBPが10ml/100mg未満であると未加硫ゴムのゴム硬度が上昇して加工性が悪化し、また加硫後伸び特性も十分でなく減衰効果が低下する。なお、DBPはJIS K 6221、24M4DBPはASTM D 3493 に準拠する測定値である。
【0026】
上記カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対し40〜95重量部が好ましい範囲である。カーボンブラックが40重量部未満では、ゴムの補強性が低下し強度や剛性などの基本物性が得られず、95重量部を超えると加工性が悪化し、ゴム硬度の上昇により破壊特性が低下し好ましくない。
【0027】
従って、シス−1,4結合の含有率が92%以下であるポリイソプレンゴムに所定量のカーボンブラックを用いることで、高減衰ゴム組成物の未加硫時の加工性と加硫後ゴム組成物のゴム物性、減衰性能のバランスのとれた向上を図ることができ、特にカーボンブラックのCTABとΔDBPを上記範囲とすることでより一層の効果を奏することができるようになる。
【0028】
本発明の高減衰ゴム組成物には、上記カーボンブラックに加えて、粘着付与剤がゴム成分100重量部に対して、5〜50重量部配合される。
【0029】
粘着付与剤としては、特に制限されるものではなく、アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂、アルキルフェノールアセチレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、キシレンホルムアルデヒド系樹脂、ペンテンフェノール系樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂、ポリブテン系樹脂、ロジン誘導体樹脂などの各種粘着付与剤を挙げることができ、その単独又は任意の2種以上を配合系に従い適宜選択し使用することができる。
【0030】
粘着付与剤の配合量が5重量部未満であると加工性が悪化すると共にゴム組成物の減衰性が低下し、50重量部を超えると未加硫ゴムの粘度が低下しすぎてゴムの混練作業が困難となり、またゴム組成物のタックが過大となりロール作業等の取り扱い性が悪化し、加硫ゴムのクリープ性も大きくなり減衰性が得られなくなる。
【0031】
本発明の高減衰ゴム組成物は、上記シス−1,4結合含有率が92%以下であるポリイソプレンゴムをゴム成分として含み、さらに微粒子かつストラクチャーの安定したカーボンブラックと粘着付与剤との適量を配合することで、加工性とゴム特性及び減衰性のバランスの一層の向上を図ることができるようになる。
【0032】
本発明の高減衰ゴム組成物には、前記ゴム成分、カーボンブラック及び粘着付与剤に加えて、通常にゴム工業で使用されている硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、シリカ、シランカップリング剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、オイル等の軟化剤、ワックス、各種充填剤、可塑剤、各種樹脂類など公知の配合剤を通常の配合量の範囲内で適宜配合することができる。
【0033】
本発明の高減衰ゴム組成物は、上記成分をバンバリーミキサーやニーダーなどのゴム工業で通常使用されるゴム用混合機を用いて混合することにより得られる。
【0034】
本発明の免震構造体は、前記高減衰ゴムからなるゴム部材と鋼板などの硬質板とからなる免震構造体である。
【0035】
この免震構造体としては、例えば図1に示すように、高減衰ゴム層2と硬質板3とを交互に積層して接着し、上下面にフランジ4、4’を備えた積層ゴム構造体1が例示され、その内部構造、形状、大きさなどは限定されず、形状は円柱状の他に四角柱状、多角柱状、楕円柱状など用途により選択でき、また前記硬質板やフランジは冷間圧延鋼板や各種金属板、セラミック材、FRPなどの強化プラスチック材などの各種材質が用いられる。
【0036】
前記免震構造体の製造方法は、高減衰ゴムを成形、加硫して得たシート状のゴム部材と硬質板やフランジとを積層し接着剤により接着する方法、またはシート状に成形した未加硫の高減衰ゴムと硬質板やフランジと積層し加硫接着し製造することができる。
【0037】
この免震構造体はビルや戸建て建築物などの基礎免震、橋梁や道路の支承などの免震、除振、防振などの振動エネルギーの吸収に安定した効果を有し、好適に使用することができる。
【0038】
(実施例)
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。
【0039】
表1に記載の各実施例及び比較例に用いたポリマー、カーボンブラック、粘着付与剤は下記の通りである。
【0040】
[ポリマー]
・イソプレンゴムA(IR−A):シス−1,4結合含有率=91.5wt%
・イソプレンゴムB(IR−B):シス−1,4結合含有率=96.0wt%
・天然ゴム(NR):シス−1,4結合含有率=98.0wt%
なお、イソプレンゴムB(IR−B)は汎用クラスのIR、天然ゴムはRSS#3相当品である。
【0041】
[カーボンブラック、粘着付与剤]
【0042】
上記ゴム成分、カーボンブラック、及び粘着付与剤を表1に記載の配合量(重量部)に従い、下記の共通配合成分と共に配合し、各実施例、比較例の高減衰ゴム組成物を通常の密閉式バンバリーミキサーを用いて混練して作成した。
【0043】
[共通配合成分及びその配合量(重量部)]
・亜鉛華:5重量部
・ステアリン酸:2重量部
・老化防止剤:5重量部(フレキシス(株)サントフレックス13)
・硫黄:2重量部
・加硫促進剤:1.2重量部(大内新興化学工業(株)ノクセラーCZ)
【0044】
得られた各高減衰ゴムについて、基本物性(引張強さ、伸び)、加工性の指標としてムーニー粘度、及び減衰性を下記方法に従い評価を行い、その結果を表1に示す。
【0045】
[引張強さ、伸び]
各高減衰ゴム組成物の引張強さ(TB)、及び伸び(EB)をJIS K 6301に従い(3号形ダンベル使用)を測定した。数値が大きいほどよい。
【0046】
[加工性]
各高減衰ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4(100℃))をJIS K 6300に従い測定した。数値が小さいほど加工性が良好である。
【0047】
[減衰性]
図2に示す「2ブロック・ラップ・シェア型」試験体(ゴム部:幅25mm、長さ25mm、厚み5mm)を各高減衰ゴムを用いて作成し、油圧式振動試験機を用いて周波数0.5Hzで、下記3シリーズの歪み条件でせん断加振を与え、図3に示すような応力−歪み曲線を求める。測定温度は20℃とした。
【0048】
歪み加振条件
第1シリーズ:歪み100%で10回加振する。
第2シリーズ:歪み200%で10回加振する。
第3シリーズ:歪み100%で2回加振する。
【0049】
第1シリーズにおける加振10回目と第3シリーズにおける加振2回目について、図3に示す応力−歪み曲線から、せん断弾性係数(Geq)と振動吸収特性(Heq)をそれぞれ下記式(1)、(2)から算出し、両者の平均値をそのゴムのせん断弾性係数及び振動吸収特性とし、表1に示す。Geqは任意の値に設定され、Heqは大きいほど良好である。
【0050】
Geq(Kgf/cm2 )=F/2 …(1)
Heq(%)=(ΔW/(W1+W2))×1/2π×100 …(2)
ここで、ΔWは図3における応力−歪み曲線のループ内の面積であり、W1,W2はそれぞれ図3における三角形領域の面積である。
【0051】
【表1】
【0052】
表1に示す通り、汎用のIRにSAF級カーボンブラックAを用いた比較例1に対して、粒径、ストラクチャーを変更したカーボンブラックBを用いた比較例2では、ゴム物性、減衰性の向上は見られるが、ムーニー粘度に変化がなく加工性の改善は望めない。また、天然ゴムを用いた比較例3は、減衰性(Heq)は高レベルにあるが、伸びが得られず、加工性が劣る。
【0053】
これに対して、本発明のIR Aを用いた実施例1,2は、その配合量に依存しムーニー粘度を低下させ加工性を改善し、引張強さを維持して伸びを向上することで破壊強度を大幅に向上することができる。IR Aを100重量部用いる実施例3では小粒径のカーボンブラックBを併用することで、さらにムーニー粘度の低下は大きくなり加工性は良好となるが、反面伸びが大きくなり、免震装置としての剛性にも低下傾向が見られるようになるが、カーボンブラックを増量することで(実施例4)そのバランス向上に対応することができる。IR Aの配合量が少ない比較例4は、免震特性の向上は得られるが、ムーニー粘度の低下が小さく加工性の改善に満足できない。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による高減衰ゴム組成物では、特定のカーボンブラックと粘着付与剤を配合することでゴム混練時の加工性を維持し工程安定性を得、かつ良好な破壊強度と伸び特性及び減衰性能をバランスよく具えることができる。従って、この高減衰ゴム組成物を適用した免震構造体は破壊強度と免震性能に優れ、地震の振動エネルギー吸収性を長期にわたり安定し発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高減衰ゴム組成物を適用した積層ゴム構造体である。
【図2】「2ブロック・ラップ・シェア型」試験体の斜視図である。
【図3】応力−歪み曲線の説明図である。
【符号の説明】
1……免震構造体
2……高減衰ゴム
3……硬質板
4,4’……フランジ
Claims (2)
- ゴム成分としてシス−1,4結合の含有率が92%以下であるポリイソプレンゴムを30重量部以上含み、かつ
ゴム成分100重量部に対しカーボンブラックを50〜95重量部、及び粘着付与剤を5〜50重量部含有してなる
ことを特徴とする高減衰ゴム組成物。 - 請求項1に記載の高減衰ゴム組成物を用いた
ことを特徴とする免震構造体。
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2003
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