JP2013216781A - 高減衰組成物および粘弾性ダンパ - Google Patents

高減衰組成物および粘弾性ダンパ Download PDF

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Abstract

【課題】減衰性能に優れる上、繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下が小さい高減衰部材を形成できる高減衰組成物と、前記高減衰組成物からなる高減衰部材としての粘弾性体を備えた、建築物等の粘弾性ダンパを提供する。
【解決手段】高減衰組成物は、ベースポリマに、シリカ、および樹脂を配合するとともに、前記ベースポリマとして、イソプレンゴムを単独で用いるか、または前記イソプレンゴムと天然ゴムの2種を、前記2種のゴムの総量に占めるイソプレンゴムの割合が55質量%以上となるように併用した。粘弾性ダンパは、前記高減衰組成物からなる粘弾性体を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、振動エネルギーの伝達を緩和したり吸収したりするための高減衰部材のもとになる高減衰組成物と、前記高減衰組成物からなる高減衰部材としての粘弾性体を備えた粘弾性ダンパに関するものである。
例えばビルや橋梁等の建築物、産業機械、航空機、自動車、鉄道車両、コンピュータやその周辺機器類、家庭用電気機器類、さらには自動車用タイヤ等の幅広い分野において高減衰部材が用いられる。前記高減衰部材を用いることで、振動エネルギーの伝達を緩和したり吸収したりする、すなわち免震、制震、制振、防振等をすることができる。
前記高減衰部材は、主に天然ゴム等をベースポリマとして含む高減衰組成物によって形成される。前記高減衰組成物には、振動が加えられた際のヒステリシスロスを大きくして前記振動のエネルギーを効率よく速やかに減衰する性能、すなわち減衰性能を高めるために、カーボンブラック、シリカ等の無機充てん剤、あるいはロジン、石油樹脂等の粘着性付与剤等を配合するのが一般的である(例えば特許文献1〜3等参照)。
しかし、これら従来の高減衰組成物では高減衰部材の減衰性能を十分に高めることはできない。高減衰部材の減衰性能を現状よりもさらに高めるためには、無機充てん剤や粘着性付与剤等の配合割合をさらに増加させること等が考えられる。
ところが、多量の無機充てん剤や粘着性付与剤を配合した高減衰組成物は粘度が上昇し、加工性が低下して、所望の立体形状を有する高減衰部材を製造するために前記高減衰組成物を混練したり、前記立体形状に成形加工したりするのが容易でないという問題がある。
特に工場レベルで高減衰部材を量産する場合、前記加工性の低さは高減衰部材の生産性を大きく低下させ、生産に要するエネルギーを増大させ、さらには生産コストを高騰させる原因となるため望ましくない。
そこで、加工性を低下させずに減衰性能を向上するため、特許文献4では、シリカと、2以上の極性基を有する粘着性付与剤とを配合することが検討されている。
しかし前記極性側鎖を有するもの等の、分子中に極性基を有するベースポリマは、一般にガラス転移温度Tgが室温(3〜35℃)付近に存在することから、前記ベースポリマを含む高減衰組成物を用いて形成した高減衰部材は、最も一般的な使用温度域である前記室温付近において、特に剛性等の特性の温度依存性が大きくなる傾向がある。
特許文献5では、前記天然ゴム等の、極性側鎖を有しないベースポリマに、シリカと、2以上の極性基を有する粘着性付与剤等とを配合することが検討されている。かかる構成によれば、シリカを併用することで良好な減衰性能を維持しながら、ベースポリマとして極性基を有しないものを用いることで、室温付近での特性の温度依存性を小さくすることができる。
しかし、現状よりも減衰性能をさらに向上するために前記粘着性付与剤の配合割合を増加させた場合には、当該粘着性付与剤が高減衰部材の表面にブルームして、前記高減衰部材と金属等との接着不良などを生じることが懸念される。
また、混練時の粘着性が高くなりすぎて、加工性が低下する。
特許文献6では、粘着性付与剤として特定の軟化点を有するロジン誘導体を用いることで、さらに減衰性能を向上することが検討されている。
しかし、現状よりもさらに減衰性能を向上するためにロジン誘導体の配合割合を増加させた場合には、やはり混練時の粘着性が高くなりすぎて、加工性が低下する。
特許第3523613号公報 特開2007−63425号公報 特許第2796044号公報 特許第3664211号公報 特開2009−138053号公報 特開2010−189604号公報
前記特許文献1〜7に記載の高減衰組成物によれば、前記のように種々の問題を生じるおそれはあるものの、各成分の配合割合等を適度に調整することで、ある程度の高い減衰性能と良好な加工性とを両立することは可能である。
特に、架橋剤成分によって架橋させた状態でのゴム分子同士の架橋構造が緩やかで、減衰性能に優れた高減衰部材を形成できる上、入手がしやすく、高減衰組成物をコスト安価に製造できるといった利点を有するため、ベースポリマとして天然ゴムを用いた高減衰組成物が、高減衰部材の形成材料として広く用いられている。
しかし、前記高減衰組成物を用いて形成した高減衰部材は、繰り返し大変形が加えられた際に減衰性能が大きく低下する傾向がある。
本発明の目的は、減衰性能に優れる上、繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下が小さい高減衰部材を形成できる高減衰組成物と、前記高減衰組成物からなる高減衰部材としての粘弾性体を備えた、建築物等の粘弾性ダンパを提供することにある。
発明者の検討によると、従来、高減衰組成物のベースポリマとして主に用いられてきた天然ゴムに代えて、合成ゴムであるイソプレンゴム(合成天然ゴムとも称される)を単独で用いるか、または2種のゴムの総量に占めるイソプレンゴムの割合が55質量%以上となるように、前記イソプレンゴムと天然ゴムの2種を併用すると、減衰性能に優れる上、繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下が小さい高減衰部材を形成することができる。その理由を、発明者は下記のように推測している。
すなわち、ベースポリマとして天然ゴムを用いた高減衰組成物の架橋物である高減衰部材中では、複数の天然ゴム分子間が、架橋剤成分によって架橋されることに加えて、個々の天然ゴム分子の分子鎖の末端に存在するリン脂質やタンパク質が水素結合、イオン結合等の比較的弱い結合によって互いに結合して、分岐構造を構成する結合点を生じ、前記結合点と、架橋剤成分による架橋点とのトータルで、高減衰部材に所期の減衰性能が付与されている。
ところが、前記結合点での天然ゴム分子同士の結合は、架橋剤成分による架橋(分子結合)に比べて弱く、特に高減衰部材に大変形が加えられた際に離れやすい。
大変形が解除されると、離れた結合の一部が再生されたり、新たな結合が生成したりするものの、残りの結合は離れたままで再生されることがない。そのため、大変形が繰り返されるごとに結合点が徐々に減少して、高減衰部材の減衰性能が低下する。
これに対し、イソプレンの重合によって合成される合成ゴムであるイソプレンゴムは、その分子鎖の末端に、前記結合点を構成するリン脂質やタンパク質を有しない。
そのため、ベースポリマとしてイソプレンゴムを単独で用いて形成した高減衰部材中には前記結合点は存在せず、当該高減衰部材の減衰性能は、大変形が加えられても容易に離れることがない、架橋剤成分による架橋点によってのみ付与されることになる。
また、イソプレンゴムと天然ゴムの2種のゴムを併用する場合でも、前記2種のゴムの総量に占めるイソプレンゴムの割合を55質量%以上とした場合には、架橋物である高減衰部材中に、天然ゴムによる結合点が生成されるものの、当該結合点の数を大幅に減少させて、大変形が加えられた際に前記結合点が外れることによる影響をできるだけ小さくすることができる。そのため、繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下を極力抑制することができる。
しかもイソプレンゴムは、例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の他の合成ゴムに比べて、架橋点でのゴム分子同士の架橋構造が緩やかで、天然ゴムに近い架橋構造を構成するため、天然ゴムと同等またはそれ以上の、減衰性能に優れた高減衰部材を形成することができる。またイソプレンゴムは、前記天然ゴムと同様に、ガラス転移温度が室温付近に存在しないため、最も一般的な使用温度域である前記室温付近での、高減衰部材の剛性等の温度依存性を小さくして、広い温度範囲で安定した特性を示す高減衰部材を形成できるという利点もある。
そのため、高減衰部材の減衰性能を向上させる成分であるシリカ、および樹脂を配合することと相まって、本発明によれば、減衰性能に優れる上、繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下が小さい高減衰部材を形成できる高減衰組成物を提供することが可能となる。
すなわち本発明は、ベースポリマに、シリカ、および樹脂を配合した高減衰組成物であって、前記ベースポリマとして、イソプレンゴムを単独で用いるか、または前記イソプレンゴムと天然ゴムの2種を、前記2種のゴムの総量に占めるイソプレンゴムの割合が55質量%以上となるように併用したことを特徴とする高減衰組成物である。
前記樹脂としては、クマロンインデン系樹脂、およびジシクロペンタジエン系石油樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。これらの樹脂は、ベースポリマとしてイソプレンゴムを用いた高減衰部材の減衰性能を向上する効果に特に優れている。
前記樹脂の配合割合は、ベースポリマ100質量部あたり1質量部以上、30質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、樹脂を配合することによる、高減衰部材の減衰性能を向上する効果が十分に得られないおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下が大きくなるおそれがある。
またシリカの配合割合は、ベースポリマ100質量部あたり80質量部以上、150質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、シリカを配合することによる、高減衰部材の減衰性能を向上する効果が十分に得られないおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下が大きくなるおそれがある。
本発明の粘弾性ダンパは、前記本発明の高減衰組成物からなる粘弾性体を備えることを特徴とする。
かかる粘弾性ダンパは、前記のように減衰性能に優れるため、小型化したり、1つの建築物に組み込む数を減らしたりできる上、地震の発生によって繰り返し大変形が加えられても減衰性能が大きく低下しないため、当該地震やその後に発生する余震のエネルギーが建築物に伝わるのを確実に防止することができる。
本発明によれば、減衰性能に優れる上、繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下が小さい高減衰部材を形成できる高減衰組成物と、前記高減衰組成物からなる高減衰部材としての粘弾性体を備えた、建築物等の粘弾性ダンパを提供することができる。
本発明の実施例、比較例の高減衰組成物からなる高減衰部材の減衰性能を評価するために作製する、前記高減衰部材のモデルとしての試験体を分解して示す分解斜視図である。 同図(a)(b)は、前記試験体を変位させて変位量と荷重との関係を求めるための試験機の概略を説明する図である。 前記試験機を用いて試験体を変位させて求められる、変位量と荷重との関係を示すヒステリシスループの一例を示すグラフである。
〈高減衰組成物〉
本発明の高減衰組成物は、ベースポリマに、シリカ、および樹脂を配合したものであって、前記ベースポリマとして、イソプレンゴムを単独で用いるか、または前記イソプレンゴムと天然ゴムの2種を、前記2種のゴムの総量に占めるイソプレンゴムの割合が55質量%以上となるように併用したことを特徴としている。
(ベースポリマ)
前記のようにベースポリマとしては、イソプレンゴムを単独で用いるか、または前記イソプレンゴムと天然ゴムの2種を、前記2種のゴムの総量に占めるイソプレンゴムの割合が55質量%以上となるように併用する。
このうちイソプレンゴムとしては、例えばイソプレンをチーグラー触媒、リチウム触媒等を用いて溶液重合法によって合成されるもの等の、種々のイソプレンゴムがいずれも使用可能である。
前記イソプレンゴムとしては、これに限定されないが、例えば日本ゼオン(株)製のNIPOL(ニポール、登録商標)IR2200〔比重:0.91、ムーニー粘度(中心値):82〕、IR2200L〔比重:0.91、ムーニー粘度(中心値):70〕等の少なくとも1種が挙げられる。
また天然ゴムとしては、通常の天然ゴムや、あるいは脱蛋白天然ゴム等を用いることができる。
ベースポリマとしてイソプレンゴムを単独で用いる場合には、架橋物である高減衰部材中に、天然ゴム起源の離れやすい結合点が全く生成されないため、前記高減衰部材に繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下を極力小さくすることができる。
したがって、前記効果の点では、ベースポリマとしてイソプレンゴムを単独で用いるのが好ましい。
ただし、ベースポリマとしてイソプレンゴムと天然ゴムの2種のゴムを併用した系であっても、前記のように2種のゴムの総量に占めるイソプレンゴムの割合を55質量%以上に限定することで、前記結合点の生成数を少なくして、高減衰部材に繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下を小さくする効果を得ることができる。
しかも、先に説明したように材料の入手のしやすさ等に優れた天然ゴムを併用することで、高減衰組成物の、ひいては粘弾性ダンパの粘弾性部材等の高減衰部材の生産性を向上し、製造コストを引き下げることもできる。
なお前記併用系において、結合点の生成数を少なくして、高減衰部材に繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下を小さくする効果をさらに向上することを考慮すると、2種のゴムの総量に占めるイソプレンゴムの割合は、前記範囲内でも50質量%以上であるのが好ましく、60質量%以上であるのが好ましい。
また、天然ゴムを併用することによる、高減衰組成物等の生産性を向上し、製造コストを低減する効果をさらに向上することを考慮すると、前記イソプレンゴムの割合は、前記範囲内でも90質量%以下であるのが好ましく、80質量%以下であるのが好ましい。
(シリカ)
シリカとしては、その製法によって分類される湿式法シリカ、乾式法シリカのいずれを用いてもよい。またシリカとしては、高減衰部材の減衰性能を向上する効果をさらに向上することを考慮すると、BET比表面積が100〜400m/g、特に200〜250m/gであるものを用いるのが好ましい。BET比表面積は、例えば柴田化学器械工業(株)製の迅速表面積測定装置SA−1000等を使用して、吸着気体として窒素ガスを用いる気相吸着法で測定した値でもって表すこととする。
前記シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)製のNipSil(ニップシール、登録商標)KQ等が挙げられる。
前記シリカの配合割合は、ベースポリマ100質量部あたり80質量部以上であるのが好ましく、150質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、シリカを配合することによる、高減衰部材の減衰性能を向上する効果が十分に得られないおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下が大きくなるおそれがある。
これに対し、シリカの配合割合を前記範囲内とすることで、高減衰部材に繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下できるだけ抑制しながら、前記高減衰部材に良好な減衰性能を付与することができる。
(樹脂)
樹脂としては、クマロンインデン系樹脂、およびジシクロペンタジエン系石油樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種が好適に用いられる。特に、前記2種の樹脂を併用するのが好ましい。
このうちクマロンインデン樹脂としては、主にクマロンとインデンの重合物からなり、平均分子量1000以下程度の比較的低分子量であって、軟化剤として機能しうる種々のクマロンインデン樹脂が挙げられる。
前記クマロンインデン樹脂としては、例えば日塗化学(株)製のニットレジン(登録商標)クマロンG−90〔平均分子量:770、軟化点:90℃、酸価:1.0mgKOH/g以下、水酸基価:25mgKOH/g、臭素価9g/100g〕、G−100N〔平均分子量:730、軟化点:100℃、酸価:1.0mgKOH/g以下、水酸基価:25mgKOH/g、臭素価11g/100g〕、V−120〔平均分子量:960、軟化点:120℃、酸価:1.0mgKOH/g以下、水酸基価:30mgKOH/g、臭素価6g/100g〕、V−120S〔平均分子量:950、軟化点:120℃、酸価:1.0mgKOH/g以下、水酸基価:30mgKOH/g、臭素価7g/100g〕等の1種または2種以上が挙げられる。
またジシクロペンタジエン系石油樹脂としては、石油のC5留分中に含まれるジシクロペンタジエンを主原料として合成され、脂環族系炭化水素樹脂に属する種々のジシクロペンタジエン系石油樹脂が挙げられる。
前記ジシクロペンタジエン系石油樹脂としては、例えば丸善石油化学(株)製のマルカレッツ(登録商標)M−890A〔軟化点:105℃、比重:1.1、ヨウ素価:190g/100g、酸価:0.1mgKOH/g以下〕、M−845A〔軟化点:145℃、比重:1.1、ヨウ素価:190g/100g、酸価:0.1mgKOH/g以下〕等の1種または2種以上が挙げられる。
前記樹脂の配合割合は、ベースポリマ100質量部あたり1質量部以上、30質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、樹脂を配合することによる、高減衰部材の減衰性能を向上する効果が十分に得られないおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下が大きくなるおそれがある。
これに対し、樹脂の配合割合を前記範囲内とすることで、高減衰部材に繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下できるだけ抑制しながら、前記高減衰部材に良好な減衰性能を付与することができる。
なお樹脂として、前記クマロンインデン系樹脂、およびジシクロペンタジエン系石油樹脂の2種の樹脂を併用する場合は、両樹脂の合計の配合割合を前記範囲内に設定するのが好ましい。
(その他の成分)
本発明の高減衰組成物には、前記シリカ以外の他の無機充てん剤や、ベースポリマを架橋させるための架橋剤成分等を、適宜の割合で配合することができる。
前記他の無機充てん剤としては、例えばカーボンブラックや炭酸カルシウム等が挙げられる。
このうちカーボンブラックとしては、その製造方法等によって分類される種々のカーボンブラックの中から、充てん剤として機能しうるカーボンブラックの1種または2種以上が使用可能である。
カーボンブラックの配合割合は特に限定されないが、ベースポリマ100質量部あたり1質量部以上、5質量部以下であるのが好ましい。
また炭酸カルシウムとしては、その製造方法等によって分類される合成炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム等のうち、充てん剤として機能しうる粉末状の炭酸カルシウムがいずれも使用可能である。また炭酸カルシウムとしては、ベースポリマ等に対する親和性、分散性等を教条するために表面処理を施したものを用いてもよい。
架橋剤成分としては、ベースポリマを架橋しうる種々の架橋成分が使用可能である。特に硫黄加硫系の架橋成分を用いるのが好ましい。前記硫黄加硫系の架橋成分としては、加硫剤、加硫促進剤、および加硫促進助剤を組み合わせたものが挙げられる。特に高減衰部材のゴム弾性が上昇しすぎて減衰性能が低下する問題を生じにくい加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤を組み合わせるのが好ましい。
前記加硫剤としては、例えば硫黄や含硫黄有機化合物等が挙げられる。特に硫黄が好ましい。
加硫促進剤としては、例えばスルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤等が挙げられる。加硫促進剤は、種類によって加硫促進のメカニズムが異なるため2種以上を併用するのが好ましい。
このうちスルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)NS〔N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド〕等が挙げられる。またチウラム系加硫促進剤としては、例えば大内新興化学工業(株)製のノクセラーTBT〔テトラブチルチウラムジスルフィド〕等が挙げられる。
加硫促進助剤としては例えば亜鉛華、ステアリン酸等が挙げられる。通常は両者を加硫促進助剤として併用するのが好ましい。
前記加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤の配合割合は、高減衰部材の用途等によって異なる減衰性能や剛性等の特性に応じて適宜調整すればよい。
本発明の高減衰組成物には、さらに必要に応じてシラン化合物、軟化剤、老化防止剤等の各種添加剤を、適宜の割合で配合してもよい。
このうちシラン化合物としては、式(a):
Figure 2013216781
〔式中、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つはアルコキシ基を示す。ただしR、R、R、およびRが同時にアルコキシ基であることはなく、他はアルキル基またはアリール基を示す。〕
で表され、シランカップリング剤やシリル化剤等の、シリカの分散剤として機能しうる種々のシラン化合物が挙げられる。
特にヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシシランが好ましい。
前記シラン化合物としては、例えば信越化学工業(株)製のKBE−103(フェニルトリエトキシシラン)等が挙げられる。
シラン化合物の配合割合は特に限定されないが、シリカ100質量部あたり5質量部以上であるのが好ましく、25質量部以下であるのが好ましい。
軟化剤は、高減衰組成物の加工性をさらに向上するための成分であって、前記軟化剤としては、例えば室温(2〜35℃)で液状を呈する液状ゴムが挙げられる。前記液状ゴムとしては、例えば液状ポリイソプレンゴム、液状ニトリルゴム(液状NBR)、液状スチレンブタジエンゴム(液状SBR)等の1種または2種以上が挙げられる。
このうち液状ポリイソプレンゴムが好ましい。前記液状ポリイソプレンゴムとしては、例えば(株)クラレ製のクラプレン(登録商標)LIR−30(数平均分子量:28000)、LIR−50(数平均分子量:54000)等が挙げられる。
液状ポリイソプレンゴムの配合割合は、ベースポリマ100質量部あたり5質量部以上であるのが好ましく、50質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、当該液状ポリイソプレンゴムを配合することによる、高減衰部材の剛性を低下させる効果が十分に得られないおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には高減衰部材の減衰性能が低下するおそれがある。
老化防止剤としては、例えばベンズイミダゾール系、キノン系、ポリフェノール系、アミン系等の各種老化防止剤の1種または2種以上が挙げられる。特にベンズイミダゾール系老化防止剤とキノン系老化防止剤を併用するのが好ましい。
このうちベンズイミダゾール系老化防止剤としては、例えば大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)MB〔2−メルカプトベンズイミダゾール〕等が挙げられる。またキノン系老化防止剤としては、例えば丸石化学品(株)製のアンチゲンFR〔芳香族ケトン−アミン縮合物〕等が挙げられる。
両老化防止剤の配合割合は特に限定されないが、ベンズイミダゾール系老化防止剤は、ベースポリマ100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下であるのが好ましい。またキノン系老化防止剤は、ベースポリマ100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下であるのが好ましい。
なおその他の添加剤としては、例えばロジンと多価アルコールとのエステルやロジン変性マレイン酸樹脂等の、構成成分としてロジンを含む樹脂であるロジン誘導体が知られている。
しかしロジン誘導体を配合した場合、先に説明したように、高減衰部材の減衰性能を向上することはできるものの、当該高減衰部材は、繰り返し大変形が加えられた際に減衰性能が大きく低下するという問題を生じる。そのため本発明の高減衰組成物は、ロジン誘導体を含まない(ロジン誘導体を除く)のが好ましい。
また、分子中にイミダゾール環を有する化合物のうち、先に説明したベンズイミダゾール系老化防止剤として機能しうるもの以外のイミダゾール系化合物を配合すると、高減衰部材の減衰性能を向上できることが知られている。
かかるイミダゾール系化合物としては、例えばイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、および2−フェニル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
しかし、前記イミダゾール系化合物を配合すると、高減衰部材は、繰り返し大変形が加えられた際に減衰性能が大きく低下するという問題を生じる。そのため本発明の高減衰組成物は、ベンズイミダゾール系老化防止剤として機能しうるもの以外のイミダゾール系化合物を含まない(前記イミダゾール系化合物を除く)のが好ましい。
本発明の高減衰組成物を用いて製造できる高減衰部材としては、例えばビル等の建築物の基礎に組み込まれる免震用ダンパ、建築物の構造中に組み込まれる制震(制振)用の粘弾性ダンパ、吊橋や斜張橋等のケーブルの制振部材、産業機械や航空機、自動車、鉄道車両等の防振部材、コンピュータやその周辺機器類、あるいは家庭用電気機器類等の防振部材、さらには自動車用タイヤのトレッド等が挙げられる。
本発明によれば、前記ベースポリマ、シリカ、樹脂その他、各種成分の種類とその組み合わせおよび配合割合を調整することにより、前記それぞれの用途に適した優れた減衰性能を有する高減衰部材を得ることができる。
〈粘弾性ダンパ〉
特に本発明の高減衰組成物を形成材料として用いて、高減衰部材としての建築物の粘弾性ダンパの粘弾性体を形成した場合には、当該粘弾性体が高い減衰性能を有するため、前記粘弾性体を含む粘弾性ダンパの減衰性能を向上して、その全体を小型化したり、1つの建築物に組み込む数を減らしたりしても、従来と同等またはそれ以上の制震性能を得ることができる。
また、地震の発生によって繰り返し大変形が加えられても減衰性能が大きく低下しないため、当該地震やその後に発生する余震のエネルギーが建築物に伝わるのを確実に防止することもできる。
〈実施例1〉
(高減衰組成物の調製)
ベースポリマとしての天然ゴム〔SMR(Standard Malaysian Rubber)−CV60〕40質量部、およびイソプレンゴム〔日本ゼオン(株)製のNIPOL(ニポール、登録商標)IR2200〕60質量部に、シリカ〔東ソー・シリカ(株)製のNipSil(ニップシール、登録商標)KQ〕120質量部、クマロンインデン樹脂〔日塗化学(株)製のニットレジン(登録商標)クマロンG−90〕10質量部、およびジシクロペンタジエン系石油樹脂〔丸善石油化学(株)製のマルカレッツ(登録商標)M−890A〕10質量部と、下記表1に示す各成分とを配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。なお表1中の質量部は、それぞれベースポリマとしての天然ゴム、およびイソプレンゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
Figure 2013216781
表中の各成分は下記のとおり。
シラン化合物:フェニルトリエトキシシラン、信越化学工業(株)製のKBE−103
液状ポリイソプレンゴム:(株)クラレ製のLIR−50、数平均分子量:54000
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラック(登録商標)G
ベンズイミダゾール系老化防止剤:2−メルカプトベンズイミダゾール、大内新興化学工業(株)製のノクラックMB
キノン系老化防止剤:丸石化学品(株)製のアンチゲンFR
酸化亜鉛2種:三井金属鉱業(株)製
ステアリン酸:日油(株)製の「つばき」
5%オイル処理粉末硫黄:加硫剤、鶴見化学工業(株)製
加硫促進剤NS:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)NS
加硫促進剤TBT:テトラブチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業(株)製のノクセラーTBT−N
〈実施例2〉
天然ゴムの配合割合を20質量部、イソプレンゴムの配合割合を80質量部とし、かつ加硫促進剤NSの配合割合を1.16質量部、加硫促進剤TBTの配合割合を1.16質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈実施例3〉
天然ゴムを配合せず、イソプレンゴムの配合割合を100質量部とし、かつ加硫促進剤NSの配合割合を1.2質量部、加硫促進剤TBTの配合割合を1.2質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈比較例1〉
イソプレンゴムを配合せず、天然ゴムの配合割合を100質量部とし、かつ加硫促進剤NSの配合割合を1質量部、加硫促進剤TBTの配合割合を1質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈比較例2〉
天然ゴムの配合割合を70質量部、イソプレンゴムの配合割合を30質量部とし、かつ加硫促進剤NSの配合割合を1.06質量部、加硫促進剤TBTの配合割合を1.06質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈比較例3〉
天然ゴムの配合割合を60質量部、イソプレンゴムの配合割合を40質量部とし、かつ加硫促進剤NSの配合割合を1.08質量部、加硫促進剤TBTの配合割合を1.08質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈比較例4〉
ベースポリマとして、前記天然ゴム40質量部と、スチレンブタジエンゴム60質量部とを併用したこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈比較例5〉
ベースポリマとして、前記天然ゴム40質量部と、ブタジエンゴム60質量部とを併用したこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈減衰特性試験〉
(試験体の作製)
実施例、比較例で調製した高減衰組成物をシート状に押出成形したのち打ち抜いて、図1に示すように円板1(厚み5mm×直径25mm)を作製し、前記円板1の表裏両面に、それぞれ加硫接着剤を介して厚み6mm×縦44mm×横44mmの矩形平板状の鋼板2を重ねて積層方向に加圧しながら150℃に加熱して円板1を形成する高減衰組成物を加硫させるとともに、前記円板1を2枚の鋼板2と加硫接着させて、高減衰部材のモデルとしての減衰特性評価用の試験体3を作製した。
(変位試験)
図2(a)に示すように前記試験体3を2個用意し、前記2個の試験体3を、一方の鋼板2を介して1枚の中央固定治具4にボルトで固定するとともに、それぞれの試験体3の他方の鋼板2に、1枚ずつの左右固定治具5をボルトで固定した。そして中央固定治具4を、図示しない試験機の上側の固定アーム6に、ジョイント7を介してボルトで固定し、かつ2枚の左右固定治具5を、前記試験機の下側の可動盤8に、ジョイント9を介してボルトで固定した。
次にこの状態で、可動盤8を図中に白抜きの矢印で示すように固定アーム6の方向に押し上げるように変位させて、試験体3のうち円板1を、図2(b)に示すように前記試験体3の積層方向と直交方向に歪み変形させた状態とし、次いでこの状態から、可動盤8を図中に白抜きの矢印で示すように固定アーム6の方向と反対方向に引き下げるように変位させて、前記図2(a)に示す状態に戻す操作を1サイクルとして、前記試験体3のうち円板1を繰り返し歪み変形、すなわち振動させた際の、前記試験体3の積層方向と直交方向への円板1の変位量(mm)と荷重(N)との関係を示すヒステリシスループH(図3参照)を求めた。
測定は、温度20℃の環境下、前記操作を3サイクル実施して3回目の値を求めた。また最大変位量は、円板1を挟む2枚の鋼板2の、前記積層方向と直交方向のずれ量が、前記円板1の厚みの100%となるように設定した。
次いで、前記測定により求めた図3に示すヒステリシスループHのうち最大変位点と最小変位点とを結ぶ、図中に太線の実線で示す直線Lの傾きKeq(N/mm)を求め、前記傾きKeq(N/mm)と、円板1の厚みT(mm)と、円板1の断面積A(mm)とから、式(1):
Figure 2013216781
により等価せん断弾性率Geq(N/mm)を求めた。そして比較例1における等価せん断弾性率Geq(N/mm)を100としたときの、各実施例、比較例の等価せん断弾性率Geq(N/mm)の相対値を求めた。
また図3中に斜線を付して示した、ヒステリシスループHの全表面積で表される吸収エネルギー量ΔWと、同図中に網線を付して示した、前記直線Lと、グラフの横軸と、直線LとヒステリシスループHとの交点から前記横軸におろした垂線Lとで囲まれた領域の表面積で表される弾性歪みエネルギーWとから、式(2):
Figure 2013216781
により等価減衰定数Heqを求めた。等価減衰定数Heqが大きいほど、試験体3は減衰性能に優れていると判定できる。そこで比較例1における等価減衰定数Heqを100としたときの、各実施例、比較例の等価減衰定数Heqの相対値を求めた。
(繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能評価)
最大変位量を、円板1を挟む2枚の鋼板2の、前記積層方向と直交方向のずれ量が、前記円板1の厚みの200%となるように設定したこと以外は前記変位試験と同様にして、温度20℃の環境下で変位を30回繰り返した際の、変位3回目の等価せん断弾性率Geq(3)(N/mm)と、変位30回目の等価せん断弾性率Geq(30)(N/mm)との比Geq(30)/Geq(3)を求めた。
かかる比が1に近いほど、試験体3は、繰り返し大変形が加えられた際の減衰性能の低下が小さいと判定できる。そこで前記比が0.81以上であるものを合格として、繰り返し大辺系が加えられた際の減衰性能の低下を評価した。
以上の結果を表2に示す。
Figure 2013216781
表2の実施例1〜3、比較例1〜5の結果より、ベースポリマとして、イソプレンゴムを単独で使用するか、または前記イソプレンゴムと天然ゴムの2種を、前記2種のゴムの総量に占めるイソプレンゴムの割合が55質量%以上となるように併用することで、高減衰部材の良好な減衰性能を維持しながら、繰り返し大変形が加えられた際の、前記減衰性能の低下をできるだけ小さくできることが判った。
また実施例1〜3の結果より、前記減衰性能の低下を小さくする効果の点では、ベースポリマとして、イソプレンゴムを単独で使用するのが最も好ましく、前記イソプレンゴムと天然ゴムの2種のゴムの併用系では、前記2種のゴムの総量に占めるイソプレンゴムの割合が、前記55質量%以上の範囲内でもできるだけ大きいのが好ましいことが判った。
〈実施例4、5〉
シリカの配合割合を、ベースポリマの総量100質量部あたり80質量部(実施例4)、150質量部(実施例5)としたこと以外は実施例2と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈実施例6〜8〉
クマロンインデン系樹脂、およびジシクロペンタジエン系石油樹脂の配合割合を、それぞれベースポリマの総量100質量部あたり1質量部(実施例6)、5質量部(実施例7)、15質量部(実施例8)としたこと以外は実施例2と同様にして高減衰組成物を調製した。
前記各実施例で調製した高減衰組成物について、先の各試験を実施した。結果を、実施例2の結果と併せて表3に示す。
Figure 2013216781
表3の実施例2、4、5の結果より、シリカの配合割合は、ベースポリマの総量100質量部あたり80質量部以上、150質量部以下であるのが好ましいことが判った。また実施例2、6〜8の結果より、クマロンインデン系樹脂とジシクロペンタジエン系石油樹脂の合計の配合割合は、ベースポリマの総量100質量部あたり1質量部以上、30質量部以下であるのが好ましいことが判った。
1 円板
2 鋼板
3 試験体
4 中央固定治具
5 左右固定治具
6 固定アーム
7 ジョイント
8 可動盤
9 ジョイント
H ヒステリシスループ
直線
垂線
Keq 傾き
W エネルギー
ΔW 吸収エネルギー量

Claims (5)

  1. ベースポリマに、シリカ、および樹脂を配合した高減衰組成物であって、前記ベースポリマとして、イソプレンゴムを単独で用いるか、または前記イソプレンゴムと天然ゴムの2種を、前記2種のゴムの総量に占めるイソプレンゴムの割合が55質量%以上となるように併用したことを特徴とする高減衰組成物。
  2. 前記樹脂は、クマロンインデン系樹脂、およびジシクロペンタジエン系石油樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の高減衰組成物。
  3. 前記樹脂の配合割合は、ベースポリマ100質量部あたり1質量部以上、30質量部以下である請求項1または2に記載の高減衰組成物。
  4. 前記シリカの配合割合は、ベースポリマ100質量部あたり80質量部以上、150質量部以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高減衰組成物。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高減衰組成物からなる粘弾性体を備えることを特徴とする粘弾性ダンパ。
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