JP4057335B2 - 高減衰ゴム及びそれを用いた免震構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震動の震動エネルギーを吸収し、構造物への震動伝達を絶縁又は軽減する免震構造体に適する高減衰ゴム及びそれを用いた免震構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物の基礎免震、橋梁や道路などの構造物の支承には、ゴム組成物と鋼板などの硬質板とを交互に積層した免震構造体を用いた免震工法が広く普及している。
【0003】
この免震構造体は、上下方向には高い剛性、せん弾方向には低い剛性を有する弾性構造体であり、地震の振動数に対して建築物の固有振動数を低減することにより、振動の入力加速度を減少し、建築物あるいはその中の設備などに対する被害を最小限にするものである。
【0004】
このような用途に用いられるゴム組成物は、破壊強度、クリープ特性、ロス特性や適度な弾性率などを具備した長期に渡り安定な高減衰性を必要とすることから、天然ゴムやイソプレンゴムの天然ゴム系を主とするジエン系ゴムをゴム主成分とし、カーボンブラックと粘着付与剤として石油系樹脂などを多量に配合するゴム組成物が主として用いられている。
【0005】
従来軟化点の低い樹脂を多量配合する高減衰ゴム組成物は、温度依存性が大きく周辺温度によりゴム特性が変化しやすくなり、このため一般に外気に曝される状態で使用される免震構造体では、冬期には積層体のゴム組成物が硬くなり夏期には軟らかくなるという現象を伴い、ゴム弾性率やロス特性などの減衰性が季節変動し、免震性能に影響を与えるという問題があり、特に冬期ではゴム硬度が上がり免震性能が低下することがある。
【0006】
また、高減衰性のゴム組成物を得るために天然ゴム系ゴム成分に樹脂類を多量配合すると、天然ゴムの素練り時に添加される素練り促進剤や粘度調整剤などと共にゴムの可塑化、軟化成分が過多となってゴム組成物の粘着性が上昇し、混合工程やシーティングなどの加工工程においてロール等に過粘着となって作業性が低下したり、また加工性の低下に伴い高減衰ゴムのゴム成分の均一性低下も問題となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れた減衰性を有するゴム組成物であり、ゴム組成物の温度依存性を改善して高減衰ゴム特性の温度による変動を抑制し、またゴム粘着性の上昇を抑えてゴム加工性を改善し工程安定性を向上すると共に均一なゴム組成物を得ることでゴム特性の安定化を実現する高減衰ゴム、及びそれを用いた免震構造体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、天然ゴム、又は天然ゴムとイソプレンゴムのブレンドをゴム主成分として含むゴム成分100重量部に対して、カーボンブラックを40〜120重量部、及び粘着付与剤を20〜80重量部含有する高減衰ゴムであって、前記ゴム主成分を構成する天然ゴムの内の70重量%以上が素練り促進剤及び粘度調整剤を含まない天然ゴムからなり、かつ、前記粘着付与剤の軟化点が135℃以上であることを特徴とする高減衰ゴムである。
【0009】
本発明の高減衰ゴムは、前記ゴム主成分が、前記ゴム成分100重量部中の70重量部以上100重量部以下であり、その他のゴム成分が前記天然ゴム及びイソプレンゴム以外のジエン系ゴムからなることができる。
【0010】
また、本発明の高減衰ゴムは、前記天然ゴムとイソプレンゴムとのブレンド比率が、天然ゴム≧イソプレンゴムであることが好ましい。
【0011】
本発明の高減衰ゴムによれば、天然ゴム系ゴム成分にカーボンブラックと粘着付与剤を配合することで震動エネルギーを減衰させる優れた減衰性を得ることができ、素練り促進剤及び粘度調整剤を含まない天然ゴムの使用を所定重量部に制限することで混合時や加工時のゴム粘着性の上昇を抑えて加工性を向上し、積層体の製造精度の向上を図り、かつ、前記粘着付与剤の軟化点が135℃以上とすることでゴム組成物の温度依存性を改善し、ゴム特性の温度による影響を最小限に抑えることができる。
【0012】
そして、本発明は前記高減衰ゴムを用いたことを特徴とする免震構造体である。
【0013】
本発明の免震構造体では、積層体のゴム組成物の温度依存性が改善されるので、その使用環境や季節による免震特性の変化を抑え、温度変化に対して安定した免震性能を長期間維持することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
【0015】
本発明の高減衰ゴムは、ゴム成分として少なくとも天然ゴム(NR)を用い、又は天然ゴム(NR)とイソプレンゴム(IR)のブレンドを主成分として用いられる。NR、又はNRとIRのブレンドの合計量は、ゴム成分100重量部に対して70重量部以上であり、天然ゴム系ゴムが70重量部未満では、高減衰ゴムの強度、加工性などが得難くなり好ましくない。もちろん、NRを単独でゴム成分として用いることもできる。
【0016】
上記NR又はIR以外のゴム成分としては、ジエン系ゴムを用いることができ、各種のスチレンブタジエンゴム(SBR)、各種のブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などを挙げることができ、その単独又は任意の2種以上を併用し使用することができる。
【0017】
前記天然ゴムとしては、その天然ゴム成分の内の70重量%以上が素練り促進剤(シャッ解剤)や粘度調整剤などの可塑剤を未添加とする必要がある。この素練り促進剤や粘度調整剤などの可塑剤を添加した天然ゴムの配合量が増加すると、高減衰ゴムの未加硫時粘着性が上昇し混合時や押し出し時、シート成形時に混合機や押し出し機、ロール、カレンダーなどの加工設備に過粘着となり加工性が著しく低下し好ましくない。
【0018】
また、前記NRとIRとをブレンド使用する場合は、そのブレンド比率が天然ゴム≧イソプレンゴムであることが好ましい。IRの比率がNRよりも多くなると、未加硫時のゴム粘着性が上昇しやすく過粘着となって加工性が低下する。
【0019】
本発明の高減衰ゴムは、ゴム成分100重量部に対して、カーボンブラックを40〜120重量部含有している。このカーボンブラックとしては、一般のゴム配合に用いられるカーボンブラックであればよいが、その中でも窒素比表面積(N2 SA)が60m2 /g以上、特に60〜130m2 /gの範囲にあるものが好ましく、ASTMで示されるHAF、ISAF級などのカーボンブラックを使用することができる。
【0020】
カーボンブラックは高減衰ゴムの減衰性を発現する上で重要な因子であり、その配合量が40重量部未満であると十分な減衰性が得られず、120重量部を超えると分散性や混合性が低下し、またゴム強度も低下するので好ましくない。
【0021】
また、カーボンブラックのN2 SAが60m2 /g未満であると、良好な減衰性が得られず、130m2 /gを超えるとゴム粘着性が次第に上昇しゴムの混合性、成形加工性が低下する。
【0022】
また、本発明の高減衰ゴムは、必須成分として粘着付与剤を20〜80重量部含有するもので、その粘着付与剤の軟化点は135℃以上であることを必要とする。粘着付与剤の含有量が20重量部未満では十分な減衰性を得られず、80重量部を超えるとゴム組成物のタックが過大となり加工性が悪化し、またクリープ性が大きくなり好ましくない。また、その軟化点が135℃未満では、ゴム組成物の温度依存性が大きくなり、ゴム特性に温度の影響や季節変動を生じ免震ゴムとして使用し難くなる。
【0023】
上記の粘着付与剤としては、アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂、アルキルフェノールアセチレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、キシレンホルムアルデヒド系樹脂、ペンテンフェノール系樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂、ポリブテン系樹脂、ロジン誘導体樹脂などの多数の樹脂が挙げられ、その中の軟化点が135℃以上にある樹脂が選択され、その単独又は任意の2種以上を併用し使用することができる。
【0024】
本発明の高減衰ゴム組成物には、前記ゴム成分、カーボンブラック及び粘着付与剤の必須成分に加え必要に応じて、通常にゴム工業で使用されている硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、シリカ、シランカップリング剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、オイル等の軟化剤、ワックス、各種充填剤、可塑剤、各種樹脂類などの配合剤を通常の配合量の範囲で適宜配合することができる。
【0025】
本発明の高減衰ゴムは、上記成分をバンバリーミキサーやニーダーなどのゴム工業で通常使用されるゴム用混合機を用いて混合することにより得られる。
【0026】
本発明の免震構造体は、前記高減衰ゴムからなるゴム部材と鋼板などの硬質板とからなる免震構造体である。
【0027】
この免震構造体としては、図1に示すような高減衰ゴム層2と硬質板3とを交互に積層して接着し、上下面にフランジ4、4’を備えた積層ゴム構造体1が例示され、その内部構造、形状、大きさなどは限定されず、形状は円柱状の他に四角柱状、多角柱状、楕円柱状など用途により選択でき、また前記硬質板やフランジは冷間圧延鋼板や各種金属板、セラミック材、FRPなどの強化プラスチック材などの各種材質のものが用いられる。
【0028】
前記免震構造体の製造方法は、高減衰ゴムを成形、加硫して得たシート状のゴム部材と硬質板やフランジとを積層し接着剤により接着する方法、またはシート状に成形した未加硫の高減衰ゴムと硬質板やフランジと積層し加硫接着し製造することができる。
【0029】
この免震構造体はビルや戸建て建築物などの基礎免震、橋梁や道路の支承などの免震、除振、防振などの振動エネルギーの吸収に安定した効果を有し、好適に使用することができる。
【0030】
(実施例)
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。
【0031】
実施例、比較例に用いたゴム成分、カーボンブラック(C、B)、粘着付与剤は下記の通りである。
【0032】
・天然ゴム(NR):標準マレーシアゴム(SMR)及びRSS#3を用いた。
【0033】
1.SMR10
2.SMR20
3.SMR20CV
4.RSS#3:素練り促進剤(ジベンズアミドジフェニルジスルフィド)0.3重量部を添加して素練りを行い、ムーニー粘度ML1+4 (100 ℃)を60に調整したものである。
【0034】
・イソプレンゴム(IR):JSR(株)IR2200
・ブタジエンゴム(BR):JSR(株)BR01
カーボンブラック(C、B)は下記の通りである。
【0035】
1.C、B(HAF):昭和キャボット(株)ショウブラックN330
N2 SA=75m2 /g
2.C、B(ISAF):昭和キャボット(株)ショウブラックN220
N2 SA=111m2 /g
3.C、B(FEF):昭和キャボット(株)ショウブラックN550
N2 SA=42m2 /g
なお、N2 SAはASTM D3037−89に示される方法で測定したものである。
【0036】
また、粘着付与剤は下記の樹脂を用いた。
【0037】
ロジン系樹脂:荒川化学(株)ロジンエステル
1.ペンセルKK(商品名):軟化点165℃以上
2.ペンセルC(商品名):軟化点117〜127℃
石油系樹脂:日本ゼオン(株)ジシクロペンタジエン
3.クイントン1325(商品名):軟化点125℃
4.クイントン1345(商品名):軟化点140℃
表1〜3に記載の各ゴム成分に、カーボンブラック及び粘着付与剤を表記載の配合量に従い配合し、さらに下記の共通配合成分を配合(重量部)し、各実施例、比較例の高減衰ゴムを通常の密閉式バンバリーミキサーを用いて混練して得た。
【0038】
共通配合成分及び配合量(重量部)
・アロマ系プロセスオイル:5重量部
・亜鉛華:3重量部
・ステアリン酸:2重量部
・ワックス:1重量部
・老化防止剤 サントフレックス13(フレキシス(株)):2重量部
・硫黄:1.5重量部
・加硫促進剤 ノクセラーCZ(大内新興化学工業(株)):0.8重量部
得られた各高減衰ゴムを用いて図2に示す「1ブロック・ラップ・シェア型」試験体を用いて減衰性と剛性温度依存性を測定し、また加工性の評価及びムーニー粘度を測定した。さらに、ゴム成分にBRを配合した実施例5と比較例5については接着試験による接着性の評価を行い、その結果を表1〜3に記載した。各評価項目の測定方法は下記の通りである。
【0039】
[減衰性]
図2に示す「1ブロック・ラップ・シェア型」試験体(ゴム部:幅25mm、長さ25mm、厚み5mm)を各高減衰ゴムを用いて作成し、油圧式振動試験機を用いて周波数0.5Hzで、下記3シリーズの歪み条件でせん断加振を与え、図3に示すような応力−歪み曲線を求めた。測定温度は20℃とした。
【0040】
歪み加振条件
第1シリーズ:歪み100%で10回加振する。
【0041】
第2シリーズ:歪み200%で10回加振する。
【0042】
第3シリーズ:歪み100%で2回加振する。
【0043】
第1シリーズの10回目及び第3シリーズの2回目について、図3に示す応力−歪み曲線から、ロスを下記式(1)から算出し、両者平均値をロスとして減衰性を評価し、表1〜3に記載した。値が大きいほど良好である。
ロス=(ΔW/(W1+W2))×1/2π×100……(1)
ここで、ΔWは図3における応力−歪み曲線のループ内の面積であり、W1、W2はそれぞれ図3における三角形領域の面積である。
【0044】
[剛性温度依存性]
上記減衰性試験と同様に、上記3シリーズの歪み加振条件でせん断加振を与え、図3に示すような応力−歪み曲線を求めた。測定温度は30℃、20℃、−10℃とした。
【0045】
第1シリーズの10回目及び第3シリーズの2回目の応力−歪み曲線から、それぞれのゴム応力を下記式(2)から算出し求めた。
応力=F/2……(2)
第1シリーズと第3シリーズの前記応力の平均値をゴムの最終応力とし、各測定温度における応力を求め、その応力の比を剛性温度依存性として評価した。測定温度−10℃と20℃との比(−10℃/20℃)を「温度依存性1」、測定温度30℃と20℃との比(30℃/20℃)を「温度依存性2」として表3に記載した。「温度依存性1」は値が小さいほど、「温度依存性2」は値が大きいほど良く、数値は1に近いほど温度依存性が少なく良好である。
【0046】
[加工性]
4インチローラーヘッド押出機を用いて各高減衰ゴムを、厚み35mm、幅600mmの帯状に押出し加工を行い、ロールへの粘着性及び厚みのバラツキを目視にて確認した。ロール端部にゴムの過粘着があり、厚み精度に影響し、加工性が劣り「×」と評価し、ロールへの過粘着がなく厚み精度への影響がないものを加工性が良好であり「○」と評価し、表1〜3に記載した。
【0047】
[ムーニー粘度]
JIS K 6300に従い、ML1+4(100℃)を測定した。
【0048】
[接着性]
図2に示す「1ブロック・ラップ・シェア型」試験体を用いて、引張試験機(引張速度50mm/分、測定温度23℃)により金属プレート部をつかみ引張試験を行い、接着破壊面を目視にて観察した。ゴム材料間での破壊発生の場合、高減衰ゴムと金属材との接着性が良好であり、合格と評価した。
【0049】
【表1】
【0050】
表1に記載の各実施例、比較例は高減衰性ゴムのゴム成分を比較したものである。減衰性については全ての実施例、比較例で満足できる性能を有し、各実施例では加工性にも問題がない。しかし、素練り促進剤或いは粘度調整剤を含むRSS#3、SMR20CVをゴム成分の全量に用いた比較例1及び比較例2、またSMR20CVの配合量の多い比較例4では、ゴム組成物の可塑化、軟化が過度となってゴム粘着性が上昇し、ロールへの過粘着が発生し加工性が悪化する。また、IR配合量の多い実施例12でも、ゴム粘着性が上がり加工性が劣る。また、他のジエン系ゴムとしてBRを多く用いた実施例13は、ゴム材料と接着剤層との層間破壊を示し、免震構造体に使用すると耐久性が問題となることが分かる。一方、BRが請求範囲内の実施例5では、接着試験においてのゴム材料内での破壊(材料破壊と表示)を示し、天然ゴム系をゴム成分に用いた場合と同等の耐久性を有している。
【0051】
【表2】
【0052】
表2に記載の各実施例、比較例は高減衰性ゴムに配合するC、Bについて比較したものである。N2 SAの小さいC、Bを用いた実施例14、及びC、B配合量の少ない比較例7では、満足できる減衰性能が得られない。また、C、B配合量が多すぎる比較例8では、ゴム組成物のムーニー粘度上昇により加工性が劣り「×」と評価した。
【0053】
【表3】
【0054】
表3に記載の各実施例、比較例は高減衰性ゴムに配合する粘着付与剤について比較したものである。135℃以上の軟化点を有する粘着付与剤の所定量を配合した各実施例では、減衰性と温度依存性が両立するが、軟化点が135℃未満の粘着付与剤を用いた比較例9、10では、「温度依存性1」が大きく十分な耐寒性が得られず、また「温度依存性2」も小さくなり温度の影響を受けやすいことが分かる。また、粘着付与剤の少ない比較例11は減衰性が得られず、多すぎる比較例12ではゴム粘着性が上昇してしまい加工性が悪化している。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による高減衰ゴムでは、天然ゴム系を主とするゴム成分に所定量のカーボンブラックと粘着付与剤を配合することで良好な減衰性を有し、その粘着付与剤の軟化点を135℃以上とすることで温度依存性を改善し、高減衰ゴム特性の温度による変動を抑制することができ、また天然ゴムに含まれる素練り促進剤や粘度調整剤の添加量を規制することで未加硫時のゴム粘着性の上昇を抑えてゴム加工性を改善し工程安定性を向上することができる。
【0056】
本発明の高減衰ゴムを用いた免震構造体は、ゴム特性の温度影響を最小に抑えることができるので、その環境温度や季節の影響を受けず優れた免震性能を安定して長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高減衰ゴム組成物を適用した積層ゴム構造体である。
【図2】「1ブロック・ラップ・シェア型」試験体の説明図である。
【図3】応力−歪み曲線の説明図である。
【符号の説明】
1……免震構造体
2,10……高減衰ゴム
3……硬質板
4,4’……フランジ
9……「1ブロック・ラップ・シェア型」試験体
11……金属プレート
12……応力−歪み曲線
Claims (4)
- 天然ゴム、又は天然ゴムとイソプレンゴムのブレンドをゴム主成分として含むゴム成分100重量部に対して、カーボンブラックを40〜120重量部、及び粘着付与剤を20〜80重量部含有する高減衰ゴムであって、
前記ゴム主成分を構成する天然ゴムの内の70重量%以上が素練り促進剤及び粘度調整剤を含まない天然ゴムからなり、
かつ、前記粘着付与剤の軟化点が135℃以上である
ことを特徴とする高減衰ゴム。 - 前記ゴム主成分が、前記ゴム成分100重量部中の70重量部以上100重量部以下であり、
その他のゴム成分が前記天然ゴム及びイソプレンゴム以外のジエン系ゴムからなる
ことを特徴とする請求項1に記載の高減衰ゴム。 - 前記天然ゴムとイソプレンゴムとのブレンド比率が、天然ゴム≧イソプレンゴムである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の高減衰ゴム。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高減衰ゴムを用いた
ことを特徴とする免震構造体。
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