JP2002339617A - 引戸錠のラッチング状態解除機構 - Google Patents

引戸錠のラッチング状態解除機構

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JP2002339617A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引戸錠を備えた引戸にプッシュプル方式の棒
状引手を取付け、該棒状引手のグリップアームに部品点
数を極力低減化した引戸錠のラッチング状態解除機構を
簡単に組込むこと。 【解決手段】 引戸1の壁面に固定されたグリップアー
ムブラケット50と、このグリップアームブラケットに
固定支軸34並びに可動軸35を介して回転可能に軸支
されたグリップアーム26を有する棒状引手25と、前
記グリップアーム26に一体的に設けられ、かつ、指先
状当り部63が引戸の壁面を貫通して引戸錠Xの鎌片用
係止片12側へと延びる当り板60と、この当り板の指
先状当り部63と係合する係合部68及び前記係止片1
2の係合アーム部19と係合する係合部67を有し、か
つ、前記壁面の裏側に設けられた係止片用引張り手段6
5とから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引戸錠のラッチン
グ状態解除機構に関し、特に引戸錠に付設される棒状引
手のグリップアームに組込まれ、かつ、引戸錠の係止片
(ロック片)のラッチング状態を解除するのに適する引
戸錠のラッチング状態解除機構に関する。
【0002】
【従来の技術】引戸に設けた引戸錠がラッチング(仮施
錠)状態の場合に於いて、棒状引手を引き又は押してラ
ッチング状態を解除し、直ちに当該棒状引手を利用して
引戸を開くことが出来れば非常に便利である。
【0003】ところで、従来、回転式扉の内外の壁面に
グリップアームを有する棒状引手をそれぞれ取付け、例
えば室内側の棒状引手を手前に引くと、扉錠のラッチン
グ状態が解除するもの(ラッチング状態解除機構)は公
知である。
【0004】しかしながら、従来、引戸に「プッシュプ
ル」と称される棒状引手を設けることは一般的に行われ
ていないため、引戸に棒状引手を利用してラッチング状
態を解除するという実施例は存在していない。
【0005】何故ならば、引戸の場合、普通一般に引戸
の開放端部に取付けた凹所型引手を利用しているから、
引戸を開く時、人差し指乃至薬指を引手の凹所内に差込
み、望ましくは、それと同時に引手の凹所内に組み入れ
た可動操作レバーの指当り部に対して引戸の開く方向に
力を入れると、引手に一体的に設けられたラッチング解
除機構を介し、引戸錠の仮施錠状態が解消すれば十分で
ある、と当業者間では認識されていたからである。
【0006】しかしながら、近年のように高齢化社会に
突入し、特にバリアフリーの思想が普及しつつある時代
では、引戸錠もその例外ではなく、バリアフリーの思想
に基づき、「棒状引手を利用して引戸錠のラッチング状
態を解除することができる機構(装置)」の出現が要望
されるに至っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上述
した時代背景に鑑み、まず、従来のグリップアームを有
する棒状引手を利用することを前提にし、機構を構成す
る部品点数を極力低減化することを目的とする。次に、
各部材を簡単に組み合わせることができることである。
さらに、棒状引手を操作すると、合理的手段により、そ
の動力を変換して引戸錠の係止片を動かし、ラッチング
状態を確実に解除することができることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の引戸錠のラッチ
ング状態解除機構は、引戸1の壁面に固定されたグリッ
プアームブラケット50と、このグリップアームブラケ
ットに固定支軸34並びに可動軸35を介して回転可能
に軸支されたグリップアーム26を有する棒状引手25
と、前記グリップアーム26に一体的に設けられ、か
つ、指先状当り部63が引戸の壁面を貫通して引戸錠X
の鎌片用係止片12側へと延びる当り板60と、この当
り板の指先状当り部63と係合する係合部68及び前記
係止片12の係合アーム部19と係合する係合部67を
有し、かつ、前記壁面の裏側に設けられた係止片用引張
り手段65とから成ることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照に本発明の一実
施例を構成部材に区分けして説明する。
【0010】(1)発明の実施の環境 まず図1及び図2を参照に発明の実施の環境について説
明する。Xは引戸錠で、この引戸錠Xは引戸1に取付け
られている。一方、Yは戸枠2に取付けられた受金具
で、この受金具Yはストライクと称される受板3を有す
る。次に4は錠ケース、5は錠ケースのフロントであ
る。蓋板は省略する。錠ケース4内にはトリガー、鎌
片、仮施錠機構等がそれぞれ設けられている。そして、
引戸錠Xの仮施錠用係止片の係止状態(ラッチング状
態)を解除するラッチング状態解除機構Zが錠ケース4
に付設するように棒状引手のアームグリップに組込まれ
かつ、引戸1の内外の壁面にそれぞれ装着されている。
【0011】(2)トリガー,鎌片など 7は錠ケース4内に摺動自在に装着されたトリガーで、
このトリガー7は、トリガーバネ8により常時突出方向
に付勢されている。9は鎌片で、この鎌片9は、基部に
ピニオン10を備える。ピニオン10はトリガー7のラ
ック11に噛合している。したがって、トリガー7が錠
ケース内に後退すると、鎌片9はストライク3と掛合状
態となる。なお、錠ケース4は引戸1の内部空間に嵌め
込まれている。
【0012】(3)仮施錠部材 仮施錠部材は、図1で示すように、鎌片9がストライク
3と掛合状態となった瞬間に該鎌片9の被係合部(ラチ
ェット歯)と係合する。そこで、掛合時、鎌片の自由な
後退を阻止するために、係止片(ロック)12が設けら
れている。例えば符号12は鎌片9に形成したラチェッ
ト歯13に係脱する係合爪部14を有する仮施錠用係止
片である。この係止片12は横軸15に案内されている
と共に、付勢ばね16により鎌片に係合する方向へ常時
付勢されている。この係止片12は、本実施例では、横
軸15を案内する垂直案内長孔を有する上杆部17と、
この上杆部17に連設する水平杆部18と、この水平杆
部18に垂下状態に連設しかつ錠ケース4の下壁4aか
ら突出する係合アーム部19とから成る。
【0013】そして、係合アーム19部の下端部には、
後述する本発明の引張り手段(回転式レバー)65が係
合する被係合部(フック、係合孔、係合小突起、係合溝
など)20が形成されている。
【0014】(4)本発明の主要部 以上が本発明を理解するための補助材料(発明の実施の
環境)である。そこで、図1乃至図6を参照に本発明の
一実施例を説明する。なお、特に図示しないが、内外の
棒状引手はペアーと成っている。
【0015】「棒状引手」…まず棒状引手25について
説明する。図1で示すように、引手25は少なくとも両
手で十分に握り締めることができる長さを有する円柱或
いは角柱棒状体である。この棒状引手25の上下端部或
いは上下端部寄りの部位には、上下一対のグリップアー
ム26,26が一体的に突設されている。ここでは、上
方のグリップアーム26の構成について説明し、下方の
グリップアームのそれについては形態が同一なので説明
を割愛する。
【0016】さて、グリップアーム26の形態に関して
は、デザイン上色々と設計することができる。ここでは
図5を参照にしてその一例を「人の手」に例えて説明す
る。27はグリップアーム26の外周面に固定された手
首部、28は手首部に連設する甲部、29は甲部に連設
する指の中関節相当部であり、人差し指ないし小指まで
の各指の先端部に相当する部分は存在しない。また30
は前記手首部27ないし中関節相当部29の上下端部に
それぞれ対向状態に設けられた上下の水平板部である。
水平板部30は、例えば右手の親指を多少内側に折り曲
げたような格好(湾曲状)をしている。
【0017】グリップアーム26は、図4で示すように
先端部に、後述する断面逆コ字型のグリップアームブラ
ケット50の対向軸受板部53が入り込む収納部31を
有している。また、水平板部30の先端部寄りの部位に
は、固定支軸34用の枢支孔32が形成されており、さ
らに、水平板部30の先端部には、可動軸35用の軸孔
33が形成されている。
【0018】「取付け板とケース部」…次に取付け板4
0とケース部41について説明する。図1で示すように
引戸1の外壁38並びに内壁39、本実施例では引戸1
の外壁38の開放端部に縦方向に固定される長板状の取
付け板40は、上下端部に矩形状の開口42を有するケ
ース部41が設けられている。これらのケース41部
は、図4で示すように取付け板41の表面40aから所
要寸法突出し、かつ、グリップアーム26の先端部を収
容するのに十分な容積を有している。また、ケース部4
1の垂直内壁(取付け板の上下端部の壁面に相当)に
は、グリップアームブラケット用の固着具57が貫通す
る貫通孔43が形成されている。
【0019】一方、取付け板41の裏側40bには引戸
1に形成した取付け孔37(錠箱の場合にはその錠箱に
形成した取付け孔も含む。)を貫通する段差状の嵌合部
44が設けられ、嵌合部44には水平突起軸45が連設
している。
【0020】さらに、取付け板40の貫通孔43付近に
は、後述する当り板60が貫通する案内切欠部46が横
方向に形成されている。
【0021】「グリップアームブラケット」…グリップ
アームブラケット50は、図4で示すように断面逆コ字
型状に形成されている。図4を参照にしてグリップアー
ムブラケット50を説明すると、51は固着具57が螺
合するメネジ52を有する垂直板部、53は垂直板部5
1の上下端部からそれぞれ水平方向に延びた軸受板部、
54は軸受板部53の先端部に形成され、かつ、グリッ
プアーム26の枢支孔32と符合する固定枢軸用孔、5
5は軸受板部53の中央部或いは中央部寄りの部位に形
成された可動軸用水平案内長孔である。
【0022】「当り板」…次に当り板60について説明
する。当り板60は、複数個、本実施例では2個の取付
け孔61を有する幅広の添設部62と、この添設部62
から取付け板40の案内切欠部46及び引戸1の切欠部
36を貫通して延びる指先状当り部63とから成る。
【0023】しかして、当り板60は、添設部62がグ
リップアーム26の上方水平板部30とグリップアーム
ブラケット50の上方軸受板部53との間に介在し、前
記取付け孔61をそれぞれ貫通する固定支軸34と可動
軸35を介してグリップアーム26に一体的に設けられ
ている。したがって、当り板60はグリップアーム26
と一緒に同方向へ水平回転する。
【0024】「引張り手段」…次に引張り手段65の一
例としての回転式レバーについて説明する。引張り手段
65は、図6で示すように、引戸錠X側の鎌片用係止片
12の係合アーム部19と棒状引手25側の当り板60
の指先状当り部63の両方に係合するように取付け板4
0の上方水平突起軸45に軸支されている。
【0025】回転式レバー65は、水平突起軸45に嵌
合する嵌合孔を有するリング状部66と、このリング状
部66の外周壁に一部にアングル状に設けられ、かつ、
係合アーム部19の被係合部(係合孔)20内に入り込
む係合部としての第1係合突起67と、この第1係合突
起67を基準にすると、リング状部66外周壁の略45
〜55度の部位に設けられ、しかも該第1係合突起67
とは反対方向に指向する係合部としての第2係合突起6
8とから成り、前記第2係合部(例えば凸、凹の当り
面)68は、当り板60の指先状当り部63に係合す
る。なお、水平突起軸45には回転式レバー65が外れ
ないように押え板70が固定的に嵌合している。
【0026】上記構成に於いて、図1及び図6を参照に
して作用について説明する。棒状引手25を矢印A方向
に押すと、グリップアーム26と当り板60は軸34,
35を介して一体的に設けられているから、固定支軸3
4を支点にして同方向(反時計方向)へ回転する。この
時可動軸35はグリップアームブラケット50の水平案
内長孔55に案内される。そうすると、当り板60が回
転式レバー65の第2係合突起68を押すことになるの
で、回転式レバー65は水平突起軸45を基準にして矢
印B方向(時計方向)へ回転する。
【0027】したがって、係止片12は付勢バネ16の
バネ力に抗しながら回転式レバー65の第1係合突起6
7に引っ張られ、矢印C方向へと下降する。その結果、
係止片12の係合爪部14が鎌片9のラチェット歯13
から離れる。そこで、棒状引手25をそのまま利用しな
がら引戸1を開ける。なお、棒状引手25から手を離す
と、該棒状引手25は図示しないグリップアーム用復帰
バネないし前記付勢バネ16のバネ力により元の位置へ
と戻る。
【0028】
【実施例】当り板60は添設部62を有し、グリップア
ームブラケット50の上方軸受板部53に重ねるように
設けられているが、設計如何によっては、グリップアー
ム26の先端部に当り板60を一体成形しても良い。ま
た当り板60の係合部としての指先状当り部63を長く
すると、回転式引っ張り手段65の凸状又は凹状の係合
面に当るので、引っ張り手段65の第2係合突起68は
本発明の特定要件ではない(必ずしも第2係合突起68
に当らなくても良い)。
【0029】なお、部材の係合関係に関しては、説明の
便宜上、「例えば係合突起」という用語を使用している
が、当業者を基準にすると、突起を凹所或いは切欠に設
計変更することはきわめて容易になし得ることであるか
ら、これらの設計変更事項は同一ないし均等の範囲内で
ある。
【0030】
【発明の作用・効果】以上の説明から明らかなように、
本発明にあっては、次に列挙するような効果がある。 (1)棒状引手を利用して引戸錠のラッチング状態を解
除することができるので、バリアフリーという時代の要
請に答えることができる。 (2)機構を構成する部品点数を極力低減化したので、
製造の効率性、製造コストの安価性などの諸目的を達成
することができる。 (3)引手に各部材を簡単に組み合わせることができ
る。 (4)合理的手段により、棒状引手の駆動力を、引戸錠
の係止片(ロック片)の上下動に変換してラッチング状
態を確実に解除することができる。
【図面の簡単な説明】
図1ないし図6は、本発明の一実施例を示す各説明図。
【図1】発明の実施形態の一例を示す概略説明図。
【図2】受け金具との位置関係を示す概略説明図。
【図3】主要部の斜視図。
【図4】主要部の概略断面説明図。
【図5】主要部の分解斜視図。
【図6】作動態様の概略説明図。
【符号の説明】
X…引戸錠、Y…受金具、Z…ラッチング状態解除機
構、1…引戸、2…戸枠、3…ストライク、4…錠ケー
ス、5…フロント、7…トリガー、9…鎌片、10…ピ
ニオン、11…ラック、12…係止片、13…被係合
部、14…係合爪部、15…付勢バネ、19…係合アー
ム部、20…被係合部、25…棒状引手、26…グリッ
プアーム、30…水平板部、32…枢支孔、33…軸
孔、34…固定支軸、35…可動軸、40…取付け板、
41…ケース部、42…開口、43…貫通孔、45…水
平突起軸、46…案内切欠部、50…グリップアームブ
ラケット、51…垂直板部、52…メネジ、53…軸受
板部、54…固定支軸用孔、55…可動軸用水平案内長
孔、60…当り板、61…取付け孔、62…添設部、6
3…指先状当り部、65…引張り手段、66…リング状
部、67…第1係合突起、68…第2係合突起、70…
押え板。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引戸1の壁面に固定されたグリップアー
    ムブラケット50と、このグリップアームブラケットに
    固定支軸34並びに可動軸35を介して回転可能に軸支
    されたグリップアーム26を有する棒状引手25と、前
    記グリップアーム26に一体的に設けられ、かつ、指先
    状当り部63が引戸の壁面を貫通して引戸錠Xの鎌片用
    係止片12側へと延びる当り板60と、この当り板の指
    先状当り部63と係合する係合部68及び前記係止片1
    2の係合アーム部19と係合する係合部67を有し、か
    つ、前記壁面の裏側に設けられた係止片用引張り手段6
    5とから成る引戸錠のラッチング状態解除機構。
  2. 【請求項2】 請求項1に於いて、引っ張り手段60
    は、壁面の裏面から突出する水平突起軸45に嵌合する
    回転式レバーであることを特徴とする引戸錠のラッチン
    グ状態解除機構。
  3. 【請求項3】 請求項1に於いて、引戸1の壁面38に
    長板状の取付け板40が固定され、この取付け板40の
    表面40aにはグリップアーム26の先端部を収容する
    ケース部41が突設され、一方、取付け板の裏面40b
    には引戸に形成した取付け孔37に嵌合する嵌合部44
    と、この嵌合部44に連設する引張り手段用水平突起軸
    45とが形成されていることを特徴とする引戸錠のラッ
    チング状態解除機構。
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