JP2721135B2 - 家具などの開閉体ロック装置 - Google Patents

家具などの開閉体ロック装置

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JP2721135B2
JP2721135B2 JP7164404A JP16440495A JP2721135B2 JP 2721135 B2 JP2721135 B2 JP 2721135B2 JP 7164404 A JP7164404 A JP 7164404A JP 16440495 A JP16440495 A JP 16440495A JP 2721135 B2 JP2721135 B2 JP 2721135B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家具などの扉が地震な
どによる振動で開くのを防止する家具などの開閉体ロッ
ク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食器収納棚やシステムキッチンな
どに開閉自在に設けられる扉や引き出しなどの開閉体
は、マグネットによる吸着力を利用した閉塞保持装置に
よって閉じた状態を保持するように構成されているもの
が多い。
【0003】この他、マグネットによる吸着力以外の力
を利用して開閉体を閉塞保持するようにしたものもある
が、何れもが地震による揺れ動きによって生じる開閉体
の予期せぬ開動に対しては対策がなされておらず、地震
発生時に内部の食器などの備品が開閉体側に移動するこ
とも手伝って、開閉体が開き、食器などの備品が落下す
るという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題を解決するもので、地震発生時などにおける開閉体の
閉塞保持を確実に行なえるようにすることを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、開閉体の内側において取り付けられ開閉体
の貫通孔部に開閉体の内側から差し込まれる筒部を一体
に備えた本体部と、この本体部の内部に上下動自在に設
けられ且つ下端の爪部が家具などの内面の凹部に係合す
るように本体部の下端から下方に突出する方向にばねに
より一方向に付勢された爪部材と、前記爪部材の上端と
前記本体部の内部に突設された受け板部との間に設けら
れねじ軸を介して開閉体の前面に位置する取手と繋がれ
上端および下端に傾斜面が形成されたカム部材と、前記
上端および下端の傾斜面に当接するローラーと、前記本
体部の後部に脱着自在に取り付けられた蓋体とから構成
され、さらに前記カム部材には前記本体部の筒部内に前
後に摺動可能に嵌入する筒体がその一端がカム部材の上
下方向に向く長孔内に位置するように組み合わされ、こ
の筒体の一端およびカム部材に前記ねじ軸の一端側の頭
部が当接し、ねじ軸の他端側が取手の雌ねじ孔に螺入す
るとともに筒体の他端が取手に当接することによって取
手とカム部材が一体に動作するように構成されてなる家
具などの開閉体ロック装置を要旨とするものである。
【0006】
【作用】この構成により、地震発生時などにおける扉な
どの開閉体の閉塞保持を確実に行なうことができる。特
に、開閉体を開くときは、取手を手前に引くことにより
作動部材により爪部材がばね力に抗してロック解除方向
に動作してロックを解除し、その状態で取手を手前に引
き続けることにより開閉体を開くことができる。即ち、
取手を手前に引くという一回の操作でロック解除および
開閉体の開動を行なうことができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。先ず、図1〜図4に示す比較実施例につ
いて説明すると、1は台所などにおいて備え付けられ食
器などの備品を収納するケーシングで、このケーシング
1の上部には回動式の扉2によって開閉自在の収納部3
が形成され、またこの収納部3の下側には引き出し4に
よる収納部5が形成されている。
【0008】前記扉2は一側部のヒンジ6によってケー
シング1に取り付けられて鉛直軸芯の周りで回動自在と
なっており、他側部はロック装置7によって閉塞状態が
保持されるようになっている。
【0009】このロック装置7は前記扉2の他側部にお
ける内面下端に取り付けられた本体部8の内面にばね9
により下方に付勢されて上下動自在に設けられ下端にテ
ーパー状の爪部10aを一体に備えた爪部材10と、こ
の爪部材10の上下方向中間部に形成された前後方向に
貫通する孔部11内に位置し前後に移動自在に設けられ
て爪部材10を上下動させるカム部材12と、このカム
部材12に結合され扉2の前面に突出する取手13を備
えている。
【0010】さらに詳しくは、前記爪部材10は本体部
7の内面に一体に形成された左右一対のガイド板部1
4,14間に位置して上下動し、この爪部材10の下端
の爪部10aは本体部8およびガイド板部14の下端か
ら下方に突出してケーシング1の収納部3内の下端に形
成された凹部15に対して係脱しうるようになってい
る。前記爪部材10の下端近傍には上下方向に長いガイ
ド孔16が形成され、前記ばね9はこのガイド孔16の
下側の凹部17内に収納されてばね9の下端が凹部17
の底部で受けられ、ばね9の上端は前記左右一対のガイ
ド板部14,14間に亘って差し込まれガイド孔16内
に位置するピン18に当接するようになっている。即
ち、ピン18と凹部17の底部との間に介在されたばね
9により爪部材10の下端の爪部10aは本体部8およ
びガイド板部14の下端から下方に突出するように付勢
されている。また、前記カム部材12には上端に傾斜面
12aが形成され、この傾斜面12aが前記爪部材10
の孔部11上端内面に形成された傾斜面11aに当接し
ている。さらに、カム部材12には前記本体部8の前面
から前方に水平に突出する筒部19内に前後に摺動可能
に嵌入する筒部20を一体に備え、前記カム部材12お
よび筒部20に形成された貫通孔部21に本体部8の内
面側から挿入したねじ軸22の先端を貫通孔部21から
突出させ、このねじ軸22の頭部をカム部材12に当接
させた状態で取手13の雌ねじ孔をねじ軸22の先端に
螺合させて取手13が筒部20の先端に当接するまで締
め付けるようになっている。なお、前記本体部8に対す
るガイド板部14,14の突出量Aは本体部8内面から
のねじ軸22の頭部までの距離Bよりも大きくしてあ
り、爪部材10、カム部材12、ねじ軸22の頭部がガ
イド板部14,14から内方に飛び出さないようになっ
ている。
【0011】ところで、前記本体部8の筒部19は扉2
の下端近傍に形成された貫通孔部23に扉2の内側から
差し込まれ、本体部8を扉2の内側においてビス24に
より扉2に固定している。
【0012】上記構成において、扉2が開いているとき
は図3に示すように前記ばね9力により爪部材10の下
端の爪部10aは本体部8およびガイド板部14の下端
から下方に突出している。そして、この状態で扉2を閉
める方向に動作させると、前記爪部材10の下端の爪部
10aは前記収納部3内の下端の凹部15に嵌入係止す
る。これは爪部10aがテーパー状に形成されているこ
と、および爪部材10が前記ばね9により下方に突出す
る方向に付勢されているからである。図4に扉2が閉じ
た状態を示している。この図4に示す扉2が閉じた状態
において、地震による揺れが生じたとき、爪部材10の
下端の爪部10aが前記収納部3内の下端の凹部15に
嵌入係止しているので、扉2は勝手に開くことができな
い。次に、扉2を開くときは、前記取手13を手前に引
くことにより前記カム部材12の上端の傾斜面12aが
前記爪部材10の孔部11上端内面に形成された傾斜面
11aと当接していることにより爪部材10が前記ばね
9力に抗して持ち上げられ、下端の爪部10aが前記収
納部3内の下端の凹部15から抜け外れ、扉2が開かれ
る。
【0013】ところで、以上述べた実施例では、ロック
装置7は前記扉2の内面下端に取り付けられているが、
上端などであっても良く、その位置は限定されるもので
はない。また、以上述べた実施例では、一側部のヒンジ
によって支持されて鉛直軸芯の周りで回動自在な扉2に
対してロック装置7を設けているが、引き出し4に対し
て同様のロック装置を設けることも可能である。また、
前記爪部材10の下端の爪部10aが係脱するように収
納部3内に凹部15を形成しているが、凹部を持つ別部
材を用いることも可能である。
【0014】また、本実施例のロック装置は家庭で使用
する家具以外にオフィスなどで使用キャビネットなどに
も適用できる。さらに、本実施例のロック装置は前述の
ように本体部8に対するガイド板部14,14の突出量
Aは本体部8内面からのねじ軸22の頭部までの距離B
よりも大きくしてあり、爪部材10、カム部材12、ね
じ軸22の頭部がガイド板部14,14から内方に飛び
出さないようになっていることにより、地震の揺れなど
によって家具やキャビネットなどの内部の被収納物が前
方に倒れるなどしても被収納物がカム部材12やねじ軸
22の頭部に当たるようなことなく、ロック状態を確実
に保持することができる。
【0015】なお、大きなキャビネットなどにおいて人
が内部に入って扉がロック装置によりロックされたとき
でも、内側からカム部材12を前方に押すことによりロ
ックを解除することができる。
【0016】次に、図5〜図8に示す第1実施例につい
て説明すると、この第1実施例のロック装置31は扉2
の他側部における内面下端に取り付けられる本体部32
の内部に上下動自在に設けられ下端にテーパー状の爪部
33aを一体に備えた爪部材33と、この爪部材33を
下方に付勢すべく爪部材33の上端と本体部32の上端
との間に介在されたばね34と、前記爪部材33の上端
と前記本体部32の内部に突設された受け板部32aと
の間に設けられねじ軸35を介して扉2の前面に位置す
る取手36と繋がれ上端および下端に傾斜面37aおよ
び37bが形成されたカム部材37と、前記傾斜面37
aおよび37bに当接するローラー38aおよび38b
と、前記本体部32の後部に脱着自在に取り付けられた
蓋体39とから構成されている。
【0017】さらに詳しくは、カム部材37には前記本
体部32の前面から前方に水平に突出する筒部40内に
前後に摺動可能に嵌入する筒体41が組み合わされる。
この筒体41の一端はカム部材37の上下方向に向く長
孔37c内に位置し、この筒体41の一端およびカム部
材37に前記ねじ軸35の一端側の頭部35aが当接
し、ねじ軸35の他端側が取手36の雌ねじ孔に螺入す
るとともに筒体41の他端が取手36に当接することに
よって取手36とカム部材37が一体に動作するように
構成されている。42は前記本体部32の内部の下端近
傍に形成された筒状のガイド部で、前記爪部材33の下
端近傍に形成された開口部43内に位置して爪部材33
の上下動を案内するようになっている。
【0018】ところで、前記蓋体39には本体部32の
孔部32bに係脱自在な爪片39aを有している。ま
た、前記本体部32の筒部40は扉2の下端近傍に形成
された貫通孔部44に扉2の内側から差し込まれ、本体
部32を扉2の内側においてビス45により扉2に固定
している。
【0019】上記構成において、扉2が開いているとき
は爪部材33の下端の爪部33aは前記ばね34力によ
り本体部32の下端から下方に突出している。そして、
この状態で扉2を閉める方向に動作させると、前記爪部
材33の下端の爪部33aは収納部3内の下端の凹部1
5に嵌入係止する。これは爪部33aがテーパー状に形
成されていること、および爪部材33が前記ばね34に
より下方に突出する方向に付勢されているからである。
図8に扉2が閉じた状態を示している。この図8に示す
扉2が閉じた状態において、地震による揺れが生じたと
き、爪部材33の下端の爪部33aが前記収納部3内の
下端の凹部15に嵌入係止しているので、扉2は勝手に
開くことができない。次に、扉2を開くときは、前記取
手36を手前に引くことにより前記カム部材37は前記
長孔37cに沿って少し上昇するとともに上下の傾斜面
37aおよび37bが手前に移動し、これにより前記ロ
ーラー38aおよび38bが互いに離れる方向に移動し
て爪部材33を前記ばね34力に抗して押し上げ、爪部
材33の下端の爪部33aが前記凹部15から抜け外
れ、扉2が開かれる。なお、この第1実施例では爪部材
33の上下にローラー38aおよび38bを設け、この
ローラー38aおよび38bが互いに離れる方向に移動
して爪部材33をばね34力に抗して押し上げて扉2の
ロックを解除するようになっており、取手36の引っ張
りストロークは比較実施例に比べてほぼ半分となる。
【0020】以上述べた第1実施例では、上端および下
端に傾斜面37aおよび37bが形成されたカム部材3
7を使用しているが、図9あるいは図10に示す第2実施
例あるいは第3実施例のように上端および下端が円弧面
となっているカム部材37を使用することも可能であ
る。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、地震発生
時などにおける扉などの開閉体の閉塞保持を確実に行な
うことができる。特に、開閉体を開くときは、取手を手
前に引くことによりカム部材により爪部材がばね力に抗
してロック解除方向に動作してロックを解除し、その状
態で取手を手前に引き続けることにより開閉体を開くこ
とができる。即ち、取手を手前に引くという一回の操作
でロック解除および開閉体の開動を行なうことができ
る。また、本発明によれば、前記比較実施例に比べて取
手の引っ張りストロークはほぼ半分となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の比較実施例におけるロック装置の分解
斜視図である。
【図2】同組立完成斜視図である。
【図3】同ロック装置を取り付けた扉が開いた状態を示
す斜視図である。
【図4】同ロック装置を取り付けた扉が閉じた状態を示
す要部拡大断面図である。
【図5】本発明の第1実施例におけるロック装置の分解
斜視図である。
【図6】同組立完成直前の状態を示す斜視図である。
【図7】同組立完成斜視図である。
【図8】同ロック装置を取り付けた扉が閉じた状態を示
す要部拡大断面図である。
【図9】本発明の第2実施例におけるロック装置に用い
るカム部材の斜視図である。
【図10】本発明の第3実施例におけるロック装置に用
いるカム部材の斜視図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 扉 3 収納部 31 ロック装置 32 本体部 32a 受け板部 33a 爪部 33 爪部材 34 ばね 35 ねじ軸 35a 頭部 36 取手 37a 傾斜面 37b 傾斜面 37 カム部材 38a ローラー 38b ローラー 39 蓋体 40 筒部 41 筒体 44 貫通孔部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉体の内側において取り付けられ開閉
    体の貫通孔部に開閉体の内側から差し込まれる筒部を一
    体に備えた本体部と、この本体部の内部に上下動自在に
    設けられ且つ下端の爪部が家具などの内面の凹部に係合
    するように本体部の下端から下方に突出する方向にばね
    により一方向に付勢された爪部材と、前記爪部材の上端
    と前記本体部の内部に突設された受け板部との間に設け
    られねじ軸を介して開閉体の前面に位置する取手と繋が
    れ上端および下端に傾斜面が形成されたカム部材と、前
    記上端および下端の傾斜面に当接するローラーと、前記
    本体部の後部に脱着自在に取り付けられた蓋体とから構
    成され、さらに前記カム部材には前記本体部の筒部内に
    前後に摺動可能に嵌入する筒体がその一端がカム部材の
    上下方向に向く長孔内に位置するように組み合わされ、
    この筒体の一端およびカム部材に前記ねじ軸の一端側の
    頭部が当接し、ねじ軸の他端側が取手の雌ねじ孔に螺入
    するとともに筒体の他端が取手に当接することによって
    取手とカム部材が一体に動作するように構成されてなる
    ことを特徴とする家具などの開閉体ロック装置。
JP7164404A 1995-06-30 1995-06-30 家具などの開閉体ロック装置 Expired - Fee Related JP2721135B2 (ja)

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