JPH0247161Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえば戸袋内に収納する形式の建
具に設ける引手に関する。

従来より、引戸を戸袋から引出し易くするため
に、たとえば戸袋の開口部から露出している一側
の縦枠の進行方向側の端面に引出し用金具を埋め
込んだものがある。この引出し用金具は、上端を
押すと下端側が進行方向面側に突出する揺動レバ
ーからなり、この揺動レバーに指を掛けて引戸を
戸袋より若干進行方向側に引出すためのものであ
る。引戸を更に引出して所定の位置まで移動させ
たり（すなわち閉めたり）、いつたん閉めた引戸
を開けて戸袋側に移動させるために、引戸の一方
の側面に引出し用金具とは別個に引手を設けて、
この引手に手を掛けて操作している。このために
特に、引戸を戸袋より引出して閉める際に手を引
出し用金具から引手へ掛けかえるわずらわしさが
あるうえ、引戸の進行方向の端面および一方の側
面の２個所に引出し用金具および引手の埋込み穴
を形成しなければならず、引出し用および開閉用
の部品点数が２点となることとあいまつて引戸の
製作コストが高くなる問題があつた。

本考案の目的とするところは、引手に建具の引
出しおよび開閉の双方の機能を兼用させることに
より上記の欠点を除去することにある。

そして本考案の特徴とするところは、建具の進
行方向の端面からこの進行方向と直交する方向の
一方の側面にわたつて形成した切欠凹部と、この
切欠凹部内に軸を回動中心として取り付け、この
凹部より上記建具の進行方向側の端面より外方へ
突出可能のハンドルとからなることである。そし
て建具を閉じる時は、切欠凹部よりハンドルを突
出させて突出部を引張つて建具を引き出し、その
後ハンドルをもつて閉じる操作をし、開く時もハ
ンドルをもつて操作する。

以下本考案の実施例を図面を参照しつつ説明す
る。

第１図に示すように、建具である引戸１は敷居
２上を移動し、鎖線にて示す戸袋３内に収納する
形式のものである。引戸１には引手４が切欠凹部
５に取り付けてある。すなわち第１，２図に示す
ように引戸１の一方の端面たる進行方向側の端面
１ａから、この進行方向と直交する方向の一方の
側面１ｂにわたつて開放させた半円形状の切欠凹
部５が形成してある。切欠凹部５内には引手４を
構成する取付け枠６とハンドル７とが設けてあ
る。取付け枠６は切欠凹部５に合致する形状を有
し、半円形状の側板６ａの円弧外周に所定高さの
保持板６ｂを一体的に付設したものである。側板
６ａには、引戸１に固定するためのねじ挿通孔６
ｃと、そしてねじ軸８の先端部とねじ結合するね
じ孔６ｄとがそれぞれ設けてある。保持板６ｂの
一端部には、ハンドル７の回転を止めるためのス
トツパ６ｅが形成してある。

ハンドル７は取付け枠６に嵌合する形状を有
し、引戸１の進行方向の端面１ａと同一平面を形
成する押板７ａに円弧状の指掛板７ｂを連設した
Ｄ形状のものである。押板７ａの中央部には引戸
の進行方向と直交する方向にねじ軸挿通孔７ｃが
形成してある。押板７ａの一端部には取付け枠６
のストツパ６ｅと係合する段部７ｅが形成してあ
る。

ねじ軸８は、ハンドル７を取付け枠６内に収納
した状態で、挿通孔７ｃを貫通して先端部で取付
け枠のねじ孔６ｄとねじ結合し、押板７ａをねじ
軸に対し回動自在に結合する構造としてある。押
板７ａの取付け枠６側端部に、挿通孔７ｃと連通
する溝部７ｄ（第３図）を形成し、この溝部内の
ねじ軸８の先端部にばね９が巻回してあり、ばね
の一端は止め穴８ａ（第２図）に挿着し、他端は
溝部の内面に弾接させて、ハンドル７を取付け枠
６に一体化したときに、このハンドルに対してば
ね力が常時第１図反時計方向に付勢するようにし
てある。

次に使用方法について説明すると、第１図示の
状態において、ハンドル７の押板７ａの上部を第
１図矢印Ａ方向より押すと、ハンドルはばね９の
ばね力に抗して第１図時計方向に回転し、押板の
下部が手前（第１図矢印Ｂ方向）に押出される。
従つて、押板７ａの内側に指をかけるようにして
下部を引張れば、引戸１は容易に戸袋３より引出
すことができる。その状態で指を引手４から離す
と、ばね９の復元力によつてハンドル７は逆方向
に回転して原位置に復帰する。その後は、ハンド
ル７の押板７ａの内側に指を掛けて更に引戸１を
進行させて引戸を閉める。また引戸１を開けるに
は、指掛板７ｂの内側に指を掛けて引戸を戸袋３
側へ引く。

本考案の他の実施例を第４図に示す。

この例における引手４ａは上記実施例の引手４
と実質的に同一であり、対応する構成部分の符号
は上例と一致させてある。引手４ａは上例の引手
４のばね９は使用していない。そして取付け枠６
の保持板６ｂの内周面下部に受穴６ｆが形成して
ある。そしてハンドル７の押板７ａの下端部に受
穴６ｆと対向する位置に穴７ｆを形成し、この穴
７ｆにコイルばね１０によつてばね力が常時外方
に付勢されるようにしたボール１１を埋め込み、
このボールが受穴６ｆと係脱自在にしてある。

この実施例においては、ボール１１と受穴６ｆ
とは、戸袋３から引戸１を引出す際に、押板７ａ
の上部を押すことにより押し出された下部を押し
戻したときのストツパとして機能し、また原位置
に復帰させたハンドル７に指を掛けて引戸１を移
動させる際にハンドルの回転を防止するためのス
トツパとして作用するものである。

なお、取付け枠６は必ずしも必要不可欠なもの
ではなく、取付け枠を用いない場合にはハンドル
７を直接切欠凹部５に取り付ける。

以上述べたように本考案によれば、戸袋等に収
納された建具の引き出し及びその後の建具の開閉
を１個のハンドルによつて行うことができるよう
にしたので、建具操作時の手さばきが円滑になる
うえ、建具に取り付ける部品点数が少なく、そし
て取付け個所が１個所で済むので建具の製作のコ
ストダウンを図ることができる。またこの引手は
建具の進行方向の端面から一方の側面に連らなる
角部に形成した切欠凹部に固定するから、すなわ
ち建具の厚み方向の一方の側に寄せて固定するか
ら、建具の厚さを薄くして軽量化したりその設置
空間を小さくしたりすることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示し、
第１図は引戸に取り付けた状態の斜視図、第２図
は分解斜視図、第３図はハンドルのみを第２図と
逆の方向から見た斜視図、第４図は本考案の他の
実施例における一部破断側面図である。 １……引戸、１ａ……進行方向の端面、１ｂ…
…一方の側面、４，４ａ……引手、５……切欠凹
部、６……取付け枠、６ａ……側板、６ｂ……保
持板、７……ハンドル、７ａ……押板、７ｂ……
指掛板、７ｃ……挿通孔、８……ねじ軸、９……
ばね、１０……ばね、１１……ボール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 建具の進行方向側の端面から、この進行方向
   と直交する方向の一方の側面にわたつて開放し
   た切欠凹部と、 この切欠凹部内に軸を回動中心としてこの凹
   部より上記建具の進行方向側の端面外方へ突出
   可能のハンドルと を具備することを特徴とする建具の引手。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、ハ
   ンドルが切欠凹部内に収納する方向にばね力を
   与えるばねが軸に巻回してあることを特徴とす
   る建具の引手。