JP2002339493A - プレキャストコンクリート板およびその製造方法ならびにスラブの構築方法 - Google Patents

プレキャストコンクリート板およびその製造方法ならびにスラブの構築方法

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    • E04B5/16Load-carrying floor structures wholly or partly cast or similarly formed in situ
    • E04B5/32Floor structures wholly cast in situ with or without form units or reinforcements
    • E04B5/326Floor structures wholly cast in situ with or without form units or reinforcements with hollow filling elements
    • E04B5/328Floor structures wholly cast in situ with or without form units or reinforcements with hollow filling elements the filling elements being spherical

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 軽量材を簡単かつ精度良く設置することがで
きる中空のスラブの構築方法、および軽量材を簡単かつ
精度良く設置したプレキャストコンクリート板およびそ
の製造方法を提供することである。 【解決手段】 プレキャストコンクリート板1は、コン
クリート板2の上面に複数の中空の球体、または中空の
多面体からなる軽量材4が設置され、該軽量材4には少
なくとも連結用の凹部10または下面に設けた少なくと
も一つの突起9がコンクリート板2内に埋設されてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプレキャストコンク
リート板およびその製造方法ならびにスラブの構築方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、軽量化を図るために軽量材を埋設
したスラブが構築されている。この軽量材を埋設したス
ラブの一例が、図10に示すものであり、トラス筋33
で連結された上下の鉄筋31で軽量材30を挟み込ん
で、コンクリートの打設時における浮き上がりを防いで
いる。すなわち、この軽量材30は、上下の鉄筋31の
格子部32に挿入されて固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
スラブの構築方法は、コンクリートの打設時における軽
量材の浮き上がりや位置ずれを防ぐため、上下の鉄筋を
精度良く組む必要があった。そのためスラブ筋を事前に
格子状に溶接しなければならず、この溶接作業に過大な
手間とコストがかかっていた。
【0004】本発明は上記のような問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、軽量材を簡単かつ精度良く
設置することができるスラブの構築方法、および軽量材
を簡単かつ精度良く設置したプレキャストコンクリート
板およびその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を達成するた
めの手段は、請求項1の発明のプレキャストコンクリー
ト板が、コンクリート板の上面に複数の軽量材が設置さ
れ、該軽量材の下面に設けた少なくとも一つの突起がコ
ンクリート板内に埋設されたことを特徴とし、また請求
項2の発明のプレキャストコンクリート板が、請求項1
において、軽量材は中空の球体、または中空の多面体で
あることを特徴とし、また請求項3の発明のプレキャス
トコンクリート板が、請求項1または2において、軽量
材には、少なくとも連結用の凹部または連結用の突起が
設けられたことを特徴とし、また請求項4の発明のプレ
キャストコンクリート板が、請求項1〜3のいずれかに
おいて、軽量材は隣接同士で互いに連結されたことを特
徴とし、また請求項5の発明のプレキャストコンクリー
ト板が、請求項1〜4のいずれかにおいて、軽量材は隣
接同士で互いに密接されたことを特徴とし、また請求項
6の発明のプレキャストコンクリート板が、請求項1〜
5のいずれかにおいて、突起には軽量材の中空部に連通
した連通孔が設けられたことを特徴とし、また請求項7
の発明のプレキャストコンクリート板の製造方法が、下
部補強筋と、下面に突起を設けた軽量材とを組み合わせ
た鉄筋ユニットを形成し、該鉄筋ユニットをコンクリー
トが打設された型枠内に設置して、下部補強筋と突起と
を前記のコンクリート中に埋設し、該コンクリートが硬
化した後に脱型することを特徴とし、また請求項8の発
明のスラブの構築方法が、請求項4のプレキャストコン
クリート板を並設して下床を形成し、該下床上にトップ
コンクリートを打設することを特徴とし、また請求項9
の発明のスラブの構築方法が、下部補強筋と、下面に突
起を設けた軽量材とをスラブ型枠に設置して前記軽量材
を固定した後、該スラブ型枠内にコンクリートを打設す
ることを特徴とし、また請求項10の発明のスラブの構
築方法が、スラブ型枠に配筋した下部補強筋に、下面に
突起を設けた軽量材を設置し、前記スラブ型枠内に、前
記下部補強筋と突起とが埋設されるようにコンクリート
を打設し、該コンクリートが硬化した後に上部補強筋を
配筋してトップコンクリートを打設することを特徴とす
る。
【0006】下面の突起によって軽量材がコンクリート
板の上面に固定されている。コンクリート板上に打設さ
れるトップコンクリートが軽量材間に回り込み易くな
る。凹部により軽量材の隣接同士を連結することができ
る。軽量材が隣接同士で互いに連結されたので、軽量材
の設置精度をより一層高めることができる。軽量材が隣
接同士で互いに密接されたので、プレキャストコンクリ
ート板の軽量化を図ることができる。火災時に中空部の
空気が膨張した場合であっても、これが突起の連通孔か
ら抜け出るので、軽量材の膨張を防ぐことができる。ス
ラブを構築する際のコンクリートの打設によって、軽量
材の浮き上がりを防ぐことができる。軽量なスラブを簡
単に構築することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプレキャストコン
クリート板およびその製造方法ならびにスラブの構築方
法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。はじ
めに、プレキャストコンクリート板(以下、PC板とい
う)の実施の形態について説明し、その後にその製造方
法およびスラブの構築方法の実施の形態について説明す
るが、各実施の形態において同じ構成は同じ符号を付し
て説明し、異なった構成にのみ異なった符号を付して説
明する。
【0008】図1および2は、第1の実施の形態のPC
板1を示したものである。このPC板1は、コンクリー
ト板2の上面にトラス筋3の上部が突設され、このトラ
ス筋3間に複数の軽量材4が設置されて構成されてい
る。トラス筋3は、一本の上端筋5と2本の下端筋6が
波形のラチス筋7で接合されたものであり、前記下端筋
6が下部補強筋8に接合されている。
【0009】また軽量材4は合成樹脂製の中空の球体で
あり、図2に示すように、下面の突起9がコンクリート
板2内に埋設されている。これらの軽量材4は凹部10
に連結ピン11が挿入されて、隣接同士が互いに連結さ
れている。すなわち、各軽量材4同士が連結ピン11で
数珠繋ぎになって全体として一体になっている。また軽
量材4の突起9は、同図の(3)に示すように、中空部
12と連通した連通孔13が設けられ、これによって中
空部12と外部が連通している。したがって、火災によ
り中空部12の空気が膨張した場合であっても、これが
連通孔13から外側に抜け出るようになっている。
【0010】図3は、第2の実施の形態のPC板14を
示したものである。このPC板14は、軽量材4同士を
密接させてコンクリート板2に一部埋設させたものであ
り、これ以外は第1の実施の形態のPC板1と同じ構成
である。このように軽量材4を密接させると、PC板1
4の軽量化を図ることができる。
【0011】図4は、突起9を2本設けた軽量材4を示
し、上記のように1本の突起9に限らず、複数本設ける
と軽量材4の安定化および固定の強化を図ることができ
る。この軽量材4は上記のPC板1、14にも適用する
ことができる。
【0012】また図5は、4つの軽量材4を連結ピン1
1で接続した軽量材ユニット15を示したものである。
このように軽量材4をユニット化すると、容易に設置で
きるとともに、必要な数に切断して設置することもでき
る。したがって、軽量材4の連結数は4つに限らず、こ
れ以上またはこれ以下であってもよい。また軽量材4は
凹部10に挿入した連結ピン11で接続されているが、
軽量材4に設けた突起、または突起と凹部との組み合わ
せにより接続することもできる。さらに、これらの軽量
材4は製造段階で一体として製造されたものであっても
よい。このような軽量材ユニット15は、上記のPC板
1、14にも適用することができる。
【0013】また、上記の軽量材4は球体であるが、こ
れに限らず多面体、例えば直方体や正方体などであって
もよく、これらが中空でなくてもよい。また軽量材4
は、連結ピン11で連結されたものではなく、各自が独
立したものであってもよい。さらに、突起には連通孔1
3が設けられていなくてもよい。
【0014】次に、上記のPC板1の製造方法を、図6
に基づいて説明する。はじめに、(1)および(2)に
示すような、鉄筋ユニット16を組立形成する。この鉄
筋ユニット16は、格子状の下部補強筋8に、連結ピン
11で数珠繋ぎになった軽量材4が結束されて構成され
ている。また、この軽量材4の突起9は下部補強筋8か
ら下側に突出した状態になっている。
【0015】次に、(3)および(4)に示すように、
型枠17内にコンクリート18を打設した後に、鉄筋ユ
ニット16を型枠17内に設置し、下部補強筋8と突起
9とをコンクリート18中に埋設する。このとき突起9
がスペーサーとなって、軽量材4の垂直方向の位置精度
を確保することができる。また突起9の連通孔13は前
記コンクリート18が浸入しない程度の大きさになって
いる。
【0016】次に、型枠17内のコンクリート18が硬
化した後に脱型すると、(5)に示すようなPC板1が
形成される。また前記のコンクリート18は鉄筋ユニッ
ト16を型枠17内に設置した後に打設することもでき
る。なお、第2の実施の形態のPC板14も、これと同
じ方法で製造する。
【0017】次に、図7〜9に基づいてスラブの構築方
法(以下、構築方法という)を説明する。図7は第1の
実施の形態の構築方法であり、前記のPC板1を利用し
たものである。はじめに、PC板1を梁19間に隣接状
態で設置するとともに、各PC板1の接合部にジョイン
ト筋20を配筋して下床21を形成する。次に、この下
床21上にスラブの上部補強筋22を配筋して、トップ
コンクリート23を打設すると中空のスラブ24が構築
される。このように突起9によって軽量材4がコンクリ
ート板2に固定されるため、トップコンクリート23を
打設する時にそれらが浮き上がるのを防ぐことができ
る。
【0018】また図8は、第2の実施の形態のスラブの
構築方法を示したものである。この構築方法は、現場打
ちコンクリートによるものである。はじめに、(1)お
よび(2)に示すように、下部補強筋8と軽量材4をス
ラブ型枠25内に設置し、トラス筋3を結束具26で下
部補強筋8に固定する。次に、前記軽量材4の上に配筋
したスラブの上部補強筋22を結束具26でトラス筋3
に結束した後、スラブ型枠25内にコンクリート27を
打設する。そして、このコンクリート27が硬化した後
に脱型すると、前記と同じ中空のスラブ28が構築され
る。このように現場打ちコンクリートを打設する場合
も、軽量材4の浮き上がりや位置ずれを防ぐことができ
る。
【0019】また図9は、第3の実施の形態のスラブの
構築方法を示したものである。この構築方法も、現場打
ちコンクリートによるものである。はじめに、下部補強
筋8と軽量材4とをスラブ型枠25内に設置する。次
に、下部補強筋8と突起9とが埋設されるコンクリー
ト、すなわち一度目のコンクリート27を前記スラブ型
枠25内に打設する。次に、前記軽量材4の上にスラブ
の上部補強筋22を配筋する。次に、前記コンクリート
27が硬化した後に、二度目のコンクリート、すなわち
トップコンクリート23を打設すると、前記と同じ中空
のスラブ29が構築される。このように一度目の現場打
ちコンクリート27で軽量材4を固定すると、トップコ
ンクリート23を打設する時にその浮き上がりを防ぐこ
とができる。なお、軽量材4の上部へ上部補強筋22を
配筋した後に、コンクリート27を二回に分けて打設す
ることもできる。
【0020】
【発明の効果】下面の突起で軽量材をコンクリート板の
上面に固定することができる。
【0021】軽量材を上部補強筋で拘束しないハーフプ
レキャストコンクリート板を製造することができる。
【0022】コンクリート板上に打設されるトップコン
クリートが軽量材間に回り込みやすくなる。
【0023】連結用の凹部または連結用の突起で軽量材
同士を連結することができる。
【0024】軽量材同士が互いに連結されたことによ
り、軽量材の設置精度を高めることができる。
【0025】軽量材同士が互いに密接されたことによ
り、プレキャストコンクリート板の軽量化を図ることが
できる。
【0026】火災時に膨張した中空部の空気を突起の連
通孔から抜くことができる。
【0027】スラブを構築する際に打設するコンクリー
トで軽量材が浮き上がるのを防ぐことができる。
【0028】突起がスペーサーとなるため、軽量材の垂
直方向の位置精度を確保することができる。
【0029】軽量なスラブを簡単に構築することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態のPC板の平面図である。
【図2】(1)は図1の長辺方向の断面図、(2)は同
短辺方向の断面図、(3)は軽量材の断面図である。
【図3】第2の実施の形態のPC板の断面図である。
【図4】他の軽量材の側面図である。
【図5】軽量材ユニットの平面図である。
【図6】(1)〜(5)はPC板の製造方法の工程図で
ある。
【図7】(1)〜(3)は第1の実施の形態のスラブの
構築方法の工程図である。
【図8】(1)〜(3)は第2の実施の形態のスラブの
構築方法の工程図である。
【図9】(1)〜(3)は第3の実施の形態のスラブの
構築方法の工程図である。
【図10】(1)は従来のスラブの平面図、(2)およ
び(3)は同断面図である。
【符号の説明】
1、14 PC板 2 コンクリート板 3、33 トラス筋 4、30 軽量材 5 上端筋 6 下端筋 7 ラチス筋 8 下部補強筋 9 突起 10 凹部 11 連結ピン 12 中空部 13 連通孔 15 軽量材ユニット 16 鉄筋ユニット 17 型枠 18、27 コンクリート 19 梁 20 ジョイント筋 21 下床 22 上部補強筋 23 トップコンクリート 24、28、29 スラブ 25 スラブ型枠 26 結束具 31 鉄筋 32 格子部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 昭雄 栃木県那須郡西那須野町四区町1534−1 五洋建設株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2D059 AA14 CC03 CC04 GG55 4F100 AE01A AK01B BA02 DB05B DD02B DD23B DJ10B EC121 EH312 EJ161 EJ322 EJ951 GB07 JL03B 4G058 GA01 GB02 GC01 GE04 GE14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート板の上面に複数の軽量材が
    設置され、該軽量材の下面に設けた少なくとも一つの突
    起がコンクリート板内に埋設されたことを特徴とするプ
    レキャストコンクリート板。
  2. 【請求項2】 軽量材は中空の球体、または中空の多面
    体であることを特徴とする請求項1に記載のプレキャス
    トコンクリート板。
  3. 【請求項3】 軽量材には、少なくとも連結用の凹部ま
    たは連結用の突起が設けられたことを特徴とする請求項
    1または2に記載のプレキャストコンクリート板。
  4. 【請求項4】 軽量材は隣接同士で互いに連結されたこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプレキ
    ャストコンクリート板。
  5. 【請求項5】 軽量材は隣接同士で互いに密接されたこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプレキ
    ャストコンクリート板。
  6. 【請求項6】 突起には軽量材の中空部に連通した連通
    孔が設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載のプレキャストコンクリート板。
  7. 【請求項7】 下部補強筋と、下面に突起を設けた軽量
    材とを組み合わせた鉄筋ユニットを形成し、該鉄筋ユニ
    ットをコンクリートが打設された型枠内に設置して、下
    部補強筋と突起とを前記のコンクリート中に埋設し、該
    コンクリートが硬化した後に脱型することを特徴とする
    プレキャストコンクリート板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4のプレキャストコンクリート板
    を並設して下床を形成し、該下床上にトップコンクリー
    トを打設することを特徴とするスラブの構築方法。
  9. 【請求項9】 下部補強筋と、下面に突起を設けた軽量
    材とをスラブ型枠に設置して前記軽量材を固定した後、
    該スラブ型枠内にコンクリートを打設することを特徴と
    するスラブの構築方法。
  10. 【請求項10】 スラブ型枠に配筋した下部補強筋に、
    下面に突起を設けた軽量材を設置し、前記スラブ型枠内
    に、前記下部補強筋と突起とが埋設されるようにコンク
    リートを打設し、該コンクリートが硬化した後に上部補
    強筋を配筋してトップコンクリートを打設することを特
    徴とするスラブの構築方法。
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