JP2002338862A - インクジェット記録用ソリッドインク、これを用いたインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用ソリッドインク、これを用いたインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Info

Publication number
JP2002338862A
JP2002338862A JP2001150982A JP2001150982A JP2002338862A JP 2002338862 A JP2002338862 A JP 2002338862A JP 2001150982 A JP2001150982 A JP 2001150982A JP 2001150982 A JP2001150982 A JP 2001150982A JP 2002338862 A JP2002338862 A JP 2002338862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
solid ink
jet recording
acid
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001150982A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Imai
孝史 今井
Katsumi Daimon
克己 大門
Norito Fukushima
紀人 福島
Manabu Serizawa
学 芹澤
Koichi Hamano
弘一 濱野
Yuka Ishihara
由架 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2001150982A priority Critical patent/JP2002338862A/ja
Publication of JP2002338862A publication Critical patent/JP2002338862A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録の高速化及び/又は高密度化のため、溶
融時の粘度が低く、かつ、画像強度の高いインクジェッ
ト記録用ソリッドインク、これを用いたインクジェット
記録装置及びインクジェット記録方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】 少なくとも、結晶性樹脂と、着色剤と、
からなるインクジェット記録用ソリッドインクであっ
て、前記結晶性樹脂は、角周波数1rad/sec、3
0℃において、貯蔵弾性率GL(30)が1×106
a以上、かつ、損失弾性率GN(30)が1×106
a以上であることを特徴とするインクジェット記録用ソ
リッドインク、これを用いたインクジェット記録装置及
びインクジェット記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
用ソリッドインク、これを用いたインクジェット記録装
置及びインクジェット記録方法に関し、より詳細には、
常温では固体で存在し、常温よりも高温の状態で加熱溶
解して記録に使用されるインクジェット記録用ソリッド
インク、これを用いたインクジェット記録装置及びイン
クジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノズル、スリット又は多孔質フィルム等
から液体あるいは溶融固体インク(ソリッドインク)を
飛翔し、紙、布、フィルム等に記録を行う、所謂インク
ジェット方式の記録装置は、小型で安価、静寂性等の利
点を有し、更に記録装置の製造コストを低く抑えること
ができるという特徴を有する。このような特徴を有する
ため、インクジェット方式の記録装置は、家庭用のプリ
ンタを始めとして、広くオフィスでも使用されている。
【0003】ソリッドインクを使用するインクジェット
記録装置としては、ソリッドインクを加熱液化し、ピエ
ゾ素子等で圧力を印加し、溶融状態のインクを飛翔する
ことにより被記録体に記録ドットを形成する、いわゆる
ホットメルト型インクジェットが提案されている。この
方式によれば、紙等の被記録体上での画像のにじみがな
く高画質が得られると共に、プラスチック、陶器等のさ
まざまな被記録体に記録できる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ソリッドインクは特開平7−278477号公報、及び
特開平7−316479号公報等で開示されているよう
に、溶融状態のインクの粘度を低く設定し、ノズルから
の飛翔を容易にさせるため、パラフィンワックス等のワ
ックスをソリッドインクの主構成成分のビヒクルとして
使用しているが、かかるパラフィンワックスは、常温に
おいて比較的軟らかいため、被記録体上に形成された画
像の強度が弱いという欠点があった。
【0005】そこで、本発明は、上記課題を解決するべ
くなされたものであり、より詳細には、記録の高速化及
び/又は高密度化のため、溶融時の粘度が低く、かつ、
画像強度の高いインクジェット記録用ソリッドインク、
これを用いたインクジェット記録装置及びインクジェッ
ト記録方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、本発明者らは、剛性が高く、かつ、融点
がソリッドインクとしての有効範囲(40〜150℃)
に含まれる結晶性樹脂が存在することを見出した。より
詳細には、本発明者らは、前記結晶性樹脂をソリッドイ
ンクの主構成成分、いわゆるビヒクルとして使用するこ
とによって、被記録体上に形成された画像の強度が向上
することを見出し、本発明に至った。
【0007】本発明の詳細は、以下の通りである。 <1> 少なくとも、結晶性樹脂と、着色剤と、からな
るインクジェット記録用ソリッドインクであって、前記
結晶性樹脂は、角周波数1rad/sec、30℃にお
いて、貯蔵弾性率GL(30)が1×106Pa以上、
かつ、損失弾性率GN(30)が1×106Pa以上で
あると共に、融点が40℃以上150℃以下の範囲内に
あることを特徴とするインクジェット記録用ソリッドイ
ンク。
【0008】<2> 加熱手段により溶融されたソリッ
ドインクを被記録体に飛翔させる記録ヘッドを備えるイ
ンクジェット記録装置であって、前記ソリッドインクが
<1>に記載のインクジェット記録用ソリッドインクで
あることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0009】<3> 加熱手段によりソリッドインクを
溶融させる工程と、溶融された前記ソリッドインクを記
録信号に応じて飛翔させて被記録体に記録する工程と、
を有し、画像記録を行うインクジェット記録方法であっ
て、前記ソリッドインクが<1>に記載のインクジェッ
ト記録用ソリッドインクであることを特徴とするインク
ジェット記録方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、本発明はこの実施の形態に限定されるもの
ではない。本発明のインクジェット記録用ソリッドイン
ク(以下、適宜、ソリッドインク、又は単にインクと称
する場合がある。)は、特定の物性を有する結晶性樹脂
と、着色剤と、を要するが、本発明の効果を損なわない
限りにおいて、各種の添加物を目的に応じで添加するこ
とができる。以下、本発明のインクジェット記録用ソリ
ッドインクを構成する各種成分について、順次説明す
る。
【0011】[結晶性樹脂]本発明のソリッドインクに
使用し得る結晶性樹脂は、以下で規定される物性を満た
している樹脂であれば、特に限定されることはない。こ
こで、結晶性樹脂とは、その動的粘弾性が、角周波数1
rad/sec、30℃において、貯蔵弾性率GL(3
0)が1×106Pa以上、かつ、損失弾性率GN(3
0)が1×106Pa以上である樹脂をいう。また、貯
蔵弾性率GL(30)が1×107Pa以上、かつ、損
失弾性率GN(30)が1×107Pa以上である樹脂
がより好ましい。
【0012】また、結晶性樹脂は、温度変化による前記
貯蔵弾性率GL及び前記損失弾性率GNの値の変動が、
10℃の温度範囲で2桁以上となる温度の区間(10℃
温度を上昇させた際に、貯蔵弾性率GL及び損失弾性率
GNの値が100分の1もしくはそれより小さい値まで
変化するような温度の区間)を有することが好ましい。
更に、結晶性樹脂は、示差走査熱量計(DSC)を用
い、一定の昇温速度で測定を行った場合、明確な吸熱ピ
ークが現れる。
【0013】また、本発明のソリッドインクに使用し得
る結晶性樹脂は、温度領域40℃以上150℃以下の範
囲内に融点(Tm)を有するものであり、温度領域50
℃以上150℃以下の範囲内に融点を有することが好ま
しい。中でも、温度領域60℃以上100℃以下の範囲
内に融点を有することが特に好ましい。
【0014】結晶性樹脂は融点を境に急激な粘度低下を
起こすために、融点が40℃未満である場合は、保存時
又は使用時に、記録された画像がケズレ等を起こし乱れ
が生じる場合がある。対して、融点が150℃よりも高
い場合には、一般にソリッドインクの溶融させる温度が
140℃前後であるため、溶融が容易に行われず、ノズ
ルからのインクの飛翔が不安定になる場合がある。
【0015】上記結晶性樹脂の融点は、JIS K−7
121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温
度として求めることができる。なお、結晶性樹脂によっ
ては、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明に
おいては、最大のピークをもって融点とみなす。
【0016】以上、本発明のソリッドインクに使用し得
る結晶性樹脂が有する物性について説明したが、本発明
のソリッドインクはこのような物性を有する結晶性樹脂
を主構成成分のビヒクルとして含有しているため以下の
効果を奏する。常温、つまりソリッドインクにより形成
された画像の保存時又は使用時の温度では、本発明のソ
リッドインクは、固体状態であり、かつ、剛性が高いた
め、形成された画像の画像強度は高くなる。また、本発
明のソリッドインクは、インクジェット記録装置による
加熱温度により容易、かつ、短時間に溶解し、その溶融
状態での粘度がノズルからのインクの飛翔を妨げない程
度に低いことから、良好な記録が可能となる。
【0017】上記の物性を考慮すると、結晶性樹脂とし
ては、例えば、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。以
下、本発明のソリッドインクに好適に使用される結晶性
ポリエステル樹脂について説明する。
【0018】(結晶性ポリエステル樹脂)本発明のソリ
ッドインクに使用し得る結晶性ポリエステル樹脂は、通
常のポリエステル樹脂同様に、酸(ジカルボン酸)成分
とアルコール(ジオール)成分とから合成されるもので
ある。以降の説明においては、結晶性ポリエステル樹脂
において、結晶性ポリエステル樹脂の合成前には酸成分
であった構成部位を「酸由来構成成分」、ポリエテル樹
脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を「ア
ルコール由来構成成分」としてそれぞれ示す。
【0019】<酸由来構成成分>前記酸由来構成成分と
なるための酸としては、種々のジカルボン酸が挙げられ
るが、結晶性ポリエステル樹脂における酸由来構成成分
としては、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸
が好ましく、中でも脂肪族ジカルボン酸が望ましく、特
に直鎖型のカルボン酸が望ましい。
【0020】脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,
9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン
酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ド
デカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン
酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−
ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジ
カルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや
酸無水物が挙げられるが、この限りではない。
【0021】芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げら
れ、中でもテレフタル酸が、入手容易性、低融点のポリ
マーを形成しやすい等の点で好ましい。
【0022】前記酸由来構成成分としては、前述の脂肪
族ジカルボン酸由来構成成分や芳香族ジカルボン酸由来
構成成分の他、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成
分、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分等の
構成成分が含まれていてもよい。
【0023】なお、前記2重結合を持つジカルボン酸由
来構成成分には、2重結合を持つジカルボン酸に由来す
る構成成分の他、2重結合を持つジカルボン酸の低級ア
ルキルエステル又は酸無水物等に由来する構成成分も含
まれる。また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸由
来構成成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由
来する構成成分の他、スルホン酸基を持つジカルボン酸
の低級アルキルエステル又は酸無水物等に由来する構成
成分も含まれる。
【0024】前記2重結合を持つジカルボン酸は、その
2重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、結晶
性ポリエステル樹脂の機械的強度を向上させるために好
適に用いることができる。このようなジカルボン酸とし
ては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジ
オイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられる
が、これらに限定されない。また、これらの低級アルキ
ルエステル、酸無水物等も挙げられる。
【0025】前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、
染料、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効であ
る。また被記録体への結晶性ポリエステル樹脂の付着性
を向上する際有用である。このようなスルホン基を持つ
ジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル
酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム
塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、こ
れらに限定されない。また、これらの低級アルキルエス
テル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コス
トの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好
ましい。
【0026】これらの、脂肪族ジカルボン酸由来構成成
分及び芳香族ジカルボン酸由来構成成分以外の酸由来構
成成分(2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分及び
スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分)の、全
酸由来構成成分における含有量としては、30構成モル
%以下が好ましい。30構成モル%を超えると結晶性ポ
リエステル樹脂の結晶性が損なわれる結果となる。
【0027】なお、本明細書において「構成モル%」と
は、結晶性ポリエステル樹脂における各構成成分(酸由
来構成成分又はアルコール由来構成成分)を1単位(モ
ル)としたときの百分率を指す。
【0028】<アルコール由来構成成分>アルコール由
来構成成分となるためのアルコールとしては、脂肪族ジ
オールが好ましく、鎖炭素数が7〜20である直鎖型脂
肪族ジオールがより好ましい。前記脂肪族ジオールが、
分岐型では、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下
し、結晶性が低下してしまう場合がある。
【0029】また、芳香族ジカルボン酸と縮重合させて
結晶性ポリエステル樹脂を得る場合、前記鎖炭素数とし
ては、奇数であるのが好ましい。前記鎖炭素数が、奇数
である場合には、偶数である場合より結晶性ポリエステ
ル樹脂の融点が低くなり、該融点が、後述の数値範囲内
の値となり易い。
【0030】脂肪族ジオールとしては、具体的には、例
えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオ
ール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオ
ール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカ
ンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−
トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオー
ル、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイ
コサンジオール、などが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0031】前記アルコール由来構成成分は、脂肪族ジ
オール由来構成成分の含有量が70構成モル%以上であ
ることが好ましく、必要に応じてその他の成分を含む。
前記アルコール由来構成成分としては、前記脂肪族ジオ
ール由来構成成分の含有量が80構成モル%以上である
のが好ましい。前記脂肪族ジオール由来構成成分の含有
量が、70構成モル%未満では、結晶性ポリエステル樹
脂の結晶性が低下する。
【0032】必要に応じて含まれるその他の成分として
は、2重結合を持つジオール由来構成成分、スルホン酸
基を持つジオール由来構成成分等の構成成分である。前
記2重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,
4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブ
テン−1,8−ジオール等が挙げられる。前記スルホン
酸基を持つジオールとしては、1,4−ジヒドロキシ−
2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒド
ロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、
2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩等が
挙げられる。
【0033】これらの、脂肪族ジオール由来構成成分以
外のアルコール由来構成成分を加える場合(2重結合を
持つジオール由来構成成分及びスルホン酸基を持つジオ
ール由来構成成分)、これらのアルコール由来構成成分
における含有量としては、20構成モル%が好ましい。
【0034】前記結晶性ポリエステル樹脂の質量平均分
子量(MW)としては、500〜5,000であること
が好ましく、500〜3,000であることがより好ま
しい。質量平均分子量が500より小さい場合、画像の
折り曲げに対して弱くなり、質量平均分子量が5,00
0より大きい場合、ソリッドインクとしての粘度の有効
範囲から外れてしまう。
【0035】前記結晶性ポリエステル樹脂の融点として
は、40〜150℃であることが好ましい。前記融点が
40℃未満であると、画像の温度に対する保存性が悪く
なることがある一方、150℃を超えると、樹脂溶融粘
度が高くなり、インク噴射ノズルからの飛翔性が低下す
る。
【0036】なお、本発明において、前記結晶性ポリエ
ステル樹脂の融点(Tm)の測定には、示差走査熱量計
(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の
昇温速度で測定を行った時の吸熱ピークの最大値を用い
た。なお、結晶性ポリエステル樹脂は、複数の融解ピー
クを示す場合があるが、本発明においては、最大のピー
クをもって融点とした。
【0037】(結晶性ポリエステル樹脂の製造方法)前
記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制
限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般
的なポリエステル重合法で製造することができ、例え
ば、直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類
によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール
成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成
分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概
には言えないが、通常1/1程度である。
【0038】前記結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重
合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に
応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアル
コールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温
度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解
補助剤として加え溶解させる。重縮合反応においては、
溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において
相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相
溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸又
はアルコールとを縮合させておいてから主成分と供に重
縮合させるとよい。
【0039】前記結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使
用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアル
カリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカ
リ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタ
ン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合
物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、及び、アミン化合
物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられ
る。
【0040】例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ス
テアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、
ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マ
ンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシ
ド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロ
ポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモ
ン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、
ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチ
ルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニ
ルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフ
テン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニ
ール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニ
ール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリ
エチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げら
れる。
【0041】[着色剤]本発明のソリッドインクにおけ
る着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤が挙
げられ、目的に応じて適宜選択することができるが、熱
安定性に優れた着色剤が好ましい。着色剤を1種単独で
用いてもよいし、同系統の着色剤を2種以上混合して用
いてもよい。また異系統の着色剤を2種以上混合して用
いてもよい。前記着色剤としては、具体的には、例え
ば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチ
レンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラッ
ク、ベンガラ、アニリンブラック、紺青、酸化チタン、
磁性粉等の無機顔料、ファストイエロー、モノアゾイエ
ロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレート
レッド、ブリリアントカーミン(3B、6B等)、パラ
ブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタ
ロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイ
エロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッ
ド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等
の縮合多環系顔料等が挙げられる。
【0042】また、クロムイエロー、ハンザイエロー、
ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロ
ー、パーマネントオレンジGTR,ピラゾロンオレン
ジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマ
ネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッ
ド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベン
ガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコ
オイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシア
ニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリ
ーンオキサレート、パラブラウンなどの種々の顔料;ア
クリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、
アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジ
ン系、アゾメチン系、インジゴ系、チオインジゴ系、フ
タロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、
トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾー
ル系、キサンテン系などの各種染料などが挙げられる。
【0043】本発明のソリッドインクにおける前記着色
剤の含有量としては、結晶性ポリエステル樹脂100質
量部に対して、1〜30質量部が好ましい。なお、前記
着色剤の種類を適宜選択することにより、イエローソリ
ッドインク、マゼンタソリッドインク、シアンソリッド
インク、ブラックソリッドインク等が得られる。さら
に、レッドソリッドインク、グリーンソリッドインク、
ブルーソリッドインク等を必要に応じて作製できる。
【0044】[その他の成分]本発明のソリッドインク
に用いられ得る前記その他の成分としては、特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、無機微粒
子、有機微粒子、ワックス、界面活性剤等の各種添加剤
等が挙げられる。
【0045】前記無機微粒子は、一般にインクの流動性
を向上させる目的で使用される。前記無機微粒子として
は、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸
バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウ
ム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレ
ー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベン
ガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、
酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒
化ケイ素等の微粒子が挙げられる。これらの中でも、シ
リカ微粒子が好ましく、疎水化処理されたシリカ微粒子
が特に好ましい。前記有機微粒子としては、例えば、ポ
リスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビ
ニリデン等の微粒子が挙げられる。
【0046】ワックスの具体例としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレ
フィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オ
レイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミ
ド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウ
バワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、
木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動
物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレ
シン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワッ
クス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油
系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カ
ルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げら
れる。本発明において、これらの離型剤は1種単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの離型
剤の添加量としては、ソリッドインク全量に対して、2
0質量%以下であることが好ましく、10質量%以下で
あることがより好ましい。20質量%を超えると画像強
度が低下する。
【0047】界面活性剤としては、イオン性界面活性
剤、非イオン性界面活性剤の大別され、さらに、イオン
性界面活性剤はアニオン型、カチオン型、両性型に分類
されるが、用途により使い分けることができる。
【0048】[ソリッドインクの製造方法]前述の結晶
性ポリエステル樹脂、着色剤、及び必要に応じて添加さ
れるその他の成分の混合、分散には、周知の各種粉砕又
は分散装置が使用できる。これらには、高速回転ミル、
ローラーミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェ
ットミル等の区分があり、例えば、ハイスピードディス
パーザー、インぺラディスパーザー、ゲートミキサー、
ビーズミル、サンドミル、パールミル、コブラミル、ピ
ンミル、モリネックスミル、攪拌ミル、ユニバーサルミ
ル、センチュリーミル、プレッシャミル、アジテータミ
ル、2本ロールミル、3本ロールミル、ニッチェミル、
ニーダ、ミキサ、コロイドミル、ストーンミル、ケーデ
ィミル、遊星ミル、ボールミル、パドルミキサー、アト
ライタ、ホモジナイザ、ピン付きビーズミル、等があ
る。
【0049】混練時間は装置により各種設定される。混
練には、構成材料を一括して溶融混練する方法、着色剤
をあらかじめ高濃度に混合してマスタバッチとして希釈
する方法、成分を順次添加混合する方法、液体中で分散
し固相中に導入するフラッシュ方法等、塗料、インク、
樹脂着色等に使用される各種方法が使用できる。
【0050】[インクジェット記録装置]以下、本発明
のインクジェット記録装置を図1を参照して説明する。
ここで、図1は本発明の例示的1態様としてのインクジ
ェット記録装置100の概略断面図である。図1に示さ
れるように、インクジェット記録装置100はドラム
(被記録体)10と、オイル供給ローラ20と、オイル
ブレード30と、記録ヘッド40と、転写ローラ50
と、を備える。図1に示されるインクジェット記録装置
100によって画像が記録される記録媒体Pとしては、
普通紙やフィルムなどが使用される。なお、記録媒体P
の搬送方向は矢印Aで示す方向であり、ドラム10の回
転方向は矢印Bで示す方向である。
【0051】ドラム(被記録体)10は、記録ヘッド3
0と所定間隔をおいて対向配置されている。ドラム10
は、例えば、アルマイトから構成される。図1では、ド
ラム10は円筒状としているが、記録ヘッド30から溶
融・飛翔された上記ソリッドインクを保持搬送する機能
と、保持搬送したソリッドインクを記録媒体Pに加圧転
写させる機能とを備え、いわゆる中間転写体として働く
のであれば、円筒(ドラム)状に限らず、ベルト状等、
どのような構成であってもよい。ドラム10は矢印Bの
方向に回転し、表面に保持したソリッドインクを搬送す
る。
【0052】また、ドラム10は、表面に保持するイン
クが完全に凝固してしまうのを防止するために、例え
ば、表面温度が70〜80℃程度に加熱されている。更
に、ドラム10の少なくとも表面は溶融状態のインクを
ドラム10の内部に浸透させない性質を持ち、当該イン
クをドラム10の表面近傍に保持することが必要であ
る。そのため、ドラム10の表面にはインクを浸透させ
ない性質を有する表面層が形成されていてもよい。
【0053】オイル供給ローラ20は、記録ヘッド30
から飛翔されたインクと上記ドラム10表面との解離性
を持たせるために、該ドラム10の表面にオイルを供給
する。ドラム10の表面に供給されるオイルとしては、
例えば、シリコーンオイルが使用され、その供給量は、
使用されるソリッドインクの種類等により、適宜、調整
される。オイルブレード30は、上記オイル供給ローラ
20によって供給されたドラム10の表面のオイルの厚
みを調整・制御する機能を有する。
【0054】記録ヘッド40は、本発明のソリッドイン
クを保持し、このソリッドインクを内部で、例えば14
0℃に加熱して溶融させ、記録ヘッド40に対向配置さ
れた上述したドラム10へ画像情報に応じて飛翔させ
る。記録ヘッド40としては、圧電素子を用いたパルス
オンデマンド方式や、静電吸引力によってをインクを飛
翔させる静電吸引方式や、静電吸引力と熱エネルギーと
の組み合わせによってインクを飛翔させる熱静電吸引方
式や、静電吸引力等でインクを隆起させ、空気流によっ
て隆起インクを飛翔させる空電制御方式等、各種の方式
のものを用いることができる。ただし、記録ヘッド40
としては、少なくとも、インク飛翔時において、ソリッ
ドインクが溶融温度以上に加熱されるための加熱手段を
具備することが必要である。
【0055】転写ローラ50は、記録媒体Pを介してド
ラム10に対向配置され、所定の圧力を加えることで記
録媒体Pをドラム10の表面に押し当てることができ
る。これにより、ドラム10の表面に保持されたインク
を記録媒体Pに転写させることができる。
【0056】以上、本実施の形態におけるインクジェッ
ト記録装置100によれば、図1に示すように、ソリッ
ドインクが飛翔される被記録体が中間転写体としてのド
ラム10であって、記録媒体Pへの記録が間接的に行わ
れる場合ついて説明したが、本発明はこれに限定され
ず、被記録体が普通紙やフィルムなどの記録媒体Pであ
って、これに直接記録されるものであってもよい。
【0057】[インクジェット記録方法]図1に示され
たインクジェット記録装置100を用い、インクジェッ
ト記録方法について説明する。まず、記録ヘッド30に
具備された加熱手段に、例えば、所定の電流を流し、記
録ヘッド30の一部又は全部を加熱し、上述したソリッ
ドインクを溶解させる。そして、オイル供給ローラ20
及びオイルブレード50により、ドラム10の表面に均
一に形成されたオイル層に対して、下記の方法により溶
融状態のインクが飛翔される。
【0058】インクの飛翔方法としては、例えば、ピエ
ゾ素子の振動圧力を利用してオリフィスからソリッドイ
ンクを飛翔させる方法も好適に使用される。
【0059】上記の方法により飛翔されたインクは、ド
ラム10の表面に保持され、ドラム10の回転によって
転写部まで搬送される。転写部では、転写ローラ40
が、50〜60℃に予熱された記録媒体Pをドラム10
に押し付けることにより、記録媒体Pの表面にインクが
転写され、画像が形成される。また、中間転写体(ドラ
ム10)を有しない記録装置である場合、上記の方法に
より飛翔されたインクは、直接、記録媒体Pに付着する
ことで画像が形成される。
【0060】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるもので
はない。
【0061】[結晶性ポリエステル樹脂(1)の合成]
加熱乾燥した二口フラスコに、アジピン酸ジメチル30
1質量部と、エチレングリコール248質量部と、触媒
としてジブチル錫オキサイド0.7質量部とを入れた
後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスで不活性雰
囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行っ
た。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い
2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反
応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(1)を合成し
た。
【0062】得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)の
質量平均分子量(MW)は、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)
を行ったところ、約2,000であった。また、結晶性
ポリエステル樹脂(1)の融点(Tm)を、示差走査熱
量計(DSC)を用いて、室温から150℃まで毎分1
0℃の昇温速度で測定したところ、明確なピークを有
し、ピークトップの温度は47℃であった。
【0063】更に、結晶性ポリエステル樹脂(1)の動
的粘弾性を以下のように測定した。測定装置は、レオメ
トリックス社製のレオメーター、商品名「ARES」
(RHIOSシステム ver6.4.4)を用いた。
直径8mmのパラレルプレートを用い、あらかじめホッ
トプレート上で溶融させ直径8mm、厚さ約2mmに成
型した結晶性ポリエステル樹脂(1)をパラレルプレー
トの間に挟み、正弦波振動により測定を行った。角周波
数は1rad/sとし、30℃〜150℃の範囲で毎分
1℃温度を上昇させながら、動的粘弾性を測定した。歪
みは初期値を0.03%とした後は、自動測定モードに
よって変化させ、30℃における貯蔵弾性率GL及び損
失弾性率GNを求めた。その結果、結晶性ポリエステル
樹脂(1)の貯蔵弾性率GLは5×107Pa、損失弾
性率GNは5×106Paであった。
【0064】[結晶性ポリエステル樹脂(2)の合成]
加熱乾燥した二口フラスコに、アジピン酸ジメチル30
1質量部と、エチレングリコール248質量部と、スル
ホイソフタル酸ナトリウムジメチル30質量部と、触媒
としてジブチル錫オキサイド0.7質量部とを入れ、上
記結晶性ポリエステル樹脂(1)の合成と同様の操作
で、結晶性ポリエステル樹脂(2)を合成した。
【0065】得られた結晶性ポリエステル樹脂(2)の
質量平均分子量(MW)は、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)
を行ったところ、約1,500であった。また、結晶性
ポリエステル樹脂(2)の融点(Tm)を、示差走査熱
量計(DSC)を用いて、室温から150℃まで毎分1
0℃の昇温速度で測定したところ、明確なピークを有
し、ピークトップの温度は45℃であった。更に、結晶
性ポリエステル樹脂(2)の動的粘弾性を、結晶性ポリ
エステル樹脂(1)の場合と同様の方法で測定した。そ
の結果、結晶性ポリエステル樹脂(2)の貯蔵弾性率G
Lは4×107Pa、損失弾性率GNは4×106Paで
あった。
【0066】[ソリッドインクの作製]上述のように合
成された結晶性ポリエステル樹脂(1)及び(2)を用
いて本発明のソリッドインクを作製した。結晶性ポリエ
ステル樹脂(1)又は(2)100質量部と、C.I.
ピグメントブルー15:4、2質量部と、をホモジナイ
ザー(日立工機社製:HG30)により100℃、10
000rpmの回転数で約1時間、加熱混練し、続いて
加熱加圧ろ過を行い、室温で放置冷却して均質なシアン
色の実施例1のソリッドインク(結晶性ポリエステル樹
脂(1)を使用)及び実施例2のソリッドインク(結晶
性ポリエステル樹脂(2)を使用)を得た。
【0067】一方、比較例として、脂肪酸アミドワック
スを主構成成分のビヒクルとしたソリッドインクを用意
した。比較例のソリッドインクは、脂肪酸アミドワック
ス50質量部、ロジンエステル30質量部、フタル酸エ
ステル15質量部、及び、シアン染料5質量部により構
成される。前記脂肪酸アミドワックスの融点(Tm)は
80℃程度である。
【0068】[画像強度評価]得られた実施例1及び実
施例2のソリッドインクを、Phaser850(富士
ゼロックス社製)のソリッドインクジェットプリンタに
装填し、ゼロックス社製の4025普通紙に画像を形成
した。また、同様に、比較例のソリッドインクを用いて
画像を形成した。
【0069】得られた画像の画像強度は、画像が形成さ
れた普通紙に白紙(4025普通紙)を重ね、その上か
ら、ボールペンにて印字し、裏移り具合を目視判断し
た。本発明の実施例1及び実施例2のソリッドインクで
は裏移りはほとんどなく、画像強度が大幅に改善されて
いた。対して、ワックスを主構成成分とする比較例のソ
リッドインクは、濃度の高い裏移りが生じた。
【0070】
【発明の効果】本発明のによれば、溶融時のインク粘度
が低く、かつ、画像強度の高い記録画像を得ることの可
能なインクジェット記録用ソリッドインクを提供するこ
とができる。また、本発明のインクジェット記録装置及
びインクジェット記録方法によれば、上記インクジェッ
ト記録用ソリッドインクを用いているため、記録の高速
化及び/又は高密度化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の例示的1態様としてのインクジェッ
ト記録装置の概略断面図である。
【符号の説明】
10 ドラム(被記録体) 20 オイル供給ローラ 30 オイルブレード 40 記録ヘッド 50 転写ローラ 100 インクジェット記録装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 紀人 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 芹澤 学 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 濱野 弘一 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 石原 由架 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA01 EA13 FA14 FC01 FC02 FD02 FD13 HA15 2H086 BA01 BA54 BA59 BA60 4J039 AE06 BA04 BE01 BE02 CA09 EA48 GA24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、結晶性樹脂と、着色剤と、
    からなるインクジェット記録用ソリッドインクであっ
    て、 前記結晶性樹脂は、角周波数1rad/sec、30℃
    において、貯蔵弾性率GL(30)が1×106Pa以
    上、かつ、損失弾性率GN(30)が1×106Pa以
    上であると共に、融点が40℃以上150℃以下の範囲
    内にあることを特徴とするインクジェット記録用ソリッ
    ドインク。
  2. 【請求項2】 加熱手段により溶融されたソリッドイン
    クを被記録体に飛翔させる記録ヘッドを備えるインクジ
    ェット記録装置であって、 前記ソリッドインクが請求項1に記載のインクジェット
    記録用ソリッドインクであることを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  3. 【請求項3】 加熱手段によりソリッドインクを溶融さ
    せる工程と、 溶融された前記ソリッドインクを記録信号に応じて飛翔
    させて被記録体に記録する工程と、を有し、画像記録を
    行うインクジェット記録方法であって、 前記ソリッドインクが請求項1に記載のインクジェット
    記録用ソリッドインクであることを特徴とするインクジ
    ェット記録方法。
JP2001150982A 2001-05-21 2001-05-21 インクジェット記録用ソリッドインク、これを用いたインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 Pending JP2002338862A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001150982A JP2002338862A (ja) 2001-05-21 2001-05-21 インクジェット記録用ソリッドインク、これを用いたインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001150982A JP2002338862A (ja) 2001-05-21 2001-05-21 インクジェット記録用ソリッドインク、これを用いたインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002338862A true JP2002338862A (ja) 2002-11-27

Family

ID=18995919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001150982A Pending JP2002338862A (ja) 2001-05-21 2001-05-21 インクジェット記録用ソリッドインク、これを用いたインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002338862A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011174071A (ja) * 2011-03-15 2011-09-08 Kao Corp 水分散体の製造法
JP2012233165A (ja) * 2011-04-27 2012-11-29 Xerox Corp 相転移インク構成成分およびその製造方法
JP2013227563A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Xerox Corp 芳香族エーテルを含む相変化インク組成物
JP2013227567A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Xerox Corp 迅速に結晶化する結晶性−非晶質インク組成物およびそれらを製造する方法
JP2014125555A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
JP2014527091A (ja) * 2011-06-30 2014-10-09 オセ−テクノロジーズ ビーブイ コポリエステルを含むホットメルトインク組成物及びコポリエステルを準備するプロセス

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011174071A (ja) * 2011-03-15 2011-09-08 Kao Corp 水分散体の製造法
JP2012233165A (ja) * 2011-04-27 2012-11-29 Xerox Corp 相転移インク構成成分およびその製造方法
JP2014527091A (ja) * 2011-06-30 2014-10-09 オセ−テクノロジーズ ビーブイ コポリエステルを含むホットメルトインク組成物及びコポリエステルを準備するプロセス
JP2013227563A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Xerox Corp 芳香族エーテルを含む相変化インク組成物
JP2013227567A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Xerox Corp 迅速に結晶化する結晶性−非晶質インク組成物およびそれらを製造する方法
JP2014125555A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Kao Corp インクジェット記録用水系インク

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI444412B (zh) 調色劑
JP4270557B2 (ja) トナーの製造方法
CN106062639B (zh) 电子照相用调色剂、图像形成方法和处理卡盒
KR101489179B1 (ko) 결정성 폴리에스테르 수지 및 이를 사용한 토너용 결착 수지 분산물
JP4525505B2 (ja) 電子写真用トナー、該トナーを含有する電子写真用現像剤、及び、それを用いた画像形成方法
JP5786182B2 (ja) 電子写真用トナー、画像形成方法およびプロセスカートリッジ
JP5544113B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
CN103676517A (zh) 用于形成静电图像的调色剂、显影剂、处理盒和成像设备
JP3877920B2 (ja) 電子写真用トナー及びその製造方法
JP2010139659A (ja) トナー用結晶性樹脂
JP2006113473A (ja) 電子写真用トナー
JP2003029463A (ja) 画像形成方法
JP5655716B2 (ja) 液体現像剤
JP2006267950A (ja) 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及び画像形成方法。
US20100040967A1 (en) Hyper-branched polymer of an ester type, and a toner for electrophotography using the same
JP2002338862A (ja) インクジェット記録用ソリッドインク、これを用いたインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
CN105446091B (zh) 液体显影剂
JP4687502B2 (ja) 電子写真用トナー及び電子写真用現像剤、並びに画像形成方法
JP4179010B2 (ja) 乳化液、該乳化液を用いた電子写真用トナーの製造方法、及び、該製造方法により得られた電子写真用トナー、並びに、電子写真用現像剤、画像形成方法
JP4012481B2 (ja) トナーの製造方法
JP5970372B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
KR101492828B1 (ko) 비결정성 폴리에스테르 수지 및 토너용 결착 수지 및 결착 수지 분산물
CN105892246B (zh) 液体显影剂
JP6338466B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2010145929A (ja) 電子写真用トナーの製造方法