JP2002332587A - 高速電着ドラムとその製造方法 - Google Patents

高速電着ドラムとその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性の高い高電流運転を可能とする高速電
着ドラムを開発する。 【解決手段】 チタン電着面を支持するインナードラム
構成体の主として構造強度を受け持つ中心部をステンレ
ス鋼又は炭素鋼の内部支持体9-1で構成し、主として導
電を受け持つ外周部を銅又は銅合金の外部支持体9-2で
構成してドラム構成を複合化するもので、複合手段とし
て所要厚みの銅板又は銅合金板製リングを内部支持体9-
1に焼き嵌めするか、もしくは銅系肉盛り材を溶射又は
溶接して所要厚みの外部支持体9-1を積層して良好な導
電支持層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解メッキ法によ
り銅箔、ニッケル箔などの金属箔を製造する高速電着ド
ラムとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板用電解銅箔を中心とする
金属箔の製造に使用されるチタンを電着面とする電解銅
箔製造装置は、銅メッキ液の器となる浴槽の中心に回転
ドラム陰極が回転軸の両端を軸受によりセットされ、そ
の容積の約1/2が銅メッキ浴に浸漬され、陰極に対面し
て配置される陽極との間に集電リング、整流器を介して
直流が通電されメッキ浴の一方の側から浴に浸入したチ
タン面に銅がメッキされ始め他方の側の浴面から出るま
でに所定の厚みの銅箔となった後、チタン面から剥がさ
れてボビンに巻き取られるごとくして連続的に製造され
る。
【0003】従来の回転ドラム陰極は、回転軸を中心に
構成されるステンレス鋼又は炭素鋼製インナードラムの
外周面に電着面となるチタン製アウタードラムが焼き嵌
めによって嵌合された上表面を機械仕上げ後研磨して使
用される。
【0004】しかして、チタン製アウタードラムの支持
体としてのインナードラムは、近年ステンレス鋼又は炭
素鋼が一般に用いられているが、往時は特公昭46-90
号、特公昭58-24507号に見られるように、チタンよりも
大きい熱膨張率を有する鉛あるいは銅合金製とすること
が、これに焼き嵌めされるチタン製アウタードラムとの
電気的接触を良くして電着面の電流分布を均一にし銅箔
の厚みのバラツキを小さくする上で有効であるとして提
案されている。
【0005】
【発明が解決すべき課題】近年プリント配線基板用銅箔
の需要がますます増大したことから、銅箔の生産性を上
げるために既設電着ドラムは通電電流を構造体の能力限
度一杯に高めると共に、新設電着ドラムは、従前より遙
かに大きい大電流高電流密度仕様とすることが求められ
るようになった。例えば、従来2.0〜2.3mφ×50A/dm2
であったものが近年2.7〜3.0mφ×70〜80A/dm2あるい
は100A/dm2を越える性能が求められるようになった。
【0006】また、銅箔の厚みに関しても、精密度が高
度に発達した電子機器印刷回路用銅箔に要求される厚み
が従来の35ミクロンから18ミクロン以下あるいは10ミク
ロン以下が求められるようになり、かつ厚みのバラツキ
が厳しく問われるようになった。
【0007】かかる高電流化は従来のステンレス鋼又は
炭素鋼製インナードラムにチタン製アウタードラムを焼
き嵌めして製作される一般的な電着ドラムでは、インナ
ーからアウター間の接触に関する諸種の改善提案によっ
て進歩してきたにもかかわらず、インナードラム材質の
電流容量の不足と焼き嵌め接触の均一性の欠如が主因と
なって、電着面の局所加熱や箔厚のバラツキが大きくな
ることが避けられず、電流増加に伴う新たな問題として
浮かび上がってきた。
【0008】このような情勢から本発明者らは銅箔メー
カーらの求める生産性の高い大電流高電流密度のもとで
厚みのバラツキのない薄箔を円滑に生産できる高速電着
ドラムを開発することを課題として検討、試験を重ねて
きた。
【0009】一般に、厚みのバラツキのない銅箔は電流
分布が均一な陰極表面から得られる。そして電流分布が
均一であるためには電着面に流入する電流を円滑に支持
体であるインナードラムに導電させることが必要で、そ
れにはインナードラム外周面に焼き嵌めされるアウター
ドラムの内周面とインナードラムの外周面が完全に嵌り
合っていて焼き嵌め接触面全体の電気抵抗が均一である
ことが求められる。
【0010】更に大電流に対応させるには、電流容量、
電気伝導度の小さいチタン製アウタードラムの電着面に
垂直に流入する電流を可能な限り、ストレートに電流容
量と電気伝導度を充分大きくしたインナードラムに導電
させることが必要である。
【0011】従って、インナードラムを構成する金属材
料はアウタードラムの支持体としての機械的強度と同時
に、アウタードラムと嵌合する接触面の密着度を充分な
らしめ、接触抵抗を均一にしてインナードラムに導電さ
せるための接触性と導電性に優れた特性を具備すること
が必要である。そしてこの必要性は既に早くから提案さ
れており特公昭46-90号では鉛が、特公昭58-24507号で
は、銅又は青銅合金が焼き嵌めされるアウタードラムの
材質であるチタンより大きい熱膨張率と導電率及び良好
な可塑性を有することから、高い運転温度のもとでアウ
タードラム内周面に膨張密着して接触効果を高めるとの
理由により提案されている。
【0012】本発明者らは、大電流高電流密度及び薄箔
の要求が著しく高まった現在、チタン製アウタードラム
の支持体構成材料を見直す必要があると考えた。その理
由は電流が大きくなるにつれて、電着ドラムを構成する
構造体の電気抵抗が大きくなり、槽電圧を高めて電力ロ
スを増大し、ジュール熱によるドラム温度、メッキ浴温
度を高めて、ドラム及び循環銅メッキ液を冷却する必要
が発生するおそれがあることに対して、支持体全体を電
気抵抗の小さい銅又は銅合金で構成すれば構造体抵抗を
最小にできるので、発熱に繋がる消費電力を節約でき、
かつ大電流を受け入れるに十分な電流容量を保有させる
ことが容易に実現できるからである。
【0013】すなわち、電気的には支持体全体を電気抵
抗が最も小さく導電性に優れた銅又は銅合金とするのが
理想である。しかし、今日一般的に使用されているチタ
ン電着ドラムのインナードラムの多くは電気抵抗の比較
的大きいステンレス鋼又は炭素鋼で形成されている。何
故、近年アウタードラム支持体に銅又は銅合金が一般に
使用されなかったかについては、銅又は銅合金は材料費
が比較的に高く、かつ溶接及び機械切削の加工性並びに
構造体の機械的強度がステンレス鋼又は炭素鋼に比べて
劣る上、製作コストが高くつくことが主因で、従前の通
電電流が比較的に低く、かつ求められる電流容量が小さ
かったことによると推測される。
【0014】本発明者らは、銅又は銅合金が高電流の目
的には適材であるが、加工性、経済性にやや問題がある
ことに留意し、近年一般的に使用されているステンレス
鋼又は炭素鋼の長所をも活かして大電流高電流密度に適
応するアウタードラム支持体を簡易な手段により構成す
る方法について検討し経験を重ねてきた結果、次の構成
手段により銅箔厚みのバラツキのない薄箔が高電流密度
のもとでホットスポットなどの不具合を生じることなく
安定して生産できることを確認し、本発明を完成するに
至った。
【0015】本発明における銅又は銅合金は、例えば特
許第3121775号に見られるごときアウタードラム内周面
とインナードラム外周面との間に介存させる中間素材と
してではなく、チタン製アウタードラムの支持体及び導
電体としてのインナードラム構成体の主要材料として、
前記した往時の提案を見直し、加工性、経済性、実効性
の問題を解決したものである。
【0016】
【問題を解決するための手段】したがって、本発明の要
旨は、チタン製アウタードラムとその支持体となるイン
ナードラムからなる電着ドラムにおいて、該支持体を内
部支持体がステンレス鋼又は炭素鋼で構成され、外部支
持体が銅又は銅合金の導電支持層で構成された複合支持
体としたことを特徴とする高速電着ドラムである。ここ
で、導電支持層は、ステンレス鋼又は炭素鋼製内部支持
体の外周に銅又は銅合金製リングを焼き嵌めして形成し
た外部支持体とするか、あるいはステンレス鋼又は炭素
鋼製支持ドラムの内部支持体表面に銅又は銅合金を溶射
又は溶接により肉盛りして形成した外部支持体とするの
が好ましい。
【0017】更に、導電支持層は、外周部を機械仕上げ
した銅又は銅合金製外部支持体とその表面の錫被覆層か
らなり、該錫被覆層の表面に内周面が白金被覆層を有す
るチタン製アウタードラムを焼き嵌めすることにより得
られる白金被覆層とで構成すると、より好ましい高速電
着ドラムとなる。
【0018】これらの高速電着ドラムは、次のような製
造方法で能率よく得られる。すなわち、 1)インナードラムである内部支持体をステンレス鋼又
は炭素鋼で形成し、 2)電着面に流入する電流を受け入れるに十分な厚みの
圧延銅板又は銅合金板により、銅板製導電リングを形成
し、銅材の物性を損なわない加熱温度でインナードラム
に焼き嵌め密着して外部支持体を形成し、 3)焼き嵌め後、銅を表面とするインナードラム表面を
機械加工して表面精度、真円度及び円筒度を高め、 4)次いで銅表面を防食と良好な電気的接触を目的とし
て錫メッキをし、 5)同じく防食と優れた電気的接触を得るために内周面
を白金被覆したチタン製アウタードラムを銅表面に錫被
覆したインナードラムに焼き嵌めして良好な導電支持層
を有する電着ドラムを形成することを特徴とする高速電
着ドラムの製造方法である。
【0019】また、チタン製アウタードラムとその支持
体となるインナードラムからなる電着ドラムの製造に際
して次のように変更してもよい。この方法によれば、 1)インナードラムである内部支持体をステンレス鋼又
は炭素鋼で形成し、 2)電着面に流入する電流を受け入れるに十分な厚みに
銅又は銅合金の溶射又は溶接による肉盛り層を形成して
外部支持体を形成し、 3)該溶射又は溶接による肉盛り層を表面とするインナ
ードラム表面を機械加工して表面精度、真円度及び円筒
度を高め、 4)次いで銅表面を防食と良好な電気的接触を目的とし
て錫メッキをし、 5)同じく防食と優れた電気的接触を得るために内周面
を白金被覆したチタン製アウタードラムを銅表面に錫被
覆したインナードラムに焼き嵌めして良好な導電支持層
を有する電着ドラムを形成することを特徴とする高速電
着ドラムの製造方法である。
【0020】前項3)〜5)におけるインナードラム銅表
面の機械加工及び錫被覆とチタン製アウタードラム内周
面の白金被覆は、本発明の効果をより高めるために必要
な手段である。すなわち、特公昭46-90号における鉛、
特公昭58-24507号における銅又は銅合金、あるいは近年
の提案、すなわち、特許第3121775号におけるアウター
ドラム内周面とインナードラム外周面との間に介存させ
る銅板若しくは銅合金板、特開2001-49482号におけるイ
ンナードラム形成素材に爆着する導電性軟質中間素材な
どは、いずれもそれら素材のチタンより高い熱膨張率を
これに対面するチタン面に密着せしめる要因としてい
る。
【0021】しかし、発明者らの実験によれば銅若しく
は銅合金の硬度(H=35〜75)がチタンのそれ(H
約120)に比較して小さいとはいえ、狭い面積の局所接触
ではなく広い面積の面接触であるアウタードラムとイン
ナードラムの焼き嵌め接触面においては、爆発圧接のご
とき大きな応力を加えない限り、100℃以下の温度にお
ける熱膨張力のみでは材質が炭素鋼の場合と略同様にア
ウタードラムのチタン面に完全密着する現象は起こら
ず、チタン製アウタードラムの内面粗さとドラムの円筒
精度に相応する隙間を生じることは程度の差はあっても
基本的に避けられないことが判った。
【0022】このことはチタン製アウタードラムとイン
ナードラムとの焼き嵌め接触の不完全さの改善を目的と
する特公昭58-24507号の提案はそれを裏付けるものであ
り、インナードラムの材質を熱膨張率の高い銅又は銅合
金とするだけでなく、接触の不足を補うために銅又は銅
合金の表面に凹凸溝を切り表面積を1/3に減らして焼き
嵌めの緊縛力を3倍に増やす手段を主体にしていること
からも明らかである。
【0023】本発明において、インナードラム内部支持
体のステンレス鋼又は炭素鋼製内部支持体(図3、9-1)
の外周部に一体化した銅又は銅合金製外部支持体(図
3、9-2)を機械加工して、インナードラムの表面精度及
び円筒精度を完全にした上で銅表面を錫被覆し、白金被
覆したチタン製アウタードラムを焼き嵌めする補助手段
は、銅系導電材の温度変化によって変化する体積の膨張
収縮を接触の必須要因とする手段の不確定さを補って安
定化させるもので、これによって長期間安定して高電流
製箔運転が可能になることが確認された。
【0024】以上から明らかなように、本発明は前記に
引用した特公昭58-24507号の提案すなわち、焼き嵌めさ
れるチタン製アウタードラムとの電気的接触を良好にす
るために「インナードラム全体を銅合金製とする」とす
る提案に内在する加工性、経済性の問題を改善するため
に、主として支持体の強度を受け持つインナードラム内
部支持体はステンレス鋼又は炭素鋼で構成し、電気的に
必要なその外周部のみを銅又は銅合金の外部支持体で構
成することによって大電流高電流密度の高速電着ドラム
の製造を有利な加工性、経済性のもとで実現させるもの
である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を直径2.7m、
幅1.3m、通電電流60,000Aのチタン電着ドラムを例に
して説明する。図1は電解銅箔製造装置の正面略図であ
る。図2は本発明チタン電着ドラムの一部破断正面図
を、図3は図2のAで囲った部位の詳細を示す断面図で
ある。プリント配線板用電解銅箔を中心とする金属箔の
製造に使用されるチタンを電着面とする電解銅箔製造装
置は、図1に示すように銅メッキ液の器となる浴槽1の
中心に回転陰極式電着ドラム2が回転軸3の両端を軸受
4によりセットされ、その容積の約1/2が銅メッキ浴5
に浸漬され、陰極に対面して配置される陽極6との間に
集電リング7、整流器8を介して直流が通電され銅メッ
キ浴の一方の側から浴に浸入したチタン面に銅がメッキ
され始め、他方の側の浴面から出るまでに所定の厚みの
銅箔となった後、チタン面から剥がされてボビンに巻き
取られるごとくして連続的に製造される。
【0026】実施例1 図2に示すチタン製アウタードラム10はインナードラム
9の表面に焼き嵌めして相互の電気的接触が完成する
が、本発明の実施例1においては、インナードラム内部
支持体9-1は厚み約20mmのステンレス鋼板により外径約2
680mm、幅1300mmに成形した。次いで、所要厚みの圧延
銅板をロール曲げして両端部を突き合わせ、プラズマ溶
接してその内径がステンレス製円筒の内部支持体(図
3、9-1)の外径より数mm小さい銅製導電リングの外部支
持体(図3、9-2)を成形した。次いで、銅リングを焼き
嵌め炉に垂直にセットし、その表面全体を均一に加熱し
適温(この場合、約200℃)に昇温した。この加熱により
膨張して内径が拡張された銅リングにステンレス鋼製イ
ンナードラムを垂直に挿入して放熱し焼き嵌めをした。
次いで、ステンレス鋼製インナードラムに一体化した銅
リングの表面を機械加工にかけて表層数mmを切削して所
要厚みの導電層を形成すると同時に、円筒度、表面精度
が充分な銅材導電層を表層とするインナードラムが完成
した。次いで、特許第2927726号に準じたメッキ装置に
より、銅表面に錫被覆11を施した。一方、厚み8mmのチ
タン圧延板により銅を表面とするインナードラムの外形
より数mm小さい内径約2680mmのアウタードラム10を製作
した後、その内周面を特許第2927726号に準じて白金被
覆12を形成した後、前記の錫被覆された銅リングを表層
とするインナードラムに焼き嵌めして高速電着ドラムを
完成した。
【0027】実施例2 実施例1と同様に厚み約20mmの炭素鋼板製円筒に側板、
回転軸を取り付けてインナードラム基体の内部支持体9-
1を形成した後、次の順序によってその表面に銅系導電
層の外部支持体9-2を形成した。 (ア)銅箔メッキ装置に準じた表面処理装置にセットして
ドラムの約1/4を処理液浴槽中に浸漬するように配置さ
れた。 (イ)浴槽にアルカリ脱脂液を張ってドラムを数時間回転
させて炭素鋼表面を脱脂処理した。 (ウ)脱脂液を抜き出した後、回転する表面を純水で充分
水洗いした上、熱風乾燥した。 (エ)浴槽に硫酸を主成分とするエッチング液を張って、
回転するドラム表面を数時間エッチングして粗面化し
た。 (オ)エッチング液を抜き出して、表面を水洗、乾燥し
た。 (カ)アルゴンガスをシールドガスとするティグ溶接機を
セットして、線状銅系肉盛り材により、ドラム表面の一
辺から逐次ドラムを回転しながら肉盛り溶接を繰り返し
て、所要厚みの銅層からなる外部支持体9-2を形成し
た。 (キ)次いで、ドラムを機械加工装置に移して銅層の粗い
表層を切削し、所要厚みの銅層に仕上げると同時に真円
度、円筒度が充分な銅材を導電層とするインナードラム
を完成した。 (ク)実施例1と同じく、銅表面に錫被覆を施した。 (ケ)一方、実施例1と同様に厚み8mmのチタン圧延板に
よりアウタードラムを製作し、その内周面を白金被覆し
た後、錫被覆された銅を表面とするインナードラムに焼
き嵌めして高速電着ドラムを完成した。
【0028】
【発明の効果】上述のごとく、本発明におけるアウター
ドラムの支持体としてのインナードラムは、内部支持体
をステンレス鋼又は炭素鋼で構成し、大電流を受け入れ
る表層部の外部支持体を銅又は銅合金で構成し、かつそ
の表面が機械加工されることによってインナードラムの
円筒精度が確保される上に、防食と電気的接触効果を高
める錫被覆が施されるので、その内周面が電気的接触に
優れた白金被覆されたアウタードラムの焼き嵌めによっ
て完成した電着ドラムの電気的性能は、チタン電着面の
電流分布を均整化して銅箔厚みを均一化すると共に、ホ
ットスポットなどの障害を起こすことなく生産性、安定
性の高い高電流密度操業を実現できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解銅箔製造装置の正面略図である。
【図2】インナードラムにアウタードラムを焼き嵌め接
合した一般的電着ドラム構造と接合境界面を示す一部破
断正面図である。
【図3】図2A部に相当する本発明における拡大図で内
周面を白金被覆したチタン製アウタードラムと外周面を
錫被覆した銅系導電層を有するインナードラムとの焼き
嵌め接合部の詳細断面図である。
【符号の説明】
1 浴槽 2 回転陰極式電着ドラム 3 回転軸 6 陽極 9 一般的インナードラムの外周板 9-1 本発明インナードラム内部支持体 9-2 本発明インナードラム外部支持体 10 アウタードラム 11 錫被覆 12 白金被覆

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン製アウタードラムとその支持体と
    なるインナードラムからなる電着ドラムにおいて、該支
    持体を内部支持体がステンレス鋼又は炭素鋼で構成さ
    れ、外部支持体が銅又は銅合金の導電支持層で構成され
    た複合支持体としたことを特徴とする高速電着ドラム。
  2. 【請求項2】 導電支持層は、ステンレス鋼又は炭素鋼
    製内部支持体の外周に銅又は銅合金製リングを焼き嵌め
    して形成した外部支持体からなる請求項1記載の高速電
    着ドラム。
  3. 【請求項3】 導電支持層は、ステンレス鋼又は炭素鋼
    製内部支持体表面に銅又は銅合金を溶射又は溶接により
    肉盛りして形成した外部支持体からなる請求項1記載の
    高速電着ドラム。
  4. 【請求項4】 導電支持層は、外周部を機械仕上げした
    銅又は銅合金製外部支持体とその表面の錫被覆層からな
    り、該錫被覆層の表面に内周面が白金被覆層を有するチ
    タン製アウタードラムを焼き嵌めして形成してなる請求
    項1,2又は3記載の高速電着ドラム。
  5. 【請求項5】 チタン製アウタードラムとその支持体と
    なるインナードラムからなる電着ドラムの製造に際し
    て、 1)インナードラムである内部支持体をステンレス鋼又
    は炭素鋼で形成し、 2)電着面に流入する電流を受け入れるに十分な厚みの
    圧延銅板又は銅合金板により、銅板製導電リングを形成
    し、銅材の物性を損なわない加熱温度でインナードラム
    に焼き嵌め密着して外部支持体を形成し、 3)焼き嵌め後、銅を表面とするインナードラム表面を
    機械加工して表面精度、真円度及び円筒度を高め、 4)次いで銅表面を防食と良好な電気的接触を目的とし
    て錫メッキをし、 5)同じく防食と優れた電気的接触を得るために内周面
    を白金被覆したチタン製アウタードラムを銅表面に錫被
    覆したインナードラムに焼き嵌めして良好な導電支持層
    を有する電着ドラムを形成することを特徴とする高速電
    着ドラムの製造方法。
  6. 【請求項6】 チタン製アウタードラムとその支持体と
    なるインナードラムからなる電着ドラムの製造に際し
    て、 1)インナードラムである内部支持体をステンレス鋼又
    は炭素鋼で形成し、 2)電着面に流入する電流を受け入れるに十分な厚みに
    銅又は銅合金の溶射又は溶接による肉盛り層を形成して
    外部支持体を形成し、 3)該溶射又は溶接による肉盛り層を表面とするインナ
    ードラム表面を機械加工して表面精度、真円度及び円筒
    度を高め、 4)次いで銅表面を防食と良好な電気的接触を目的とし
    て錫メッキをし、 5)同じく防食と優れた電気的接触を得るために内周面
    を白金被覆したチタン製アウタードラムを銅表面に錫被
    覆したインナードラムに焼き嵌めして良好な導電支持層
    を有する電着ドラムを形成することを特徴とする高速電
    着ドラムの製造方法。
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