JPH02213491A - 電着ドラム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、電解金属箔の製造に用いられる電着ドラムに
関する。

（従来の技術） 電解金属箔としては銅箔、ニッケル箔、鉄箔などがある
が、今日最も大量に生産されているのは印刷回路用電解
銅箔である。そこで電解銅箔を例として従来の製造装置
及び方法を説明する。

電着ドラムを、軸方向が水平になるようにして、その一
部分を例えば硫酸酸性硫酸銅溶液からなる電解液に浸し
て回転させ、ドラム面を陰極とし、電解液中にあってド
ラム面に対面して配設された陽極との間に直流電流を流
して、ドラム面に電解鋼層を形成させ、所望の層厚とな
ったとき、電解鋼箔をドラム面より剥離し、これを巻取
ることにより電解銅箔が生産されている。電着ドラムの
表面は、繰返し行なわれる強酸性液中での電着や剥離に
耐えねばならず、また定期的に行なわれるパフ研磨など
の表面清浄作用による磨損がさけられず、他方均一厚の
銅箔を商業ベースで生産するためには表面に大電流が均
一に供給されなければならない、そのため電着ドラムに
は、ステンレススチール製１．チタン製又は表面にクロ
ムメツキなどを施した交換可能なアウタースキンをイン
ナードラムに焼嵌めした構造のものが使われている。

そしてこの電着ドラムのアウタースキンに給電する方法
としては、アウタースキンから側板を通って直接ドラム
軸の給電ラインに流す方法と、アウタースキンからそれ
に面接触したインナードラムを通って流す方法がある。

前者では、高価なチタン材で厚いアウタースキンを作ら
なければならないこと、ドラムの縁部から中央部になる
ほど表面の電流密度が小さくなり易いこと、さらにアウ
タースキンと給電ラインとの電気的接続が容易でないな
どの問題がある。後者では、アウタースキンは厚くなく
ても良いが、その内表面とインナードラム外表面との電
気的接触を均一安定に行なうことに問題がある０本発明
は電解電流をアウタースキンからインナードラムに流す
後者の方法を改善するものである。

（発明が解決しようとする課題） 上記のようにインナードラムの外側にアウタースキンを
嵌着した電着ドラムは、加温された電解液に浸され、か
つ大電流が流れた部分は温度が上昇し、他方電解液から
でた部分は大気で冷され、かつ通電による発熱もない、
電解銅箔の製造においては、電着ドラムはこのように加
温と冷却がくり返されるために、インナードラムとアウ
タースキンの接触面ではかなりの相対移動がくり返され
る。その結果、両者の界面において均一安定した電気的
接触が不可能となり、局部的に大電流が流れた部分がア
ウタースキン表面にいわゆるホットスポットとして現わ
れる。この現象は使用電流が大きい種発生しやすく、電
解銅箔の生産速度を制限する要因の１つとなっている。

本発明の第一の目的は、前記ホットスポットの発生を防
ぐと共に、インナードラムとアウタースキンの間の通電
ロスを少なくすることである。そのためには、従来も焼
嵌め圧力を高くしたり、インナードラム外面とアウター
スキン内面の接触力を強めるこころみか種々なされた０
例えばインナードラム表面に溝を彫ってアウタースキン
内面と接触する面積を減らして接続性を高め、さらに接
触面に銀メツキ層を存在させる方法（特公昭５８−２４
５０７）、円筒面全面で接触し、その接触面に銀メツキ
層を存在させる方法（特公昭６２−２３３）、円筒面全
面で接触し、その接触面に銀メツキ、金メツキ、白金メ
ツキの層を存在させる方法（特公昭６ｌ−６０１４９）
など、結果として接触力を高める方法が工夫されている
が十分でない。

本発明の第二の目的は、ドラム表面が冷たい状態で電着
がはじまらないように、常に加温しておくことができる
電着下ラムを提供することである。

さらに、本発明の第三の目的は、加熱膨張、冷却収縮に
よる変形を防ぐことのできる電着ドラムを提供すること
である。稼動時ドラムが局部的に加温・冷却がくり返さ
れるために、インナードラムとアウタースキンの接触面
での相対移動が生ずるだけでな（、温度変化により電着
ドラムが膨張、収縮をくり返して長い間には直円形でな
くなる。また通常ドラムの表面機械加工は室温で行なわ
れて真円筒に仕上げられるが、稼動時に加温されるため
にそれが直円筒でなくなる。そして変形した状態のドラ
ムに電着が行なわれると、生成する電解銅箔の厚さの均
一性や平坦性が損なわれる。

本発明は上記の問題点を解消して、高品質の金属箔が高
い生産性で製造できる電着ドラムを提供することである
。

（課題を解決するための手段） 本発明の電着ドラムは、インナードラムの外周に金属管
材を巻回し、その外側にアウタースキンを焼嵌めしてな
ることを特徴とする。

本発明では、インナードラムとアウタースキンの間に金
属管材を介在させて、金属管材の熱膨張力及び機械的弾
性力を利用して、両者の間の接触力を高めることにより
、電気的接続を改善するものである。

インナードラムは、軟鋼等で作られ、外周面を旋削し、
必要により外周面に金属管材の道案内となる凹溝をらせ
ん状に旋削形成する。アウタースキンはチタン、タンタ
ル、ニオブ、ジルコニウム又はこれらの合金あるいはス
テンレススチールで作られ、表面を旋盤かけ、砥石研磨
、パフ研磨して真円筒に仕上げられる。好ましくはイン
ナードラム外面及び／又はアウタースキン内面に銀メツ
キなどを施して酸化や腐食を防止する。

本発明に用いられる金属管材は、外径１〜２０ｍｍ、好
ましくは２〜１０ｍｍ、肉厚０．５〜７１、好ましくは
０．７〜４開の丸、楕円、その他の形状でもよい、この
管材をインナードラム外面にらせん状に巻つけるか、往
復巻き、単数巻き、複数巻き、密着巻き、一定間隔巻き
などの方法で巻回する。一定間隔に巻くときは、管材の
道案内となる溝や突起を、焼嵌め後のアウタースキン内
壁に接しないようにして設け、管材の移動を防ぐことが
好ましい、管材は好ましくはインナードラムに爆接など
任意の方法でその両端などを部分的に固定する。

金属管材は、少なくともアウタースキンと同等以上の熱
膨張率をもち、かつそれらと同等以上に電気伝導性がよ
く、またアウタースキンの緊縮力によってつぶれてしま
わない強度と弾性力のある金属や合金が用いられる０例
えば、ステンレススチール、鉄、銅、ニッケルや銅亜鉛
合金があげられる。またこれらの複合管でもよいし、内
外表面に銀、金、白金などをメツキして酸化腐食を防い
でもよい。

インナードラムの外周に金属管材を巻回したものは、加
温したアウタースキンに挿入、焼嵌めされるが、挿入後
、インナードラムとアウタースキンに温度差をつけたま
まで、金属管材を水圧などで拡管して内外の緊着度を増
すことができる。この水圧拡管にさいし、管材がアウタ
ースキンに接触した後もさらに所要時間拡管圧を保持し
てから水圧を解放すれば、アウタースキンとインナード
ラムの弾性縮径するもどり差がアウタースキンの熱収縮
に加わって、高い嵌め合い応力を得ることができ、ドラ
ム稼動時のアウタースキンの熱によるゆるみをさらに防
止することができる。またアウタースキンの焼嵌めに先
立って、インナードラム外面上の管材内に冷水などを流
して、インナードラムと管材とを熱収縮させておくこと
により、アウタースキンの内径がより小さくても焼嵌め
ることができ、さらに効果的に緊着させることができる
。

あるいは、管材の両端を封止して、管内に空気や水を閉
じ込め、ドラム稼動時のそれらの熱膨張を利用して管を
ふくらませてもよい、あるいは、管内にアルコール、ペ
ンタン、パラフィンやポリエチレンなどの有機物、アル
ミニウム、インジウム、低融点合金などを封入して、そ
れらの材料のドラム稼動時の熱膨張を利用して、管材と
アウタースキンとの接触力を大きくすることもできる。

（作用） 本発明の電着ドラムにおけるインナードラムとアウター
スキンの間に介在する金属管材は、両者との接触面積が
両者同志の全面接触より少ないこと、さらにその熱膨張
力と弾性との効果によって、両者の電気的接続を高める
ことができる。さらに焼嵌め時に、水圧などで拡管する
ことにより、それらの間の接触圧力をより向上させ、ま
たさらにアウタースキンの弾性力をも利用してより緊着
力を高めることができる。また管材に熱膨張の大きな材
料を閉じ込めてドラム稼動時の熱膨張を利用して接触力
を大きくし、電気的接続をより改善することができる。

さらに管材に水を流してインナードラムと管材を収縮さ
せ焼嵌めを容易にし緊着力をより高めることもできる。

更にまた、本発明の電着ドラムは、次のようにして使用
されすぐれた特徴を発揮する。ドラム稼動時に、インナ
ードラム外周の金屑管材に湯や熱媒体を循環又は封入さ
れた熱媒体によって電着ドラムの空中にある部分の冷却
を防ぎ、電着ドラム全体を温め、電解液に浸った部分と
空中にある部分との温度差を少なくすることによって、
アウタースキンとインナードラムとの相対移動を防ぐこ
とができ、また電着開始場所のアウタースキン表面の陰
極が十分に温められていることにより、可撓性、延性に
富んだ結晶サイズの均一な電解金属箔が得られろことに
なる。

さらに、電着ドラムのアウタースキン表面を旋盤かけ、
砥石研磨、パフ研磨するときに、これらの作業は従来は
室温で行なわれたが、本発明では金属管材に湯や熱媒体
を循環等してドラム全体又は表面をドラム稼動時と近似
した温度に加温しつつ機械加工することによって、ドラ
ム稼動時に真円筒となるドラムを作ることができる。

（実施例） 第１図は電着ドラムを用いた一般的な電解金属箔製造装
置の１例を示す１部欠損側面図である。

電着ドラムｌはシャフト２に固定され、シャフト２はそ
の両端を軸受３．４により電着ドラム１を回転可能に支
持する。シャフト２の１端にはシャフト２と共に電着ド
・ラム１を回転させるための回転駆動源を連結する。前
記電着ドラム１は陰極となりその１部は電解槽５中の電
解液６に浸される。陽極７は電着ドラム１の電解液６中
のドラム面に相対して配設する。シャフト２の端部に設
けたドラム通電用のコンタクトリング８に直流電源９の
陰極側を接続し、陽極７に陽極側を接続する。

前記電着ドラムｌは、シャフト２の周りに組立てられた
軟鋼製等のインナードラム１０の外側にアウタースキン
１１を焼嵌めしている。その他、シャフト２の筒軸１２
、円板状の側板１３、電解液によるインナードラムの腐
蝕を守るためのカバー１４である。

第２図〜第４図は本発明の電着ドラムの構造を示す断面
図である。

実施例１ 第２図において、軟鋼製のインナードラム１０の外周面
を旋削後、外周面に凹溝１６をらせん状に旋削形成し、
この凹溝に黄銅（Ｃｕ−３５Ｚｎ）管材１５を巻回し、
管材１５は爆接等により部分的にインナードラム１０に
固定した。アウタースキン１１は加熱後、インナードラ
ム１０上の管材１５の外側に挿入し、放冷して焼嵌めた
。

アウタースキン１１の厚さは５ｍｍ、管材１４は外径３
．５ｍｍ、内径ｌｌｌｌｌ１１、管材１５の巻きつけピ
ッチは４ｍｍとした・ 実施例２ 第３図は、実施例１において、管材１５を密着巻きし、
かつ上記のようにアウタースキン１１を焼嵌める際に、
水圧をかけて管材１５を膨張させたものである。管形は
真円ではなく、実施例１の場合より広い面積でアウター
スキン１１の内面およびインナードラム１０の外面と強
い緊着度で接触させることができた。

さらに管材１５の両端をシャフトを通して外部にとりだ
し、管材１５に湯を通してドラムを加熱し、この状態で
アウタースキン外表面を旋盤かけ、砥石研磨、パフ研磨
して真円筒に仕上げ、この電着ドラムを用いて稼動し・
たところ、稼動時のドラムの真円度は向上し、箔厚の分
布、箔の平坦度が改善された。またこの電着ドラムを管
材１５に湯を通して加熱し、稼動したところ、ドラムが
電解液に浸されていない部分も温められ、電解鋼箔の可
撓性、延性が改善された。

実施例３ 第４図は、組立時に管材１５がインナードラム１０上で
移動するのを防ぐため、実施例１における凹溝の代りに
インナードラム１０上に部分的に突起１７を設け、しか
も管材１５の内部にパラフィン１８を封入した。また管
材１５の表面には銀メツキを施した。

（発明の効果） 本発明は上述の如く、インナードラムの外周面に金属管
材を巻回し、管材外側にアウタースキンを焼嵌めするこ
とにより、管材の熱膨張力のほか、その弾性力により緊
着度が高まり１両者の接触部の接触面圧を向上し、イン
ナードラムとアウタースキンの電気的接続を均一確実と
することができ、大電流を通しても全体の通電状況を均
一に、かつ局部的なホットスポットの発生を抑制するこ
とができる。

またアウタースキンの焼嵌めに先立ち、管材に通水し、
インナードラムと管とを冷却することにより、アウター
スキンの内径をより小さくし、緊着度を上げることがで
きる。また、加熱したアウタースキンに挿入後、管内の
水圧をあげて拡管し、アウタースキンとインナードラム
との緊着度をさらに高め、ドラム稼動時のアウタースキ
ンの熱膨張ゆるみを一層抑制できる。

さらにアラタコスキンの表面の旋盤かけ、砥石研磨、パ
フ研磨に際し、管材に湯を通してドラムを略稼動時の温
度と同じくすることにより、ドラム稼動時のドラム外周
面の真円度を向上できる。

どれによって製造される電解金属箔の厚さの分布および
平坦性が改善される。

ドラム稼動時、管材に湯を通して、ドラムの空中に在る
部分の温度低下を抑止するごとにより、ドラムの膨張収
縮が軽減乃至解消されるため、製造される箔の厚さ分布
および平坦性が改善され、また長く使ってもドラム各所
の溶接部にクラックなどの損傷がおこらなくなり、また
ドラムへの電着がアウタースキンの温度が低い状態で開
始されず、予め加熱された状態で開始されるため、製造
される金属箔の可撓性、延性がより改善される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、電着ドラムを用いた一般的な電解金属箔製造
装置の１例を示す１部欠損側面図であり、第２図、第３
図および第４図は、本発明の電着ドラムの構造を示す断
面図である。 １　電着ドラム　　　　　２　シャフト３．４　軸受　
　　　　　５　電解槽 第１図 第２図 電解液 コンタクトリング インナードラム 金属管材 突起 陽極 直流電源 アウタースキン 凹溝 パラフィン 第３ 図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. インナードラムの外周に金属管材を巻回し、その外側に
   アウタースキンを焼嵌めしてなる電着ドラム。