JP2002327757A - 軸受の給油機構 - Google Patents

軸受の給油機構

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JP2002327757A
JP2002327757A JP2001132974A JP2001132974A JP2002327757A JP 2002327757 A JP2002327757 A JP 2002327757A JP 2001132974 A JP2001132974 A JP 2001132974A JP 2001132974 A JP2001132974 A JP 2001132974A JP 2002327757 A JP2002327757 A JP 2002327757A
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oil
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retainer
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JP2001132974A
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Michiyoshi Ishimaru
路芳 石丸
Takayuki Asai
貴之 浅井
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 給油能力を向上させた軸受の給油機構を提供
する。 【解決手段】 軸受2A,2Bにより回転自在に支持さ
れた縦方向の軸1の下端を油溜4に入れる。軸1の内部
には、軸方向に延びて下端が軸端面に開口した軸孔5を
設ける。軸1には、軸受2A,2Bよりも上方に位置し
て、軸孔5から外径面に貫通した油吐出孔6を設ける。
これにより、軸1の回転によって生じる遠心力で、油溜
4から油7を軸孔5内に吸い上げて油吐出孔6から吐出
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、縦型の回転軸等
に使用する軸受の給油機構に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】縦型の回
転軸を軸受で支持した機械装置において、回転軸の軸端
である装置下部の油溜から装置上部の油供給部分まで油
を吸い上げて、回転軸に設けられた歯車、軸受、摺動部
等に潤滑油を循環供給する場合に、従来はポンプを用い
て強制循環給油したり、回転軸の外周部に設けたねじ溝
に沿わせて油を上方に汲み上げる等の手段を採用してい
た。
【0003】しかし、強制循環給油方式では、ポンプ等
の付帯設備が必要で、コスト高になるだけでなく、スペ
ース上の観点からコンパクト化が難しく、メンテナンス
にも手間がかかる等の問題点があった。また、回転軸の
外周部に設けたねじ溝で油を汲み上げる方式では、回転
方向の制約を受けるので、回転軸が正逆両方向に回転す
る場合には使用できないという問題点があった。
【0004】また、縦型の回転軸を支持する転がり軸受
の従来例として、図11に示すように、ころ31を支持
する保持器30を内輪32の外径面で案内する内輪案内
形式の軸受22が知られている。この場合、軸受22の
案内部を潤滑するには、ジェットやエアオイルを案内部
を狙って吹き付ける方法があるが、このような方法には
相当の装置と厄介な調整作業が必要でコスト高となると
いう問題点がある。また、循環給油や油浴潤滑では、回
転軸の回転が高速になると案内部(内輪案内)や軸受内
部に油が行き渡らなくなり、これらの潤滑法による速度
限界が低く抑えられていた。すなわち、図11の軸受2
2では、軸21側に設けられる内輪32と保持器30の
隙間が小さく、しかも保持器30の幅が内輪32の幅よ
り狭く段差形状になっている。そのため、保持器30の
外径より内側寄りに供給された油27(図11に符号
で示す)は遠心力により飛ばされ、さらに外輪33の幅
が内輪32の幅よりも狭い場合には、飛ばされた油27
が軸受内に供給され難いので、高速での潤滑は困難とな
る。図11の場合に、符号で示すように、外輪33側
の隙間から軸受内に油27を供給するのは可能である
が、最も油が必要な案内部は内径側にあって給油部から
遠いので、油27が行き届き難い傾向がある。なお、図
11において、ころ31内に行き届く油量は、符号か
らの給油に比べて、符号からの給油の方が僅かに多く
なる。
【0005】また、縦型回転軸を支持する転がり軸受が
上下に多段に設けられている機械装置において、油を上
側から供給して各軸受に行き渡らせるようにした構成の
ものでは、上段の軸受が油を多く取り込んで下段の軸受
に送り出す必要がある。しかし、この種の従来の機械装
置ではそのような給油経路が考慮されていない場合があ
る。例えば、図11に示す軸受22において、軸受22
の上部から油を供給しても、保持器30の幅面がころ3
1を大きく覆っており、しかも保持器30の幅面は平坦
面とされているので、油27は遠心力で外輪33側に飛
ばされる。このため、外輪33の幅が内輪32の幅より
も狭い場合には、軸受22内まで油27を供給できな
い。その結果、保持器30の外径面と外輪33の軌道面
との間に油27が供給された場合にしか、軸受22内に
油27が取り込まれず、下段の軸受に油を十分供給でき
ない。このため、焼き付きを起こす恐れがある。また、
この場合の保持器30は、円筒面のポケットでころ31
を保持しているので油の取込み入口が狭く、この点から
も油27を軸受22内に取り込む能力が小さい。
【0006】この発明の目的は、このような課題を解消
し、給油能力を向上させた軸受の給油機構を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明における第1の
発明の軸受の給油機構は、軸受により回転自在に支持さ
れた縦方向の軸の下端を油溜に入れ、上記軸の内部に軸
方向に延びて下端が軸端面に開口した軸孔を設け、上記
軸受よりも上方に位置して、上記軸に上記軸孔から外径
面に貫通した油吐出孔を設け、上記軸の回転によって上
記軸孔内の空間に生じる遠心力により、上記油溜から油
を上記軸孔内に吸い上げて上記油吐出孔から吐出させる
ようにしている。この構成によると、軸の回転による遠
心力で油溜の油を軸孔内に吸い上げ、吐出孔から吐出さ
せる。そのため、ポンプのような付帯装置を用いること
なく、またねじ溝による汲み上げのように軸の回転方向
に制約されることなく、簡単で安価な構成により給油能
力の高い循環給油を行うことができる。
【0008】第1の発明において、上記軸の軸孔の下端
開口部に軸底蓋を設け、この蓋の中心に、内外に開口し
た小孔を設けたものとしても良い。このように吸い込み
口を小孔に形成した場合、油の粘性の変化による油吸い
上げ揚程の増減を防止できる。
【0009】第1の発明において、上記軸の軸心から離
れた位置に、上記の軸孔を複数本設け、これら各軸孔に
上記油吐出孔を設け、上記軸の下端を覆って上記複数本
の軸孔の下端が開口する内部空間を形成する軸底蓋を上
記軸に設け、この軸底蓋の軸心位置に、内外に貫通した
孔を設けても良い。このように構成した場合、高さの異
なる油吐出孔を複数設定でき、軸受の潤滑性能を高める
ことができる。
【0010】この発明における第2の発明の軸受の給油
機構は、転がり軸受における内輪を、外径部が内径部よ
りも幅狭になる断面形状とし、保持器の内径部を内輪の
外径部よりも幅方向の外側へ突出させている。この構成
によると、内輪側に注がれた油が、回転に伴う遠心力で
勾配を持つ内輪幅面に沿って外径側に送られ、また内輪
幅と保持器幅の段差により、送られた油が保持器を越え
て外径側に飛ぶことが阻止される。そのため、内輪の保
持器案内部に効率良く給油することができ、給油のため
に制限される回転速度の限界もより高く設定できる。
【0011】この発明における第3の発明の軸受の給油
機構は、縦方向の軸を支持する転がり軸受において、保
持器の幅面に周方向に沿う溝を設け、この溝の底面から
保持器のポケット内に連通する油導入孔を設けたもので
ある。この構成によると、供給された油が、保持器の幅
面で妨げられることなく、その幅面の溝から油導入孔を
経て保持器のポケット内に導入される。そのため軸受内
への給油能力を高めることができる。
【0012】この発明における第4の発明の軸受の給油
機構は、円筒ころを保持器のポケット内に保持し、縦方
向の軸を支持する転がり軸受において、上記保持器のポ
ケットの隅に、内外径面に貫通して油保持用の凹部を設
けたものである。この構成によると、軸受に供給された
油が保持器のポケットの隅の凹部に取り込まれる。その
ため、油をポケット内により多く保持することができ、
軸受への給油能力を高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図1およ
び図2と共に説明する。図1はこの軸受の給油機構を装
備した機械装置の要部を示す断面図である。縦型の回転
軸1が上下2段の転がり軸受2A,2Bにより、ハウジ
ング20内に回転自在に支持されている。回転軸1にお
ける上段の軸受2Aによる支持部と、下段の軸受2Bに
よる支持部との間の外周には、歯車3が設けられてい
る。ハウジング20内の下部には油溜4が設けられ、そ
の油溜4に回転軸1の下端が入れられている。回転軸1
の内部には、軸方向に延びて下端が軸端面に開口した軸
孔5が軸心部に設けられている。また、回転軸1には、
前記両軸受2A,2Bよりも上方の位置に、前記軸孔5
から外径面に貫通した複数本の油吐出孔6が設けられて
いる。
【0014】回転軸1の軸孔5の下端開口部には軸底蓋
8が設けられている。この軸底蓋8の蓋中心には、図2
(A),(B)に平面図および縦断面図で示すように、
内外に開口した小孔9が設けられている。この小孔9
は、軸孔5内において、蓋上面と、蓋外周面の複数箇所
(ここでは周方向に等間隔に分離した4箇所)に開口さ
せてある。
【0015】この軸受の給油機構によると、回転軸1の
回転による遠心力で、軸孔5の内部空間の空気が油吐出
孔6から抜けて軸孔5内が負圧となる。そのため、機械
装置下部の油溜4の油7が軸底蓋8の小孔9から軸孔5
内に吸い上げられ、軸受2A,2Bの上方に位置する複
数の油吐出孔6から吐出される。これにより、上下2段
の軸受2A,2Bおよび歯車3に油が能率良く循環供給
される。
【0016】この構成では、従来例のようにポンプ等の
付帯装置を必要とせず、また回転軸1の外周面にねじ溝
を設ける必要がないので、余分なスペースを要すること
なく、簡単でかつ安価に循環型の給油機構を構成でき
る。また、回転軸1の回転方向により給油作用が制限さ
れることもない。そのため、回転軸1が正逆回転する場
合にも適用することができる。
【0017】また、軸孔5の下端開口部に軸底蓋8を設
け、この蓋の中心に、内外に開口した小孔9を設け、吸
い込み口を絞っているので、油の粘性の変化による油吸
い上げ揚程の増減を防止できる。軸底蓋8の小孔9は、
軸孔5内において蓋外周面の複数箇所に開口させている
ので、軸孔5内に吸い上げられる油7に効果的に遠心力
が作用することになり、油7の吸い上げ効果を向上させ
ることができる。
【0018】表1は、前記給油機構における軸蓋底8の
揚程効果についての試験結果を示すものである。この試
験では、前記回転軸1の代替品であるアクリル製の円筒
(外径15mm,内径11mm)に、5mm間隔の高さ
で直径2mmの油吐出孔6を設けて回転させ、吐出され
る油により揚程を確認した。円筒下端には、図2の構造
の軸底蓋8を取付けた。底のある容器内の液体の揚程Z
は、理論上、 Z=r2 ω/g として求められる。したがって、重力加速度単位で表し
た場合、 Z=rG ただし、r:管内径半径 g:重力加速度 G=rω2 となる。
【0019】
【表1】
【0020】表1の試験結果により、理論値の4割程度
が利用可能である。したがって、例えば、軸径φ100
mmで、r=40mmの位置にφ10mmの孔を明け、
この軸を2000rpmで回転したとすると、使用可能
な揚程は3.6mとなる。
【0021】図3は、第1の発明にかかる他の実施形態
の要部を示す。この実施形態は、図1の実施形態におけ
る回転軸1の軸径が大きい場合のものであって、回転軸
1の軸心から離れた位置に、軸孔5が複数本設けられる
と共に、各軸孔5ごとに油吐出孔6が設けられている。
軸底蓋8は、回転軸1の下端を覆って前記複数本の軸孔
5の下端が開口する内部空間を形成するものとされてい
る。この軸底蓋8の軸心位置に、内外に貫通した小孔9
が設けられていることは、先の実施形態と同じである。
この小孔9は、軸底蓋8の軸心位置の内側突出部8aの
上面だけでなく、外周面の複数箇所(ここでは周方向に
等間隔に分離した4箇所)に開口させてある。
【0022】このように構成した軸受の給油機構では、
高さの異なる油吐出孔6を複数設定でき、軸受の潤滑性
能をさらに高めることができる。
【0023】図4は、図1の機械装置において回転軸1
を支持する転がり軸受2A,2Bの拡大断面図を示す。
この転がり軸受2A,2Bは円筒ころ軸受であって、リ
ング状の保持器10で保持された複数の円筒ころ11
を、回転軸1に設けられた内輪12の軌道面12aと、
その内輪12の外周側に設けられた外輪13の軌道面1
3aとの間に回転自在に介在させたものであり、内輪1
2の外径面12bは保持器10の案内部とされている。
内輪12は、外径部が内径部よりも幅狭になる断面形状
とされている。この幅狭になる断面形状は、内輪12の
幅面が直線状のテーパ面となる形状であっても、曲線状
のテーパ面となる形状であっても、また段付き面となる
形状であっても良い。また、保持器10は、少なくと
も、その内径部を内輪12の外径部よりも幅方向の外側
へ突出させている。
【0024】この構成の転がり軸受2A,2Bによる
と、上方から内輪12側に注がれた油7が、回転に伴う
遠心力でテーパとなった内輪幅面12cに沿って外径側
に送られる。この油は、さらに内輪幅と保持器幅の段差
形状により、保持器10を越えて外径側に飛ぶことが阻
止される。そのため、内輪12の保持器案内部12bに
効率良く給油することができ、給油のために制限される
回転速度の限界もより高く設定できる。
【0025】図1の機械装置に使用される転がり軸受2
A,2Bにおける保持器10の一例を図5〜図7に示
す。図5はその保持器10の要部水平断面図、図6は内
径側から見た一部破断正面図、図7は縦断面図である。
この保持器10では、図7に示すように、その幅面10
aに周方向に沿う溝14が設けられ、この溝14の底面
から保持器10の各ポケット15内に連通する油導入孔
16が設けられている。また、保持器10のポケット1
5は、図6に示すように、上下壁面15a,15aおよ
び周方向に向く両側壁面15b,15bで囲まれた断面
方形の角筒状に形成されている。上下壁面15a,15
aは互いに平行な水平面状とされ、両側壁面15b,1
5bは互いに平行な垂直面状とされている。特に、両側
壁面15b,15bは、図5に示すように軸心からポケ
ット15の中心を通る径方向線分Lと平行となる垂直面
状とされていて、これにより側壁面15bの形成部を通
る径方向線分L1に対して側壁面15bが外径側でポケ
ット15の内側に絞られる角度となるようにされてい
る。さらに、ポケット15の4隅には、内外径面に貫通
する油保持用の凹部17が設けられている。
【0026】このような構成とした保持器10を備える
転がり軸受2A,2Bでは、図1の機械装置において、
上方から供給される油が、保持器15の幅面10aで妨
げられることなく、図8に示すように、幅面10aの溝
14から油導入孔16を経て保持器10のポケット15
内に導入される。そのため、軸受内への給油能力を高め
ることができる。したがって図1の機械装置において
は、上方から供給される油7を、上段の軸受2Aを経て
下段の軸受2Bへ十分に供給することができる。
【0027】また、保持器10のポケット15の隅に、
内外径面に貫通して油保持用の凹部17が設けられてい
るので、転がり軸受2A,2Bに供給された油が前記凹
部17に取り込まれることになり、油をポケット15内
により多く保持することができ、軸受2A,2Bへの給
油能力を高めることができる。
【0028】さらに、保持器10のポケット15は、水
平面状とされた上下壁面15a,15aと、垂直面状と
された両側壁面15b,15bとで囲まれた断面方形の
角筒状に形成されているので、ポケット15内へ油を取
り込む取込み口が広くなり、ポケット15内への油の取
込みが容易となる。
【0029】また、ポケット15の両側壁面15b,1
5bは、側壁面15bの形成部を通る径方向線分L1に
対して側壁面15bが外径側でポケット15の内側に絞
られる角度、つまり油を掬い取る角度とされているの
で、取り込んだ油が回転に伴う遠心力で外径側に流れる
ことを緩和することができ、油の保持性をそれだけ向上
させることができる。
【0030】表2は、前記構成の保持器15を使用した
軸受の油保持性を従来品と比較した試験における保持器
幅面の孔(油導入孔16)やポケット周囲のぬすみ(油
保持用凹部17)の条件を示す。この試験は、縦軸で軸
受を回転させることができる試験機を用いて軸受を回転
させ、軸受の上から油を注入して行っている。この試験
では、油が軸受内部に取り込まれると、攪拌抵抗により
モータに負荷がかかり、電流値が増大するので、その電
流値の変動を油取込み量(油保持量)として記録してい
る。すなわち、図9および図10に示す実験結果では、
油の注入後、電流値が増大し、その後油が抜けると共に
電流値が減少して、注入前の電流値に戻るまでの時間を
油の保持時間として記録している。この場合の各種試験
条件は以下の通りである。 軸受回転速度:1172rpm 保持器公転速度:699rpm 油注入量:20ml(VG150)
【0031】
【表2】
【0032】この試験の結果は、保持器幅面の孔(溝1
4と油導入孔16)、ポケット周囲のぬすみ(油保持用
凹部17)が油の取込み性・保持性に効果があることを
示している。すなわち、保持器幅面の孔による油取込み
効果の試験では、図9(B)のように、従来品では、保
持器幅面に注入した油を軸受内部に全く取り込まれなか
ったが、改良品の保持器では図9(A)に示すように、
油を軸受内部に取り込むことができることを示ししてい
る。また、ポケット周囲のぬすみによる油保持効果の試
験では、図10(A),(B)に改良品と従来品の場合
を示すように、改良品の方が従来品に比べて、油を軸受
内部に長時間保持することができることが分かる。
【0033】
【発明の効果】この発明における第1の発明の軸受の給
油機構は、軸受により回転自在に支持された縦方向の軸
の下端を油溜に入れ、上記軸の内部に軸方向に延びて下
端が軸端面に開口した軸孔を設け、上記軸受よりも上方
に位置して、上記軸に上記軸孔から外径面に貫通した油
吐出孔を設け、上記軸の回転によって生じる遠心力によ
り、上記油溜から油を上記軸孔内に吸い上げて上記油吐
出孔から吐出させるようにしたため、付帯装置を用いる
ことなく、また軸の回転方向に制約されることなく、簡
単で安価な構成により給油能力の高い循環給油を行うこ
とができる。上記軸の軸孔の下端開口部に軸底蓋を設
け、この軸底蓋の中心に、内外に開口した小孔を設けた
場合は、油の粘性の変化による油吸い上げ揚程の増減を
防止できる。上記軸の軸心から離れた位置に、上記軸孔
を複数本設け、これら各軸孔に上記油吐出孔を設け、上
記軸の下端を覆って上記複数本の軸孔の下端が開口する
内部空間を形成する軸底蓋を上記軸に設け、この軸底蓋
の軸心位置に、内外に貫通した孔を設けた場合は、高さ
の異なる油吐出孔を複数設定でき、軸受の潤滑性能を高
めることができる。この発明における第2の発明の軸受
の給油機構は、転がり軸受における内輪を、外径部が内
径部よりも幅狭になる断面形状とし、保持器の内径部を
内輪の外径部よりも幅方向の外側へ突出させたため、内
輪側に注がれた油が、回転に伴う遠心力で勾配を持つ内
輪幅面に沿って外径側に送られ、また内輪幅と保持器幅
の段差形状により、上記油が保持器を越えて外径側に飛
ぶことが阻止されるので、内輪の保持器案内部に効率良
く給油することができ、給油のために制限される回転速
度の限界もより高く設定できる。この発明における第3
の発明の軸受の給油機構は、縦方向の軸を支持する転が
り軸受において、保持器の幅面に周方向に沿う溝を設
け、この溝の底面から保持器のポケット内に連通する油
導入孔を設けたため、供給される油が、保持器の幅面で
妨げられることなく、その幅面の溝から油導入孔を経て
保持器のポケット内に導入されるので、軸受内への給油
能力を高めることができる。この発明における第4の発
明の軸受の給油機構は、円筒ころを保持器のポケット内
に保持し、縦方向の軸を支持する転がり軸受において、
上記保持器のポケットの隅に、内外径面に貫通して油保
持用の凹部を設けたため、軸受に供給された油が保持器
のポケットの隅の凹部に取り込まれ、油をポケット内に
より多く保持することができ、軸受への給油能力を高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる軸受の給油機構
を備えた機械装置の要部を示す断面図である。
【図2】(A)は同給油機構における軸底蓋の平面図、
(B)はその縦断面図である。
【図3】この発明の他の実施形態にかかる軸受の給油機
構の断面図である。
【図4】同機械装置に設けられた軸受の構成を示す断面
図である。
【図5】同機械装置に設けられた軸受に使用される保持
器の一例を示す要部水平断面図である。
【図6】同保持器を内径側から見た一部破断正面図であ
る。
【図7】同保持器の縦断面図である。
【図8】同保持器による給油作用の説明図である。
【図9】(A)は同保持器の幅面からの油取込み性の効
果の試験結果を示す図、(B)は従来品についての試験
結果を示す図である。
【図10】(A)は同保持器のポケット隅の油保持用凹
部による油保持性の効果の試験結果を示す図、(B)は
従来品についての試験結果を示す図である。
【図11】従来例の給油作用の説明図である。
【符号の説明】 1…回転軸 2A,2B…転がり軸受 4…油溜 5…軸孔 6…油吐出孔 7…油 8…軸底蓋 9…小孔 10…保持器 11…円筒ころ 12…内輪 14…溝 15…ポケット 16…油導入孔 17…油保持用凹部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受により回転自在に支持された縦方向
    の軸の下端を油溜に入れ、上記軸の内部に軸方向に延び
    て下端が軸端面に開口した軸孔を設け、上記軸受よりも
    上方に位置して、上記軸に上記軸孔から外径面に貫通し
    た油吐出孔を設け、上記軸の回転によって生じる遠心力
    により、上記油溜から油を上記軸孔内に吸い上げて上記
    油吐出孔から吐出させるようにした軸受の給油機構。
  2. 【請求項2】 上記軸の軸孔の下端開口部に軸底蓋を設
    け、この軸底蓋の中心に、内外に開口した小孔を設けた
    請求項1記載の軸受の給油機構。
  3. 【請求項3】 上記軸の軸心から離れた位置に、上記軸
    孔を複数本設け、これら各軸孔に上記油吐出孔を設け、
    上記軸の下端を覆って上記複数本の軸孔の下端が開口す
    る内部空間を形成する軸底蓋を上記軸に設け、この軸底
    蓋の軸心位置に、内外に貫通した孔を設けた請求項1記
    載の軸受の給油機構。
  4. 【請求項4】 転がり軸受における内輪を、外径部が内
    径部よりも幅狭になる断面形状とし、保持器の内径部を
    内輪の外径部よりも幅方向の外側へ突出させた軸受の給
    油機構。
  5. 【請求項5】 縦方向の軸を支持する転がり軸受におい
    て、保持器の幅面に周方向に沿う溝を設け、この溝の底
    面から保持器のポケット内に連通する油導入孔を設けた
    軸受の給油機構。
  6. 【請求項6】 円筒ころを保持器のポケット内に保持
    し、縦方向の軸を支持する転がり軸受において、上記保
    持器のポケットの隅に、内外径面に貫通して油保持用の
    凹部を設けた軸受の給油機構。
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