JP2002322573A - 加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板およびその製造方法 - Google Patents

加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板およびその製造方法

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JP2002322573A JP2002015932A JP2002015932A JP2002322573A JP 2002322573 A JP2002322573 A JP 2002322573A JP 2002015932 A JP2002015932 A JP 2002015932A JP 2002015932 A JP2002015932 A JP 2002015932A JP 2002322573 A JP2002322573 A JP 2002322573A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 めっき皮膜中のAl含有量が20〜95mass
%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする塗装
鋼板において、優れた加工性と加工部耐食性を得る。 【解決手段】 めっき皮膜が少なくとも下記(a)の熱履
歴を経て得られためっき皮膜であり、このめっき皮膜の
表面に、下層側から化成処理皮膜と特定の下塗り及び上
塗り塗膜を有する。 (a) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後、130
〜300℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱され、その
後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下
記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴、
又は/及び、溶融めっきされためっき金属が凝固した後
の130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃
までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)
以下を満足する熱履歴 C=(T−100)/2 …… (1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、めっき皮膜中のA
l含有量が20〜95mass%の溶融Al−Zn系めっき
鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板であって、折り曲げ等の
加工部においても塗膜クラックの発生が極めて少なく加
工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】めっき皮膜中にAlを20〜95mass%
含有する溶融Al−Zn系めっき鋼板は、特公昭46−
7161号に示されるように溶融亜鉛めっき鋼板に比べ
て優れた耐食性を示すことから、近年、建材分野を中心
に需要が伸びている。このめっき鋼板は、酸洗脱スケー
ルした熱延鋼板又はこれをさらに冷間圧延して得られた
冷延鋼板を下地鋼板とし、連続式溶融めっき設備におい
て以下のようにして製造される。
【0003】連続式溶融めっき設備では、下地鋼板は還
元性雰囲気に保持された焼鈍炉内で所定温度に加熱さ
れ、焼鈍と同時に鋼板表面に付着する圧延油等の除去、
酸化膜の還元除去が行われた後、下端がめっき浴に浸漬
されたスナウト内を通って所定濃度のAlを含有した溶
融亜鉛めっき浴中に浸漬される。めっき浴に浸漬された
鋼板はシンクロールを経由してめっき浴の上方に引き上
げられた後、めっき浴上に配置されたガスワイピングノ
ズルから鋼板の表面に向けて加圧した気体を噴射するこ
とによりめっき付着量が調整され、次いで冷却装置によ
り冷却され、所定のめっき皮膜が形成された溶融Al−
Zn系めっき鋼板が得られる。
【0004】連続式溶融めっき設備における焼鈍炉の熱
処理条件及び雰囲気条件、めっき浴組成やめっき後の冷
却速度等の操業条件は、所望のめっき品質や材質を確保
するために所定の管理範囲で精度よく管理される。上記
のようにして製造されためっき鋼板のめっき皮膜は、主
としてZnを過飽和に含有したAlがデンドライト凝固
した部分と、残りのデンドライト間隙の部分からなって
おり、デンドライトはめっき皮膜の膜厚方向に積層して
いる。このような特徴的な皮膜構造により、溶融Al−
Zn系めっき鋼板は優れた耐食性を示す。
【0005】また、めっき浴には通常1.5mass%程度
のSiが添加されているが、このSiの働きにより、溶
融Al−Zn系めっき鋼板はめっき皮膜/下地鋼板界面
の合金相成長が抑えられ、合金相厚さは約1〜2μm程
度である。この合金相が薄ければ薄いほど優れた耐食性
を示す特徴的な皮膜構造の部分が多くなるので、合金相
の成長抑制は耐食性の向上に寄与する。また、合金相は
めっき皮膜よりも固く加工時にクラックの起点として作
用するので、合金相の成長抑制はクラックの発生を減少
させ、加工性の向上効果をもたらす。また、クラック部
は下地鋼板が露出していて耐食性に劣るので、クラック
の発生を減じることは加工部耐食性をも向上させる。
【0006】通常、めっき浴には不可避的不純物、鋼板
やめっき浴中の機器等から溶出するFe、合金相抑制の
ためのSiが含まれるが、それら以外にも何らかの元素
が添加されている場合もあり、合金相やめっき皮膜中に
はそれら元素が合金或いは単体の形で存在している。
【0007】ところで、殆どの塗装鋼板は塗装後に成形
加工して用いられるため、加工時のクラック(塗膜の割
れ)の発生を防止することが非常に重要であるが、上述
しためっき皮膜中にAlを20〜95mass%含有する溶
融A1−Zn系めっき鋼板を下地とした塗装鋼板は、優
れた耐食性を有する反面、めっき皮膜の加工性の影響を
大きく受け、他のめっき鋼板、例えばめっき皮膜中にA
lを5mass%程度含有する溶融A1−Zn系めっき鋼板
を下地とした塗装鋼板(以下、「5%Al−Znめっき
下地塗装鋼板」という)に較べて加工の際に塗膜にクラ
ックが発生しやすく、加工強度が制限される場合が多
い。
【0008】このような塗膜のクラックは、めっき皮膜
/下地鋼板界面に存在する約1〜2μm厚の合金相を起
点として発生するめっき皮膜のクラックに起因するもの
であるが、めっき皮膜に生じるクラックはめっき皮膜の
デンドライト間隙部を伝播経路とするため、同一加工条
件であっても同一めっき皮膜厚の5%Al−Zn系めっ
き下地塗装鋼板に較べて開口部が大きく、肉眼でも視認
されるような大きなクラックとなり、塗装鋼板の外観不
良とされやすい傾向がある。塗膜やめっき皮膜のクラッ
ク発生を防止するために、塗膜の柔軟化による加工性の
改善や、特公昭61−28748号公報に開示されてい
るような、めっき鋼板に所定の熱処理を施し、めっき鋼
板自体の延性を改善することが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の場合に
は塗膜に表面疵が発生しやすくなるなど、他の特性が低
下してしまうため、そのような塗装鋼板は厳しい加工を
伴う用途には適用できなくなる。また、後者のような熱
処理によりめっき皮膜の延性がある程度改善されたとし
ても、塗装を行った塗装鋼板としての加工性やクラック
が発生することにより低下する加工部の耐食性が直接改
善されるものではない。
【0010】したがって本発明の目的は、めっき皮膜中
のAl含有量が20〜95mass%の溶融Al−Zn系め
っき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板であって、折り曲げ
等の加工部においても塗膜クラックの発生が極めて少な
く、5%Al−Zn系めっき下地塗装鋼板をしのぐ優れ
た加工性を有するとともに、加工部耐食性にも優れた塗
装鋼板及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、めっき皮膜中のAl含有量が20〜95
mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする
塗装鋼板の加工性及び加工部耐食性を向上させる手段に
ついて鋭意検討を行い、その結果、溶融Al−Zn系め
っき鋼板のめっき皮膜を特定の熱履歴を経たものとし、
且つこのめっき皮膜面に特定の構成の塗膜を形成するこ
とにより、従来では達成できなかった極めて優れた加工
性と加工部耐食性が得られることを見い出した。
【0012】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たもので、その特徴は以下のとおりである。 [1] めっき皮膜中のAl含有量が20〜95mass%の溶
融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板で
あって、前記めっき皮膜が少なくとも下記(a)の熱履歴
を経て得られためっき皮膜であり、(a) 溶融めっきされ
ためっき金属が凝固した後、130〜300℃の範囲の
温度T(℃)に昇温加熱され、その後、温度T(℃)か
ら100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC
(℃/hr)以下を満足する熱履歴、又は/及び、溶融
めっきされためっき金属が凝固した後の130〜300
℃の範囲の温度T(℃)から100℃までの平均冷却速
度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱
履歴 C=(T−100)/2 …… (1) 前記めっき皮膜の表面に、下層側から化成処理皮膜、塗
膜厚が2〜15μmの下塗り塗膜、及び塗膜厚が5〜3
0μmであって且つガラス転移温度が30〜90℃の上
塗り塗膜を有することを特徴とする加工性と加工部耐食
性に優れた塗装鋼板。
【0013】[2] 上記[1]の塗装鋼板において、(a)の熱
履歴の温度T(℃)が130〜200℃の範囲であるこ
とを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼
板。 [3] 上記[1]又は[2]の塗装鋼板において、めっき皮膜が
Mg、V、Mnの中から選ばれる1種又は2種以上を合
計で0.01〜10mass%含有することを特徴とする加
工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板。 [4] 上記[1]〜[3]のいずれかの塗装鋼板において、下塗
り塗膜の主剤樹脂がポリエステル系樹脂及び/又はエポ
キシ系樹脂からなることを特徴とする加工性と加工部耐
食性に優れた塗装鋼板。 [5] 上記[1]〜[4]のいずれかの塗装鋼板において、上塗
り塗膜の主剤樹脂がポリエステル系樹脂、又はポリフッ
化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂の混合樹脂からなるこ
とを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼
板。 [6] 上記[1]〜[5]のいずれかの塗装鋼板において、下塗
り塗膜がクロム酸塩を塗膜固形分中の割合で1〜50ma
ss%含むことを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れ
た塗装鋼板。
【0014】[7] めっき皮膜中のAl含有量が20〜9
5mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とす
る塗装鋼板の製造方法であって、下記1)〜4)の工程を有
することを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗
装鋼板の製造方法。 1) 溶融めっき浴を出た鋼板のめっき皮膜に対して、少
なくとも下記(a)の熱履歴を付与する工程 (a) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後、130
〜300℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱され、その
後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下
記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴、
又は/及び、溶融めっきされためっき金属が凝固した後
の130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃
までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)
以下を満足する熱履歴 C=(T−100)/2 …… (1) 2) めっき皮膜面に化成処理を施して化成処理皮膜を形
成する工程 3) 前記化成処理皮膜面に下塗り塗料を塗布して焼付け
し、塗膜厚が2〜15μmの下塗り塗膜を形成する工程 4) 前記下塗り塗膜面に上塗り塗料を塗布して焼付け
し、塗膜厚が5〜30μm、ガラス転移温度が30〜9
0℃の上塗り塗膜を形成する工程
【0015】[8] 上記[7]の製造方法において、(a)の熱
履歴の温度T(℃)が130〜200℃の範囲であるこ
とを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板
の製造方法。 [9] 上記[7]又は[8]の製造方法において、めっき皮膜が
Mg、V、Mnの中から選ばれる1種又は2種以上を合
計で0.01〜10mass含有することを特徴とする加工
性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。 [10] 上記[7]〜[9]のいずれかの製造方法において、3)
の工程において、ポリエステル系樹脂及び/又はエポキ
シ系樹脂を主剤樹脂とする塗料を塗布した後、最高到達
板温150〜270℃で焼付処理して下塗り塗膜を形成
することを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗
装鋼板の製造方法。 [11] 上記[7]〜[10]のいずれかの製造方法において、4)
の工程において、ポリエステル系樹脂、又はポリフッ化
ビニリデン樹脂とアクリル樹脂の混合樹脂を主剤樹脂と
する塗料を塗布した後、最高到達板温150〜280℃
で焼付処理して上塗り塗膜を形成することを特徴とする
塗装鋼板の製造方法。
【0016】[12] 上記[7]〜[11]のいずれかの製造方法
において、下塗り塗装用の塗料がクロム酸塩を塗料固形
分中の割合で1〜50mass%含むことを特徴とする加工
性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。 [13] 上記[7]〜[12]のいずれかの製造方法において、め
っき皮膜に対する(a)の熱履歴の付与を、下記(1)〜(8)
のうちの少なくとも1つの段階で行うことを特徴とする
加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。 (1) 化成処理前 (2) 化成処理の乾燥工程中 (3) 化成処理終了後、下塗り塗装前 (4) 下塗り塗装の乾燥工程中 (5) 下塗り塗装終了後、上塗り塗装前 (6) 上塗り塗装の乾燥工程中 (7) 上塗り塗装終了後 (8) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後の冷却過
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の塗装鋼板は、めっき皮膜
中にAlを20〜95mass%含有する溶融Al−Zn系
めっき鋼板を下地鋼板とし、そのめっき皮膜面に、下層
側から化成処理皮膜、下塗り塗膜及び上塗り塗膜を順次
形成したものである。以下、これらの構成の詳細を順に
説明する。
【0018】(1) 溶融Al−Zn系めっき鋼板 めっき皮膜中にAlを20〜95mass%含有する溶融A
l−Zn系めっき鋼板は優れた耐食性を有するが、この
耐食性等の観点から、めっき皮膜中のAl量のより好ま
しい範囲は45〜65mass%である。また、めっき皮膜
の特に好ましい成分組成は、Al:45〜65mass%、
Si:0.7〜2.0mass%、Fe:10mass%未満、
残部が不可避的不純物を含む実質的なZnであり、この
ような組成の場合に特に優れた耐食性を発揮する。
【0019】さらに、めっき皮膜中にMg、V、Mnの
中から選ばれる1種または2種以上を合計で0.01〜
10mass%含有させることによって、耐食性や加工性を
より向上させることができる。これら元素の含有量の合
計が0.01mass%未満では十分な効果が得られず、一
方、10mass%を超えると耐食性向上効果が飽和すると
ともに、皮膜が硬くなるので加工性が低下する。
【0020】但し、この溶融Al−Zn系めっき鋼板
は、そのめっき組成だけで高い加工部耐食性を得ること
は難しく、後述する熱履歴を経ることと上層の化成処理
皮膜及び塗膜との組み合せによってはじめて優れた加工
部耐食性が得られる。また、この溶融Al−Zn系めっ
き鋼板のめっき付着量に特に制限はないが、一般には片
面当たり30〜200g/m程度とすることが適当で
ある。
【0021】さらに、この溶融Al−Zn系めっき鋼板
のめっき皮膜は、少なくとも下記(a)の熱履歴を経て得
られためっき皮膜であることが必要である。 (a) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後、130
〜300℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱され、その
後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下
記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴、
又は/及び、溶融めっきされためっき金属が凝固した後
の130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃
までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)
以下を満足する熱履歴 C=(T−100)/2 …… (1) また、上記(a)の熱履歴において、温度T(℃)のより
好ましい範囲は130〜200℃である。ここで、上記
(1)式は本発明者らがめっき皮膜の昇温加熱及びその後
の冷却条件や溶融めっきされためっき金属凝固後の冷却
条件がめっき皮膜に与える影響を実験に基づき詳細に検
討し、その結果導かれた実験式である。
【0022】めっき皮膜を上記(a)の熱履歴を経たもの
とすることにより、溶融Al−Zn系めっき皮膜であり
ながら、その加工性(耐クラック性など)が大きく向上
する。このように加工性が改善されるのは、めっき皮膜
が130〜300℃(好ましくは130〜200℃)の
温度範囲に昇温加熱された後に特定の条件で徐冷される
熱履歴、又は/及びめっき皮膜凝固後の130〜300
℃(好ましくは130〜200℃)の温度範囲から特定
の条件で徐冷される熱履歴を経ることにより、凝固時点
でめっき皮膜に蓄積された歪が開放されるとともに、め
っき皮膜中で固体拡散が生じ、めっき皮膜中のAlとZ
nの二相分離が効果的に促進される結果、めっき皮膜が
軟質化するためであると考えられる。
【0023】上記(a)の熱履歴では、めっき皮膜(溶融
めっきされためっき金属が凝固した後のめっき皮膜)を
130〜300℃、好ましくは130〜200℃の範囲
の温度T(℃)に昇温加熱し、その後、温度T(℃)か
ら100℃までの平均冷却速度が上記(1)式に示すC
(℃/hr)以下を満足するように冷却するか、或いは
溶融めっきされためっき金属が凝固した後のめっき皮膜
をその冷却過程である130〜300℃の範囲の温度T
(℃)から100℃までの平均冷却速度が上記(1)式に
示すC(℃/hr)以下を満足するように冷却する。
【0024】この(a)の熱履歴において、めっき皮膜の
昇温加熱温度Tが130℃未満では上記のような作用が
十分に得られず、一方、昇温加熱温度Tが300℃超で
は下地鋼板とめっき皮膜との界面での合金相の成長を促
進させるため、却って加工性に悪影響を及ぼす。またこ
のような観点から、加工性の改善にとってより好ましい
昇温加熱温度Tの上限は200℃である。また、溶融め
っきされためっき金属が凝固した後の冷却過程である1
30〜300℃の範囲の温度T(℃)から上記(a)の熱
履歴が付与される条件で冷却を行う場合についても、温
度Tが130℃未満では上記のような作用が十分に得ら
れない。
【0025】図1(a)は、溶融めっきされためっき金属
が凝固した後のめっき鋼板を熱処理した際の、めっき皮
膜の昇温加熱温度が塗装鋼板の加工性に及ぼす影響を調
べたもので、この結果が得られた供試材は、いずれも昇
温加熱温度から100℃までのめっき皮膜の平均冷却速
度が上記(a)の熱履歴の条件内であるめっき鋼板に、本
発明条件を満足する化成処理皮膜−下塗り塗膜−上塗り
塗膜を形成した塗装鋼板である。なお、この試験におけ
る加工性の評価は、後述する実施例の加工性の評価に準
じて行った。
【0026】また図1(b)は、溶融めっきされためっき
金属が凝固した後のめっき鋼板を熱処理した際の、めっ
き皮膜の平均冷却速度(昇温加熱温度から100℃まで
の平均冷却速度)が塗装鋼板の加工性に及ぼす影響を調
べたもので、この結果が得られた供試材は、いずれもめ
っき皮膜の昇温加熱温度が上記(a)の熱履歴の条件内で
あるめっき鋼板に、本発明条件を満足する化成処理皮膜
−下塗り塗膜−上塗り塗膜を形成した塗装鋼板である。
なお、この試験における加工性の評価は、後述する実施
例の加工性の評価に準じて行った。
【0027】図1(a),(b)に示されるように、めっき皮
膜の昇温加熱温度が130〜300℃の範囲では180
°折り曲げ加工での加工性の評価は“○”以上であり、
また好ましい条件である130〜200℃の範囲では加
工性の評価は“◎”となっている。これに対して昇温加
熱温度が130〜300℃の範囲外では加工性の評価は
“△”しか得られていない。また、昇温加熱温度から1
00℃までの平均冷却速度と上記(1)式の“C”との差
が零〜マイナス(本発明範囲内)の場合の180°折り
曲げ加工での加工性の評価は、めっき皮膜の昇温加熱温
度が130〜300℃の範囲では“○”以上であり、ま
た、好ましい条件である130〜200℃の範囲では
“◎”である。これに対して、その差がプラス(本発明
範囲外)の場合には加工性の評価は“△”しか得られて
いない。
【0028】めっき皮膜を上記(a)の熱履歴を経たもの
とするには、連続式溶融めっき設備内に或いは同設備外
にめっき皮膜を熱処理又は保熱するための加熱又は保熱
装置を設け、所定の熱処理又は保熱を行う。例えば、連
続式溶融めっき設備内に加熱機構(例えば、インダクシ
ョンヒーター、ガス加熱炉、熱風炉など)を設けてイン
ラインで連続加熱して行ってもよいし、また、コイルに
巻取った後にオフラインでバッチ加熱して行ってもよ
い。また、めっきライン外の連続処理設備において加熱
機構(例えば、インダクションヒーター、ガス加熱炉、
熱風炉など)により連続加熱して行ってもよい。さらに
は、めっきライン内や上記連続処理設備で連続加熱され
ためっき鋼板をコイルに巻き取った後に適当な保熱又は
加熱保持を行ってもよい。また、溶融めっきされためっ
き金属が凝固した後の冷却過程においてめっき皮膜を保
熱して徐冷できるような保熱装置を設けてもよい。但
し、加熱又は保熱装置の方式、形状、規模等については
特別な制限はなく、要はめっき皮膜に上記(a)の熱履歴
を与え得るものであればよい。以上のような(a)の熱履
歴を経ためっき皮膜の表面に特定の塗膜を形成すること
により、この塗装鋼板は極めて加工性と加工部耐食性を
示す。
【0029】(2) 化成処理皮膜 この塗装下地となる化成処理皮膜の種類に特に制約はな
く、化成処理としてはクロメート処理、リン酸亜鉛処
理、有機樹脂を主成分とする処理などを実施することが
できる。一般には、環境を重視する場合には有機樹脂を
主成分とする処理、耐食性を重視する場合にはクロメー
ト処理が用いられる。但し、リン酸亜鉛処理は工程が煩
雑であり、まためっき皮膜中に20〜70mass%のAl
を含む溶融Al−Zn系めっき鋼板の場合にはリン酸の
反応性が十分でない場合もあり得るので、使用する場合
にはその点を考慮する必要がある。
【0030】(3) 下塗り塗膜 下塗り塗膜は、その塗膜厚を2〜15μmとする。塗膜
厚が2μm未満では十分な防錆性が得られず、一方、1
5μmを超えると耐傷付き性が低下し、また製造コスト
も上昇するため好ましくない。下塗り塗膜の主剤樹脂と
しては、加工性及び加工部耐食性の点からポリエステル
系樹脂及び/又はエポキシ系樹脂を用いることが好まし
い。
【0031】前記ポリエステル系樹脂としては、ビスフ
ェノールA付加ポリエステル樹脂などを用いることもで
き、また、前記エポキシ系樹脂としては、一部をウレタ
ン樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂などで変性したも
のを用いることもできる。前記ポリエステル系樹脂は、
数平均分子量が1000〜30000、より好ましくは
3000〜20000のものが望ましい。数平均分子量
が1000未満では塗膜の伸びが不十分であるため十分
な加工性が得られず、塗膜性能が不十分となる場合があ
る。一方、数平均分子量が30000を超えると主剤樹
脂が高粘度となるため過剰の希釈溶剤が必要となり、塗
料中に占める樹脂の比率が低下して適正な塗膜が得られ
なくなり、他の配合成分との相溶性も低下する場合があ
る。
【0032】また、主剤樹脂としてビスフェノールA付
加ポリエステル樹脂を使用する場合には、ビスフェノー
ルA付加ポリエステル樹脂中でのビスフェノールAの含
有量は、樹脂固形分中の割合で1〜70mass%、より好
ましくは3〜60mass%、特に好ましくは5〜50mass
%とするのが適当である。この含有量の範囲の下限は塗
膜強度を確保する観点から、上限は塗膜の伸びを確保す
る観点から、それぞれ好ましいものである。
【0033】前記ポリエステル樹脂を得るための多価ア
ルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。ま
た、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリ
オール、グリセリン、ソルビトール、アンニトール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール等を用いてもよい。ま
た、これらの多価アルコールを2種類以上の組合わせて
用いることもできる。
【0034】また、ポリエステル樹脂を得るための多価
塩基としては、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロ
フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック
酸、トリメリット酸等が挙げられる。さらに、無水トリ
メリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸等を用いてもよい。これらの
多価塩基酸成分を2種類以上組合わせて用いることもで
きる。
【0035】前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフ
ェノール類とエピハロヒドリン或いはβメチルエピハロ
ヒドリンとからなるエポキシ化合物、又はこれらの共重
合物等が挙げられる。さらに、これらのエポキシ化合物
のモノカルボン酸或いはジカルボン酸変性物、モノ、ジ
若しくはポリアルコール変性物、モノ若しくはジアミン
変性物、モノ、ジ若しくはポリフェノール変性物もエポ
キシ樹脂として使用できる。
【0036】また、以上のような主剤樹脂の硬化剤とし
ては、ポリイソシアネート化合物及び/又はアミノ樹脂
を用いることができる。前記ポリイソシアネート化合物
としては、一般的製法で得られるイソシアネート化合物
を用いることができるが、特に1液型塗料としての使用
が可能である、フェノール、クレゾール、芳香族第二ア
ミン、第三級アルコール、ラクタム、オキシム等のブロ
ック剤でブロック化されたポリイソシアネート化合物が
好ましい。このブロック化ポリイソシアネート化合物を
用いることにより1液での保存が可能となり、塗料とし
ての使用が容易となる。
【0037】また、さらに好ましいポリイソシアネート
化合物としては、非黄変性のヘキサメチレンジイソシア
ネート(以下、HDI)及びその誘導体、トリレンジイ
ソシアネート(以下、TDI)及びその誘導体、4、4
´−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MD
I)及びその誘導体、キシリレンジイソシアネート(以
下、XDI)及びその誘導体、イソホロンジイソシアネ
ート(以下、IPDI)及びその誘導体、トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート(以下、TMDI)及び
その誘導体、水添TDI及びその誘導体、水添MDI及
びその誘導体、水添XDI及びその誘導体等が挙げられ
る。
【0038】硬化剤としてポリイソシアネート化合物を
用いる場合、ポリイソシアネート化合物のイソシアネー
ト基と主剤樹脂中の水酸基との配合比[NCO/OH]
はモル比で0.8〜1.2、より好ましくは0.90〜
1.10の範囲とすることが望ましい。[NCO/O
H]のモル比が0.8未満では塗膜の硬化が不十分であ
り、所望の塗膜硬度及び強度が得られない。一方、[N
CO/OH]のモル比が1.2を超えると、過剰のイソ
シアネート基同士の或いはイソシアネート基とウレタン
配合との副反応が生じて、塗膜の加工性が低下する。
【0039】硬化剤である前記アミノ樹脂としては、尿
素、ベンゾグアナミン、メラミン等とホルムアルデヒド
との反応で得られる樹脂、及びこれらをメタノール、ブ
タノール等のアルコールによりアルキルエーテル化した
ものが使用できる。具体的には、メチル化尿素樹脂、n
−ブチル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル化メラミン樹
脂、n−ブチル化メラミン樹脂、iso−ブチル化メラ
ミン樹脂等を挙げることができる。
【0040】硬化剤としてアミノ樹脂を用いる場合、ア
ミノ樹脂と主剤樹脂との配合比(固形分の重量比)は、
主剤樹脂:アミノ樹脂=95:5〜60:40、望まし
くは85:15〜75:25とすることが好ましい。硬
化剤の配合量は、樹脂固形分中での割合で9〜50mass
%とするのが好ましい。硬化剤の配合量が9mass%未満
では塗膜硬度が十分でなく、一方、50mass%を超える
と加工性が不十分となる。
【0041】また、下塗り塗膜用の樹脂組成物には、目
的、用途に応じてp‐トルエンスルホン酸、オクトエ酸
錫、ジブチル錫ジラウレートなどの硬化触媒、炭酸カル
シウム、カオリン、クレー、酸化チタン、弁柄、マイ
カ、カーボンブラック、アルミニウム粉などの顔料、ク
ロム酸塩、トリポリリン酸アルミなどの防錆顔料、その
他消泡剤、流れ止め剤などの各種添加剤を添加すること
ができる。
【0042】前記防錆顔料としては、耐食性の観点から
クロム酸塩が最も好ましい。このクロム酸塩としては、
クロム酸ストロンチウム、クロム酸カリウム、クロム酸
亜鉛、クロム酸カルシウム、クロム酸バリウム等が挙げ
られ、なかでもクロム酸ストロンチウムが最も好まし
い。クロム酸塩の含有量は塗膜固形分中の割合で1〜5
0mass%、好ましくは10〜45mass%とするのが望ま
しい。クロム酸塩の含有量が1mass%未満では十分な防
錆効果が得られず、一方、50mass%を超えると上塗り
塗膜との密着性が低下する。
【0043】(4) 上塗り塗膜 上塗り塗膜は、その塗膜厚を5〜30μmとする。塗膜
厚が5μm未満では十分な加工性及び加工部耐食性が得
られず、一方、30μmを超えると加工性が低下すると
ともに、製造コストが上昇するため好ましくない。ま
た、上塗り塗膜はそのガラス転移温度を30〜90℃と
する。上塗り塗膜のガラス転移温度が30℃未満では耐
傷付き性が低下し、一方、90℃を超えると塗膜の加工
性が低下し、先に述べたようにめっき鋼板自体の加工性
が向上しても、塗装鋼板全体としての加工性は低いもの
となる。
【0044】上塗り塗膜の主剤樹脂としては、ポリエス
テル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系
樹脂(ポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂の混合
樹脂)等を用いることができ、前記ポリエステル系樹脂
としては、ポリエステル樹脂のほかに、シリコン変性ポ
リエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等を用
いることができる。また、これら主剤樹脂のうち、加工
性の観点からは特にポリエステル系樹脂とポリフッ化ビ
ニリデン系樹脂が好ましく、さらにコストを考慮すると
ポリエステル系樹脂が最も好ましい。
【0045】前記ポリエステル樹脂は、1分子中に少な
くとも2個の水酸基を有し、且つ数平均分子量が100
0〜20000の化合物であれば特に限定されるもので
はないが、数平均分子量が2000〜20000のもの
が特に好ましい。ポリエステル樹脂の数平均分子量が2
000未満では加工性が著しく低下する場合がある。一
方、数平均分子量が20000を超えると耐候性が低下
し、高粘度になるため過剰の希釈溶剤が必要となり、塗
料中の樹脂の比率が低下するために適切な塗膜が得られ
なくなり、また他の配合成分との相溶性も低下する場合
がある。ここで、ポリエステル樹脂の数平均分子量はG
PCにより測定したポリスチレン換算分子量とする。な
お、ポリエステル樹脂の分子中の水酸基は、分子中の末
端または側鎖のいずれにあってもよい。
【0046】前記ポリエステル樹脂は、多塩基と多価ア
ルコールを常法で加熱反応させて得られる共重合体であ
る。多塩基酸成分としては、例えば、無水フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸、マレ
イン酸、アジピン酸、フマル酸等を用いることができ
る。
【0047】また、多価アルコールとしては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールエタン等を用いることができる。
【0048】前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、上塗
り塗膜成分として配合する場合、ポリフッ化ビニリデン
樹脂に対してアクリル樹脂を混合した混合樹脂として使
用する。ポリフッ化ビニリデン樹脂としては重量平均分
子量が300000〜700000、融点150〜18
0℃のものが好ましい。例えば、日本ペンウォルト
(株)製の商品名「カイナー500(重量平均分子量:
350000、融点:160〜165℃)」等が例示で
きる。
【0049】ポリフッ化ビニリデン樹脂と混合するアク
リル樹脂としては、数平均分子量が1000〜2000
のものが好ましい。また、アクリル樹脂は以下のような
モノマーの少なくとも1種(但し、少なくとも1種のア
クリルモノマーを含む)を通常の方法により重合(また
は共重合)させることにより得ることができる。
【0050】(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シブチル等のヒドロキシル基を有するエチレン性モノマ
ー (メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマ
ール酸、マレイン酸等のカルボキシル基を有するエチレ
ン性モノマー (メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル
酸イソブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル
酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等
の、上述のモノマー及びと共重合可能なエチレン性
モノマー スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、
m-メチルスチレン、p-メチルスチレン等のスチレン誘導
【0051】これらのモノマーのうち、水酸基やカルボ
キシル基などの官能基を有するモノマーを使用すること
により、他の反応可能な成分との架橋反応が可能であ
る。本発明に用いるアクリル樹脂は自己架橋性である必
要はないが、自己架橋性とする場合には、分子中に2個
以上のラジカル重合性不飽和結合を有する所謂架橋性モ
ノマーを含有させる。ラジカル重合可能なモノマーとし
ては、エチレングリコールジアクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジ
メタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリ
レート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、1,4-ブタンジオールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリ
スリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
メタクリレート、ペンタエリエスリトールテトラメタク
リレート、グリセロールジメタクリレート、グリセロー
ルジアクリレート、ジアリルテレフタレート、ジアリル
フタレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート等の重合性不飽和化合物が挙げられる。架橋
性モノマーはアクリル樹脂の20mass%まで添加するこ
とができる。
【0052】ポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂
との配合比(樹脂固形分の重量比)は[ポリフッ化ビニ
リデン樹脂]:[アクリル樹脂]=90:10〜50:
50とすることが好ましい。アクリル樹脂に対するポリ
フッ化ビニリデン樹脂の重量比が90:10を超えると
チクソトロピー性が高まり、ロールコーターでの塗装が
困難になるため仕上がりが不均一な塗膜となり、塗膜外
観が劣る。一方、50:50を下回ると塗膜密着性の経
時劣化が著しく、また耐候性も大きく低下するので好ま
しくない。ポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂の
混合樹脂の配合量は、塗膜固形分中の割合で40mass%
以上とすることが好ましく、配合量が40mass%未満で
は目的とする塗膜性能が十分に得られない。
【0053】また、主剤樹脂としてポリエステル系樹脂
やアクリル系樹脂を用いる場合には、硬化剤を配合する
ことができ、この硬化剤としては、ポリイソシアネート
化合物及び/又はアミノ樹脂を用いることができる。前
記ポリイソシアネート化合物としては、一般的製法で得
られるイソシアネート化合物を用いることができるが、
特に1液型塗料としての使用が可能である、フェノー
ル、クレゾール、芳香族第二アミン、第三級アルコー
ル、ラクタム、オキシム等のブロック剤でブロック化さ
れたポリイソシアネート化合物が好ましい。このブロッ
ク化ポリイソシアネート化合物を用いることにより1液
での保存が可能となり、塗料としての使用が容易とな
る。
【0054】また、さらに好ましいポリイソシアネート
化合物としては、HDI及びその誘導体、TDI及びそ
の誘導体、MDI及びその誘導体、XDI及びその誘導
体、IPDI及びその誘導体、TMDI及びその誘導
体、水添TDI及びその誘導体、水添MDI及びその誘
導体、水添XDI及びその誘導体等が挙げられる。
【0055】硬化剤としてポリイソシアネート化合物を
用いる場合、ポリイソシアネート化合物のイソシアネー
ト基と主剤樹脂中の水酸基との配合比[NCO/OH]
はモル比で0.8〜1.2、より好ましくは0.90〜
1.10の範囲とすることが望ましい。[NCO/O
H]のモル比が0.8未満では塗膜の硬化が不十分であ
り、所望の塗膜硬度及び強度が得られない。一方、[N
CO/OH]のモル比が1.2を超えると、過剰のイソ
シアネート基同士の或いはイソシアネート基とウレタン
配合との副反応が生じて、塗膜の加工性が低下する。
【0056】硬化剤である前記アミノ樹脂としては、尿
素、ベンゾグアナミン、メラミン等とホルムアルデヒド
との反応で得られる樹脂、及びこれらをメタノール、ブ
タノール等のアルコールによりアルキルエーテル化した
ものが使用できる。具体的には、メチル化尿素樹脂、n
−ブチル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル化メラミン樹
脂、n−ブチル化メラミン樹脂、iso−ブチル化メラ
ミン樹脂等を挙げることができる。
【0057】硬化剤としてアミノ樹脂を用いる場合、ア
ミノ樹脂と主剤樹脂との配合比(固形分の重量比)は、
主剤樹脂:アミノ樹脂=95:5〜60:40、望まし
くは85:15〜75:25とすることが好ましい。硬
化剤の配合量は、樹脂固形分中での割合で9〜50mass
%とするのが好ましい。硬化剤の配合量が9mass%未満
では塗膜硬度が十分でなく、一方、50mass%を超える
と加工性が不十分となる。
【0058】また下塗り塗膜用の樹脂組成物と同様に、
上塗り塗膜用の樹脂組成物にも、目的、用途に応じてp
‐トルエンスルホン酸、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジラ
ウレートなどの硬化触媒、炭酸カルシウム、カオリン、
クレー、酸化チタン、弁柄、マイカ、カーボンブラッ
ク、アルミニウム粉などの顔料、その他消泡剤、流れ止
め剤などの各種添加剤を添加することができる。
【0059】次に、本発明による上記塗装鋼板の製造方
法について説明する。本発明の製造方法は、連続式溶融
めっき設備などで製造されるめっき皮膜中のAl含有量
が20〜95mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下
地鋼板とする塗装鋼板の製造方法であり、溶融めっき浴
を出た鋼板のめっき皮膜に対して、少なくとも下記(a)
の熱履歴を付与する工程と、めっき鋼板の表面に化成処
理皮膜、下塗り塗膜及び上塗り塗膜を順次形成させる工
程とを有する。 (a) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後、130
〜300℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱され、その
後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下
記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴、
又は/及び、溶融めっきされためっき金属が凝固した後
の130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃
までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)
以下を満足する熱履歴 C=(T−100)/2 …… (1)
【0060】上記(a)の熱履歴の付与は、溶融めっきさ
れためっき金属が凝固した後のめっき鋼板に対して特定
の熱処理を施すか、或いは溶融めっきされためっき金属
が凝固した後のめっき皮膜の冷却を保熱などによって制
御することによりなされる。本発明の製造方法ではめっ
き鋼板のめっき皮膜面に化成処理皮膜、下塗り塗膜及び
上塗り塗膜を順次形成させるが、めっき皮膜に上記(a)
の熱履歴を付与するための熱処理は、化成処理前、
化成処理の乾燥工程中、化成処理終了後(処理液の塗
布及び乾燥後)、下塗り塗装前、下塗り塗装の乾燥工
程中、下塗り塗装終了後(塗料の塗布及び乾燥後)、
上塗り塗装前、上塗り塗装の乾燥工程中、上塗り塗
装終了後(塗料の塗布及び乾燥後)、のいずれの段階で
行ってもよい。また、これらのうちの2つ以上の段階で
行ってもよい。
【0061】したがって、めっき皮膜に対する(a)の熱
履歴の付与は、下記(1)〜(8)のうちの少なくとも1つの
段階で行うことができる。 (1) 化成処理前 (2) 化成処理の乾燥工程中 (3) 化成処理終了後、下塗り塗装前 (4) 下塗り塗装の乾燥工程中 (5) 下塗り塗装終了後、上塗り塗装前 (6) 上塗り塗装の乾燥工程中 (7) 上塗り塗装終了後 (8) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後の冷却過
程 なお、熱処理を行う上記方式のうち、、及びの方
式は化成処理、下塗り塗装及び上塗り塗装の乾燥工程に
おける加熱を利用して熱処理を行うので、特に経済性に
優れている。
【0062】上記(a)の熱履歴を付与するための熱処理
又は保熱は、連続式溶融めっき設備内に或いは同設備外
に設けられた加熱又は保熱装置などにより行う。連続式
溶融めっき設備内に加熱機構(例えば、インダクション
ヒーター、熱風炉など)を設けてインラインで連続加熱
して行ってもよいし、また、コイルに巻取った後にオフ
ラインでバッチ加熱して行ってもよい。また、めっきラ
イン外の連続処理設備において加熱機構(例えば、イン
ダクションヒーター、熱風炉など)により連続加熱して
行ってもよい。さらには、めっきライン内や上記連続処
理設備で連続加熱されためっき鋼板をコイルに巻き取っ
た後に適当な保熱又は加熱保持を行ってもよい。また、
溶融めっきされためっき金属が凝固した後の冷却過程に
おいてめっき皮膜を保熱して徐冷できるような保熱装置
を設けてもよい。但し、加熱又は保熱装置の方式、形
状、規模等については特別な制限はなく、要はめっき皮
膜に上記(a)の熱履歴を与え得るものであればよい。な
お、製造される溶融Al−Zn系めっき鋼板の好ましい
めっき組成、めっき付着量、上記(a)の熱履歴の限定理
由及び得られる作用効果などは先に述べた通りである。
【0063】先に述べたように、塗装下地としてめっき
鋼板面に施される化成処理の種類に特に制約はなく、ク
ロメート処理、リン酸亜鉛処理、有機樹脂を主成分とす
る処理等を実施できる。なお、一般にこの化成処理の乾
燥工程では、熱風炉、インダクションヒータなどによる
処理皮膜の加熱乾燥が行われるため、先に述べたように
この加熱乾燥を利用してめっき皮膜に(a)の熱履歴を付
与してもよい。
【0064】この化成処理皮膜の上層に下塗り塗料、好
ましくは先に述べたような樹脂を主剤樹脂とし、必要に
応じてこれに硬化剤を配合した下塗り塗料を塗布して焼
付けし、さらにその上層に上塗り塗料、好ましくは先に
述べたような樹脂を主剤樹脂とし、必要に応じてこれに
硬化剤を配合した上塗り塗料を塗布して焼付けすること
により、下塗り塗膜及び上塗り塗膜を形成する。これら
下塗り塗膜及び上塗り塗膜の構成は先に述べた通りであ
る。塗膜(下塗り塗膜及び上塗り塗膜)を形成するため
の塗料の塗装方法に特に規定しないが、ロールコーター
塗装、カーテンフロー塗装などが好ましい。塗料を塗装
後、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などにより、塗膜
を焼き付けて塗膜を形成する。
【0065】塗膜を加熱硬化させる焼付処理は、下塗り
塗装では焼付温度(最高到達板温)を150〜270
℃、好ましくは180〜250℃とするのが適当であ
る。焼付温度が150℃未満では塗膜の硬化反応が不十
分となり、塗装鋼板の耐食性が低下しやすい。一方、2
70℃を超えると反応が過剰となり、上塗り塗膜との密
着性が低下する場合がある。
【0066】また、上塗り塗装では焼付温度(最高到達
板温)を150〜280℃、好ましくは180〜260
℃とするのが適当である。焼付温度が150℃未満では
樹脂の重合反応が不十分で、塗装鋼板の耐食性や耐傷つ
き性が低下しやすい。一方、280℃を超えると反応が
過剰となり、加工性が低下する場合がある。また、下塗
り塗装、上塗り塗装の焼付時間については特に限定しな
いが、通常は20〜120秒程度が適当である。なお、
先に述べたようにこれら塗膜の焼付処理を利用してめっ
き皮膜に(a)の熱履歴を付与してもよい。
【0067】
【実施例】○実施例1 常法で製造した冷延鋼板(板厚0.35mm)を連続式
溶融めっき設備に通板し、55%Al−1.5%Si−
Znめっき浴(本発明例No.1〜No.6、No.9
〜No.18、比較例No.1〜No.12)、40%
Al−1.0%Si−Znめっき浴(本発明例No.
7)及び70%Al−1.8%Si−Znめっき浴(本
発明例No.8)を用いて溶融めっきを行った。ライン
スピードは160m/分とし、片面めっき付着量は鋼板
間のバラツキが75〜90g/mの範囲に収まるよう
にした。なお、比較例No.13として溶融5%Al−
Zn系めっきによる溶融めっき鋼板(片面めっき付着
量:130g/m)も製造した。これらのめっき鋼板
の製造工程においてめっき皮膜に表1、表3、表5に示
す熱履歴を付与するとともに、下塗り塗膜及び上塗り塗
膜の条件を種々変化させて、以下のような塗装鋼板を製
造した。なお、下塗り塗膜用の塗料としては表7に示す
ものを、また、上塗り塗膜用の塗料としては表8に示す
ものをそれぞれ用いた。
【0068】[発明例1]本発明条件を満足する熱履歴
を経ためっき皮膜を有する溶融55%Al−Zn系めっ
き鋼板に通常のクロメート処理(金属クロム換算のクロ
ム付着量40mg/m)を施した後、下記の下塗り及
び上塗り塗装を施した塗装鋼板である。下塗り塗装は、
固形分換算で主剤樹脂であるブロックウレタン変性エポ
キシ樹脂(商品名「エポキー830」、三井化学(株)
製)125重量部、防錆顔料であるクロム酸ストロンチ
ウム75重量部、顔料である酸化チタン25重量部及び
クレー25重量部を配合し、サンドミルで1時間攪拌し
て塗料組成物に調整したものを、乾燥塗膜厚が4μmに
なるようにバーコーターで塗布し、到達板温220℃、
焼付時間38秒の条件で焼付処理した。
【0069】上塗り塗装は、固形分換算で主樹脂である
ポリエステル樹脂(商品名「アルマテックスP64
5」、三井化学(株)製)100重量部、硬化剤である
メチル化メラミン(商品名「サイメル303」、三井化
学(株)製)25重量部、硬化触媒であるp-トルエンス
ルホン酸0.2重量部、顔料である酸化チタン100重
量部を配合し、サンドミルで1時間攪拌して塗料組成物
に調整したものを、乾燥塗膜厚が13μmになるように
バーコーターで塗布し、到達板温230℃、焼付時間5
3秒の条件で焼付処理した。また、めっき鋼板の裏面に
はポリエステル樹脂系裏面塗料を乾燥塗膜厚が6μmに
なるようにバーコーターで塗布し、到達板温220℃、
焼付時間38秒の条件で焼付処理した。
【0070】[発明例2〜10]発明例2〜4は、めっ
き皮膜に付与される熱履歴の条件を発明例1に対して変
化させたものであり、他の条件は発明例1と同様とし
た。発明例5〜6は、めっき皮膜に所定の熱履歴を付与
する段階(時期)を発明例1に対して変化させたもので
あり、他の条件は発明例1と同様とした。発明例7〜8
は、めっき皮膜の組成を発明例1に対して変化させたも
のであり、他の条件は発明例1と同様とした。発明例
9,10は、下塗り塗膜の塗膜厚を発明例1に対して変
化させたものであり、他の条件は発明例1と同様とし
た。
【0071】[発明例11,12]発明例1とは異なる
下塗り塗料を用いたものであり、他の条件は発明例1と
同様とした。発明例11の下塗り塗料は、主剤樹脂であ
るポリエステル樹脂(商品名「アルマテックスHMP2
7」、三井化学(株)製)100重量部、硬化剤である
メチル化メラミン(商品名「サイメル303」、三井化
学(株)製)25重量部、硬化触媒であるp-トルエンス
ルホン酸0.2重量部を配合し、他の成分及び配合量は
発明例1と同様とした。発明例12の下塗り塗料は、主
剤樹脂としてウレタン変性エポキシ樹脂(商品名「エポ
キー802−30CX」、三井化学(株)製)を用い、
他の成分及び配合量は発明例1と同様とした。
【0072】[発明例13,14]上塗り塗膜の塗膜厚
を発明例1に対して変化させたものであり、他の条件は
発明例1と同様とした。 [発明例15〜17]発明例1とは異なる上塗り塗料を
用いたものであり、他の条件は発明例1と同様とした。
発明例15の上塗り塗料は、主剤樹脂としてアクリル樹
脂(商品名「アルマテックス745−5M」、三井化学
(株)製)を用い、他の成分及び配合量は発明例1と同
様とした。発明例16の上塗り塗料は、主剤樹脂として
ポリフッ化ビニリデン樹脂(商品名「カイナー50
0」、日本ペンウォルト(株)製)とアクリル樹脂(商
品名「パロライト」、ロームアンドハース社製)とを固
形分質量比でポリフッ化ビニリデン樹脂:アクリル樹脂
=70:30の比率で混合したものを用い、他の成分及
び配合量は発明例1と同様とした。発明例17の上塗り
塗料は、主剤樹脂としてポリエステル樹脂(商品名「ア
ルマテックスP647BC」、三井化学(株)製)を用
い、他の成分及び配合量は発明例1と同様とした。
【0073】[発明例18]発明例1に対して上塗り塗
料中の硬化剤の配合量を変え、硬化剤の配合量を主剤樹
脂100重量部に対して40重量部配合したものであ
り、他の条件は発明例1と同様とした。 [比較例1〜11]比較例1〜4はめっきの熱処理条件
が、比較例5,6は下塗り塗膜の塗膜厚が、比較例7,
8は上塗り塗膜の塗膜厚が、比較例9,10は上塗り塗
膜のガラス転移温度が、それぞれ本発明条件を満足しな
い比較例であり、その他の条件は発明例1と同様であ
る。比較例11はめっき皮膜が本発明が規定する熱履歴
を付与されていない比較例であり、比較例12は下塗り
塗装が省略された比較例であり、比較例13は下地めっ
き鋼板が溶融5%Al−Znめっき鋼板(本発明が規定
する熱履歴も付与されていない)である比較例であり、
その他の条件は発明例1と同様である。
【0074】以上の各塗装鋼板について、以下の方法に
より加工性、加工部密着性、加工部耐食性及び塗膜硬度
を評価するとともに、上塗り塗膜のガラス転移温度を測
定した。その結果を、塗装鋼板の構成とともに表1〜表
6に示す。 加工性 20℃の室内にて試料に対して180°の折り曲げ加工
を行い、目視でクラック発生の有無を確認し、クラック
発生のない最小板はさみ枚数(T)で下記の通り評価し
た。 ◎:6T曲げでクラックの発生なし ○:6T曲げでクラックが発生するが、7T曲げでクラ
ックの発生なし △:7T曲げでクラックが発生するが、8T曲げでクラ
ックの発生なし ×:8T曲げでクラックが発生
【0075】 加工部密着性 20℃の室内にて試料に対して180°の6T折り曲げ
加工を行った後、折り曲げ部に対して粘着テープを粘着
・剥離し、折り曲げ部における塗膜の剥離率(面積率
%)を測定して下記により評価した。 ◎:塗膜剥離率0% ○:塗膜剥離率0%超、10%未満 ×:塗膜剥離率10%以上
【0076】 加工部耐食性 塗装鋼板を160mm×70mmサイズに切断し、これ
に対して20℃の室内にて180°の3T折り曲げ加工
を行った後、4辺の端部をタールエポキシ塗料でシール
した試験片を用いて、JIS K 5621に規定される
乾湿繰り返し条件を導入した促進試験(以下、CCT試
験)を250サイクル実施した後、塗膜の膨れ率(面積
率)を測定した。この膨れ率は、試験片の両端10mm
を除いた50mm幅の曲げ加工部において、塗膜の膨れ
が生じている部分の幅方向における長さの合計を%で表
わした(例えば、50mm中に5mm幅の膨れが2箇所
あった場合、膨れ率は20%とする)。JIS K 56
21によるCCT試験の条件は、「5%塩水噴霧,30
℃,0.5時間→湿潤95%RH,30℃,1.5時間
→乾燥20%RH,50℃,2時間→乾燥20%RH,
30℃,2時間」を1サイクル(6時間)とし、これを
所定の回数になるまで繰り返すというものである。測定
された膨れ率を、下記により評価した。 ◎:膨れ率10%未満 ○:膨れ率10%以上、30%未満 △:膨れ率30%以上、50%未満 ×:膨れ率50%以上
【0077】塗膜硬度 JIS K 5400の8.4に基づいて、鉛筆硬度Hの
鉛筆を用い、上塗り塗膜に疵が生じるか否かで下記によ
り評価した。 ○:疵発生 ×:疵発生なし 塗膜のガラス転移温度の測定 TMA(セイコーインスツルメンツ製「SS610
0」)にて0℃から150℃まで昇温スピード10℃/
min、荷重10gで上塗り塗膜のガラス転移温度を測
定した。
【0078】表1〜表6によれば、本発明例の塗装鋼板
は加工性、加工部密着性、加工部耐食性、塗膜硬度のい
ずれについても良好な特性が得られている。これに対し
て、比較例は何れかの特性が本発明例に比較して劣って
いる。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】
【0086】
【表8】
【0087】○実施例2 常法で製造した冷延鋼板(板厚0.35mm)を連続式
溶融めっき設備に通板し、55%Al−1.5%Si−
Znめっき浴に対してMg、V、Mnのうちの1種又は
2種以上を添加しためっき浴を用い、めっき皮膜中のM
g、V、Mnの1種又は2種以上の含有量が合計で0.
01〜10mass%となるように溶融めっきを行った。ラ
インスピードは160m/分とし、片面めっき付着量は
鋼板間のバラツキが75〜90g/mの範囲に収まる
ようにした。これらのめっき鋼板の製造工程においてめ
っき皮膜に表9に示す熱履歴を付与するとともに、めっ
き皮膜面にクロメート処理皮膜、下塗り塗膜及び上塗り
塗膜を発明例1と同じ条件で順次形成した。以上の各塗
装鋼板について、実施例1と同様の方法で加工性、加工
部密着性、加工部耐食性及び塗膜硬度を評価した。その
結果を、塗装鋼板の構成とともに表9及び表10に示
す。
【0088】
【表9】
【0089】
【表10】
【0090】
【発明の効果】以上述べたように本発明の塗装鋼板は、
めっき皮膜中のAl含有量が20〜95mass%の溶融A
l−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板であり
ながら極めて優れた加工性と加工部耐食性を有する。ま
た、本発明の製造方法によれば、このような塗装鋼板を
安定して且つ高い生産性で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、溶融めっきされためっき金属が凝
固した後のめっき鋼板を熱処理した場合において、めっ
き皮膜の昇温加熱温度が塗装鋼板の加工性に及ぼす影響
を示すグラフ、図1(b)は、溶融めっきされためっき金
属が凝固した後のめっき鋼板を熱処理した場合におい
て、めっき皮膜の平均冷却速度(昇温加熱温度から10
0℃までの平均冷却速度)が塗装鋼板の加工性に及ぼす
影響を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 D 4K044 127/16 127/16 133/00 133/00 163/00 163/00 167/00 167/00 201/00 201/00 C23C 2/06 C23C 2/06 2/12 2/12 2/28 2/28 2/40 2/40 22/28 22/28 (72)発明者 大居 利彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 吉田 啓二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 稲垣 淳一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山下 正明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 間島 康弘 神奈川県川崎市川崎区水江町6−1 エヌ ケーケー鋼板株式会社内 (72)発明者 石田 信之 神奈川県川崎市川崎区水江町6−1 エヌ ケーケー鋼板株式会社内 (72)発明者 井上 紀夫 神奈川県川崎市川崎区水江町6−1 エヌ ケーケー鋼板株式会社内 (72)発明者 堀 伸次 神奈川県川崎市川崎区水江町6−1 エヌ ケーケー鋼板株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE17 BB26Z BB73X BB92Y BB93Z CA02 CA03 CA33 CA48 DA06 DB02 DC03 EA07 EA10 EA19 EB17 EB22 EB33 EB35 EB38 EB39 EB52 EB53 EB56 EC02 4F100 AA22C AA22D AB01B AB03A AB09B AB10B AB11 AB14B AB18B AK01D AK01E AK19E AK25E AK36 AK41D AK41E AK51 AK53D AL02 AL05E AL06 BA05 BA07 BA10A BA10E CC00D CC00E EH71B EJ42 EJ42B EJ42D EJ42E EJ421 EJ422 EJ423 EJ50B EJ68C EJ69 EK11B JA05E JB02 JL01 YY00B YY00D YY00E 4J038 CC021 CC071 CD111 CG011 CG141 CH031 CH041 DB461 DB481 DD051 GA03 GA06 NA03 NA23 PC02 4K026 AA02 AA09 AA13 AA22 BA06 BB08 BB10 CA16 CA20 DA02 DA15 EB08 EB11 4K027 AA05 AA22 AB02 AB05 AB44 AB48 AC72 AC82 AE03 4K044 AA02 AB02 BA10 BA15 BA21 BB04 BC02 BC05 CA11 CA16 CA53

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき皮膜中のAl含有量が20〜95
    mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする
    塗装鋼板であって、 前記めっき皮膜が少なくとも下記(a)の熱履歴を経て得
    られためっき皮膜であり、 (a)溶融めっきされためっき金属が凝固した後、130
    〜300℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱され、その
    後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下
    記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴、 又は/及び、溶融めっきされためっき金属が凝固した後
    の130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃
    までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)
    以下を満足する熱履歴 C=(T−100)/2 …… (1) 前記めっき皮膜の表面に、下層側から化成処理皮膜、塗
    膜厚が2〜15μmの下塗り塗膜、及び塗膜厚が5〜3
    0μmであって且つガラス転移温度が30〜90℃の上
    塗り塗膜を有することを特徴とする加工性と加工部耐食
    性に優れた塗装鋼板。
  2. 【請求項2】 (a)の熱履歴の温度T(℃)が130〜
    200℃の範囲であることを特徴とする請求項1に記載
    の加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板。
  3. 【請求項3】 めっき皮膜がMg、V、Mnの中から選
    ばれる1種又は2種以上を合計で0.01〜10mass%
    含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の加工
    性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板。
  4. 【請求項4】 下塗り塗膜の主剤樹脂がポリエステル系
    樹脂及び/又はエポキシ系樹脂からなることを特徴とす
    る請求項1、2又は3に記載の加工性と加工部耐食性に
    優れた塗装鋼板。
  5. 【請求項5】 上塗り塗膜の主剤樹脂がポリエステル系
    樹脂、又はポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂の
    混合樹脂からなることを特徴とする請求項1、2、3又
    は4に記載の加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板。
  6. 【請求項6】 下塗り塗膜がクロム酸塩を塗膜固形分中
    の割合で1〜50mass%含むことを特徴とする請求項
    1、2、3、4又は5に記載の加工性と加工部耐食性に
    優れた塗装鋼板。
  7. 【請求項7】 めっき皮膜中のAl含有量が20〜95
    mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする
    塗装鋼板の製造方法であって、下記1)〜4)の工程を有す
    ることを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装
    鋼板の製造方法。 1) 溶融めっき浴を出た鋼板のめっき皮膜に対して、少
    なくとも下記(a)の熱履歴を付与する工程 (a) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後、130
    〜300℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱され、その
    後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下
    記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴、 又は/及び、溶融めっきされためっき金属が凝固した後
    の130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃
    までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)
    以下を満足する熱履歴 C=(T−100)/2 …… (1) 2) めっき皮膜面に化成処理を施して化成処理皮膜を形
    成する工程 3) 前記化成処理皮膜面に下塗り塗料を塗布して焼付け
    し、塗膜厚が2〜15μmの下塗り塗膜を形成する工程 4) 前記下塗り塗膜面に上塗り塗料を塗布して焼付け
    し、塗膜厚が5〜30μm、ガラス転移温度が30〜9
    0℃の上塗り塗膜を形成する工程
  8. 【請求項8】 (a)の熱履歴の温度T(℃)が130〜
    200℃の範囲であることを特徴とする請求項7に記載
    の加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。
  9. 【請求項9】めっき皮膜がMg、V、Mnの中から選ば
    れる1種又は2種以上を合計で0.01〜10mass含有
    することを特徴とする請求項7又は8に記載の加工性と
    加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。
  10. 【請求項10】 3)の工程において、ポリエステル系樹
    脂及び/又はエポキシ系樹脂を主剤樹脂とする塗料を塗
    布した後、最高到達板温150〜270℃で焼付処理し
    て下塗り塗膜を形成することを特徴とする請求項7、8
    又は9に記載の加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 4)の工程において、ポリエステル系樹
    脂、又はポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂の混
    合樹脂を主剤樹脂とする塗料を塗布した後、最高到達板
    温150〜280℃で焼付処理して上塗り塗膜を形成す
    ることを特徴とする請求項7、8、9又は10に記載の
    塗装鋼板の製造方法。
  12. 【請求項12】 下塗り塗装用の塗料がクロム酸塩を塗
    料固形分中の割合で1〜50mass%含むことを特徴とす
    る請求項7、8、9、10又は11に記載の加工性と加
    工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。
  13. 【請求項13】 めっき皮膜に対する(a)の熱履歴の付
    与を、下記(1)〜(8)のうちの少なくとも1つの段階で行
    うことを特徴とする請求項7、8、9、10、11又は
    12に記載の加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の
    製造方法。 (1) 化成処理前 (2) 化成処理の乾燥工程中 (3) 化成処理終了後、下塗り塗装前 (4) 下塗り塗装の乾燥工程中 (5) 下塗り塗装終了後、上塗り塗装前 (6) 上塗り塗装の乾燥工程中 (7) 上塗り塗装終了後 (8) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後の冷却過
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