JP3725797B2 - 加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、めっき皮膜中のAl含有量が20〜95mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板であって、折り曲げ等の加工部においても塗膜クラックの発生が極めて少なく加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
めっき皮膜中にAlを20〜95mass%含有する溶融Al−Zn系めっき鋼板は、特公昭46−7161号に示されるように溶融亜鉛めっき鋼板に比べて優れた耐食性を示すことから、近年、建材分野を中心に需要が伸びている。
このめっき鋼板は、酸洗脱スケールした熱延鋼板又はこれをさらに冷間圧延して得られた冷延鋼板を下地鋼板とし、連続式溶融めっき設備において以下のようにして製造される。
【0003】
連続式溶融めっき設備では、下地鋼板は還元性雰囲気に保持された焼鈍炉内で所定温度に加熱され、焼鈍と同時に鋼板表面に付着する圧延油等の除去、酸化膜の還元除去が行われた後、下端がめっき浴に浸漬されたスナウト内を通って所定濃度のAlを含有した溶融亜鉛めっき浴中に浸漬される。めっき浴に浸漬された鋼板はシンクロールを経由してめっき浴の上方に引き上げられた後、めっき浴上に配置されたガスワイピングノズルから鋼板の表面に向けて加圧した気体を噴射することによりめっき付着量が調整され、次いで冷却装置により冷却され、所定のめっき皮膜が形成された溶融Al−Zn系めっき鋼板が得られる。
【0004】
連続式溶融めっき設備における焼鈍炉の熱処理条件及び雰囲気条件、めっき浴組成やめっき後の冷却速度等の操業条件は、所望のめっき品質や材質を確保するために所定の管理範囲で精度よく管理される。
上記のようにして製造されためっき鋼板のめっき皮膜は、主としてZnを過飽和に含有したAlがデンドライト凝固した部分と、残りのデンドライト間隙の部分からなっており、デンドライトはめっき皮膜の膜厚方向に積層している。このような特徴的な皮膜構造により、溶融Al−Zn系めっき鋼板は優れた耐食性を示す。
【0005】
また、めっき浴には通常1.5mass%程度のSiが添加されているが、このSiの働きにより、溶融Al−Zn系めっき鋼板はめっき皮膜/下地鋼板界面の合金相成長が抑えられ、合金相厚さは約1〜2μm程度である。この合金相が薄ければ薄いほど優れた耐食性を示す特徴的な皮膜構造の部分が多くなるので、合金相の成長抑制は耐食性の向上に寄与する。また、合金相はめっき皮膜よりも固く加工時にクラックの起点として作用するので、合金相の成長抑制はクラックの発生を減少させ、加工性の向上効果をもたらす。また、クラック部は下地鋼板が露出していて耐食性に劣るので、クラックの発生を減じることは加工部耐食性をも向上させる。
【0006】
通常、めっき浴には不可避的不純物、鋼板やめっき浴中の機器等から溶出するFe、合金相抑制のためのSiが含まれるが、それら以外にも何らかの元素が添加されている場合もあり、合金相やめっき皮膜中にはそれら元素が合金或いは単体の形で存在している。
【0007】
ところで、殆どの塗装鋼板は塗装後に成形加工して用いられるため、加工時のクラック(塗膜の割れ)の発生を防止することが非常に重要であるが、上述しためっき皮膜中にAlを20〜95mass%含有する溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地とした塗装鋼板は、優れた耐食性を有する反面、めっき皮膜の加工性の影響を大きく受け、他のめっき鋼板、例えばめっき皮膜中にAlを5mass%程度含有する溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地とした塗装鋼板(以下、「5%Al−Znめっき下地塗装鋼板」という)に較べて加工の際に塗膜にクラックが発生しやすく、加工強度が制限される場合が多い。
【0008】
このような塗膜のクラックは、めっき皮膜/下地鋼板界面に存在する約1〜2μm厚の合金相を起点として発生するめっき皮膜のクラックに起因するものであるが、めっき皮膜に生じるクラックはめっき皮膜のデンドライト間隙部を伝播経路とするため、同一加工条件であっても同一めっき皮膜厚の5%Al−Zn系めっき下地塗装鋼板に較べて開口部が大きく、肉眼でも視認されるような大きなクラックとなり、塗装鋼板の外観不良とされやすい傾向がある。
塗膜やめっき皮膜のクラック発生を防止するために、塗膜の柔軟化による加工性の改善や、特公昭61−28748号公報に開示されているような、めっき鋼板に所定の熱処理を施し、めっき鋼板自体の延性を改善することが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の場合には塗膜に表面疵が発生しやすくなるなど、他の特性が低下してしまうため、そのような塗装鋼板は厳しい加工を伴う用途には適用できなくなる。また、後者のような熱処理によりめっき皮膜の延性がある程度改善されたとしても、塗装を行った塗装鋼板としての加工性やクラックが発生することにより低下する加工部の耐食性が直接改善されるものではない。
【0010】
したがって本発明の目的は、めっき皮膜中のAl含有量が20〜95mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板であって、折り曲げ等の加工部においても塗膜クラックの発生が極めて少なく、5%Al−Zn系めっき下地塗装鋼板をしのぐ優れた加工性を有するとともに、加工部耐食性にも優れた塗装鋼板及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため、めっき皮膜中のAl含有量が20〜95mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板の加工性及び加工部耐食性を向上させる手段について鋭意検討を行い、その結果、溶融Al−Zn系めっき鋼板のめっき皮膜を特定の熱履歴を経たものとし、且つこのめっき皮膜面に特定の構成の塗膜を形成することにより、従来では達成できなかった極めて優れた加工性と加工部耐食性が得られることを見い出した。
【0012】
本発明はこのような知見に基づいてなされたもので、その特徴は以下のとおりである。
[1] めっき皮膜中のAl含有量が20〜95mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板であって、
前記めっき皮膜が少なくとも下記(a)及び(b)の熱履歴を経て得られためっき皮膜であり、
(a) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後、130〜300℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱され、その後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴、
又は/及び、溶融めっきされためっき金属が凝固した後の130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴
C=(T−100)/2 …… (1)
前記めっき皮膜面に化成処理皮膜を有し、その上層に下記(イ)の下塗り塗膜を有し、さらにその上層に下記(ロ)の上塗り塗膜を有することを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板。
(イ) 数平均分子量が14000〜26000、ガラス転移温度が0〜30℃のポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との反応によって得られ、且つ下記(2)式に示されるk値が0.7〜2.5である変性ポリエステル樹脂(C)と、硬化剤(D)とを主成分樹脂とする塗料を塗布して形成された乾燥塗膜厚が2μm以上の下塗り塗膜
k=[Wb×(Ma+2×Mb)]/[(Wa+Wb)×2×Mb]…… (2)
但し Wa:[ポリエステル樹脂(A)+エポキシ樹脂(B)]に対するポリエステル樹脂(A)の固形分重量比
Wb:[ポリエステル樹脂(A)+エポキシ樹脂(B)]に対するエポキシ樹脂(B)の固形分重量比
Ma:ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量
Mb:エポキシ樹脂(B)の数平均分子量
(ロ) 数平均分子量が5000〜20000のポリエステル樹脂(E)と硬化剤とを主成分樹脂とする塗料を塗布して形成された乾燥塗膜厚が5〜30μmの上塗り塗膜
【0013】
[2] 上記[1]の塗装鋼板において、(a)の熱履歴の温度T(℃)が130〜200℃の範囲であることを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板。
[3] 上記又は[2]の塗装鋼板において、下塗り塗膜用の塗料中に含まれる硬化剤(D)がアミノ樹脂および/またはイソシアネート化合物であることを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板。
【0014】
[4] めっき皮膜中のAl含有量が20〜95mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板の製造方法であって、下記1)〜4)の工程を有することを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。
1) 溶融めっき浴を出た鋼板のめっき皮膜に対して、少なくとも下記(a)の熱履歴を付与する工程
(a) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後、130〜300℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱され、その後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴、
又は/及び、溶融めっきされためっき金属が凝固した後の130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴
C=(T−100)/2 …… (1)
2) めっき皮膜面に化成処理を施して化成処理皮膜を形成する工程
3) 前記化成処理皮膜面に下記(イ)の下塗り塗料を塗布して焼付けし、塗膜厚が2μm以上の下塗り塗膜を形成する工程
4) 前記下塗り塗膜面に下記(ロ)の上塗り塗料を塗布して焼付けし、塗膜厚が5〜30μm、の上塗り塗膜を形成する工程
(イ) 数平均分子量が14000〜26000、ガラス転移温度が0〜30℃のポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との反応によって得られ、且つ下記(2)式に示されるk値が0.7〜2.5である変性ポリエステル樹脂(C)と、硬化剤(D)とを主成分樹脂とする下塗り塗料
k=[Wb×(Ma+2×Mb)]/[(Wa+Wb)×2×Mb]…… (2)
但し Wa:[ポリエステル樹脂(A)+エポキシ樹脂(B)]に対するポリエステル樹脂(A)の固形分重量比
Wb:[ポリエステル樹脂(A)+エポキシ樹脂(B)]に対するエポキシ樹脂(B)の固形分重量比
Ma:ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量
Mb:エポキシ樹脂(B)の数平均分子量
(ロ) 数平均分子量が5000〜20000のポリエステル樹脂(E)と硬化剤とを主成分樹脂とする上塗り塗料
【0015】
[5]上記[4]の製造方法において、(a)の熱履歴の温度T(℃)が130〜200℃の範囲であることを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。
[6]上記[4]又は[5]の製造方法において、下塗り塗膜用の塗料中に含まれる硬化剤(D)がアミノ樹脂および/またはイソシアネート化合物であることを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。
【0016】
[7]上記[4]〜[6]のいずれかの製造方法において、めっき皮膜に対する(a)の熱履歴の付与を、下記(1)〜(8)のうちの少なくとも1つの段階で行うことを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。
(1)化成処理前
(2)化成処理の乾燥工程中
(3)化成処理終了後、下塗り塗装前
(4)下塗り塗装の乾燥工程中
(5)下塗り塗装終了後、上塗り塗装前
(6)上塗り塗装の乾燥工程中
(7)上塗り塗装終了後
(8)溶融めっきされためっき金属が凝固した後の冷却過程
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の塗装鋼板は、めっき皮膜中にAlを20〜95mass%含有する溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とし、そのめっき皮膜面に、下層側から化成処理皮膜、下塗り塗膜及び上塗り塗膜を順次形成したものである。以下、これらの構成の詳細を順に説明する。
【0018】
(1)溶融Al−Zn系めっき鋼板
めっき皮膜中にAlを20〜95mass%含有する溶融Al−Zn系めっき鋼板は優れた耐食性を有するが、この耐食性等の観点から、めっき皮膜中のAl量のより好ましい範囲は45〜65mass%である。また、めっき皮膜の特に好ましい成分組成は、Al:45〜65mass%、Si:0.7〜2.0mass%、Fe:10mass%未満、残部が不可避的不純物を含む実質的なZnであり、このような組成の場合に特に優れた耐食性を発揮する。但し、この溶融Al−Zn系めっき鋼板は、そのめっき組成だけで高い加工部耐食性を得ることは難しく、後述する熱履歴を経ることと上層の化成処理皮膜及び塗膜との組み合せによってはじめて優れた加工部耐食性が得られる。
また、この溶融Al−Zn系めっき鋼板のめっき付着量に特に制限はないが、一般には片面当たり30〜120g/m程度とすることが適当である。
【0019】
さらに、この溶融Al−Zn系めっき鋼板のめっき皮膜は、少なくとも下記(a)の熱履歴を経て得られためっき皮膜であることが必要である。
(a)溶融めっきされためっき金属が凝固した後、130〜300℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱され、その後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴、
又は/及び、溶融めっきされためっき金属が凝固した後の130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴
C=(T−100)/2 ……(1)
また、上記(a)の熱履歴において、温度T(℃)のより好ましい範囲は130〜200℃である。
ここで、上記(1)式は本発明者らがめっき皮膜の昇温加熱及びその後の冷却条件や溶融めっきされためっき金属凝固後の冷却条件がめっき皮膜に与える影響を実験に基づき詳細に検討し、その結果導かれた実験式である。
【0020】
めっき皮膜を上記(a)の熱履歴を経たものとすることにより、溶融Al−Zn系めっき皮膜でありながら、その加工性(耐クラック性など)は大きく向上する。このように加工性が改善されるのは、めっき皮膜が130〜300℃(好ましくは130〜200℃)の温度範囲に昇温加熱された後に特定の条件で徐冷される熱履歴、又は/及びめっき皮膜凝固後の130〜300℃(好ましくは130〜200℃)の温度範囲から特定の条件で徐冷される熱履歴を経ることにより、凝固時点でめっき皮膜に蓄積された歪が開放されるとともに、めっき皮膜中で固体拡散が生じ、めっき皮膜中のAlとZnの二相分離が効果的に促進される結果、めっき皮膜が著しく軟質化するためであると考えられる。
【0021】
上記(a)の熱履歴では、めっき皮膜(溶融めっきされためっき金属が凝固した後のめっき皮膜)を130〜300℃、好ましくは130〜200℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱し、その後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が上記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足するように冷却するか、或いは溶融めっきされためっき金属が凝固した後のめっき皮膜をその冷却過程である130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が上記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足するように冷却する。
【0022】
この(a)の熱履歴おいて、めっき皮膜の昇温加熱温度Tが130℃未満では上記のような作用が十分に得られず、一方、昇温加熱温度Tが300℃超では下地鋼板とめっき皮膜との界面での合金相の成長を促進させるため、却って加工性に悪影響を及ぼす。またこのような観点から、加工性の改善にとってより好ましい昇温加熱温度Tの上限は200℃である。
また、溶融めっきされためっき金属が凝固した後の冷却過程である130〜300℃の範囲の温度T(℃)から上記(a)の熱履歴が付与される条件で冷却を行う場合についても、温度Tが130℃未満では上記のような作用が十分に得られない。
【0023】
図1(a)は、溶融めっきされためっき金属が凝固した後のめっき鋼板を熱処理した際の、めっき皮膜の昇温加熱温度が塗装鋼板の加工性に及ぼす影響を調べたもので、この結果が得られた供試材は、いずれも昇温加熱温度から100℃までのめっき皮膜の平均冷却速度が上記(a)の熱履歴の条件内であるめっき鋼板に、本発明条件を満足する化成処理皮膜−下塗り塗膜−上塗り塗膜を形成した塗装鋼板である。なお、この試験における加工性の評価は、後述する実施例の加工性の評価に準じて行った。
【0024】
また図1(b)は、溶融めっきされためっき金属が凝固した後のめっき鋼板を熱処理した際の、めっき皮膜の平均冷却速度(昇温加熱温度から100℃までの平均冷却速度)が塗装鋼板の加工性に及ぼす影響を調べたもので、この結果が得られた供試材は、いずれもめっき皮膜の昇温加熱温度が上記(a)の熱履歴の条件内であるめっき鋼板に、本発明条件を満足する化成処理皮膜−下塗り塗膜−上塗り塗膜を形成した塗装鋼板である。なお、この試験における加工性の評価は、後述する実施例の加工性の評価に準じて行った。
【0025】
図1(a),(b)に示されるように、めっき皮膜の昇温加熱温度が130〜300℃の範囲では180°折り曲げ加工での加工性の評価は“○”以上であり、また好ましい条件である130〜200℃の範囲では加工性の評価は“◎”となっている。これに対して昇温加熱温度が130〜300℃の範囲外では加工性の評価は“△”しか得られていない。また、昇温加熱温度から100℃までの平均冷却速度と上記(1)式の“C”との差が零〜マイナス(本発明範囲内)の場合の180°折り曲げ加工での加工性の評価は、めっき皮膜の昇温加熱温度が130〜300℃の範囲では“○”以上であり、また、好ましい条件である130〜200℃の範囲では“◎”である。これに対して、その差がプラス(本発明範囲外)の場合には加工性の評価は“△”しか得られていない。
【0026】
めっき皮膜を上記(a)の熱履歴を経たものとするには、連続式溶融めっき設備内に或いは同設備外にめっき皮膜を熱処理又は保熱するための加熱又は保熱装置を設け、所定の熱処理又は保熱を行う。例えば、連続式溶融めっき設備内に加熱機構(例えば、インダクションヒーター、ガス加熱炉、熱風炉など)を設けてインラインで連続加熱して行ってもよいし、また、コイルに巻取った後にオフラインでバッチ加熱して行ってもよい。また、めっきライン外の連続処理設備において加熱機構(例えば、インダクションヒーター、ガス加熱炉、熱風炉など)により連続加熱して行ってもよい。さらには、めっきライン内や上記連続処理設備で連続加熱されためっき鋼板をコイルに巻き取った後に適当な保熱又は加熱保持を行ってもよい。また、溶融めっきされためっき金属が凝固した後の冷却過程においてめっき皮膜を保熱して徐冷できるような保熱装置を設けてもよい。
但し、加熱又は保熱装置の方式、形状、規模等については特別な制限はなく、要はめっき皮膜に上記(a)の熱履歴を与え得るものであればよい。
以上のような(a)の熱履歴を経ためっき皮膜の表面に特定の塗膜をを形成することにより、この塗装鋼板は極めて優れた加工性と加工部耐食性を示す。
【0027】
(2)化成処理皮膜
この塗装下地となる化成処理皮膜の種類に特に制約はなく、化成処理としてはクロメート処理、リン酸亜鉛処理、有機樹脂を主成分とする処理などを実施することができる。一般には、環境を重視する場合には有機樹脂を主成分とする処理、耐食性を重視する場合にはクロメート処理が用いられる。但し、リン酸亜鉛処理は工程が煩雑であり、まためっき皮膜中に20〜70mass%のAlを含む溶融Al−Zn系めっき鋼板の場合にはリン酸の反応性が十分でない場合もあり得るので、使用する場合にはその点を考慮する必要がある。
【0028】
(3) 下塗り塗膜
下塗り塗膜は、数平均分子量14000〜26000、ガラス転移温度0〜30℃のポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との反応によって得られ、且つ下記(2)式に示されるk値が0.7〜2.5である変性ポリエステル樹脂(C)と、硬化剤(D)とを主成分樹脂とする塗料を塗布して形成された乾燥膜厚が2μm以上の塗膜である。
k=[Wb×(Ma+2×Mb)]/[(Wa+Wb)×2×Mb] … (2)
但し Wa:[ポリエステル樹脂(A)+エポキシ樹脂(B)]に対するポリエステル樹脂(A)の固形分重量比
Wb:[ポリエステル樹脂(A)+エポキシ樹脂(B)]に対するエポキシ樹脂(B)の固形分重量比
Ma:ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量
Mb:エポキシ樹脂(B)の数平均分子量
【0029】
前記変性ポリエステル樹脂(C)を得るためのポリエステル樹脂(A)は、主に多塩基酸と多価アルコールとのエステル化合物である。
多塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、無水マレイン酸などの二塩基酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの三価以上の多塩基酸などが用いられ、これらの多価塩基酸成分を2種類以上組合わせて用いることもできる。
【0030】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタジオール、ネオペンチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、などの脂肪族または脂環族の二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じて、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの三価以上の多価アルコールを併用して用いることもできる。
【0031】
ポリエステル樹脂(A)は、数平均分子量が14000〜26000、ガラス転移温度が0〜30℃である必要がある。また、ポリエステル樹脂(A)のさらに好ましい数平均分子量は18000〜21000、ガラス転移温度は5〜25℃である。ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量が14000未満では塗膜の伸びが不十分となり、加工性が低下する。一方、数平均分子量が26000を超えると塗膜と下地との密着性が不十分となり、耐傷付き性が低下する。さらに塗料組成物が高粘度となるため過剰な希釈溶剤が必要となり、塗装作業性、環境調和性などの点から好ましくない。また、ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が30℃を超えると塗膜の伸びが不十分となり、加工性が低下する。一方、0℃未満になると塗膜の強靭性が低下し、十分な耐傷付き性が得られない。
【0032】
前記ポリエステル樹脂(A)と反応させるための前記エポキシ樹脂(B)は下地との密着性を向上させるために配合するものであり、本発明で用いるのに適したエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類とエピハロヒドリンあるいはβメチルエピハロヒドリンとの反応で得られるエポキシ化合物、またはこれらの共重合物であるビスフェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0033】
エポキシ樹脂(B)としては数平均分子量が500〜2000のものを用いることが好ましい。エポキシ樹脂の数平均分子量が500未満では耐傷付き性が十分でなく、一方、2000以上ではポリエステル樹脂との反応において相溶性が低下する。
エポキシ樹脂(B)によりポリエステル樹脂(A)を変性する方法としては、ポリエステル樹脂の合成の際にエポキシ樹脂を組込む方法、アミン触媒存在下でポリエステル樹脂とエポキシ樹脂とを反応させる方法などがある。これらの変性方法のうち塗膜の加工性を損なわずに必要な密着性を得るという観点からは、ポリエステル樹脂の合成後にアミン触媒存在下でエポキシ樹脂と反応させる方法が好ましい。
【0034】
また、変性エポキシ樹脂(C)は、上記(2)式に示すk値が0.7〜2.5であることが必要である。このk値が0.7未満ではエポキシ樹脂が少なく、密着性が劣ることから、十分な耐傷付き性が得られない。一方、k値が2.5を超えるとエポキシ樹脂が過剰となり、エポキシ樹脂の剛直な性質が強くなるため、十分な加工性が得られない。
【0035】
前記硬化剤(D)としては、アミノ樹脂または/及びポリイソシアネート化合物を用いることができる。
硬化剤であるアミノ樹脂としては、尿素、ベンゾグアナミン、メラミンなどとホルムアルデヒドとの縮合反応で得られる生成物の一部または全てをメタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコールによりアルキルエーテル化した樹脂である。
具体的には、メチル化尿素樹脂、n−ブチル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル化メラミン樹脂、n−ブチル化メラミン樹脂、iso−ブチル化メラミン樹脂などを挙げることができる。
【0036】
ポリイソシアネート化合物としては、一般的製法で得られるイソシアネート化合物を用いることができる。その中でも特に、1液型塗料としての使用が可能である、フェノール、クレゾール、芳香族第二アミン、第三級アルコール、ラクタム、オキシムなどのブロック剤でブロック化されたポリイソシアネート化合物が好ましい。このブロック化ポリイソシアネート化合物を用いることにより1液での保存が可能となり、塗料としての使用が容易となる。
【0037】
また、さらに好ましいポリイソシアネート化合物としては、非黄変性のヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDI)及びその誘導体、トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略す)及びその誘導体、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)及びその誘導体、キシリレンジイソシアネート(以下、XDIと略す)及びその誘導体、イソホロンジイソシアネート及びその誘導体、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びその誘導体、水添TDI及びその誘導体、水添MDI及びその誘導体、水添XDI及びその誘導体などを挙げることができる。
【0038】
下塗り塗膜(下塗り塗膜用塗料)中における変性ポリエステル樹脂(C)と硬化剤(D)の配合割合は、固形分重量比で変性ポリエステル樹脂(C)/硬化剤(D)=90/10〜65/35であることが好ましい。変性ポリエステル樹脂(C)の割合が90/10超では十分な硬化性が得られず、耐傷付き性、耐溶剤性が低下し、一方、変性ポリエステル樹脂(C)の割合が65/35未満では、過剰の硬化剤どうしの或いは硬化剤と変性ポリエステル樹脂(C)との副反応が生じて、加工性、加工部密着性が低下する。
【0039】
下塗り塗膜用の塗料には、上述した主剤樹脂である変性ポリエステル樹脂(C)と硬化剤(D)以外に、必要に応じて硬化触媒、顔料、その他消泡剤、流れ止め剤などの各種添加剤を加えることができる。
上記硬化触媒としては、樹脂成分(主樹脂および硬化剤)の硬化反応を促進するために必要に応じて使用するものであり、使用可能な硬化触媒としては、酸またはその中和物が挙げられ、例えば、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸及びこれらのアミン中和物、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジラウレートなどの硬化触媒が代表的なものとして挙げられる。
【0040】
上記顔料としては、クロム酸ストロンチウム、クロム酸カリウム、クロム酸亜鉛、クロム酸カルシウム、クロム酸バリウム、トリポリリン酸アルミニウムなどの防錆顔料、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄などの無機顔料、タルク、シリカなどの体質顔料を目的に応じて配合することができる。
また、塗料に用いる上記有機溶剤としては、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸n−ブチル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、シクロヘキサノン、石油系溶剤、ミネラルスピリーットなどの有機溶剤の中から、適用する樹脂種に応じて1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
下塗り塗膜での顔料の配合量は、塗膜中に含まれる樹脂成分との固形分重量比[顔料/樹脂]で0.6〜1.0、より好ましくは0.65〜0.8とすることが適当である。上記重量比が0.6未満では十分な耐傷付き性が得られず、一方、1.0超では十分な加工性が得られない。
また、下塗り塗膜の塗膜厚は2μm以上とする。塗膜厚が2μm未満では十分な防錆性が得られない。
【0042】
(4)上塗り塗膜
上塗り塗膜は、数平均分子量が5000〜20000のポリエステル樹脂(E)と硬化剤とを主成分樹脂とする塗料を塗布して形成された乾燥膜厚が5〜30μmの塗膜である。
前記ポリエステル樹脂(E)は、主に多塩基酸と多価アルコールとのエステル化合物であり、下塗り塗膜に関して述べた多塩基酸および多価アルコールが使用できる。
【0043】
主剤樹脂である前記ポリエステル樹脂(E)は、数平均分子量が5000〜20000、好ましくは5000〜15000である必要がある。ポリエステル樹脂(E)の数平均分子量が5000未満では塗膜の伸びが不十分となり、加工性が低下する。一方、20000超では耐傷つき性、および耐候性が低下するため好ましくない。
【0044】
主樹脂の硬化剤は特に限定されないが、一般にポリエステル樹脂の硬化剤として用いられるアミノ樹脂又は/及びポリイソシアネート化合物などを用いることができる。上塗り塗料に用いられる硬化剤として使用されるアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物については、下塗り塗料に関して述べたものと同様な組成物を使用することができる。
【0045】
上塗り塗料には、主樹脂である上記ポリエステル樹脂(E)と硬化剤の他に、必要に応じて硬化触媒、顔料、その他消泡剤、流れ止め剤などの各種添加剤を加えることができる。
上記硬化触媒としては、樹脂成分(主樹脂および硬化剤)の硬化反応を促進するために必要に応じて使用するものであり、使用可能な硬化触媒としては、酸またはその中和物が挙げられ、例えば、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸及びこれらのアミン中和物、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジラウレートなどの硬化触媒が代表的なものとして挙げられる。
【0046】
上記顔料としては、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄などの無機顔料、シアニンブルー、シアニングリーンなどの有機顔料、タルク、シリカなどの体質顔料、アルミニウム紛、鉄粉、ニッケル紛などの金属粉末を目的に応じて配合することができる。
【0047】
塗料に使用する有機溶剤としては、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸n−ブチル、酢酸エチル、メタノール、エタノール、シクロヘキサノン、石油系溶剤、ミネラルスピリーットなどの有機溶剤の中から、適用する樹脂種に応じて1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0048】
上塗り塗膜の塗膜厚は5〜30μmとする。塗膜厚が5μm未満では十分な加工性、加工部耐食性が得られない。一方、30μmを超えると加工性が低下する上にコストが上昇するため好ましくない。
【0049】
次に、本発明による上記塗装鋼板の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、連続式溶融めっき設備などで製造されるめっき皮膜中のAl含有量が20〜95mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板の製造方法であり、溶融めっき浴を出た鋼板のめっき皮膜に対して、少なくとも下記(a)の熱履歴を付与する工程と、めっき鋼板の表面に化成処理皮膜、下塗り塗膜及び上塗り塗膜を順次形成させる工程とを有する。
(a)溶融めっきされためっき金属が凝固した後、130〜300℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱され、その後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴、
又は/及び、溶融めっきされためっき金属が凝固した後の130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴
C=(T−100)/2 ……(1)
【0050】
上記(a)の熱履歴の付与は、溶融めっきされためっき金属が凝固した後のめっき鋼板に対して特定の熱処理を施すか、或いは溶融めっきされためっき金属が凝固した後のめっき皮膜の冷却を保熱などによって制御することによりなされる。本発明の製造方法ではめっき鋼板のめっき皮膜面に化成処理皮膜、下塗り塗膜及び上塗り塗膜を順次形成させるが、めっき皮膜に上記(a)の熱履歴を付与するための熱処理は、▲1▼化成処理前、▲2▼化成処理の乾燥工程中、▲3▼化成処理終了後(処理液の塗布及び乾燥後)、下塗り塗装前、▲4▼下塗り塗装の乾燥工程中、▲5▼下塗り塗装終了後(塗料の塗布及び乾燥後)、上塗り塗装前、▲6▼上塗り塗装の乾燥工程中、▲7▼上塗り塗装終了後(塗料の塗布及び乾燥後)、のいずれの段階で行ってもよい。また、これらのうちの2つ以上の段階で行ってもよい。
【0051】
したがって、めっき皮膜に対する(a)の熱履歴の付与は、下記(1)〜(8)のうちの少なくとも1つの段階で行うことができる。
(1)化成処理前
(2)化成処理の乾燥工程中
(3)化成処理終了後、下塗り塗装前
(4)下塗り塗装の乾燥工程中
(5)下塗り塗装終了後、上塗り塗装前
(6)上塗り塗装の乾燥工程中
(7)上塗り塗装終了後
(8)溶融めっきされためっき金属が凝固した後の冷却過程
なお、熱処理を行う上記方式のうち、▲2▼、▲4▼及び▲6▼の方式は化成処理、下塗り塗装及び上塗り塗装の乾燥工程における加熱を利用して熱処理を行うので、特に経済性に優れている。
【0052】
上記(a)の熱履歴を付与するための熱処理又は保熱は、連続式溶融めっき設備内に或いは同設備外に設けられた加熱又は保熱装置などにより行う。連続式溶融めっき設備内に加熱機構(例えば、インダクションヒーター、熱風炉など)を設けてインラインで連続加熱して行ってもよいし、また、コイルに巻取った後にオフラインでバッチ加熱して行ってもよい。また、めっきライン外の連続処理設備において加熱機構(例えば、インダクションヒーター、熱風炉など)により連続加熱して行ってもよい。さらには、めっきライン内や上記連続処理設備で連続加熱されためっき鋼板をコイルに巻き取った後に適当な保熱又は加熱保持を行ってもよい。また、溶融めっきされためっき金属が凝固した後の冷却過程においてめっき皮膜を保熱して徐冷できるような保熱装置を設けてもよい。但し、加熱又は保熱装置の方式、形状、規模等については特別な制限はなく、要はめっき皮膜に上記(a)の熱履歴を与え得るものであればよい。
なお、製造される溶融Al−Zn系めっき鋼板の好ましいめっき組成、めっき付着量、上記(a)の熱履歴の限定理由及び得られる作用効果などは先に述べた通りである。
【0053】
先に述べたように、塗装下地としてめっき鋼板面に施される化成処理の種類に特に制約はなく、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、有機樹脂を主成分とする処理等を実施できる。なお、一般にこの化成処理の乾燥工程では、熱風炉、インダクションヒータなどによる処理皮膜の加熱乾燥が行われるため、先に述べたようにこの加熱乾燥を利用してめっき皮膜に(a)の熱履歴を付与してもよい。
【0054】
この化成処理皮膜の上層に下塗り塗料を塗布して焼付けし、さらにその上層に上塗り塗料を塗布して焼付けすることにより、下塗り塗膜及び上塗り塗膜を形成する。これら下塗り塗膜及び上塗り塗膜の構成は先に述べた通りである。
下塗り塗料および上塗り塗料は、ボールミル、サンドミル、ロールミルなどの分散機および攪拌機を用いて調製することができる。
【0055】
塗膜(下塗り塗膜及び上塗り塗膜)を形成するための塗料の塗装方法に特に制約はないが、好ましくは塗料をロールコーター塗装、カーテンフロー塗装などの方法で塗布するのがよい。塗料を塗装後、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの加熱手段により塗膜を焼き付け、樹脂を硬化させて塗膜を得る。
【0056】
塗膜を加熱硬化させる際の焼付処理は、下塗り塗料は最高到達板温を180℃〜270℃とし、この温度範囲で約30秒〜120秒の焼付を行う。到達板温が180℃に満たない場合は樹脂の硬化反応が不十分で、耐傷つき性や耐食性が低下したりする。一方、到達板温が270℃を超えた場合には反応過剰で上塗り塗料との密着性が低下することがある。
【0057】
また、上塗り塗料は、最高到達板温を180℃〜270℃とし、この温度範囲で約30秒〜120秒の焼付を行う。到達板温が180℃に満たない場合は樹脂の硬化反応が不十分で溶剤や薬品に対する溶解性や耐傷つき性が低下したりする。また到達板温が270℃を超えた場合には反応過剰で加工性が低下することがある。
なお、先に述べたようにこれら塗膜の焼付処理を利用してめっき皮膜に(a)の熱履歴を付与してもよい。
【0058】
【実施例】
常法で製造した冷延鋼板(板厚0.35mm)を連続式溶融めっき設備に通板し、55%Al−1.5%Si−Znめっき浴、40%Al−1.0%Si−Znめっき浴及び70%Al−1.8%Si−Znめっき浴を用いて溶融めっきを行った。ラインスピードは160m/secとし、片面めっき付着量は鋼板間のバラツキが75〜90g/mの範囲に収まるようにした。なお、比較例として溶融5%Al−Zn系めっきによる溶融めっき鋼板(片面めっき付着量:130g/m)も製造した。
【0059】
これらのめっき鋼板の製造工程においてめっき皮膜に表1〜表4に示す熱履歴(I),(II)を付与するとともに、下塗り塗膜及び上塗り塗膜の条件を種々変化させて、以下のような塗装鋼板を製造した。なお、下塗り塗膜用の塗料及び上塗り塗膜用の塗料としては以下のものを調製した。
【0060】
(1.1)下塗り塗料用樹脂組成物の調製
・ポリエステル樹脂合成例1
テレフタル酸215.8重量部(1.3モル)、イソフタル酸182.6重量部(1.1モル)、アジピン酸189.8重量部(1.3モル)、エチレングリコール124重量部(2.0モル)、ネオペンチルグリコール166.4重量部(1.6モル)、「エピクロン850」(商品名、大日本インキ(株)製)30.4重量部、及びジオクチル錫オキサイド0.1重量部を、窒素気流中240℃で2時間エステル化反応を行った。その後、1時間かけて1mmHgまで減圧し、さらに260℃で1時間反応を行い、ソルベッソ150に溶解して、不揮発分35%、平均分子量20000、ガラス転移温度10℃のポリエステル樹脂(Al)を得た。
【0061】
・ポリエステル樹脂合成例2
テレフタル酸215.8重量部(1.3モル)、イソフタル酸182.6重量部(1.1モル)、アジピン酸189.8重量部(1.3モル)、エチレングリコール124重量部(2.0モル)、ネオペンチルグリコール166.4重量部(1.6モル)、「エピクロン850」(商品名、大日本インキ(株)製)30.4重量部、及びジオクチル錫オキサイド0.1重量部を、窒素気流中240℃で2時間エステル化反応を行った。その後、1時間かけて1mmHgまで減圧し、さらに260℃で20分反応を行い、ソルベッソ150に溶解して、不揮発分35%、平均分子量16000、ガラス転移温度15℃のポリエステル樹脂(A2)を得た。
【0062】
(1.2)下塗り塗料の調製
表5の下塗り塗膜成分(P1)〜(P7)に相当する下塗り塗料については、上記ポリエステル樹脂(A1)又は(A2)(不揮発分35%)にエポキシ樹脂(大日本インキ(株)製「エピクロン4050」)を表5に示す割合で配合し、トリエチルアミン0.5重量部を窒素気流中、140℃で2時間かけて反応を行い、下塗り塗料用樹脂組成物を得た。また、表5の下塗り塗膜成分(P9)に相当する下塗り塗料については、上記ポリエステル樹脂(A1)にエポキシ樹脂(大日本インキ(株)製「エピクロン4050」)を表5に示す割合で常温ブレンドした。また、表5の下塗り塗膜成分(P8)に相当する下塗り塗料については、上記ポリエステル樹脂(A1)をエポキシ樹脂と反応させることなく、そのまま用いた。
【0063】
上述した各下塗り塗装用樹脂組成物100重量部に対して、クロム酸ストロンチウム34重量部、トリポリリン酸二水アルミニウム2.5重量部、酸化チタン6重量部、「ディスパロン#1830」(商品名、楠本化成(株)製)0.1重量部を加えてガラスビーズ型高速振とう機で顔料を4時間分散し、さらに硬化剤を表3に示す重量部、シランカップリング剤3重量部を加え、攪拌して目的とする下塗り塗料(P1)〜(P9)を得た。
【0064】
(2.1)上塗り塗料用樹脂組成物の調製
・樹脂合成例3
テレフタル酸332重量部(2.0モル)、イソフタル酸83重量部(0.5モル)、アジピン酸160.6重量部(1.1モル)、エチレングリコール136.4重量部(2.2モル)、ネオペンチルグリコール145.6重量部(1.4モル)、及びジオクチル錫オキサイド0.1重量部を、窒素気流中230℃で2時間エステル化反応を行った。その後、1時間かけて1mmHgまで減圧し、さらに260℃で30分反応を行い、シクロヘキサノン/ソルベッソ150混合溶剤(重量比50/50)に溶解して、不揮発分40%、平均分子量15000、ガラス転移温度18℃のポリエステル樹脂(E1)を得た。
【0065】
・樹脂合成例4
テレフタル酸332重量部(2.0モル)、イソフタル酸83重量部(0.5モル)、アジピン酸160.6重量部(1.1モル)、エチレングリコール136.4重量部(2.2モル)、ネオペンチルグリコール145.6重量部(1.4モル)、及びジオクチル錫オキサイド0.1重量部を、窒素気流中230℃で2時間エステル化反応を行った。その後、1時間かけて1mmHgまで減圧し、さらに260℃で1.5時間反応を行い、シクロヘキサノン/ソルベッソ150混合溶剤(重量比50/50)に溶解して、不揮発分35%、平均分子量22000、ガラス転移温度10℃のポリエステル樹脂(E2)を得た。
【0066】
(2.2)上塗り塗料の調製
上塗り塗料用ポリエステル樹脂(E1)425重量部、無機系顔料133重量部、「ディスパロン#2150」(商品名、楠本化成(株)製)0.3重量部をガラスビーズ型高速振とう機で顔料を2時間分散し、「バーノックD550」(商品名、大日本インキ(株)製)54.5重量部、「ポリフローS」(商品名、共栄社油脂化学工業(株)製)0.6重量部、艶消し剤5重量部、ポリエチレン系ワックス0.5重量部を加え、攪拌して目的とする上塗り塗料(T1)を得た。また、同様にしてポリエステル樹脂(E2)を用い、表6に示した配合の上塗り塗料(T2)を得た。
【0067】
各実施例では各めっき鋼板に通常のクロメート処理を施した後、下塗り塗料をバーコーターで塗布し、鋼板の到達温度220℃、焼付時間38秒で焼き付け、次いで上塗り塗料をバーコーターで塗布し、鋼板の到達温度230℃、焼付時間53秒で焼き付けた。
【0068】
以上の各塗装鋼板について、以下の方法により加工性、加工部耐食性及び塗膜硬度を評価した。その結果を、塗装鋼板の構成とともに表1〜表4に示す。
(1)加工性
20℃の室内にて塗装鋼板の裏面側に直径の異なる鋼板を挟んだ後180°の折り曲げを行い、30倍ルーペで屈曲部の塗膜を観察し、以下の基準で評価した。
◎:直径0.75mmの鋼製の棒を挟み180°曲げを行って塗膜クラックの発生なし
○:直径1.0mmの鋼製の棒を挟み180°曲げを行って塗膜クラックの発生なし
△:直径1.5mmの鋼製の棒を挟み180°曲げを行って塗膜クラックの発生なし
×:直径1.5mmの鋼製の棒を挟み180°曲げを行っても塗膜クラックの発生あり
【0069】
(2)塗膜硬度
三菱鉛筆“ユニ”を使用してJIS K 5400の8.4に基づいて試験を行い、塗膜の剥離状態を観察した。硬度3Hの鉛筆を使用した試験で下地であるめっき鋼板と塗膜との間でほとんど剥離が生じないものを“○”、硬度2Hの鉛筆を使用した試験で下地であるめっき鋼板と塗膜との間でほとんど剥離が生じないものを“△”、硬度2Hの鉛筆を使用した試験で下地であるめっき鋼板と塗膜との間で剥離が生じたものを“×”とした。
【0070】
(3)加工部耐食性
塗装鋼板を150mm×70mmに切断し、20℃の室内にて塗装鋼板の裏面側に直径1.0mmの鋼製の棒を挟んで曲げ加工を行った後、切断端面及び裏面をタールエポキシ塗料でシールして加工部耐食性試験用の試料を作成した。試験は、JIS K 5621に規定される乾湿繰り返し条件に基づき、以下のサイクルで計400サイクル行った後、塗膜の膨れ率を測定した。
サイクル条件:[5%塩水噴霧、30℃、0.5時間→湿潤95%RH、30℃、1.5時間→乾燥20%RH、50℃、2時間→乾燥20%RH、30℃、2時間]を1サイクルとし、これを所定サイクル数繰り返す。
評価方法:両端10mmを除いた50mm幅の曲げ加工部において塗膜の膨れが生じている部分の幅方向における長さの合計を%で表わした(例えば、50mm中に5mm幅の膨れが2箇所あった場合、膨れ率は20%とする)。評価は以下のとおりである。
◎:膨れ率が10%未満
○:膨れ率が10%以上30%未満
△:膨れ率が30%以上70%未満
×:膨れ率が70%以上
【0071】
表1〜表4によれば、本発明例の塗装鋼板は加工性、加工部耐食性、塗膜硬度のいずれについても良好な特性が得られている。これに対して、比較例は何れかの特性が本発明例に比較して劣っている。
【0072】
【表1】
Figure 0003725797
【0073】
【表2】
Figure 0003725797
【0074】
【表3】
Figure 0003725797
【0075】
【表4】
Figure 0003725797
【0076】
【表5】
Figure 0003725797
【0077】
【表6】
Figure 0003725797
【0078】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の塗装鋼板は、めっき皮膜中のAl含有量が20〜95mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板でありながら極めて優れた加工性と加工部耐食性を有する。また、本発明の製造方法によれば、このような塗装鋼板を安定して且つ高い生産性で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、溶融めっきされためっき金属が凝固した後のめっき鋼板を熱処理した場合において、めっき皮膜の昇温加熱温度が塗装鋼板の加工性に及ぼす影響を示すグラフ、図1(b)は、溶融めっきされためっき金属が凝固した後のめっき鋼板を熱処理した場合において、めっき皮膜の平均冷却速度(昇温加熱温度から100℃までの平均冷却速度)が塗装鋼板の加工性に及ぼす影響を示すグラフ

Claims (7)

  1. めっき皮膜中のAl含有量が20〜95mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板であって、
    前記めっき皮膜が少なくとも下記(a)の熱履歴を経て得られためっき皮膜であり、
    (a) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後、130〜300℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱され、その後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴、
    又は/及び、溶融めっきされためっき金属が凝固した後の130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴
    C=(T−100)/2 …… (1)
    前記めっき皮膜面に化成処理皮膜を有し、その上層に下記(イ)の下塗り塗膜を有し、さらにその上層に下記(ロ)の上塗り塗膜を有することを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板。
    (イ) 数平均分子量が14000〜26000、ガラス転移温度が0〜30℃のポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との反応によって得られ、且つ下記(2)式に示されるk値が0.7〜2.5である変性ポリエステル樹脂(C)と、硬化剤(D)とを主成分樹脂とする塗料を塗布して形成された乾燥塗膜厚が2μm以上の下塗り塗膜
    k=[Wb×(Ma+2×Mb)]/[(Wa+Wb)×2×Mb]…… (2)
    但し Wa:[ポリエステル樹脂(A)+エポキシ樹脂(B)]に対するポリエステル樹脂(A)の固形分重量比
    Wb:[ポリエステル樹脂(A)+エポキシ樹脂(B)]に対するエポキシ樹脂(B)の固形分重量比
    Ma:ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量
    Mb:エポキシ樹脂(B)の数平均分子量
    (ロ) 数平均分子量が5000〜20000のポリエステル樹脂(E)と硬化剤とを主成分樹脂とする塗料を塗布して形成された乾燥塗膜厚が5〜30μmの上塗り塗膜
  2. (a)の熱履歴の温度T(℃)が130〜200℃の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板。
  3. 下塗り塗膜用の塗料中に含まれる硬化剤(D)がアミノ樹脂および/またはイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板。
  4. めっき皮膜中のAl含有量が20〜95mass%の溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地鋼板とする塗装鋼板の製造方法であって、下記1)〜4)の工程を有することを特徴とする加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。
    1) 溶融めっき浴を出た鋼板のめっき皮膜に対して、少なくとも下記(a)の熱履歴を付与する工程
    (a) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後、130〜300℃の範囲の温度T(℃)に昇温加熱され、その後、温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴、
    又は/及び、溶融めっきされためっき金属が凝固した後の130〜300℃の範囲の温度T(℃)から100℃までの平均冷却速度が下記(1)式に示すC(℃/hr)以下を満足する熱履歴
    C=(T−100)/2 …… (1)
    2) めっき皮膜面に化成処理を施して化成処理皮膜を形成する工程
    3) 前記化成処理皮膜面に下記(イ)の下塗り塗料を塗布して焼付けし、塗膜厚が2μm以上の下塗り塗膜を形成する工程
    4) 前記下塗り塗膜面に下記(ロ)の上塗り塗料を塗布して焼付けし、塗膜厚が5〜30μmの上塗り塗膜を形成する工程
    (イ) 数平均分子量が14000〜26000、ガラス転移温度が0〜30℃のポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との反応によって得られ、且つ下記(2)式に示されるk値が0.7〜2.5である変性ポリエステル樹脂(C)と、硬化剤(D)とを主成分樹脂とする下塗り塗料
    k=[Wb×(Ma+2×Mb)]/[(Wa+Wb)×2×Mb]…… (2)
    但し Wa:[ポリエステル樹脂(A)+エポキシ樹脂(B)]に対するポリエステル樹脂(A)の固形分重量比
    Wb:[ポリエステル樹脂(A)+エポキシ樹脂(B)]に対するエポキシ樹脂(B)の固形分重量比
    Ma:ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量
    Mb:エポキシ樹脂(B)の数平均分子量
    (ロ) 数平均分子量が5000〜20000のポリエステル樹脂(E)と硬化剤とを主成分樹脂とする上塗り塗料
  5. (a)の熱履歴の温度T(℃)が130〜200℃の範囲であることを特徴とする請求項4に記載の加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。
  6. 下塗り塗膜用の塗料中に含まれる硬化剤(D)がアミノ樹脂および/またはイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項4又は5に記載の加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。
  7. めっき皮膜に対する(a)の熱履歴の付与を、下記(1)〜(8)のうちの少なくとも1つの段階で行うことを特徴とする請求項4、5又は6に記載の加工性と加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法。
    (1) 化成処理前
    (2) 化成処理の乾燥工程中
    (3) 化成処理終了後、下塗り塗装前
    (4) 下塗り塗装の乾燥工程中
    (5) 下塗り塗装終了後、上塗り塗装前
    (6) 上塗り塗装の乾燥工程中
    (7) 上塗り塗装終了後
    (8) 溶融めっきされためっき金属が凝固した後の冷却過程
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