JPH0774321B2 - 金属素材の塗装方法 - Google Patents

金属素材の塗装方法

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JPH0774321B2
JPH0774321B2 JP10814392A JP10814392A JPH0774321B2 JP H0774321 B2 JPH0774321 B2 JP H0774321B2 JP 10814392 A JP10814392 A JP 10814392A JP 10814392 A JP10814392 A JP 10814392A JP H0774321 B2 JPH0774321 B2 JP H0774321B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は金属素材の塗装方法に係り、さら
に詳しくは、ラクトン変性ウレタン化エポキシエステル
とフェノール樹脂の混合系に高濃度の防錆顔料およびp
H調整顔料を配合してなる焼付硬化型の高耐食性金属素
材用プライマー組成物を用いる金属素材の塗装方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属素材用のプライマーの防食能
を向上させるためクロム酸塩顔料を添加することは公知
であり、一般概念としてクロム酸塩顔料の配合量を増大
させることは防食能増につながると考えられてきた。
【0003】しかしながら、通常の塗料用樹脂ではクロ
ム酸塩顔料を増大させると、耐水性、耐湿潤付着性、耐
ブリスター性、塗膜密着性が悪くなり、いきおい低含有
率にならざるを得なかった。この点に関しては、これま
で提案されてきた各種の新規樹脂を使用するプライマー
組成物においても大同小異で、例えば、特開昭57−3
0717号ではウレタン化エポキシエステルを用いた金
属素材用プライマー組成物が提案されているが、そのク
ロム酸塩顔料の配合量は13〜22重量%程度で、耐水
性に劣り、特開昭58−87044号に於いてはアルミ
メッキ鋼板用プレコート組成物にエポキシ、ポリエステ
ル、フェノキシ、ウレタンなどを用いクロム酸塩顔料と
炭酸カルシウムを配合しているが、クロム顔料は25重
量%以下で、炭酸カルシウムを共存させるため耐水性の
低下をきたすという欠点を有している。また特開昭58
−120784号ではエポキシ、エポキシウレタンを用
いる系が示されているが、その実施例ではクロム酸塩顔
料含有率は23重量%に過ぎぬなど、従来の金属素材用
プライマー組成物ではいずれもクロム酸塩顔料は10〜
25重量%程度に抑えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、耐湿潤付着性
に優れたバインダー樹脂を選択し、塗膜密着性の改善に
より塗膜防食能を向上させると共に、クロム酸塩顔料濃
度をさらに増大させ、各種金属素材に対し有効なプライ
マー組成物を金属素材上に適用する塗装方法を提供する
ことが発明の目的である。
【0005】さらにこういった塗装方法で、折り曲げ時
の密着性を改善し、耐傷つき性の良好な高加工用塗装鋼
板を得ることも本発明の目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば上記目的
は、 (a)数平均分子量6,000〜12,000の一級ヒ
ドロキシル基を有するラクトン変性ウレタン化エポキシ
エステル樹脂(C) (b)レゾール型フェノール樹脂(D) (c)ストロンチウムクロメート顔料またはストロンチ
ウムクロメート顔料と該顔料重量以下のカルシウムクロ
メート顔料の混合物、および (d)pH調整顔料からなり、樹脂(C)と樹脂(D)
の重量比が95/5〜70/30であり、ストロンチウ
ムクロメート顔料あるいはストロンチウムクロメートと
カルシウムクロメートの混合顔料が塗料不揮発分中25
〜50重量%であり、かつpH調整顔料を塗料不揮発分
中5〜15重量%含む金属素材用プライマー組成物を
鉄、コバルト、ニッケルの少なくとも1種の重金属を析
出せしめるメッキ処理および/またはリン酸塩あるいは
クロム酸塩による化成処理のほどこされた金属素材上に
適用し、焼付乾燥後、上塗塗装を行う塗装方法により達
成せられる。
【0007】金属素材用プライマー組成物の樹脂ビヒク
ルとして従来はウレタン化エポキシエステルとメラミン
樹脂が主体であったが、本発明に於いては後述のラクト
ン変性ウレタン化エポキシエステルとフェノール樹脂の
組合せが用いられる。
【0008】本発明で用いられるラクトン変性ウレタン
化エポキシエステルは、特に耐沸水性、湿潤付着性に優
れ、且つ上塗との密着性に優れたプレコートメタルのプ
ライマー用樹脂として有効であることが見出され、特願
昭60ー45275号(昭和60年3月7日出願)とし
て特許出願されたものである。同出願明細書にも明記さ
れている如く、かかる樹脂は下記方法により好都合に製
造せられる。即ち、まずエポキシ樹脂成分として水酸基
を有する任意のものが用いられる、例えば、化2
【化2】 (式中RはH又はCH;−A−は=C(CH
−CH−、−O−、−SO−又は−S−;nは0ま
たは14の整数)で表される樹脂が使用されてよく、そ
の具体例として例えば、東都化成社製、商品名「エポト
ートYD−017」、「同YD−014」、「同YD−
011」、「同YD−128」、大日本インキ化学工業
社製、商品名「エピクロン4050」等の市販品が挙げ
られ、これらを単独またはこれらの50重量%以下をそ
の他のエポキシ樹脂(例えばポリアルキレングリコール
グリシジルエーテル等)で置換した系で構成される。上
記置換率が50重量%を越えると、耐食性、耐水性、密
着性、耐薬品性、硬化性等が低下する傾向にある。
【0009】本発明で用いられる樹脂は、まず上記エポ
キシ樹脂(a)にジカルボン酸(a)と一級ヒドロ
キシアルキル基を有する二級アミン(a)が反応せし
められるがジカルボン酸(a)としては、例えばポリ
メチレンジカルボン酸(アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸など)、芳香族ジカルボン酸(無水フタル酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など)、ダイマ
ー酸、ポリブタジエンジカルボン酸、ポリエステルジカ
ルボン酸等が挙げられ、これらの1種または2種以上を
使用に供する。特に、ポリメチレンジカルボン酸が加工
性、溶解性、相溶性の点から好ましく、中でもアゼライ
ン酸が最も好ましい、また、かかるa成分に3価のカ
ルボン酸類を併用してもよい。
【0010】水酸基を有するエポキシ樹脂に、かかるジ
カルボン酸を反応せしめることによりエポキシ環が開環
しエステル結合により該酸が樹脂中に組み入れられる。
この際、例えばアミン触媒を用いることが好ましく、本
発明においては特に一級ヒドロキシル基を有する第二級
アミン(a3)が選択使用され、触媒作用と共に該ア
ミン自体も樹脂中に組み込まれ一級ヒドロキシル基を与
えることになる。使用せられる二級アミン(a)とし
ては、例えば、ジアルカノールアミン(ジエタノールア
ミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミンな
ど)、アルキルアルカノールアミン(エチルエタノール
アミンなど)等が挙げられ、これらの1種または2種以
上を使用に供する。特に、ジアルカノールアミンが好ま
しく、中でもジエタノールアミンが最適である。
【0011】反応はエポキシ樹脂を溶融もしくは適当な
非反応性溶剤にとかした後、ジカルボン酸成分および触
媒成分を添加し、要すればNガス下、通常80〜20
0℃で1〜15時間加熱反応させればよい。ジカルボン
酸成分の組み込まれたエポキシ樹脂は、従って原料エポ
キシ樹脂の有する水酸基以外に、カルボキシル基とグリ
シジル基との反応によって生成する水酸基およびアルカ
ノールアミンの有する一級ヒドロキシル基を有する。
【0012】本発明の効果を最大限に発揮させるため上
記エポキシエステル樹脂に、化1
【化1】 (nは4〜10の整数)で表される環状エステル化合物
が反応せしめられ、第一級、第二級ヒドロキシル基に該
ラクトンが開環しエステル結合で組み込まれる。このラ
クトン変性エポキシエステル樹脂を[A]とする。
【0013】上記環状ラクトン化合物、(化1)として
は、例えばε−カプロラクトン、ζ−エナントラクト
ン、η−カプリロラクトン、あるいはそれらの環置換体
が用いられ、特に好ましいラクトンは炭素数6〜8のも
のである。
【0014】この反応には錫化合物、鉛あるいはマンガ
ンの有機塩(a)を触媒として用いることが好まし
い。特に好ましい触媒としては、化3、化4、化5
【化3】
【化4】
【化5】 (式中、Xはアルキル基、アリール基、アラルキル基、
アリルオキシ基;X’はアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、アシルオキシ基、ハロゲン、水酸基、X’’
はハロゲン原子)で表される化合物、例えば、塩化第一
錫、テトラフェニル錫、テトラオクチル錫、ジフェニル
錫ジラウレート、トリ−n−ブチル錫ハイドロオキサイ
ド、トリ−n−ブチル錫アセテート、ジメチル錫オキサ
イド、ジブチル錫オキサイド、ジラウリル錫オキサイ
ド、ジ−n−ブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジク
ロライド等がある。鉛あるいはマンガンの有機塩として
は酢酸鉛、酢酸マンガン、2−エチルヘキサン酢酸鉛、
サリチル酸鉛、安息香酸鉛等があげられる。
【0015】ラクトン変性エポキシエステル樹脂[A]
中のラクトン部分はエステル鎖に結合された状態に於い
て前記樹脂に可撓性を与える。しかしながら、本発明者
らはこのラクトン量が塗膜の軟質化のみならず、湿潤付
着性にも影響を及ぼし、樹脂中1重量%未満では満足な
湿潤付着性が得られず、他方30重量%をこえると軟質
化が過度にすぎ、また耐薬品性、耐湿性等の性能が劣化
する傾向のあることも認めており、従ってラクトン量は
樹脂の1〜30重量%の範囲内であることが特に好まし
い。
【0016】次に上記エポキシエステル樹脂[A]に部
分ブロックポリイソシアナート化合物[B]が反応せし
められるのであるが、この化合物[B]は、ポリイソシ
アナート化合物(b)とイソシアナート保護剤
(b)とを、(b)のイソシアナート基の数/(b
)の活性水素基の数の比が5/1〜5/4となるよう
な割合で反応させることにより得られる。この反応は通
常、無溶剤あるいは熱反応性溶剤中にて室温〜150℃
の温度で行われるが、(b)成分を非反応性溶剤に溶
解し50〜100℃に加熱した後、(b)成分もしく
はその適当な非反応性溶剤との溶液を滴下しつつ反応せ
しめることが、生成物[B]の品質および反応制御の点
から好ましい。
【0017】上記ポリイソシアナート化合物(b)と
しては、例えば脂肪族もしくは脂環族ジイソシアナート
化合物(ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロン
ジイソシアナート、水素化ジフェニルメタンジイソシア
ナートなど)、芳香族ジイソシアナート化合物(トリレ
ンジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4’−ジ
イソシアナートなど)、トリイソシアナート化合物等が
挙げられ、これらの1種または2種以上を使用に供す
る。特に脂肪族もしくは脂環族ジイソシアナート化合物
が、得られる樹脂の溶解性、相溶性、および加工性の点
から好適である。
【0018】上記イソシアナート保護剤(b)は、b
成分のイソシアナート基に付加して生成する付加物が
常温において安定で、且つ140〜250℃に加熱した
際に解離して遊離のイソシアナート基を再生せしめるよ
うにするものでなければならない。かかる保護剤として
は、例えばラクタム系保護剤(ε−カプロラクタム、γ
−ブチロラクタムなど)、オキシム系保護剤(メチルエ
チルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなど)ア
ルコール系保護剤(メタノール、エタノール、イソブチ
ルアルコールなど)、フェノール系保護剤(フェノー
ル、パラターシャリ−ブチルフェノール、クレゾールな
ど)が挙げられる。
【0019】本発明に係る前記樹脂[C]は、上記生成
物[A]と生成物[B]とを反応させることにより極め
て好都合に製造せられる。この場合の反応割合は、生成
物[A]に含まれる一級ヒドロキシル基の数/生成物
[B]に含まれる遊離のイソシアナート基の数の比が1
0/1〜10/8、好ましくは10/1〜10/6の範
囲となるように設定する。上記反応は通常、要すればN
ガス下50〜150℃の温度で、イソシアナート基が
実質的には存在しなくなるまで行う。また、場合によっ
てはイソシアナート基が残存していても分子量が所望の
値に達した時点で、例えば一級アルコールを加えて反応
を停止させてもよい。
【0020】この様にして製造された一級ヒドロキシル
基を有するウレタン化エポキシエステル樹脂の数平均分
子量は6,000〜12,000が適切である。分子量
が6,000未満では折曲性、耐食性が低下し、他方1
2,000を越えると塗料がゲル化する。この分子量の
調整は主としてエポキシエステル主鎖の分子量で行わ
れ、エポキシ樹脂(a)のグリシジル基のg当量/多
価カルボン酸(a)のカルボキシル基のg当量の比が
1.1〜1.4、好ましくは1.15〜1.25に配合
されることが良く、(a)と(a)の反応生成物の
酸価が2(KOHmg/g)以下、好ましくは1(KO
Hmg/g)以下になる様、反応を完結せしめることが
好ましい。
【0021】かかるラクトン変性ウレタン化エポキシエ
ステル樹脂は、分子中に反応性に優れた一級ヒドロキシ
ル基を含有し、従来より要求されている密着性、加工
性、耐食性、耐水性、耐薬品性に優れたプライマー用塗
料の提供に寄与する。
【0022】ラクトン成分が組み込まれたことにより一
級ヒドロキシル基が付与されるだけでなく、そのメチレ
ン鎖により内部応力緩和による密着性の改善、湿潤付着
性、耐沸水性の改善が得られ、加工性、ハイソリッド
化、低温硬化特性の良好なこととあいまって、プレコー
トメタル用のプライマーとして極めて好適である。
【0023】本発明にあっては、上記ラクトン変性ウレ
タン化エポキシエステル樹脂[C]がレゾール型フェノ
ール樹脂[D]と組み合わせて使用せられる。フェノー
ル類とホルマリンからアルカリの存在で縮合反応により
得られる任意のレゾール型フェノール樹脂が用いられる
が、特に好ましい樹脂は化6、
【化6】 (式中、nは0〜4;Wは−CH−、または、−CH
−O−CH−;RはCH、Hあるいは化7)
【化7】 で表されるレゾール型フェノール樹脂であり、さらにフ
ェノール性OH基をブタノール等のアルコールでエーテ
ル化したレゾール型フェノール樹脂である。
【0024】本発明に於いては、上記樹脂[C]とレゾ
ール型フェノール樹脂[D]は固型分重量比で95/5
〜70/30の割合で用いられる。というのはフェノー
ル樹脂がこの範囲より少ないと耐ブリスター性が低下
し、またこの範囲より多いと加工性の低下が認められ、
共に発明目的に対し好ましくないからである。かかる樹
脂ビヒクルを用いることにより一級ヒドロキシル基によ
る耐湿潤付着性の向上、フェノール樹脂による湿潤付着
性向上が耐食性の改善に寄与する。
【0025】本発明者らは上記樹脂ビヒクルにクロム酸
塩顔料を多量に配合しても耐水性、耐湿潤付着性、塗膜
密着性が低下しないことを見出した。従って本発明に於
いてはクロム酸塩防錆顔料が塗料の不揮発分中25〜5
0重量%の範囲で用いられ、優れた耐食性を与える。
【0026】クロム酸塩としてはストロンチウムクロメ
ートあるいはストロンチウムクロメートとカルシウムク
ロメート(混合物の50%未満)の混合物が特に有効で
あり、従って本発明に於いてはこれらが特に選択使用せ
られる。ストロンチウムクロメートとカルシウムクロメ
ートの混合物を用いる際、カルシウムクロメート量は混
合物の50%未満、ストロンチウムクロメートの10%
以上とすることが好適であって、耐食性向上のために加
えられるカルシウムクロメート量が多くなると耐ブリス
ター性の低下が認められ、かえって不都合な結果をまね
く。
【0027】尚、クロメート顔料が全不揮発分に対し2
5重量%未満、あるいは50重量%をこえるとカソード
分極効果が低下し、耐食性の低下となる。
【0028】また本発明に於いてはカソード分極効果を
増強し、金属、特に亜鉛主体の金属面の腐食部位のpH
変化を抑制する目的でpH調整顔料が配合され、組成物
のpHが6〜11の範囲に調整せられる。というのはp
H6未満では耐食性が、また11をこえると耐食性、ブ
リスター性の低下をもたらす傾向があるからである。
【0029】pH調整顔料としては、溶解度(JIS−
K−5101)が0.001〜5%の範囲内にあり、食
塩水懸濁液のpH6〜11を示すpHの調整に有効な任
意の顔料が用いられ、例えばメタホウ酸バリウム、リン
酸亜鉛、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、モリブデ
ン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、トリポリリン酸二
水素アルミニウム等が適宜組み合わされて上記目的に使
用せられる。尚、pH調整顔料は塗料不揮発分中5〜1
5重量%の範囲内で使用せられる。というのは5%未満
ではその効果が不充分であり、また15%をこえるとか
えって耐ブリスター性が低下する傾向を示すからであ
る。
【0030】このように本発明に於いては特定の樹脂ビ
ヒクルを用い耐湿潤付着性の向上をはかると共に、比較
的多量の防錆顔料とpH調整顔料を特定量配合すること
によりカソード分極効果を最大ならしめ、特に優れた耐
食性の改善をはかるものであり、コイルコーティング用
プライマー、電気器具用プレコートメタル用プライマー
など、溶融亜鉛メッキ鋼板、溶融亜鉛アルミメッキ鋼
板、電気亜鉛メッキ鋼板、冷延鋼板などに有効に使用さ
れる。
【0031】金属素材に対しては通常のリン酸塩あるい
はクロム酸塩化成処理を行うことが耐食性、塗膜密着性
の点で望ましいが、本発明者らは亜鉛メッキ鋼板に対
し、鉄、コバルト、ニッケルの少なくとも1種の重金属
を析出せしめるメッキ処理を行い、かかる金属を2〜5
00mg/m析出せしめることにより上記化成処理が
なくてもクロム酸防錆顔料を多量に含む本発明のプライ
マー組成物により優れた耐食性が得られ、耐水性、耐薬
品性、加工性、硬化性などに優れると共に塗膜密着性、
耐傷つき性の良好な塗板が得られること、上記メッキ処
理と化成処理の組合せ、特にメッキ処理のあとに化成処
理をほどこした金属素材を用いることにより、折り曲げ
時の密着性が良く、耐傷つき性の特に良好な塗装板の得
られることを見出した。従って本発明に於いては、鉄、
コバルト、ニッケルの少なくとも1種の重金属を2〜5
00mg/m析出せしめるメッキ処理および/または
リン酸塩あるいはクロム酸塩化成処理のほどこされた金
属素材に、上記のプライマー組成物を適用し、焼付乾燥
後、上塗塗装を行う塗装方法が提供せられる。
【0032】前記のメッキ処理には鉄、コバルト、ニッ
ケルの少なくとも1種の金属イオンを含む酸性水溶液が
用いられるが、FeSiF、Fe(BF、Co
SiF、Co(BF、NiSiF、Ni(B
等の錯弗化物の1種あるいは2種以上を含む水
溶液を用いることが密着性の向上には特に有用である。
メッキに際しては通常かかる重金属塩の0.1〜50重
量%水溶液に金属素材を浸漬するとか、該水溶液をスプ
レーにより適用し、所望により水洗、液切り後、乾燥せ
しめればよい。この接液は常温〜80℃で1秒〜10分
間程度で充分である。
【0033】金属析出量につき、本発明者らは2mg/
未満では密着性改善効果が認められず500mg/
をこえても格段の改善は得られず、不経済であるた
め、2〜500mg/mの範囲内で適宜選択せられる
ことを見出した。折り曲げ時の密着性、コインスクラッ
チ性等を特段に向上せしめるこのメッキ処理は高加工用
亜鉛メッキ鋼板、即ち180°の折り曲げ加工部位にメ
ッキ割れが発生しないか、わずかしか亀裂が入らない鋼
板、例えば目付量180g/m(両面)以下の低目付
の鋼板あるいは鉛成分濃度は極めて小さいメッキ浴から
製造される極低鉛亜鉛メッキ鋼板などに対し、特に有用
である。
【0034】メッキ処理および/または通常のリン酸塩
あるいはクロム酸塩化性処理のほどこされた金属素材に
対し、本発明にかかるプライマー組成物が、通常乾燥膜
厚で3〜10μ程度に適用せられる。プライマー膜厚が
3μ未満であると耐傷つき性、密着性、耐食性が低下す
る傾向があり、また10μをこえると密着性が低下する
傾向がある。プライマー組成物の適用に際しては、スプ
レー、ロールコート、シャワーコートなど適宜な塗装方
法が採用され、250℃以下の温度、好ましくは180
〜250℃で焼付乾燥が行われる。
【0035】本発明に於いては次に上塗塗料が常法によ
り適用され、加工性、耐食性、耐傷つき性に優れた塗装
板が製造せられる。既に述べた如く、金属素材の前処理
としてはメッキ処理、化成処理いずれも用いられるが、
メッキ処理単独あるいはメッキ処理のあと化成処理を行
うことにより耐食性のみならず、特に塗膜密着性、加工
性、耐傷つき性に優れた塗装板を容易に得ることができ
る。
【0036】以下実施例により本発明を説明する。特に
ことわりなき限り、部および%は重量による。
【0037】
【実施例1】 プライマー塗料の調合 (a)ラクトン変性ウレタン化エポキシエステル(樹脂C) 別途製法記載 不揮発分として 28部 (重量部、以下同様) (b)レゾール型フェノール樹脂(樹脂B)としてBKS−316(昭和高分子 株式会社製) 不揮発分として 7部 (c)ストロンチウムクロメート顔料 40部 (d)リン酸亜鉛顔料 10部 (e)酸化チタン 15部 (f)シクロヘキサノン(粘度調整用溶剤) (a)の樹脂溶液に(c)(d)(e)を加え、3本ロ
ールを用いて十分混練した後、(b)の樹脂を加え、
(f)の溶剤を加えて適度に粘度調整して塗料組成物を
得る。
【0038】供試塗板の作成 リン酸亜鉛被膜処理された溶融亜鉛メッキ鋼板(亜鉛目
付量250g/m(両面)、リン酸亜鉛被膜量1g/
、板厚0.35m/m)に前掲プライマー塗料を塗
装した。(乾燥膜厚5μ、最高到達板温(PMT)22
0℃、焼付時間60秒)次いでポリエステル系上塗塗
料、弊社製商品各スーパーラックDIFOX−97塗料
を塗装した。(乾燥膜厚12μ、PMT210℃)上記
の塗装した鋼板を用いて下記の試験を行い性能評価し、
その結果を第1表に示した。
【0039】試験法 折り曲げ加工性 同板厚の2枚を間にはさみ、20℃
にてバイス圧着させる加工部位のテープ剥離状態より判
定。(2TT) (判定基準 別掲) 沸水ブリスター性 供試塗板を沸騰水浴に8時間浸漬
し、塗面のフクレ有無にて判定する。 耐塩水噴霧試験性 素地までカットを入れた試験片を塩
水噴霧試験機(JIS−Z−2371)で試験し、10
00H経過後カット部をテープ剥離する。
【0040】評価基準 折り曲げテープ剥離 ◎ 全くはがれない (実用性有り) ○ 1〜2点はがれる (実用性有り) △ わずかにはがれる (実用上問題有り) × 半分以上はがれる (実用上問題有り) JIS−K−5400塗料一般試験法による耐沸水性試
験 (8時間浸漬後の目視判定による) ○ 全く異常がない (実用性有り) △ ツヤびけ (実用上問題有り) × ふくれ (実用上問題有り) 耐塩水噴霧性試験 ◎ 剥離巾 0mm ○ 1.0mm以下 △ 1.1〜2.0mm × 2.1mm以上
【0041】
【実施例2〜8および比較例1〜8】実施例1と同様方
法で、但し、プライマーは表に示す組成のものに変更し
試験片を作成した。
【0042】各試験片を用いて実施例1と同様の試験を
行い性能評価し、それらの結果を表1〜6に示した。 樹脂C: ε−カプロラクトン変性ウレタン化エポキシ
エステル樹脂 (製法別紙) 樹脂B: レゾール型フェノール樹脂 BKS−316
(昭和高分子(株)製) ストロンチウムクロメー
ト: ストロンチウムクロメートN (菊池色素工業
(株)製) カルシウムクロメート: クロム酸カルシウムD (菊
池色素工業(株)製) リン酸亜鉛: Sicor Zmp/S (BASF社
製) 酸化チタン: チタンCR−91 (石原産業(株)
製) 炭酸カルシウム: 重炭N(丸尾カルシウム(株)製) トリポリリン酸二水素アルミニウム: K−ホワイト−
82 (帝国化工(株)製
品) ウレタン化エポキシエステル樹脂: 別紙 メトキシメチル化メラミン: サイメール303 (A
CC社製)
【0043】樹脂Cの製法 エポキシ樹脂(東都化成社製商品名「エポトートYD−
014」、エポキシ当量950)475部をキシロール
95部およびセロソルブアセテート119部に溶解した
後、アゼライン酸39.2部およびジエタノールアミン
8.3部を加え、145℃で6時間反応し、樹脂固型分
の酸価が1.1KOHmg/gになり溶液の温度が10
0℃になったところでブラクセルM(ダイセル化学社製
商品名ε−カプロラクトン)105部及び塩化第1錫
0.3部を加えた後、140℃まで昇温する。この温度
で保温しながら経時サンプリングを実施し、IRにて未
反応ε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以
上になった時点で反応を終了する。反応終了後キシロー
ル209部およびメチルエチルケトン130部を加え、
冷却して生成物[A−1]を得る。
【0044】別途、イソホロンジイソシアナート222
部をセロソルブアセテート222部に溶解し80℃まで
加熱した後、ε−カプロラクタム113部とセロソルブ
アセテート113部の溶液を1時間にわたって滴下しつ
つ反応させる。滴下終了後、更に3時間にわたり80℃
に保温しながら反応を完結させ、イソシアナート当量6
70g当量の生成物[B]を得る。
【0045】次に、先の生成物[A−1]に生成物
[B]55.9部およびセロソルブアセテート118部
を加え、100℃で3時間反応した所でイソプロピルア
ルコール102部を加え、冷却して熱硬化性樹脂溶液
[C]を得る。この樹脂固型分中のラクトン含有率は1
6重量%である。
【0046】ウレタン化エポキシエステル樹脂の製法 エポキシ樹脂(東都化成社製 商品名「エポトートYD
−014」、エポキシ当量950)475部をキシロー
ル95部およびセロソルブアセテート119部に溶解し
た後、アゼライン酸39.2部およびジエタノールアミ
ン8.3部を加え、145℃で6時間反応し、樹脂固型
分の酸価が1.1KOHmg/gになったところでキシ
ロール209部およびメチルエチルケトン130部を加
え、冷却して生成物[A−2]を得る。
【0047】3次に、先の生成物[A−2]に生成物
[B]55.9部およびセロソルブアセテート118部
を加え、100℃で3時間反応させた所でイソプロピル
アルコール102部を加え、冷却して熱硬化性樹脂溶液
を得る。
【0048】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0049】
【実施例9】供試塗板の作成 市販の高加工用溶融亜鉛メッキ鋼板[0.50m/m、
目付量90g/m両面]を塗布型クロメート被膜処理
(日本ペイント社製 クロメート処理剤 ノンリンスコ
ート300、乾燥被膜中クロム付着量(金属換算)40
mg/m)したものに実施例3のプライマー塗料を用
いる外は、実施例1と同様にプライマー塗装および上塗
塗装した。評価結果を表7に示す。
【0050】
【実施例10】供試塗板の作成 実施例9の鋼板を硅弗化ニッケル溶液(0.2g当量/
1)に50℃で5秒間浸漬し、水洗後熱風乾燥(100
℃×1分)する方法でニッケルメッキした後(ニッケル
付着量15mg/m片面)、実施例9と同様にクロメ
ート処理、次いでプライマー塗装、上塗塗装した。結果
を表7に示す。
【0051】
【実施例11】供試塗板の作成 アルミニウム5%含有溶融亜鉛メッキ鋼板[0.40m
/m、目付量250g/m両面]を硅弗化鉄溶液
(0.2g当量/1)に50℃で15秒間浸漬し、水洗
後熱風乾燥(100℃×1分)する方法で鉄メッキした
後(鉄付着量10mg/m片面)、クロメート処理す
ることなく実施例9と同様にプライマー塗装、上塗塗装
した。結果を表7に示す。
【0052】
【表7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 302 S 7717−4D U 7717−4D C09D 5/00 PPF 5/08 PPX PQE

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄、コバルト、ニッケルの少なくとも1
    種の重金属を2〜500mg/m析出せしめるメッキ
    処理および/またはリン酸塩、あるいはクロム酸塩によ
    る化成処理のほどこされた金属素材に、 (a)数平均分子量6,000〜12,000の一級ヒ
    ドロキシル基を有するラクトン変性ウレタン化エポキシ
    エステル樹脂(C) (b)レゾール型フェノール樹脂(D) (c)ストロンチウムクロメート顔料またはストロンチ
    ウムクロメート顔料と該顔料重量以下のカルシウムクロ
    メート顔料の混合物、および (d)pH調整顔料からなり、樹脂(C)と樹脂(D)
    の重量比が95/5〜70/30であり、ストロンチウ
    ムクロメート顔料あるいはストロンチウムクロメートと
    カルシウムクロメートの混合顔料が塗料不揮発分中25
    〜50重量%であり、かつpH調整顔料を塗料不揮発分
    中5〜15重量%含むことを特徴とする金属素材用プラ
    イマー組成物を適用し、焼付乾燥後、上塗塗装を行うこ
    とを特徴とする金属素材の塗装方法。
  2. 【請求項2】 一級ヒドロキシル基を有するラクトン変
    性ウレタン化エポキシエステル樹脂(C)が、水酸基を
    有するエポキシ樹脂、ジカルボン酸および一級ヒドロキ
    シアルキル基を有する第二級アミンの反応生成物に、化
    1 【化1】 (nは4〜10の整数)で表される環状エステル化合物
    を反応させて得られる生成物(A)と、ポリイソシアナ
    ート化合物にイソシアナート保護剤をイソシアナート基
    の数/保護剤中の活性水素の数の比が5/1〜5/4と
    なるように反応させて得られるブロックイソシアナート
    化合物(B)とを、上記第二級アミンの一級ヒドロキシ
    ル基の数/化合物(B)に含まれる遊離イソシアナート
    基の数の比が、10/1〜10/8となるように反応さ
    せて得られるものである特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 金属素材が亜鉛メッキ鋼板あるいはアル
    ミニウム亜鉛合金溶融メッキ鋼板である特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】 重金属析出メッキ処理を行い、次いで、
    化成処理を行う特許請求の範囲第1項記載の方法。
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