JP2002322384A - 緑色用色素製剤 - Google Patents
緑色用色素製剤Info
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Abstract
提供する。 【解決手段】 320〜420nmの波長領域に吸収を
有する酸化防止剤と青色色素を含有する緑色用色素製
剤。
Description
を緑色に着色するのに適した色素製剤に関するものであ
る。更に詳しくは、耐光性及び耐酸性に優れた緑色用色
素製剤、及びこれにより着色された飲食品、化粧品に関
するものである。
品が販売されている。そして、緑色色素は、一般に、ベ
ニバナ黄色色素及びクチナシ青色色素を混合して調製さ
れている。ところが、この緑色色素で着色された飲食品
は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで陳列
されている間に、蛍光灯の光によって徐々に色調が変化
し、色あせていくという問題点がある。また、この緑色
色素で着色された飲食品は耐酸性が充分ではなく、酸性
飲食品に使用された場合、褪色するという問題点もあっ
た。
黄色色素、クチナシ黄色素、カロチン色素またはマリー
ゴルド色素等の天然の黄色色素と、合成の青色色素を組
み合わせる技術があるが(特開2000−253850
号公報)、耐光性および耐酸性は、いまだ満足のいくも
のでは無い。
する課題は、耐光性及び耐酸性に優れた緑色色素の開発
である。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の波長領域に
吸収を有する酸化防止剤と青色色素を組み合わせること
により、耐光性及び耐酸性に優れた緑色色素が調製でき
ることを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明の第
1の要旨は、320〜420nmの波長領域に吸収を有
する酸化防止剤と青色色素を含有する緑色用色素製剤に
存する。
抽出物、茶抽出物、またはプロアントシアニジンである
前記緑色用色素製剤である。第3の要旨は、青色色素が
クチナシ青色色素またはスピルリナ色素である前記緑色
用色素製剤である。第4の要旨は、前記緑色用色素製剤
で着色された飲食品である。第5の要旨は、前記緑色用
色素製剤で着色された化粧品である。
0〜420nmの波長領域に吸収を有する酸化防止剤と
青色色素を含有する。酸化防止剤は、320〜420n
mの波長領域に吸収を有するものであれば特に制限され
ないが、例えば、ローズマリー等のハーブ系抽出物、カ
テキン等の茶抽出物、アントシアニン等のブルーベリー
抽出物、プロアントシアニジン等のブドウ種子物、りん
ご抽出物、ペドウンクラギン等であるエラグタンニンの
グアバ抽出物、ユーカリ抽出物、甜茶抽出物、縮合型タ
ンニンの烏龍茶抽出物などが挙げられる。中でも、ロー
ズマリー抽出物、茶抽出物、プロアントシアニジンが好
ましく、ローズマリー水溶性抽出物が更に好ましい。
であるマンネンロウ(Rosmarinus officialis Linne)
の乾燥葉などから、水やアルコール等の極性溶媒、ヘキ
サン等の非極性溶媒を使用して得られる抽出物であり、
α−ピネン、カンフェン、シネオール、カンファー、ボ
ルネオール、ボルニル・アセテート、ウルソール酸、ロ
ーズマリー酸、タンニン及びフラボノイドを含む混合物
である。抽出液は、必要に応じ、ケイ酸カラム、活性炭
などを使用して精製される(特開昭55−18435号
公報、特開昭55−102508号、特開平8−678
74号公報等)。そして、ローズマリー抽出物として
は、抽出溶媒や抽出液の処理方法により、水溶性または
非水溶性のものが得られる。
水率40〜60重量%のエタノールを使用して得られる
抽出液に水を加えて非水溶性成分を析出させ、必要に応
じ、活性炭処理して得られた濾液から溶媒を留去乾燥す
ることにより得られる(特開昭55−18437号公報
参照)、抽出には、ローズマリーの全草、または、その
葉、根、茎、花、果実、種子のいずれを用いてもよい
が、好ましくは葉を使用する。ローズマリーを刻んでか
ら抽出した方が抽出効率が高く好ましい。
定するものではなく、植物学的にはツバキ科の植物であ
るCamellia sinensisの葉より製造さ
れる不発酵茶である緑茶、半発酵茶である烏龍茶、発酵
茶である紅茶が挙げられる。それらの中で、好ましくは
不発酵茶である緑茶を用いるのがよい。抽出物は、茶葉
または茶葉を粉砕したものを、水または熱水もしくはグ
リセリンやエタノールなどのアルコールにより抽出した
画分、または酢酸エチル可溶画分、アセトン可溶画分よ
り得たものなどが挙げられる。使用する茶抽出物中のカ
テキンの含量は、60重量%以上が好ましく、80重量
%以上が更に好ましい。これらカテキン類の総含量は、
酒石酸鉄を用いた比色定量法により測定可能であるが、
各カテキン類の組成を詳細に測定するためには、逆相高
速液体クロマトグラフィーで測定することが望ましい。
茶抽出物よりカテキンを単離精製したものを使用しても
よい。尚、カテキンは、エピカテキン、エピガロカテキ
ン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート
の4種類がある。
主成分である。ブドウ種子物は、各植物中に存在する縮
合型タンニン、すなわちフラバン−3−オール、フラバ
ン−3,4−ジオールを構成単位として縮合もしくは重
合により結合した化合物群である。これらは酸処理によ
りシアニジン、デルフィニジン、ペラルゴニジン等のア
ントシアニジンを生成し、上記構成単位の2量体、3量
体、4量体、さらに10量体以上の高分子のプロシアニ
ジン、プロデルフィニジン、プロペラルゴニジン等のプ
ロアントシアニジン及びこれらの立体異性体等を含むも
のである。ブドウ種子物中のプロアントシアニジンはそ
の他に、各種植物体、例えばブドウ果皮、クランベリー
果実、リンゴ果実、小豆、杉、桧、松の樹皮等から熱水
あるいは含水アルコールで抽出して得ることができる。
また、プロアントシアニジンをメイン成分とするブドウ
種子物は市販品、例えばキッコーマン(株)が製造・販
売するKPA(商品名)を使用することもできる。
域において吸収を有するが、通常、グラム吸光係数(L
/(mg・cm))が約50以上、好ましくは100以
上であり、更に好ましくは200以上である。この波長
領域に吸収を有さない抗酸化剤を使用すると、青色色素
と組み合わせても緑色にならない。また、本発明におい
て用いることのできる天然の青色色素は、食品色素とし
て用いられる青色色素であれば、いずれの青色色素を使
用してもよく、例えば、スピルリナ青色色素、クチナシ
青色色素、青色一号、青色二号、青色一号レーキ、青色
二号レーキなどを挙げることができるが、好ましくは、
スピルリナ青色色素、クチナシ青色色素であり、鮮やか
さの面からスピルリナ青色色素が特に好ましい。スピル
リナ青色色素とローズマリー水溶性抽出物の組み合わせ
が、透明飲料への使用に特に適している。
常、スピルリナのスプレー乾燥粉末を熱水抽出する。熱
水抽出条件としては、通常、4〜20倍量(重量比)、
好ましくは5〜10倍量(重量比)の水に懸濁させ、8
0℃以上、好ましくは還流温度の温度条件にて、30分
以上、好ましくは1時間程度抽出すればよい。次に得ら
れた熱水抽出懸濁液を、好ましくは3000回転以上
で、10〜30分間遠心分離を行い、その上澄み液を分
離採取し、熱水抽出物を得る。
から、クチナシ黄色成分を除去したゲニポサイドなどの
イリノイド配糖体を酵素処理して得られる。本発明の緑
色用色素製剤は、抗酸化剤と青色色素の粉体混合物であ
る。この色素製剤は、抗酸化剤と青色色素を粉末混合し
て調製してもよいが、抗酸化剤水溶液と青色色素水溶液
を混合した後に乾燥して調製してもよい。抗酸化剤と青
色色素の重量比は、抗酸化剤の種類によって異なるが、
青色色素の色価が50〜70の場合には、通常20〜9
5:80〜5の範囲から適宜選択される。例えば、抗酸
化剤としてローズマリー抽出物、茶抽出物を使用する場
合には、青色色素の色価が50〜70の場合、通常60
〜95:40〜5、好ましくは70〜95:30〜5で
ある。また、抗酸化剤としてプロアントシアニジンを使
用する場合には、青色色素の色価が50〜70の場合、
通常20〜95:80〜5、好ましくは30〜95:7
0〜5である。
果を損なわない範囲で、他の成分を含有してもよい。こ
のようにして調製された本発明の緑色用色素製剤で着色
できる飲食品としては、緑色に着色されることが求めら
れるものであれば特に制限されないが、好ましくは、茶
飲料、酸性飲料、アルコール飲料、ヨーグルト、ゼリー
食品、グミ、キャンディーであり、特に茶飲料の着色に
適している。酸性飲料のpHは、通常2.8〜4.5、
好ましくは3〜4である。
る方法は、緑色用色素製剤を粉末のまま飲食品に添加し
てもよいし、緑色用色素製剤を水に溶解して緑色色素水
溶液として添加してもよい。本発明の緑色用色素製剤で
着色された飲食品には、抗酸化剤と青色色素を予め混合
せず、別々に飲食品に添加して緑色に着色されたものも
含まれる。この場合、抗酸化剤、青色色素は、粉体のま
ま飲食品に添加してもよいし、水溶液にして飲食品に添
加してもよい。
て0.001〜1重量%添加することが好ましい。本発
明の緑色用色素製剤は、化粧品の着色にも適している。
溶液を表1に記載の割合で混合した。混合液の色調(L
*,a*,b*値)を吸収スペクトル(380〜780n
m)から算出した。結果を表1に示す。 比較例1 ローズマリー水溶性抽出物の代わりにL−アスコルビン
酸(抗酸化剤)を用いた以外は、実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。 比較例2 下記に示す、青色色素水溶液、黄色色素水溶液、赤色色
素水溶液を、1:1:1の重量比で混合して、緑色色素
水溶液を調製した。この溶液の色調を、実施例1と同様
にして算出した。
製)を水で10,000倍に希釈しをものを、水100
重量部に対し1重量部添加したもの。 黄色色素水溶液:100倍に希釈したマリーゴールド色
素(三栄源FFI製)を水100重量部に対し1重量部添
加したもの。 赤色色素水溶液:100倍に希釈したSRレッドK3
(三栄源FFI製) を水100重量部に対し1重量部添加し
たもの。
ズ(株) 商品名;リナブルーA 茶抽出物:常磐植物科学研究所製 商品名;ティアカロ
ン60 ぶどう種子物:常磐植物科学研究所製 商品名;ビノフ
ェノン プロアントシアニジン含有率 95〜99% L−アスコルビン酸(食添用):ナカライ製 スピルリナ:三菱化学フーズ(株) 商品名;リナブル
ーA(色価57−65)Δabは、比較例2の緑色色素水
溶液を基準とする。
可能なので、a*値、b*値で決定される。表1の結果よ
り、本発明の抗酸化剤と青色色素を混合すると、比較例
2の水溶液に近い緑色を呈することが解る。又、320
〜420nmの波長領域に吸収を有さない抗酸化剤(L
−アスコルビン酸)を用いると、緑色を呈さないことが
わかる。
ルリナの混合水溶液を調製した。これを透明容器に入れ
て6,000 ルクスの光照射機で7日間連続して、光照射を
行った。製造直後及び7日後の水溶液の色調(L*,
a*,b*値)を吸収スペクトル(380〜780nm)
から算出した。なお、製造直後の色調に対し、蛍光灯の
光を連続照射した水溶液の色調の変化をΔE/E(%)
で表す。結果を表2に示す。 比較例3 比較例2で調製した緑色色素水溶液を、実施例4と同様
の方法で耐光性試験を行った。その結果を表2に示す。
を示す指標値である。Eは製造直後、すなわち、調製直
後の色調を示し、ΔEは、製造直後と7日後の色調変化
の差を示す。ΔE/E(%)は初期から変化した割合を示
し、数値が大きくなるほど、目で見た色の違いがわか
る。実施例4のΔE/Eの値が比較例3より小さいことよ
り、実施例4の方が比較例3より褪色及び色調変化が少
ないことが分かった。
を水99.75 部に溶解して酸性飲料(pH3.0)を得た。
この酸性飲料に対して、実施例1で調製したローズマリ
ー水溶性抽出物とスピルリナの混合水溶液を、3、1
0、30重量%添加して、この色素で着色された酸性飲
料を得た。
の方法で耐光性試験を行った。その結果を表4に示す。
料の色調の変化は、色素の濃度が高くても、ΔE/E
(%)=3.0「 きわめてわずかに異なる」 程度であっ
た。 実施例8〜10 25度の焼酎(製品名称「いいちこ」)に対して、実施
例1で調製したローズマリー水溶性抽出物とスピルリナ
の混合水溶液を、3、10、30重量%添加して、この
色素で着色されたアルコール飲料を得た。これを透明容
器に入れて実施例4と同様の方法で、耐光性試験を行っ
た。その結果を表5に示す。
ール飲料の色調の変化は、色素の濃度が高くても、ΔE
/E(%)=3.8「 きわめてわずかに異なる」 程度であっ
た。 比較例4 実施例1で調製したローズマリー水溶性抽出物とスピル
リナの混合水溶液の代わりに天然色素である市販品A
(紅麹黄色色素:ベニバナ黄色色素:クチナシ青色色素
(重量比)=20:58:22)を飲料に対して0.05%
添加した以外は実施例5と同様の方法で酸性飲料を調製
し耐光性試験を行った。結果を表6に示す。
の色調の変化は、ΔE/E(%)=21.08「感知しえるほど
に異なる」 となり、明らかに色調が変化し、褪色して
いた。 比較例5 実施例1で調製したローズマリー水溶性抽出物とスピル
リナの混合水溶液の代わりに合成着色料である市販品B
(青色4号:黄色1号(重量比)=29:71)を飲料
に対して0.0003%添加した以外は実施例5と同様の方法
で酸性飲料を調製し耐光性試験を行った。結果を表7に
示す。
化は、ΔE/E(%)=25.75「感知しえるほどに異なる」
となり、明らかに色調が変化し、褪色していた。
酸性に優れることから、酸性飲食品の使用にも適し、ま
た、着色された飲食品を長期間ショーケースに保存して
も、蛍光灯の光による褪色が防止されるので、商品のラ
イフサイクルを高めることができる。又、本発明の緑色
用色素製剤は化粧品の着色にも適している。
Claims (6)
- 【請求項1】 320〜420nmの波長領域に吸収を
有する酸化防止剤と青色色素を含有する緑色用色素製
剤。 - 【請求項2】 酸化防止剤が、ローズマリー抽出物、茶
抽出物、またはプロアントシアニジンである請求項1に
記載の緑色用色素製剤。 - 【請求項3】 青色色素が、クチナシ青色色素またはス
ピルリナ青色色素である請求項1または2に記載の緑色
用色素製剤。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の緑色
用色素製剤で着色された飲食品。 - 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の緑色
用色素製剤で着色された茶飲料。 - 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかに記載の緑色
用色素製剤で着色された化粧品。
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2001
- 2001-04-25 JP JP2001127300A patent/JP4283459B2/ja not_active Expired - Fee Related
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