JP4504118B2 - アルコール飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、アルコール飲料に関する。
エタノールを摂取すると、肝臓においてアルコール脱水素酵素(ADH)の働きによって酸化され、アセトアルデヒドに変換される。アセトアルデヒドは更にアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の働きによって酢酸に変換され、体外に排泄される。
しかし、アルコールの代謝生成物であるアセトアルデヒドが十分に代謝されないで体内に蓄積している状態は、いわゆる「酔い」が生じている状態であり、アルデヒドが体内に蓄積すると皮膚紅潮や悪酔いを生じさせ、さらには頭痛、吐気等の二日酔いの症状を引き起こす。
そこで、悪酔いや二日酔い、心臓の動きを弱めるアルコールの欠点を解消するために、健康アルコール飲料が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特開昭61−166390号公報
しかし、上記欠点を解消するために用いるサポニンは低濃度でも溶血作用を有するという問題点があった。
したがって、溶血作用がなく、安全性の高い植物由来の素材による悪酔いや二日酔いを低減することができるアルコール飲料を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記実情を鑑み、アルコール代謝を向上する植物抽出物を鋭意検討した結果、プロアントシアニジンがアルコール代謝向上作用を有すること、特にプロアントシアニジンを含む松樹皮の抽出物が優れたアルコール代謝向上作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、乾燥重量で20重量%以上のオリゴメトリック・プロアントシアニジンを含む松樹皮抽出物を添加した、アルコール飲料である。
より好ましい実施様態は、アスコルビン酸が添加された、アルコール代謝向上に優れた請求項1に記載のアルコール飲料である。
松樹皮抽出物は天然物質であり、それ故、安全性が高く、アルコールの代謝を向上することで悪酔いや二日酔いを低減することができた。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
ルコール飲料に添加されるプロアントシアニジンとは、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2以上の縮重合体からなる化合物群をいう。
このプロアントシアニジンとしては、重合度の低い縮重合体が多く含まれるものが好ましく添加される。
重合度の低い縮重合体としては、重合度が2〜30の縮重合体(2〜30量体)が好ましく、重合度が2〜10の縮重合体(2〜10量体)がより好ましく、重合度が2〜4の縮重合体(2〜4量体)が特に好ましい。この重合度が2〜4の縮重合体を、本明細書ではOPC(オリゴメリック・プロアントシアニジン;oligomeric proanthocyanidin)という。
プロアントシアニジンは、ポリフェノール類の一種で、植物が作り出す強力な抗酸化物質であり、植物の葉、樹皮、果物の皮もしくは種の部分に集中的に含まれている。プロアントシアニジン、特にOPCは、具体的には、松、樫、山桃などの樹皮、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、アボガド、ニセアカシア、コケモモの果実もしくは種子、大麦、小麦、大豆、黒大豆、カカオ、小豆、トチの実の殻、ピーナッツの薄皮、イチョウ葉などに含まれている。また、西アフリカのコーラナッツ、ペルーのラタニアの根、日本の緑茶にも極微量ではあるが、OPCが含まれることが知られている。OPCは、ヒトの体内では、生成することのできない物質である。
本発明のアルコール飲料に松樹皮の抽出物を添加する。松樹皮は、プロアントシアニジンの中でもOPCに富むため、添加される。
以下、OPCを豊富に含む松樹皮の抽出物を例に挙げて、プロアントシアニジンの調製方法を説明する。
本発明の松樹皮抽出物としては、フランス海岸松(Pinus Martima)、カラマツ、クロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、リュウキュウマツ、ウツクシマツ、ダイオウマツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネダなどのマツ目に属する植物の樹皮抽出物が好ましく用いられる。中でも、フランス海岸松(Pinus Martima)の樹皮抽出物が好ましい。
フランス海岸松は、南仏の大西洋沿岸の一部に生育している海洋性松をいう。このフランス海岸松の樹皮は、プロアントシアニジン、有機酸、ならびにその他の生理活性成分などを含有し、その主要成分であるプロアントシアニジンに、活性酸素を除去する強い抗酸化作用があることが知られている。
松樹皮抽出物は、上記の松樹皮を水または有機溶媒で抽出して得られる。水を用いる場合には、温水または熱水が用いられる。抽出に用いる有機溶媒としては、食品あるいは薬剤の製造に許容される有機溶媒が用いられ、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、および1,1,2−トリクロロエテンが挙げられる。これらの水および有機溶媒は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。特に、熱水、含水エタノール、および含水プロピレングリコールが好ましく用いられる。
松樹皮からプロアントシアニジンを抽出する方法は、特に限定されないが、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法などが用いられる。
超臨界流体抽出法は、物質の気液の臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超えた状態の流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。超臨界流体としては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、亜酸化窒素(笑気ガス)などが用いられ、二酸化炭素が好ましく用いられる。
超臨界流体抽出法では、目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程と、目的成分と超臨界流体とを分離する分離工程からなる。分離工程では、圧力変化による抽出分離、温度変化による抽出分離、または吸着剤・吸収剤を用いた抽出分離のいずれを行ってもよい。
また、エントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行ってもよい。この方法は、超臨界流体に、例えば、エタノール、プロパノール、n−ヘキサン、アセトン、トルエン、その他の脂肪族低級アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、またはケトン類を2〜20W/V%程度添加し、得られた抽出流体で超臨界流体抽出を行うことによって、OPC、カテキン類(後述)などの目的とする被抽出物の抽出溶媒に対する溶解度を飛躍的に上昇させる、あるいは分離の選択性を増強させる方法であり、効率的に松樹皮抽出物を得る方法である。
超臨界流体抽出法は、比較的低い温度で操作できるため、高温で変質・分解する物質にも適用できるという利点;抽出流体が残留しないという利点;および溶媒の循環利用が可能であり、脱溶媒工程などが省略でき、工程がシンプルになるという利点がある。
また、松樹皮からの抽出は、上記の方法以外に、液体二酸化炭素回分法、液体二酸化炭素還流法、超臨界二酸化炭素還流法などにより行ってもよい。
松樹皮からの抽出は、複数の抽出方法を組み合わせてもよい。複数の抽出方法を組み合わせることにより、種々の組成の松樹皮抽出物を得ることが可能となる。
本発明のアルコール飲料に添加される松樹皮抽出物は、具体的には、以下のような方法により調製されるが、これは例示であり、この方法に限定されない。
フランス海岸松の樹皮1kgを、塩化ナトリウムの飽和溶液3Lで、100℃にて30分間、抽出し、抽出液を得る(抽出工程)。その後、抽出液をろ過し、得られる不溶物を塩化ナトリウムの飽和溶液500mLで洗浄し、洗浄液を得る(洗浄工程)。この抽出液と洗浄液を合わせて、松樹皮の粗抽出液を得る。
次いで、この粗抽出液に酢酸エチル250mLを添加して分液し、酢酸エチル層を回収する酢酸エチル層回収工程を5回行う。なお、この酢酸エチル層回収工程では、酢酸エチル層を、無水硫酸ナトリウム200gに直接回収する。その後、この酢酸エチル層を濾過し、濾液を元の5分の1の量になるまで減圧濃縮する。濃縮された酢酸エチル層を2Lのクロロホルムに注ぎ、攪拌して得られる沈殿物を濾過により回収する。その後、この沈殿物を酢酸エチル100mLに溶解した後、再度1Lのクロロホルムに添加して沈殿させる操作を2回繰り返す洗浄工程を行う。この方法により、カテキン類を5重量%以上含有し、2〜4量体のOPCを20重量%含む、約5gの松樹皮抽出物が得られる。
また、本発明においては、食品に添加するときの安全性の観点から、松樹皮をエタノールまたは水等を用いて、より好ましくは加温しながら松樹皮からプロアントシアニジンを抽出し、吸着性の樹脂(ダイアイオンHP−20、Sephadex−LH20、キチン等)などや限外ろ過膜を用いて、プロアントシアニジンの含有量が高められた松樹皮抽出物を添加することが好ましい。
また、植物抽出物中のプロアントシアニジン含有量の上限は、特に制限されないが、植物抽出物中のプロアントシアニジン含有量が高濃度となると、プロアントシアニジン自身の生理活性が低くなることがあるため、植物抽出物中のプロアントシアニジン含有量が90重量%未満、好ましくは85重量%未満であることが好ましく、さらに好ましくは80重量%未満である。
上記松樹皮のような原料植物に由来する抽出物は、OPCを乾燥重量換算で好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上含有する。このようにOPCを高い割合で含有する原料として、松樹皮抽出物が好ましく添加される。
なお、上記のように水やエタノールを用いて植物体から抽出した抽出物中には、5量体以上のプロアントシアニジンも含有するが、プロアントシアニジンの極性溶媒への溶解度から、そのほとんどは10〜20量体以下である。
上記植物抽出物には、プロアントシアニジン、特にOPCとともにカテキン(catechin)類が上記原料植物抽出物中に5重量%以上含まれていることが好ましい。カテキン類とは、ポリヒドロキシフラバン−3−オールの総称である。カテキン類としては、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレートなどが知られている。上記松樹皮のような原料植物由来の抽出物からは、狭義のカテキンといわれている(+)−カテキンの他、ガロカテキン、アフゼレキン、ならびに(+)−カテキンまたはガロカテキンの3−ガロイル誘導体が単離されている。カテキン類には、発癌抑制作用、動脈硬化予防作用、脂肪代謝異常の抑制作用、血圧上昇抑制作用、血小板凝集抑制作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用、抗菌作用、虫歯予防作用、口臭防止作用、腸内細菌叢正常化作用、活性酸素やフリーラジカルの消去作用、抗酸化作用などがあることが知られている。カテキン類には、血糖の上昇を抑制する抗糖尿病効果があることが知られている。カテキン類は、OPCの存在下で水溶性が増すと同時に、OPCを活性化する性質があり、OPCとともに摂取することによって、OPCの作用を増強する。
カテキン類は、OPCの溶解性や機能を向上させるため、プロアントシアニジン1重量部に対し、0.1重量部以上含有されていることが好ましい。より好ましくは、OPCを20重量%以上含有する原料植物抽出物に、カテキン類が5重量%以上含有されるように調製される。例えば、松樹皮抽出物のカテキン類含量が5重量%未満の場合、5重量%以上となるようにカテキン類を添加してもよい。カテキン類を5重量%以上含有し、かつOPCを20重量%以上含有する松樹皮抽出物を用いることが最も好ましい。
プロアントシアニジン、特にOPCは、上述のように抗酸化物質であるため、ガン・心臓病・脳血栓などの成人病の危険率を低下する効果、関節炎・アトピー性皮膚炎・花粉症などのアレルギー体質の改善効果などを有することが知られている。
さらにOPCは、抗酸化作用のほか、口腔内のバクテリア増殖を抑制してプラーク(歯こう)を減少させる効果、血管の弾力性を回復させる効果、肌質を改善させる効果、コラーゲンの増強効果、高脂血症改善効果、血液中でのリポたんぱくが活性酸素によりダメージを受けるのを防止して、損傷した脂肪が血管の内壁に凝集し、コレステロールが付着することを防止する効果、活性酸素によって分解されたビタミンEを再生させる効果、ビタミンEの増強剤としての効果などを有することが知られている。
ルコール飲料は、プロアントシアニジンが、好ましくは組成物中に乾燥重量換算で0.00001重量%〜50重量%、より好ましくは0.001重量%〜40重量%、さらに好ましくは0.01重量%〜20重量%、最も好ましくは0.01重量%〜5重量%添加されたものである。成人(体重60Kg)の一日あたりのプロアントシアニジンの摂取量は10mg〜2000mg、より好ましくは20mg〜1000mg、最も好ましくは20mg以上であり、300mg以下である。添加量が少ないと効果を得ることはできず、添加量が多すぎると、例えば、40重量%以上であれば変色や沈澱が生じやすいためである。
本発明のアルコール飲料には、上記プロアントシアニジン以外に、医薬部外品、などに通常使用される他の成分を、該組成物の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
このような成分としては、例えば、水、他の薬効成分、他の油剤、保湿剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、吸収促進剤、香料、色素、保存剤、増粘剤、キレート剤、防腐防黴剤などを挙げることができる。ここで、他の薬効成分としては、活性酸素除去剤、抗酸化剤、消炎鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、止痒剤、殺菌剤、ビタミン剤、ホルモン剤などが挙げられる。
また、プロアントシアニジンの安定性を高める目的で、酸化防止剤を添加しても良い。これにより、体内のタンパク質や脂質の酸化を防止し、肌質を改善および保護する効果を得ることができる。
酸化防止剤としては、ビタミンAなどのカロテノイド類、ビタミンB類、アスコルビン酸、ビタミンE、これらの誘導体またはこれらの塩、L−システインおよびこれらの誘導体やその塩、リボフラビン、SOD、マンニトール、トリプトファン、ヒスチジン、ケルセチン、没食子酸およびその誘導体、茶抽出物、およびグルタチオン酵母抽出物などの抽出物が挙げられる。
この中でも、アスコルビン酸は、プロアントシアニジンの安定性を高め、その効果を高めるだけでなく、肝臓におけるアルコールおよびアルデヒドの分解を促進する。
なお、アスコルビン酸の誘導体としてはアスコルビル−2−リン酸、アスコルビル−2−グルコシド等が、アスコルビン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
アスコルビン酸を添加する場合は、プロアントシアニジンに対して、重量比で、好ましくは1:0.1〜500、より好ましくは1:0.2〜200となるように、本発明のアルコール飲料に含有され得る。
ルコール飲料は、プロアントシアニジンを含有する植物抽出物を、直接添加した、例えばビール、ウイスキー、日本酒、焼酎、ジン、ラム、ウォッカ等であってもよく、醸造過程や蒸留過程においてプロアントシアニジンを含有する植物抽出物を添加することで得ることができるが、醸造過程や蒸留過程で、プロアントシアニジンは酸化を受けたり、分解されてしまう可能性が高いため、醸造や蒸留後のアルコール含有物へ添加することが好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
10週齢のSD系雄性ラット(九動株式会社)18匹を固形飼料(オリエンタル酵母工業株式会社)で1週間予備飼育した後、12時間絶食させた。
40重量%のプロアントシアニジンを含有する松樹皮抽出物(OPCを20重量%含有、商標名:フラバンジェノール、株式会社東洋新薬)を最終濃度が0.005重量%となるように、エタノールを15重量%含有する水溶液に添加した。そして、該エタノール水溶液をエタノールが1.0g/kgとなるようラットに強制経口投与した。エタノール投与後の0.5、1、6時間後に採血し、血中エタノール及びアセトアルデヒドを測定した。測定は、市販測定用キット(F−キット エタノール,F−キット アセトアルデヒド[ベーリンガー・マンハイム社])を用いた。
結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1の松樹皮抽出物に加えて、投与するエタノール水溶液中の最終濃度が0.005重量%となるようにアスコルビン酸を添加したこと以外は同様の操作を行い、血中エタノールおよびアセトアルデヒドを測定した。
結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の松樹皮抽出物を添加しなかったこと以外は同様の操作を行い、血中エタノールおよびアセトアルデヒドを測定した。
結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1の松樹皮抽出物に代え、プロアントシアニジンを38重量%含有するブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社)を添加したこと以外は、同様の操作を行い、血中エタノールおよびアセトアルデヒドを測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0004504118
表1の結果より、プロアントシアニジン(OPCを20重量%含有、商標名:フラバンジェノール、株式会社東洋新薬)と共にアルコールを摂取した群は、血中エタノール濃度およびアセトアルデヒド濃度共にプロアントシアニジンを摂取しなかった群に比べて低く、速やかに代謝されていることが分かった。特に松樹皮抽出物を摂取した群は、ブドウ種子抽出物よりも速やかに低下していることが分かった。
また、プロアントシアニジン(OPCを20重量%含有、商標名:フラバンジェノール、株式会社東洋新薬)とアスコルビン酸の組み合わせはさらにその効果が高いことが分かった。
(実施例3)
健常な成人男性5名を被験者とし、1週間禁酒してもらった。
40重量%のプロアントシアニジン(OPCを20重量%含有、商標名:フラバンジェノール、株式会社東洋新薬)を含有する松樹皮抽出物0.6gをウィスキー(アルコール含有量34重量%:サントリー株式会社)300mLに添加したものをアルコール飲料として用いた。
そして被験者に試験開始0分より、体重1kgあたり、3g相当のアルコールとなるようにウイスキーの水割り(アルコール含有量6重量%)を2時間で摂取してもらった。
そして、アルコール摂取後から3時間経過したときの状態と、翌日の朝の体調を自己診断してもらった。
結果を表2に示す。
(実施例4)
上記と同じ被験者に1週間禁酒してもらい、松樹皮抽出物(実施例3と同じ)およびアスコルビン酸をそれぞれ0.6g添加したこと以外は、実施例3と同様にアルコールを摂取してもらった。
そして、アルコール摂取後から3時間経過したときの状態と、翌日の朝の体調を自己診断してもらった。
結果を表2に示す。
(比較例3)
上記と同じ被験者に1週間禁酒してもらい、松樹皮抽出物を含有させなかったアルコール飲料を用いたこと以外は、実施例3と同様にアルコールを摂取してもらった。そして、アルコール摂取後から3時間経過したときの状態と、翌日の朝の体調を自己診断してもらった。
結果を表2に示す。
(比較例4)
上記と同じ被験者に1週間禁酒してもらい、松樹皮抽出物を含有させず、ウイスキーの水割りの変わりに赤ワイン(サッポロ株式会社)を摂取してもらった以外は、実施例3と同様にアルコールを摂取してもらった。そして、アルコール摂取後から3時間経過したときの状態と、翌日の朝の体調を自己診断してもらった。
結果を表2に示す。
Figure 0004504118
表2の結果から、松樹皮抽出物を添加した本発明のアルコール飲料を摂取した場合は、松樹皮抽出物を摂取しないこととなる通常のアルコール飲料の場合に比べ、悪酔いや二日酔いを低減できていることが分かり、プロアントシアニジン(OPCを20重量%含有、商標名:フラバンジェノール、株式会社東洋新薬)とアスコルビン酸を併用した場合はさらにその効果が高い傾向を示した。
また、プロアントシアニジンを含有するといわれる赤ワインとの比較から、本発明のようにアルコール飲料へプロアントシアニジン(OPCを20重量%含有、商標名:フラバンジェノール、株式会社東洋新薬)を添加した方が高い効果が得られることが分かった。
さらに、被験者からはアルコール飲料の風味が良くなったという意見があったことから、嗜好性も向上していることが分かった。
(実施例5〜7)
健常な成人男性15名を被験者とし、1週間禁酒してもらった。
被験者を1群5名に振り分け、試験開始0分より、体重1kgあたり、3g相当のアルコールとなるように40重量%のプロアントシアニジン(OPCを20重量%含有、商標名:フラバンジェノール、株式会社東洋新薬)を含有する松樹皮抽出物を0.01重量%含有するビール(アルコール含有量4重量%)、赤ワイン(アルコール含有量6重量%)、焼酎の水割り(アルコール6重量%)を2時間で摂取してもらった。そして、アルコール摂取後から3時間経過したときの状態と、翌日の朝の体調を自己診断してもらった。
結果を表3に示す。
(比較例5〜7)
上記と同じ被験者に1週間禁酒してもらい、松樹皮抽出物を添加しなかったこと以外は、実施例5〜7と同様にアルコールを摂取してもらった。そして、アルコール摂取後から3時間経過したときの状態と、翌日の朝の体調を自己診断してもらった。
結果を表3に示す。
Figure 0004504118
表3の結果より、いずれの種類のアルコール飲料においても、悪酔いや二日酔いが低減されており、アルコールの代謝が向上していることが分かる。
(実施例8:呼気アルコールによるアルコール代謝の評価)
アルコールが25度の焼酎300mLへ松樹皮抽出物(実施例1と同じ)を500mg溶解し、アルコール飲料を調整した。このアルコール飲料と松樹皮抽出物を溶解していない焼酎(対照飲料という)とを用いて、下記評価を行った。
まず、3名の被験者においてアルコール摂取前の呼気アルコール濃度をアルコール検知器(中央自動車工業株式会社製)で測定した。測定結果が0を示したことを確認した後に、60mLの対照飲料を5分以内で全てを摂取してもらった。
次いで、アルコール摂取開始から30、60、120、150分後に呼気アルコール濃度を一人当たり5回測定して、平均値を算出した。
また、翌日の同時刻に同じ被験者に対し、対照飲料の変わりにアルコール飲料を用いて同様の試験を実施し、呼気アルコール濃度を測定した。
3名の平均値を表4に示す。
Figure 0004504118
表4の結果から、本発明のプロアントシアニジン(OPCを20重量%含有、商標名:フラバンジェノール、株式会社東洋新薬)を含有する松樹皮抽出物を含有するアルコール飲料は、飲料摂取後の呼気中のアルコール濃度が対照の飲料よりも早い時間で減少していることが分かる。すなわち、本発明のアルコール飲料は、アルコールの分解を促進することにより、アルコール摂取によって引き起こされるアルコール飲料を摂取しながら、悪酔いや二日酔いを防止することが可能であることが分かる。
この発明にかかるアルコール飲料は、醸造業において利用しうる。

Claims (2)

  1. 乾燥重量で20重量%以上のオリゴメトリック・プロアントシアニジンを含む松樹皮抽出物を添加した、アルコール飲料。
  2. アスコルビン酸が添加された、アルコール代謝向上に優れた請求項1に記載のアルコール飲料。
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