JP2003238426A - コラゲナーゼ阻害剤、皮膚外用剤および健康食品 - Google Patents

コラゲナーゼ阻害剤、皮膚外用剤および健康食品

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collagenase inhibitor
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pine
bark extract
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Kinya Takagaki
欣也 高垣
Shinjiro Maruyama
真二郎 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なコラゲナーゼ阻害剤を提供することを
目的とする。 【解決手段】 松樹皮抽出物を含有させたコラゲナーゼ
阻害剤により、新規なコラゲナーゼ阻害剤を提供する。
特に、OPCを20重量%以上、かつ、カテキン類を5
重量%以上含有する松樹皮抽出物を含有させたコラゲナ
ーゼ阻害剤が、コラゲナーゼ阻害剤としては好ましく、
また、このコラゲナーゼ阻害剤を含有させた皮膚外用剤
は、コラゲナーゼを阻害する皮膚外用剤として、更に、
このコラゲナーゼ阻害剤を食品に添加することにより、
コラゲナーゼを阻害する健康食品として提供することが
できる。これらは、天然物に由来するものであるから、
安全である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、松樹皮抽出物を含
有するコラゲナーゼ阻害剤ならびにこのコラゲナーゼ阻
害剤を含有する皮膚外用剤および健康食品に関する。
【0002】
【従来の技術】コラーゲンは皮膚の主成分であり、ヒト
の体内の25〜30%を占める弾力性のある繊維状のタ
ンパク質である。コラーゲンが正常ならば張りがあり、
滑らかな肌となり、血管においては、弾力のある血管が
形成され動脈硬化などが起こりにくい。しかしながら、
コラーゲンは、体内でコラゲナーゼの作用により分解さ
れてしまうことから、コラーゲンの分解を防止するため
に、コラゲナーゼの作用を阻害する種々の物質が研究さ
れている。そして、近年、食品や化粧品の安全性に対す
る関心が高まるにつれて、コラーゲンの分解を防止する
コラゲナーゼ阻害剤についても、安全性の高い天然素材
由来のものが求められるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記状況に鑑み、本発
明の目的は、安全性の高い天然素材由来の新規のコラゲ
ナーゼ阻害剤およびそれを含有する皮膚外用剤および健
康食品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、コラゲナ
ーゼの作用を阻害する天然素材の探索を行った結果、松
樹皮抽出物がコラゲナーゼの作用を阻害することを見出
して、本発明の完成に至った。本発明は、松樹皮抽出物
を含有することを特徴とするコラゲナーゼ阻害剤であ
る。好ましい実施の態様においては、前記松樹皮抽出物
が、オリゴメリック・プロアントシアニジン(oligomer
ic proanthocyanidin)を20重量%以上含有するコラ
ゲナーゼ阻害剤である。別の好ましい実施態様では、本
発明のコラゲナーゼ阻害剤は、前記松樹皮抽出物が、さ
らにカテキン(catechin)類を5重量%以上含有する。
また、本発明は、上記コラゲナーゼ阻害剤を含有する皮
膚外用剤である。さらに、本発明は、上記コラゲナーゼ
阻害剤を含有する健康食品である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明のコラゲナーゼ阻害
剤について説明する。なお、以下に説明する構成は、本
発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種
々改変することができる。
【0006】本発明のコラゲナーゼ阻害剤は、松樹皮抽
出物を含有することを特徴とする。松樹皮抽出物として
は、フランス海岸松(Pinus Martima)、カラマツ、ク
ロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセ
ンマツ、ハイマツ、リュウキュウマツ、ウツクシマツ、
ダイオウマツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネ
ダ等の樹皮抽出物が好ましく用いられる。中でも、フラ
ンス海岸松(Pinus Martima)の樹皮抽出物が好ましく
用いられる。
【0007】フランス海岸松は、南仏の大西洋沿岸の一
部に生育している海洋性松をいう。このフランス海岸松
の樹皮は、プロアントシアニジン(proanthocyanidi
n)、有機酸並びにその他の生理活性成分等を含有し、
主要成分であるフラボノイド類のプロアントシアニジン
に、活性酸素を除去する強い抗酸化作用があることが知
られている。
【0008】松樹皮抽出物は、上記松の樹皮を水または
有機溶媒で抽出して得られる。水を用いる場合には温
水、熱水が用いられる。抽出に用いる有機溶媒として
は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−
プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタ
ン、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレン
グリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコー
ル、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢
酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油
脂、1,1,1,2−テトラフルオロエタン等の食品あ
るいは薬剤の製造に許容される有機溶媒が好ましく用い
られる。これらの水、有機溶媒は単独で用いてもよい
し、組合わせて用いてもよい。特に、熱水、含水エタノ
ール、含水プロピレングリコール等が好ましく用いられ
る。
【0009】松樹皮からの抽出方法は特に制限はない
が、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法などが用い
られる。
【0010】超臨界流体抽出法とは、物質の気液の臨界
点(臨界温度、臨界圧力)を超えた状態の流体である超
臨界流体を用いて抽出を行う方法である。超臨界流体と
しては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、亜酸化窒素
(笑気ガス)等が用いられるが、二酸化炭素が好ましく
用いられる。超臨界流体抽出法では、目的成分を超臨界
流体によって抽出する抽出工程と、目的成分と超臨界流
体を分離する分離工程とを行う。分離工程では、圧力変
化による抽出分離、温度変化による抽出分離、吸着剤・
吸収剤を用いた抽出分離のいずれを行ってもよい。ま
た、エントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行っ
てもよい。この方法は、抽出流体に、例えば、エタノー
ル、プロパノール、n−ヘキサン、アセトン、トルエン
その他の脂肪族低級アルコール類、脂肪族炭化水素類、
芳香族炭化水素類、ケトン類を2〜20W/V%(重量
対容量百分率)程度添加し、この流体で超臨界流体抽出
を行うことによって、OPC、カテキン類などの目的と
する抽出物の抽出溶媒に対する溶解度を飛躍的に上昇さ
せる、あるいは分離の選択性を増強させる方法であり、
効率的な松樹皮抽出物を得る方法である。
【0011】超臨界流体抽出法は、比較的低い温度で操
作できるため、高温で変質・分解する物質にも適用でき
るという利点、抽出流体が残留しないという利点、溶媒
の循環利用が可能であり、脱溶媒工程などが省略でき、
工程がシンプルになるという利点がある。また、松樹皮
の抽出は、液体二酸化炭素回分法、液体二酸化炭素還流
法、超臨界二酸化炭素還流法等により行ってもよい。ま
た、松樹皮の抽出は、複数の抽出方法を組み合わせても
よい。複数の抽出方法を組み合わせることにより、種々
の組成の松樹皮抽出物を得ることが可能となる。
【0012】本発明に用いられる松樹皮抽出物には、プ
ロアントシアニジンの縮重合体、すなわち、フラバン−
3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオール
を構成単位とする重合度が2以上の縮重合体が含まれて
いるが、松樹皮抽出物としては、重合度の低い縮重合体
を含むものが好ましく用いられる。重合度が2〜30の
縮合重合体(2〜30量体)を含むものが好ましく、重
合度が2〜10の縮合重合体(2〜10量体)を含むも
のがより好ましく、重合度が2〜4の縮合重合体(2〜
4量体)を含むものが、吸収性や浸透性に優れることか
ら、さらに好ましく用いられる。
【0013】本明細書では、プロアントシアニジンの縮
重合体のうち、フラバン−3−オールおよび/またはフ
ラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2
〜4の重合体を、オリゴメリック・プロアントシアニジ
ン(oligomeric proanthocyanidin、以下「OPC」と
いう)という。OPCは、ポリフェノールの一種で、植
物が作り出す強力な抗酸化物質であり、植物の葉、樹
皮、果物の皮や種の部分に集中的に含まれている。具体
的には、ブドウの種、松の樹皮、ピーナッツの皮、イチ
ョウ、ニセアカシアの果実、コケモモなどに含まれてい
る。また、西アフリカのコーラナッツ、ペルーのラタニ
アの根、日本の緑茶にも、OPCが含まれることが知ら
れている。OPCは、ヒトの体内では、生成することの
できない物質であることから、外部より摂取することが
必要となる。このようなOPCは、抗酸化物質であるた
め、ガン・心臓病・脳血栓などの成人病の危険率を低下
する効果、関節炎・アトピー性皮膚炎・花粉症などのア
レルギー体質の改善効果等を有する。さらにOPCは、
抗酸化作用のほか、口腔内のバクテリア増殖を抑制して
プラーク(歯こう)を減少させる効果、血管の弾力性を
回復させる効果、血液中でのリポたんぱくが活性酸素に
よりダメージを受けるのを防止して、損傷した脂肪が血
管の内壁に凝集し、コレステロールが付着することを防
止する効果、活性酸素によって分解されたビタミンEを
再生させる効果、ビタミンEの増強剤としての効果等を
有することが知られている。
【0014】本発明においては、OPCを20重量%以
上含有する松樹皮抽出物が好ましく用いられる。より好
ましくは30重量%以上である。なお、理由は不明であ
るが、低重合度のOPCを含む松樹皮抽出物を用いる
と、重合度の高いものを含む場合と対比して、高い抗ス
トレス効果が得られる。ストレスが溜まると肌荒れ等を
生ずることは知られており、ストレスを抑制することは
肌荒れ等の防止に有益であることから、本発明のコラゲ
ナーゼ阻害剤は、直接的にコラゲナーゼの作用を阻害す
るばかりでなく、間接的にも美容効果のある皮膚外用剤
や健康食品として有用である。
【0015】また、本発明のコラゲナーゼ阻害剤は、カ
テキン(catechin)類を、5重量%以上含有することが
好ましい。カテキン類は、松樹皮からも抽出され、松樹
皮抽出物に含まれる。すなわち、カテキン類は、OPC
とともに抽出され得る。
【0016】カテキン類とは、ポリヒドロキシフラバン
−3−オールの総称であり、狭義のカテキンといわれて
いる(+)−カテキンのほか、ガロカテキン、アフゼレ
キン、(+)−カテキンまたはガロカテキンの3−ガロ
イル誘導体が、天然物から単離されている。カテキン類
としては、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、
(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、エ
ピガロカテキンガレート、エピカテキンガレートなどが
知られている。カテキン類には、発癌抑制、動脈硬化予
防、脂肪代謝異常の抑制、血圧上昇の抑制、血栓予防、
抗アレルギー、抗ウイルス、抗菌、虫歯予防、口臭防
止、腸内細菌叢正常化効果、活性酸素やフリーラジカル
の消去作用、抗酸化作用等があることが知られている。
また、カテキン類には、血糖の上昇を抑制する抗糖尿病
効果があることが知られている。カテキン類は、OPC
の存在下で水溶性が増すと同時に、活性化する性質があ
る。
【0017】本発明のコラゲナーゼ阻害剤は、、カテキ
ン類を5重量%以上含有し、かつ、OPCを20重量%
以上含有する松樹皮抽出物を用いることが最も好まし
い。従って、OPCを20重量%以上含有する松樹皮抽
出物であっても、カテキン類を5重量%以上含まない場
合には、カテキン類を5重量%以上含有するように添加
することが好ましい。即ち、松樹皮抽出物のカテキン類
含量が5重量%未満の場合、カテキン類含量が5重量%
以上となるように添加してもよい。なお、松樹皮抽出物
にカテキン類を添加したものであっても、本発明にいう
松樹皮抽出物の範疇に属する。
【0018】本発明のコラゲナーゼ阻害剤に用いられる
松樹皮抽出物は、具体的には、以下のような方法により
調製されるが、これは例示であり、この方法に限定され
ない。
【0019】フランス海岸松の樹皮1kgを、塩化ナト
リウムの飽和溶液3Lで、100℃にて30分間、抽出
し、抽出液を得る(抽出工程)。その後、抽出液をろ過
し、得られる不溶物を塩化ナトリウムの飽和溶液500
mlで洗浄し、洗浄液を得る(洗浄工程)。この抽出液
と洗浄液を合わせて、松樹皮の粗抽出液を得る。次い
で、この粗抽出液に酢酸エチル250mlを添加して分
液し、酢酸エチル層を回収する酢酸エチル層回収工程を
5回行う。なお、この酢酸エチル層回収工程では、酢酸
エチル層を、無水硫酸ナトリウム200gに直接回収す
る。その後、この酢酸エチル層を濾過し、濾液を元の5
分の1量になるまで減圧濃縮する。濃縮された酢酸エチ
ル層を2Lのクロロホルムに注ぎ、攪拌して得られる沈
殿物を濾過により回収する。その後、この沈殿物を酢酸
エチル100mlに溶解した後、再度1Lのクロロホル
ムに添加して沈殿させる操作を2回繰り返す洗浄工程を
行う。この方法により、2〜4量体のOPCを20重量
%含み、かつカテキン類を5重量%以上含有する、約5
gの松樹皮抽出物が得られる。
【0020】本発明の皮膚外用剤において、松樹皮抽出
物の配合量は、外用剤全量中、乾燥物として0.005
〜20.0重量%、好ましくは0.01〜10.0重量
%である。0.005重量%未満であると、コラゲナー
ゼ阻害機能が十分に発揮されず、20.0重量%を超え
ると製剤化が難しいので好ましくない。また、10.0
重量%以上配合してもさほど大きな効果の向上はみられ
ない。
【0021】本発明のコラゲナーゼ阻害剤には、上記必
須成分以外に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用
いられる成分、例えば、その他の美白剤、保湿剤、酸化
防止剤、油性成分、界面活性剤、増粘剤、アルコール
類、粉末成分、色剤、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等
を必要に応じて適宜配合することができる。
【0022】また、本発明の皮膚外用剤は、軟膏、クリ
ーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等、従来皮膚
外用剤に用いられる形態であればいずれでもよく、剤型
は特に問わない。
【0023】本発明の健康食品において、松樹皮抽出物
の配合量は、松樹皮抽出物が1日あたり50mg〜20
00mg、好ましくは100mg〜1000mg摂取さ
れるような形態にすると良い。
【0024】本発明の健康食品は前記松樹皮抽出物を食
品に配合することにより得られる。例えば、本発明の健
康食品は、松樹皮抽出物に賦形剤等を加えて、錠剤もし
くは丸剤等の形状に成型したもの、あるいは、成型せず
に、散剤の形態や、その他の形態としてもよいことは当
然である。また、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着
色料、香料、食品添加物、調味料等と調合したものとし
てもよい。ハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプ
セル剤、粉末状、顆粒状、茶状、ティーバック状、飴
状、液体、ペースト状などの形態としたものとしてもよ
い。そしてさらに、例えば、ローヤルゼリー、ビタミ
ン、プロテイン、卵殻カルシウム等のカルシウム、キト
サン、レシチン、クロレラ末、アシタバ末、モロヘイヤ
末などの栄養成分を添加することもできる。ステビア
末、抹茶パウダー、レモンパウダー、はちみつ、還元麦
芽糖、乳糖、糖液や調味料等を加えて味を整えてもよ
い。
【0025】本実施形態に係るコラゲナーゼ阻害剤およ
びそれを含有する健康食品は、その形状または好みに応
じて、そのまま摂取しても良いし、あるいは水、お湯、
牛乳などに溶解して摂取しても良く、成分を浸出させた
ものを摂取しても良い。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明がこの実施例により制限されるものではない。
【0027】(性能評価試験)OPCを20重量%、カ
テキンを5重量%含有する松樹皮のエタノール抽出物を
含む本発明のコラゲナーゼ阻害剤の阻害活性を、以下の
ようにして評価した。
【0028】(サンプル溶液の調製)松樹皮のエタノー
ル抽出物を含むコラゲナーゼ阻害剤を、0.05Mトリ
シン緩衝液(pH−7.5)を用いて段階希釈し、サン
プル溶液とした。
【0029】(酵素溶液調製)コラゲナーゼB(Roche
Diadgnostics GmbH)を0.05Mトリシン緩衝液(p
H−7.5)を用いて0.42U/mlとなるように希
釈したものを酵素溶液とした。
【0030】(基質溶液の調製)5mgのN-(3-[2-fury
l]acryloyl)-Leu-Gly-Pro-Ala(Sigma chemical)を3
5mlの0.05Mトリシン緩衝液(pH−7.5)に
溶解させたものを基質溶液とした。
【0031】(コラゲナーゼ活性の測定)サンプル溶液
と酵素溶液をそれぞれ1mlずつ混和し、37℃で1時
間インキュベートした。次いで、基質溶液を1ml添
加、324nmにおける吸光度の減少を3分間測定し、
1分間あたりの吸光度の減少をAとした。また、比較対
象として、サンプル溶液の代わりに0.05Mトリシン
緩衝液(pH−7.5)を添加して得られた吸光度の減
少をBとした。
【0032】得られた値を用いて、下式によりコラゲナ
ーゼ阻害率を算出した結果を図1に示す。上記測定系に
おいて、コラゲナーゼ活性を50%阻害する濃度は、5
8.1μg/mlであった。 コラゲナーゼ阻害率(%)=100*(B−A)/B
【0033】図1に示されるように、松樹皮のエタノー
ル抽出物を含むコラゲナーゼ阻害剤は、コラゲナーゼの
作用を阻害していることを示すことから、コラゲナーゼ
阻害剤として有用である。
【0034】(実施例1) 化粧水 グリセリン 6g プロピレングリコール 4g オレイルアルコール 0.1g ポリオキシエチレンラウリルエーテル 1g エタノール 5g フェノキシエタノール 0.1g アスコルビン酸 1g 松樹皮抽出物 2g 精製水 80.8g を混合・撹拌して均一に調整し、コラゲナーゼの作用を
阻害する化粧水を得た。
【0035】 (実施例2) エモリエントクリーム マイクロクラスタリンワックス 3g ラノリン 3g ワセリン 5g スクワラン 9g オリーブ油 12g セスキオレイン酸ソルビタン 3g トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1g ソルビトール 9g アスコルビン酸 0.1g 松樹皮抽出物 1g 精製水 53.9g 防腐剤 適量 香料 適量 を混合・撹拌して均一に調整し、コラゲナーゼの作用を
阻害するW/O型エモリエントクリームを得た。このエ
モリエントクリームは保湿効果、角質柔軟効果に加え
て、コラゲナーゼ阻害効果を有するため、皮膚外用剤と
して有用である。
【0036】 (実施例3) 健康食品(錠剤) 松樹皮抽出物 20g 結晶セルロース 10g ショ糖エステル 5g 二酸化ケイ素 2g 卵殻カルシウム 63g を混合・撹拌して均一に調整し、(株)菊水製作所の打
錠機(Cleanpress)を用いて打錠し、1錠2
20mgである錠剤としてのコラゲナーゼの作用を阻害
する健康食品を得た。
【0037】
【発明の効果】以上のように、松樹皮抽出物により、コ
ラゲナーゼの作用を阻害できることが見出されたことか
ら、松樹皮抽出物を含有するコラゲナーゼ阻害剤を提供
することができる。特に、OPCを20重量%以上かつ
カテキン類を5重量%以上含有する松樹皮抽出物をコラ
ゲナーゼ阻害剤として用いることにより、優れたコラゲ
ナーゼ阻害効果が得られる。また、コラゲナーゼ阻害剤
を含有する皮膚外用剤や、コラゲナーゼ阻害剤を含有す
る健康食品を提供することができる。コラゲナーゼ阻害
剤は天然物由来のもであるから安全であり、これを用い
る皮膚用外用剤、健康食品も安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】コラゲナーゼ阻害率を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/353 A61K 31/353 A61P 17/00 A61P 17/00 43/00 111 43/00 111 Fターム(参考) 4B018 MD07 MD61 ME14 MF01 4C083 AA082 AA111 AA112 AA122 AC012 AC022 AC072 AC122 AC132 AC172 AC182 AC442 AC841 AC842 AD642 CC04 CC05 DD27 DD32 EE12 4C086 AA01 AA02 BA08 MA01 MA04 NA06 NA07 ZA89 ZC20 4C088 AB03 AC06 BA08 BA09 BA10 CA05 CA06 CA07 CA08 CA09 NA06 NA07 ZA89 ZC20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 松樹皮抽出物を含有することを特徴とす
    るコラゲナーゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 前記松樹皮抽出物が、オリゴメリック・
    プロアントシアニジン(oligomeric proanthocyanidi
    n)を20重量%以上含有することを特徴とする、請求
    項1に記載のコラゲナーゼ阻害剤。
  3. 【請求項3】 前記松樹皮抽出物が、さらにカテキン
    (catechin)類を5重量%以上含有することを特徴とす
    る、請求項1または2に記載のコラゲナーゼ阻害剤。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかの項に記載の
    コラゲナーゼ阻害剤を含有する、皮膚外用剤。
  5. 【請求項5】 請求項1から3のいずれかの項に記載の
    コラゲナーゼ阻害剤を含有する、健康食品。
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