JP2002320862A - 金属を酸化チタン薄膜に担持した光触媒薄膜 - Google Patents

金属を酸化チタン薄膜に担持した光触媒薄膜

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JP2002320862A JP2001129943A JP2001129943A JP2002320862A JP 2002320862 A JP2002320862 A JP 2002320862A JP 2001129943 A JP2001129943 A JP 2001129943A JP 2001129943 A JP2001129943 A JP 2001129943A JP 2002320862 A JP2002320862 A JP 2002320862A
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Hideaki Niino
英明 新納
Seiichi Kashiwabara
誠一 柏原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気中や水中の有害物質除去能力が高く、か
つ金属が溶出しにくく、さらに幅広い材質の基体の表面
に常温で製造することのできる光触媒薄膜、およびその
光触媒薄膜を簡易かつ安全に製造する方法を提供する。 【解決手段】 ペルオキソチタン溶液を結晶化すること
により得られる、ペルオキソ基を含有するアナターゼ型
酸化チタン分散液(TOゾル)を、製膜して作られる酸化
チタン薄膜に、Cu、Ag、Pt、Pd、Ni、Co、
Fe、Ru、Zn、Rhのうち少なくとも1種以上を、
5pmol・cm-2以上500pmol・cm-2以下の
密度で担持していることを特徴とする光触媒薄膜、およ
び、ペルオキソ基を含有するアナターゼ型酸化チタン分
散液を製膜して製造された酸化チタン薄膜に、金属を光
還元法により担持することを特徴とする光触媒薄膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温で製造可能で
あり、悪臭や空気中の有害物質除去に優れた光触媒薄膜
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光触媒の一つである酸化チタンの粒子
に、そのバンドギャップ以上のエネルギーの波長を持つ
光を照射すると、光励起により伝導帯に電子を、価電子
帯に正孔を生じる。この光励起により生じた正孔の強力
な酸化力により、粒子表面の有機物質・無機物質の分解
反応が起こるため、酸化チタンは大気および水などの環
境浄化や、防汚、抗菌といった用途に利用されている。
このような処理に用いられる光触媒粒子は、飛散や流出
を防ぐため、あるいは処理系からの分離を容易にするた
めに、光触媒粒子より大きな基体に固定化して光触媒体
として使用されている。このような光触媒体を製造する
簡易な方法として、基体に酸化チタン光触媒塗布液を塗
布し、基体表面に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法
がある。
【0003】酸化チタン光触媒塗布液として、特開平9
−71418号公報や特開平10−67516号公報で
開示されている、アモルファス型過酸化チタンゾルを結
晶化することにより得られる、ペルオキソ基を含有する
アナターゼ型酸化チタンゾルを使用すると、室内および
屋外の環境浄化や、防汚、抗菌といった用途での使用を
目的とする酸化チタン光触媒薄膜を、幅広い材質の基体
の表面に、常温で製造して提供することができ、このペ
ルオキソ基を含有するアナターゼ型酸化チタンゾルを常
温で製膜した酸化チタン光触媒薄膜は、高い光触媒性能
を有している。しかしながら、環境浄化材料としての実
用を考えると、この光触媒薄膜よりもより悪臭や空気中
の有害物質除去能力の高い光触媒薄膜を開発することが
望まれていた。
【0004】一方、酸化チタン光触媒の活性を向上させ
る方法として、金属を酸化チタン光触媒と組み合わせる
方法が知られている。特開平11−188270号公報
には、異種金属とチタンからなる複合チタン過酸化物を
加熱することにより、異種金属とチタンからなる複合酸
化チタン微粒子のゾルを製造し、これを基体に塗布する
ことで、高い光触媒性能をもつ、異種金属とチタンから
なる複合酸化チタン薄膜を製造する方法が開示されてい
る。しかし、この方法で製造された光触媒薄膜は、添加
した金属の一部が複合酸化チタン微粒子中の欠陥になる
ことがあるため、金属の添加による活性向上が十分では
なかった。
【0005】また、特開平6−304237号公報に
は、チタニアゲルの過酸化水素水溶液を電灯の管球のガ
ラス表面にコートして加熱焼成し、その上に白金、ロジ
ウム、ルテニウム、パラジウム、銀、銅、亜鉛の内から
選ばれた少なくとも一種の金属皮膜で被覆したことを特
徴とする消臭灯特徴とする消臭灯の製造方法について開
示されており、消臭灯の内部あるいは外部からの光を受
けて管球のガラス表面上の酸化チタン膜に生成した電子
と正孔の酸化還元作用と金属皮膜の作用により、空気中
の悪臭物質を効果的に分解除去できることが開示されて
いる。しかし、この方法で製造された光触媒薄膜は、金
属被膜と酸化チタン薄膜の相互作用が弱いという問題が
あり、例えば水中で使用した場合や、光触媒薄膜を水洗
した場合、金属が溶出して活性が低下するという問題が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、環境浄化材
料として、大気中や水中の有害物質除去能力が高く、か
つ担持された金属の保持が良好な光触媒薄膜を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意検討を行った結果、ペルオキソ基を
含有するアナターゼ型酸化チタンゾルを製膜して作られ
る酸化チタン薄膜に、極めて微量の異種金属を担持した
光触媒薄膜が高い光触媒活性を示すこと、この光触媒薄
膜は金属の保持が良好であること、この光触媒薄膜が幅
広い材質の基体の表面に常温で製造できることを発見
し、本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1)ペルオキソ基
を含有するアナターゼ型酸化チタン分散液を製膜して作
られる酸化チタン薄膜に、Cu、Ag、Pt、Pd、N
i、Co、Fe、Ru、ZnおよびRhの群から選ばれ
る少なくとも1種の金属元素を5pmol・cm-2以上
500pmol・cm-2以下の密度で担持していること
を特徴とする光触媒薄膜、(2) 酸化チタン薄膜が、
ペルオキソ基をTiに対するモル比で100ppm以上
10%以下含有することを特徴とする、(1)記載の光
触媒薄膜、(3) 担持されている金属元素が、平均粒
径1nm以上20nm以下の金属粒子であることを特徴
とする(1)または(2)記載の光触媒薄膜、である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける酸化チタン薄膜は、ペルオキソ基を含有するアナ
ターゼ型酸化チタン分散液を用いて製膜された膜である
ことが必要である。該アナターゼ型酸化チタン分散液
は、特開平9−71418号公報や特開平10−675
16号公報で開示されている方法で調製されるペルオキ
ソ基を含有するアナターゼ型酸化チタン分散液である。
該アナターゼ型酸化チタン分散液は、水系かつ中性の分
散液である。
【0010】該アナターゼ型酸化チタン分散液の代表的
な製法は次のとおりである。水酸化チタンゲル、酸化チ
タン等の分散液を、夾雑イオンが検出されなくなるまで
水洗した後に過酸化水素水を加えて攪拌すると、黄色の
ペルオキソチタン酸溶液が得られる。得られた黄色のペ
ルオキソチタン酸溶液を、85℃〜200℃において、
40時間〜2時間の加熱処理を行うと、ペルオキソ基を
含有するアナターゼ型酸化チタン分散液が得られる。
【0011】該アナターゼ型酸化チタン分散液の酸化チ
タン含有量が0.01重量%以上5重量%以下である
と、分散性が良好でかつ適度な粘性を有するために、
0.01μm以上3μmの酸化チタン薄膜を、スピンコ
ート法やディップコート法など、従来から知られている
各種コーティング方法でコーティングできるため好まし
い。該アナターゼ型酸化チタン分散液は、酸化チタンと
してアナターゼ型のみを含む。このことは、該アナター
ゼ型酸化チタン分散液を乾燥して酸化チタン粉末を調製
し、粉末X線回折を測定したときに、アナターゼ型酸化
チタンに帰属されるピークのみを示すことにより確認さ
れる。
【0012】また、該アナターゼ型酸化チタン分散液
は、分散液を常温で真空乾燥して得られる酸化チタン粉
末の粉末X線回折を測定して、得られた(101)面の
半値幅をもとにシェラーの式により算出した粒径が、5
nm以上20nm以下であると、得られた薄膜が高い比
表面積を有するため望ましい。本発明の光触媒薄膜は、
酸化チタン薄膜にCu、Ag、Pt、Pd、Ni、C
o、Fe、Ru、Rh、Znのうち少なくとも1種の金
属元素を担持していることが必要である。中でも標準電
極電位が高くて金属まで還元されやすい元素が好ましい
ことから、Pt、Rh、Pd、Cu、Ag、Ruが好ま
しい。
【0013】金属の担持密度は、5pmol・cm-2
上500pmol・cm-2以下であり、好ましくは10
pmol・cm-2以上100pmol・cm-2以下であ
る。担持密度が5pmol・cm-2未満では、活性向上
が十分ではなく、500pmol・cm-2よりも多い場
合には、金属粒子の凝集が起こり、酸化チタンの活性サ
イトが覆われてしまうため、活性が低下する。金属の担
持密度は、塗布した金属塩溶液に含まれるCu、Ag、
Pt、Pd、Ni、Co、Fe、Ru、Rh、Znの合
計量を、塗布面積で割ることにより算出している。これ
らの元素は全て還元され金属になったものとして計算し
ている。
【0014】本発明の光触媒薄膜に担持されている金属
は、平均粒径1nm以上20nm以下の粒子で担持され
ていることが好ましく、より好ましくは平均粒径2nm
以上10nm以下である。これは、平均粒径が2nm以
下に制御しようとすると、活性向上に十分な量の金属を
担持させることが難しく、また、平均粒径が10nm以
上であると、酸化チタン粒子表面に対する金属粒子の被
覆率が増大して、酸化チタン表面の活性サイトが覆われ
てしまい、活性向上が小さくなるためである。
【0015】ここで言う平均粒径とは、透過型電子顕微
鏡HITACHI製HF−2000により倍率約250
万倍で測定された金属粒子500個の粒径の平均の値を
指す。金属粒子が円形である場合は、その直径を粒径と
した。金属粒子が円形でない場合は、その投影面積と同
じ面積の円の直径(円相当径)をもって粒径とした。金
属の担持方法は、真空蒸着法やスパッター法のようなP
VD法およびプラズマCVD法、熱CVD法などのCV
D法が知られているが、光還元法が簡易で望ましい。光
還元法とは、酸化チタン薄膜に金属塩水溶液を塗布し、
紫外光を照射することにより、金属イオンを還元して担
持する方法のことをさす。光還元法を行う場合、金属源
は、塩化物、硝酸塩などが使用可能だが、共役塩基を光
照射により二酸化炭素として触媒表面から容易に除去で
きるため触媒が被毒せず、また入手も容易であることか
ら、酢酸塩が好ましい。
【0016】光照射には、キセノン灯、高圧水銀灯、殺
菌灯、ブラックライト等の紫外光光源を用いることがで
きる。光還元法での紫外線照射方法の一例は、次のよう
である。360nmの紫外線強度が1mW・cm-2のブ
ラックライトの光を24時間照射することにより、5p
mol・cm-2以上500pmol・cm-2以下の密度
で担持した金属塩を還元した。金属塩水溶液の濃度は、
5.0×10-8mol・L-1以上5.0×10-5mol
・L-1以下が、より好ましくは5.0×10-7mol・
-1以上5.0×10 -6mol・L-1以下が塗布・乾燥
が容易であり、金属塩の溶解度の点からも好ましい。
【0017】酸化チタン薄膜を製膜するためのペルオキ
ソ基を含有するアナターゼ型酸化チタン分散液は、Ti
量に対しモル比で、0.1%以上10%以下、より好ま
しくは0.5%以上5%以下のペルオキソ基を含有して
いることが好ましい。ペルオキソ基がモル比で0.1%
未満では、ゾルの分散性が悪く均一な薄膜を製膜できな
い可能性があるばかりか、光照射終了後の光触媒活性の
持続性も低い。10%よりも多い場合には、酸化チタン
薄膜の光触媒活性が低くなる恐れがある。
【0018】上記の範囲のペルオキソ基を含有するアナ
ターゼ型酸化チタン分散液を、常温で製膜して得られる
酸化チタン薄膜は、Tiに対しモル比で、100ppm
以上10%以下、より好ましくは0.1%以上5%以下
のペルオキソ基を含有していることが好ましい。ペルオ
キソ基がモル比で100ppmより少ないと、酸化チタ
ンに担持された金属イオンが溶出しやすくなる。本発明
においては、ペルオキソ基を含有するアナターゼ型酸化
チタン分散液またはペルオキソ基を含有するアナターゼ
型酸化チタン分散液を製膜して得られる酸化チタン薄膜
の含有するペルオキソ基量は、ペルオキソ基の定量法と
して広く用いられている、ヨードメトリー法に従い、定
量することができる。
【0019】酸化チタン薄膜の厚みは、0.01μm以
上3μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm以
上2μm以下である。膜厚が0.01μm未満では、光
触媒活性が十分でなく、膜厚が3μm以上では、クラッ
クを生じやすくなる。こうして得られた本発明による光
触媒薄膜は、酸化チタン薄膜に担持されている金属粒子
が、酸化チタン薄膜に生成する電子と正孔の電荷分離を
促進するため、光触媒活性を向上することができる。
【0020】本光触媒薄膜は、酸化チタン光触媒塗布液
として、ペルオキソ基を含有するアナターゼ型酸化チタ
ン分散液を使用しているため、基体として幅広い材質の
基体を採用することが可能であり、また、常温で製膜可
能である。また、金属の担持も常温で水溶液を用いて行
えるため、本光触媒薄膜は、常温で簡易かつ安全に製造
することができる。ペルオキソ基を含有するアナターゼ
型酸化チタン分散液を製膜して得られる酸化チタン薄膜
は、焼成せずに基体表面で硬化するため、高表面積を有
している。それに加え、焼成されずに製膜されるている
ため、分散液に含まれていた大部分のペルオキソ基が分
解されず、酸化チタン薄膜に残存しているという、他の
酸化チタン薄膜にない性質を有する。
【0021】本光触媒薄膜は、水中で使用した場合、金
属の溶出がほとんど見られない。この理由として、金属
の担持量が極めて少ないという理由の他に、上述した酸
化チタン薄膜が高表面積を有しており、金属の固定され
るサイトが多く存在するためと、薄膜に含有されるペル
オキソ基が負に帯電しているため、陽イオンである金属
イオンが生じてもペルオキソ基との間で静電的引力が働
き、金属イオンの溶出を防ぐ効果があるためであると思
われる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明におけるペルオキソ基を含
有するアナターゼ型酸化チタン分散液中のチタン量は、
ICP発光分析装置JYOBIN YVON製JY13
8UL TRACEにより求めた。本発明におけるペル
オキソ基を含有するアナターゼ型酸化チタン分散液を製
膜した酸化チタン薄膜に含まれるチタン量は、蛍光X線
測定装置RIGAKU製RIX3000により求めた。
【0023】本発明におけるペルオキソ基を含有するア
ナターゼ型酸化チタン分散液およびペルオキソ基を含有
するアナターゼ型酸化チタン分散液を製膜した酸化チタ
ン薄膜中のペルオキソ基の定量は、全て以下のようにし
てヨードメトリー法により行った。あらかじめドライア
イスを用いて溶存酸素を除去したイソプロパノール25
mlに、飽和ヨウ化ナトリウム溶液1ml、酢酸1ml
を添加した溶液に、試料として、ペルオキソ基を含有す
るアナターゼ型酸化チタン分散液の場合は10ml程度
を、酸化チタン薄膜の場合は50mg程度を剥離して添
加し、40℃で1時間保温して、残留する過酸化基とヨ
ウ素イオンを十分反応させ、生成するヨウ素I2で呈色
した液を得る。次いで、0.01モルのチオ硫酸ナトリ
ウム溶液を用いて滴定し、無色透明になるところを終点
とする。滴定に要したチオ硫酸ナトリウム量から過酸化
基量を求め、さらに液中チタン量から、チタンに対する
過酸化基量の比を算出した。
【0024】金属粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡
HITACHI製HF−2000により倍率約250万
倍で測定された金属粒子500個の粒径の平均の値を指
す。金属粒子が円形である場合は、その直径を粒径とし
た。金属粒子が円形でない場合は、その投影面積と同じ
面積の円の直径(円相当径)をもって粒径とした。
【0025】
【実施例1】Tiに対し、モル比で2.0%のペルオキ
ソ基を含有する、市販のペルオキソ基を含有するアナタ
ーゼ型酸化チタン分散液(田中転写製、商品名「TO
sol」)を使用して、縦2.5cm、横5cm、厚さ
2mmのホウ珪酸ガラス板(ショット日本製、商品名
「テンパックス」)に、厚さ0.2μmの酸化チタン薄
膜をコートした。この酸化チタン薄膜はTiに対しモル
比で1.8%のペルオキソ基を含有していた。このテン
パックス板全面に対し、1.0×10-6mol・L-1
酢酸銅水溶液を0.3ml塗布した。塗布後、360n
mの紫外線強度1mW・cm-2のブラックライト光を2
4時間照射し、試料Aを得た。この試料Aの銅粒子の平
均粒径は4nmであった。
【0026】この試料を用いて、流通式光触媒反応装置
によりアセトアルデヒドの分解活性を測定した。天井が
石英製の窓で作られた、横幅5cm、縦20cm、高さ
6mmの反応セルを水平に置き、その中央に試料Aを置
いた。反応セル天井の窓を通して、上方から紫外線強度
3.5mW・cm-2のブラックライトブルー蛍光灯の光
を照射しながら、酸素20%、窒素80%、水蒸気1.
5%、アセトアルデヒド10ppmからなる反応ガス
を、流量100ml・min-1で流し温度25℃で反応
させた。反応が定常に達した時、反応セル出口のアセト
アルデヒド濃度は4.0ppm、二酸化炭素濃度は12
ppmであった。反応後の試料Aを100mlの純水に
10日間浸漬したが、水中の銅イオン濃度は10ppb
以下であった。浸漬後の試料Aの活性は浸漬前に等しか
った。
【0027】
【実施例2】1.0×10-6mol・L-1の酢酸ニッケ
ル水溶液を0.3ml、塗布した他は実施例1と同様に
して、試料Bを得た。この試料Bのニッケル粒子の平均
粒径は5nmであった。この試料を用いて実施例1と同
様の方法によりアセトアルデヒドの分解活性を測定し
た。反応が定常に達した時、反応セル出口のアセトアル
デヒド濃度は4.2ppm、二酸化炭素濃度は12pp
mであった。反応後の試料Bを100mlの純水に10
日間浸漬しておいたが、水中のニッケルイオン濃度は1
0ppb以下であった。浸漬後の試料Bの活性は浸漬前
に等しかった。
【0028】
【実施例3】1.0×10-6mol・L-1の酢酸銀水溶
液を0.3ml、塗布した他は実施例1と同様にして、
試料Cを得た。この試料Cの銀粒子の平均粒径は9nm
であった。この試料を用いて実施例1と同様の方法によ
りアセトアルデヒドの分解活性を測定した。反応が定常
に達した時、反応セル出口のアセトアルデヒド濃度は
4.9ppm、二酸化炭素濃度は10ppmであった。
反応後の試料Cを100mlの純水に10日間浸漬して
おいたが、水中の銀イオン濃度は10ppb以下であっ
た。浸漬後の試料Cの活性は浸漬前に等しかった。
【0029】
【実施例4】1.0×10-6mol・L-1の塩化白金酸
(IV)水溶液を0.3ml、塗布した他は実施例1と
同様にして、試料Dを得た。この試料Dの白金粒子の平
均粒径は10nmであった。この試料を用いて実施例1
と同様の方法によりアセトアルデヒドの分解活性を測定
した。反応が定常に達した時、反応セル出口のアセトア
ルデヒド濃度は5.0ppm、二酸化炭素濃度は10p
pmであった。反応後の試料Dを100mlの純水に1
0日間浸漬しておいたが、水中の白金イオン濃度は10
ppb以下であった。浸漬後の試料Dの活性は浸漬前に
等しかった。
【0030】
【実施例5】1.0×10-6mol・L-1の酢酸コバル
ト水溶液を0.3ml、塗布した他は実施例1と同様に
して、試料Eを得た。この試料Eのコバルト粒子の平均
粒径は8nmであった。この試料を用いて実施例1と同
様の方法によりアセトアルデヒドの分解活性を測定し
た。反応が定常に達した時、反応セル出口のアセトアル
デヒド濃度は4.7ppm、二酸化炭素濃度は11pp
mであった。反応後の試料Eを100mlの純水に10
日間浸漬しておいたが、水中のコバルトイオン濃度は1
0ppb以下であった。浸漬後の試料Eの活性は浸漬前
に等しかった。
【0031】
【比較例1】実施例1と同じTO solを使用して、
縦2.5cm、横5cm、厚さ2mmのテンパックス板
に、厚さ0.2μmの酸化チタン薄膜をコートして、試
料Fを得た。この試料を用いて実施例1と同様の方法に
よりアセトアルデヒドの分解活性を測定した。反応が定
常に達した時、反応セル出口のアセトアルデヒド濃度は
5.5ppm、二酸化炭素濃度は8.9ppmであっ
た。反応後の試料Fを100mlの純水に10日間浸漬
した後に取り出し、活性評価をしたところ、活性は浸漬
前に等しかった。
【0032】
【発明の効果】本発明の光触媒薄膜は、光触媒活性が高
く、かつ金属の保持が良好で、水中での溶出が少ないた
め、空気中・水中での悪臭物質の分解除去に有用であ
る。なおかつ、本発明の光触媒薄膜は、幅広い材質の基
体の表面に常温で簡易かつ安全に製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/72 B01J 23/74 321M 23/75 311M 23/755 B01D 53/36 J Fターム(参考) 4C080 AA07 BB02 BB05 CC01 HH05 KK08 LL03 MM02 MM07 QQ03 4D048 AA21 AA22 BA07X BA10X BA13X BA16Y BA30X BA31Y BA32Y BA33Y BA34X BA35X BA36Y BA37X BA38X BA41X BB03 EA01 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA14B BA48A BB02A BB02B BC31A BC31B BC32A BC32B BC35A BC66A BC67A BC67B BC68A BC68B BC70A BC71A BC72A BC75A BC75B CA05 CA10 CA17 EA07 EB15Y EB19 FA03 FB23 FC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペルオキソ基を含有するアナターゼ型酸
    化チタン分散液を製膜して作られる酸化チタン薄膜に、
    Cu、Ag、Pt、Pd、Ni、Co、Fe、Ru、Z
    nおよびRhの群から選ばれる少なくとも1種の金属元
    素を5pmol・cm-2以上500pmol・cm-2
    下の密度で担持していることを特徴とする光触媒薄膜。
  2. 【請求項2】 酸化チタン薄膜が、ペルオキソ基をTi
    に対するモル比で100ppm以上10%以下含有する
    ことを特徴とする、請求項1の光触媒薄膜。
  3. 【請求項3】 担持されている金属元素が、平均粒径1
    nm以上20nm以下の金属粒子であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の光触媒薄膜。
JP2001129943A 2001-04-26 2001-04-26 金属を酸化チタン薄膜に担持した光触媒薄膜 Withdrawn JP2002320862A (ja)

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