JP2002316395A - 発泡樹脂成形体 - Google Patents

発泡樹脂成形体

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JP2002316395A
JP2002316395A JP2001122469A JP2001122469A JP2002316395A JP 2002316395 A JP2002316395 A JP 2002316395A JP 2001122469 A JP2001122469 A JP 2001122469A JP 2001122469 A JP2001122469 A JP 2001122469A JP 2002316395 A JP2002316395 A JP 2002316395A
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Motonobu Ishida
元伸 石田
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Daikyo Nishikawa Corp
Original Assignee
Nishikawa Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表皮材の表面への凹凸の発生を抑止し、その
外観が良好に維持される発泡樹脂成形体を提供する。 【解決手段】 各々がパウダースラッシュ成形された複
数の熱可塑性樹脂層を一体に積層してなる表皮材8と、
相互に溶着した多数のオレフィン系樹脂発泡ビーズから
なる発泡ビーズ層7と、を一体成形した発泡樹脂成形体
1において、表皮材8を、オレフィン系樹脂材料で成形
された表皮表面層8aと、無水マレイン酸から誘導され
た側鎖を有するオレフィン系樹脂を含む材料で成形され
た表皮裏面層8bと、を備えたものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各々がパウダース
ラッシュ成形された複数の熱可塑性樹脂層を一体に積層
してなる表皮材と、相互に溶着した多数のオレフィン系
樹脂発泡ビーズからなる発泡ビーズ層と、を一体成形し
た発泡樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のインストルメントパネル、クラ
ッシュパッド等の発泡樹脂成形体として、表皮材がポリ
塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)で形成され、それとポリ
プロピレン(以下「PP」という)樹脂で形成された基
材との間に熱硬化性ポリウレタン樹脂の発泡層が形成さ
れたものがある。
【0003】しかしながら、かかる発泡樹脂成形体で
は、発泡層が熱硬化性ポリウレタン樹脂で形成されてい
るため、その全体をリサイクルに供することができない
という問題がある。
【0004】かかる問題を解決するものとして、熱可塑
性樹脂からなる表皮材と相互に溶着した多数のオレフィ
ン系樹脂発泡ビーズからなる発泡ビーズ層とを一体成形
した発泡樹脂成形体がある。
【0005】特開平7−266480号公報には、PP
等のオレフィン系樹脂の発泡ビーズ体と、軟質塩化ビニ
ル等のゴム特性を有するオレフィン系樹脂の装飾用の表
皮との間に、低融点のオレフィン系樹脂からなる低温フ
ォーム層と、高融点のオレフィン系樹脂からなる高温フ
ォーム層とを順に設けた樹脂成形体が開示されており、
かかる構成によれば、発泡ビーズ体の成形時に、低温フ
ォーム層は発泡ビーズ体に熱溶着する一方、高温フォー
ム層は溶融しないので、発泡ビーズ体の凹凸が表皮表面
に表出するのが防止される、との内容が記載されてい
る。
【0006】特開平9−29872号公報には、表皮を
有するPPビーズ発泡体であって、スラッシュ成形によ
り形成された塩化ビニル樹脂最外層と、その内側に一体
的にスラッシュ成形されて形成された塩化ビニル樹脂及
び熱可塑性オレフィン系エラストマーの中間層と、によ
り表皮が構成されたものが開示されており、かかる構成
によれば、表皮がスラッシュ成形されて局部的な薄肉部
を有しないので、PPビーズ発泡体の成形時に凹凸が表
皮表面に現れず、また、表皮を複層構造としてその中間
層に塩化ビニル樹脂及び熱可塑性オレフィン系エラスト
マーを用いているので、表皮全体の一体性及び表皮とP
Pビーズ発泡体との一体性が共に高いものとなる、との
内容が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる発泡
樹脂成形体において、表皮材と発泡ビーズ層との間の接
着が十分でない場合、表皮材が発泡ビーズ層から剥が
れ、その表面に凹凸が発生して外観が損なわれるという
問題がある。また、自動車のインストルメントパネル等
の発泡樹脂成形体では、110℃以上の高温に晒されて
使用されることもあるが、かかる熱履歴を受けることに
よって表皮材を構成する材料が軟化し、その影響によっ
てその表面に凹凸が発生して外観が損なわれるという問
題もある。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、表皮材の表面への凹
凸の発生を抑止し、その外観が良好に維持される発泡樹
脂成形体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、オレフィン系
樹脂材料で成形された表皮表面層と、無水マレイン酸か
ら誘導された側鎖を有するオレフィン系樹脂を含む材料
又はオレフィン系ゴムが分散されたPE樹脂を含む材料
で成形された表皮裏面層と、を備えた表皮材を構成する
ようにしたものである。
【0010】具体的には、本発明は、各々がパウダース
ラッシュ成形された複数の熱可塑性樹脂層を一体に積層
してなる表皮材と、相互に溶着した多数のオレフィン系
樹脂発泡ビーズからなる発泡ビーズ層と、を一体成形し
た発泡樹脂成形体を前提とする。そして、表皮材は、オ
レフィン系樹脂材料で成形された表皮表面層と、無水マ
レイン酸から誘導された側鎖を有するオレフィン系樹脂
を含む材料で成形された表皮裏面層と、を備えたことを
特徴とする。
【0011】上記の構成によれば、表皮裏面層が無水マ
レイン酸から誘導された側鎖を有するオレフィン系樹脂
を含む材料で成形されており、これが発泡ビーズ層に対
して高い接着性を示す一方、表皮裏面層がパウダースラ
ッシュ成形されて表皮材の隣接層との界面で相互拡散に
よりその隣接層に密着一体化するので、表皮材と発泡層
とが強固に接着して表皮材が発泡ビーズ層から剥がれて
遊離するのが抑えられ、また、無水マレイン酸から誘導
された側鎖を有するオレフィン系樹脂は、融点が比較的
高く耐熱性に優れているので、容易に軟化することがな
く、その結果、表皮材の表面への凹凸の発生が抑止さ
れ、その外観が良好に維持されることとなる。
【0012】また、表皮材を複数層にしているので、表
面に露出する表皮表面層のみに高価なオレフィン系樹脂
を使用し、表皮裏面層に安価な樹脂材料を使用すること
により、全体として従来よりも安価な表皮材を得ること
ができる。
【0013】ここで、表皮材は、熱可塑性樹脂を順次パ
ウダースラッシュ成形することにより複数層が一体に積
層されるようにして成形され、表皮表面層及び表皮裏面
層の2層構造であっても、それらの間に1層又はそれ以
上の層を設けた3層以上の多層構造であってもよい。
【0014】表皮表面層は、アルケンを重合して得られ
たオレフィン系樹脂で成形されるが、PPのように単一
オレフィンの重合体であっても、複数のオレフィンの共
重合体であってもよく、また、PPとエチレン・プロピ
レン・ジエン共重合体(以下「EPDM」という)との
ブレンド樹脂(以下「PP−EPDM樹脂」という)の
ような複数の重合体の混合物であってもよい。
【0015】表皮裏面層は、無水マレイン酸から誘導さ
れた側鎖を有するオレフィン系樹脂を含む材料で成形さ
れるが、かかるオレフィン系樹脂単独材料で成形された
ものであっても、また、かかるオレフィン系樹脂にEP
DM等のオレフィン系ゴムを混合した材料で成形された
ものであってもよい。後者の構成によれば、ゴム弾性に
よって表皮材が弾力に富むものとなり、表皮材表面にソ
フト感が呈されることとなる。
【0016】また、表皮裏面層は、ソリッド層であって
も、また、軟質若しくは硬質発泡層であってもよい。表
皮裏面層が軟質発泡層の場合、表皮材が弾力に富むもの
となり、外観にソフト感が呈されることとなる。また、
表皮裏面層がソリッド層の場合、発泡ビーズが表皮裏面
層に点接触することとなるのに対し、表皮裏面層が発泡
層の場合、発泡ビーズが表皮裏面層に沈み込んで接触す
ることとなることから、表皮裏面層と発泡ビーズ層との
密着性の観点からは、表皮裏面層を発泡層とすることが
好ましい。
【0017】発泡ビーズ層は、例えば、PP等のオレフ
ィン系樹脂を発泡させた多数の球形の粒状物を相互に溶
着させることにより成形される。
【0018】そして、上記の「表皮材の表面への凹凸の
発生が抑止され、その外観が良好に維持される」という
効果は、表皮裏面層を無水マレイン酸から誘導された側
鎖を有するオレフィン系樹脂を含む材料で成形した場合
の他、表皮裏面層をオレフィン系ゴムが分散されたPE
樹脂を含む材料で成形することによっても得ることがで
きる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
表皮裏面層が無水マレイン酸から誘導された側鎖を有す
るオレフィン系樹脂を含む材料、又はオレフィン系ゴム
が分散されたPE樹脂を含む材料で成形されているの
で、表皮材の表面への凹凸の発生が抑止され、その外観
を良好に維持することができる。
【0020】また、表皮材を複数層にしているので、表
面に露出する表皮表面層のみに高価なオレフィン系樹脂
を使用し、表皮裏面層に安価な樹脂材料を使用すること
により、全体として従来よりも安価な表皮材を得ること
ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0022】(インストルメントパネルの構成)図1
は、本発明の実施形態に係る発泡樹脂成形体としての自
動車の部分パッド付インストルメントパネル1を示す。
図2は、図1におけるA−A断面図を示す。
【0023】このインストルメントパネル1は、図1に
示すように、基材としてのパネル本体2に部分的にパッ
ド3が一体的に成形されている。
【0024】パッド3は、その断面を図2に示すよう
に、パネル本体2に形成された底壁4と側壁5とからな
る凹状のパッド収容部6内において、多数の発泡ビーズ
7a,7a,…が相互に溶着した発泡ビーズ層7と、発
泡ビーズ層7の表面及び側面に積層された表皮材8とが
一体的に成形された構成となっている。
【0025】発泡ビーズ層7は、PP等のオレフィン系
樹脂を原料とする多数の発泡ビーズ7aが相互に溶着し
て形成されている。
【0026】表皮材8は、表皮表面層8aと表皮裏面層
8bとの2層からなる。表皮表面層8aは、PP−EP
DM等の熱可塑性オレフィン系樹脂材料からなり、パウ
ダー状の当該材料をパウダースラッシュ成形して形成さ
れた非発泡層である。表皮裏面層8bは、無水マレイン
酸から誘導された側鎖を有するオレフィン系樹脂(例え
ば、三井化学社製 商品名:アドマー)にEPDM等の
オレフィン系ゴム及び発泡剤を混合した材料からなり、
表皮表面層8aの裏面側に層をなすようにパウダー状の
当該材料をパウダースラッシュ成形して表皮表面層8a
と一体に成形された軟質発泡層である。表皮材8の端縁
は裏面側に屈曲して成形された表皮屈曲部8cを構成し
ており、その表皮屈曲部8cは発泡ビーズ層7とパッド
収容部6の側壁5とで挟着されてその側壁5に密着して
いる。
【0027】パネル本体2は、PP等のオレフィン系樹
脂材料を射出成形したものである。パネル本体2のパッ
ド収容部6の周縁部の底壁4には、蒸気排出口9,9,
…がパネル本体2を貫通して複数個所に形成されている
と共に、蒸気排出口9,9,…から離間した位置に発泡
ビーズ注入口10がパネル本体2を貫通して形成されて
いる。蒸気排出口9,9,…は、パッド3の成形に際
し、パッド収容部6に蒸気を導入するためのもので、発
泡ビーズ7aの外径より小径に形成されている一方、発
泡ビーズ注入口10は、パッド収容部6に発泡ビーズ7
aを供給するためのもので、発泡ビーズ7aより大径に
形成されている。また、パッド収容部6の底壁4には、
発泡ビーズ層成形工程時に蒸気をパッド収容部6に注入
するため、発泡ビーズ7aより小径の蒸気供給口4a,
4a,…がパネル本体2を貫通して多数形成されてい
る。
【0028】(インストルメントパネルの製造方法)次
に、このインストルメントパネル1の製造方法について
説明する。
【0029】<表皮成形工程>加熱された表皮成形型に
パウダー状のPP−EPDM等のオレフィン系樹脂材料
を入れ、そのパウダー状のオレフィン系樹脂材料を相互
に溶着させるパウダースラッシュ成形により表皮表面層
8aを成形する。
【0030】次いで、表皮成形型に成形された半溶融状
態の表皮表面層8aの上に無水マレイン酸から誘導され
た側鎖を有するオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社
製商品名:アドマー)にEPDM等のオレフィン系ゴム
及び発泡剤を混合したパウダー状の材料を入れ、そのパ
ウダー状の樹脂材料を相互に溶着させると共に発泡させ
るパウダースラッシュ成形により表皮裏面層8bとして
の軟質発泡層を成形する。このとき、表皮表面層8aと
表皮裏面層8bとは、両層の界面でそれぞれを構成する
樹脂材料が相互拡散することにより一体化する。
【0031】そして、成形型を冷却した後に、表皮表面
層8aと表皮裏面層8bとが一体成形された表皮材7を
成形型から取り出す。
【0032】<パネル本体成形工程>射出成形機のホッ
パにペレット状のPP等のオレフィン系樹脂材料を投入
し、それをシリンダ内で溶融させて混練し、パネル本体
成形型にその溶融樹脂を射出する。
【0033】そして、成形型を冷却した後に型開きし、
成形されたパネル本体2を成形型から取り出す。
【0034】<発泡ビーズ層成形工程>パウダースラッ
シュ成形した表皮材7を、その表皮表面層8aが成形型
の下型に当接するようにセットする。また、射出成形し
たパネル本体2を、その裏面が成形型の上型に当接する
ようにセットする。
【0035】次に、上型と下型とを閉じ、しかる後、発
泡ビーズ供給装置により、上型の注入路を経て、パネル
本体2の発泡ビーズ注入口10からパッド収容部6に発
泡ビーズ7aを圧送して注入する(発泡ビーズ注入ステ
ップ)。
【0036】次いで、上型の蒸気通路を経てパネル本体
2の蒸気供給口4a,4a,…から、発泡ビーズ7aが
充填されたパッド収容部6に蒸気を供給すると共に蒸気
排出口9,9,…から蒸気を排出する(発泡ビーズ溶着
ステップ)。また、下型を冷却して表皮材8に蒸気の熱
により変形を受けないようにする。このとき、発泡ビー
ズ7a,7a,…が相互に溶着して発泡ビーズ層7が成
形されると共に、その発泡ビーズ層7と表皮材8及びパ
ネル本体2とが接着する。
【0037】そして、冷却手段により発泡ビーズ層7を
冷却し、上型及び下型を開いて発泡樹脂成形品としての
インストルメントパネル1を取り出して製造を完了す
る。
【0038】(作用・効果)上記構成のインストルメン
トパネル1によれば、表皮裏面層8bが無水マレイン酸
から誘導された側鎖を有するオレフィン系樹脂を含む材
料で形成されており、これが発泡ビーズ層7に対して高
い接着性を示す一方、表皮裏面層8bがパウダースラッ
シュ成形されて表皮表面層8aとの界面で相互拡散によ
り表皮表面層8aに密着一体化するので、表皮材8と発
泡ビーズ層7とが強固に接着して表皮材8が発泡ビーズ
層7から剥がれて遊離するのが抑えられ、また、無水マ
レイン酸から誘導された側鎖を有するオレフィン系樹脂
は、融点が比較的高く耐熱性に優れているので、容易に
軟化することがなく、その結果、表皮材8の表面への凹
凸の発生が抑止され、その外観が良好に維持されること
となる。
【0039】また、表皮材8を2層にしているので、表
面に露出する表皮表面層8aのみに高価なオレフィン系
樹脂を使用し、表皮裏面層8bに安価な樹脂材料を使用
することにより、全体として従来よりも安価な表皮材8
を得ることができる。
【0040】さらに、表皮裏面層8bを軟質発泡層とし
ており、また、オレフィン系ゴムを含んでいるので、表
皮材8が弾力に富むものとなり、表皮材8表面の外観に
ソフト感が呈されることとなる。
【0041】加えて、表皮裏面層がソリッド層の場合に
は、表皮裏面層と発泡ビーズとが点接触となるため両者
の密着性が低いが、表皮裏面層8bが軟質発泡層である
ので、発泡ビーズ7a,7a,…が表皮裏面層8bに沈
み込んで接触することとなるので、両者の密着性が高い
ものとなる。
【0042】(その他の実施形態)上記実施形態では、
無水マレイン酸から誘導された側鎖を有するオレフィン
系樹脂を含む材料で表皮裏面層8bを成形したが、特に
これに限定されるものではなく、EPDM等のオレフィ
ン系ゴムが分散されたPE樹脂を含む材料で表皮裏面層
を成形するようにしても、表皮材の表面への凹凸の発生
を抑止し、その外観を良好に維持することができる。
【0043】また、上記実施形態では、表皮裏面層8b
を軟質発泡層としたが、特にこれに限定されるものでは
なく、硬質発泡層、あるいはソリッド層としてもよい。
【0044】また、上記実施形態では、表皮裏面層8b
を成形する材料にオレフィン系ゴムを含ませるようにし
たが、特にこれに限定されるものではなく、無水マレイ
ン酸から誘導された側鎖を有するオレフィン系樹脂のみ
で表皮裏面層を成形してもよい。
【0045】また、上記実施形態では、表皮材を表皮表
面層と表皮裏面層との2層としたが、特にこれに限定さ
れるものではなく、それらの間に表皮中間層を設けた3
層以上の構造としてもよい。
【0046】また、上記実施形態では、発泡樹脂成形体
をインストルメントパネル1としたが、特にこれに限定
されるものではなく、例えば、自動車のドアトリム、コ
ンソールリッド等であってもよい。
【0047】
【実施例】(試験評価サンプル)表皮表面層及び発泡ビ
ーズ層それぞれに対して高接着性能を有する材料で表皮
裏面層を成形した以下の各例に係る試験評価サンプルを
作成した。
【0048】<例1>PPとPEとのオレフィン系混合
樹脂にEPDMのオレフィン系ゴムを分散させた熱可塑
性オレフィン樹脂材料(住友化学社製 商品名:エスポ
レックス)をパウダースラッシュ成形した表皮表面層
と、表皮表面層と同一の熱可塑性オレフィン樹脂材料に
発泡剤であるアゾジカルボンアミド(三協化成社製 商
品名:セルマイク)を加えた材料を体積が2倍になるよ
うに表皮表面層の裏側にパウダースラッシュ成形した表
皮裏面層と、PP発泡ビーズが相互に溶着した発泡ビー
ズ層と、が順に一体に積層された板状の発泡樹脂成形体
の試験評価用サンプルを例1とした。
【0049】<例2>表皮裏面層の発泡倍率を3倍とし
たことを除いて例1と同一構成の発泡樹脂成形体の試験
評価用サンプルを例2とした。
【0050】<例3>表皮裏面層の発泡倍率を4倍とし
たことを除いて例1と同一構成の発泡樹脂成形体の試験
評価用サンプルを例3とした。
【0051】<例4>表皮裏面層の発泡倍率を5倍とし
たことを除いて例1と同一構成の発泡樹脂成形体の試験
評価用サンプルを例4とした。
【0052】<例5>例1の熱可塑性オレフィン樹脂を
90質量部とエチレンエチルアクリレート共重合体(E
EA)樹脂(日本ユニカー社製 商品名:ナックフレッ
クスPES−220 融点95℃)を10質量部とを混
合した樹脂材料で表皮裏面層を成形したことを除いて例
1と同一構成の発泡樹脂成形体の試験評価用サンプルを
例5とした。
【0053】<例6>熱可塑性オレフィン樹脂を70質
量部とエチレンエチルアクリレート共重合体樹脂を30
質量部とを混合した樹脂材料で表皮裏面層を成形したこ
とを除いて例5と同一構成の発泡樹脂成形体の試験評価
用サンプルを例6とした。
【0054】<例7>熱可塑性オレフィン樹脂を50質
量部とエチレンエチルアクリレート共重合体樹脂を50
質量部とを混合した樹脂材料で表皮裏面層を成形したこ
とを除いて例5と同一構成の発泡樹脂成形体の試験評価
用サンプルを例7とした。
【0055】<例8>熱可塑性オレフィン樹脂を30質
量部とエチレンエチルアクリレート共重合体樹脂を70
質量部とを混合した樹脂材料で表皮裏面層を成形したこ
とを除いて例5と同一構成の発泡樹脂成形体の試験評価
用サンプルを例8とした。
【0056】<例9>熱可塑性オレフィン樹脂を10質
量部とエチレンエチルアクリレート共重合体樹脂を90
質量部とを混合した樹脂材料で表皮裏面層を成形したこ
とを除いて例5と同一構成の発泡樹脂成形体の試験評価
用サンプルを例9とした。
【0057】<例10>無水マレイン酸から誘導された
側鎖を有する線状低密度PE樹脂材料(三井化学社製
商品名:アドマーNR106 融点120℃)で表皮裏
面層を成形したことを除いて例1と同一構成の発泡樹脂
成形体の試験評価用サンプルを例10とした。
【0058】<例11>無水マレイン酸から誘導された
側鎖を有するPP樹脂材料(三井化学社製 商品名:ア
ドマーQF511 融点135℃)で表皮裏面層を成形
したことを除いて例1と同一構成の発泡樹脂成形体の試
験評価用サンプルを例11とした。
【0059】<例12>エチレンメタクリル酸金属イオ
ン共重合体(アイオノマー)樹脂材料(三井・デュポン
ポリケミカル社製 商品名:ハイミラン1652(Z
n) 融点98℃)で表皮裏面層を成形したことを除い
て例1と同一構成の試験評価用サンプルを発泡樹脂成形
体の例12とした。
【0060】<例13>エチレンアクリル酸共重合体
(EAA)樹脂材料(ダウケミカル社製 商品名:プリ
マーコール3330 融点100℃)で表皮裏面層を成
形したことを除いて例1と同一構成の発泡樹脂成形体の
試験評価用サンプルを例13とした。
【0061】<例14>エチレン酢酸ビニル共重合体樹
脂材料(東ソー社製 商品名:ウルトラセン511F
融点103℃)で表皮裏面層を成形したことを除いて例
1と同一構成の発泡樹脂成形体の試験評価用サンプルを
例14とした。
【0062】<例15>n−ブチル基を側鎖に有するP
E樹脂にオレフィン系ゴムを分散させた樹脂材料(日本
ユニカー社製 商品名:ナックフレックスETS−15
39NT7 融点122℃)で表皮裏面層を成形したこ
とを除いて例1と同一構成の発泡樹脂成形体の試験評価
用サンプルを例15とした。
【0063】<例16>n−ペンチル基を側鎖に有する
PE樹脂にオレフィン系ゴムを分散させた樹脂材料(日
本ユニカー社製 商品名:ナックフレックスETS−9
064NT7融点124℃)で表皮裏面層を成形したこ
とを除いて例1と同一構成の発泡樹脂成形体の試験評価
用サンプルを例16とした。
【0064】(試験評価方法)<初期試験評価>各例に
係る発泡樹脂成形体の試験評価用サンプルについて、表
皮表面層と表皮裏面層との接着性及び表皮裏面層と発泡
ビーズ層との接着性を常温で剥離試験を行って評価し、
また、その外観を目視にて評価した。この試験評価は、
発泡樹脂成形体に熱履歴を与えないものである。
【0065】ここで、表皮表面層と表皮裏面層との接着
性評価は、接着性のレベルをA、B及びCの3段階
(A:高い応力を負荷しても剥がれることなく材料破壊
する、B:接着しているものの高い応力を負荷すること
により界面剥離する、C:容易に剥離する)で表すこと
により行った。表皮裏面層と発泡ビーズ層との接着性評
価は、接着性のレベルをA、B及びCの2段階(A:材
料破壊する、B:接着しているものの界面剥離する、
C:容易に剥離する)で表すことにより行った。外観の
目視評価は、表皮材表面の凹凸を5段階(数値が大きく
なるほど外観の凹凸が著しい)で表すことにより行っ
た。
【0066】<耐熱試験評価>各例に係る発泡樹脂成形
体の試験評価用サンプルを90℃、100℃、110
℃、120℃及び132℃の各温度に設定したオーブン
に4時間保持した後、上記と同様に接着性及び外観の評
価を行った。この試験評価は、発泡樹脂成形体に高温に
よる熱履歴を与えるものである。
【0067】<耐熱環境試験評価>各例に係る発泡樹脂
成形体の試験評価用サンプルを大型環境試験機に入れ、
サンプル表面が120℃になるように赤外線を照射する
と共に、雰囲気温度を85℃に設定し、その状態を5時
間保持した後、常温まで冷却する、という処理を2サイ
クル繰り返した。その後、上記と同様に接着性及び外観
の評価を行った。この試験評価は、実際の自動車のイン
ストルメントパネルが受ける熱履歴に近い熱履歴を発泡
樹脂成形体に与えるものであり、試験条件が最も厳しい
ものである。
【0068】(試験評価結果)表1は、表皮表面層と表
皮裏面層との接着性の評価結果を示す。表2は、表皮裏
面層と発泡ビーズ層との接着性の評価結果を示す。これ
らの表によれば、いずれの例に係る発泡樹脂成形体も、
熱履歴を与えないもの、高温による熱履歴を与えたもの
及び実使用での熱履歴を与えたもののどれもが、表皮表
面層と表皮裏面層との間及び表皮裏面層と発泡ビーズ層
との間で、「B」以上の接着性を有しているのが分か
る。本試験評価では、表皮表面層及び発泡ビーズ層のそ
れぞれに対して高接着性能を有する材料を選定して表皮
裏面層を成形したが、この結果よりその接着性能が確認
された。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】表3は、表皮材の外観の目視評価結果を示
す。同表によれば、熱履歴を与えないもの及び高温によ
る熱履歴を与えたものを比べると、加熱温度が高いほど
外観の凹凸が多くなる傾向があることが分かる。
【0072】また、熱履歴を与えないもの及び高温によ
る熱履歴を与えたものの外観評価と、実使用での熱履歴
を与えたものの外観評価とが必ずしも一致しないことが
分かる。例えば、例7及び8では、熱履歴を与えないも
の及び高温による熱履歴を与えたものの外観評価は非常
に高いが、実使用での熱履歴を与えたものの外観評価は
低いものとなっているのに対し、例10及び11、例1
5及び16では、熱履歴を与えないもの及び高温による
熱履歴を与えたものの外観評価が実使用での熱履歴を与
えたものの外観評価においても維持されている。これ
は、例7及び8の表皮裏面層を成形する熱可塑性オレフ
ィン樹脂とエチレンエチルアクリレート共重合体樹脂と
を混合した樹脂材料では、エチレンエチルアクリレート
共重合体樹脂の融点が95℃と低いために耐熱性能が低
く、高温度雰囲気に晒される熱履歴を受けた場合には外
観の優れた状態が維持されるものの、直接加熱されるよ
うな熱履歴を受けた場合には軟化して著しい外観劣化が
進行するのに対し、例10及び11の表皮裏面層を形成
する無水マレイン酸から誘導された側鎖を有するPE及
びPP樹脂材料、例15及び16の表皮裏面層を成形す
るn−アルキル基を側鎖に有するPE樹脂にオレフィン
系ゴムを分散させた樹脂材料では、融点が120〜13
5℃と高いために耐熱性能が高く、熱履歴を受けても軟
化されにくく熱安定性が高いためと考えられる。
【0073】以上の試験評価より、発泡ビーズ層との接
着性が高く且つ耐熱性に優れるということから、表皮材
の表面への凹凸の発生を抑止し、その外観を良好に維持
するためには、発泡樹脂成形体の表皮裏面層を無水マレ
イン酸から誘導された側鎖を有するオレフィン系樹脂又
はオレフィン系ゴムが分散されたPE樹脂で成形するこ
とが好ましい。
【0074】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインストルメントパネ
ル(発泡樹脂成形体)の斜視図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【符号の説明】 1 インストルメントパネル(発泡樹脂成形体) 2 パネル本体 3 パッド 4 底壁 4a 蒸気供給口 5 側壁 6 パッド収容部 7 発泡ビーズ層 8 表皮材 8a 表皮表面層 8b 表皮裏面層 8c 表皮屈曲部 9 蒸気供給口 10 ビーズ注入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK03A AK03B AK03C AK04C AK07 AK62A AK62B AK62C AK66A AK66B AK66C AK75 AL07C AN02C AT00B AT00C BA03 BA07 BA10A BA10B BA15 CA01 DE04A DJ01A DJ01C EH36 GB33 JB16B JB16C JJ03 JL00 JL02 JL16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々がパウダースラッシュ成形された複
    数の熱可塑性樹脂層を一体に積層してなる表皮材と、相
    互に溶着した多数のオレフィン系樹脂発泡ビーズからな
    る発泡ビーズ層と、を一体成形した発泡樹脂成形体であ
    って、 上記表皮材は、オレフィン系樹脂材料で成形された表皮
    表面層と、無水マレイン酸から誘導された側鎖を有する
    オレフィン系樹脂を含む材料で成形された表皮裏面層
    と、を備えたことを特徴とする発泡樹脂成形体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記表皮裏面層は、ソリッド層又は発泡層であることを
    特徴とする発泡樹脂成形体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 上記表皮裏面層を成形する材料は、オレフィン系ゴムを
    含むことを特徴とする発泡樹脂成形体。
  4. 【請求項4】 各々がパウダースラッシュ成形された複
    数の熱可塑性樹脂層を一体に積層してなる表皮材と、相
    互に溶着した多数のオレフィン系樹脂発泡ビーズからな
    る発泡ビーズ層と、を一体成形した発泡樹脂成形体であ
    って、 上記表皮材は、オレフィン系樹脂材料で成形された表皮
    表面層と、オレフィン系ゴムが分散されたポリエチレン
    樹脂を含む材料で成形された表皮裏面層と、を備えたこ
    とを特徴とする発泡樹脂成形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009286030A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Asahi Kasei Kk 発泡樹脂材
JP2011110836A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Asahi Kasei Kk 発泡樹脂容器

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