JP2003147116A - 発泡ビーズ、型内発泡成形体、型内発泡成形体の製造方法及び多層成形体 - Google Patents

発泡ビーズ、型内発泡成形体、型内発泡成形体の製造方法及び多層成形体

Info

Publication number
JP2003147116A
JP2003147116A JP2001352793A JP2001352793A JP2003147116A JP 2003147116 A JP2003147116 A JP 2003147116A JP 2001352793 A JP2001352793 A JP 2001352793A JP 2001352793 A JP2001352793 A JP 2001352793A JP 2003147116 A JP2003147116 A JP 2003147116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded product
molded article
foam
mold
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001352793A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Sugimoto
博之 杉本
Hikari Shimizu
光 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2001352793A priority Critical patent/JP2003147116A/ja
Publication of JP2003147116A publication Critical patent/JP2003147116A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、耐寒衝撃性に優れた型内発泡成形体
を得ることができる型内発泡成形用発泡ビーズ、該発泡
ビーズを型内発泡成形することにより得られる発泡成形
体、該発泡ビーズを型内発泡成形してなる発泡成形体の
製造方法及び該発泡ビーズを型内発泡成形することによ
り得られる発泡成形体からなる層を有する多層成形体を
提供すること。 【解決手段】 下記成分(A)100重量部及び成分
(B)25〜400重量部を含有する樹脂組成物からな
り、球換算平均直径が0.2〜10mmである型内発泡
成形用発泡ビーズ。 (A):ポリオレフィン系樹脂 (B):非晶性ゴム質重合体

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、型内発泡成形用発
泡ビーズ、該発泡ビーズを型内発泡成形してなる発泡成
形体、該発泡成形体の製造方法、該発泡成形体からなる
層を有する多層成形体に関するものである。更に詳しく
は、柔軟性及び耐寒衝撃性に優れた型内発泡成形体を得
ることができる型内発泡成形用発泡ビーズ、該発泡ビー
ズを型内発泡成形してなる柔軟性及び耐寒衝撃性に優れ
た型内発泡成形体、該発泡ビーズを型内発泡成形してな
る発泡成形体の製造方法、該発泡成形体からなる層を有
する多層成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インストルメントパネル等の自動車用内
装部品には、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる粉末を粉末
成形して得られる表皮層、半硬質ポリウレタンからなる
発泡層及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合体(ABS樹脂)からなる芯材層とを有する多層成
形体が、柔軟性に優れるために広く用いられている。し
かしながら、発泡層を構成するポリウレタンの原料を取
り扱う場合の作業環境問題及びリサイクル等の観点か
ら、ポリオレフィン系材料からなる発泡層を有する多層
成形体が求められている。
【0003】上記多層成形体としては、例えば、特開平
5−208467号公報に、ポリオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物からなる表皮層にポリオレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物からなる発泡層を粉末成形
により積層した後に、ポリプロピレンからなる芯材層を
圧縮成形により積層してなる多層成形体が開示されてい
る。また、特開平11−953号公報には、オレフィン
系熱可塑性エラストマーからなる表皮層に、ポリプロピ
レンからなる発泡ビーズを型内発泡成形して得られる発
泡層を積層してなる多層成形体が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−208467号公報記載の上記多層成形体は、圧縮
成形の際に発泡層の発泡セルが壊れることがあり、該多
層成形体の柔軟性は、十分満足のいくものではなかっ
た。また、特開平11−953号公報記載の上記多層成
形体は柔軟性に劣るため、高級感のある自動車内装材料
が得られないという問題があった。また、該多層成形体
の耐寒衝撃性は十分満足いくものではなく、低温(例え
ば0℃)での衝撃により該多層成形体の発泡層に亀裂が
入ることがあるという問題があった。かかる状況の下、
本発明が解決しようとする課題は、柔軟性、耐寒衝撃性
に優れた型内発泡成形体を得ることができる型内発泡成
形用発泡ビーズ、該発泡ビーズを型内発泡成形すること
により得られる発泡成形体及び該発泡ビーズを型内発泡
成形してなる発泡成形体の製造方法を提供することにあ
る。更には、該発泡ビーズを型内発泡成形することによ
り得られる発泡成形体からなる層を有する多層成形体を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のうち
第一の発明は、下記成分(A)100重量部及び成分
(B)25〜400重量部を含有する樹脂組成物からな
り、球換算平均直径が0.2〜10mmである型内発泡
成形用発泡ビーズに係るものである。 (A):ポリオレフィン系樹脂 (B):非晶性ゴム質重合体 本発明のうち第二の発明は、上記型内発泡成形用発泡ビ
ーズを型内発泡成形してなる発泡成形体に係るものであ
る。本発明のうち第三の発明は、上記型内発泡成形用発
泡ビーズを型内発泡成形してなる発泡成形体の製造方法
に係るものである。本発明のうち第四の発明は、上記発
泡成形体からなる層を有する多層成形体に係るものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における型内発泡成形用発
泡ビーズは、下記成分(A)100重量部及び成分
(B)25〜400重量部を含有する樹脂組成物からな
り、その球換算平均直径が0.2〜10mmのものであ
る。 (A):ポリオレフィン系樹脂 (B):非晶性ゴム質重合体
【0007】本発明に用いられる成分(A)とは、オレ
フィンから誘導される繰り返し単位を含有する重合体で
あり、X線回折法により求められる結晶化度が50%以
上である重合体である。該オレフィンとしては、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オク
テンなどがあげられる。成分(A)としては、例えば、
エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、1−ブテ
ン単独重合体などのオレフィン単独重合体;プロピレン
とプロピレン以外の上記オレフィンからなる共重合体な
どがあげられる。該共重合体はランダム共重合体やブロ
ック共重合体であってもよい。これらは、単独で使用し
ても良いし、複数を組み合わせて使用しても良い。ま
た、これらは、公知の方法で製造することができる。
【0008】成分(A)としては、成形体の柔軟性をよ
り高める観点、成形体の耐熱性の観点から、プロピレン
から誘導される繰り返し単位(プロピレン単位)の含有
量が70重量%を超えるポリオレフィン系樹脂が好まし
く、更には、プロピレン単位の含有量が90重量%を超
えるプロピレン−エチレン共重合体及び/又はプロピレ
ン単位の含有量が80重量%を超えるプロピレン−1−
ブテン共重合体が好ましい。
【0009】成分(A)としては、成形体の柔軟性をよ
り高める観点、成形体の強度をより高める観点から、第
一段階でプロピレンを主成分とするモノマーを重合して
極限粘度が5dl/g以上の結晶性ポリオレフィン系重
合体成分(イ)を製造し、第二段階以降でプロピレンを
主成分とするモノマーを重合して極限粘度が3dl/g
未満の結晶性ポリオレフィン系重合体成分(ロ)を連続
的に製造して得られるポリオレフィン系樹脂からなり、
かつ該ポリオレフィン系樹脂中の成分(イ)の割合が
0.05重量%以上25重量%未満、該ポリオレイン系
樹脂全体の極限粘度が3dl/g未満、Mw/Mnが1
0未満である特開平11−228629号公報に記載さ
れているポリオレフィン系樹脂が好ましく、また、特開
昭62−121704号公報に記載された枝分かれ指数
が1未満であるポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0010】成分(A)のJIS K−7210に従
い、230℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフ
ローレート(MFR)は、成形体の強度をより高める観
点から、好ましくは0.1〜500g/10分であり、
より好ましくは1〜200g/10分である。
【0011】本発明に用いられる成分(B)は、(B
1)ポリオレフィン系ゴム、(B2)スチレン系熱可塑
性エラストマーから選ばれ、これらは、単独で使用して
も良いし、複数を組み合わせて使用してもよい。
【0012】(B1)ポリオレフィン系ゴムとは、エチ
レン及び/又はプロピレンから誘導される繰り返し単位
を含有する重合体であって、X線回折法により求められ
る結晶化度が50%未満である重合体である。エチレン
及びプロピレンからなる単量体以外の単量体としては、
1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、
1−オクテンなどの炭素原子数4〜10のα−オレフィ
ン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノル
ボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−シクロオク
タジエン、5−メチレン−2−ノルボルネンなどの炭素
原子数5〜15の非共役ジエンなどがあげられ、これら
は1種または2種以上組み合わせて用いられる。(B
1)ポリオレフィン系ゴムとしては、入手容易性の観点
から、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−
α−オレフィン−非共役ジエン共重合体、プロピレン単
独重合体、プロピレン−非共役ジエン共重合体、プロピ
レンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体、
プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンと非共役
ジエンとの共重合体が好ましく、具体的には、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合
体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−
オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン
共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2
−ノルボルネン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重
合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン
−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン−5
−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などを例示す
ることができ、これらは公知の方法で製造することがで
きる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いら
れる。また、これらは、後述の方法により動的架橋され
ていてもよい。
【0013】成分(A)と(B1)ポリオレフィン系ゴ
ムとの組成物としては、固体動的粘弾性測定法により測
定された該組成物のtanδ−温度依存性曲線の−70
〜30℃の温度範囲において、成分(A)単独及び(B
1)ポリオレフィン系ゴム単独で測定されるtanδピ
ーク温度とは異なる温度に、tanδピークを有する組
成物であることが、成形体の柔軟性をより高める観点、
成形体の折れ曲げ白化や折れじわ低減の観点で好まし
い。該組成物を得ることができる(B1)ポリオレフィ
ン系ゴム(以下B1−と称する。)としては、例え
ば、特開平10−34681号公報に記載のα−オレフ
ィンから誘導される繰り返し単位の含有量が50重量%
以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムがあ
げられる。
【0014】また、成分(A)と(B1)ポリオレフィ
ン系ゴムとの組成物としては、固体動的粘弾性測定法に
より測定された該組成物のtanδ−温度依存性曲線の
−70〜30℃の温度範囲において、成分(A)単独及
び(B1)ポリオレフィン系ゴム単独で測定されるta
nδピーク温度とは異なる温度に、tanδピークを有
さない組成物であることが、成形体の柔軟性をより高め
る観点、成形体の耐寒衝撃性をより高める観点で好まし
い。該組成物を得ることができる(B1)ポリオレフィ
ン系ゴム(以下B1−と称する。)としては、例え
ば、住友化学工業株式会社製のエスプレン(エチレン−
プロピレン共重合体又はエチレン−1−ブテン共重合
体)やエクセレン(エチレン−1−ブテン共重合体又は
エチレン−1−ヘキセン共重合体)、三井化学株式会社
製のタフマー(エチレン−1−ブテン共重合体)、デュ
ポンダウエラストマー社製のエンゲージ(エチレン−1
−オクテン共重合体)、エクソンモービル社製のEXA
CT(エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−
オクテン共重合体)等のエチレンから誘導される繰り返
し単位の含有量が50重量%を超えるエチレン−α−オ
レフィン共重合体ゴムがあげられる。
【0015】成形体の柔軟性をより高める観点、成形体
の折れ曲げ白化や折れじわ低減の観点、成形体の耐寒衝
撃性をより高める観点から、(B1−)と(B1−
)を併用してもよく、好ましくは、(B1−)と
(B1−)の合計量100重量%に対し、(B1−
)の配合量は20〜80重量%であり、(B1−)
の配合量は80〜20重量%である。
【0016】(B2)スチレン系熱可塑性エラストマー
とは、共役ジエンとビニル芳香族化合物との共重合体又
はその水添物である。共役ジエンとしては、例えば、炭
素原子数4〜8の共役ジエンが用いられ、ブタジエン、
イソプレン、ペンタジエン、2−3−ジメチルブタジエ
ンなどをあげることができ、これらは1種又は2種以上
組み合わせて用いられる。ビニル芳香族化合物として
は、例えば、炭素原子数8〜12のビニル芳香族化合物
が用いられ、そのビニル基の1位又は2位がメチル基な
どのアルキル基などで置換されていてもよく、具体的に
は、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ンなどをあげることができ、これらは1種又は2種以上
組み合わせて用いられる。
【0017】(B2)スチレン系熱可塑性エラストマー
としては、たとえばブタジエン−スチレン共重合体ゴ
ム、ブタジエン−イソプレン−スチレン共重合体ゴム、
イソプレン−スチレン共重合体ゴム、ブタジエン−p−
メチルスチレン共重合体ゴム又はこれらの水添物などが
あげられる。
【0018】(B2)スチレン系熱可塑性エラストマー
は、1種類以上の構造単位からなる。該構造単位として
は、ビニル芳香族化合物重合体ブロック、ビニル芳香族
化合物と共役ジエンのランダム共重合体ブロック、共役
ジエン重合体ブロック又はこれらのブロックに含まれる
共役ジエン単位が水添されてなるブロック等があげられ
る。
【0019】(B2)スチレン系熱可塑性エラストマー
としては、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、ス
チレン−イソプレンランダム共重合体、スチレン単独重
合体ブロック−ブタジエン単独重合体ブロックから構成
された共重合体、スチレン単独重合体ブロック−イソプ
レン単独重合体ブロックから構成された共重合体、スチ
レン単独重合体ブロック−ブタジエン単独重合体ブロッ
ク−スチレン単独重合体ブロックから構成された共重合
体、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン単独重合
体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成され
た共重合体、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン
−イソプレン共重合体ブロック−スチレン単独重合体ブ
ロックから構成された共重合体、スチレン単独重合体ブ
ロック−スチレン−ブタジエン共重合体ブロック−スチ
レン単独重合体ブロックから構成された共重合体、スチ
レン単独重合体ブロック−スチレン−イソプレン共重合
体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成され
た共重合体又はこれらの水添物があげられる。
【0020】(B2)スチレン系熱可塑性エラストマー
のビニル芳香族化合物から誘導される繰り返し単位の含
有量は、成形体の柔軟性をより高める観点、成形体の強
度をより高める観点で、好ましくは50重量%以下であ
り、より好ましくは20重量%以下である。
【0021】(B2)スチレン系熱可塑性エラストマー
の製造方法としては、公知の製造方法、たとえば特開平
2−36244号公報、特開平3−72512号公報、
特開平7−118335号公報、特開昭56−3833
8号公報、特開昭61−60739号公報などに記載さ
れた方法を用いることができる。
【0022】(B2)スチレン系熱可塑性エラストマー
としては、成形体の柔軟性をより高める観点、成形体の
耐熱老化性を高める観点から、共役ジエン単位の二重結
合の80%以上が水添されており、かつ水添された共役
ジエン単位数に対する炭素数2以上の側鎖を有する水添
された共役ジエン単位数の割合が60重量%以上である
水添スチレン系熱可塑性エラストマー(以下B2−と
称する)が好ましい。
【0023】(B2)スチレン系熱可塑性エラストマー
としては、成形体の耐寒衝撃性をより高める観点から、
共役ジエン単位の二重結合の80%以上が水添されてお
り、かつ水添された共役ジエン単位数に対する炭素数2
以上の側鎖を有する水添された共役ジエン単位数の割合
が60重量%未満である水添スチレン系熱可塑性エラス
トマー(以下B2−と称する)が好ましい。
【0024】成形体の柔軟性をより高める観点、成形体
の耐熱老化性を高める観点、成形体の耐寒衝撃性をより
高める観点から、(B2−)と(B2−)を併用し
てもよく、好ましくは、(B2−)と(B2−)の
合計量100重量%に対して、(B2−)の配合量は
20〜80重量%であり、(B2−)の配合量は80
〜20重量%である。
【0025】成形体の柔軟性をより高める観点、成形体
の折れ曲げ白化や折れじわ低減の観点、成形体の耐寒衝
撃性をより高める観点から、(B1−)と(B2−
)を併用してもよく、好ましくは、(B1−)と
(B2−)の合計量100重量%に対し、(B1−
)の配合量は20〜80重量%であり、(B2−)
の配合量は80〜20重量%である。また、成形体の柔
軟性をより高める観点、成形体の耐熱老化性を高める観
点、成形体の耐寒衝撃性をより高める観点から、(B2
−)と(B1−)を併用してもよく、好ましくは、
(B2−)と(B1−)の合計量100重量%に対
して、(B2−)の配合量は20〜80重量%であ
り、(B1−)の配合量は80〜20重量%である。
【0026】なお、(B1−)の一部が(B2−)
で構成されていてもよく、(B1−)の一部が(B2
−)で構成されていてもよく、(B2−)の一部が
(B1−)で構成されていてもよく、(B2−)の
一部が(B1−)で構成されていてもよい。
【0027】成形体の柔軟性をより高める観点、成形体
の強度をより高める観点から、成分(A)として、第一
段階でプロピレンを主成分とするモノマーを重合して極
限粘度が5dl/g以上の結晶性ポリオレフィン系重合
体成分(イ)を製造し、第二段階以降でプロピレンを主
成分とするモノマーを重合して極限粘度が3dl/g未
満の結晶性ポリオレフィン系重合体成分(ロ)を連続的
に製造して得られるポリオレフィン系樹脂からなり、か
つ該ポリオレフィン系樹脂中の成分(イ)の割合が0.
05重量%以上25重量%未満、該ポリオレイン系樹脂
全体の極限粘度が3dl/g未満、Mw/Mnが10未
満である特開平11−228629号公報に記載されて
いるポリオレフィン系樹脂及び/又は特開昭62−12
1704号公報に記載された枝分かれ指数が1未満であ
るポリオレフィン系樹脂を用い、成分(B)として、
(B1−)及び/又は(B2−)を用いた樹脂組成
物であることが好ましい。
【0028】成分(B)のJIS K−7210に従
い、230℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフ
ローレート(MFR)は、成形体の強度をより高める観
点から、好ましくは0.1〜500g/10分であり、
より好ましくは1〜200g/10分である。
【0029】また、これら成分(B)は、官能基で変性
されていてもよく、官能基としては、酸無水物基、カル
ボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネー
ト基及びエポキシ基から選ばれた少なくとも一種の官能
基を用いることができる。
【0030】本発明の発泡ビース用樹脂組成物中の成分
(B)の配合量は、成分(A)100重量部に対し25
〜400重量部であり、好ましくは50〜300重量部
であり、さらに好ましくは100〜250重量部であ
る。成分(B)の配合量が少なすぎる場合は、得られる
成形体の柔軟性、耐寒衝撃性に劣る場合がある。成分
(B)の配合量が多すぎる場合は、得られる成形体の強
度が不十分となる場合があり、得られる発泡成形体に粘
着性が発生し、耐熱保持性に劣る場合がある。
【0031】本発明の発泡ビーズ用樹脂組成物は、上記
成分(A)ポリオレフィン系樹脂及び成分(B)非晶性
ゴム質重合体のほかに、共役ジエン重合体の水添物、天
然ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エピクロロヒ
ドリンゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びこれらのけん
化物、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸グリシジル−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−メタクリル酸グリシジル−酢酸ビニル共重合体な
どの他の重合体成分を含有していてもよい。
【0032】また、本発明の発泡ビーズ用樹脂組成物
は、たとえば鉱物油系軟化剤や、フェノール系、サルフ
ァイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、ア
ミン系、アミド系等の耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防
止剤、顔料、金属石鹸、パラフィン系、マイクロクリス
タリン系、水添テルペン樹脂等のワックス、防かび剤、
抗菌剤、フィラーなどの各種添加剤などを含有していて
もよい。
【0033】本発明の発泡ビース用樹脂組成物を得るた
めには、上記成分(A)、成分(B)及び必要に応じて
配合されるその他の重合体成分又は添加剤を溶融混練す
ればよい。また、上記の成分の全種類あるいは数種類を
選択して混練又は動的架橋した後に、選択しなかった成
分を溶融混練することによっても製造することができ
る。ここで、溶融混練には、一軸押出機、二軸押出機、
ニーダー、ロール等の公知の混練設備を用いることがで
きる。なお、先述のその他の重合体成分や添加剤は、こ
れらが予め配合された成分(A)又は成分(B)を用い
ることによって配合することもできるし、上記成分の混
練や動的架橋の際に配合することもできる。
【0034】本発明での動的架橋は、動的架橋に付され
る成分及び架橋剤を加熱下に混練することにより行うこ
とができる。架橋剤としては、通常は、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシノ)ヘキ
サン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物が用
いられる。架橋剤は、動的架橋に付される成分の合計1
00重量部当たり、通常は1重量部以下、好ましくは
0.1〜0.8重量部、より好ましくは0.2〜0.6
重量部の範囲で使用される。
【0035】架橋剤として有機過酸化物を用いる場合に
は、ビスマレイミド化合物などの架橋助剤を併用した動
的架橋により、優れた耐熱性を有する成形体を得ること
ができる。架橋助剤の使用量は、動的架橋に付される成
分の合計100重量部当たり、通常は1.5重量部以
下、好ましくは0.2〜1重量部、より好ましくは0.
4〜0.8重量部の範囲である。架橋助剤は架橋剤の添
加の前に配合されることが好ましく、通常は架橋に付さ
れる前記成分を予備混練する際に添加される。動的架橋
は、一軸押出機や二軸押出機などを用いて、加熱下で、
たとえば150〜250℃の温度範囲で混練することに
より行うことができる。また、硫黄架橋などの方法で架
橋を行うことも可能である。
【0036】本発明の発泡ビーズは、上記発泡ビーズ用
樹脂組成物を発泡処理したものであり、発泡ビーズの製
造方法としては、例えば、特開昭47−34458号公
報、特公昭58−197027号公報、特開昭58−1
97027号公報等に記載されている公知の製造方法を
用いることができ、次の工程からなる製造方法を例示す
ることができる。 工程:樹脂組成物を粒子状に加工し樹脂組成物粒子を
製造する工程。 工程:該粒子を耐圧容器に投入して揮発性発泡剤を含
有させる工程。 工程:該揮発性発泡剤を含有する粒子を密閉容器内で
水に分散させる工程。 工程:該密閉容器内の圧力を該揮発性発泡剤の蒸気圧
あるいはそれ以上の圧力に保持しながら該樹脂組成物の
軟化温度以上に加熱する工程。 工程:該密閉容器内の該揮発性発泡剤を含有する粒子
と水とを同時に容器内よりも低圧の雰囲気に放出する工
程。 工程:放出された該粒子を回収する工程。 揮発性発泡剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン
等の脂肪族炭化水素類、シクロブタン、シクロペンタン
等の脂環式炭化水素類、ジクロロモノフルオロメタン、
ジクロロジフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素等を
用いることができる。なお、本発明の発泡ビーズの発泡
倍率は、通常3〜30倍、好ましくは5〜20倍に調整
される。
【0037】樹脂組成物を粒子状に加工する方法として
は、溶融状態の樹脂組成物を押出機等でストランド状に
した後切断する方法(ストランドカット法)や、該樹脂
組成物を熱溶融後ダイスから水中に押出しながらダイス
の吐出口付近で切断する方法(ダイフェースカット法)
等があげられる。このような方法は、特開2000−7
846号公報等に記載されている。
【0038】また、本発明の発泡ビーズは、発泡剤の存
在下で該樹脂組成物を押出した後に機械的に切断するこ
とによっても製造することができる。この場合、発泡剤
としては前述の揮発性発泡剤の他に二酸化炭素、窒素等
が選択される。このような方法は特開平6−23487
8号公報等に記載されている。
【0039】発泡ビーズの球換算平均直径は0.2〜1
0mmである。球換算平均直径が大きすぎても、小さす
ぎても、後述の発泡成形体又は多層成形体を製造する
際、該発泡ビーズが型内に均一充填されない場合があ
り、成形体の柔軟性、外観が劣ることがある。
【0040】ここで、球換算平均直径は、100個程度
の該発泡ビーズを任意に採取し、その重量を求め、該発
泡ビーズの比重とから該発泡ビーズの平均体積を算出
し、その平均体積と同じ体積の直径を算出することによ
って求められる。ここで、該発泡ビーズの比重は、おも
りを用いて該発泡ビーズを水中に沈ませ、水中での該発
泡ビーズ及びおもりの重さ、水中でのおもりの重さ、測
定温度での水の比重及び該発泡ビーズの質量を基に算出
される。
【0041】本発明の発泡成形体は、本発明の発泡ビー
ズを閉鎖しうるが密閉しない型に充填し、該発泡ビーズ
を加熱してさらに発泡させ、該型内で該発泡ビーズ同士
を融着させることにより製造される。該発泡ビーズの加
熱は、該型内に通常100〜200℃の水蒸気又は熱空
気を通して該発泡ビーズを直接加熱することにより実施
する。通常加圧下又は常圧下で実施される。このような
方法は、特開昭51−22951公報等に記載されてい
る。
【0042】本発明の多層成形体は、前述の発泡成形体
からなる層を有する多層成形体であり、発泡成形体から
なる層の片面に他の層を有していてもよく、発泡成形体
からなる層の両面に他の層を有していてもよい。
【0043】本発明の多層成形体としては、意匠性を高
める観点から、発泡成形体からなる層と表皮層とを有す
る多層成形体が好ましく、具体例を図1に示した。該多
層成形体は、例えば、別途製造された表皮層を雌雄金型
の一方の金型面に接するよう保持し、該雌雄金型を型締
した後、該表皮層と他方の金型との間に形成されるキャ
ビティに、前述の発泡ビーズを充填し、該発泡ビーズを
加熱して融着させながら、表皮層と一体的に熱融着させ
ることにより製造することができる。このような方法
は、特開平11−953号公報等に記載されている。
【0044】上記の発泡成形体からなる層と表皮層とを
有する多層成形体の製造において、発泡ビーズの加熱に
は通常100〜200℃の水蒸気が用いられ、型内発泡
成形は通常加圧下又は常圧下で実施される。加熱媒体と
して水蒸気を用いる場合、蒸気を型内に注入し、発泡ビ
ーズ間の空隙に入り込ませ、該発泡ビーズ同士を融着さ
せると同時に、表皮層と一体的に融着させる。蒸気は通
常先述の表皮層が保持されていない側の金型に予め設け
られた細孔又はキャビティの側部に予め設けられた細孔
から注入され、所定の出口を通して系外に放出される。
その後、該冷却して固化させた後脱型をし、通常50〜
70℃の恒温槽に12〜24時間養生させることで、発
泡成形体の硬化を促進させつつ、多層成形体のヒケ、変
形を防止することができる。
【0045】表皮層は真空成形法、粉末スラッシュ成形
法等により製造される。表皮層の表面に複雑な模様(例
えばしぼ模様やステッチ模様)を付与し、高級感のある
多層成形体を製造する観点では、粉末スラッシュ成形法
により製造される表皮層が好ましい。
【0046】表皮層には、ポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物,ポリウレタン系熱可塑性エラストマ
ー組成物、ポリ塩化ビニル系組成物等の各種組成物を用
いることができるが、リサイクル性及び本発明の発泡成
形体との接着性の観点から、ポリオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物が好ましく用いられる。該表皮層の
厚みは、得られる多層成形体の柔軟性をより高める観点
から、0.5〜1.5mmであることが好ましい。ここ
で、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとは、ポリ
オレフィン系樹脂を必須成分として含有する熱可塑性エ
ラストマーであり、例えばポリオレフィン系樹脂と、ス
チレン系熱可塑性エラストマー及び/又はエチレン−α
−オレフィン共重合体ゴムとからなる組成物等があげら
れる。得られる多層成形体の柔軟性の観点から、該ポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマーにおけるポリオレフ
ィン系樹脂の含有量は通常20〜80重量%、好ましく
は25〜60重量%である。また、該表皮層の表面を公
知のウレタン系又はアクリル系塗料を用いて塗装するこ
とにより、得られる多層成形体の表皮層の耐傷付き性を
向上させることができる。
【0047】表皮層がポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物の粉末を粉末スラッシュ成形されてなる場
合は、リサイクル性に優れ、複雑な形状を有し高級感の
ある多層成形体を得ることができるので好ましい。粉末
スラッシュ成形に用いられるポリオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物の粉末としては、例えばポリオレフ
ィン系樹脂と、スチレン系熱可塑性エラストマー及び/
又はエチレン−α−オレフィン共重合体とからなる組成
物の粉末等があげられ、これらは例えば特開平5−50
50号公報、特開平10−30036号公報、特開平1
0−232392号公報、特開2001−49052号
公報等に記載されている。
【0048】また、表皮層は2以上の複数の層から形成
されていてもよい。例えば、2層粉末スラッシュ成形法
により製造されてなるポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物からなる非発泡体及び該組成物からなる発
泡体とからなる2層成形体や、ポリオレフィン熱可塑性
エラストマー組成物からなる非発泡体に架橋ポリプロピ
レン系発泡体が裏打ちされてなる2層成形体等があげら
れる。
【0049】また、別途製造されてなる表皮層を使用せ
ずに、表皮層及び発泡成形体からなる層を有する多層成
形体を製造する方法としては、閉鎖しうるが密閉しない
型に発泡ビーズを充填し、該発泡ビーズを加熱して発泡
させ融着させながら一方の金型を冷却する方法をあげる
ことができる。このような方法は、特開昭58−171
924号公報等に記載されている。
【0050】また、表皮層及び発泡成形体からなる層を
有する多層成形体は、予め製造した表皮層及び型内発泡
成形用ポリオレフィン系発泡ビーズを型内発泡成形して
なる発泡成形体を、接着剤を用いて接着させることによ
り製造することもできる。
【0051】本発明の多層成形体は、表皮層、発泡成形
体からなる層及び熱可塑性樹脂芯材からなる層をこの順
に有する多層成形体であってもよく(この場合の多層成
形体の具体例を図2に示した。)、この場合、耐熱保持
性により優れ、該多層成形体を一部品として使用する場
合に組立が容易に行うことができる点で好ましい。
【0052】この場合、多層成形体は別途製造した表皮
層を雌雄金型の一方の金型面に接するよう保持し、別途
射出成形法等により製造した熱可塑性樹脂芯材を他方の
金型面に接するように保持し、該雌雄金型を型締した
後、該表皮層と該熱可塑性樹脂芯材との間に形成される
キャビティに型内発泡成形用ポリオレフィン系発泡ビー
ズを充填し、加熱して該型内発泡成形用発泡ビーズをさ
らに発泡させ融着させながら、該表皮層と該熱可塑性樹
脂芯材とを一体的に熱融着させることにより製造するこ
とができる。このような方法は、特開平4−34422
7号公報等に記載されている。
【0053】また、予め製造した表皮層及び型内発泡成
形用ポリオレフィン系発泡ビーズを型内発泡成形してな
る発泡成形体からなる複合体に、別途製造された熱可塑
性樹脂芯材を接着剤等を用いて接着させることにより製
造することもできる。また、予め製造した表皮層及び型
内発泡成形用ポリオレフィン系発泡ビーズを型内発泡成
形してなる発泡成形体からなる複合体に、熱可塑性樹脂
芯材からなる層を圧縮成形により積層することにより製
造することもできる。
【0054】ここで熱可塑性樹脂芯材に使用される熱可
塑性樹脂としては、通常ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体樹脂)等が使用されるが、表皮層がポリオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物からなる場合
は、本発明の多層成形体のリサイクル性の観点からポリ
プロピレンを使用することが好ましい。ここでポリプロ
ピレンとは、プロピレンとオレフィン(プロピレン除
く)との共重合体及び/又はプロピレン単独重合体であ
って、X線回折法により求められる結晶化度が50%以
上の共重合体である。
【0055】本発明の型内発泡成形用発泡ビーズを型内
発泡成形してなる発泡成形体は、車両部品、家電製品、
産業・工業資材、玩具、各種食品容器、各種包材、緩衝
材等の用途に用いることができる。
【0056】本発明の多層成形体は、車両部品、家電製
品、産業・工業資材、家具、各種容器、玩具等の用途に
用いることができる。車両部品としては、たとえば、イ
ンストルメントパネル、ドア、ピラー、エアーバッグカ
バー等の自動車内装表皮材;バンパー等の自動車外装材
として好適に使用される。
【0057】本発明の多層成形体の発泡成形体からなる
層は、柔軟性、耐寒衝撃性に優れるため、特に本発明の
多層成形体は、エアバッグ内蔵型インストルメントパネ
ルに好適に使用される。この時、エアバッグの展開部位
は外部から判別できないように設定された一体型のもの
であっても良いし(通常シームレスエアバッグシステム
と称する)、該展開部位が外部から判別できるように設
計されたもの(通常別体型エアバッグ展開システムと称
する)であっても良い。また、本発明の多層成形体を構
成する表皮層がポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物からなる粉末スラッシュ成形体である場合は、高
級感を有し、リサイクル性にも優れたインストルメント
パネルとすることができる。
【0058】
【実施例】本発明について、表皮層、型内発泡成形用発
泡ビーズを型内発泡成形してなる発泡成形体からなる層
及び熱可塑性樹脂芯材からなる層とからなる多層成形体
を例に説明するが、本発明はこの実施例には限定されな
い。
【0059】[ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物からなる粉末スラッシュ成形体(後に多層成形体
の表皮層となる)の製造]ポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物からなるパウダー(住友化学工業社製
ESPOLEX K52、該パウダーの平均粒径0.
2mm)を、280℃に加熱された粉末スラッシュ成形
用金型内に充填し、該パウダーを該金型上で融着させて
粉末スラッシュ成形することにより、1.0mmの厚み
の粉末スラッシュ成形体を得る。
【0060】[熱可塑性樹脂芯材の製造]ポリプロピレン
樹脂(住友化学工業社製AX574)を200℃で射出
成形することにより、発泡ビーズ注入用の開口部と加熱
用水蒸気注入・排出用の開口部とを有する厚み3mmの
熱可塑性樹脂芯材を得る。
【0061】[型内発泡成形用発泡ビーズの製造]ポリプ
ロピレン樹脂(住友化学工業株式会社製RW150X
G、プロピレン−エチレンランダム共重合体、エチレン
単位含有量4重量%、JIS K−7210に従い23
0℃、荷重2.16kgfで測定したMFR=10g/
10分)40重量部、スチレン系熱可塑性エラストマー
(JSR株式会社製ダイナロン1321P、スチレン−
ブタジエン共重合体の水添物。スチレン単位含有量10
重量%、上記の方法により測定したMFR=10g/1
0分、水添されたブタジエン単位数に対する炭素数2の
側鎖を有する水添されたブタジエン単位数の割合が80
%)100重量部、エチレン−1−オクテン共重合体ゴ
ム(デュポンダウエラストマー社製 エンゲージ820
0、比重0.870、JIS K−7210に従い19
0℃、荷重2.16kgfで測定したMFR=5g/1
0分)50重量部及び酸化防止剤(チバスペシャリティ
ケミカル社製、Irg−1076)0.5重量部を、2
軸押出機を用いて180℃で溶融混練することによりペ
レット状の樹脂組成物を得る。該樹脂組成物の比重は
0.90である。次いで、ダイス孔径が0.35mmで
あるダイスを備えた押出機を用いて、該樹脂組成物を1
80℃で水中に押出し、水中カット方式により切断する
ことにより、球換算平均直径が約0.7mmの樹脂組成
物からなる球状の粒子を得る。
【0062】該粒子を特開昭58−197027号公報
に記載の方法に従い、揮発性発泡剤としてジクロロジフ
ルオロメタンを用いることにより、発泡倍率が4倍であ
り、球換算平均直径が1.0mmである型内発泡成形用
発泡ビーズを得る。
【0063】[多層成形体の製造]粉末スラッシュ成形体
を型内発泡成形用雌雄金型の一方の雌型面に接するよう
保持し、熱可塑性樹脂芯材を対向する雄型面に接するよ
うに保持する。雌雄金型を型締後、キャビティ間に熱可
塑性樹脂芯体に設けられた該発泡ビーズ注入用の開口部
から発泡ビーズを注入する。次に、熱可塑性樹脂芯体に
設けられた加熱用水蒸気注入口から130℃の水蒸気を
注入し(別途設けられた水蒸気排出口から排出され
る)、該発泡ビーズを加熱融着させながら、上記粉末ス
ラッシュ成形体及び熱可塑性樹脂芯体とを接着させる。
次いで、該雌雄金型を水冷した後に成形体を取り出し、
多層成形体を50℃の恒温槽に12時間入れ養生するこ
とにより、表皮層、発泡倍率が6倍の発泡成形体からな
る層及び熱可塑性樹脂芯材からなる層がこの順で積層さ
れてなる多層成形体を得る。得られる多層成形体は、柔
軟性及び耐寒衝撃性に優れ、複雑形状を有し、さらには
リサイクル性にも優れるであろう。
【0064】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、柔
軟性及び耐寒衝撃性に優れた型内発泡成形体を得ること
ができる型内発泡成形用発泡ビーズ、該発泡ビーズを型
内発泡成形することにより得られる発泡成形体及び該発
泡ビーズを型内発泡成形してなる発泡成形体の製造方法
を提供することができ、更には、該発泡ビーズを型内発
泡成形することにより得られる発泡成形体からなる層を
有する多層成形体を提供することができる。本発明の成
形体は、柔軟性、耐寒衝撃性、耐熱性、耐熱保持性、外
観、高級感、折れ曲げ白化、折れジワなどに優れるた
め、たとえば、インストルメントパネル、ドア、ピラ
ー、エアーバッグカバー等の自動車内装表皮材等の車両
部品;家電製品;産業・工業資材;家具;各種容器;玩
具等に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡成形体からなる層と表皮層とを有する多層
成形体の概念図である。
【図2】表皮層、発泡成形体からなる層及び熱可塑性樹
脂芯材からなる層を有し、表皮層と熱可塑性樹脂芯材か
らなる層との間に発泡成形体からなる層を有する多層成
形体の概念図である。
【符号の説明】 1、4:表皮層 2、5:本発明の型内発泡成形用発泡ビーズを型内発泡
成形してなる発泡成形体からなる層 3、7:多層成形体 6:熱可塑性樹脂芯材からなる層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/00 C08L 23/00 25/08 25/08 Fターム(参考) 4F074 AA05 AA13 AA16 AA17 AA24 AA25 AA32 BA55 CA34 DA08 DA17 DA34 DA35 DA37 DA47 4F100 AK03A AK03B AK12A AL09A AL09B AR00B AT00A BA02 DJ01A EH31A EH81B GB33 JA12A JB16B JJ04 JK10 JK17 4J002 AC08X BB05X BB11W BB12W BB15W BB15X BC05X BP01X

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A)100重量部及び成分
    (B)25〜400重量部を含有する樹脂組成物からな
    り、球換算平均直径が0.2〜10mmである型内発泡
    成形用発泡ビーズ。 (A):ポリオレフィン系樹脂 (B):非晶性ゴム質重合体
  2. 【請求項2】 成分(B)がスチレン系熱可塑性エラス
    トマーである請求項1記載の型内発泡成形用発泡ビー
    ズ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の型内発泡成形用
    発泡ビーズを型内発泡成形してなる発泡成形体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の発泡成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の発泡成形体からなる層を
    有する多層成形体。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の発泡成形体からなる層と
    表皮層とを有する多層成形体。
  7. 【請求項7】 表皮層がポリオレフィン系熱可塑性エラ
    ストマー組成物からなる層である請求項6記載の多層成
    形体。
  8. 【請求項8】 表皮層が粉末スラッシュ成形法により製
    造されてなる請求項6または7記載の多層成形体。
  9. 【請求項9】 表皮層、請求項3記載の発泡成形体から
    なる層、熱可塑性樹脂芯材からなる層をこの順に有する
    請求項6〜8いずれかに記載の多層成形体。
  10. 【請求項10】 多層成形体がインストルメントパネル
    である請求項5〜9いずれかに記載の多層成形体。
JP2001352793A 2001-11-19 2001-11-19 発泡ビーズ、型内発泡成形体、型内発泡成形体の製造方法及び多層成形体 Pending JP2003147116A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001352793A JP2003147116A (ja) 2001-11-19 2001-11-19 発泡ビーズ、型内発泡成形体、型内発泡成形体の製造方法及び多層成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001352793A JP2003147116A (ja) 2001-11-19 2001-11-19 発泡ビーズ、型内発泡成形体、型内発泡成形体の製造方法及び多層成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003147116A true JP2003147116A (ja) 2003-05-21

Family

ID=19164924

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001352793A Pending JP2003147116A (ja) 2001-11-19 2001-11-19 発泡ビーズ、型内発泡成形体、型内発泡成形体の製造方法及び多層成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003147116A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006307069A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Nhk Spring Co Ltd 発泡体用樹脂組成物、発泡体、および発泡体の製造方法
JP2009007574A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Delphi Technologies Inc 溶融粘度が改良された熱可塑性ポリオレフィン組成物および該組成物の作製方法
WO2009047998A1 (ja) * 2007-10-11 2009-04-16 Kaneka Corporation ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子及びその製造方法
JP2011132356A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Jsp Corp ポリオレフィン系樹脂発泡粒子、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法
KR20180006372A (ko) 2015-05-14 2018-01-17 가부시키가이샤 제이에스피 가교 발포 입자 및 발포 입자 성형체
WO2018074286A1 (ja) 2016-10-20 2018-04-26 株式会社ジェイエスピー 熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の製造方法
CN109880146A (zh) * 2019-02-26 2019-06-14 无锡会通轻质材料股份有限公司 一种增韧聚丙烯发泡珠粒的制备方法
JP2019209694A (ja) * 2019-09-10 2019-12-12 住友ベークライト株式会社 多層フィルム及び包装体
US11225562B2 (en) 2016-09-16 2022-01-18 Jsp Corporation Expanded beads and molded object thereof
US11466137B2 (en) 2016-11-11 2022-10-11 Jsp Corporation Foam particles, and moulded article thereof

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006307069A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Nhk Spring Co Ltd 発泡体用樹脂組成物、発泡体、および発泡体の製造方法
JP2009007574A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Delphi Technologies Inc 溶融粘度が改良された熱可塑性ポリオレフィン組成物および該組成物の作製方法
WO2009047998A1 (ja) * 2007-10-11 2009-04-16 Kaneka Corporation ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子及びその製造方法
US8063177B2 (en) 2007-10-11 2011-11-22 Kaneka Corporation Pre-expanded polypropylene resin particle, and method for production thereof
JP5375613B2 (ja) * 2007-10-11 2013-12-25 株式会社カネカ ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子及びその製造方法
JP2011132356A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Jsp Corp ポリオレフィン系樹脂発泡粒子、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体、及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法
EP3296350A4 (en) * 2015-05-14 2018-09-26 Jsp Corporation Crosslinked expanded beads and molded expanded-bead object
KR20180006372A (ko) 2015-05-14 2018-01-17 가부시키가이샤 제이에스피 가교 발포 입자 및 발포 입자 성형체
US10435530B2 (en) 2015-05-14 2019-10-08 Jsp Corporation Crosslinked expanded beads and molded expanded-bead object
TWI709599B (zh) * 2015-05-14 2020-11-11 日商Jsp股份有限公司 交聯發泡粒子及發泡粒子成形體
US11225562B2 (en) 2016-09-16 2022-01-18 Jsp Corporation Expanded beads and molded object thereof
WO2018074286A1 (ja) 2016-10-20 2018-04-26 株式会社ジェイエスピー 熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の製造方法
US11466137B2 (en) 2016-11-11 2022-10-11 Jsp Corporation Foam particles, and moulded article thereof
CN109880146A (zh) * 2019-02-26 2019-06-14 无锡会通轻质材料股份有限公司 一种增韧聚丙烯发泡珠粒的制备方法
CN109880146B (zh) * 2019-02-26 2021-07-23 无锡会通轻质材料股份有限公司 一种增韧聚丙烯发泡珠粒的制备方法
JP2019209694A (ja) * 2019-09-10 2019-12-12 住友ベークライト株式会社 多層フィルム及び包装体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1997043337A1 (fr) Composition d'elastomere thermoplastique pulverulente et article obtenu par moulage de celle-ci
US6331360B1 (en) Thermoplastic elastomer composition and powder and molded article thereof
EP3428224B1 (en) Foamed resin molded article and method for manufacturing same
US6399200B1 (en) Thermoplastic elastomer composition, powder, pellets, and moldings
JP2003147116A (ja) 発泡ビーズ、型内発泡成形体、型内発泡成形体の製造方法及び多層成形体
KR100474162B1 (ko) 열가소성엘라스토머조성물,그의파우더또는펠릿,및그를포함하는성형체
JPH09157426A (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー射出発泡成形体の製造方法
JP4496570B2 (ja) 樹脂組成物、発泡成形体およびその製造方法、並びに積層体
JP3336903B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物パウダー、粉末成形方法、成形体及び成形体の製造方法
JP2000007846A (ja) 熱可塑性エラストマ―組成物、該組成物パウダ―及び成形体
JP2002361768A (ja) 多層成形体
JPH11263880A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、パウダー、ペレット及び成形体
JP3814998B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及び成形体
JP2002219726A (ja) 表皮付き型内発泡成形体及びその製造方法
JP2001191456A (ja) 成形体及び成形体の製造方法
JP3377313B2 (ja) 複合発泡成形体、それを用いる多層成形体及びそれらの製造方法
JP3815001B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物ペレット及び成形体
JPH06170871A (ja) 複合表皮材及びその製造方法
JP4052172B2 (ja) 複合成形体及びその製造方法並びに自動車内装部品
JPH1034681A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、その粉末および成形体
EP0881065A1 (en) Three-layer structure, polyolefin molding, and processes for the production of both
JP2001049051A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びその成形体
JP2000263576A (ja) 多層発泡成形品の製造法
JPH0689213B2 (ja) スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物
JP2003226785A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、該組成物からなるパウダー及び該組成物パウダーを粉末成形してなる成形体