JP2000263576A - 多層発泡成形品の製造法 - Google Patents
多層発泡成形品の製造法Info
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- JP2000263576A JP2000263576A JP11073021A JP7302199A JP2000263576A JP 2000263576 A JP2000263576 A JP 2000263576A JP 11073021 A JP11073021 A JP 11073021A JP 7302199 A JP7302199 A JP 7302199A JP 2000263576 A JP2000263576 A JP 2000263576A
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- Molding Of Porous Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 自動車用内装材などに使用可能な、軽量且つ
高剛性でしかも外観に優れた多層発泡成形品を、簡便に
製造する方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 発泡基材層を形成するポリプロピレン樹
脂材料として結晶性ポリプロピレンとエチレン・オクテ
ン共重合体ゴムとを含む樹脂組成物を用い、モールドス
タンピング成形用上下金型を用いてまず表皮材を前記上
下金型の間に設置し、次いで前記金型を開いた状態で前
記樹脂材料と発泡剤とを含む基材形成用樹脂組成物を該
上下金型から形成されるキャビティ内に射出充填しつ
つ、一方で上下金型を閉じて前記キャビティ内を圧縮
し、その後、前記上下金型を所定量開き、基材形成用樹
脂組成物を発泡させて発泡基材層を形成した後、前記発
泡基材層を冷却固化することにより、ポリプロピレン樹
脂材料からなる発泡基材層及び表皮材からなる表皮層よ
り構成される多層発泡成形品を製造する。
高剛性でしかも外観に優れた多層発泡成形品を、簡便に
製造する方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 発泡基材層を形成するポリプロピレン樹
脂材料として結晶性ポリプロピレンとエチレン・オクテ
ン共重合体ゴムとを含む樹脂組成物を用い、モールドス
タンピング成形用上下金型を用いてまず表皮材を前記上
下金型の間に設置し、次いで前記金型を開いた状態で前
記樹脂材料と発泡剤とを含む基材形成用樹脂組成物を該
上下金型から形成されるキャビティ内に射出充填しつ
つ、一方で上下金型を閉じて前記キャビティ内を圧縮
し、その後、前記上下金型を所定量開き、基材形成用樹
脂組成物を発泡させて発泡基材層を形成した後、前記発
泡基材層を冷却固化することにより、ポリプロピレン樹
脂材料からなる発泡基材層及び表皮材からなる表皮層よ
り構成される多層発泡成形品を製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層発泡成形品の
製造法に関する。詳しくは、本発明は、自動車用内装材
などに使用可能な、軽量且つ高剛性の多層発泡成形品を
製造する方法に関する。
製造法に関する。詳しくは、本発明は、自動車用内装材
などに使用可能な、軽量且つ高剛性の多層発泡成形品を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ドアートリム、リアーパッケージトリ
ム、シートバックガーニッシュ、インスツルメントパネ
ル等の自動車用内装材は、通常、基材に発泡シート等の
パッド材を介してレザーや布地等の表皮材を貼り合わせ
たものが用いられている。
ム、シートバックガーニッシュ、インスツルメントパネ
ル等の自動車用内装材は、通常、基材に発泡シート等の
パッド材を介してレザーや布地等の表皮材を貼り合わせ
たものが用いられている。
【0003】このような自動車用内装材の製造方法とし
ては、ポリプロピレン樹脂等の樹脂材料を基材とするモ
ールドスタンピング成形法が知られている。すなわち、
該製造方法は、例えば前記のような層状シートの表皮材
を射出成形用金型の上下金型間に設置し、次いで該上下
金型のキャビティ内に溶融状態にある基材用樹脂材料を
射出成形し、表皮材と基材とを一体化する方法である。
この方法は、工程が少なくかつ接着剤の溶剤による環境
への影響がないなどの利点を有する。
ては、ポリプロピレン樹脂等の樹脂材料を基材とするモ
ールドスタンピング成形法が知られている。すなわち、
該製造方法は、例えば前記のような層状シートの表皮材
を射出成形用金型の上下金型間に設置し、次いで該上下
金型のキャビティ内に溶融状態にある基材用樹脂材料を
射出成形し、表皮材と基材とを一体化する方法である。
この方法は、工程が少なくかつ接着剤の溶剤による環境
への影響がないなどの利点を有する。
【0004】しかし、従来のモールドスタンピング成形
法により得られた成形品は、基材の重量が大きいため成
形品全体が重く、自動車の軽量化や燃費の向上の障害と
なっていた。そこで、基材を構成する樹脂材料に発泡剤
を配合して射出圧縮成形と発泡成形とを組み合わせ、該
樹脂材料を発泡させることによって剛性を保ちつつ軽量
化を図る方法が試みられている(特開平6−63972
号公報、特開平8−267626号公報等)。
法により得られた成形品は、基材の重量が大きいため成
形品全体が重く、自動車の軽量化や燃費の向上の障害と
なっていた。そこで、基材を構成する樹脂材料に発泡剤
を配合して射出圧縮成形と発泡成形とを組み合わせ、該
樹脂材料を発泡させることによって剛性を保ちつつ軽量
化を図る方法が試みられている(特開平6−63972
号公報、特開平8−267626号公報等)。
【0005】しかしながら、現状においては、これらの
方法を用いても未だ十分な性能を有する素材は得られて
いない。すなわち、発泡基材層の材料としてポリプロピ
レンのみを用いたのでは、樹脂の流動性が低いためモー
ルドスタンピング成形時に表皮へ損傷(ダメージ)を与
える場合があった。
方法を用いても未だ十分な性能を有する素材は得られて
いない。すなわち、発泡基材層の材料としてポリプロピ
レンのみを用いたのでは、樹脂の流動性が低いためモー
ルドスタンピング成形時に表皮へ損傷(ダメージ)を与
える場合があった。
【0006】上述した方法では、表皮へのダメージを抑
えるために、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EP
R)、エチレン・ブテン−1共重合体ゴム(EBR)等
を配合して高流動化させたものを用いている。しかし、
かかるEPRやEBRを配合した材料により構成される
発泡基材層では、高剛性及び表皮のダメージ抑制は達成
できるものの、耐衝撃性に劣るという問題点があった。
えるために、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EP
R)、エチレン・ブテン−1共重合体ゴム(EBR)等
を配合して高流動化させたものを用いている。しかし、
かかるEPRやEBRを配合した材料により構成される
発泡基材層では、高剛性及び表皮のダメージ抑制は達成
できるものの、耐衝撃性に劣るという問題点があった。
【0007】そこで、軽量且つ高剛性でさらに耐衝撃性
にも優れた多層発泡成形品を、流動性に優れた樹脂材料
で簡便に製造できるモールドスタンピング成形法、特に
表皮材のダメージが少なく外観の良好な成形品を与える
成形法の開発が望まれていた。
にも優れた多層発泡成形品を、流動性に優れた樹脂材料
で簡便に製造できるモールドスタンピング成形法、特に
表皮材のダメージが少なく外観の良好な成形品を与える
成形法の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車用内
装材などに使用可能な、軽量で且つ剛性及び耐衝撃性が
高く、しかも外観に優れた多層発泡成形品を、簡便に製
造する方法を提供することを課題とする。
装材などに使用可能な、軽量で且つ剛性及び耐衝撃性が
高く、しかも外観に優れた多層発泡成形品を、簡便に製
造する方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、発泡基材層を形成
する樹脂材料に特定のゴム成分を配合したポリプロピレ
ン樹脂材料を用い、かつ特定の射出圧縮条件を採用する
ことにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発
明に到達した。
な状況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、発泡基材層を形成
する樹脂材料に特定のゴム成分を配合したポリプロピレ
ン樹脂材料を用い、かつ特定の射出圧縮条件を採用する
ことにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発
明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、結晶性ポリプロピレ
ン70〜90重量%及びエチレンと炭素数6〜8のα−
オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合
体ゴム10〜30重量%を含有するポリプロピレン樹脂
材料からなる発泡基材層と、表皮材からなる表皮層とよ
り構成される多層発泡成形品を、モールドスタンピング
成形用上下金型を用いて製造する方法であって、(a)
表皮材を前記上下金型の間に設置する工程と、(b)前
記上下金型を開いた状態で、該上下金型から形成される
キャビティ内にポリプロピレン樹脂材料と発泡剤とを含
む基材形成用樹脂組成物を射出充填し、一方で前記上下
金型を閉じて前記キャビティ内を圧縮する射出圧縮工程
と、(c)前記上下金型を開き、基材形成用樹脂組成物
を発泡させて発泡基材層を形成する発泡工程と、(d)
前記発泡基材層を冷却固化する冷却固化工程とを含むこ
とを特徴とする、多層発泡成形品の製造法を提供する。
ン70〜90重量%及びエチレンと炭素数6〜8のα−
オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合
体ゴム10〜30重量%を含有するポリプロピレン樹脂
材料からなる発泡基材層と、表皮材からなる表皮層とよ
り構成される多層発泡成形品を、モールドスタンピング
成形用上下金型を用いて製造する方法であって、(a)
表皮材を前記上下金型の間に設置する工程と、(b)前
記上下金型を開いた状態で、該上下金型から形成される
キャビティ内にポリプロピレン樹脂材料と発泡剤とを含
む基材形成用樹脂組成物を射出充填し、一方で前記上下
金型を閉じて前記キャビティ内を圧縮する射出圧縮工程
と、(c)前記上下金型を開き、基材形成用樹脂組成物
を発泡させて発泡基材層を形成する発泡工程と、(d)
前記発泡基材層を冷却固化する冷却固化工程とを含むこ
とを特徴とする、多層発泡成形品の製造法を提供する。
【0011】また、本発明は、前記結晶性ポリプロピレ
ンがプロピレンから誘導される構成単位を90モル%以
上の量で含有しMFRが50〜120g/10分のもの
であり、前記エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムが
炭素数6〜8のα−オレフィンから誘導される構成単位
を20〜40重量%の量で含有しMFRが30〜90g
/10分のものであることを特徴とする前記多層発泡成
形品の製造法を提供する。
ンがプロピレンから誘導される構成単位を90モル%以
上の量で含有しMFRが50〜120g/10分のもの
であり、前記エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムが
炭素数6〜8のα−オレフィンから誘導される構成単位
を20〜40重量%の量で含有しMFRが30〜90g
/10分のものであることを特徴とする前記多層発泡成
形品の製造法を提供する。
【0012】また、本発明は、前記α−オレフィンが1
−オクテンであることを特徴とする前記多層発泡成形品
の製造法を提供する。また、本発明は、射出圧縮工程
(b)において、基材形成用樹脂組成物を、全射出充填
量の85〜97%まで射出充填したときに圧縮を開始す
ることを特徴とする前記多層発泡成形品の製造法を提供
する。
−オクテンであることを特徴とする前記多層発泡成形品
の製造法を提供する。また、本発明は、射出圧縮工程
(b)において、基材形成用樹脂組成物を、全射出充填
量の85〜97%まで射出充填したときに圧縮を開始す
ることを特徴とする前記多層発泡成形品の製造法を提供
する。
【0013】また、本発明は、前記表皮層が表皮又は表
皮とクッション層とから形成され、前記多層発泡成形品
の層構造が、表皮/発泡基材層の2層構造、表皮/クッ
ション層/発泡基材層の3層構造、又は表皮層と発泡基
材層との間に保護層を設けてなる表皮/クッション層/
保護層/発泡基材層の4層構造のいずれかであることを
特徴とする、前記いずれかの多層発泡成形品の製造法を
提供する。
皮とクッション層とから形成され、前記多層発泡成形品
の層構造が、表皮/発泡基材層の2層構造、表皮/クッ
ション層/発泡基材層の3層構造、又は表皮層と発泡基
材層との間に保護層を設けてなる表皮/クッション層/
保護層/発泡基材層の4層構造のいずれかであることを
特徴とする、前記いずれかの多層発泡成形品の製造法を
提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の製造法は、モールドスタンピング
成形機の上下金型間に表皮材をセットした後、ポリプロ
ピレン樹脂材料と発泡剤とを含む基材形成用樹脂組成物
を射出充填して型締めする射出圧縮成形を行った後、前
記上下金型を開いて発泡させる方法である。
て説明する。本発明の製造法は、モールドスタンピング
成形機の上下金型間に表皮材をセットした後、ポリプロ
ピレン樹脂材料と発泡剤とを含む基材形成用樹脂組成物
を射出充填して型締めする射出圧縮成形を行った後、前
記上下金型を開いて発泡させる方法である。
【0015】(1)基材形成用樹脂組成物 本発明で用いられる基材形成用樹脂組成物は、ポリプロ
ピレン樹脂材料に発泡剤が配合されたものである。
ピレン樹脂材料に発泡剤が配合されたものである。
【0016】ポリプロピレン樹脂材料はポリプロピレン
樹脂を主体とするものであり、本発明においては、該ポ
リプロピレン樹脂として結晶性ポリプロピレンとエチレ
ン・α−オレフィン共重合体ゴムとを含有する樹脂組成
物が用いられる。
樹脂を主体とするものであり、本発明においては、該ポ
リプロピレン樹脂として結晶性ポリプロピレンとエチレ
ン・α−オレフィン共重合体ゴムとを含有する樹脂組成
物が用いられる。
【0017】結晶性ポリプロピレンは、プロピレンから
誘導される構成単位を90モル%以上の量で含有し、M
FR(メルトフローレート)が50〜120g/10
分、好ましくは80〜100g/10分のものである。
誘導される構成単位を90モル%以上の量で含有し、M
FR(メルトフローレート)が50〜120g/10
分、好ましくは80〜100g/10分のものである。
【0018】MFRが上記範囲より大きいと、製品の耐
衝撃性が低下する。また、該MFRが上記範囲より小さ
いと、流動性が低下して樹脂圧力が高くなり、表皮に損
傷を与えやすくなる。なお、この場合のMFRはJIS
−K6758に準拠して測定した値である。
衝撃性が低下する。また、該MFRが上記範囲より小さ
いと、流動性が低下して樹脂圧力が高くなり、表皮に損
傷を与えやすくなる。なお、この場合のMFRはJIS
−K6758に準拠して測定した値である。
【0019】この結晶性ポリプロピレンは、13C−核磁
気共鳴スペクトル法によって決定されるコモノマー含量
が10モル%未満、つまりプロピレンから誘導される構
成単位を90モル%以上の量で含有するものが用いられ
る。プロピレンから誘導される構成単位が90モル%よ
り少ないと耐熱性が低下するので好ましくない。なお、
ここで使用できるコモノマーとしては、エチレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、
1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル
−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙
げることができる。コモノマーとして用いられるα−オ
レフィンは1種類に限られず、ターポリマーのように2
種類以上用いた多元系共重合体も含まれる。
気共鳴スペクトル法によって決定されるコモノマー含量
が10モル%未満、つまりプロピレンから誘導される構
成単位を90モル%以上の量で含有するものが用いられ
る。プロピレンから誘導される構成単位が90モル%よ
り少ないと耐熱性が低下するので好ましくない。なお、
ここで使用できるコモノマーとしては、エチレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、
1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル
−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙
げることができる。コモノマーとして用いられるα−オ
レフィンは1種類に限られず、ターポリマーのように2
種類以上用いた多元系共重合体も含まれる。
【0020】結晶性ポリプロピレンの好ましいものとし
ては、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共
重合体等が挙げられる。結晶性ポリプロピレンの製造方
法に特に制限はなく、上記物性を満たす限りにおいて公
知のあらゆる方法で製造されたものを用いることができ
る。
ては、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共
重合体等が挙げられる。結晶性ポリプロピレンの製造方
法に特に制限はなく、上記物性を満たす限りにおいて公
知のあらゆる方法で製造されたものを用いることができ
る。
【0021】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体ゴムは、エチレンから誘導される構成単位
(エチレン単位)を60〜80重量%、α−オレフィン
から誘導される構成単位(コモノマー単位)を20〜4
0重量%含有する。ここで用いられるα−オレフィン
は、炭素数6〜8のものであり、具体的には1−ヘキセ
ン又は1−オクテンが挙げられる。特に好ましくは1−
オクテンである。
ィン共重合体ゴムは、エチレンから誘導される構成単位
(エチレン単位)を60〜80重量%、α−オレフィン
から誘導される構成単位(コモノマー単位)を20〜4
0重量%含有する。ここで用いられるα−オレフィン
は、炭素数6〜8のものであり、具体的には1−ヘキセ
ン又は1−オクテンが挙げられる。特に好ましくは1−
オクテンである。
【0022】また、そのMFRは30〜90g/10
分、好ましくは50〜80g/10分である。MFRが
上記範囲より大きいと、最終的に製品の耐衝撃性が低下
する。また、該MFRが上記範囲より小さいと、ポリプ
ロピレン系樹脂材料全体の流動性が低下して樹脂圧力が
高くなり、表皮に損傷を与えやすくなる。
分、好ましくは50〜80g/10分である。MFRが
上記範囲より大きいと、最終的に製品の耐衝撃性が低下
する。また、該MFRが上記範囲より小さいと、ポリプ
ロピレン系樹脂材料全体の流動性が低下して樹脂圧力が
高くなり、表皮に損傷を与えやすくなる。
【0023】前記エチレン・α−オレフィン共重合体ゴ
ムは、メタロセン系触媒を用いて製造されたものが好ま
しく用いられる。具体的には、特開平7−145272
号公報、特開平7−145298号公報、特開平9−7
1711号公報、特開平9−151294号公報、特開
平10−204248号公報等に記載されている方法に
より製造されるものが挙げられる。市販されているもの
を使用することもでき、例えば商品名「エンゲージ」
(ダウ社製)等が挙げられる。
ムは、メタロセン系触媒を用いて製造されたものが好ま
しく用いられる。具体的には、特開平7−145272
号公報、特開平7−145298号公報、特開平9−7
1711号公報、特開平9−151294号公報、特開
平10−204248号公報等に記載されている方法に
より製造されるものが挙げられる。市販されているもの
を使用することもでき、例えば商品名「エンゲージ」
(ダウ社製)等が挙げられる。
【0024】ポリプロピレン系樹脂材料中の結晶性ポリ
プロピレンの割合は、前記樹脂材料全量に対し70〜9
0重量%、好ましくは75〜85重量%であり、エチレ
ン・α−オレフィン共重合体ゴムの割合は10〜30重
量%、好ましくは15〜25重量%である。
プロピレンの割合は、前記樹脂材料全量に対し70〜9
0重量%、好ましくは75〜85重量%であり、エチレ
ン・α−オレフィン共重合体ゴムの割合は10〜30重
量%、好ましくは15〜25重量%である。
【0025】本発明のポリプロピレン樹脂材料は、その
全体のMFRが30〜110g/10分、好ましくは5
0〜100g/10分の範囲内になるようにするのが好
ましい。MFRが上記範囲より大きいと、最終的に製品
の耐衝撃性が低下する。また、該MFRが上記範囲より
小さいと、流動性が低下して樹脂圧力が高くなり、表皮
に損傷を与えやすくなる。
全体のMFRが30〜110g/10分、好ましくは5
0〜100g/10分の範囲内になるようにするのが好
ましい。MFRが上記範囲より大きいと、最終的に製品
の耐衝撃性が低下する。また、該MFRが上記範囲より
小さいと、流動性が低下して樹脂圧力が高くなり、表皮
に損傷を与えやすくなる。
【0026】本発明のポリプロピレン樹脂材料には、前
記結晶性ポリプロピレンとエチレン・α−オレフィン共
重合体ゴムに加え、さらに充填剤(フィラー)が配合さ
れていてもよい。本発明で用いられるフィラーとして
は、具体的には、ガラス繊維、タルク、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等が挙げられる。本発明では、発泡
性、剛性向上という点から、ガラス繊維又はタルクが特
に適している。
記結晶性ポリプロピレンとエチレン・α−オレフィン共
重合体ゴムに加え、さらに充填剤(フィラー)が配合さ
れていてもよい。本発明で用いられるフィラーとして
は、具体的には、ガラス繊維、タルク、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等が挙げられる。本発明では、発泡
性、剛性向上という点から、ガラス繊維又はタルクが特
に適している。
【0027】本発明のポリプロピレン樹脂材料全体に対
するフィラーの配合割合は、好ましくは0〜30重量
%、より好ましくは0〜20重量%である。このような
割合でフィラーを配合することにより、得られる多層発
泡成形品の剛性、耐熱性及び寸法安定性を向上させるこ
とができる。
するフィラーの配合割合は、好ましくは0〜30重量
%、より好ましくは0〜20重量%である。このような
割合でフィラーを配合することにより、得られる多層発
泡成形品の剛性、耐熱性及び寸法安定性を向上させるこ
とができる。
【0028】さらに本発明のポリプロピレン樹脂材料に
は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、通
常用いられる各種添加剤等がさらに配合されていてもよ
い。添加剤としては、通常のポリオレフィン樹脂用配合
剤として使用される核剤、フェノール系酸化防止剤、リ
ン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、中和剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤、
抗菌防黴剤、蛍光増白剤等をが挙げることができる。
は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、通
常用いられる各種添加剤等がさらに配合されていてもよ
い。添加剤としては、通常のポリオレフィン樹脂用配合
剤として使用される核剤、フェノール系酸化防止剤、リ
ン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、中和剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤、
抗菌防黴剤、蛍光増白剤等をが挙げることができる。
【0029】上述した本発明のポリプロピレン樹脂材料
に配合される発泡剤としては、具体的には、アゾジカル
ボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,
3’−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニ
ルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジンなどの有
機発泡剤、炭化水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウ
ム、炭酸アンモニウムなどの無機発泡剤等が挙げられ
る。中でも、有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミ
ド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、トリヒドラジノトリアジンが好ましくは、
無機発泡剤としては、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
に配合される発泡剤としては、具体的には、アゾジカル
ボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,
3’−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニ
ルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジンなどの有
機発泡剤、炭化水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウ
ム、炭酸アンモニウムなどの無機発泡剤等が挙げられ
る。中でも、有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミ
ド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、トリヒドラジノトリアジンが好ましくは、
無機発泡剤としては、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
【0030】発泡剤は、基材形成用樹脂組成物全量に対
し、好ましくは0.2〜2重量%、より好ましくは0.
4〜1.4重量%の割合で用いられる。このような割合
で発泡剤を用いることにより、ポリプロピレン樹脂材料
からなる発泡基材層の発泡倍率を1.1〜2.0倍程度
の所望の倍率にすることができる。
し、好ましくは0.2〜2重量%、より好ましくは0.
4〜1.4重量%の割合で用いられる。このような割合
で発泡剤を用いることにより、ポリプロピレン樹脂材料
からなる発泡基材層の発泡倍率を1.1〜2.0倍程度
の所望の倍率にすることができる。
【0031】本発明で用いられる基材形成用樹脂組成物
は、上述した結晶性ポリプロピレン、エチレン・α−オ
レフィン共重合体ゴム及び必要に応じて添加するフィラ
ー並びに他の添加剤と前記発泡剤とを、ヘンシェルミキ
サー、スーパーミキサー、V−ブレンダー、タンブラー
ミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ニ
ーダーブレンダー等を用いて公知の方法で均一に混合し
て調製することができる。
は、上述した結晶性ポリプロピレン、エチレン・α−オ
レフィン共重合体ゴム及び必要に応じて添加するフィラ
ー並びに他の添加剤と前記発泡剤とを、ヘンシェルミキ
サー、スーパーミキサー、V−ブレンダー、タンブラー
ミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ニ
ーダーブレンダー等を用いて公知の方法で均一に混合し
て調製することができる。
【0032】(2)表皮材 本発明で用いられる表皮材は、表皮単層からなるもので
あってもよく、また該表皮に他の材料からなる層が積層
された積層体であってもよい。
あってもよく、また該表皮に他の材料からなる層が積層
された積層体であってもよい。
【0033】表皮には、ポリ塩化ビニル樹脂(PV
C)、ポリオレフィン系エラストマー(TPO)などの
熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリウレタン(P
U)等のレザーや、布地(織物、編物、不織布)等が用
いられる。
C)、ポリオレフィン系エラストマー(TPO)などの
熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリウレタン(P
U)等のレザーや、布地(織物、編物、不織布)等が用
いられる。
【0034】表皮材を構成しうる表皮以外の層としては
クッション層が挙げられ、これは通常、表皮と発泡基材
層との間にくるように設けられる。また、前記クッショ
ン層を設ける場合は、さらにクッション層と発泡基材層
の間に保護層を設けることができる。したがって、その
層構成の例を挙げると、本発明の多層発泡成形品は表皮
/発泡基材層の2層構造であってもよく、また前記多層
発泡成形品が表皮とクッション層と発泡基材層とからな
る場合は表皮/クッション層/発泡基材層の3層構造、
該多層発泡成形品が表皮とクッション層と保護層と発泡
基材層とからなる場合は、表皮/クッション層/保護層
/発泡基材層の4層構造となってもよい。
クッション層が挙げられ、これは通常、表皮と発泡基材
層との間にくるように設けられる。また、前記クッショ
ン層を設ける場合は、さらにクッション層と発泡基材層
の間に保護層を設けることができる。したがって、その
層構成の例を挙げると、本発明の多層発泡成形品は表皮
/発泡基材層の2層構造であってもよく、また前記多層
発泡成形品が表皮とクッション層と発泡基材層とからな
る場合は表皮/クッション層/発泡基材層の3層構造、
該多層発泡成形品が表皮とクッション層と保護層と発泡
基材層とからなる場合は、表皮/クッション層/保護層
/発泡基材層の4層構造となってもよい。
【0035】クッション層は、ポリエチレン発泡体、ポ
リプロピレン発泡体等のポリオレフィン系発泡体や、ポ
リウレタン発泡体等のフォームシート等により構成され
る。保護層は、クッション層と発泡基材層の間に介在さ
せることにより、発泡工程において発泡基材層を冷却し
スキン層を適切に形成させる効果を有する層である。こ
の保護層が設けられていない場合は、発泡工程におい
て、クッション層が直接に発泡基材に接触し、その断熱
的な性質のために、発泡基材の冷却がクッション層との
界面付近で遅れる傾向にある。一方、発泡基材層は加圧
状態にあるので、発泡セルは溶融粘度の低い部分に押し
やられ、その結果、均一な発泡セルを持つ発泡基材層は
形成されない場合がある。これに対し、前記保護層がク
ッション層と発泡基材層との間に介在すると、該保護層
が発泡基材層を冷却する効果を奏し、その結果、発泡基
材層内において前記保護層との積層面付近にスキン層が
形成される。このため、発泡セルは移動せずに発泡基材
層の中に閉じこめられ、均一な発泡セルを持つ発泡基材
層が形成される。
リプロピレン発泡体等のポリオレフィン系発泡体や、ポ
リウレタン発泡体等のフォームシート等により構成され
る。保護層は、クッション層と発泡基材層の間に介在さ
せることにより、発泡工程において発泡基材層を冷却し
スキン層を適切に形成させる効果を有する層である。こ
の保護層が設けられていない場合は、発泡工程におい
て、クッション層が直接に発泡基材に接触し、その断熱
的な性質のために、発泡基材の冷却がクッション層との
界面付近で遅れる傾向にある。一方、発泡基材層は加圧
状態にあるので、発泡セルは溶融粘度の低い部分に押し
やられ、その結果、均一な発泡セルを持つ発泡基材層は
形成されない場合がある。これに対し、前記保護層がク
ッション層と発泡基材層との間に介在すると、該保護層
が発泡基材層を冷却する効果を奏し、その結果、発泡基
材層内において前記保護層との積層面付近にスキン層が
形成される。このため、発泡セルは移動せずに発泡基材
層の中に閉じこめられ、均一な発泡セルを持つ発泡基材
層が形成される。
【0036】かかるスキン層形成能を有する前記保護層
は、溶融状態にある基材材料と融着可能で、かつ前記ク
ッション層と熱融着または接着剤を介して接着すること
のできるシートが好ましい。さらに基材材料の熱と流動
時の剪断応力により破損しないこと、及び成形による伸
びに追随することが要求される。このような理由から、
基材材料がポリオレフィン系樹脂の場合は、保護層はオ
レフィン系熱可塑性エラストマー単独、又はポリプロピ
レンとブレンド物の厚さ0.05〜1.0mmのシート
が好ましく使用される。この場合、前記クッション層が
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の
高発泡体であると、前記保護層と熱融着や接着剤による
接着により積層することができる。
は、溶融状態にある基材材料と融着可能で、かつ前記ク
ッション層と熱融着または接着剤を介して接着すること
のできるシートが好ましい。さらに基材材料の熱と流動
時の剪断応力により破損しないこと、及び成形による伸
びに追随することが要求される。このような理由から、
基材材料がポリオレフィン系樹脂の場合は、保護層はオ
レフィン系熱可塑性エラストマー単独、又はポリプロピ
レンとブレンド物の厚さ0.05〜1.0mmのシート
が好ましく使用される。この場合、前記クッション層が
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の
高発泡体であると、前記保護層と熱融着や接着剤による
接着により積層することができる。
【0037】前記保護層は、ポリプロピレン等の熱可塑
性樹脂、熱可塑性エラストマー等のシートの代わりに、
不織布、及び織布を使用することもできる。前記保護層
は発泡する基材層との境界面において基材層を冷却し、
好適なスキン層を形成させるのに有効であり、前記保護
層がシート状の場合は、その厚さが0.05〜1.0m
m、好ましくは0.1〜0.4mmである。同時に前記
保護層が不織布及び寒冷沙、ウーリーナイロン等の織布
では、目付が50〜200g/m2のものが好ましく使
用される。
性樹脂、熱可塑性エラストマー等のシートの代わりに、
不織布、及び織布を使用することもできる。前記保護層
は発泡する基材層との境界面において基材層を冷却し、
好適なスキン層を形成させるのに有効であり、前記保護
層がシート状の場合は、その厚さが0.05〜1.0m
m、好ましくは0.1〜0.4mmである。同時に前記
保護層が不織布及び寒冷沙、ウーリーナイロン等の織布
では、目付が50〜200g/m2のものが好ましく使
用される。
【0038】本発明において、表皮材として上記クッシ
ョン層を有する積層体を用いる場合は、かかるフォーム
シート等のクッション層を、表皮と接着剤等を用いて貼
り合わせることによって該積層体を得ることができる。
ョン層を有する積層体を用いる場合は、かかるフォーム
シート等のクッション層を、表皮と接着剤等を用いて貼
り合わせることによって該積層体を得ることができる。
【0039】また、さらに前記積層体が保護層を有する
ものである場合は、前記クッション層に保護層を貼着さ
せることにより該積層体を得ることができる。貼着の方
法としては、特に制限されるものではなく、該保護層が
前記ポリプロピレンや熱可塑性エラストマー等のシート
においては、これらの溶融シートをフォームシート面上
に熱融着によりラミネートして、融着一体化する方法が
挙げられる。また、前記保護層に不織布又は織布を使用
する場合は、一般の接着剤によりフォームシートと接着
することにより一体化することができる。
ものである場合は、前記クッション層に保護層を貼着さ
せることにより該積層体を得ることができる。貼着の方
法としては、特に制限されるものではなく、該保護層が
前記ポリプロピレンや熱可塑性エラストマー等のシート
においては、これらの溶融シートをフォームシート面上
に熱融着によりラミネートして、融着一体化する方法が
挙げられる。また、前記保護層に不織布又は織布を使用
する場合は、一般の接着剤によりフォームシートと接着
することにより一体化することができる。
【0040】(3)製造工程 本発明の多層発泡成形品の製造法は、モールドスタンピ
ング成形用上下金型を用い、射出圧縮成形及び発泡成形
を組み合わせた方法であり、(a)表皮材設置工程、
(b)射出圧縮行程、(c)発泡工程、及び(d)冷却
固化工程を含む。なお、本発明の製造法の一例につい
て、図1〜4に示す。
ング成形用上下金型を用い、射出圧縮成形及び発泡成形
を組み合わせた方法であり、(a)表皮材設置工程、
(b)射出圧縮行程、(c)発泡工程、及び(d)冷却
固化工程を含む。なお、本発明の製造法の一例につい
て、図1〜4に示す。
【0041】(a)表皮材設置工程:本工程(a)にお
いては、表皮材をモールドスタンピング成形用上下金型
の間に設置する。すなわち、図1に示すように、上金型
1と下金型2の間に表皮材3をセットする。
いては、表皮材をモールドスタンピング成形用上下金型
の間に設置する。すなわち、図1に示すように、上金型
1と下金型2の間に表皮材3をセットする。
【0042】本発明においては、上金型1は後に表皮材
と接することとなるので、該表皮材3を傷めないために
も、上金型1の金型温度を10〜50℃、好ましくは1
0〜30℃としすることが好ましい。
と接することとなるので、該表皮材3を傷めないために
も、上金型1の金型温度を10〜50℃、好ましくは1
0〜30℃としすることが好ましい。
【0043】表皮材として表皮と表皮保護層等の他の層
との積層体を用いる場合は、該他の層が発泡基材層と接
して形成されるように表皮材を設置する。なお、表皮材
は平坦なシート状の未成形状態のものであってもよく、
また予め所定の形状に成形したものを設置してもよい。
との積層体を用いる場合は、該他の層が発泡基材層と接
して形成されるように表皮材を設置する。なお、表皮材
は平坦なシート状の未成形状態のものであってもよく、
また予め所定の形状に成形したものを設置してもよい。
【0044】(b)射出充填工程:本工程(b)におい
ては、前記上下金型を開いた状態で、該上下金型から形
成されるキャビティ内に、基材形成用樹脂組成物を射出
充填する。
ては、前記上下金型を開いた状態で、該上下金型から形
成されるキャビティ内に、基材形成用樹脂組成物を射出
充填する。
【0045】すなわち、まず、上述した方法で調製され
た基材形成用樹脂組成物を、モールドスタンピング成形
機に備え付けられている押出機のシリンダ内で、発泡剤
の分解温度以上かつ180〜240℃、好ましくは18
0〜220℃の温度で溶融する。このような発泡剤の分
解温度以上で樹脂組成物を溶融しても、樹脂組成物はシ
リンダ内で加圧されているので、樹脂組成物はほとんど
発泡を開始しない。
た基材形成用樹脂組成物を、モールドスタンピング成形
機に備え付けられている押出機のシリンダ内で、発泡剤
の分解温度以上かつ180〜240℃、好ましくは18
0〜220℃の温度で溶融する。このような発泡剤の分
解温度以上で樹脂組成物を溶融しても、樹脂組成物はシ
リンダ内で加圧されているので、樹脂組成物はほとんど
発泡を開始しない。
【0046】次いで、図2で示すように、下金型に設け
られたゲート4から、型開きした上下金型1、2により
形成される空間であるキャビティ5内へ、溶融樹脂6を
射出充填する。このときの射出条件については、公知の
射出成形法で採用される条件を適宜選択することができ
るが、金型温度は20〜60℃、射出圧力は50〜50
0kgf/cm2程度が好ましい。
られたゲート4から、型開きした上下金型1、2により
形成される空間であるキャビティ5内へ、溶融樹脂6を
射出充填する。このときの射出条件については、公知の
射出成形法で採用される条件を適宜選択することができ
るが、金型温度は20〜60℃、射出圧力は50〜50
0kgf/cm2程度が好ましい。
【0047】本工程(b)においては、このような射出
充填を行う一方で、図3に示すように、上下金型1、2
を閉じて型締めし、キャビティ5内を圧縮する。これに
より、樹脂組成物6が所望の形状に賦形されて基材層を
形成すると同時に、前記工程(a)で設置した表皮材3
と基材層が一体化される。また、圧縮することにより、
樹脂組成物の発泡は抑制される。
充填を行う一方で、図3に示すように、上下金型1、2
を閉じて型締めし、キャビティ5内を圧縮する。これに
より、樹脂組成物6が所望の形状に賦形されて基材層を
形成すると同時に、前記工程(a)で設置した表皮材3
と基材層が一体化される。また、圧縮することにより、
樹脂組成物の発泡は抑制される。
【0048】このときの圧縮速度(型締め速度)は10
〜40mm/分、好ましくは20〜40mm/分とする
のが望ましい。
〜40mm/分、好ましくは20〜40mm/分とする
のが望ましい。
【0049】また、圧縮時の型内圧、すなわち圧縮応力
(型締め力)は350t以下、好ましくは150〜35
0tとするのが望ましい。このように圧縮力を制限する
ことにより、表皮に与える損傷を少なくすることができ
る。
(型締め力)は350t以下、好ましくは150〜35
0tとするのが望ましい。このように圧縮力を制限する
ことにより、表皮に与える損傷を少なくすることができ
る。
【0050】圧縮の開始は、基材形成用樹脂組成物の射
出充填が完了した後に行うこともできるが、本発明にお
いては、ゲートからキャビティ内へ射出充填しつつ、同
時に上下金型を閉じて圧縮し、基材形成用樹脂組成物の
充填完了時に圧縮を終了させるようにするのが好まし
い。より好ましくは、基材形成用樹脂組成物を、全射出
充填量の85〜97%まで射出充填したときに圧縮を開
始する。
出充填が完了した後に行うこともできるが、本発明にお
いては、ゲートからキャビティ内へ射出充填しつつ、同
時に上下金型を閉じて圧縮し、基材形成用樹脂組成物の
充填完了時に圧縮を終了させるようにするのが好まし
い。より好ましくは、基材形成用樹脂組成物を、全射出
充填量の85〜97%まで射出充填したときに圧縮を開
始する。
【0051】このように基材形成用樹脂組成物が完全に
射出充填される前に圧縮を開始させることにより、樹脂
組成物の流動性及び延展性を保ったまま成形を行うこと
ができ、成形性が向上する。基材形成用樹脂組成物の射
出充填量が全射出充填量の85%未満で圧縮を開始する
と、射出充填の終了前に型締めが終了してしまい、射出
圧が上昇しすぎて表皮にダメージを与える場合があるの
で好ましくない。一方、基材形成用樹脂組成物の射出充
填量が全射出充填量の97%を超えてから圧縮を開始す
ると、型内での樹脂の流動性が保持できず、成形性が悪
くなるので好ましくない。
射出充填される前に圧縮を開始させることにより、樹脂
組成物の流動性及び延展性を保ったまま成形を行うこと
ができ、成形性が向上する。基材形成用樹脂組成物の射
出充填量が全射出充填量の85%未満で圧縮を開始する
と、射出充填の終了前に型締めが終了してしまい、射出
圧が上昇しすぎて表皮にダメージを与える場合があるの
で好ましくない。一方、基材形成用樹脂組成物の射出充
填量が全射出充填量の97%を超えてから圧縮を開始す
ると、型内での樹脂の流動性が保持できず、成形性が悪
くなるので好ましくない。
【0052】圧縮後の上下金型間の距離(型クリアラン
ス、図3中B)は、好ましくは2〜3.5mm、より好
ましくは2〜3mmである。また、型締め時間は、0.
5〜3.5秒程度が好ましい。
ス、図3中B)は、好ましくは2〜3.5mm、より好
ましくは2〜3mmである。また、型締め時間は、0.
5〜3.5秒程度が好ましい。
【0053】(c)発泡工程:本工程(c)では、前記
上下金型を所定速度で所定量開き、基材形成用樹脂組成
物からなる基材層部分を発泡させて発泡基材層を形成す
る。
上下金型を所定速度で所定量開き、基材形成用樹脂組成
物からなる基材層部分を発泡させて発泡基材層を形成す
る。
【0054】すなわち、前記射出圧縮工程(b)におい
て型締めを行って圧縮し樹脂組成物からなる基材層と表
皮層とを一体化した後、本工程において、図4に示すよ
うに上下金型1、2を所定距離まで開く。これにより、
キャビティ内の圧力が解放され、分解した発泡剤により
基材成形用樹脂組成物の発泡が開始され、発泡基材層7
が形成される。この場合の上下金型の型拡大量(型開き
後の上下金型間の距離、図4中C)は、1〜2mm程度
が好ましい。
て型締めを行って圧縮し樹脂組成物からなる基材層と表
皮層とを一体化した後、本工程において、図4に示すよ
うに上下金型1、2を所定距離まで開く。これにより、
キャビティ内の圧力が解放され、分解した発泡剤により
基材成形用樹脂組成物の発泡が開始され、発泡基材層7
が形成される。この場合の上下金型の型拡大量(型開き
後の上下金型間の距離、図4中C)は、1〜2mm程度
が好ましい。
【0055】(d)冷却固化工程:本工程(d)では、
前記工程(c)において基材形成用樹脂組成物が発泡し
て形成された発泡基材層を冷却固化する。
前記工程(c)において基材形成用樹脂組成物が発泡し
て形成された発泡基材層を冷却固化する。
【0056】最後に、上下金型を開いて表皮層と発泡基
材層とを有する多層発泡成形品を型から取り出す。
材層とを有する多層発泡成形品を型から取り出す。
【0057】(4)多層発泡成形品 上記のような工程を経て製造される多層発泡成形品は、
ポリプロピレン樹脂材料からなる発泡基材層と表皮材か
らなる表皮層とより構成されている。なお、発泡基材層
を構成するポリプロピレン樹脂材料には、残留する発泡
剤が含まれていてもよい。また、表皮材には、上述した
ように、表皮の他に、該表皮と発泡基材層との間にクッ
ション層が、さらには該クッション層と発泡基材層との
間に発泡基材層の冷却を速やかにするための保護層が含
まれていてもよい。
ポリプロピレン樹脂材料からなる発泡基材層と表皮材か
らなる表皮層とより構成されている。なお、発泡基材層
を構成するポリプロピレン樹脂材料には、残留する発泡
剤が含まれていてもよい。また、表皮材には、上述した
ように、表皮の他に、該表皮と発泡基材層との間にクッ
ション層が、さらには該クッション層と発泡基材層との
間に発泡基材層の冷却を速やかにするための保護層が含
まれていてもよい。
【0058】本発明の製造法により得られる多層発泡成
形品は、その発泡基材層の発泡倍率を1.1〜2.0倍
程度とすることができ、また発泡セルの気泡サイズは
0.05〜0.3mm程度で均一である。よって、従来
のモールドスタンピング成形法により製造される発泡成
形品と比較して、軽量でしかも剛性に優れている。
形品は、その発泡基材層の発泡倍率を1.1〜2.0倍
程度とすることができ、また発泡セルの気泡サイズは
0.05〜0.3mm程度で均一である。よって、従来
のモールドスタンピング成形法により製造される発泡成
形品と比較して、軽量でしかも剛性に優れている。
【0059】さらに、発泡基材層を形成するポリプロピ
レン樹脂材料が流動性と耐衝撃性とをバランスよく兼ね
備えているため、表皮材にダメージを与えず、衝撃強度
が高くしかも外観の良好な表皮貼りの成形品を得ること
ができる。
レン樹脂材料が流動性と耐衝撃性とをバランスよく兼ね
備えているため、表皮材にダメージを与えず、衝撃強度
が高くしかも外観の良好な表皮貼りの成形品を得ること
ができる。
【0060】したがって、本発明の多層発泡成形品は、
ドアートリム、リアーパッケージトリム、シートバック
ガーニッシュ、インスツルメントパネル、トランクサイ
ドトリム等の自動車内装材として特に有用である。
ドアートリム、リアーパッケージトリム、シートバック
ガーニッシュ、インスツルメントパネル、トランクサイ
ドトリム等の自動車内装材として特に有用である。
【0061】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。なお、これらの実施例においては、上記図
1〜図4に示す工程に基づいて成形を行い、用いた射出
成形機はモールドスタンピング成形機((株)神戸製鋼
所製、500t竪型射出圧縮複合成形機)、成形用金型
はドアトリム形状の射出圧縮成形用金型[型クリアラン
ス(図3中のB)が3.5mmのもの]とした。
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。なお、これらの実施例においては、上記図
1〜図4に示す工程に基づいて成形を行い、用いた射出
成形機はモールドスタンピング成形機((株)神戸製鋼
所製、500t竪型射出圧縮複合成形機)、成形用金型
はドアトリム形状の射出圧縮成形用金型[型クリアラン
ス(図3中のB)が3.5mmのもの]とした。
【0062】
【実施例1】本実施例においては、表皮材として0.6
mm厚のTPO表皮と3mm厚のポリプロピレン発泡シ
ートと0.3mm厚の不織布シートとを積層した多層シ
ートを用いた。また、基材形成用樹脂組成物として、結
晶性ポリプロピレン(MFR100g/10分)とエチ
レン・オクテン共重合体ゴム(1−オクテン含量24重
量%、MFR59g/10分:以下、EORと略す)と
の樹脂組成物[EOR含量:20重量%、全体のMF
R:80g/10分]100重量部と、熱分解型発泡剤
(三菱化学(株)製、商品名「ファインブローS20
N」)3重量部とを、タンブラーミキサーで混合して得
られた樹脂組成物を用いた。
mm厚のTPO表皮と3mm厚のポリプロピレン発泡シ
ートと0.3mm厚の不織布シートとを積層した多層シ
ートを用いた。また、基材形成用樹脂組成物として、結
晶性ポリプロピレン(MFR100g/10分)とエチ
レン・オクテン共重合体ゴム(1−オクテン含量24重
量%、MFR59g/10分:以下、EORと略す)と
の樹脂組成物[EOR含量:20重量%、全体のMF
R:80g/10分]100重量部と、熱分解型発泡剤
(三菱化学(株)製、商品名「ファインブローS20
N」)3重量部とを、タンブラーミキサーで混合して得
られた樹脂組成物を用いた。
【0063】まず、表皮材を、前記射出圧縮成形用金型
の上金型面と下金型面の間に、表皮材の製品表側が上向
きになるようにセットした。上金型(図1の1)の設定
温度は30℃、下金型(図1の2)の設定温度は50℃
とした。次に、上下金型を型開き量(初期クリアラン
ス、図2のA)が10mmとなるまで型締めした。
の上金型面と下金型面の間に、表皮材の製品表側が上向
きになるようにセットした。上金型(図1の1)の設定
温度は30℃、下金型(図1の2)の設定温度は50℃
とした。次に、上下金型を型開き量(初期クリアラン
ス、図2のA)が10mmとなるまで型締めした。
【0064】次に、基材形成用樹脂組成物を前記モール
ドスタンピング成形機に備え付けられている押出機に投
入して溶融した。なお、樹脂組成物の押出機への投入の
際、押出機のシリンダー及びダイの温度は190℃に設
定した。
ドスタンピング成形機に備え付けられている押出機に投
入して溶融した。なお、樹脂組成物の押出機への投入の
際、押出機のシリンダー及びダイの温度は190℃に設
定した。
【0065】次に、溶融した前記樹脂組成物を、前記上
下金型により形成されるキャビティ内へ、下金型のゲー
トより射出充填した。このときの射出速度は最大設定値
の90%に設定した。
下金型により形成されるキャビティ内へ、下金型のゲー
トより射出充填した。このときの射出速度は最大設定値
の90%に設定した。
【0066】次に、前記樹脂組成物の射出充填量が最大
充填量(全射出充填量)の90%に到達したとき、型締
めを開始した。型締めは、型開き量が0.5mmとなる
までは20mm/分の速度で行い、型開き量が0.5m
mとなってからは、圧力制御にて型締めを行った(圧力
の設定は300t)。
充填量(全射出充填量)の90%に到達したとき、型締
めを開始した。型締めは、型開き量が0.5mmとなる
までは20mm/分の速度で行い、型開き量が0.5m
mとなってからは、圧力制御にて型締めを行った(圧力
の設定は300t)。
【0067】溶融樹脂の射出充填が終了した後、金型の
バルブゲートを閉止した。次いで、圧力制御での型締め
を1.5秒行った後、金型を所定量開いて多層発泡成形
品を得た。このときの型開き速度は40mm/分とし、
型拡大量(図4のC)は1.5mmとした。
バルブゲートを閉止した。次いで、圧力制御での型締め
を1.5秒行った後、金型を所定量開いて多層発泡成形
品を得た。このときの型開き速度は40mm/分とし、
型拡大量(図4のC)は1.5mmとした。
【0068】得られた多層発泡成形品の発泡基材層の厚
みは3.5mmであった。また、発泡基材層における発
泡倍率は1.5倍、発泡セルの大きさは0.05〜0.
3mmの範囲であった。また、表皮層の触感は良好であ
り、製品剛性は7.8kg/cm、重量は1450gで
あった。なお、製品剛性の測定方法については、まず5
0mm幅のテストピースを切り出し、スパン間100m
m、試験速度50mm/分にて曲げ試験を行い、その弾
性勾配を製品剛性としたものである。
みは3.5mmであった。また、発泡基材層における発
泡倍率は1.5倍、発泡セルの大きさは0.05〜0.
3mmの範囲であった。また、表皮層の触感は良好であ
り、製品剛性は7.8kg/cm、重量は1450gで
あった。なお、製品剛性の測定方法については、まず5
0mm幅のテストピースを切り出し、スパン間100m
m、試験速度50mm/分にて曲げ試験を行い、その弾
性勾配を製品剛性としたものである。
【0069】また、得られた多層発泡成形品の耐衝撃性
を、低温落球試験を行って評価したところ、「合格」と
の結果を得た。なお、低温落球試験は、−30℃にて重
量1kgの鉄球を高さ50cmから製品に落として割れ
の発生の有無をみるものであり、割れの発生がなければ
合格となる。
を、低温落球試験を行って評価したところ、「合格」と
の結果を得た。なお、低温落球試験は、−30℃にて重
量1kgの鉄球を高さ50cmから製品に落として割れ
の発生の有無をみるものであり、割れの発生がなければ
合格となる。
【0070】
【実施例2】表皮材として、編物にクッション層(アキ
レス社製、厚み5mmのウレタン発泡体)をラミネート
したものを用いた他は、実施例1と同様の方法で射出圧
縮成形し、多層発泡成形品を得た。なお、表皮材を射出
圧縮成形用金型の上金型面と下金型面の間にセットする
場合は、クッション層が製品裏面側(すなわち表皮層と
発泡基材層との間)にくるように、クッション層がラミ
ネートされた面を下金型に向けてセットした。得られた
多層発泡成形品の発泡基材層の厚みは3.5mmであっ
た。発泡基材層における発泡倍率は1.5倍、発泡セル
の大きさは0.05〜0.3mmの範囲であった。ま
た、表皮層の触感は良好であり、製品剛性は7.8kg
/cm、重量は1500g、耐衝撃性評価は合格であっ
た。
レス社製、厚み5mmのウレタン発泡体)をラミネート
したものを用いた他は、実施例1と同様の方法で射出圧
縮成形し、多層発泡成形品を得た。なお、表皮材を射出
圧縮成形用金型の上金型面と下金型面の間にセットする
場合は、クッション層が製品裏面側(すなわち表皮層と
発泡基材層との間)にくるように、クッション層がラミ
ネートされた面を下金型に向けてセットした。得られた
多層発泡成形品の発泡基材層の厚みは3.5mmであっ
た。発泡基材層における発泡倍率は1.5倍、発泡セル
の大きさは0.05〜0.3mmの範囲であった。ま
た、表皮層の触感は良好であり、製品剛性は7.8kg
/cm、重量は1500g、耐衝撃性評価は合格であっ
た。
【0071】
【比較例1】基材形成用樹脂組成物として、結晶性ポリ
プロピレン(MFR100g/10分)とエチレン・プ
ロピレン共重合体ゴム(プロピレン含量24重量%、M
FR45g/10分:以下、EPRと略す)との樹脂組
成物[EPR含量:20重量%、全体のMFR:75g
/10分]を用いた他は、実施例1と同様にして多層発
泡成形品を得た。得られた多層発泡成形品の発泡基材層
の厚みは3.5mmであった。発泡基材層における発泡
倍率は1.5倍、発泡セルの大きさは0.05〜0.3
mmの範囲であった。また、製品剛性は7.7kg/c
m、重量は1500gであったが、低温落球試験を行っ
たところ、割れが発生し、耐衝撃性評価は不合格であっ
た。
プロピレン(MFR100g/10分)とエチレン・プ
ロピレン共重合体ゴム(プロピレン含量24重量%、M
FR45g/10分:以下、EPRと略す)との樹脂組
成物[EPR含量:20重量%、全体のMFR:75g
/10分]を用いた他は、実施例1と同様にして多層発
泡成形品を得た。得られた多層発泡成形品の発泡基材層
の厚みは3.5mmであった。発泡基材層における発泡
倍率は1.5倍、発泡セルの大きさは0.05〜0.3
mmの範囲であった。また、製品剛性は7.7kg/c
m、重量は1500gであったが、低温落球試験を行っ
たところ、割れが発生し、耐衝撃性評価は不合格であっ
た。
【発明の効果】本発明の製造法において用いられる発泡
基材層の材料は、特定のゴム成分を配合したポリプロピ
レン樹脂材料であって、樹脂の流動性(成形加工性)と
耐衝撃性とをバランス良く兼ね備えたものである。よっ
て、かかる樹脂材料を用いた本発明の製造法によれば、
表皮材にダメージを与えることなく、軽量で且つ剛性及
び耐衝撃性が高く、しかも外観に優れた多層発泡成形品
を、簡便に製造することができる。
基材層の材料は、特定のゴム成分を配合したポリプロピ
レン樹脂材料であって、樹脂の流動性(成形加工性)と
耐衝撃性とをバランス良く兼ね備えたものである。よっ
て、かかる樹脂材料を用いた本発明の製造法によれば、
表皮材にダメージを与えることなく、軽量で且つ剛性及
び耐衝撃性が高く、しかも外観に優れた多層発泡成形品
を、簡便に製造することができる。
【図1】本発明の製造法の表皮設置工程において、上下
金型間に表皮を設置した状態を示す図である。
金型間に表皮を設置した状態を示す図である。
【図2】本発明の製造法の射出圧縮工程において、溶融
樹脂を射出し圧縮前の状態を示す図である。
樹脂を射出し圧縮前の状態を示す図である。
【図3】本発明の製造法の射出圧縮工程において、上下
金型を型締めし圧縮した状態を示す図である。
金型を型締めし圧縮した状態を示す図である。
【図4】本発明の製造法の発泡工程において、上下金型
を開いて発泡を開始させた状態を示す図である。
を開いて発泡を開始させた状態を示す図である。
1.上金型 2.下金型 3.表皮材 4.ゲート 5.キャビティ 6.溶融樹脂 7.発泡基材層 A.型開き量(初期クリアランス) B.型クリアランス C.型拡大量
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月14日(1999.12.
14)
14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】このときの圧縮速度(型締め速度)は10
〜40mm/秒、好ましくは20〜40mm/秒とする
のが望ましい。
〜40mm/秒、好ましくは20〜40mm/秒とする
のが望ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】次に、前記樹脂組成物の射出充填量が最大
充填量(全射出充填量)の90%に到達したとき、型締
めを開始した。型締めは、型開き量が0.5mmとなる
までは20mm/秒の速度で行い、型開き量が0.5m
mとなってからは、圧力制御にて型締めを行った(圧力
の設定は300t)。
充填量(全射出充填量)の90%に到達したとき、型締
めを開始した。型締めは、型開き量が0.5mmとなる
までは20mm/秒の速度で行い、型開き量が0.5m
mとなってからは、圧力制御にて型締めを行った(圧力
の設定は300t)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 23/10 23:08) B29K 23:00 105:04 B29L 31:34 (72)発明者 青木 修 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 増渕 長則 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社材料開発センター内 Fターム(参考) 4F074 AA17 AA24 BA03 BA04 BA08 BA13 BA16 BA18 BA20 CA26 CC03X CC10X CC34X CC34Y CC62 DA20 DA35 4F100 AK03B AK04A AK04J AK07A AK07B AK08A AK08J AK62A AL01A AN00A AT00B BA02 DG15B DJ01A DJ01B EH011 EH362 EJ022 EJ502 GB33 JA11A JK10 4F204 AA09 AA11 AA12 AA45 AB02 AD05 AD16 AD20 AG03 AG20 AH26 FA01 FB01 FB13 FF01 FN30 4J002 BB052 BB121 BB141 BB151 EQ016 ES006 EU186 EV266 FD326 GF00 GN00
Claims (5)
- 【請求項1】 結晶性ポリプロピレン70〜90重量%
及びエチレンと炭素数6〜8のα−オレフィンとからな
るエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム10〜30重
量%を含有するポリプロピレン樹脂材料からなる発泡基
材層と、表皮材からなる表皮層とより構成される多層発
泡成形品を、モールドスタンピング成形用上下金型を用
いて製造する方法であって、(a)表皮材を前記上下金
型の間に設置する工程と、(b)前記上下金型を開いた
状態で、該上下金型から形成されるキャビティ内にポリ
プロピレン樹脂材料と発泡剤とを含む基材形成用樹脂組
成物を射出充填し、一方で前記上下金型を閉じて前記キ
ャビティ内を圧縮する射出圧縮工程と、(c)前記上下
金型を開き、基材形成用樹脂組成物を発泡させて発泡基
材層を形成する発泡工程と、(d)前記発泡基材層を冷
却固化する冷却固化工程とを含むことを特徴とする、多
層発泡成形品の製造法。 - 【請求項2】 前記結晶性ポリプロピレンがプロピレン
から誘導される構成単位を90モル%以上の量で含有し
MFRが50〜120g/10分のものであり、前記エ
チレン・α−オレフィン共重合体ゴムが炭素数6〜8の
α−オレフィンから誘導される構成単位を20〜40重
量%の量で含有しMFRが30〜90g/10分のもの
であることを特徴とする、請求項1記載の多層発泡成形
品の製造法。 - 【請求項3】 前記α−オレフィンが1−オクテンであ
ることを特徴とする、請求項1又は2記載の多層発泡成
形品の製造法。 - 【請求項4】 射出圧縮工程(b)において、基材形成
用樹脂組成物を、全射出充填量の85〜97%まで射出
充填したときに圧縮を開始することを特徴とする、請求
項1〜3のいずれかに記載の多層発泡成形品の製造法。 - 【請求項5】 前記表皮層が表皮又は表皮とクッション
層とから形成され、前記多層発泡成形品の層構造が、表
皮/発泡基材層の2層構造、表皮/クッション層/発泡
基材層の3層構造、又は表皮層と発泡基材層との間に保
護層を設けてなる表皮/クッション層/保護層/発泡基
材層の4層構造のいずれかであることを特徴とする、請
求項1〜4のいずれかに記載の多層発泡成形品の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11073021A JP2000263576A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 多層発泡成形品の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11073021A JP2000263576A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 多層発泡成形品の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000263576A true JP2000263576A (ja) | 2000-09-26 |
Family
ID=13506277
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11073021A Pending JP2000263576A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 多層発泡成形品の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000263576A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020116795A (ja) * | 2019-01-22 | 2020-08-06 | マツダ株式会社 | 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 |
JP2021049682A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | トヨタ紡織株式会社 | 乗物用内装材の製造方法 |
US11338482B2 (en) | 2017-12-05 | 2022-05-24 | NANJO Auto Interior Co., Ltd. | Resin molding device and method |
-
1999
- 1999-03-18 JP JP11073021A patent/JP2000263576A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11338482B2 (en) | 2017-12-05 | 2022-05-24 | NANJO Auto Interior Co., Ltd. | Resin molding device and method |
JP2020116795A (ja) * | 2019-01-22 | 2020-08-06 | マツダ株式会社 | 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 |
JP7292628B2 (ja) | 2019-01-22 | 2023-06-19 | マツダ株式会社 | 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 |
JP2021049682A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | トヨタ紡織株式会社 | 乗物用内装材の製造方法 |
JP7322630B2 (ja) | 2019-09-24 | 2023-08-08 | トヨタ紡織株式会社 | 乗物用内装材の製造方法 |
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