JP4172685B2 - 表皮材付き発泡成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表皮材付き発泡成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、表皮材を発泡粒子成形体に貼設することにより柔軟な感触が付与された自動車内装材について、多くの提案がなされてきた。例えば、特開平6−891号公報には、樹脂シートとポリオレフィン系樹脂押出発泡シートからなる表皮材が貼設された表皮材付き発泡粒子成形体が開示されている。
【0003】
しかしながら、特開平6−891号公報に開示された表皮材付き発泡粒子成形体においては、表皮材を構成する押出発泡シートと発泡粒子成形体とが直接接合しているため、押出発泡シートが加熱成形時の加熱により気泡が潰されて表皮材の柔軟性が損なわれ、得られた表皮材付き発泡成形体の表面、特に表皮材付き発泡粒子成形体の角の部分において表皮材が薄く伸ばされ、発泡粒子の凹凸が浮き出るこという問題が発生していた。
【0004】
また、特開平11−333960号公報には、表皮層、クッション層、硬質シート層からなる表皮材が貼設された発泡成形体が開示されている。
【0005】
しかしながら、特開平11−333960号公報に開示された表皮材付き発泡成形体は、表皮材が剥がれやすいという問題を有していた。即ち、該発泡体においては、ポリフェニレンエーテル系樹脂やスチレン−マレイン酸共重合体からなる発泡粒子を用い、シボ加工された表皮材の表面外観を低下させないようにスチーム圧力を低くして加熱成形することにより、軟化したポリプロピレン系樹脂シートからなる硬質シート層に発泡粒子を食い込ませるだけで一体化させるので、発泡粒子と硬質シート層との融着性が低いものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、加熱成形時に表皮材を構成する発泡層が潰されて柔軟性が損なわれることがなく、表皮材が角部で薄く伸ばされることにより、発泡粒子の凹凸が表皮材の表面に現れて外観が損なわれることもなく、表皮材と発泡成形体とを容易に剥がれないように融着させることができ、得られる発泡成形体の外観が良好で、優れたソフト感を有し、表皮材が発泡成形体から容易に剥がれることがない、表皮材付き発泡成形体の製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば次の発明が提供される。
(1)内面に沿って表皮材が配置された第一成形型と、多数の透孔を壁面に沿って有する第二成形型との間に形成された成形空間部に充填されたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を加熱し、融着させることによって該表皮材が表面に融着されて層された表皮材付き発泡成形体を製造する方法において、該表皮材がオレフィン系熱可塑性エラストマー層(X)と、架橋ポリプロピレン系樹脂発泡層(Y)と、オレフィン系熱可塑性エラストマー層(Z)とが順に積層された積層シートが熱成形されてなり、該オレフィン系熱可塑性エラストマー層(Z)が第一成形型の内面側を向くように配置されてなることを特徴とする表皮材付き発泡成形体の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明方法を図1及び図2を参照して詳述する。
図1は、表皮材が第一成形型の内面に配置された状態を示す説明図である。図1において、1は表皮材を、2はオレフィン系熱可塑性エラストマー層(X)(以下、単に「エラストマー層(X)」ともいう)を、3は架橋ポリプロピレン系樹脂発泡層(Y)(以下、単に「発泡層(Y)」ともいう)を、4はオレフィン系熱可塑性エラストマー層(Z)(以下、単に「エラストマー層(Z)」ともいう)を、31は第一成形型を、10は第一成形型の内面をそれぞれ示す。
図2は、本発明の実施に用いる発泡成形装置の一例についての概略図である。図2において、31は第一成形型を、32は第二成形型を、Mは成形空間部を、Nは発泡粒子を、11、11(2)は透孔を、33は仕切板を、5は成形用上箱を、6は成形用下箱を、7は真空吸引孔を、8は真空吸引管を、9は上箱チャンバーを、12は下箱チャンバーを、13は発泡粒子供給管を、13(2)は空気管を、14、20は加熱媒体導入管を、16、22は冷却水導入管を、18、24はドレン排出管をそれぞれ示す。なお、第一成形型31は成形用上箱5に、第二成形型32は成形用下箱6にそれぞれがボルト(図示されず)で固定されている。
【0009】
まず、本発明方法において用いる装置について説明する。図1に示す第一成形型31は、発泡成形体の外観形状を形成するためのもので、その内面10に沿って表皮材1が配置される。その際、必要に応じて真空吸引管8を介して上箱チャンバー9内を減圧し、第一成形型31の壁面に沿って透設した多数の真空吸引孔7により表皮材1を吸引することにより、表皮材1を第一成形型31の内面10に配置することができる。
【0010】
第二成形型32は、多数の透孔11を壁面に沿って有する。この透孔11の直径は、発泡粒子Nが通過しない程度の寸法のもので、通常、0.3〜1mm、好ましくは0.5〜0.7mm程度である。
【0011】
仕切板33は、第二成形型32の背面に位置する下箱チャンバー12を、2つの隔てられた空間、即ち、空間Aと空間Bとに仕切るものである。
【0012】
第二成形型32の背面に位置するチャンバー内は、複数の隔てられた空間に仕切ることが好ましいが、上記の中でも工程が複雑にならない等の生産性の点から2つの隔てられた空間A及びBに仕切ることがより好ましい。
【0013】
次に、シート状の表皮材と図2に示す発泡成形装置を用いて表皮材付き発泡成形体を製造する方法の一例について説明する。
まず、図2に示すように、シート状の表皮材1を第一成形型31の内面10に沿って配置する。このとき、成形用上箱5と成形用下箱6とを型締めして、第一成形型31及び第二成形型32の表面温度が100℃以上となるようにスチームで加熱し、その後、成形用上箱5と成形用下箱6とを開けてシートを成形用上箱5と成形用下箱6との間に位置させ、次に、第二成形型32側よりスチームを出してシートを加熱軟化してから、成形用上箱5と成形用下箱6とを型締めすると共に上箱チャンバー9内を減圧することにより、第一成形型31の壁面に沿って透設した多数の真空吸引孔7により吸引してシートを熱成形した表皮材1を第一成形型31の内面10に沿って配置させる。
但し、本発明はシート状の表皮材を用いる方法に限定するものではなく、例えば、射出成形、スタンピング成形等によって形成された表皮材を用いることもできる。この場合は、表皮材が既に金型の内面形状に対応するように形成されているので、上記のような熱成形をする必要はなく、単に第一成形型の内面に沿って表皮材1を配置すればよい。
【0014】
次に、発泡粒子Nが外に出ない範囲で成形用上箱5と成形用下箱6とを開き、発泡粒子Nを、供給管13のバルブ(図示されず)及び空気管13(2)のバルブ(図示されず)を開いて空気流とともに、第一成形型31と第二成形型32との間の成形空間部Mに充填した後、供給管13のバルブ及び空気管13(2)のバルブを閉鎖する。
【0015】
上記発泡粒子Nは、発泡粒子Nが成形されたときに、所定密度(所定発泡倍率)となるような量を成形空間部Mに充填する。
尚、発泡粒子Nは、発泡粒子Nをつぶして金型内に充填する、いわゆる圧縮充填法によって充填することもできる。
【0016】
成形工程は、排気工程、加熱工程及び冷却工程とからなる。排気工程は、空気を成形空間Mから排気するために行う工程であって、まず図2に示す空間Bに連通する加熱媒体導入管20のバルブ21、ドレン排出管18のバルブ19を開いた状態にし、その他のバルブ、即ち、バルブ23、バルブ25、バルブ15及びバルブ17を閉じた状態にして、空間Bから透孔11(2)、成形空間M、透孔11を通じてスチームを空間A内に導入し、同時にドレン排出管18からスチームが混じった空気を排出する。続いて、図2で示す空間Aに連通する加熱媒体導入管14のバルブ15、ドレン排出管24のバルブ25を開いた状態にし、その他のバルブ、即ち、バルブ17、バルブ19、バルブ21及びバルブ23を閉じた状態にして、空間Aから透孔11、成形空間M、透孔11(2)を通じてスチームを空間B内に導入し、ドレン排出管24からスチームが混じった空気を排出する。このようにスチームの流れる方向を順次替えて少なくとも2回に分けて行なうことが発泡粒子相互の空気を排出することができるので発泡粒子相互の融着や発泡粒子と表皮材との融着が向上する観点から好ましい。
【0017】
前記排気後、直ちに加熱工程が行なわれる。加熱工程を行なう方法としては、第二成形型32の壁面に形成された全ての透孔11及び11(2)からスチームを成形空間部M内に導入することにより、該成形空間部M内に充填されている発泡粒子Nを加熱融着させる本加熱や、成形空間部Mにスチームを導入する透孔11又は11(2)を順次替えて、少なくとも2回に分けてスチームを導入し、該成形空間部M内に充填されている発泡粒子Nを加熱融着させる交互加熱や、それらを組み合わせた方法等が挙げられる。これらの方法の中でも形状が複雑な発泡成形体や、発泡成形体の厚みが厚い場合は、スチームを導入する透孔を順次替える交互加熱を採用することが、成形空間部M内に存在する発泡粒子Nの相互、発泡粒子Nと表皮材1とを効率よく加熱融着させることができるので好ましい。
【0018】
尚、本発明方法において用いられる加熱媒体としては、生産性と経済性に優れ、工業的に有利なスチームが好ましい。但し、圧縮空気とスチームを混合し温度を調整した加熱媒体により加熱することもできる。
【0019】
前記加熱工程後、水による冷却工程を行なってから表皮材付き発泡成形体を取り出し、必要に応じて40〜80℃、3〜24時間の養生、乾燥を行なうことが好ましい。
【0020】
次に、本発明において用いる表皮材について説明する。
本発明においては、エラストマー層(X)と、発泡層(Y)と、エラストマー層(Z)とが順に積層されてなる表皮材を用いる。このような表皮材は熱成形する際、シートの伸びが優れ、特に表皮付き発泡成形体における角部の厚みが極端に薄くなることがないため、発泡粒子成形体の表面が表皮付き発泡成形体の表面に凹凸状に浮き出ることがない。
【0021】
上記エラストマー層(X)を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、剛性、耐熱性、低温脆性、印刷特性に優れる観点から特に車両用途(例、バンパー用グレード)に適したものの使用が好ましい。該オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメントとソフトセグメントとのブレンドからなり、ハードセグメントとしては、例えば、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロックコポリマー、プロピレン−エチレンランダムコポリマー、プロピレン−エチレンーブテンランダムコポリマー等の高融点(155℃以上)樹脂単独、又は上記高融点樹脂を2以上混合したものが挙げられる。また、ソフトセグメントとしては、上記高融点樹脂として例示した樹脂と同一構造のものであるが、その融点が155℃未満のポリプロピレン系樹脂の他、直鎖状超低密度ポリエチレン、分岐低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、又はポリブテン樹脂といったポリオレフィン系樹脂、或いはエチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−ヘキセンゴム、エチレン−ペンテンゴム、エチレン−オクテンゴム等の合成ゴムが例示される。これらのソフトセグメントの含有量は、ハードセグメント100重量部当り、ポリオレフィン系樹脂の場合には50重量部、好ましくは40重量部を上限とし、合成ゴムの場合には350重量部、好ましくは240重量部を上限とする。なお、これらのブレンド物を必要に応じて架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られるものでも構わない。
【0022】
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、表皮材と発泡粒子とを強固に融着させることができる点で発泡粒子と強固に融着するものが好ましい。さらに、オレフィン系熱可塑性エラストマーの融点は、後述する発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂の融点±10℃であることが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマーの融点が上記範囲よりも低い場合は、発泡粒子を加熱して相互に融着させる際に発泡成形体が変形する虞がある。一方、上記範囲よりも高い場合は、表皮材と発泡粒子との融着が困難になり、高い温度の加熱により融着することができたとしても発泡成形体の収縮が大きいものとなる。
【0023】
前記表皮材の発泡層(Y)を構成するポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロックコポリマー、プロピレン−エチレンランダムコポリマー、プロピレン−ブテンランダムコポリマー、プロピレン−エチレンーブテンランダムコポリマー等のプロピレン70モル%以上のプロピレン系コポリマーの群から選択される1または2以上を主成分とするものが挙げられる。
【0024】
上記発泡層(Y)を構成するポリプロピレン系樹脂の中でも、耐熱性に優れているという点で融点が130℃以上のものが好ましく、耐熱性に優れていると共に柔軟性にも優れソフト感のある表皮材になるという点で、プロピレン−エチレンランダムコポリマー、プロピレン−ブテンランダムコポリマー、又はプロピレン−エチレン−ブテンランダムコポリマーの群から選択される単独または2以上の混合物がより好ましい。
【0025】
また、さらなるソフト感のある表皮材にするためには、他のコポリマーを副成分として発泡層(Y)を構成するポリプロピレン系樹脂にブレンドすることが好ましい。そのような副成分としてはポリオレフィン系コポリマーが挙げられ、特に、直鎖状超低密度ポリエチレン、分岐低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂;エチレン−プロピレンラバー、エチレン−ブテンラバー、エチレン−オクテンラバー、プロピレン−ブテンラバー等のポリオレフィン系エラストマー;及びポリブテン樹脂から選択される1または2以上のポリオレフィン系コポリマーが好ましく挙げられる。
【0026】
上記表皮材のソフト感を高めるためにブレンドするポリオレフィン系コポリマーの融点は、好ましくは140℃未満、より好ましくは135℃以下、更に好ましくは130℃以下である。その下限は概ね100℃である。
【0027】
前記表皮材のエラストマー層(Z)を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、前述したエラストマー層(X)を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマーと同様のものが挙げられる。
【0028】
なお、以上説明した表皮材を構成するエラストマー層(X)、発泡層(Y)、エラストマー層(Z)には、充填剤、安定剤、補強剤、顔料、滑剤等各種の慣用の添加剤を含有させてもよい。その含有量は、30重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましい。その下限は、概ね0.01重量部である。
【0029】
本発明においては、表皮材1をシートを用いて熱成形する場合、エラストマー層(X)とエラストマー層(Z)を構成する基材樹脂が同じであることが、熱成形する際に金型と同じ形状が形成しやすいので好ましい。
【0030】
本発明において、表皮材の基となるシートを熱成形する方法としては、例えば、雄型及び/又は雌型からなる金型を使用する真空成形や圧空成形、更にこれらの応用としてフリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形等やこれらを組み合わせた成形方法等が挙げられる。
【0031】
上記表皮材の基となるシートは、押出機を用いて公知の方法で作製することができる。例えば、(i)二層又は三層の共押出しにより積層する等の共押出方法、(ii)予め、エラストマー層(X)、発泡層(Y)、エラストマー層(Z)を押出機を用いて別々に作製し、加熱ロールで熱融着させて積層する等の加熱ラミ方法、(iii)予め、発泡層(Y)を作製し、エラストマー層(X)、エラストマー層(Z)を押出ラミによって積層する等の押出ラミ方法、(iv)前記した方法の組み合わせによる積層方法が挙げられる。
【0032】
前記発泡層(Y)を押出機で形成する方法としては、基材樹脂となるポリプロピレン系樹脂に、熱分解型発泡剤及び必要に応じて各種添加剤を、発泡剤が実質的に分解しない温度にて押出機中で溶融混練した後、押出して発泡性シートを製造し、得られた発泡性シートを架橋してから発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる方法が代表的なものである。なお、発泡工程の後に架橋させても構わない。
【0033】
上記発泡性シートを架橋する方法としては電子線架橋、過酸化物による化学架橋、シラン変性(グラフト変性)プロピレン系樹脂を用いたシラン架橋等がある。但し、電子線架橋や、過酸化物による化学架橋においては予め、シート製造時に架橋助剤又は/及び過酸化物等の添加剤を添加混練する必要があり、シラン変性プロピレン系樹脂を用いたシラン架橋では基材となるプロピレン系樹脂の少なくとも一部がシラン変性されていなければならない。
【0034】
上記発泡性シートの架橋に用いる熱分解型発泡剤としては、ポリプロピレン系樹脂の発泡に適しているものとして知られているいずれの化学発泡剤も使用することができ、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ジアゾアミノベンゼン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ポリプロピレン’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなどがあり、これらの中では、安定性及び分解温度の点からみて、アゾジカルボンアミドがもっとも好ましい。これらの発泡剤は、一種のもののみを単独で用いる他に、複数種のものを混合して用いることも可能である。本発明における前記熱分解型発泡剤の使用量は、目的とする発泡体の密度により適宜選択され、具体的には前記ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.2〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。
【0035】
前記表皮材の発泡層(Y)は、ゲル分率が20〜70重量%であることが好ましい。ゲル分率が70%を越えると、エラストマー層(X)やエラストマー層(Z)との融着が不十分となる虞がある。一方、20%未満では、加熱成形時に発泡層(Y)が溶融状態になることから、圧縮されて厚みが減少するので、ソフト感が低下し、場合によっては発泡粒子間界面の線が表皮層に凹凸状に転写されて外観が損なわれる。
【0036】
上記発泡層(Y)のゲル分率とは、該発泡層(Y)が架橋している程度を示す値をいう。ゲル分率の値は次のように、測定し算出される。まず、該発泡層(Y)から約1g重量の試料を切り出し、該試料をキシレン200mlに浸漬して加熱し、常圧で沸騰するキシレンにて8時間還流する。次に、JIS Z8801(1966年)に定められている74μmの金網で不溶分を速やかにろ過し、次いで、その不溶分を24時間減圧乾燥した後に、その不溶分を試料としてもう一度同じ操作(還流から減圧乾燥まで)を繰り返して最終的に残った不溶分の重量(g)を測定し、下記(1)式により算出する。
【0037】
【数1】
ゲル分率(%)=(不溶分重量/測定に使用された試料重量)×100 (1)
【0038】
表皮材を構成する発泡層(Y)の発泡倍率は、5〜50倍(見掛け密度0.018〜0.184g/cm3)まで製造可能であるが、ソフト感をだすためには、10〜45倍(見掛け密度0.020〜0.092g/cm3)であることが好ましい。
【0039】
本発明方法で用いる表皮材1の基となるシートは、以上説明したようにエラストマー層(X)と、発泡層(Y)と、エラストマー層(Z)とが順に積層されてなり、後述するようにエラストマー層(X)が発泡粒子からなる発泡成形体と融着する。該エラストマー層(X)の厚さは、発泡粒子を充填する際、特に充填機の充填口に相当するエラストマー層(X)の箇所が発泡粒子により発泡層(Y)が潰れることがないようにする観点からは、0.10mm以上が好ましく、0.20mm以上がより好ましく、0.30mm以上がさらに好ましい。一方、その上限は、表皮材の熱成形する際、加熱時間を少なくする観点から1.00mm以下が好ましく、0.80mm以下がより好ましく、0.60mm以下がさらに好ましい。該樹脂層(X)の厚さが前記した特定の範囲内であることにより、加熱成形する際に溶融し易いが破れ難く、発泡粒子との融着性が優れたものとなる。
【0040】
上記発泡層(Y)の厚みは、緩衝性が高くソフト感のある表皮材付き発泡成形体を得る観点から1.00mm以上が好ましく、1.20mm以上がより好ましく、さらに1.40mm以上が好ましい。一方、その上限は、加熱成形する際、加熱時間を少なくする観点から4.00mm以下が好ましく、3.50mm以下がより好ましく、3.00mm以下が好ましい。
【0041】
前記エラストマー層(Z)の厚みは、表皮材付き発泡成形体の表面に金型の表面を転写しやすくできることや得られる表皮材付き発泡成形体の表面を傷つき難いものとする観点から0.20mm以上が好ましく、0.30mm以上がより好ましく、0.40mm以上がさらに好ましい。一方、その上限は、加熱成形する際、加熱時間を少なくする観点から1.50mm以下が好ましく、1.20mm以下がより好ましく、1.00mm以下がさらに好ましい。
【0042】
本発明方法で用いられる表皮材1の基となるシートの厚みは、前述した各層の観点から好ましくは1.30〜6.50mm、より好ましくは1.50〜5.50mmである。さらに好ましくは1.70〜5.00mmである。
【0043】
本発明方法においては、以上説明した表皮材1を、図1に示すように、エラストマー層(Z)4が第一成形型31の内面10側を向くように第一成形型31の内面10に沿って配置する。また、図2に示すように成形用上箱5と成形用下箱6とを型締めして成形空間部Mを形成する。次に、該成形空間部M内にポリプロピレン系樹脂発泡粒子(以下、単に発泡粒子という。)Nを充填した後、該成形空間部M内にスチームを導入して該発泡粒子N相互及び該発泡粒子Nと前記表皮材1とを融着させる。
【0044】
なお、本発明方法において第一成形型31の内面10へ配置する方法としては、(a)予め別の金型で熱成形された表皮材1を第一金型31の内面10へ配置してから、成形用上箱5と成形用下箱6とを型締めして成形空間部Mを形成してもよく、(b)シートを加熱軟化させ第一成形型31にて熱成形された表皮材1をそのまま第一成形型31の内面10へ配置すると同時に、成形用上箱5と成形用下箱6とを型締めして成形空間部Mを形成してもよい。
【0045】
本発明方法においては、前述した中でも(b)の方法が好ましい。この方法であれば、ひとつの金型を用いてシートの熱成形と発泡粒子Nからなる発泡成形体の成形をすることができるので、表皮材1を別の金型で熱成形する(a)の方法と比べて生産性に優れている。
【0046】
本発明方法において用いる発泡粒子Nを構成するポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロックコポリマー、プロピレン−エチレンランダムコポリマー、プロピレン−ブテンランダムコポリマー、プロピレン−エチレン−ブテンランダムコポリマー等が挙げられる。該ポリプロピレン系樹脂がブロック共重合体の場合には、プロピレン含有量は75〜97重量%が好ましく、ランダム共重合体の場合には、プロピレン含有量は93〜99.7重量%が好ましい。これらのポリプロピレン系樹脂は、得られる表皮材付き発泡成形体に耐熱性及び剛性を付与するために、融点が135℃以上であることが好ましく、142℃以上であることがより好ましい。該融点の上限値は170℃程度である。
【0047】
また、発泡粒子Nを構成するポリプロピレン系樹脂としては、前記ポリプロピレン系樹脂を主成分とし、目的に応じて他のポリマーが副成分としてブレンドされているものでもよい。そのような副成分ポリマーとしては、直鎖状超低密度ポリエチレン、分岐低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−オクテンゴム、プロピレン−ブテンゴム等のポリオレフィン等エラストマー、及びポリブテン樹脂等が例示される。主成分と副成分の総量を100重量%とした場合、副成分の含量は多くとも40重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましく、20重量%以下が特に好ましい。
【0048】
次に、本発明方法で用いる発泡粒子Nは、例えば、次のような従来公知の方法で製造することができる。
まず、ポリプロピレン系樹脂を押出機を用いてストランド状に押出し、水中を通して冷却してからカットし樹脂粒子とする。なお、この場合、ポリプロピレン系樹脂には、充填剤、安定剤、補強剤、顔料、滑剤等各種の慣用添加剤を含有させてもよい。次に、該樹脂粒子を、例えば密閉された耐圧容器中で水と撹拌しながら、無機ガス系発泡剤又は/及び揮発性有機発泡剤を含侵させ、加圧下で所定の発泡温度まで加熱した後、低圧域に放出する等の方法で得ることができる。
【0049】
発泡粒子Nの見掛け密度は0.015〜0.450g/cm3が好ましく、0.030〜0.300g/cm3がより好ましい。見掛け密度が0.450g/cm3を超える場合は、得られる発泡成形体が発泡体の特徴である軽量性に欠ける虞がある。一方、見掛け密度が0.015g/cm3未満の場合は、得られる発泡成形体の強度が弱くなる虞がある。
【0050】
なお、前記見掛け密度は、以下のようにして測定されたものである。
発泡粒子群1000個をサンプリングし、温度60℃、相対湿度15%の条件で、24時間乾燥した後、温度23℃、相対湿度50%の条件下で24時間放置した。次に、このサンプルの重量:W(g)を測定し、次いでサンプルをメスシリンダー内の23℃のエタノール中に沈め、エタノールの水位上昇分よりサンプルの真の体積:L(cm3)を測定し、下記(2)式により求めた。
【0051】
【数2】
サンプルの発泡粒子群の見掛け密度(g/cm3)=W÷L (2)
【0052】
本発明方法において用いる発泡粒子Nの高温側吸熱ピークの熱量は、発泡粒子Nを成形するに際し、得られる発泡成形体の機械的強度を高めるために5〜60J/gであることが得られる発泡成形体の発泡粒子間に隙間が生じ、その隙間が表皮材表面に跡となって転写されたりしないことや表皮付き発泡成形体の機械的物性、特に圧縮強度を高くすることができる観点から望ましい。発泡粒子Nの基材樹脂がプロピレン単独重合体の場合、上記高温ピークの熱量は、得られる表皮付き発泡成形体の圧縮強度を高いものとする観点から15J/g以上が好ましく、20J/g以上がより好ましい。一方、成形温度の低減効果を低くする観点から60J/g以下が好ましく、55J/g以上がより好ましい。また、発泡粒子Nの基材樹脂がプロピレン−エチレンランダム共重合体の場合、上記高温ピークの熱量は、得られる表皮付き発泡成形体の圧縮強度を高いものとする観点から5J/g以上が好ましく、10J/g以上がより好ましい。一方、その上限は、得られる表皮付き発泡成形体の発泡粒子間に隙間が生じ、その隙間が表皮材表面に跡となって転写されたりしないようにする観点から30J/g以下が好ましく、20J/g以下がより好ましい。
【0053】
前記発泡粒子の高温側吸熱ピークとは、特開2002−53692号公報で「高温ピーク熱量」と表現されているものと同じものであり、特開昭61−4738号や特開平8−259724号で説明されている「二次結晶」がポリプロピレン系樹脂発泡粒子に存在することにより前記DSC曲線上に現れるものである。従って、発泡粒子の製造過程で二次結晶化が行なわれなかった場合には、得られる発泡粒子にはその高温側吸熱ピークは現れない。また高温側吸熱ピークが現れる発泡粒子であっても、例えばその後に高温側吸熱ピークの融解終了温度以上の温度まで昇温して発泡粒子を溶融させると、二次結晶が消滅するので、それを測定用の試料にしても高温側吸熱ピークは現れない。発泡粒子の高温側吸熱ピークの融解熱量の大きさの調節方法は、前記公知文献に記載されている通りである。高温側吸熱ピークが現れる発泡粒子は発泡成形体の製造に際し、不良品発生率が低く、得られる発泡成形体の機械的強度が高くなる傾向がある。
【0054】
本発明方法により、得られる発泡成形体においては、表皮材を構成するオレフィン系樹脂エラストマーからなるエラストマー層(X)と、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる発泡成形体との界面において表皮材と発泡成形体が加熱され融着しているので、表皮材が発泡成形体から容易に剥がれるということがない。又、表皮材と発泡粒子成形体とを加熱融着させる際に発泡粒子が二次発泡する力と加熱媒体の圧力をエラストマー層(X)が吸収するので、発泡層(Y)が潰れることがない。従って、得られる表皮材付き発泡成形体は、その表面の角部に発泡粒子の凹凸状が現れることがないので、外観が美麗である。又、表皮材にエラストマー層(X)が設けられているので、熱成形性にすぐれ、得られる成形体の表皮材の厚み厚薄が少ない。
【0055】
本発明方法によって得られる表皮材付き発泡成形体の形状は、成形型の形状を変化させることによって任意の形状とすることができる。
【0056】
本発明の表皮材付き発泡成形体は、エラストマー層(X)と、発泡層(Y)と、エラストマー層(Z)とが順に積層されてなる表皮材においてエラストマー層(X)がポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる発泡成形体に融着されている。
【0057】
削除
【0058】
本発明により得られる表皮材付き発泡成形体は、外観が良好で、優れたソフト感を有し、表皮材が発泡成形体から容易に剥がれることがない。
【0059】
また、本発明により得られる表皮材付き発泡成形体は、表皮材1が、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる発泡成形体に融着されているので、エネルギー吸収性や局部圧縮弾性率等の静的圧縮特性並びに曲げ特性に優れ、耐衝突性能において著効を有し、車両用部品、殊に、車両用バンパーに適用した場合、その軽量化を図ることができるものである。更には、高強度が要求されるインストルメントパネル、ピラー、ドアパネル等の自動車の内装材、箱材、電子器機、パレット板等としても好適に使用できる。
【0060】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0061】
実施例1
表皮材の基となるシートとして、エラストマー層(X)が厚み0.4mm、発泡層(Y)が東レ(株)社製トーレペフAP67、発泡倍率20倍、厚み2.5mm、エラストマー層(Z)が0.6mmの全体厚み3.5mmのものを用いた。
このシートについて、引張り試験を行った。具体的には、JIS K7113(1981年)2号形を作製し、つかみ具間の距離は80mm、200mm/minの速度、23℃、湿度50%で試験を行なった。該表皮材の引張伸びは、引張り応力が5.1MPa(G)の際、330%であった。
【0062】
図2に示す装置を用いて成形用上箱5と成形用下箱6とを型締めして第一成形型31と第一成形型32を100℃以上に加熱し、成形用上箱5と成形用下箱6とを開けて成形用上箱5と成形用下箱6との間隔を160mmとして、前記表皮材の基となるシートを第一成形型31と第二成形型32との間に設置した。次に第二成形型32より0.196MPa(G)のスチームでシートを3.5秒間加熱し軟化させ、成形用上箱5と成形用下箱6とを型締めすると同時に、真空吸引管8を介して第一成形型31の背面に位置する上箱チャンバー9を7秒間吸引して表皮材1を成形し、第一成形型31の内面10に表皮材を配置した。
【0063】
次に、成形用上箱5と成形用下箱6を開いて成形用上箱5と成形用下箱6との間隔を10mmとして、発泡粒子Nを充填した。
【0064】
次に、排気工程を行った。図2に示す加熱媒体導入管14のバルブ15を介して空間A内に0.980MPa(G)のスチームを4秒間導入し、ここから空間Aに面する第二成形型32の壁面に透設されている多数の透孔11を通して成形空間部M内に導入し、成形空間部M内を図面においてスチームを右方向に流通させた後、空間Bに面する第二成形型32の壁面に透設されている多数の透孔11(2)を通して空間B内に排出した。その際、バルブ17、19、21、及び23は閉じた状態にした。この排気の際、空間B内の圧力は0.049MPa(G)、空間A内の圧力は0.196MPa(G)であった。
【0065】
続いて0.980MPa(G)のスチームを、加熱媒体導入管20のバルブ21を介して空間B内に4秒間導入し、ここから空間Bに面する第二成形型32の壁面に透設されている多数の透孔11(2)を通して成形空間部M内に導入し、成形空間部M内を図面においてスチームを左方向に流通させた後、空間Aに面する第二成形型32の壁面に透設されている多数の透孔11を通して空間A内に排出した。その際、バルブ23、25、15及び17は閉じた状態にした。この排気の際、空間Aの圧力は0.372MPa(G)であった。空間Bの圧力は0.196MPa(G)であった。
【0066】
次に、交互加熱と本加熱とからなる加熱工程を行なった。まず、交互加熱は、スチームを加熱媒体導入管14のバルブ15を介して空間A内に導入し、ここから空間Aに面する第二成形型32の壁面に透設されている多数の透孔11を通して成形空間部M内に導入し、成形空間部M内を図面において右方向に流通させた後、空間Bに面する第二成形型32の壁面に透設されている多数の透孔11(2)を通して空間B内に排出した。その際、バルブ21、23、25、17及び19を閉じた状態にした。この加熱の際、空間Bの圧力は0.372MPa(G)とした。
【0067】
続いてスチームを、加熱媒体導入管20のバルブ21を介して空間B内に導入し、ここから空間Bに面する第二成形型32の壁面に透設されている多数の透孔11(2)を通して成形空間部M内に導入し、成形空間部M内を図面においてスチームを左方向に流通させた後、空間Aに面する第二成形型32の壁面に透設されている多数の透孔11を通して空間A内に排出した。その際、バルブ23、25、15、17及び19は閉じた状態にした。この加熱の際、空間Aの圧力は0.372MPa(G)とした。
【0068】
次に、本加熱を行なった。加熱媒体導入管14のバルブ15及び加熱媒体導入管20のバルブ21を開いた状態に保持して、それ以外のバルブは閉じた状態にしてスチームを空間A及びB内に導入した。この加熱の際、空間A及び空間Bの圧力は0.372MPa(G)とした。
【0069】
その後、ドレン排出管のバルブ19、25を開けて、成形空間内Mの圧力を常圧まで下げた。次に冷却水導入管のバルブ23、17を開け、他のバルブを閉じて水冷を行なった。続いてドレン排出管のバルブ19、25を開け、他のバルブを閉じて放冷を行なった。その後、成形用上箱5と成形用下箱6を開き片面に表皮材が一体に積層融着された表皮材付き発泡成形体を取り出し、60℃で大気圧下で24時間養生した後、室温に戻した。
【0070】
得られた表皮材付き発泡成形体は、表皮材と発泡粒子との融着性がよく、発泡粒子相互の融着性も優れ、角部の表面には、発泡粒子の表面が凹凸状に浮き出ることのないものであった。
また、発泡粒子の充填部分に対応した表皮材の部分は、エラストマー層(X)があることにより充填された際に発泡層(Y)が潰されないことから発泡粒子の充填跡の模様がないものが得られた。
【0071】
比較例1
エラストマー層(X)を除いた厚さ3.1mmの積層シートを用いたこと以外は実施例1と同様に行なった。
【0072】
得られた表皮材付き発泡成形体は、表皮材と発泡粒子との融着性がよく、発泡粒子相互の融着性も優れていたが、角部の表面において表皮材の厚みが薄くなっており、そのため、発泡粒子の表面が表皮材に凹凸状に浮き出ており、外観の悪いものであった。
また、発泡粒子の充填部分に対応した表皮材の部分は、発泡粒子の充填跡の模様が出ていた。
【0073】
【発明の効果】
発明方法によって得られる表皮材付き発泡成形体においては、表皮材が三層からなり、表皮材を構成するオレフィン系樹脂エラストマー層(X)と、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる発泡成形体との界面において表皮材と発泡成形体が加熱され融着しているので、表皮材が発泡成形体から容易に剥がれるということがない。また、三層のシートを用いたことで熱成形する際、シートの伸びが優れ、特に表皮付き発泡成形体における角部の厚みが極端に薄くなることがないため、発泡粒子成形体の表面が表皮付き発泡成形体の表面に凹凸状に浮き出ることもない。
【0074】
本発明によって得られる表皮材付き発泡成形体は、表皮材がオレフィン系熱可塑性エラストマー層(X)と、架橋ポリプロピレン系樹脂発泡層(Y)と、オレフィン系熱可塑性エラストマー層(Z)とが順に積層され、オレフィン系熱可塑性エラストマー層(X)と発泡粒子成形体と接着しているので、表皮材が発泡成形体から容易に剥がれるということがなく、外観が美麗である。
【図面の簡単な説明】
【図1】表皮材が第一成形型の内面に配置された状態を示す説明図である。
【図2】本発明を実施例に用いられる発泡成形装置の一例についての概略図である。
【符号の説明】
1 表皮材
2 エラストマー層(X)
3 発泡層(Y)
4 エラストマー層(Z)
31 第一成形型31の内面
32 第二成形型
M 成形空間部
N 発泡粒子
Claims (1)
- 内面に沿って表皮材が配置された第一成形型と、多数の透孔を壁面に沿って有する第二成形型との間に形成された成形空間部に充填されたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を加熱し、融着させることによって該表皮材が表面に融着されて積層された表皮材付き発泡成形体を製造する方法において、該表皮材がオレフィン系熱可塑性エラストマー層(X)と、架橋ポリプロピレン系樹脂発泡層(Y)と、オレフィン系熱可塑性エラストマー層(Z)とが順に積層された積層シートが熱成形されてなり、該オレフィン系熱可塑性エラストマー層(Z)が第一成形型の内面側を向くように配置されてなることを特徴とする表皮材付き発泡成形体の製造方法。
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