JP4050374B2 - 表皮付き発泡成型体の製造方法及び表皮付き発泡成型体 - Google Patents
表皮付き発泡成型体の製造方法及び表皮付き発泡成型体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は表皮付き発泡成型体の製造方法及び表皮付き発泡成型体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を金型内に充填し、スチーム等によって加熱して発泡粒子相互を融着させて得られる発泡成型体は、複雑な形状の製品であっても比較的容易に得ることができるため、容器、緩衝材、内装材等の各種の分野において広く利用されている。この種のポリオレフィン系樹脂発泡成型体は、例えば自動車内装材等として利用する場合、その表面にレザー等の表皮材を接着しているが、接着剤を用いて表皮材を接着する方法は、作業工程が煩雑であるとともに、コスト高となるという問題を有している。
【0003】
このような問題を解決し得るものとして、近年、表皮材を発泡成型体の成型用金型内に装着し、この金型内にポリオレフィン系樹脂発泡粒子を充填してスチームによって加熱し、発泡粒子相互を熱融着させるとともに、発泡粒子と表皮材とを熱融着によって一体化し、表皮付き発泡成型体を得る方法が採用されつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の表皮付き発泡成形体の表皮材としては、レザー等の如く通気性を有さないものや、通気性に乏しいものが一般に用いられているため、表皮材側から加熱用のスチームを発泡粒子間に浸透させることができず、このため表皮材側からの加熱が不充分となって、表皮材と発泡粒子との融着が不良となったり、表皮材付近の発泡粒子相互の融着が不良となったりする虞れがあった。特に複雑な形状の発泡成形体を得る場合や、肉厚の発泡成形体を得る場合には、上記した融着不良が著しく発生し易くなるという問題があった。
【0005】
このような加熱不良に伴う上記の問題を解決するために、金型に多数のスチーム導入孔を設けてスチームの通気性を高めた金型で成型する方法(特開平7−32523号公報)等が提案されている。しかしながら上記特開平7−32523号公報に記載されている方法は、スチームを発泡粒子間に浸透させる面で課題を残し、充分な解決策とはなり得なかった。
【0006】
本発明は上記従来の問題を解決するためになされたもので、表皮付き発泡成型体を効率良く製造することのできる方法及び優れた表皮付き発泡成型体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明の表皮付き発泡成型体の製造方法は、通気性を有さないか通気性に乏しい素材からなる表皮材、或いは外面側が織布、不織布からなる表皮材を組合せ金型内に装着した後、金型内に熱可塑性樹脂発泡体からなる粒子、チップ状物、粉砕物の1種又は2種以上を充填し、表皮材を装着した側からの金型内へのスチーム供給による直接加熱を行うことなく、表皮材を装着していない金型側から金型内にスチームを供給して金型内の発泡体を直接加熱し、該発泡体を融着せしめるとともに発泡体と表皮材とを融着一体化した表皮付き発泡成型体を製造する方法であって、表皮材の少なくとも発泡体と接する側の面が該熱可塑性樹脂発泡体との熱融着性を有する素材によって構成されているとともに、上記粒子、チップ状物、粉砕物が、空間率が45%以上となる形状を有することを特徴とする。本発明方法において、金型内に充填する熱可塑性樹脂発泡体としては、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子が好ましく、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子としては貫通した穴を有する発泡粒子や、長さ:Lと直径:Dとの間に、L/D≧4なる関係を有する柱状の発泡粒子、或いは表面に突起を有する発泡粒子が用いられる。
【0008】
また本発明の表皮付き発泡成型体は、上記方法によって得られた、表皮材と発泡体とが融着一体化されてなる表皮付き発泡成型体であって、発泡成型体が空隙率10%以上の連通した空隙を有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において用いる熱可塑性樹脂発泡体の基材樹脂としては、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。上記ポリオレフィン系樹脂としてのポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂は、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテンブロック共重合体、エチレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、プロピレン−アクリル酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。また、これらの他に、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のオレフィン系モノマーと、これらオレフィン系モノマーと共重合し得るスチレン等のモノマーとの共重合体も使用できる。
【0010】
上記オレフィン系樹脂のなかでも、圧縮歪回復性が良好な、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体が好ましく、特にエチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0011】
上記ポリオレフィン系樹脂は、過酸化物や放射線により架橋して用いても、無架橋のまま用いても良いが、生産工程が簡易で、リサイクルの可能な無架橋のものが好ましい。
【0012】
本発明において成型に用いる熱可塑性樹脂発泡体としては、粒子、チップ状物、粉砕物の1種又は2種以上が用いられる。熱可塑性樹脂発泡体からなる粒子、チップ状物、粉砕物としては、空間率が45%以上となる形状を有するものが用いられる。上記空間率とは、熱可塑性樹脂発泡体からなる粒子、チップ状物、粉砕物をメスシリンダー等の目盛り付き容器に入れ、容器の目盛りから求められる値を内容物の見掛けの体積:A(cm3 ) とし、次に見掛けの体積を測定した後の粒子、チップ状物、粉砕物を、アルコールを入れた目盛り付き容器のアルコール中に沈めてアルコールのみの時の容積からの増加分から、粒子、チップ状物、粉砕物の真の体積:B(cm3 ) を求め、見掛け体積:Aと真の体積:Bとから下記式より求められるものである。
【0013】
【数1】
空間率(%)={1−(B/A)}×100
【0014】
また本発明において成型に用いる熱可塑性樹脂発泡体としては、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子が好ましく、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子としては、上記ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とする、貫通した穴を有する筒状の発泡粒子、突起を有する発泡粒子、或いは長さLと直径Dとの間にL/D≧4なる関係が成り立つ柱状の発泡粒子が用いられる。また貫通した穴を有する筒状の発泡粒子やL/D≧4なる関係が成り立つ柱状に、更に突起を有するものも用いることができる。
【0015】
貫通した穴を有する筒状の発泡粒子としては、外部に連通する中空穴を有する形状であるとともに(以下、中空穴が外部に連通する方向を「穴方向」と呼ぶ。)、(a)穴方向に垂直な断面(以下、この断面を「垂直断面」と呼ぶ。)における外周形状及び中空穴形状が共に円形であるもの、(b)垂直断面における外周形状及び中空穴形状が共に多角形であるもの、(c)垂直断面における外周形状、中空穴形状のいずれか一方が円形で、他方が多角形であるもの、(d)上記(a)〜(c)の如き断面形状を有するものを、その外周において互いに複数結合せしめたもの、(e)穴方向に垂直な、どの断面においても突起が設けられた上記(a)〜(d)の如き断面形状を有するもの、(f)ある垂直断面においては上記(a)〜(d)の如き断面形状を有しており、別の垂直断面においては突起が設けられた上記(a)〜(d)の如き断面形状を有するもの等を例示することができる。
【0016】
図1に示す(ア)〜(ソ)の発泡粒子のうち、上記(a)に対応するものとしては、(ア)の発泡粒子が、(b)に対応するものとしては(イ)〜(エ)の発泡粒子が、(c)に対応するものとしては(オ)、(カ)の発泡粒子が、(d)に対応するものとしては(キ)、(ク)の発泡粒子が、(e)に対応するものとしては(ケ)〜(ス)の発泡粒子が、(f)に対応するものとしては(セ)、(ソ)の発泡粒子が挙げられる。尚、図1において、1は発泡粒子、Pは中空穴、eは突起を示す。
【0017】
図1に示した発泡粒子は、本発明において用い得る筒状の発泡粒子の一例に過ぎず、この他にも垂直断面における外周形状や中空穴形状が楕円状、正多角形以外の多角形状となるもの、穴方向に沿って発泡粒子の一部がくびれているもの、穴方向に沿って発泡粒子が捩れているもの、垂直断面においてその中心から中空穴がずれているもの等、筒状の発泡粒子であればいかなる形状のものも使用可能である。尚、本発明において、垂直断面形状がC字型等になるように筒状発泡粒子の一部が切り裂かれた形状のものも筒状の発泡粒子に含めるものとする。
【0018】
上記筒状の発泡粒子は、垂直断面における最大外径:Dと、穴方向に沿った最大長さ:Lとの比、L/Dが0.2〜5.0、特に0.5〜2.0であることが好ましい。筒状の発泡粒子のL/Dが0.2〜5.0の範囲にある場合には、発泡粒子の成型用金型内への充填性が良好になるとともに、発泡粒子相互の融着性が良好となるため好ましい。上記最大外径:Dは、図1の(ア)、(キ)、(ケ)、(セ)に示す如く垂直断面における外周と接する2本の平行する接線間の距離の最大値であり、ノギスにより測定することができる。また、Lについても図1(ア)、(ケ)に示す如き最大長さであり、ノギスにより測定することができる。
【0019】
図1に示す(ア)〜(ク)の発泡粒子のように突起eを有さないものは、発泡粒子を金型に充填する際の充填機内等における発泡粒子の詰まりが生じ難く、金型内に均一な充填率で充填し易いため好ましい。更に、(ア)、(キ)、(ク)の発泡粒子のように垂直断面における外周形状及び中空穴形状がともに円形であるものは、発泡粒子の製造が比較的容易であるため好ましい。
【0020】
本発明において上記筒状の発泡粒子の他に、中空穴がなく突起のみを有する発泡粒子や柱状の発泡粒子も使用可能であるが、柱状の発泡粒子の場合、図2に示すように垂直断面における最大外径:Dと長さ:Lとの間に、L/D≧4なる関係が成り立つことが必要であり、特に7≧L/D≧4であることが好ましい。柱状の発泡粒子としては、図2に示したような円柱状のものに限らず、多角柱状のもの等も用いることができる。中空穴がなく突起を有する発泡粒子の場合、図4に示されるように、発泡粒子の長さ:Lの方向に対して垂直などの断面においても、外周に突起eが存在するように形成されていること、また更に該断面において3又は4個の突起を有するものが発泡粒子の製造上、安定生産性の面で好ましい。また、その長さ:Lと最大外径:Dとの比:L/Dが、0.5〜2.0であることが発泡粒子の金型充填時の充填性の面で好ましい。
【0021】
上記したように本発明においては、図1に示した如き各種の筒状の発泡粒子、図2に示した如きL/D≧4の柱状の発泡粒子や、図4に示した如き突起を有する発泡粒子を用いることができるが、特に図1の(ア)、(オ)に示した如き円筒状の発泡粒子が好ましい。尚、図1の(ア)、(オ)に示した如き円筒状の発泡粒子や図2に示した如き円柱状の発泡粒子は、垂直断面の外周形状が真円形でなくとも、略円形を有していれば良い。
【0022】
特に上記筒状の発泡粒子は、平均粒子重量が1〜50mgであることが好ましいが、より好ましくは平均粒子重量が1〜10mgである。平均粒子重量が1mgに満たない発泡粒子は製造そのものが困難であり、50mgを超えると成型時の金型への充填性が悪くなり易い。また平均粒子重量によっても異なるが、例えば平均粒子重量が1〜10mgの筒状の発泡粒子の場合、任意の垂直断面における中空穴の最小径をdMIN 、同じ垂直断面における外周の最小径をDMIN とした時、dMIN が0.5mm以上で、且つdMIN /DMIN の値が0.30〜0.90であることが好ましく、より好ましくはdMIN が1.0mm以上で、且つdMIN /DMIN の値が0.40〜0.85である。尚、dMIN の上限は20mm、特に10mm以下であることが好ましい。
【0023】
dMIN とDMIN との間に上記関係が成り立つ筒状の発泡粒子を用いて成型すると、収縮率が小さく且つ充分な空隙率を有するとともに、粒子相互の融着性がより良好な発泡成型体を得ることができる。しかしながら、dMIN が0.5mm未満であったり、dMIN /DMIN の値が0.30未満であったりすると、充分な空隙を確保することが困難となって吸音性が不充分なものとなり易い。またdMIN /DMIN の値が0.90を超える発泡粒子は、製造そのものが難しいという問題があるとともに、寸法安定性に欠ける発泡成型体となり易い。
尚、図1の(キ)、(ク)、(ソ)等のように複数の中空穴が存在する場合には、その全ての中空穴について、また(ケ)〜(ソ)等のように外周に突起が設けられている場合には突起を除いた形状について、上記の関係が満たされていることが好ましい。
【0024】
上記発泡粒子は、例えば密閉容器内でポリオレフィン系樹脂粒子と発泡剤とを分散媒に分散させ、攪拌しながら加熱して樹脂粒子中に発泡剤を含浸させ、次いで発泡温度にて樹脂粒子と分散媒とを容器内より低圧下(通常は、大気圧下)に放出し、樹脂粒子を発泡させる等の方法によって得ることができる。
【0025】
発泡粒子製造に用いるポリオレフィン系樹脂粒子は、基材樹脂を押出機内で溶融混練した後、ダイスからストランド状に押出して冷却した後、適宜長さに切断する等の方法で得ることができるが、押出機内で基材樹脂を溶融混練する際に、必要に応じてタルク、炭酸カルシウム、硼砂、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛等の無機物を添加して樹脂と溶融混練し、樹脂粒子中にこれらの無機物を含有せしめても良い。また用途や目的に応じ、黒色、灰色、茶色、黄色、赤色、桃色、緑色、青色等の着色顔料や染料を添加して着色することもできる。樹脂粒子中に上記無機物や着色顔料、染料等を添加する場合、これらの分散性を考慮して、通常はマスターバッチ法を採用する。無機物や着色顔料、染料の添加量は、通常、樹脂粒子100重量部当たり、0.001〜5重量部である。樹脂粒子中に無機物を含有させると、発泡粒子の発泡倍率を向上でき、また気泡径を二次発泡性、寸法安定性において好適な50〜350μmに調整することができる。
【0026】
溶融した樹脂をダイスから押出す際に、得ようとする発泡粒子の断面形状と略相似形状の樹脂押出口を有するダイス(例えば筒状発泡粒子を得る場合は筒状発泡粒子の垂直断面形状と略相似形状の樹脂押出口を有するダイス)を用いることにより、目的形状の発泡粒子と相似形状の樹脂粒子を得ることができ、このような樹脂粒子を用いて上記したように発泡を行えば、目的形状の発泡粒子を得ることができる。
【0027】
発泡粒子製造に用いる上記分散媒としては、樹脂粒子を溶解させないものであれば良く、例えば水、エチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノール等が挙げられるが、通常は水が使用される。また発泡剤としては、通常、プロパン、ブタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサン、トリクロロフロロメタン、ジクロロフロロメタン、クロロフロロメタン、トリフロロメタン、1,1,1,2-テトラフロロエタン、1-クロロ-1,1- ジフロロエタン、1,1-ジフロロエタン、1-クロロ-1,2,2,2- テトラフロロエタン等の揮発性発泡剤や、窒素、二酸化炭素、アルゴン、空気等の無機ガス系発泡剤が用いられる。また揮発性発泡剤と無機ガス系発泡剤との混合発泡剤を使用することもできる。これらのうち、オゾン層破壊の虞れがなく、安価な無機ガス系発泡剤が好ましく、特に窒素、二酸化炭素、空気が好ましい。窒素、空気以外の上記発泡剤の使用量は、通常、樹脂粒子100重量部当たり、2〜50重量部であり、また窒素、空気の場合、その使用量は密閉容器内へ圧入する圧力範囲が10〜60kgf/cm2 Gとなるように添加することが好ましい。発泡剤の使用量は、得ようとする発泡粒子の発泡倍率等に応じて適宜調整する。
【0028】
上記樹脂粒子と発泡剤とを分散媒に分散させて加熱するに際し、樹脂粒子相互の融着を防止するため、融着防止剤を分散媒に添加することができる。融着防止剤としては分散媒に溶解せず、加熱によって溶融しないものであれば無機系、有機系を問わず使用可能であるが、一般には無機系のものが好ましい。無機系の融着防止剤としては、カオリン、タルク、マイカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム等の粉体が好適である。融着防止剤は、平均粒径0.001〜100μm、特に0.01〜30μmのものが好ましい。融着防止剤は樹脂粒子100重量部に対し、通常、0.01〜10重量部を添加することが好ましい。また分散助剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤を併用することができる。分散助剤は樹脂粒子100重量部当たり、通常、0.001〜5重量部添加することが好ましい。
【0029】
尚、発泡粒子は発泡前の樹脂粒子よりも全体の寸法が大きくなっているが、通常、発泡粒子のdMIN /DMIN 及びL/Dの値と、これに対応する未発泡の樹脂粒子のdMIN ´/DMIN ´及びL´/D´の値とは殆ど変わらず、未発泡の樹脂粒子のdMIN ´/DMIN ´、L´/D´の値が前記条件を満たしていれば、発泡粒子のdMIN /DMIN 、L/Dの値も前記条件を概ね満たしている。
尚、本発明における熱可塑性樹脂発泡体からなる粒子、チップ状物、粉砕物を得る手段としては、熱可塑性樹脂発泡体からなる粒子についてはポリオレフィン系樹脂発泡粒子以外の熱可塑性樹脂発泡粒子の場合も、上述したポリオレフィン系樹脂発泡粒子と同様の製法が採用でき、チップ状物については熱可塑性樹脂を押出機先端から棒状に押出し発泡させ押出発泡直後にカッター刃によりスライスすることによりチップ状の発泡体として得ることができる。また粉砕物については、既存の発泡粒子成型体や発泡シート等を粉砕機により粉砕することにより得ることができる。
【0030】
本発明において表皮材としては、通常、合成樹脂シートが用いられる。表皮材は射出成型、スタンピング成形等にて所望の形状に成形したものや、予めTダイ等から押出して得たシートを、シートプレス成形、圧空成形、真空成形等の方法で所望の形状に成形したものを用いることができる。また予め成型したものではなくとも良く、発泡粒子等を成型する際に表皮材を吸引して成型金型に密着させて賦型したものでも良い。表皮材は単層構造のものに限らず、発泡層等を有する多層構造のものであっても良いが、単層構造の場合には表皮材自体が、発泡体からなるチップ状物、粉砕物、発泡粒子と融着性を有する素材によって構成されていることが必要であり、また多層構造の場合には少なくとも発泡体のチップ状物、粉砕物、或いは発泡粒子と接する側の面(内面側)が該チップ状物、粉砕物、発泡粒子と融着性を有する素材によって構成されていることが必要である。
【0031】
以下、熱可塑性樹脂発泡体からなる粒子、チップ状物、粉砕物として、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を用いた場合を例に説明するが、特に断りのない限りポリオレフィン系樹脂発泡粒子に代えて他の熱可塑性樹脂発泡粒子の場合やチップ状物、粉砕物の場合にも同様の技術を適用することができる。
【0032】
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子と融着性を有する素材は、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の基材樹脂の違いによって異なる。ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の基材樹脂が、プロピレン−エチレンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂である場合、このポリプロピレン系樹脂を基材とする発泡粒子と融着性を有する素材としては、例えばプロピレン単独重合体や、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体等のプロピレン成分含有量70重量%以上のポリプロピレン系樹脂、或いはこれらポリプロピレン系樹脂中にエチレン−プロピレンゴム、EPDM等のゴム成分を含むポリプロピレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられるが、発泡粒子と融着性を有するものであればこれらに限定されない。
【0033】
またポリオレフィン系樹脂発泡粒子の基材樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂である場合、このポリエチレン系樹脂を基材とする発泡粒子と融着性を有する素材としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレンや、エチレン成分含有量が70重量%以上のポリエチレン系共重合体等のポリエチレン系樹脂、或いはこれらポリエチレン系樹脂中にエチレン−プロピレンゴム、EPDM等のゴム成分を含むポリエチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられるが、発泡粒子と融着性を有するものであればこれらに限定されない。
【0034】
上記したポリオレフィン系樹脂発泡粒子と融着性を有する素材としては、使用するポリオレフィン系樹脂発泡粒子の基材樹脂の融点以下の融点を有するものを選択すると、発泡粒子と表皮材との融着性が更に良好となるため好ましい。
【0035】
表皮材が多層構造の場合、表面側(ポリオレフィン系樹脂発泡粒子と接しない側)を構成する素材としては、上記したポリオレフィン系樹脂発泡粒子との融着性を有する素材の他に、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子と融着性を有さないポリ塩化ビニル等や、ポリエステル系の織布、不織布、その他、ポリプロピレン系の織布、不織布等の装飾性の高いシート素材も用いることができる。多層構造の表皮材の場合、少なくとも内面側は、上記したポリオレフィン系樹脂発泡粒子と融着性を有する素材により構成することが必要であり、外面側の素材と内面側の素材とは、ホットメルト型接着剤、溶剤型接着剤等によって積層することができる。また外面側の素材及びポリオレフィン系樹脂発泡粒子との融着性を有する素材よりなる内面側の素材を、外面側の素材に熱接着する等によって積層して表皮材を構成することもできる。またホットメルト型接着剤をポリオレフィン系樹脂発泡粒子との融着性を有する素材として使用することもできる。
【0036】
表皮材の素材(多層構造の表皮材の場合には、少なくとも内面側の素材)と、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の基材樹脂とは、上記したように相互に熱融着性を有するような素材を選択することが必要であるが、特に本発明の表皮付き発泡成型体を、例えば自動車内装材等の車両用として用いる場合、耐熱性、剛性、エネルギー吸収性、リサイクル性等を考慮すると、表皮材の素材、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の基材樹脂ともにポリプロピレン系樹脂を選択することが好ましい。また本発明の表皮付き発泡成型体を寝具、家具等に使用する場合、クッション性等を考慮すると、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の基材樹脂としてポリエチレン系樹脂、特に直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、表皮材の素材(或いは表皮材の内面側の素材)も、これと熱融着性を有するポリエチレン系樹脂を選択することが好ましい。
【0037】
本発明の表皮付き発泡成型体は、金型内面に沿う所定形状の上記表皮材が金型内面に沿わせて金型に取り付けられている状態で型締めした後、上記筒状の発泡粒子、L/D≧4の柱状の発泡粒子や、突起を有する発泡粒子を金型内に充填し、金型内にスチームを供給して発泡粒子を加熱し、発泡粒子相互を融着させるとともに発泡粒子と表皮材とを融着させることにより得られる。発泡粒子を金型内に充填する方法としては、クラッキング充填法、圧縮充填法、加圧充填法等の公知の充填法を採用することができる。
【0038】
本発明方法では発泡体として空間率が45%以上、好ましくは50〜70%の粒子、チップ状物、粉砕物からなるもの、例えば、上記筒状の発泡粒子、L/D≧4の柱状の発泡粒子や突起を有する発泡粒子を用いるため、表皮材がスチーム透過性を有していなくても、発泡粒子側から発泡粒子の間をスチームが透過して表皮材の付近にまで到達し、この結果、表皮材付近の発泡粒子や表皮材の内面側が充分に加熱され、表皮材付近の発泡粒子相互間及び発泡粒子と表皮材との間が確実に融着される。
【0039】
上記金型は、通常、雄型と雌型とからなる組合せ金型からなり、表皮材を装着する側(通常、雌型)には、表皮材を吸引して金型内面に密着させて装着するために、0.1〜1.0mm程度の吸引穴が複数設けられ、他方の金型(通常、雄型)には、充填した発泡粒子にスチームを供給するためのスチーム供給穴が設けられている。尚、得られる表皮付き発泡成形体の反りを防止する上で、表皮材を装着する側の金型側からもスチームにより加熱しながら成型することが効果的であるが、スチームが前記吸引穴から金型内に侵入すると、表皮材表面が白化したり表皮材表面の艶がなくなる等の問題を生じるため、表皮材取り付け側の金型をスチームで加熱する場合には、表皮材に直接スチームがあたらないように表皮材装着金型面を加熱(伝熱による間接的な加熱)する等の工夫が必要である。また、外面側が織布、不織布等からなる表皮材を用いる場合にも、表皮材取り付け側の金型から金型内にスチームを供給すると、織布や不織布の毛が潰されて感触が低下するため、このような表皮材を用いる場合には表皮材取り付け側からの金型内へのスチーム供給による直接加熱は行わない方が良い。
【0040】
本発明方法は、上記したように発泡体からなる空間率45%以上の粒子、チップ状物、粉砕物、例えば筒状の発泡粒子、L/D≧4の柱状の発泡粒子や突起を有する発泡粒子を用いることにより、発泡粒子間を加熱用のスチームが透過し易く、スチーム透過性のない表皮材を用いても、表皮材付近の発泡粒子相互間や発泡粒子と表皮材との間を確実に融着させることができる。
【0041】
図3は本発明の表皮付き発泡成型体2の一例を示し、図中3は表皮材、4は発泡粒子相互を融着して形成される発泡成型体である。本発明方法により得られる表皮付き発泡成型体2において、発泡成型体4は空隙率が10%以上の連通した空隙を有していることが、特に、発泡成型体4は空隙率が15〜45%の連通した空隙を有していることが、吸音性や緩衝性の面で好ましい。
【0042】
上記発泡成型体4の空隙率(%)は、発泡成型体サンプルの外形寸法より求めた体積をa(cm3)、該サンプルをアルコールを入れた目盛り付き容器のアルコール中に沈めた時の、目盛り上昇分から求められるサンプルの真の体積をb(cm3)とした時、下記式より求められる値である。
【0043】
【数2】
空隙率(%)={1−(b/a)}×100
【0044】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0045】
実施例1
ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー(MI=10g/10分(230℃、荷重10kgf)、融点159℃、融解熱量28J/g)70重量%と、エチレン−プロピレンランダム共重合体(MI=10g/10分、融点146℃、エチレン含有量2.4重量%)30重量%との混合樹脂からなるシート(厚み0.65mm)を、プレス成形金型(縦:200mm×横:200mm×深さ:40mm)にて成形して表皮材を得た。この表皮材を、雄型と雌型とからなり、金型内の空間が縦:200mm×横:200mm×深さ:40mmの組合せ金型を有する成型装置の雌型に吸引密着させて装着し、次いで雌型と雄型とを型締めした後、内圧が1.0kg/cm2 のエチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン成分2.4重量%、融点146℃)を基材樹脂とする、図1の(ア)に示す形状の円筒状の発泡粒子(平均粒子重量2mg、嵩発泡倍率20倍、dMIN =1.6mm、DMIN =2.5mm、dMIN /DMIN =0.64、L=3.5mm、L/D=1.0)を金型内に充填した。この後、両金型のドレン弁を開いたまま、雄型側のチャンバーにスチームを5秒間導入した後、両金型のドレン弁を閉めて雌型側のチャンバーに120℃のスチームを導入して表皮材側を間接加熱するとともに、雄型側のチャンバーから金型内の発泡粒子に150℃のスチームを供給して発泡粒子を直接加熱し、成型を行った。成型終了後、空冷してから金型を開いて表皮付き発泡成型体を取り出し、60℃、大気圧下で24時間養生した後、室温下で保持した。成型に用いた発泡粒子の諸物性を表1に、得られた表皮付き発泡成型体の諸物性を表2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
(表2)
【0048】
※1 発泡粒子の融着性は、表皮付き発泡成型体を折り曲げて破断させ、表皮積層面下15mmの破断面を観察し、
○・・・発泡粒子の大部分に材料破壊が起こっている。
△・・・発泡粒子の材料破壊と発泡粒子相互間の界面剥離が混在している。
×・・・発泡粒子相互間の大部分が界面剥離している。
として評価した。
【0049】
※2 表皮材と発泡粒子の融着性は、表皮付き発泡成型体を幅15mmに切り出したサンプルにおける表皮材の90°剥離試験を行い、剥離面の発泡粒子の状態を観察し、
○・・・発泡粒子の大部分に材料破壊が起こっている。
△・・・発泡粒子の材料破壊と界面剥離が混在している。
×・・・発泡粒子の大部分が界面剥離している。
として評価した。
【0050】
※3 吸音性は、表皮付き発泡成型体の発泡体側から200〜2000Hzの周波数の音波を照射して吸音率が30%以上となる周波数をJIS A1405垂直入射吸音率測定に基づき測定し、200〜2000Hzの周波数範囲における周波数測定点(1/3オクターブバンド周波数)において、
◎・・・吸音率が30%以上となる周波数測定点が3点以上存在する。
○・・・吸音率が30%以上となる周波数測定点が2点存在する。
×・・・吸音率が30%以上となる周波数測定点が2点未満。
として評価した。
【0051】
実施例2
発泡粒子の内圧を予め1.3kg/cm2 に調整し、金型内の空間が縦:200mm×横:200mm×深さ:100mmの金型を使用し、該金型の雌型に縦:200mm×横:200mm×深さ:100mmに成形された表皮材を装着した点を除いて実施例1と同様の条件で成型を行った。使用した発泡粒子の諸物性を表1に、得られた成型体の諸物性を表2に示す。
【0052】
実施例3
発泡粒子の内圧を予め1.8kg/cm2 に調整し、金型内の空間が縦:200mm×横:200mm×深さ:150mmの金型を使用し、該金型の雌型に縦:200mm×横:200mm×深さ:150mmに成形された表皮材を装着した点を除いて実施例1と同様の条件で成型を行った。使用した発泡粒子の諸物性を表1に、得られた成型体の諸物性を表2に示す。
【0053】
実施例4
平均重量2mg、嵩発泡倍率10倍、dMIN =1.5mm、DMIN =2.6mm、dMIN /DMIN =0.58、L=2.9mm、L/D=1.1の図1の(ア)に示す形状の円筒形発泡粒子を使用し、予め発泡粒子内圧を1.3kg/cm2 に調整した点を除いて実施例3と同様の条件で成型を行った。使用した発泡粒子の諸物性を表1に、得られた成型体の諸物性を表2に示す。
【0054】
実施例5
シラン変性ポリプロピレンの架橋発泡シート(20倍、融点151℃、厚さ3mm)に、ホットメルト接着剤(ヒロダイン7841)を介して軟質ポリ塩化ビニルシート(厚み0.4mm)をラミネートした積層シートを用いて表皮材を形成したした他は、実施例2と同様の条件で成型を行った。尚、表皮材の発泡粒子と接する側の面は架橋発泡シートの面とした。使用した発泡粒子の諸物性を表1に、得られた成型体の諸物性を表2に示す。
【0055】
実施例6
L=9mm、L/D=5、平均粒子重量2mg、嵩発泡倍率20倍の図2に示す柱状の発泡粒子を使用した点を除いて実施例4と同様の条件で成型を行った。使用した発泡粒子の諸物性を表1に、得られた成型体の諸物性を表2に示す。
【0056】
実施例7
L=4.0mm、L/D=1.6、平均粒子重量2mg、嵩発泡倍率20倍の図4の(ア)に示す柱状の発泡粒子を使用した点を除いて実施例4と同様の条件で成型を行った。使用した発泡粒子の諸物性を表1に、得られた成型体の諸物性を表2に示す。
【0057】
比較例1
実施例1と同様の樹脂よりなる、発泡粒子内圧を2.5kg/cm2 に調整した略球状の発泡粒子(嵩発泡倍率8倍)を用いた他は、実施例1と同様の条件で成型を行った。使用した発泡粒子の諸物性を表1に、得られた成型体の諸物性を表2に示す。
【0058】
比較例2
実施例1と同様の樹脂よりなる、発泡粒子内圧を1.8kg/cm2 に調整した略球状の発泡粒子(嵩発泡倍率8倍)を用いた他は、実施例2と同様の条件で成型した。使用した発泡粒子の諸物性を表1に、得られた成型体の諸物性を表2に示す。
【0059】
比較例3
実施例1と同様の樹脂よりなる、発泡粒子内圧を1.8kg/cm2 に調整した略球状の発泡粒子(嵩発泡倍率8倍)を用いた他は、実施例3と同様の条件で成型した。使用した発泡粒子の諸物性を表1に、得られた成型体の諸物性を表2に示す。
【0060】
比較例4
嵩発泡倍率が20倍の略球状の発泡粒子を用いた点を除き、比較例3と同様の条件で成型を行った。使用した発泡粒子の諸物性を表1に、得られた成型体の諸物性を表2に示す。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように本発明方法によれば、表皮材を装着した金型内に熱可塑性樹脂発泡体からなる粒子、チップ状物、粉砕物を充填し、スチームで加熱して発泡体相互を融着せしめるとともに、表皮と発泡体とが一体となった表皮付き発泡成型体を製造する方法において、発泡体として空間率が45%以上となる形状の熱可塑性樹脂発泡体、筒状の発泡粒子、L/D≧4の柱状の発泡粒子、突起を有する発泡粒子を用いるようにしたため、表皮材がスチーム透過性に乏しいものであっても、金型内に充填した発泡粒子の層内にスチームが充分に透過し、この結果、表皮材付近の発泡粒子が良好に融着されるとともに、表皮材と発泡粒子との間の融着も良好となり、発泡成型体層の厚みが厚くなった場合や、発泡成型体形状が複雑になった場合でも、発泡粒子やチップ状物、粉砕物相互の融着性、発泡体と表皮材との融着性に優れた表皮付き発泡成型体を得ることができる。更に本発明方法では、成型体製造時に表皮材を一体に取り付けることができるため、表皮付き発泡成型体の製造効率に優れる。
【0062】
また本発明の表皮付き発泡成型体は、発泡成型体部分が空隙率が10%以上の連通した空隙を有するため、緩衝性、吸音性に優れ、車両、寝具、家具等に好適に利用することができる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いる筒状又は突起を有する筒状の発泡粒子の形状の一例を示す略図である。
【図2】本発明において用いる柱状の発泡粒子の一例を示す略図である。
【図3】本発明の表皮付き発泡成型体の一例を示す縦断面図である。
【図4】本発明において用いる突起を有する発泡粒子の一例を示す略図である。
【符号の説明】
1 発泡粒子
2 表皮付き発泡成型体
3 表皮材
4 発泡成型体
Claims (6)
- 通気性を有さないか通気性に乏しい素材からなる表皮材、或いは外面側が織布、不織布からなる表皮材を組合せ金型内に装着した後、金型内に熱可塑性樹脂発泡体からなる粒子、チップ状物、粉砕物の1種又は2種以上を充填し、表皮材を装着した側からの金型内へのスチーム供給による直接加熱を行うことなく、表皮材を装着していない金型側から金型内にスチームを供給して金型内の発泡体を直接加熱し、該発泡体を融着せしめるとともに発泡体と表皮材とを融着一体化した表皮付き発泡成型体を製造する方法であって、表皮材の少なくとも発泡体と接する側の面が該熱可塑性樹脂発泡体との熱融着性を有する素材によって構成されているとともに、上記粒子、チップ状物、粉砕物が、空間率が45%以上となる形状を有することを特徴とする表皮付き発泡成型体の製造方法。
- 金型内に充填する熱可塑性樹脂発泡体が、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子である請求項1記載の表皮付き発泡成型体の製造方法。
- 金型内に充填する熱可塑性樹脂発泡体が、貫通した穴を有する筒状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子である請求項2記載の表皮付き発泡成型体の製造方法。
- 金型内に充填する熱可塑性樹脂発泡体が、長さ:Lと直径:Dとの間に、L/D≧4なる関係を有する柱状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子である請求項2記載の表皮付き発泡成型体の製造方法。
- ポリオレフィン系樹脂発泡粒子が、表面に突起を有する発泡粒子である請求項2〜4のいずれかに記載の表皮付き発泡成型体の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法によって得られた、表皮材と発泡体とが融着一体化されてなる表皮付き発泡成型体であって、発泡成型体が空隙率10%以上の連通した空隙を有することを特徴とする表皮付き発泡成型体。
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