JPH0689213B2 - スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物 - Google Patents

スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物

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JPH0689213B2
JPH0689213B2 JP1210746A JP21074689A JPH0689213B2 JP H0689213 B2 JPH0689213 B2 JP H0689213B2 JP 1210746 A JP1210746 A JP 1210746A JP 21074689 A JP21074689 A JP 21074689A JP H0689213 B2 JPH0689213 B2 JP H0689213B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スタンピング成形性に優れ、樹脂単体成形、
2層一体成形品、3層一体成形品の製造に適したスタン
ピング成形用ポリプロピレン樹脂に関する。
〔従来の技術〕
近年、自動車のドアトリム、ピラー、グローブボックス
等の内装部品や椅子等の事務機器はポリプロピレン等の
熱可塑性樹脂からなる成形品を基材として用い、これに
外観の高級感とソフトな手触り感を付与するために、織
物あるいは織物からなる布材もしくはPVCレザーや本皮
等の皮材を表皮材とし、これと合成樹脂からなる発泡層
とで積層されたシート状複合材(以下表装材と略す)を
該基材表面に貼合わせて製品としたものが多く用いられ
ている。
従来、この種の製品の製造方法としては、熱可塑性樹脂
成形材料を予め射出成形法等により所定の形状の成形品
を作って基材とし、しかるのちに該基材表面に接着剤を
塗布し、これに手作業により該基材の成形形状に沿って
前記表装材の表皮材が表面に出るように貼りつけして製
品化する方法や、射出成形用金型にあらかじめ表装材を
固定したのち、射出成形法にて成形して表面層に表装材
を有する成形品を製造する方法(射出インサート成形法
という。)がある。
しかしながら前者の方法によれば、表装材自体には高い
圧力と温度が作用しないので、該表装材が保有している
感触は殆ど失われる事がなく好ましい製品が得られる
が、手作業に負うことが多いため製品化に至るまでに工
数がかかり、これが製品コストを押し上げるとともに、
生産性の大きな障害になっている。
また後者の射出インサート成形法は、樹脂射出時におけ
る可塑化樹脂の高い圧力(通常は300kg/cm2以上)と高
温流動の影響で、直接該樹脂と接触する前記表装材の発
泡層が潰れたり破れたりして必要なクッション性が消失
するばかりでなく、表皮材側の破れ、毛倒れ、しわ、光
沢変化が生じて外観を著しく損なうと言う欠点がある。
このような欠点を解決した成形法として、溶融樹脂をノ
ズルまたはTダイから一定量計量して表装材をあらかじ
め固定してある金型上に載置し、低い樹脂温度(通常は
220℃以下)、低い圧力(通常は60kg/cm2以下)で成形
するスタンピング成形方法が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、表装材一体のスタンピング成形は低い樹
脂温度(通常は220℃以下)、低い圧力(通常は60kg/cm
2以下)で成形し(以下低温低圧成形と略す)、しかも
溶融樹脂がノズルまたはTダイから金型上に一定量一定
形状で載置される(以下チャージという)ためチャージ
の最初と最後では金型上の溶融樹脂の温度変化や粘度変
化が起きやすい。また成形品の大きさや形状により金型
が開放状態のままで溶融樹脂が空気により放冷されて行
くためチャージした樹脂の形状の保持が難しい。このた
め表皮一体成形において成形品に部分的に樹脂が充填不
良(以下ショートショットという。)を起こしたり成形
品に部分的に樹脂が過剰充填され金型の間隙から流れ出
て固化したり(以下バリという。)、一部樹脂が表皮材
を溶かして破ってしまうなど成形安定性に問題が有る。
しかも得られた成形品に成形残留歪が残り、その結果、
得られた成形品にヒケ、ソリ等の後変形が発生するとい
った問題点がある。
このような問題点を解決し、安定した成形品を得るのに
好適な素材は未だ知られていない。
本発明の目的は、スタンピング成形時のチャージの際に
溶融樹脂の温度変化や粘度変化が少なくかつチャージさ
れた溶融樹脂の形状変化が起きにくく、安定したスタン
ピング成形性を有し、表装材等による単層または複層の
表面加飾一体成形品を得ることのできるポリプロピレン
複合樹脂組成物を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、種々の溶融粘度特性を持ち、耐熱性に優
れているポリプロピレンを利用して、スタンピング成形
時に溶融樹脂がノズルまたはTダイから金型上に一定量
一定形状でチャージされるさいに、チャージの最初と最
後で溶融樹脂の温度変化や粘度変化を起しにくく、安定
したスタンピング成形性を有するポリプロピレン複合樹
脂組成物を得るべく鋭意研究した。
その結果、特定の分子量分布を有する結晶性エチレン‐
プロピレンブロック共重合体に特定の非晶性エチレン系
共重合体の特定量を配合したポリプロピレン複合樹脂組
成物もしくは該組成物にさらに特定量の無機充填剤を配
合したポリプロピレン複合樹脂組成物が、チャージ時の
溶融樹脂の温度変化や粘度変化が少なく、チャージした
樹脂の形状が保持されてスタンピング成形性に優れてい
ることを見いだし、この知見にもとずいて本発明を完成
した。
すなわち、本発明は 1.分子量分布を表わす指標であるQ値が8〜50である結
晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体に非晶性エ
チレン−ブテン共重合体またはエチレン−ブテン共重合
体50重量%以上と、非晶性エチレンプロピレンランダム
共重合体、スチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマ
ー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレンよりなる群より選んだ1種または2
種以上50重量%以下との混合物1〜30重量%を配合した
スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物。
2.分子量分布を表わす指標であるQ値が8〜50である結
晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体に非晶性エ
チレン−ブテン共重合体またはエチレン−ブテン共重合
体50重量%以上と、非晶性エチレンプロピレンランダム
共重合体、スチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマ
ー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレンよりなる群より選んだ1種または2
種以上50重量%以下との混合物(以下、これらを総称し
て特定の非晶性エチレン系共重合体という)1〜30重量
%および無機充填剤50重量%以下を配合したスタンピン
グ成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物。
3.スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物の
メルトフローインデックス(MFR)が1.0〜100g/10分で
ある前記第1項もしく第2項のいずれか1項記載のスタ
ンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物。
である。
本発明で用いる結晶性エチレン‐プロピレンブロック共
重合体は、プロピレン成分を主成分とし、分子量分布を
表わす指標であるQ値が8〜50の範囲にある結晶性エチ
レン‐プロピレンブロック共重合体であり、好ましく
は、該Q値が8〜25特に好ましくは、8〜15の範囲にあ
る結晶性エチレン‐プロピレンブロック共重合体であ
る。
該Q値が8未満の場合には、得られた組成物を溶融混練
して押出機のノズルまたはTダイからスタンピング成形
用の金型に溶融樹脂をチャージする際、ノズルまたはT
ダイのリップから金型上までの過程で溶融樹脂の径、幅
または厚みの収縮(以下溶融収縮という。)が大きいだ
けでなく、金型上にチャージされた溶融樹脂の形状変化
(以下金型上シュリンクという。)も大きくスタンピン
グ成形性が不安定になり好ましくない。またQ値が50よ
り大きい場合には、上述の溶融収縮や金型上シュリンク
は良好であるが、溶融混練が不均一となりやすく押出変
動を起し、溶融樹脂のチャージの際に計量が安定せず、
肉厚が不均一になりショートショットやバリが発生し好
ましくない。
該結晶性エチレン‐プロピレンブロック共重合体の組成
に関しては特に限定しないが、好ましくは第1段階のプ
ロピレン単独重合体が全重合体の70〜95重量%であり、
第2段階においてエチレン含有量50〜90重量%のエチレ
ン‐プロピレンランダム共重合体を全重合体の5〜30重
量%共重合させた結晶性エチレン‐プロピレンブロック
共重合体である。該結晶性エチレン‐プロピレン共重合
体の第二段階のエチレン‐プロピレン共重合体のエチレ
ン含有量が50重量%より少ないかまたは90重量%より多
いと、溶融収縮が大きくなり好ましくない。また第二段
階のエチレン‐プロピレンランダム共重合体が全重合体
の5重量%より少ないかまたは30重量%より多い場合
も、溶融収縮が大きくスタンピング成形性が不安定であ
り好ましくない。
該Q値は分子量分布を表わす指標で重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)であり、この
値が大きいほど分子量分布が広いことを意味するが、一
般のポリプロピレン単独重合体もしくは共重合体のQ値
は3〜7である。
本発明で用いるQ値が8〜50の結晶性エチレン‐プロピ
レンブロック共重合体は以下の製造方法により製造でき
る。
1. 有機アルミニウム化合物(ジエチルアルミニウムモ
ノクロリド等)と電子供与体(ジイソアミルエーテル
等)との反応生成物を四塩化チタンと反応させて得られ
た固体生成物にさらに電子供与体(ジイソアミルエーテ
ル等)と電子受容体(四塩化チタンなど)とを反応させ
て得られた固体生成物を有機アルミニウム化合物(ジエ
チルアルミニウムクロリド等)および芳香族カルボン酸
エステル(メチルパラエート等)と組み合わせた触媒の
存在化でプロピレンを重合させてプロピレンの単独重合
体もしくは共重合体を連続的に製造する方法において、 (イ)直列に連結された3台以上の重合器を用い、 (ロ)使用する触媒の全重量を第1重合器に供給し、プ
ロピレンの単独重合を行い、該触媒は、生成したプロピ
レン重合体と共に第2以降の重合器に順次連続的に移動
させ、 (ハ)この第2以降の重合器にエチレン(本発明におい
ては、50〜90重量%)とプロピレンを供給してエチレン
とプロピレンとを共重合させ、 (ニ)第1重合器、第2重合器および第3重合器には分
子量調整剤として水素を使用し、各重合器の水素濃度は
順次低下するように調整し、 (ホ)生成したエチレン‐プロピレン共重合体を順次最
終の重合器より連続的に排出させる、 ことによって製造することが出来る。
なお、上記製造方法における条件の一例を次に示す。
(a)重合器3台使用 (b)重合温度:各重合器ともに72℃ (c)重合圧力:第1重合器(Re1);6kg/cm2,第2
重合器(Re2);8kg/cm2,第3重合器(Re3);10kg
/cm2, (d)次記の第1表の例‐1〜例‐3において第2重合
器にエチレンとプロピレン(エチレン含量は60重量%)
を供給し、 (e)第2重合器で重合したエチレン‐プロピレン共重
合体の重合量は全重合体の15重量%である。
(f)水素濃度(気相部のモル%)と得られたエチレン
‐プロピレン共重合体のメルトフローレート(以下、MF
Rという。)およびQ値を第1表に示す。
該結晶性エチレン‐プロピレン共重合体のMFRは特に限
定されないが、好ましくは0.1〜100g/10分、特に好まし
くは2.0〜70g/10分のものである。
本発明で用いる特定の非晶性エチレン系共重合体はエチ
レン‐ブテン共重合体またはエチレン‐ブテン共重合体
50重量%以上と、非晶性エチレンプロピレンランダム共
重合体、スチレン‐ブタジエン系熱可塑性エラストマ
ー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレンよりなる群から選ばれた1種または
2種以上50重量%以下との混合物である。
本発明で用いる非晶性エチレン‐ブテン共重合体は、特
に限定はされないが、好ましくはブテン含有量1〜30重
量%でMFRが1〜40g/10分の非晶性エチレン‐ブテン共
重合体である。
該非晶性エチレン‐ブテン共重合体のブテン含有量が1
重量%未満の場合は、溶融収縮および金型上シュリンク
が大きくなり、また30重量%を越えると溶融収縮は小さ
く良好となるが、金型上シュリンクが大きくなりスタン
ピング成形性が不安定となり好ましくない。
またMFRが1g/10分未満の場合には、溶融収縮や金型上シ
ュリンクが大きくなるばかりでなく、樹脂間の層間剥離
を起こしスタンピング成形性が不安定になるだけでな
く、得られた成形品の外観、剛性および衝撃強度の低下
が起こるので好ましくない。
またMFRが40g/10分より大きくなると、溶融収縮や金型
上シュリンクが大きくなりスタンピング成形性が不安定
となり好ましくない。
該特定の非晶性エチレン系共重合体の配合量は、組成物
に対して1〜30重量%である。該配合量が1重量%未満
の場合、溶融収縮や金型上シュリンクが大きくなり、ス
タンピング成形性が不安定となり好ましくない。
また、該配合量が30重量%を越えると、溶融収縮は小さ
くなり良好となるが、金型上シュリンクが大きくなりス
タンピング成形性が不安定となるので好ましくない。
本発明で用いる、50重量%以上の非晶性エチレン‐ブテ
ン共重合体に50重量%以下の配合割合で混合される、非
晶性エチレンプロピレンランダム共重合体、スチレン‐
ブタジエン系熱可塑性エラストマー、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンも
しくはこれら2種以上の混合物は特に限定されないが、
これらを50重量%を越えて配合すると、溶融収縮や金型
上シュリンクが大きくなるばかりでなく、樹脂間の層間
剥離を起こしスタンピング成形性を不安定にするだけで
なく、得られた成形品の外観、剛性および衝撃強度が低
下するので好ましくない。
本発明のスタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組
成物には該組成物に対して無機質系充填剤を最大50重量
%まで配合する事が出来る。
該無機質系充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、
マイカ、ガラスファイバー、硫酸カルシウム、クレー、
アスベスト等が挙げられ、溶融収縮、金型上シュリン
ク、得られる成形品の表面特性、外観、剛性、耐熱性お
よび耐衝撃性等を考えるとタルク、炭酸カルシウム、マ
イカもしくはこれらの混合物が好ましい。
該無機質系充填剤を50重量%を越えて混合した場合は、
スタンピング成形時に金型上シュリンクが大きくなり、
スタンピング成形性が不安定となり好ましくない。
スタンピング成形方法とは、熱可塑性樹脂を融点以上に
加熱し、溶融、混練、計量を行い、開いたスタンピング
成形用金型上にチャージし、該金型を閉じて加圧するこ
とで賦形する成形方法である。
この金型上に溶融樹脂をチャージする方法としては、押
出機、吹き込み成形機や射出成形機等を用いることがで
きる。
これらのチャージ方法に対応して、本発明のスタンピン
グ成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物はそのMFRが0.1
〜100g/10分の範囲であることが必要で、該MFRが0.1g/1
0分未満の場合には金型上シュリンク大きくなりスタン
ピング成形性が悪化するばかりでなく、得られた成形品
が外観不良を起こし好ましくない。また該MFRが100g/10
分より大きいと溶融収縮や金型上シュリンクが大きくな
り、スタンピング成形性が悪化し好ましくない。
本発明の組成物には通常ポリプロピレン組成物に添加さ
れる各種の添加剤たとえば酸化防止剤、帯電防止剤、紫
外線吸収剤、滑剤、金属不活性剤、顔料、分散剤、中和
剤などを本発明の効果を損なわない範囲で添加すること
ができる。
本発明の組成物は、上述の結晶性エチレン‐プロピレン
ブロック共重合体、非晶性エチレン形共重合体もしくは
結晶性エチレン‐プロピレンブロック共重合体、特定の
非晶性エチレン形共重合体および無機充填剤ならびに上
述の各種添加剤の各所定量を攪拌混合装置を用いて混合
し該混合物を各種の溶融混練装置を用いて溶融混練、ペ
レット化することにより得ることができる。
攪拌混合装置としては、たとえばヘンセルミキサー(商
品名)、スーパーミキサーなどを用いればよく、溶融混
練装置としては、ロール、バンバリミキサー、押出機な
どを用いればよい。
また溶融混練温度としては180℃〜300℃、好ましくは20
0℃〜250℃である。
スタンピング成形品の製造は、押出機、吹き込み成形機
や射出成形機等を利用して、本発明の組成物を融点以上
に加熱し、溶融、混練、計量を行い、開いた下金型上に
吐出、散布または載置し、金型を閉じて加圧し賦形する
ことにより、外観も美麗で成形性の安定した成形品を得
ることが出来る。
また、表装材をその金型が閉じる前に自動ないし手動
で、溶融樹脂上または上金型にセットしたのち、スタン
ピング成形することで、外観も美麗な2層一体の加飾成
形品および表皮とクッション層をつけた3層以上の一体
加飾成形品を得ることが出来る。
該表装材としては、表皮材としてPVCレザー、本皮、
紙、織布、不織布もしくはこれらの混合物のいずれか
と、クッション層として、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリウレタンいずれかの1.5〜70倍発泡もしくは目
付け重量1〜200gのポリプロピレン、ポリエステル不織
布のいずれかを単体もしくは組み合わせた物を用いる。
本発明の組成物は射出成形、シート成形、シートのプレ
ス成形等の他の成形方法にも使用することができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。本発明は
この実施例によって何等限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、各種の評価に用い
られた試験法は以下のとおりである。
(1)MFR JIS K-6758,203℃ (2)Q値 ゲル・パーミエンション・クロマトグラフによる。
(3)溶融収縮 幅150mm、厚み2mmのチャージノズルダイから樹脂温度20
0℃で押出して、300mm自由落下させたさいの溶融樹脂の
ネッキング率を測定した。
(4)金型上シュリンク 幅150mm厚み2mmのチャージノズルダイから樹脂温度200
℃で押出した、300mm長の溶融樹脂を幅200mm、長さ350m
m、深さ4.0mmの平板成形用金型の下金型上にチャージノ
ズルを金型の長さ方向に平行移動させて樹脂をチャージ
し、チャージ終了60秒後の面積変化率を測定した。この
時の金型表面温度は、温水を用いて 50℃に上下金型と
も一定に調整した。
上記の面積変化率が90%より小さくなった場合は、樹脂
の固化速度が早いため急激な体積変化が起きている状態
である。また110%より大きくなった場合は、樹脂の溶
融粘弾性が小さいため金型上に広がってしまった状態を
表わす。
(5)スタンピング成形状態‐1 幅150mm厚み2mmのチャージノズルダイから樹脂温度200
℃で押出した、300mm長の溶融樹脂を幅200m、長さ350m
m、深さ4.0mmの平板成形用の下金型上にチャージノズル
を金型の長さ方向に平行移動させて溶融樹脂をチャージ
し、チャージ終了60秒後に上下金型を閉じ40kg/cm2の型
締圧力で、厚み1.8mmの平板を成形したさいのショート
ショットやバリの状態を確認する。この時の金型表面温
度は、温水を用いて50℃に上下金型とも一定に調整し
た。
(6)スタンピング成形状態‐2 平板成形用金型の上金型に、表装材をセットし、幅150m
m厚み2mmのチャージノズルダイから樹脂温度200℃で押
出した、300mm長の溶融樹脂を幅200mm、長さ350mm、深
さ4.0mmの平板成形用金型の下金型上にチャージノズル
を金型の長さ方向に平行移動させて溶融樹脂をチャージ
し、チャージ終了60秒後に上下金型を閉じ40kg/cm2の型
締圧力で、樹脂厚み 1.8mm、表装材付きの総厚み3.8mm
の平板を成形したさいのショートショットやバリの状態
および表装材側の表面状態を確認する。
この時の金型表面温度は、温水を用いて上金型20℃、下
金型50℃一定に調整した。
表装材としては、クッション層にPPの25倍発泡品(東レ
(株)製:商品名ペフ)を使用し、表皮にはPVCレザー
(共和レザー(株)製)と目付け重量20gのPP不織布を
使用した。
(7)外観 上述スタンピング成形状態‐1及びスタンピング成形状
態‐2で得られた成形品の表面状態。
スタンピング成形状態‐1においては、成形品表面の光
沢ムラ等。
スタンピング成形状態‐2においては、表装材側への影
響を確認する。
○…美麗 ×…光沢ムラ、表装材のクッション層潰け、表皮材の表
皮の変色、破れ、光沢変化。
また、用いた各成分は、以下の通りである。
PP:ポリプロピレン ブロック:結晶性エチレン‐プロピレンブロック共重合
体 ホモ:プロピレン単独重合体 ランダム:結晶性エチレン‐プロピレンランダム共重合
体 EBM:非晶性エチレン‐ブテン共重合体 タルク:林化成(株)製、粒径2〜5μ TC:炭酸カルシウム 林化成(株)製、粒径2〜5μ マイカ:レプコ(株)製 粒径2〜5μ EP:非晶性エチレンプロピレンランダム共重合体 MFR(230℃):7g/10分、エチレン含有量80重量%、商品
名:三井石油化学(株)製 タフマーP0680 SBR:スチレン‐ブタジエン系熱可塑性エラストマー MFR(190℃):3g/10分、スチレン含有量40重量%、商品
名:日本合成ゴム(株)製 RT2000 LDPE:低密度ポリエチレン MFR(190℃):23g/10分、エチレン単独重合体 商品名:東ソー(株)製 ペトロセン208 HDPE:高密度ポリエチレン MFR(190℃):5g/10分、エチレン単独重合体 商品名:チッソ(株)製 チッソポリエチ M850 L-LDPE:直鎖上低密度ポリエチレン MFR(190℃):20g/10分、エチレン単独重合体 商品名:東ソー(株)製 ニポロン‐LM70 実施例1〜33、比較例1〜19 第2〜7表に示す各成分を高速攪ハン式混合機(ヘンシ
ェルミキサー、商品名)で室温下に3分混合し、該混合
物をスクリュー口径40mmの押出造粒機を用いて造粒し
た。ついで、これら該造粒物をナカタニ機械(株)製NV
C-65型押出機を利用したスタンピング成形機にて成形
し、溶融収縮、金型上シュリンク、スタンピング成形状
態‐1、スタンピング成形状態‐2の評価を行ない、そ
の結果を第2〜7表に示した。
第2〜5表の実施例1〜33と第6〜7表の比較例1〜19
を比較すると、実施例1〜38のスタンピング成形用複合
樹脂組成物は、スタンピング成形において成形安定性、
外観に優れた成形品を得られる組成物である。
〔発明の効果〕 本発明の複合樹脂組成物を用いたスタンピング成形品
は、樹脂組成物そのものからなる単層スタンピング成形
及び加飾表装材との一体複層スタンピング成形におい
て、安定した成形性を有し、得られた成形品は表面が美
麗であることから、自動車の内装品(ドアパネル、シー
トバック等)、事務機器(椅子等)、家電機器の外板等
に好適な使用することができる。
さらに、表装材の代わりに導電性能を有する金属箔等を
使用することで、電磁波遮断性能に優れた成形品も得る
ことができる樹脂組成物である。
したがって本発明のスタンピング成形用複合樹脂組成物
は、自動車のドアパネル、ピラー、シートバック等の内
装部品や椅子等の事務機器等の単層および複層構造体を
スタンピング成形法により成形する素材として極めて有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂木 勉 千葉県君津郡袖ケ浦町蔵波台5丁目10番地 の6 (72)発明者 青木 一男 千葉県千葉市長沼町184番地の4 (72)発明者 梅本 芳朗 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大原 芳博 愛知県豊田市細谷町4丁目50番地 豊田鉄 工株式会社内 (72)発明者 佐藤 余四於 愛知県豊田市細谷町4丁目50番地 豊田鉄 工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭1−101356(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量分布を表わす指標であるQ値が8〜
    50である結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体
    に非晶性エチレン−ブテン共重合体またはエチレン−ブ
    テン共重合体50重量%以上と、非晶性エチレンプロピレ
    ンランダム共重合体、スチレン−ブタジエン系熱可塑性
    エラストマー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
    ン、直鎖状低密度ポリエチレンよりなる群より選んだ1
    種または2種以上50重量%以下との混合物1〜30重量%
    を配合したスタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】分子量分布を表わす指標であるQ値が8〜
    50である結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体
    に非晶性エチレン−ブテン共重合体またはエチレン−ブ
    テン共重合体50重量%以上と、非晶性エチレンプロピレ
    ンランダム共重合体、スチレン−ブタジエン系熱可塑性
    エラストマー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
    ン、直鎖状低密度ポリエチレンよりなる群より選んだ1
    種または2種以上50重量%以下との混合物1〜30重量%
    および無機充填剤50重量%以下を配合したスタンピング
    成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物。
  3. 【請求項3】スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹
    脂組成物のメルトフローインデックス(MFR)が1.0〜10
    0g/10分である請求項1もしくは請求項2のいずれか1
    項記載のスタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組
    成物。
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