JPH0689214B2 - スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物 - Google Patents

スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0689214B2
JPH0689214B2 JP1210747A JP21074789A JPH0689214B2 JP H0689214 B2 JPH0689214 B2 JP H0689214B2 JP 1210747 A JP1210747 A JP 1210747A JP 21074789 A JP21074789 A JP 21074789A JP H0689214 B2 JPH0689214 B2 JP H0689214B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
weight
resin composition
stamping molding
stamping
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1210747A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0374455A (ja
Inventor
一博 木村
健 清水
勉 茂木
一男 青木
孝一 本田
芳朗 梅本
芳博 大原
余四於 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Toyoda Iron Works Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyoda Iron Works Co Ltd
Toyota Motor Corp
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Iron Works Co Ltd, Toyota Motor Corp, Chisso Corp filed Critical Toyoda Iron Works Co Ltd
Priority to JP1210747A priority Critical patent/JPH0689214B2/ja
Publication of JPH0374455A publication Critical patent/JPH0374455A/ja
Publication of JPH0689214B2 publication Critical patent/JPH0689214B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スタンピング成形性に優れ、樹脂単体成形、
2層一体成形品、3層一体成形品の製造に適したスタン
ピング成形用ポリプロピレン樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年、自動車のドアトリム、ピラー、グローブボックス
等の内装部品や椅子等の事務機器は、ポリプロピレン等
の熱可塑性樹脂からなる成形品を基材として用い、これ
に外観の高級感とソフトな手触り感を付与するために、
織物あるいは織物からなる布材もしくはPVCレザーや本
皮等の皮材を表皮材とし、これと合成樹脂からなる発泡
層とで積層されたシート状複合材(以下表装材と略す)
を該基材表面に貼り合わせて製品としたものが多く用い
られている。
従来、この種の製品の製造方法としては、熱可塑性樹脂
成形材料を予め射出成形法等により所定の形状の成形品
を作って基材とし、しかるのちに該基材表面に接着剤を
塗布し、これに手作業により該基材の成形形状に沿って
前記表装材の表皮材が表面に出るように貼りつけて製品
化する方法、もしくは表層材を予め射出成形用金型内に
セットした状態で射出成形して成形品の表面層に表装材
を有する成形品を製造する方法(射出インサート成形法
という。)がある。
しかしながら前者の方法によれば、表装材自体には高い
圧力と温度が作用しないので、該表装材が元から保有し
ている感触は殆ど失しなわれる事がなく好ましい製品が
得られるが、手作業に負うことが多いため製品化に至る
までに工数がかかり、これが製品コストを押し上げると
ともに、生産性の大きな障害になっている。
また後者の方法により、基材樹脂と表装材とを射出イン
サート成形法で一体成形した場合、前者の方法により工
数削減にはなるが、樹脂射出時における可塑化樹脂の高
い圧力(通常は300kg/cm2以上)と高温流動の影響で、
直接該樹脂と接触する前記表装材の発泡層が潰れたり破
れたりして必要なクッション性が消失するばかりでな
く、表皮材側の破れ、毛倒れ、しわ、光沢変化が生じて
外観を著しく損なうと言う欠点がある。これに対して溶
融樹脂をノズルまたはTダイから一定量計量し金型上に
置き、低い樹脂温度(通常は220℃以下)と低い圧力
(通常は60kg/cm2以下)で成形するスタンピング成形方
法が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、表装材一体のスタンピング成形は低い樹
脂温度(通常は220℃以下)低い圧力(通常は60kg/cm2
以下)で成形し(以下低温低圧成形と略す)、しかも溶
融樹脂がノズルまたはTダイから金型上に一定量一定形
状で吐出、散布または載置される(以下チャージとい
う。)ためチャージの最初と最後では金型上の溶融樹脂
の温度変化や粘度変化が起きやすい。また成形品の大き
さや形状により金型が開放状態のままで溶融樹脂が空気
により放冷されて行くためチャージした樹脂の形状の保
持が難しい。このため表皮一体成形において成形品に部
分的に樹脂が充填不良(以下ショートショットとい
う。)を起こしたり、成形品に部分的に樹脂が過剰充填
され金型の間隙から流れ出て固化したり(以下バリとい
う。)、一部樹脂が表皮材を溶かして破ってしまうなど
成形安定性に問題が有る。しかも得られた成形品に成形
残留歪が残り、その結果、得られた成形品にヒケ、ソリ
等の後変形が発生するといった問題点は解決されていな
いのが実情である。
このような問題点を解決し、安定した成形品を得るのに
好適な素材は未だ知られていない。
本発明の目的は、スタンピング成形時のチャージの際に
溶融樹脂の温度変化や粘度変化が少なくかつチャージさ
れた溶融樹脂の形状変化が起きにくく、安定したスタン
ピング成形性を有し、表装材等による単層または複層の
表面加飾一体成形品を得ることのできるスタンピング成
形用ポリプロピレン複合樹脂組成物を提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、種々の溶融粘度特性を持ち、耐熱性に優
れているポリプロピレンを利用して、スタンピング成形
時に溶融樹脂がノズルまたはTダイから金型上に一定量
一定形状でチャージされるさいに、チャージの最初と最
後で溶融樹脂の温度変化や粘度変化を起しにくく、また
成形品の大きさや形状により金型が開放状態のままで溶
融樹脂が空気により放冷されて行くさいのチャージした
樹脂の形状の保持が出来るスタンピング成形用ポリプロ
ピレン複合樹脂組成物を得るべく鋭意研究した。
その結果、特定の分子量分布を有する結晶性エチレン‐
プロピレンブロック共重合体にエチレン‐酢酸ビニル系
共重合体の特定量を配合したポリプロピレン複合樹脂組
成物もしくは該組成物にさらに特定量の無機充填剤を配
合したポリプロピレン複合樹脂組成物が、チャージ時の
溶融樹脂の温度変化や粘度変化が少なく、チャージした
樹脂の形状が保持されてスタンピング成形性に優れてい
ることを見いだし、この知見にもとずいて本発明を完成
した。
すなわち、本発明は 1. 分子量分布を表わす指標であるQ値が8〜50である
結晶性エチレン‐プロピレンブロック共重合体にエチレ
ン‐酢酸ビニール系共重合体1〜30重量%を配合したス
タンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物。
2. 分子量分布を表わす指標であるQ値が8〜50である
結晶性エチレン‐プロピレンブロック共重合体にエチレ
ン‐酢酸ビニール系共重合体1〜30重量%および無機充
填剤50重量%以下を配合したスタンピング成形用ポリプ
ロピレン複合樹脂組成物。
3. スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物
のメトロフローインデックス(MFR)が1.0〜100g/10分
である前記第1項もしく第2項のいずれか1項記載のス
タンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物。
4. エチレン‐酢酸ビニール系共重合体がエチレン‐酢
酸ビニール共重合体またはエチレン‐酢酸ビニール共重
合体50重量%以上と非晶性エチレンプロピレンランダム
共重合体、スチレン‐ブタジエン系熱可塑性エラストマ
ー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレンよりなる群から選んだ1種または2
種類以上50重量%以下との混合物である前記第1項、第
2項、第3項のいずれか1項に記載のスタンピング成形
用ポリプロピレン複合樹脂組成物。である。
本発明で用いる結晶性エチレン‐プロピレンブロック共
重合体は、プロピレン成分を主成分とし、分子量分布を
表わす指標であるQ値が8〜50の範囲にある結晶性エチ
レン‐プロピレンブロック共重合体であり、好ましく
は、該Q値が8〜25特に好ましくは、8〜15の範囲にあ
る結晶性エチレン‐プロピレンブロック共重合体であ
る。
該Q値が8未満の場合には、得られた組成物を溶融混練
して押出機のノズルまたはTダイからスタンピング成形
用の金型に溶融樹脂をチャージする際、ノズルまたはT
ダイのリップから金型上までの過程で溶融樹脂の径、幅
または厚みの収縮(以下溶融収縮という。)が大きいだ
けでなく、金型上にチャージされた溶融樹脂の形状変化
(以下金型上シュリンクという。)も大きくスタンピン
グ成形性が不安定になり好ましくない。またQ値が50よ
り大きい場合には、上述の溶融収縮や金型上シュリンク
は良好であるが、溶融混練が不均一となりやすく押出変
動を起し、溶融樹脂のチャージの際に計量が安定せず、
肉厚が不均一になりショートショットやバリが発生し好
ましくない。
該結晶性エチレン‐プロピレンブロック共重合体の組成
に関しては特に限定しないが、好ましくは第1段階のプ
ロピレン単独重合体が全重合体の70〜95重量%であり、
第2段階においてエチレン含有量50〜90重量%のエチレ
ン‐プロピレンランダム共重合体を全重合体の5〜30重
量%共重合させた結晶性エチレン‐プロピレンブロック
共重合体である。該結晶性エチレン‐プロピレン共重合
体の第二段階のエチレン‐プロピレン共重合体のエチレ
ン含有量が50重量%より少ないかまたは90重量%より多
いと、溶融収縮が大きくなり好ましくない。また第二段
階のエチレン‐プロピレンランダム共重合体が全重合体
の5重量%より少ないかまたは30重量%より多い場合
も、溶融収縮が大きくスタンピング成形性が不安定であ
り好ましくない。
該Q値は分子量分布を表わす指標で重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)であり、この
値が大きいほど分子量分布が広いことを意味するが、一
般のポリプロピレン系単独重合体もしくは共重合体のQ
値は3〜7である。
本発明で用いるQ値が8〜50の結晶性エチレン‐プロピ
レンブロック共重合体は以下の製造方法により製造でき
る。
1. 有機アルミニウム化合物(ジエチルアルミニウムモ
ノクロリド等)と電子供与体(ジイソアミルエーテル
等)との反応生成物を四塩化チタンと反応させて得られ
た固体生成物にさらに電子供与体(ジイソアミルエーテ
ル等)と電子受容体(四塩化チタンなど)とを反応させ
て得られた固体生成物を有機アルミニウム化合物(ジエ
チルアルミニウムクロリド等)および芳香族カルボン酸
エステル(メチルパラエート等)と組み合わせた触媒の
存在化でプロピレンを重合させてプロピレンの単独重合
体もしくは共重合体を連続的に製造する方法において、 (イ)直列に連結された3台以上の重合器を用い、 (ロ)使用する触媒の全重量とプロピレンを第1重合器
に供給し、プロピレンを単独重合させる。該触媒と重合
生成物は共に第2以降の重合器に順次連続的に移動させ
る。
(ハ)この第2以降の重合器にエチレン(本発明におい
ては、50〜90重量%)とプロピレンを供給してエチレン
とプロピレンとを共重合させ、 (ニ)第1、第2、第3重合器には、分子量調整剤とし
て水素を使用し、各重合器の水素濃度は順次低下するよ
うに調整し、 (ホ)各重合器において生成した重合体を順次最終の重
合器より連続的に排出させる、 ことによって製造することが出来る。
なお、上記製造方法における条件の一例を次に示す。
(a)重合器3台使用 (b)重合温度:各重合器ともに72℃ (c)重合圧力:第1重合器(Re1);6kg/cm2,第2
重合器(Re2);8kg/cm2,第3重合器(Re3);10kg
/cm2, (d)例−1〜例−3において第2重合器に供給したエ
チレンとプロピレン(エチレン含量は60重量%)を供給
し、 (e)第2重合器で重合したエチレン‐プロピレン共重
合体の量は全重合体の15重量%である。
(f)水素濃度(気相部のモル%)と得られたエチレン
‐プロピレン共重合体のメルトフローレート(以下、MF
Rという。)とQ値を例を表‐1に示す。
該結晶性エチレン‐プロピレン共重合体のMFRは特に限
定されないが、好ましくは0.1〜100g/10分、特に好まし
くは2.0〜70g/10分のものである。
本発明で用いるエチレン−酢酸ビニール系共重合体はエ
チレン‐酢酸ビニール共重合体(以下、EVAという。)
またはエチレン‐酢酸ビニール共重合体50重量%以上と
非晶性エチレンプロピレンランダム共重合体、スチレン
‐ブタジエン系熱可塑性エラストマー、高密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン
よりなる群から選ばれた1種または2種以上50重量%以
下との混合物(以下、EVA混合物という。)である。
該エチレン‐酢酸ビニール系共重合体(以下、EVAまた
はEVA混合物という。)は、好ましくは酢酸ビニール
(以下VAという)含有量1〜50重量%でMFRが0.1〜200g
/10分のものである。該EVAまたはEVA混合物のVA含有量
が1重量%未満の場合には、溶融収縮および金型上シュ
リンクが大きくなり、また50重量%を越えると溶融収縮
は小さく良好となるが、金型上シュリンクが大きくなり
スタンピング成形性が不安定となるので注意する必要が
ある。
該EVAまたはEVA混合物のMFRが0.1g/10分未満の場合は、
溶融収縮や金型上シュリンクが大きくなるばかりでな
く、樹脂間の層間剥離を起こしスタンピング成形性を不
安定にするだけでなく、成形品の外観及び剛性や衝撃強
度の低下を起こすことがある。またMFRが200g/10分より
大きくなると、溶融収縮や金型上シュリンクが大きくな
りスタンピング成形性が不安定となるので注意する必要
がある。
該EVAまたはEVA混合物の配合量は組成物に対して1〜30
重量%である。該EVAまたはEVAの混合物の配合量が1重
量%未満の場合には、溶融収縮や金型上シュリンクが大
きくなり、スタンピング成形性が不安定となり好ましく
ない。
また、該配合量が30重量%を越えると、溶融収縮は小さ
くなり良好となるが、金型上シュリンクが大きくなりス
タンピング成形性が不安定となるので好ましくない。
本発明のEVA混合物である50重量%以上のEVAに50重量%
以下の配合割合で混合される、非晶性エチレンプロピレ
ンランダム共重合体、スチレン−ブタジエン系熱可塑性
エラストマー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレンもしくはこれら2種以上
の混合物は特に限定されないが、これらを50重量%を越
えて配合すると、溶融収縮や金型上シュリンクが大きく
なるばかりでなく、樹脂間の層間剥離を起こしスタンピ
ング成形性を不安定にするだけでなく、得られた成形品
の外観、剛性および衝撃強度が低下するので好ましくな
い。
本発明のスタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組
成物には無機質系充填剤を最大50重量%まで配合する事
が出来る。
該無機質系充填剤としては、特に限定されないが、タル
ク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスファイバー、硫酸
カルシウム、クレー、アスベスト等が挙げられるが、溶
融収縮、金型上シュリンク、表面特性、外観、剛性、耐
熱性、耐衝撃性等を考えるとタルク、炭酸カルシウム、
マイカもしくはこれらの混合物が好ましい。
該無機質系充填剤を50重量%を越えて配合すると、スタ
ンピング成形時に金型上シュリンクが大きくなり、スタ
ンピング成形性が不安定となり好ましくない。
スタンピング成形方法とは、熱可塑性樹脂を融点以上に
加熱し、溶融、混練、計量を行い、開いた金型上に溶融
樹脂をチャージし、金型を閉じ加圧して賦形する成形方
法である。
このため金型上にチャージさせる機構としては、押出
機、吹き込み成形機や射出成形機等を利用することがで
きる。
これらのチャージ機構に対応して、本発明のスタンピン
グ成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物はMFRが0.1〜10
0g/10分の範囲であることが必要で、0.1g/10分未満の場
合には金型上シュリンク大きくなりスタンピング成形性
が悪化するばかりでなく、得られた成形品が外観不良を
起こすので好ましくない。また100g/10分より大きいと
溶融収縮や金型上シュリンクが大きくなり、スタンピン
グ成形性が悪化し好ましくない。
本発明の組成物には通常ポリプロピレン組成物に添加さ
れる各種の添加剤たとえば酸化防止剤、帯電防止剤、紫
外線吸収剤、滑剤、金属不活性剤、顔料、分散剤、中和
剤などを本発明の効果を損なわない範囲で添加すること
ができる。
本発明の組成物は、上述の結晶性エチレン‐プロピレン
ブロック共重合体、エチレン‐酢酸ビニール系共重合体
もしくは結晶性エチレン‐プロピレンブロック共重合
体、エチレン‐酢酸ビニール系共重合体および無機充填
剤ならびに上述の各種添加剤の各所定量を攪拌混合装置
を用いて混合し該混合物を各種の溶融混練装置を用いて
溶融混練、ペレット化することにより得ることができ
る。
攪拌混合装置としては、たとえばヘンセルミキサー(商
品名)、スーパーミキサーなどを用いればよく、溶融混
練装置としては、ロール、バンバリミキサー、押出機な
どを用いればよい。
又、溶融混練温度としては180℃〜300℃、好ましくは20
0℃〜250℃である。
スタンピング成形品の製造は、押出機、吹き込み成形機
や射出成形機等を利用して、本発明の組成物を融点以上
に加熱し、溶融、混練、計量を行い、開いた下金型上に
チャージし、金型を閉じて加圧し賦形することにより、
外観も美麗で成形性の安定した成形品を得ることが出来
る。
また、表装材をその金型が閉じる前に自動ないし手動
で、溶融樹脂上または上金型にセットしたのち、スタン
ピング成形することで、外観も美麗な2層一体の加飾成
形品および表皮とクッション層をつけた3層以上の一体
加飾成形品を得ることが出来る。
該表装材としては、表皮材としてPVCレザー、本皮、
紙、織布、不織布もしくはこれらを組み合せたものと、
クッション層として、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリウレタンいずれかの1.5〜70倍発泡もしくは目付け
重量1〜200gのポリプロピレン、ポリエステル不織布の
いずれかを単体もしくは組み合わせた物を用いる。
本発明の組成物は射出成形、シート成形、シートのプレ
ス成形等の他の成形方法にも使用することができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。
本発明はこの実施例により何等限定されるものではな
い。
以下の実施例および比較例において、各種の評価に用い
られた試験法は以下のとおりである。
(1)MFR JIS K-6758,203℃ (2)Q値 ゲル・パーミエンション・クロマトグラフによる。
(3)溶融収縮 幅150mm、厚み2mmのチャージノズルダイから樹脂温度20
0℃で押出して、300mm自由落下させたさいの溶融樹脂の
ネッキング率を測定した。
(4)金型上シュリンク 幅150mm厚み2mmのチャージノズルダイから樹脂温度200
℃で押出した、300mm長の溶融樹脂を幅200mm、長さ350m
m、深さ4.0mmの平板成形用金型の下金型上にチャージノ
ズルを金型の長さ方向に平行移動させて溶融樹脂をチャ
ージし、チャージ終了60秒後の面積変化率を測定した。
この時の金型表面温度は、温水を用いて50℃に上下金型
とも一定に調整した。
上記の面積変化率が90%より小さくなった場合は、溶融
樹脂の固化速度が早いため急激な体積変化が起きている
状態である。また110%より大きくなった場合は、溶融
樹脂の溶融粘弾性が小さいため金型上に広がってしまっ
た状態を表わす。
(5)スタンピング成形状態‐1 幅150mm厚み2mmのチャージノズルダイから樹脂温度200
℃で押出した、300mm長の溶融樹脂を、幅200m、長さ350
mm、深さ4.0mmの平板成形用金型の下金型上にチャージ
ノズルを金型の長さ方向に平行移動させてチャージし、
チャージ終了60秒後に上下金型を閉じ40kg/cm2の型締圧
力で、厚み1.8mmの平板を成形したさいのショートショ
ットやバリの状態を確認する。この時の金型表面温度
は、温水を用いて50℃に上下金型とも一定に調整した。
(6)スタンピング成形状態‐2 平板成形用金型の上金型に、表装材をセットし、幅150m
m厚み2mmのチャージノズルダイから樹脂温度200℃で押
出した、300mm長の溶融樹脂を、幅200mm、長さ350mm、
深さ4.0mmの平板成形用金型の下金型上にチャージノズ
ルを金型の長さ方向に平行移動させてチャージし、チャ
ージ終了60秒後に上下金型を閉じ40kg/cm2の型締圧力
で、樹脂厚み1.8mm、表装材付きの総厚み3.8mmの平板を
成形したさいのショートショットやバリの状態および表
装材側の表面状態を確認する。
この時の金型表面温度は、温水を用いて上金型20℃、下
金型50℃一定に調整した。
表装材としては、クッション層にPPの25倍発泡品(東レ
(株)製:商品名ペフ)を使用し、表皮にはPVCレザー
(共和レザー(株)製)と目付け重量20gのPP不織布を
使用した。
(7)外観 上述スタンピング成形状態−1及びスタンピング成形状
態−2で得られた成形品の表面状態。
スタンピング成形状態−1においては、成形品表面の光
沢ムラ等。
スタンピング成形状態−2においては、表装材側への影
響を確認する。
○…美麗 ×…光沢ムラ、表装材のクッション層潰れ、表皮材の表
皮の変色、破れ、光沢変化。
また、用いた各成分は、以下の通りである。
PP:ポリプロピレン ブロック:結晶性エチレン‐プロピレンブロック共重合
体、 ホモ:プロピレン単独重合体 ランダム:結晶性エチレン‐プロピレンランダム共重合
体 EVA:エチレン−酢酸ビニール共重合体 タルク:林化成(株)製、粒径2〜5μ TC:炭酸カルシウム 林化成(株)製、粒径2〜5μ マイカ:レプコ(株)製 粒径2〜5μ EP:非晶性エチレンプロピレンランダム共重合体 MFR(230℃):7g/10分、エチレン含有量80重量%、商品
名:三井石油化学(株)製 タフマーP0680 SBR:スチレン‐ブタジエン系熱可塑性エラストマー MFR(190℃):3g/10分、スチレン含有量40重量%、商品
名:日本合成ゴム(株)製 RT2000 LDPE:低密度ポリエチレン MFR(190℃):23g/10分、エチレン単独重合体 商品名:東ソー(株)製 ペトロセン208 HDPE:高密度ポリエチレン MFR(190℃):5g/10分、エチレン単独重合体 商品名:チッソ(株)製 チッソポリエチ M850 L-LDPE:直鎖上低密度ポリエチレン MFR(190℃):20g/10分、エチレン単独重合体 商品名:東ソー(株)製 ニポロン‐LM70 実施例1〜38、比較例1〜22 後述の第2〜7表に示す各成分を高速攪ハン式混合機
(ヘンシェルミキサー、商品名)で室温下に3分間混合
し、該混合物をスクリュー口径40mmの押出造粒機を用い
て造粒した。ついで、得られた造粒物をナカタニ機械
(株)製NVC−65型押出機を利用したスタンピング成形
機にて溶融収縮、金型上シュリンク、スタンピング成形
状態−1およびスタンピング成形状態−2の試験を行な
い評価した。
第2〜5表の実施例1〜38と第6〜7表の比較例1〜22
を比較すると、実施例1〜38のスタンピング成形用複合
樹脂組成物は、スタンピング成形において成形安定性、
外観に優れた成形品を得られることがわかる。
〔発明の効果〕 本発明の複合樹脂組成物を用いたスタンピング成形品
は、樹脂組成物そのものからなる単層スタンピング成形
及び加飾表装材との一体複層スタンピング成形におい
て、安定した成形性を有し、得られた成形品は表面が美
麗であることから、自動車の内装品(ドアパネル、シー
トバック等)、事務機器(椅子等)、家電機器の外板等
に好適に使用することができる。
さらに、表装材の代わりに導電性能を有する金属箔等を
使用することで、電磁波遮断性能に優れた成形品も得る
ことができる樹脂組成物である。
したがって本発明のスタンピング成形用複合物組成物
は、自動車のドアパネル、ピラー、シートバック等の内
装部品や椅子等の事務機器等の単層および複層構造体を
スタンピング成形法により成形する素材として極めて有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂木 勉 千葉県君津郡袖ケ浦町蔵波台5丁目10番地 の6 (72)発明者 青木 一男 千葉県千葉市長沼町184番地の4 (72)発明者 本田 孝一 千葉県市原市五井8890番地 (72)発明者 梅本 芳朗 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大原 芳博 愛知県豊田市細谷町4丁目50番地 豊田鉄 工株式会社内 (72)発明者 佐藤 余四於 愛知県豊田市細谷町4丁目50番地 豊田鉄 工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量分布を表わす指標であるQ値が8〜
    50である結晶性エチレン‐プロピレンブロック共重合体
    に、エチレン‐酢酸ビニール系共重合体1〜30重量%を
    配合したスタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】分子量分布を表わす指標であるQ値が8〜
    50である結晶性エチレン‐プロピレンブロック共重合体
    にエチレン‐酢酸ビニール系共重合体1〜30重量%およ
    び無機充填剤50重量%以下を配合したスタンピング成形
    用ポリプロピレン複合樹脂組成物。
  3. 【請求項3】スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹
    脂組成物のメトロフローインデックス(MFR)が1.0〜10
    0g/10分である請求項1もしくは請求項2のいずれか1
    項に記載のスタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】エチレン‐酢酸ビニール系共重合体がエチ
    レン‐酢酸ビニール共重合体またはエチレン‐酢酸ビニ
    ール共重合体50重量%以上と非晶性エチレンプロピレン
    ランダム共重合体、スチレン‐ブタジエン系熱可塑性エ
    ラストマー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
    ン、直鎖状低密度ポリエチレンよりなる群から選んだ1
    種または2種類以上50重量%以下との混合物である請求
    項1、請求項2、請求項3のいずれか1項に記載のスタ
    ンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物。
JP1210747A 1989-08-17 1989-08-17 スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0689214B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1210747A JPH0689214B2 (ja) 1989-08-17 1989-08-17 スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1210747A JPH0689214B2 (ja) 1989-08-17 1989-08-17 スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0374455A JPH0374455A (ja) 1991-03-29
JPH0689214B2 true JPH0689214B2 (ja) 1994-11-09

Family

ID=16594455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1210747A Expired - Lifetime JPH0689214B2 (ja) 1989-08-17 1989-08-17 スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0689214B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012087270A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Japan Polypropylene Corp プロピレン系熱可塑性エラストマー組成物およびその成形品

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01210746A (ja) * 1988-02-17 1989-08-24 Matsushita Seiko Co Ltd 調理用排気装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01210746A (ja) * 1988-02-17 1989-08-24 Matsushita Seiko Co Ltd 調理用排気装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0374455A (ja) 1991-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2161298B1 (en) Polypropylene resin foam particle and molding thereof
CN101842436A (zh) 聚丙烯系树脂组合物和其制造方法、及发泡成型体
EP0726290B1 (en) A polyolefin based crosslinked foam
KR20030086253A (ko) 열가소성 엘라스토머 조성물 및 이의 성형체
US6334970B1 (en) Method for producing foamed resin article
US20030186039A1 (en) Foamed polypropylene resin sheet
JP2005505673A (ja) ポリオレフィン粉末、その製造及び使用方法、並びにそれから製造したスラッシュ成形品
US6255237B1 (en) Laminated sheet
EP1925635B1 (en) Expanded beads and foamed molded article
US6593003B2 (en) Polypropylene resin composition, T die film made of the same and method of producing T die film
JP5176658B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる発泡成形体
JP4892392B2 (ja) 低光沢容器
JPH0689213B2 (ja) スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物
JPH0689214B2 (ja) スタンピング成形用ポリプロピレン複合樹脂組成物
JPH053832B2 (ja)
JP2000336218A (ja) ポリプロピレン系樹脂シート及び熱成形容器
JPH11165390A (ja) オレフィン系複合樹脂積層シート
JP4275249B2 (ja) ポリプロピレン系透明容器及びその製造方法
JP3994725B2 (ja) 粉体成形用樹脂組成物
JP3637829B2 (ja) Ptp包装用ポリプロピレン系シート及びこれを用いる包装方法
JP2004231820A (ja) 粉体成形用樹脂組成物
JPS5962643A (ja) 合成樹脂架橋発泡体
JPH03126736A (ja) ポリプロピレン架橋発泡体の製造方法
JPH08207068A (ja) 自動車用成形天井材およびその製造方法
CN115243876A (zh) 制造具有聚酰胺覆盖层的共挤出的交联聚烯烃泡沫体的方法